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PC-9801LS2,FMR-50,M500,PC-286LE(月刊ASCII 1988年12月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

最新機種パソコン主力機種レポート2のラップトップ記事をスクラップする。
ASCII1988(12)c01特集扉_W520.jpg
以下表1を抜粋した。
表1 PC-9801LSの主な仕様CPU
CPU 80386SX
 クロック周波数 約16MHz
 メモリアクセス 0ウェイト
V30
 クロック周波数 約8MHz
 メモリアクセス 1ウェイト  
RAM 1.6Mbytes標準実装
メモリ専用スロットに3Mbytes拡張し,最大4.6Mbytes内蔵可能
表示機能 表示素子8/15階調表示のプラズマディスプレイ(640×400ドット)
アナログRGBディスプレイ接続可能
グラフィック カラー指定時
 640×400ドット 8/15階調 2画面
 640×200ドット 8/15階調 4画面
漢字 文字構成 16×16ドットフォント
文字種類 JIS第1・2水準漢字および拡張漢字など約7600字
ユーザー定義文字 188種
FDD 1Mbytesタイプ3.5インチFDDを2台内蔵
640Kbytesタイプ3.5インチFDの読み取り/書き込み可能
3~4台目の1MbytesタイプFDDとして,PC-9831-MF2/MW/VM2のいずれか接続可
HDD LS2:内蔵せず、増設不可
LS4:40Mbytes3.5インチHDD内蔵
外形寸法339(W)×380(D)×103(H)mm
重量 LS2 8.1kg, LS5 8.8kg
消費電力 LS2 65W(最大105W),LS5 80W(最大175W)
価格 LS2 62万8000円,LS5 86万6000円
ASCII1988(12)c03PC-9801LS写真1_W520.jpg
表2 86系CPUの主な仕様比較
80386 80386SX 80286 8086
ピン数 132ピン 100ピン 68ピン 40ピン
クロック周波数 12.5~25MHz 16MHz 6~16MHz 5~8MHz
内部アーキテクチャ 32bit 16bit
アドレスバス 32bit 24bit 16bit
データバス 32bit 16bit
論理アドレス空間 64Tbytes 1Gbytes 1Mbytes
物理アドレス空間 4Gbytes 16Mbytes 1Mbytes
プロテクトモード あり なし
バーチャル86モード あり なし
OS/2 動作 動作不可
WINDOWS/386 動作 動作不可
80286と80386との間には速度以外に歴然たる差というか別物レベルの差があった。それはバーチャル86モードで実によかった。私は、これだけで80386の価値を認めてしまった。しかし、結局80386の時代これを十分に使いこなせるだけのソフトはなかった。
ASCII1988(12)c04PC-9801LS写真3_W520.jpg
ASCII1988(12)c04PC-9801LS写真2_W520.jpg
ASCII1988(12)c05PC-9801LS写真4,5_W519.jpg
まとめ部分をスクラップする。
 LS2は62万8000円,LS5は86万6000円だ.ほぼ同スペックのRA2/5と比べると,ぴったり13万円の差となる.速度差とプラズマディスプレイの価格がこの差になる.純正のカラーCRTディスプレイは定価が10万円前後だから,あとはサイズと持ち運べる便利さだ.ただ,大きさと重さを考えると,Lという名称とはいえラップトップと呼ぶのは苦しい.同社も発表資料で「ラップトップ」ではなく,「ポータブルパソコン」と呼んでいる.どちらにしても、とにかく386マシンが欲しいという人は迷うところだ.
 LV21とLS2を比べると,28万3000円の差となる.スペック的にはディスプレイとメモリ1Mbytesの差だが,CPUの速度差が3倍以上あるだろう.バッテリ駆動の可否では,逆にLVが有利だとにかくポータブルが欲しいという人もかなり迷うことになる.
 速度と値段を考えると,LVとLSの間を埋める機種が欲しい.デスクトップ機におけるVX,RXのような,286搭載の主力機はいつ出てくるのだろう.

 最後の部分を読むと悲しい思い出がよみがえる。PC-9801VX2という発売後8か月で新機種のPC-9801VX21がでてしまう外れ機体を買ってしまった私は、ずっと後悔していた。なぜよりによってPC-9801VX2かよ。なぜよりによって80286という外れCPUかよ。8086を呪った私はずっと罰が当たったと思っていた。やはり恨みつらみという悪感情は不幸を呼び寄せるものだ。それにつけても「286搭載の主力機」という表現は286を誉めすぎではないか。確かに8086やV30のデスクトップ機を仕事で使うとき「遅い!」不満しかなかった。人間を5秒待たせたらリセットボタンを押されてもしょうがないと思え!とパソコンに向かって心の中で暴言を吐いていた。その点80286はテキスト処理をメインに使うのならまだ使える機械だった。グラフィックスはダメだった。遅くて使ってられなかった。

次に紹介されていたのは富士通・松下電器のラップトップだった。
ASCII1988(12)c07FMR-50LT写真1,2_W317.jpg
ASCII1988(12)c07FMR-50LT画面1,2_W331.jpg
富士通のFMR-50と松下電器のM500はほぼ同一というレベルの互換機だった。
スペック等をスクラップする。
表1 FMRシリーズおよびMシリーズの構成
富士通 FMRシリーズ 松下電器 Mシリーズ
FMR-70(80386/16MHz) M800(80386/20MHz)
FMR-60(80286/8MHz) M700(80286/12MHz)
FMR-50(80286/8MHz) M500(80286/8MHz)
FMR-30HX(80L286/8MHz)
FMR-30(80C86/8MHz)
富士通ではこのほかに,FMR-30BX,FMR-10LTがある.

価格は
FMR-50HD(65万円)
FMR-50LT5(56万8000円)
FMR-50FD(41万円)
FMR-50LT2(42万8000円)
M500HD(58万円)
M353HD(56万8000円)
M500FD(36万円)
M353FD(42万8000円)

エプソンのPC-9801互換ラップトップ
ASCII1988(12)c08PC-286LE写真1,2_W471.jpg
CPUはμ70116(V30)クロック周波数10/8MHz
で重量と価格は
STDが6.6kg,36万8000円
H20が6.9kg,50万3000円
H40が6.9kg,59万3000円

エプソンのカラー液晶ラップトップの試作マシンの記事をスクラップする。
ASCII1988(12)c09PC-286LE試作マシン写真a,b_W332 .jpg
 10月17日に行われたPC-386,PC-286LE,PC-286USの記者発表の席上,セイコーエプソンは、カラー液晶ディスプレイを搭載したPC-286シリーズの試作マシンを公開した。
 この試作マシンは、本体はPC-286LEとほぼ共通であり,液晶ディスプレイをカラー液晶に置き換えたものとなっている.この液晶パネルは,MTMアクティブマトリクス方式と呼ばれる方式を採用したものとのことであり,発色や応答速度についても,CRTディスプレイとほとんど変わらない使用感を提供する(写真a,b).
 同社では,今回のものはあくまで試作であるが,来年度中には,こうしたカラー液晶を採用したマシンの商品化も可能であるとしている.また,ラップトップマシンの表示ディスプレイは,将来的に,白液晶を搭載したものと,カラー液晶を搭載したものに分かれていくことになるという。
 白液晶タイプは,ワークステーションなどのペーパーホワイトディスプレイと同じように,カラー表示を必要とせず,紙のドキュメントを交えた作業などで疲労感の少ない環境を提供するというメリットがある.一方,カラー液晶タイプは、CRTディスプレイとまったく同等の環境を提供するものである.
 また,同発表会では,PC-286/PC-9801シリーズ用のOHPプレゼンテーションディスプレイパネルが発表された.これは,パソコンの画面を表示する液晶パネルをOHPのシートとして利用できるというものである.同社のものは,PC-286Lと同じように白液晶を採用しており,従来のこの種のパネルに比較してコントラストが高く,耐熱性も十分配慮されているという。価格は、21万8000円となっている.

カラー液晶のラップトップ初期のころは見づらかった。このころのラップトップは中間作業用マシンで最終的にはデスクトップ機にデータを移しそこで完成させるという感じで使っていた。なにしろ、職場のパソコン環境は1人に1台ではなく、係に1台という貧弱なものだった。
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その他、ハード、ソフト(月刊ASCII 1988年12月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からその他、ハード、ソフトの記事をスクラップする。

米企業,ソ連にパソコン合弁会社設立へ
ASCII1988(12)b06米企業ソ連合弁会社_W501.jpg
こんなこともあったという記事。スクラップすべき貴重な資料だと思う。

マイテックが24bit浮動小数点用DSPボードを発売
ASCII1988(12)b05マイテック24bitDSP.jpg
今ではCPUに内蔵されているが34年前は浮動小数点演算にコプロセッサとかこのようなものが必要だった。

富士通が汎用の24bit浮動小数点DSPを発売
ASCII1988(12)b05富士通24bitDSP_W520.jpg
これはマイテックと違い汎用の製品。

日本電気がSCSI専用のコントローラLSIをサンプル出荷
ASCII1988(12)b05日電SCSI用LSI_W520.jpg
34年前はこうして周辺機器を使うためにはコントローラLSIを自作しなければならなかった。

アイテムがPC-9800/PC-286シリーズ用80MbyteHDDを発売
ASCII1988(12)b11アイテムHDD_W520.jpg
HARD DISK 3080 価格は
PC-9800シリーズ用が25万6000円
PC-286シリーズ用が26万6000円
PC-9801VM41などのHDD内蔵マシン用が26万8000円。
PC-9800とPC-286で価格が違うのはなぜだったのか。
それにしても高い。

コンピュータ・リサーチがPC-286L用HDDなどを発売
ASCII1988(12)b11コンピュータリサーチHDD_W520.jpg
HD2A-L が10万9800円
HD4A-Lが14万9800円
EM15が8万9800円

磁気研究所がPC-9800/PC-286シリーズ用40MbytesHDDを発売
ASCII1988(12)b11磁気研究所HDD_W520.jpg
ML-40 の価格は12万9000円。
磁気研究所の名前に記憶はないが、今でも会社はあるようだ。

ティアック,記憶容量4Mbytesの3.5インチFDDを開発
ASCII1988(12)b06ティアック4MのFDD_W500.jpg
大容量のリムーバブルメディアが次々と発表されていた。FDD以外にもZipとかMOとかPDとかがあった。家ではMOドライブを使っていた。

ティアック,DATを使用したストリーマを開発
ASCII1988(12)b06ティアックDATストリーマ_W494.jpg
RS-2の価格は39万8000円。職場に入ったのはこのもう一桁安くなったころだった。そのころはHDDの信頼性も上がり、結局リストアすることはなかった。とりあえずストリーマが入って安心感は手に入った。

ソニーがDATを利用した大容量記憶装置を発表
ASCII1988(12)b09ソニーDAT_W520.jpg
SDT-1000のサンプル価格は60万円。

キヤノンが書き換え可能な光磁気ディスクを実用化
=採用第1号はNeXT Computer System=
ASCII1988(12)b09キヤノン光磁気ディスク_W520.jpg
これはMOと言ってもいいものなのか?

マイクロコアとマイクロ総研,ファミコン用漢字プリンタを開発
ASCII1988(12)b08マイクロコアとマイクロ総研ファミコン漢字プリンタ_W499.jpg
ファミコンは確かにゲーム専用機ではなくマイコンではあったかれど、これをコンピュータとして使っていたユーザもいたのか。ファミコンで漢字プリンタが必要なユーザには興味ある。

シャープ,階調表示可能な大型ELディスプレイを開発
ASCII1988(12)b10シャープ大型ELディスプレイ_W500.jpg
16階調表示可能が最先端だったのか。

シャープ,ISDN対応カラー静止画テレビ電話を開発
ASCII1988(12)b08シャープISDNテレビ電話_W498.jpg
こういう地道な開発から始まったのだ。

ジャストシステム,98用イメージスキャナを開発
ASCII1988(12)b10ジャストシステムイメージスキャナ_W501.jpg
JS-SC202の価格は13万8000円。どうして自社製のスキャナが欲しかったのか。他社ではダメなのか。

マイクロソフト,IBM PC用ソフトを国内販売開始
ASCII1988(12)b06マイクロソフトIBM用Excel_W501.jpg

シャープAX386・Excel(月刊ASCII 1988年8月号6)
>これについては,ウソかホントか,Appleのジョン・スカリー社長が,その自伝の中で,Microsoftとの間で交わされたExcelをめぐる裏取引にまつわる話を公開している.それによると,Macの登場後間もないころに,Appleは独自のMac用BASICを発表しようとしていたが,ビル・ゲイツはこれに強く反発して,自社のMicrosoft BASICのMac版のみが独占的に販売されるよう要求した.対するApple側は,MicrosoftがPC版Excelのリリースを向こう2年間行わない,ということを条件に,この要求を受け入れたという.

やっとExcelがIBM PC 互換機に移植された。

SOFT・夢,HDDインストール用ソフトを発売
ASCII1988(12)b08SOFT夢HDDインストール用ソフト_W499.jpg
34年前はハードディスクにソフトをインストールすること時代パソコンのスキルが必要だった。

アンテナハウス,パナワード用文書ファイル変換ソフトを発売
ASCII1988(12)b10アンテナハウスパナワード用文書ファイル変換ソフト_W496.jpg
ワープロユーザーが多かった時代PC-9801に文書ファイルをコピーできるソフトが発売されていた。

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コンピュータ・ワープロ(月刊ASCII 1988年12月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からコンピュータ、ワープロ関係の記事をスクラップする。

日本電気,FAコンピュータを発売
ASCII1988(12)b12日電FC-9801V2_W504.jpg
このFAコンピュータ(FC-9801V2)を使っている知人はいなかった。どんな事業所でどんな目的で使っていたのだろうか。それにどうしてPC-9801互換である必要があるのだろうか、自分たちがBASICでプログラムを作って運用していたのだろうな。PC-9801そのものではだめなのか。振動する台の上にでも置いて使っていたのだろうか。耐震性とか耐衝撃に優れていた筐体を持っていたのだろうか。

日本IBMがPS/55ファミリーに新モデル2機種を投入
ASCII1988(12)b14PS/55.jpg
34年前のIBMはまだブランド力があった。ビッグブルーは偉大だった。

ヤマハが音楽専用コンピュータ「C1」などを発売
ASCII1988(12)b14ヤマハC1_W520.jpg
80286を使った16bit機。ヤマハならではのマシン。

リコーが機能を強化したMr.マイツールⅢシリーズを発売
ASCII1988(12)b14リコーMrマイツールIII_W520.jpg
80286マシンで113万8000円からとは高価格だ。

リコー,UNIXマシンを発売
ASCII1988(12)b06リコーUNIX_W502.jpg
34年前は猫も杓子もパソコンを作っていた。UNIXマシンだから価格は996万円からと高い。

三洋電機がMSX2+規格のマシンを発売
ASCII1988(12)b16三洋電機MSX2+_W520.jpg
WAVY70FDで価格は6万4800円、当初月産1万台計画。
これでもFDDが1台付いていた。

日電が33MHzの68030を搭載したEWSを2機種発売
ASCII1988(12)b16日電68030EWS_W520.jpg
EWS4800/20が320万円からと先のリコーのマシンよりかなり安い。

富士通がFACOM9750ΛmkⅡの後継機種を発売
ASCII1988(12)b16富士通FACOM9450ΛmkII_W520.jpg
FMR-50Λ。これもFMRとあるのでパソコンか?フロッピーモデルが45万円だからパソコンの価格だ。

リコーが高品位印字を実現した日本語ワープロを発売
ASCII1988(12)b07リコーワープロ_W520.jpg
マイリポートN-10の価格は13万8000円で月産5000台を計画。

リコー,日本語ワードプロセッサ2機種を発売
ASCII1988(12)b08リコーワープロ_W501.jpg
リポート3300 が43万円
リポート3200 が24万5000円

日電が文豪mini7シリーズに新モデルを投入
ASCII1988(12)b07日電文豪mini7_W520.jpg
文豪mini7HG が19万8000円。月産1万8000台予定。

日本電気,日本語ワープロ2機種を発売
ASCII1988(12)b10日電ワープロ_W500.jpg
文豪3V II EX が24万8000円~43万8000円
文豪3M II が45万8000円~102万8000円
スクラップして思うのはこのASCII EXPRESS自体が業界新聞の切り抜きの気がする。

松下電器がパーソナル日本語ワープロに新モデル3機種を投入
ASCII1988(12)b07松下電器ワープロ_W520.jpg
PanawordU2PROシリーズで
U1P701 が19万8000円で月産1万台を予定
U1K104 が12万8000円で月産2万台を予定
K2 が3万9800円で月産2万5000台を予定

東芝,日本語ワードプロセッサ3機種を発売
ASCII1988(12)b10東芝ワープロ_W503.jpg
Rupoシリーズに
JW90HX が19万8000円
JW90FX が16万8000円
JW100F が16万8000円

34年前ワープロの発売は衰えていなかった。

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パソコン広告(月刊ASCII 1988年12月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

もう一度読み返し、スクラップする。
ASCII1988(12)表裏_W520.jpg
裏表紙はFM77AV40SXだった。南野陽子のカットも変わった。

ASCII1988(12)見開ppt_W520.jpg
表紙見返しはプラズマディスプレイのラップトップPC-9801LSが出た。東芝のプラズマディスプレイマシンに対抗したのだろう。東芝にできることはNECでもできるという気持ちが感じられた。この東芝にできるものはという姿勢はダイナブックJ-3100SSのときにもあった。

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ASCII1988(12)a01PC-8801FE_斉藤由貴_W520.jpg
PC-8801FEの広告。斉藤由貴の写真が変わった。この斉藤由貴は可愛い。

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小沢なつきを前面に押し出している日電のモデムとプリンタの広告。前号の使いまわし。

ASCII1988(12)a03ペンタブ_W520.jpg
左側の日電のペンタブは前号の使いまわし。小沢なつきの広告をいつまで使いまわすのか。

ASCII1988(12)a04PanacomM_W520.jpg
右頁はPanacomM LAPTOPの広告。前号の使いまわし。

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シャープのAX286LとAX386。

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シャープのX68000は前号の使いまわし。

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シャープのポケコンPC-E 500は前号の使いまわし。

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南野陽子の富士通FF77AV40SX。この号も可愛い。

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南野陽子の富士通FMR-50LT。

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左頁が東芝J-3100SGT101の広告。前号の使いまわし。

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東芝のワープロRupoの広告。

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ソニーのワークステーションNEWSの広告。

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キヤノンのNAVI。前号の使いまわし。

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キヤノンのレーザーショット。

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Aldus PageMakerの広告。キヤノンが販売していた。PageMakerはWindowsに移植されてから使った。PageMaker, Photoshop, ExcelこれらはMacで動いているのをみて、ちょっと触ってみて、こういうソフトを使いたいと思った。それらのソフトを使えないのを皆8086系のCPUが悪いせいだと恨んでいた。この8086憎しが私のパソコン人生をダメにしていた。金さえあればMacも買えたのに、自分の甲斐性のなさが悪いのをCPUのせいにしていた。

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エプソンのPC-286LEの広告。

ASCII1988(12)a17AMD_W520.jpg
AMDの広告のあおりが正鵠を射ていた。
いま、もう一度、パソコン選びの基準を考えてみませんか。
パソコンも、いよいよ32ビット時代と言われはじめています。確かに32ビットPCの登場は、パソコンの進化ぶりを示してくれる大きなできごと。でも、それは使いこなせての話。たとえば32ビットPCは、16ビットPCに比べ処理が速いといわれていますが本当でしょうか(答えは、下のほうにあります)。処理速度だけではありません。そもそも高額な32ビットパソコンで処理しなければならない仕事がどれだけあるのかも疑問です。CPU自体がコストアップし、使用できるソフトウェアにも限界が生じます。つまりいま、いちがいに32ビットPCを選ばなければならない理由が見当たらないのです。もちろん、32ビットPCは将来的には心要です。でも「いまはまだ、ちょっとね」。そんな声をちまたで聞くに及んで、これはもう、正しいことは正しいと、疑問は疑問としてハッキリさせたい。32ビットPCの心要性を認めつつ、現在主流となっている16ビットPCの性能についても再検討するいい機会ではないかと。というのも、それがパソコンのじょうずな選び方につながると信じているからなのです。
80286PC VS 80386PCの性能比較、結果は引き分け。だとしたら、あなたは?
パソコン選びの基本は、ソフトウェアの数が豊富なことですね。パソコンもソフトがなければ、ただの箱ですから。パソコンのアプリケーションソフトの数を考えれば、OSとしてMS-DOS、あるいはこれからのOS/2、つまり必然的に80286ベースのパソコンか、80386ベースのパソコンということになります。では、386PCと286PC。どちらが速いか(「386PCが速いに決まっている」なんておっしゃらないで、まあ、もう少しお読みください)。そこで私たちは、80286ベースPCと80386ベースPC(両方とも16MHzです)を使っていろいろなベンチマークテスト(ハードウェアの性能調査のための試験)を行なってみました。そこで、とても興味深いことを発見したのです。たとえば「Lotus1-2-3』の複雑な数式を含むスプレッドシートの再計算を2つのパソコンで行なってみました。図1を見てください。結果はご覧のとおり。このベンチマークテストではなんと、再計算にかかった時間は両者ともほぼ同じになってしまったのです。他のベンチマークテストの結果を見ても、80286PCの性能比は現在のソフトウェア環境では、ほぼ同じという結果になってしまいました。場合によっては、80286PCのほうが良い結果が得られることも、80386ですらこうですから、80386SXの場合は……もう、おわかりですね。しかも、通常30~40万円のパソコンの価格差を考えに入れれば、コストパフォーマンスは図2のようになってしまうのです。これでは、80386PCに、いったいどれだけのメリットがあるのか……。これが疑問の一つです。
MS-DOSソフトを80386PCで使用して、意味があるのですか。
皆さんご存じのとおり、現在ほとんどのパソコンのOSはMS-DOSを使用しています。昨年、次世代のOSとしてOS/2が発表されました。確かにOS/2は数年先の次世代OSとして発展するでしょう。現在の多くのソフトウェアは、やがてOS/2で走ることになるでしょう。しかしそもそもOS/2は、80286用に開発されたもので80386用のものではありません。80386では、OS/2を80286より速く」走らせることができないのです。事実、80386がOS/2を動かす場合は、実は80286をエミュレートするわけですから。結論として、現在のMS-DOSソフトを80386PCで使用する意味は、ほとんどないといっていいでしょう。OS/2にしても同じことです。とても残念なことですが。
すばらしい可能性を秘めたOS/2も、まだよちよち歩きの1歳児。
では、将来の80386用OSはどうでしょうか。確かにOS/2をベースとしてさらに新しいOSが開発されるでしょう。しかし、まだまだ時間がかかるのではないでしょうか。MS-DOSでさえ、普及するのに5年かかっています。OS/2が発表されてまだ2年たらず。識者の間ではOS/2がMS-DOSと同じように普及するのは、MS-DOSと同様の年月がかかるだろうといわれています。確かに80286ベースのパソコンが発売されてから現在のソフトウェアが整備されてきた時間を考えれば、その道のりは、決して近くないということは容易に想像できますね。これでも皆さんは、まだ80386ベースのパソコンが欲しいとお考えでしょうか。
私たちはAMD。標準16ビットパソコンを応援します。
こんなことを、なぜ私たちが申し上げなければならないかというと、AMD社は、80286マイクロプロセッサを世界で2番目に多く出荷しているLSIメーカーだから。AMD社は、80286の10、12.5MHz版を世界で最初に出荷し、また16MHz版を出荷している唯一のLSIメーカー。その実績は、すでに皆さんご存じの、名機といわれるパソコンをご覧いただければおわかりいただけるでしょう。そしてこれからも私たちは、16ビットパソコンのためにさらに高速版の80286をサポートしていきます。そして標準の16ビットマイクロプロセッサのトップメーカーとして、皆さんとこれからのパソコンについて一緒に考えていきたいと思っているのです。サイズに合った、歩きやすい靴を選ぶように。私たちはAMD。標準16ビットパソコンとそのユーザーの皆さまを応援します。
たしかに80386は結局高速な80286としてしか使われてこなかった。i486になってやっとWindows 3.1でソフトウエアを使えるようになった。動くということと使えるということは違う。それにしても86系CPUはユーザにストレスを溜めることばかりだった。それなのに86系のパソコンを買い支えてきたのが一般ユーザだ。どれほど、金を使ったことか。

ASCII1988(12)a18BORLAND_W520.jpg
TURBO ASSEMBLER & DEBUGGER, TURBO CとTURBO PASCALの広告。

ASCII1988(12)a19BORLAND_W520.jpg
左頁がTURBO PASCALの広告。
ボーランドの製品の支持者だった。だいぶ貢いだ。
ソフトウェアのマニュアルを捨てる
ソフトウェアを捨てる(TurboC他)
ソフトウェアを捨てる(BorlandC++)

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一太郎Ver.4の広告。

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花子Ver.2の広告。

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ジャストシステムのシルエット。

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ジャストシステムはスキャナまで出した。スキャナを自社で出す必要性は何だったのだろうか。

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ASCII1988(12)a24八方美人_W340.jpg
ダイナウェアの八方美人というソフトの広告。各ソフトのデータを読み込みレイアウトできるのはいいと思うが使い物になったのだろうか。34年前はパソコンに向かって作業していることを遊んでいるとみられていた時代だった。切り貼りした方が早いのだから切り貼りしろと言われた。まあ、そのとおりだ。時間の無駄遣いはサボっていることと同じだ。34年前のパソコン環境は本当に仕事に使えるとは言い難かった。

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右頁がメガソフトのMAXLINK。このシリーズのダイナブックとPC-9801を結べるバージョンを買って使わせてもらった。ダイナブックがPC-9801の外付けドライブとして認識されるというとっても便利なものだった。

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maxellのフロッピーの広告。5インチのときは磁性体の出ている窓がむき出しになっていて指で触るととんでもないことになった。3.5インチになって窓にシャッターが付いた。5インチのときはディスケットは紙製のジャケットに入っていたものが3.5インチではプラスチックケースに入るようになって持ち運びに信頼性がおけるようになった。

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ツクモ電機の広告。
パソコンの下取り価格が出ていた。新製品が出たら旧機種を下取りに出して新製品を買う人が結構いた。

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裏表紙裏はFUJI FILMのフロッピーディスクの広告。

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トップをねらえ!ムーンウォーカー(月刊ASCII 1988年11月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

MEDIA BREAKにトップをねらえ!があった。
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記事の「地球に落ちてきたイン石がなぜ燃え尽きてしまうのか説明できない。あれ,摩擦熱なんかじゃないんですよ.知ってました?まあ,私も最近本を読みなおして知ったんですが(笑).」私は、この記事を読んだ後何十年も分からなった。スペースシャトルの事故のテレビ番組で自分なりの答えがでた。シャトルの進行方向の空気が圧縮されて高熱になるから燃えるのか。岡田斗司夫は意地悪だ。この記事のどこかにヒントや本の題名とか書いて欲しかった。
 それに (笑) が1988年のときに既に使わていた。2ちゃんねるの掲示板より早い。もしかすると、岡田斗司夫が最初に使ったかもしれない。

これはLDを買って何度も観た。
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ガイナックスはLDが高かった。
各巻税込み 7,591円だった。合計22,773円も使ってしまった。

マイケルジャクソンのSF映画が紹介されていた。
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 今回紹介するのは久々のSF大作主演と出資は,あのマイケル・ジャクソン製作総指揮は彼のやりてマネージャー,フランク・ディレオレコードのプロデューサーがマイケルのマネージャーを足がかりに,ついに映画製作にも乗り出したわけだ.EPICレコードの副社長時代にアルバム『スリラー』を担当して以来のマイケルとのつながりだから,ジョー・ダンテやリック・ベイカーを起用しての,あの長大なプロモーション・ビデオ製作も彼の発案に違いない.次の『BAD』ではマーチン・スコット監督を担ぎ出した.映画への下心はかなり前からのものと言えよう.
 マイケル自身がディズニー映画や『E.T.』の大ファンであるのはよく知られている。彼ほどの富を築けば、自分自身がE.T.になるの「も可能だ。この映画で彼は、“映画史上もっと「も不思議な”スーパー・エイリアンに扮する.その名は「ムーン・ウォーカー」.マイケルのトレードマークとも言える,あの後ろに滑べるような歩き方をいかしての命名は明らかだ.
 どれほど不思議かという一例,彼はなんと巨大ロボットへと4次元変身できる.この変身シーンはまたしてもリック・ベイカーが担当.我々をあっと言わせてくれる、らしい.
 なぜ“らしい”なのか、それはこの映画が,公開直前まで全貌を明かさないからだ。『スー パーマン』シリーズの特撮でアカデミー賞を受けたコリン・チルバースを監督に迎え,最新のSFX技術が駆使されているのは間違いない.けれど,世界に先駆けて10月29日に日本で公開される直前まで,より高い完成度を目指して手直しが続くのであろう.マイケルの乗るスーパーバイクのシーンなどには、CGも使われるとのこと、「キャプテンEO」をしのぐ出来に期待したい.

観たことはもちろんないし、あったことも覚えていない。評判は芳しくなかったに違いない。まあ引用部の最後「をしのぐ出来に期待したい」はダメだったものの定番表現。まだ出来上がってもいないうちにダメだし表現をされていた。

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PanacomM800(月刊ASCII 1988年11月号8) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号のPRODUCTS SHOWCASEのPanacomM800の記事をスクラップする。
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松下電器のMシリーズは富士通のFMRの互換機だが、どうしてFMRの互換機を作ろうと考えたのか、どこに売ろうと思ったのか不思議なマシンだった。

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表2 Mシリーズ一覧
機種名 M500 M700 M800
CPU 80286:8MHz 80286:12MHz 80386:20MHz
メモリ 1Mbytes(最大9Mbytes) 2Mbytes
日本語表示
グラフィックス
16×16ドット
640×400ドット
24×24ドット
1120×750ドット
モデル FD HD FD HD HE
ハードディスク 20Mbytes 20Mbytes 40Mbytes
価格 36万円 58万円 45万円 69万円 99万5000円

まとめ部分をスクラップする。
 M800の対抗マシンは、やはりFMR-70だろう。価格を考えると,FMR-70HDが98万円,M800が99万5000円と,1万5000円の差がある.ただ,100万近い価格では,その差は無に等しいだろう.
 性能では,内蔵のメモリ容量,ハードディスク容量ともに同等なので,速度の分だけM800がお得といえる.また,すでにM500やFMR-50を利用しており,ソフトウェアもたくさん持っている場合,16ドットカードが利用できる点でM800の魅力が増す.
 逆にFMRに有利なのは、親指シフトキ-ボードや,FM-OASYSなどのワープロ環境が整っていることだ。大容量のハ-ドディスクやページプリンタも揃っている.
 ただ,FMR-70にしても,M800にしても,価格を考えると個人が購入するには高い.やはり,オフィスユース向けということになる.今月,富士通と松下ともに286のラップトップを発表したが,次は低価格の386マシンを出してほしいものだ.

まずFMRの互換機がどれほど望まれていたのかが分からない。使われているCPUと価格が他社と比べ割高すぎる。この価格帯のマシンを個人の家庭におき、趣味で使っている人はいなかっただろう。MS-DOSで使う限りPC-9801の優位性が崩れることはなかった。
 しかし、なぜこのマシンが3ページにもわたって紹介されたのかが疑問。メーカーからの依頼記事の疑問が生じる。




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MacIIx,FMR,AXマシン(月刊ASCII 1988年11月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集の最新パソコン主力機種レポートからMacIIx、FMR-50LT、M353、DX-20、AX286、MAXY M3205の記事をスクラップする。

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Macintosh IIxの主な仕様
CPU MC68030(クロック周波数15.7MHz)
コ・プロセッサ MC68882(クロック周波数15.7MHz)
ROM 256Kbytes(SIMM方式ボードに搭載)
RAM 4Mbytes(最大8Mbytesまで拡張可能)
内蔵ディスク フロッピーディスク・モデル:
 1.44MbytesFDD×2台
ハードディスク・モデル:
 1.44MbytesFDD×1台
 80MbytesHDD×1台
インターフェイス RS-422C×2,SCSIパラレル×1,ADB×2
ステレオサウンド×1,NuBus×6
サウンドジェネレータ 4声,ステレオサンプリングジェネレータ内蔵
RS-422Cというのがパソコンとしては珍しい。RS-422Cは使ったことはない。
まとめ部分をスクラップする。
 同社では,現行のMacIIファミリー・ユーザーのために,アップグレード・サービスを行う.アップグレード・キットには、3コースが用意される.その内訳は,(1)MacIIxのメイン基板のみの交換,(2)内蔵タイプの1.44MbytesFDDとシステムROMの交換,(3)メイン基板と内蔵FDD,システムROMの交換――である.
 MacIIxは,UNIX環境を意識したマシンスペックを持っている.しかし,その一方で,MS-DOSやOS/2などとの共存路線も明確に打ち出した点が注目される.残る課題は,もはやパーソナルコンピュータとは言えなくなった価格レンジで,どのような市場開拓を行うのかという点先発のワークステーション・メーカーやNeXT社の新製品など,低価格路線を打ち出した競合マシンとの差別化をどのように図るのか,DEC社との共同開発事業とからめて考えると興味深い.
 MacIIxの米国価格は,フロッピーディスク・モデルが7569ドル(約102万円),ハードディスク・モデルが9369ドル(約126万円),メイン基板のみのアップグレード・キットが2499ドル(約34万円),FDDとROMのアップグレード・キットが599ドル(約8万円)などとなっている.国内販売の時期,価格,アップグレード・サービスについては未定.

なるほど、価格も仕様も最早パソコンとはいいがたいレベルまで上がってしまったのか。失敗したのかどうか覚えていない。これもまたスクラップの楽しみだ。

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表1 FMR-50LTおよびM353の主な仕様
メーカー名 富士通 松下電器 富士通 松下電器
製品名 FMR-50LT5 M353HD FMR-50LT2 M353FD
価格 56万8000円 42万8000円
CPU 80286(8MHz・ノーウェイト)
メインRAM 1Mbytes(3Mbytesまで拡張可能)
表示方式 プラズマディスプレイ(2, 4,8, 16階調)
/4096色中16色(カラーモニタに接続した場合)
グラフィック表示 640×400ドット
記憶装置 3.5インチフロッピーディスクドライブ×1
20Mbytesハードディスク
3.5インチフロッピーディスクドライブ×2
インターフェイス プリンタ(セントロニクス準拠), RS-232C準拠, アナログRGB, シリアルマウス
オプション FDD接続カード, SCSIインターフェイスカード,
モデムカード1200, DSLINKカードなど
拡張スロット 汎用2スロット(コンパクトタイプ)
バス拡張ボックスにより,FMR-50/M500シリーズのオプションカードを利用可能)
外形寸法(W×D×H) 310×370×96mm
重量 約7.6kg 約7.5kg
松下電器は富士通の機械の互換機だから仕様は似ている。

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キヤノンもAXを作っていた。DX-20は80386を使った高級機だった。

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シャープのAX286Lは白液晶が売りか。

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三菱電機のMAXY M3205は80386SXを使った高級機。

まとめ部分をスクラップする。
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ビジネス分野に限らずホーム/ホビー分野でも普及しつつある
 国内のMS-DOSマシン今回の特集で取り上げた新機種は,米国Apple社のMacintoshIIxを除けば,すべてがインテル社の8086の系列にあるCPUを搭載し,基本ソフトウェアにはMS-DOSを採用している.このタイプは,'82年に米国で発売されたIBM PCをその原点としており,日本では,日電のPC-9801シリーズが,早い時期からこのタイプのマシンとして普及した.MultiplanやLotus1-2-3などの表計算ソフト,dBASEIIなどのデータベースソフト,WordStarや一太郎などのワープロソフトなどが利用できることから,このタイプはビジネスパソコンとしての色彩が強いが、広く普及した結果,量産効果による低価格化という要因もあり、ホーム/ホビーユースのマシンとしても普及しつつある.
 一方,日本においては,8ビットCPUを搭載したBASICマシンがホビーマシンとして普及してきた.とはいえ8ビットCPUの処理能力は,ここにきてやや限界を感じさせつつある.また,昨年春には,16ビットCPUを搭載し、独自のDOS環境を持ったタイプとして,シャープのX68000,日電のPC-88VAが登場している.これらは,AV機能の充実という特徴を持ち,ホビー/ホームマシンとしての普及が期待されるが,現状では、米国でのAmigaやAtari STほどの地位を築くまでには至っていない。
 そうした意味で,今回取り上げた最新機種は,現在国内で最も主流にあるタイプのパソコンであると言えるだろう.

80286,80386マシンの普及によりWindows Ver.2,OS/2環境が今後の主流となるか?
 今回取り上げたほとんどの新機種は,前述したようにMS-DOSをその基本ソフトとして採用しているが,なかでも,80286,80386SX,80386といったCPUを搭載していることが共通の特徴である.80286は,8086の上位互換性を保ちつつマルチタスク化への配慮を強化した16ビットCPUであり,80386はやはり8086の上位互換性を持つ32ビットCPUである.MS-DOSは,8086CPU用に開発されたDOSであり,上位互換性のあるCPUを搭載したマシンでも当然,動作する.
 最近では,マルチウィンドウ,マルチタスクの環境が,ようやく現実のものとして注目されつつある.そのうちの一つは、MS-DOS上でそれを実現するMSWindows Ver.2である.MS-DOSはシングルタスクのOSであるが,マルチタスクはWindows側で疑似的に実現している.OSレベルでマルチタスクを実現していることで注目されるOS/2は,80286用に開発されたもので,80386でも動作するが8086では動かない.なお,Windowsには80386専用のWindows386があり,マルチタスク実現のために386固有の機能を利用している.
 このように,8086,80286,80386のそれぞれのレベルで別々のマルチタスク環境があると,どれが主流になるのかといった議論がそのまま,どのマシンを購入すればよいかという問題に結び付いてくる.
 結論から言えば,入門者であれば8086やV30などのCPUを搭載したマシンでも,現在主流のアプリケーションは十分に利用でき,必要ならWindowsも利用できるので,当面困ることはないだろう.しかし,本格的な利用を前提とするなら,処理速度の問題もあり,80286/80386マシンがよい.これらを選択していれば、OS/2が主流となる時期となっても対応できるからだ.なお,286と386の選択については,余裕があるなら386を選ぶに越したことはない.インテル自身は出荷開始した386SXの需要が伸びれば、3~4年以内には286より安く出荷できるとしており,386アーキテクチャマシンが普及すれば,386固有の機能を利用した環境が広がる可能性もあるからだ.
 なお,これらのマルチタスク環境は,いずれも標準的な利用形態で,2~3Mbytes程度以上のメモリを必要とする.メモリが高価格である現在,急激な普及はむずかしいが,来年以降にはメモリの低価格化とともにその普及が期待される.

ホームパーソナルの行方は
 現在のパーソナルコンピュータの進化の方向としては,(1)省スペース化,(2)マルチタスク化,(3)AV機能の充実,が考えられる.そうした視点で見ると,今回紹介したMS-DOSマシンの多くで、(1)と(2)が,それなりに強化されていることは明らかだろう.それに対して(3)を強化したマシンはない.IBMが昨年発表したPS/2において,すでに25万6000色から256色この同時表示を実現していることを考えると,淋しい限りである.
 イメージやサウンドのデータを活用した,多くの人にアピールするソフトウェアを作るためにも,この面での今後の充実が期待されるところである.

WindowsとかOS/2とかマルチタスクOSが今にも使えそうな雰囲気の記事だが、動くということと使い物になるということは全く違う。80286とか80386になってやっと一太郎とかがストレスなく使えるようになった。8086やV30のときは速度に不満が残っていた。80486になってやっとWindowsで仕事ができるようになった。良く落ちたけれど。Windowsでなければ動かないソフトを使いたかったので我慢して使っていた。ホームパーソナルの行方はというが、Windows95まで待たねばならなかった。この号の7年後だ。



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PC-9801RX,PC-286X(月刊ASCII 1988年11月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号の特集は最新パソコン主力機種レポートだった。
今回はPC-9801RX2/4とPC-286X/PC-286VEの記事をスクラップする。
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表1 PC-9801RX2/4の主な仕様
CPU 80286相当品
 クロック周波数 約12MHz/10MHz切り替え可
 メモリアクセス 0ウェイト
V30
 クロック周波数 約8MHz
 メモリアクセス 1ウェイト
ROM N88-BASIC(86)およびBIOS 96Kbytes
RAM 640Kbytes標準実装
本体内蔵専用メモリオプションで最大3.6Mbytesまで拡張可能
拡張スロットを使用し,11.6Mbytesまで増設可能
VRAM テキストVRAM 12Kbytes
グラフィックVRAM 256Kbytes
表示機能
テキスト 80/40文字×25/20行
リバース,ブリンク,シークレット,カラー8色
グラフィック カラー指定時
 640×400ドット 2画面
 640×200ドット 4画面
デジタルRGBでは8色,
アナログRGBでは4096色中16色を表示可
モノクロ指定時
 640×400ドット 8画面
 640×200ドット 16画面
漢字 文字構成16×16ドットフォント
文字種類JIS第1・2水準漢字および拡張漢字など約7600字
ユーザー定義文字 188種
キーボード JIS標準配列準拠・セパレートタイプ
CAPSおよびカナのロックはソフトウェアで制御可能
補助記憶装置
FDD 1Mbytesタイプ5インチFDDを2台内蔵
640Kbytesタイプ5インチFDの読み取り/書き込み可能
3~4台目の1MbytesタイプFDDインターフェイスも内蔵
HDD RX2 3.5インチHDD内蔵可能(20/40Mbytes)
RX4 20Mbytes3.5インチHDD内蔵
ともにSCSIインターフェイスカードを装着した場合,
外付け5インチHDDユニットを最大4台まで接続可能
IF マウス・プリンタ・RS-232Cを内蔵
拡張スロット 4スロット内蔵(I/O拡張ユニットにより増設可能)
外寸 本体 380(W)×335(D)×150(H)mm
キーボード 435(W)×180(D)×34(H)mm
重量 RX2 9.3kg RX4 10.7kg
キーボード1.2kg
消費電力 RX2 60W RX4 80W
(ともに最大130W)


表4 VXとRXの機能変更点
RX VX
CPU 80286(12/10MHz)
V30(8MHz)
80286(10/8MHz)
V30(10/8MHz)  
RAM 3.6Mbytesまで内蔵可
最高11.6Mbytes  
内蔵は640Kbytesまで
最高8.6Mbytes  
EMS機能 標準 オプション
キーボード 106キー 101キー
内蔵HD FDDモデルに増設可
平均シーク時間28ms  
FDDモデルに増設不可
平均シーク時間85ms  

PC-9801VX2という外れマシンを買ってしまった私はこのPC-9801RX2には全く魅力を感じなかった。PC-9801RAが職場にあったので80286と80386との差を感じていた。ただ10万円安いのでRXが結構売れていたののかもしれない。RA49万8000円、RX39万8000円の価格設定は絶妙だと思っていた。RXを買うくらいならEPSONの互換機を買えばいいのにと知人には言っていた。RXにはV30の10MHzモードがないがこれはいかがなものかと思った。V30の意義はVMのゲームができるようにということだと思っていた。それをVMの10MHzで動くゲームをRXは8MHzで動くようにするなんてメリットがないと思った。
PC-9801の出荷計画をスクラップする。
 日本電気はPC-9801シリーズの63年度出荷計画を上方修正した。当初の計画では,前年度比17%増の54万台であったが,これを同30%増の60万台とした.
 これは,RAの発売に伴って,9月の出荷台数が過去最高の6万台に達する見込みがあるためという.売り上げ額に関しても,前年度比14%増の3100億円を見込んでいたが,上期で1500億円を越えており,かなり上回ることが確実という.
 今回のRXの発表による,市場の拡大効果も,この数字に入っているものと思われる.

強い。強すぎる。私の周りも複数台機械を持っている人が多かったが他社の機械を使っていてももう1台は98を使っていた。98がなければ話ができないというか、共通の話題は98にしかなかった。

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ジャストシステムのAACは残念ながら触ったことがなかった。仕事で使うのならWindowsなんて不要でAACでもいいと思ったが、肝心の表計算ソフトがなかった。

エプソンのPC-286X,PC-286VE
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ASCII1988(11)c07PC-286X写真2_W520.jpg
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ASCII1988(11)c08PC-286X写真6_W496.jpg
表2 PC-286X,PC-286VEの主な仕様
PC-286X PC-286VE
CPU 80286相当品
 クロック周波数
  16MHz/10MHz/6MHz
 切り替え可
メモリアクセス 0ウェイト
80286相当品
 クロック周波数
  12MHz/10MHz/6MHz
 切り替え可
メモリアクセス 0ウェイト
ROM BIOSその他,96Kbytes
RAM/td> 640Kbytes標準実装
メモリ専用の内部拡張スロットで
最大12.6Mbytes
外部拡張スロットを使用し,
14.6Mbytesまで増設可能
640Kbytes標準実装
メモリ専用の内部拡張スロットで
最大6.6Mbytes
外部拡張スロットを使用し,
14.6Mbytesまで増設可能
VRAM テキストVRAM 12Kbytes/グラフィックVRAM 256Kbytes
表示機能
テキスト 80/40文字×25/20行 リバース,ブリンク,シークレット,カラー8色
グラフィック カラー指定時 640×400ドット 2画面/640×200ドット4画面
デジタルRGBでは8色,アナログRGBでは4096色中16色を表示可
モノクロ指定時 640×400ドット 8画面/640×200ドット 16画面
漢字 文字構成16×16ドットフォント
文字種類JIS第1・2水準漢字および拡張漢字など約7690字,
ユーザー定義文字 188種
キーボード JIS標準配列準拠・セパレートタイプ
補助記憶装置
FDD 1Mbytesタイプ5インチFDDを2台内蔵,
640Kbytesタイプ5インチFDの読み取り/書き込み可能
3~4台目の1MbytesタイプFDDインターフェイスも内蔵
HDD STD
 20Mbytes,40Mbytes,80Mbytesの
 各3.5インチHDDを2基まで内蔵可能
 (ただし80Mbytesは1基のみ)
H20
 20Mbytes3.5インチHDD内蔵
 20Mbytes,または40MbytesHDDを
 追加して内蔵可能
H40
 40Mbytes3.5インチHDD内蔵
 20Mbytes,または40MbytesHDDを
 追加して内蔵可能
STD
 20Mbytes,40Mbytesの
 各3.5インチHDDを 内蔵可能

H20
 20Mbytes3.5インチHDD内蔵


H40
 40Mbytes3.5インチHDD内蔵


IF マウスプリンタ・RS-232Cを内蔵
拡張スロット 内部拡張スロット5スロット
(2スロットはメモリ専用)
外部拡張スロット4スロット
(PC-9801Vシリーズと互換)
内部拡張スロット2
(メモリ専用)
外部拡張スロット4スロット
(PC-9801Vシリーズと互換)
外寸 本体 7430(W)×417(D)×150(H)mm
キーボード 470(W)x180(D)×40(H)mm
本体 380(W)×341(D)×150(H)mm
キーボード 470(W)×180(D)×40(H)mm
重量 STD 14.2kg
H2O 15.7kg
H40 15.7kg
キーボード 1.5kg
STD 10.0kg
H20 11.6kg
H40 11.6kg
キーボード 1.5kg
消費電力 STD 50W
H20 65W
H40 65W
(いずれも最大250W)
STD 35W
H20 50W
H40 50W
(いずれも最大160W)

記事の一部をスクラップする。
 PC-286Xの最大の特徴は,PC-286と同様の80286CPUを搭載しながら,処理速度を大幅に向上している点である.
 これは,従来,PC-286/VやPC-9801VX21/41で搭載されていた80286が,クロック周波数10MHzであったのに対して,16MHz(ノーウェイト)のものを搭載することで実現している.いわば,回転の速いエンジンを使えば,単純に速度が向上するという方式である.
 これに対して,日電のPC-9801RAは,32bitCPUの80386を採用することで,速度の向上をねらったものといえる.80386は,80286の上位のアーキテクチャを持っており,32bitに対応した命令やレジスタセットも追加されている.
 この点で,PC-286XとPC-9801RAは,基本的に比較できない内容となっている.ところが,PC-286Xが,現在,PC-9801シリーズ,PC-286シリーズ用に発売されている一般的なアプリケーションについては,PC-9801RAなみの処理速度を実現するとしているのは,次の2点によるものである.
・一般的なPC-9801シリーズ用のアプリケーションは,従来機が8086,V30,あるいは80286を搭載しているため,これらのコードで動作するように作られている.
・80386は,80286と共通する命令については,同一クロック周波数ならば,80286とほぼ同じ演算速度である.

 もっとも,今後は80386の持てる機能を十分に生かした,32bit専用のアプリケーションが登場してくることも考えられる.32bit専用のソフトウェアが登場してくるまでには,いましばらく猶予があるとしても,80386の演算能力をフルに引き出すプログラミングを行いたい人もいるかもしれない。
 また,PC-9801RAが,EMSやOS/2環境を意識してか,メインメモリを標準で1.6Mbytes搭載しているのに対して,PC-286Xは従来機種と同じ640Kbytesとなっている.PC-286Xでこれらを動作させたい場合には,プロテクトモード対応のRAMボードを追加する必要がある.
 PC-286Xは,現状での一般的なニーズに沿った高機能マシンといえそうである.

そうだった。80386は結局高速な80286として利用されただけだった。80286よりクロックが速かっただけでもPC-9801RAはMS-DOSマシンとして満足のいくものだった。80386専用のアプリは使ったことがなかったので高性能なCPUの無駄使いをしていたことになった。




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Computer Virus(月刊ASCII 1988年11月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号には前号Computer Virus(月刊ASCII 1988年10月号5)の続きでコンピュータウイルスについてのレポートがあった。
なお、ウイルス記事はウイルス,ソフトウェア(月刊ASCII 1988年8月号3)が初めてでこの記事が3回目である。
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コンピュータ・ウイルスの定義
 コンピュータ・ウイルスが何物なのか,まず,そのあたりから話を進めよう。実在論争が加熱している欧米でも,ウイルスの明確な。定義はないようだ。どのような動作をして,その結果,どのような被害を与えるプログラムをコンピュータ・ウイルスと呼ぶのか,いきなり定義をしてみようと思う.無謀な試みだが,ウイルスの実体が明らかになっていないだけに,一部の報道では,その意味を拡大解釈している側面もあるような気がする.こうした拡大解釈は,対象の絞り込みを困難にしてしまい,ウイルスの撲滅に際して混乱を招きかねない.ユーザーの意図しないイリーガルな動作をするプログラムの総称をウイルスと認定してしまうには,まだ時期尚早だ.明らかに悪意で作られた“真性ウイルス”が存在することは,認めざるを得ない.しかし,その実体はまだ解明されつくしていないのだ。
 ある日,コンピュータが不安定な動作をして,プログラムやファイルを破壊してしまう.こうした現象は,年季を積んだユーザーであれば一度や二度は経験している.また,他人に仕掛けられたウイットに富んだメッセージ・プログラムに驚いたユーザーも,多いことだろう.これらの経験は,コンピュータ・ウィルスという造語が生まれていなければ,言い方は悪いが,もっと平静に受け入れられる事態であるはずだ。
 われわれが留意しておきたいのは,例えば,あるプログラマが平和のメッセージを全世界のユーザーに送ろうと考えて、メッセージ自体をほかのフロッピーディスクやシステムにコピーするプログラムを開発した場合だ彼のプログラムは勝手にコピーを繰り返して広範なユーザーに行き渡り,あるユーザーのところでは,偶然に同じメモリを利用しているプログラムを破壊してしまうかもしれない.これを,ウイルスと呼ぶのか,それとも,従来からあった単なるメッセージ・プログラムと片付けて,同じメモリエリアを使っていたのだから仕方ないとあきらめるのか。こうした判断が,コンピュータ・ウイルスというプログラムにはつきまとうような気がする.もちろん,プログラムやシステムを破壊してやろう,という意図のもとに作られたプログラムもあるだろう.それを特定していくことが,今後の重要な課題であることに間違いはない.さっそく無謀な試みをしてみよう.
 欧米で喧伝されているコンピュータ・ウィルスの多くは,以下に示す3点の特徴を持っている.
(1) アプリケーション・ソフトやOSなどのプログラムに組み込まれていて,自分自身やその分身を,ほかのアプリケーション・ソフトトやOSにコピーする.いわゆる自己増殖性がある。
(2) ウイルス本体やその分身は,自己増殖過程で特定のメモリエリアにコピーされるために,同じエリアを使っているプログラムに遭遇すると,オーバーライトしてしまう結果,そのプログラムを破壊するか,正常に動作しない状態にしてしまうことがある.いわゆる破壊行為を伴うことがある.
(3) これらすべての処理は,ユーザーが意図していないレベルで行われる.
 これ以外にも,細かい症状が報告されているが,大同小異なので割愛する.この定義はおおまかなもので,合致しないコンピュータ・ウイルスがあるかもしれない.ただし,自己増殖するという点は,必要最低限の条件として挙げておくべきだろう.自己増殖は,ユーザーが自覚していないレベルで行われる処理だから,定義から削除することはできない.しかし,破壊行為を伴うという点については,「メッセージを表示するだけで破壊行為は伴わないというコンピュータ・ウイルスもある.そうなると,ほかのプログラムの動作に影響を与えない限り(そんな確証は得られるかどうかは分からないが),これをウイルスの定義に入れることは難しいかもしれない.
 どちらにしても,こうした定義には多少の問題が残る。前述のように,開発者が破壊を目的としていないのに,破壊してしまう場合があるからだ。しかし,意図しているか,いないかという見当は,なかなか付けられないのが世の常だ。ともあれ,自己増殖という要素が,“ユーザーの意図していないメモリエリアの侵食”であることを考慮すると,自己増殖自体を破壊行為と見なすことが可能かもしれない。

34年前はウイルスの定義から語らなければならなかったのか。いくらユーザが望んでいない動作と言ってもOSやアプリが起動時に「Merry Christmas」と表示するものまでウイルスとは言えないし、バグをウイルスと言えない。ユーザに知られずネットにアクセスするような動作をすると言ってもブラウザが先読みしたりしてもウイルスとは言えない。線引きは微妙だが、ユーザが害を受けたと主張するならばそれはウイルスと言っても良いと思う。ただPC-9801のneko.comという常駐ソフトがあったが、そのワークエリアを他の常駐ソフトがPC-9801,MS-DOSの未使用エリアを利用すると被り誤動作したことでマスコミ関係者がneko.comはウイルスだと言ったことがあった(ググってもでてこない。私の記憶のみ)。それはneko.comのreadmeテキストには使用上の注意があったのにそれを読んでいないという批判をされたという記憶がある。当時はなんでもかんでもウイルスだと騒いだいたかもしれない。
悪名高いウイルス
 前回の本稿でも明らかなように,欧米で報告されている悪性ウイルスには、名前が冠せられ,ユーザーに警告が発せられている.
 代表的なところでは,AmigaのSCAウイルスと,その改良型であるByte Banditウイルス,MacintoshのScoresウイルス,Sneakウイルス,nVIRウイルスなどである.IBM PCにもDOSのブートブロックに自らをコピーしていくブートブロック・ウイルスというタイプがあるが,固有の名前は編集部ではつかんでいない。これら悪性ウイルスのうち,もっとも研究・解析が進んでいるのが,Byte BanditウイルスとScoresウイルス,そしてnVIRウイルスである。
 編集部では,これらのうち,SCAウイルスとnVIRウイルスを入手した.対応しているAmigaとMacintoshは、どちらも独特のシステム環境を持つマシンであるため,MS-DOSユーザーにとってはウイルスの典型例にならないかもしれないが,今回は,欧米でもまだ完全な解析報告が公開されていないnVIRウイルスの詳細をレポートする.

ウイルスの発生と研究ではMacが先行していたのか。昔は、ウイルスの数も少なかったのでウイルスの解析記事があったことは記憶にある。確か技術評論社の「ざべ(The BA
SIC)」でウイルスの開発記事があたはずだが、雑誌は処分してしまって確かめようがない。

Macintoshで猛威をふるうnVIRウイルス
 編集部が入手したnVIRウイルスは,Macintosh(以後,Macと省略)用のプログラムに感染・増殖して,システムやアプリケーションを破壊する.国内への侵入経路は,海外のデータベースからダウンロードしたPDS(パブリック・ドメイン・ソフトウェア)が感染母体となって,ユーザー間のコピーによって増殖しているらしい.
 nVIRウイルスは、いたってシンプルな構造を持っている.だから,あらかじめ設定した時間に活動を開始するような複雑な機能(一部では,こうしたウイルスを時限爆弾:Time Bombと呼ぶ)はなく,特定のアプリケーションだけに感染するといった指向性もない.欧米では典型的なコンピュータ・ウイルスである.
 nVIRウイルスは,ひとたび感染すると,“nVIR"と呼ばれるこのウイルスに固有のリソース(囲み記事を参照)をシステム・ファイルや,アプリケーション・ファイルに次々とコピーしていく.nVIRという名前は,ウイルスが他のファイルにコピーするリソース名に由来している。
 ウイルスの仕組みを簡単に説明すると,次のようになる(図Aを参照).ちなみに,このメカニズムは,ほとんどのウイルスに共通している。
 まず初めに,nVIRウイルスに感染したアプリケーションが,正常なシステム環境下で実行される.すると,アプリケーション内のウイルスも同時に実行され使用中のシステム・ファイルに感染する(図A-1を参照).
 その結果,次のシステム起動時から,システム・ファイル内のウイルスもメモリに常駐する(図A-2を参照).この状態で,なんらかのアプリケーションが起動されると,ウイルスはアプリケーション内のnVIRというリソースの有無を確認する.そして,もしnVIRリソースが発見できなかった場合は,アプリケーションに自らのプログラムコードを含んだnVIRリソースをコピーする(図A-3を参照).
 以上の繰り返しによって,nVIRウイルスは自己増殖を続ける.

自己増殖=破壊行為?
 このタイプのウイルスでは、ファイルにリソースをコピーするという行為自体が,破壊につながりかねない危険性を含んでいるため,自己増殖=破壊行為という非常に効率的(?)な活動をしていることになる.第1の直接的な被害は,ディスクの使用量の増加である.
 さらに,ウイルスが活動し続けると受けるであろう被害と,nVIRウイルスの詳細については後述することにして,その前に,MacのOS環境をMS-DOSとの比較で簡単に理解していただきたい.
 前述のシステム・ファイルの最小限の構成は,Systemと呼ばれるファイルと,Finderと呼ばれる2つのファイルである.SystemファイルとSystemファイルは,MS-DOSのMSDOS.SYS,I0.SYSに,Finderは,COMMAND.COMに,それぞれ相当するものと考えると理解しやすい.Macで発見されているウイルスの多くは,感染に際してSystemファイルとFinderファイルを最初に狙うようだ。

nVIRウイルスの実態は?
 さっそく、nVIRにメスを入れてみよう。まず、図1を見ていただきたい。これはnVIRウイルスに感染したFinderファイルと正常なFinderファイルをResEdit(注1)で開いているところである.左側の正常なFinderファイルには見られないnVIRというリソースが,右側の感染しているFinderファイルには存在していることが分かる.このnVIRには,ID=1からnまでの数があって,nは感染の度合によって不定である。1度目の感染では、ID=1からID=7までの7個のnVIRリソースが作られるが,その後は時によって異なる数が与えられるようだ.nVIRのID=1(図2を参照)には,ウイルスの本体にあたるプログラムが存在している.ちなみに,nVIRというタイプのリソースが存在しているだけでは,そこに制御が移されないため,ウイルスは活動しない.
 図3に示したのは,同じFinderファイルのCODEリソースを比較しているところである。感染しているFinderファイルにはID=256というリソースがあるが(図の右側のウィンドウ),正常なFinderファイルには,そのようなリソースはない.図4を見ると,このCODEリソース中にnVIRという文字列が存在していることが分かる.
 実は,このCODEリソースにはnVIRのID=1と同様のコードが存在している.つまり,ウイルス本体が格納されていることになる.この本体が,Finderファイルの起動時にSystemファイルを探し出してnVIRをコピーし,正常なSystemファイルには存在しないID=32というINITリソースをSystemファイル中に作成する.しかし,単にアプリケーションのCODEリソースをINITリソースに加えただけでは,そのCODEリソースがプログラムコードとして実行されることはない.このためウイルスは,アプリケーションが本来持っているID=0のCODEリソースに手を加え,自ら付け加えたCODEリソースに制御を移すように改変してしまう.
 Systemファイルに作られたINIT ID=32というリソースは,CODEリソースのID=256と同様の内容になっている.INITリソースの場合は,その他のリソースに手を加えなくても,そのままプログラムコードとして実行されるため,ウイルスにしてみると,アプリケーションに感染するときのように,本来持っているリソースに手を加える必要がないしわけだ.
 それ以後に,このSystemファイル下で起動したアプリケーションには,Finderファイルに作られたのと同じID=256のCODEリソースとnVIRリソースが作成される.以上のようなプロセスを踏んで,nVIRウイルスは自己増殖をしていく。ちなみに,解説中でFinderと記した部分を,そのままアプリケーション・プログラムに置き換えれば,感染する相手はアプリケーションということになる.


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解説を読んでもファイルがどのように書き変わるのかは分かったが、それだけだった。

臨床実験の結果は?
 編集部では臨床実験として,nVIRウイルスに感染しているSystemファイル下で,感染していないTeachTextというエディタ・プログラムを起動してみた。すると、1度目の起動でTeachTextは感染し,正常時に約19Kbytesあったファイルのサイズが,約23Kbytesと約4Kbytesも増えた.次に,感染「したばかりのTeachTextを,正常なSystemファイル下で起動したところ,1度目でSystemファイルに感染し,約258Kbytesだったファイルのサイズが約262Kbytesに増えてしまった.この状態から再起動を行ったところ,今度はFinderファイルに感染し,同様に約4Kbytesほどファイルのサイズが肥大した。

最悪の被害はプログラムの破壊!
 前述のように最初の実害は,ファイルサイズの肥大ということになる.ある日,気づくとシステム・ファイルの容量が2倍になっているわけだ。そして,もっと深刻な第2の被害は,アプリケーションが必要としないリソースが勝手に加えられることや,本来持っているリソースにも改変が加えられて、正常に動作しないアプリケーション・プログラムが出てくるというものである.
 また,CODEリソースのID=0が改変されるために,感染してしまったアプリケーションから,nVIRによって追加されたリソースだけを抜き出した場合は,そのアプリケーション(または,システム・ファイル)を正常に起動することが不可能になってしまう.

感染を未然に防ぐ方法はあるのか?
 nVIRウイルスで注目されるのは(つまり弱点は),Systemファイルに作成されるものはINITリソースだけで,アプリケーションでINITリソースを持たないものには,CODEリソースが作成されるという点である.つまり,アプリケーションに作成されたCODEリソースは,常にSystemファイルを狙い,INITリソースを作成しようと試みるわけだ.
 この点に注目すれば,nVIRウイルスに感染しているアプリケーションが,外部から正常なSystemファイルを汚染する瞬間を捕捉することが,十分に可能であることが分かる.具体的には、データベースを通じて,無料で配布されている「Vaccin」というワクチン・プログラムを使用していれば,nVIRウイルス。が汚染を開始したところで,警告をしてくれる.場合によっては,システム・エラーが発生してMacはハングする.それでも結果的には,nVIRウイルスの侵入を食い止めることになる.Vaccinを持っていない場合の対処方法は,ちょっと難しい.
 nVIRウイルスは、感染したアプリケーシションが起動するたびに,SystemファイルにnVIRリソースを付加しようとするので,Systemファイルが常に更新されるという特徴が現れる.また,Macは,システム起動時に必ずFinderファイルを立ち上げるため,感染の結果Finderファイルに作成されたCODEリソースによって,ファイル作成日が更新されてしまう.こうした特徴に注意すれば、アプリケーションを起動する前にSystemファイルの日付を見れば,感染したファイルの最終変更日時(Last Modified)が,起動直後の時間になっていることに気づくはずだ.SystemファイルのLast Modifiedの日付に気をつけていれば,ユーザーは,nVIRウイルスが侵入していることに気づくことができる.しかし,それだけでは未然に防ぐというわけにはいかない.
 また,nVIRウイルスは,Robert J.Woodheadが開発したワクチン・プログラム「Interferon」(Ver.1.2以上)を使って発見し,同時に汚染されたファイルの削除も行える.Interferonは,その他のワクチン・プログラムと同様に,データベースのPDSライブラリを通じて,無料で配布されている.

nVIRウイルスのプログラムを公開するべきか?
 編集部では,nVIRウイルスのプログラムリストを抽出することにも成功した.本来であれば,プログラムリストも掲載したいところだが,今回はあえて公開を控えることにしたいまだに,全貌を完全に把握していない点,どのような影響が出てくるか判断できない点などを考慮すると、読者諸氏の理解も得られると思う.同種のウイルス開発のヒントにでもなると,その影響は計りしれない.こうした悪性ウイルスの開発者には,仮に愉快犯であったとしても怒りを禁じ得ない.こうしたプログラムを開発して,いったいどのようなメリットがあるのだろうか。仮に,プログラミングの研究だとしたら,もっと有効なユーティリティの開発に時間を費やす方が,あらゆる点で生産的ではないだろうか.・これ以上のレポートは,悪性ウイルスの開発者の虚栄心をくすぐるだけのような気がする.ウイルス開発者の多くは,アセンブリコードのハッカーとして名声を博そうとしているかもしれないが,ウイルス開発者たちには、米国のAmiga UserInternational誌がいみじくも吐露している言葉を献上したい.「Why go to all that trouble just to prove to the world that you're a prat?」(自分がアホだということを証明するために,どうしてこんな騒ぎを起こすんだ?).
 もし、読者諸氏の中で,Macに限らず,ウィルスに感染したプログラムをお持ちの方は,編集部まで御一報されたい.ウイルスの傾向と対策を知ることによって,いつ感染するかと気に病むような事態だけは回避しなければいけない.


注1 ResEdit…リソース・エディタの略.リソースを追加/変更/削除することができるツール.そのリソースタイプに最適なエディット環境を提供する機能を持つ。
34年前はパソコン通信を使う先進的なユーザ以外はなかなかウイルスに感染しなかった。ただ、コピーソフトを使っている人の中にはもらったコピーソフトがウイルスに感染していたことがあり、それで伝染した。いわゆる接触感染だ。そのたとえで言えば、インターネット時代にソフトをダウンロードして感染するのは飛沫感染で、ネットサーフィンして感染するのは空気感染と例えられると思う。

コラム記事をスクラップする。
MacのOS環境とMS-DOS
 Macのファイルは,TYPEとCreatorという12種類の識別子を持つ(図を参照)。これらの識別子は,4文字の英数記号で表され,MS-DOSの拡張子と,似た性格を持つ.
 TYPEは,そのファイルの種別を表し,通常の実行形式のファイルならば,APPLというTYPEを持つINITやcdev,RDEVといったTYPEのファイルは,System Folderに入れておくだけで、自動的に読み込まれ,実行される.こうしたシステムの仕様を利用して,プログラムをメモリに常駐させることができる.
 これはMS-DOSで,デバイスドライバファイル(日本語入力FPなど)をCONFIG.SYSに登録しておくことで,利用可能になることと似ている.これらのタイプのファイルは,ウイルスプログラムに頻繁に利用される.「ちなみに,INITタイプのファイルは、システムのイニシャライズを行うプログラムで、cdevは,仮想デバイスとして扱われるデスクアクセサリ(DA)の一つであるコントロールパネルから利用できるモジュールプログラム,そしてRDEVは、デバイスドライバの一種である。
 Creatorは、そのファイルが何に属するかを表しており,アプリケーション・プログラムには,各々固有のCreatorが付けられている.例えば,あるワープロソフトのCreatorが,MSWDであるとすると,そのワープロで作成された文書ファイルのCreatorは、MSWDとなる。
 TYPEとCreatorには,INITファイルなどのように,システムに対して特別な意味を持つものがある.特に,TYPEがZSYSで,CreatorがMACSとなっているものは,システムに直属のファイルであることを示し,Scrapbookなどが代表的なものである.システムに直属のファイルも、ウイルス・プログラムのターゲットになることが多い。
 Macのファイルは,データフォークとリソースフォークの両方,あるいは片方から構成される.これは、MS-DOSとは大きく異なる部分である。
 データフォークは、まったく自由なフォーマットからなる純粋なデータの集合体である.そのデータを利用するアプリケーションに,データフォーマットは一任されている.
 リソースフォークは、プログラムを構成するコードの集合体である.アプリケーションプログラムは,最低1つ以上のリソースを持つことになる.リソースは、4文字からなるリソースタイプに分類されており,リソースタイプには,システム全体に共通で特定の意味を持つものと,そのアプリケーションに固有のものの2種類がある.リソースは1つのファイル内に,同じタイプのものが複数存在することが可能で、IDナンバーで管理される.同一のアプリケーション内でも,リソース間の参照は、リソースタイプとIDを用いて,OSを介して行わなければならない。例えば,CODEというタイプのリソースは、実際に実行されるプログラムコードであり,FONTは、画面に表示される文字の形状を保持しているリソースである.
 また,リソースには,システム全体で共通に使用するシステムリソース(System resource)があり,ウィンドウやボタン類,カーソルの形状などは,特にアプリケーション内のリソースで定義されていなくても,システムリソースが使用されるようになっている.もし,アプリケーション内で,システムリソースとして用意されているものと,それ以外のものを使い分ける場合には、そのシステムリソースと同一のIDを用いて定義する.
 ファイルタイプは,前述のように,そのファイルの種別を表しているだけであり,そのファイルの種別に適合した内容を保証しているわけではない、実行形式のアプリケーション・プログラムではなくても,なんらかの形でプログラムとして利用されるTYPEのファイルには,そのタイプに最低限必要とされるリソースがある.そうしたリソースが,すべてそろっているかどうかは,プログラムの作者が保証しなければいけない。言い換えれば,必要なリソースさえそろっていれば,他にどのようなリソースがあろうと,システムは関知しないわけだ。こうした隙を狙っているのがコンピュータ・ウイルスというわけである.プログラムとしての意味を持つのは,あくまでリソースであることを頭に置いておくと,本文の理解が早まる.


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Macユーザじゃなかったのでリソースフォークという用語は全く知らなかった。この点MS-DOSのファイルは自由だな、拡張子だけだから偽装し放題だよな。
Macのウイルスの近況
 Macのウイルスの近況について,簡単に触れておこう。
 現在,その存在が知られている代表的なウイルスには,次のようなものがある.
(1)Scoresウイルス…このタイプのものは,System FolderにSCORESという見えないRDEVタイプのファイルを作成し,アプリケーションやシステム関連のファイルを破壊する.感染したアプリケーションは,その時々によって出現する症状が異なるが,使用中にSystem Errorが続発したり,正常に起動できなくなったりする.もっとも増殖性が強く,症状も顕著であると言われている.
 System Folderとは、本文中で触れているシステム関連ファイルが収められた特定のディレクトリのことである.このフォルダに収められているいくつかのタイプのファイルは,起動時に自動的に実行される.
 RDEVタイプのファイルとは,システム起動時に,実行されるファイルに該当する。
(2)Sneakウイルス…詳細は不明だが,Scoresウイルスと同様に,System Folder内のSystemファイルに(ScrapbookやNote Pad Fileなど)に自らのプログラムコードをコピーし,ファイルタイプをZSYSからINITに変更してしまう.このウイルスによる実害が,どのようなものかは不明。ちなみに,sneakとは“こそこそと隠れる”などの意味を持つ.
(3)nVIRウイルス…今回,編集部が入手したウイルス,シンプルな構成で、感染症状が顕著に出ない、その半面,通常にMacをオペレーションしているときに,異常に気がつくことは難しい。
 ここに名前を挙げたウイルスは,すべて悪性と認識されており,一度ハードディスクドライブなどの大容量記憶メディアに感染したら,取り除くことは非常に困難である.ワクチン・プログラムやResEditなどを用いて,感染したファイルからウイルスのリソースを取り除き,書き換えられてしまったリソースを正しいリソースと取り替えるなどの手段で,取り除くことは可能である.もっとも無難な対処方法は,ハードディスクをいったんフォーマットして,各アプリケーションをフロッピーディスク上で検査し,再度,ハードディスクにインストールすることだ。

ウイルスの進化はMacが早かったようだ。コラム記事を読むとその後のウイルスと同じくらい悪性だった。


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PC-VANウイルス騒動,編集室ウイルス騒動(月刊ASCII 1988年11月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号はウイルスに関する記事が複数あった。
ASCII EXPRESS の記事をスクラップする。
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PC-VANのコンピュータ・ウイルス騒動は本当にウイルス・プログラムなのだろうか?
 去る9月12日,国内最大手のネットワークPC-VANの事務局は、「PC-98のMS-DOSご利用のお客様へ」と題するメッセージをアップロードした.その内容は,「コンピュータ・ウイルスが,ごく一一部のお客様のPC-98-MS-DOSのCOMMAND.COMに潜入するという事故が発生し,被害者はパスワードを盗用されている」というもの.ちょっと長いが,以下に,その詳細を紹介しよう.

◆ウイルス潜入手口
1.ハッカーは既に盗用したIDを使用し,被害者にISHファイルをメールで送ります.
2.被害者が,そのISHファイルを解凍し,このプログラムを実行すると,被害者の「COMMAND.COM」を書き換えます.以上の手順で,ウイルスが被害者のMS-DOSの「COMMAND.COM」に潜入します.

◆パスワード盗用手口
1.ウイルスの潜入したMS-DOSでPC-VANにアクセスすると,ウイルスが動きだします。被害者にとっては,PC-VANのメインメニュー表示後,システムが止まったように見えます.また,中にはメインメニューを数回表示することもあります.
2.この間に、ウイルスは,PC-VANセンターと通信を行い,あるボードに被害者のパスワードを暗号化したメッセージを書き込みます。
3.メッセージの書き込みが終了すると,制御が被害者の通信ソフトに戻り,正常状態となります.なお,通信ソフトによっては,暴走するものもあります.
4.ハッカーは,後日書き込まれたメッセージを解読して、パスワードを盗用します.

◆ウイルス発見方法
1.システム・ディスクの「COMMAND.COM」と現在使用中の「COMMAND.COM」のファイルサイズをお調べください.増加している場合は,ウイルスが潜入していると思われます.
COMMAND.COMのサイズ
Ver.正常異常
2.11約17,000bytes約23,000bytes
3.11約24,000bytes約30,000bytes
なお,変更日付は更新されません.

◆対処方法
1.サイズの増加したCOMMAND.COMを正しいシステム・ディスクのCOMMAND.COMに書き換えてください(このとき,再立ち上げを行ってください).
2.パスワードは既に盗まれていると思われますので、パスワードの変更もお願いいたします.

◆調査のお願い
 PC-VAN事務局ではウイルスのひろがりを調査しております.COMMAND.COMが増加していたお客様は,下記の項目についてPC-VAN事務局までお知らせ下さるようお願い申し上げます(後略).
PC-VAN事務局

 このメッセージがアップロードされた翌々日に,朝日新聞は朝刊1面の右方に5段ぶち抜きのトップ記事として事件の詳細を掲載した.「コンピュータ・ウイルス国内ネットに初侵入」というショッキングなタイトルをご覧になった方も多いはず.それから数週間,新聞社や一般の週刊誌・月刊誌が,PC-VANとコンピュータ・ウイルスについてありとあらゆる記事を掲載した.これらの記事の多くは,「PC-VANで発見されたプログラムは,本当にウイルスなのだろうか?」と,疑問を投げかけたもの.PC-VAN事務局が,その後,沈黙を決め込んでいるかのように何も発表しないことが,事件の不可解な部分を増長させた観がある.コンピュータ・ウイルスはなんぞや?という論争から始まって,果ては通産省が動き出すなど、ウイルス禍は虚々実々の様相を呈している.その割に,海外のウイルス情報がほとんど報告されていないため,その本質が何も分からないまま騒動になってしまったようだ.本誌でも先月号から海外のウイルス動向を中心にレポートしているが,その実体はやっと分かり始めたところ.当編集部でも一般マスコミの取材攻勢にあって辟易したが,そのたびに質問されたのが「PC-VANのプログラムは本当にウイルスなのか?」だった.

PC-VANのプログラムはトロイの木馬?
 日本電気の広報では,PC-VAN事務局が発表した内容について,次のような補足説明をしている.「発見されたウイルスは,自己増殖していくものと理解していない.COMMAND.COMが書き換えられるのは事実だが,書き換えられた後,いったん電源を切って再起動してからPC-VANにアクセスすると,パスワードは盗用されない.盗用されるのは,ISHファイルを起動してCOMMAND.COMが書き換えられたあと,電源を切らずにそのままPC-VANにアクセスした場合に限られる」というのだ。つまり,「COMMAND.COMが書き換えられ,メインメモリにプログラムが常駐していることが,PC-VANにアクセスする前の条件」(同)ということになる.こうしたプログラムがウイルスと呼べるのかは分からないが,少なくとも,欧米で喧伝されているウイルスとは少し違うようだ.
 それでは,PC-VAN事務局は,今回のプログラムをどのような根拠でウイルスと特定したのだろうか.日電広報は次のように説明する.「メールだと思って起動してみると,実はハッキングプログラムが入っていたわけだから、正確に言えばトロイの木馬(Trojan Horse)といわれる悪質プログラムの一種.しかし,一般のユーザーには理解できないのではという判断から,ウイルスという言葉を使ったのではないか」というのだ.朝日新聞の報道で加熱したPC-VANのウイルス騒動には,こうした背景があったことになる.なにはともあれ,急速に浮上してきたウイルスは,郵政省や通産省が本格的に乗り出す社会問題にまで発展する勢い.
 通産省は、ワクチン・プログラムの開発に乗り出す方針だ。そのために調査・研究費用として'89年度の予算で数千万円程度を国に要求することにしている.具体的には,同省の外郭団体である「情報処理振興事業協会」に特別委員会を設けて、ワクチン・プログラムを開発する.開発に際しては,まず悪性ウイルスの入手・研究から着手し,それを基にしてウイルスがシステムに侵入する時点で警告を発するような早期発見プログラムの開発技術を確立したいとしている.国が予算を組んでワクチン・プログラムの開発に乗り出すのは日本が初めてのケース.コンピュータ・ウイルスと断定できるプログラムが蔓延する前に,抗体となるワクチンを開発しようというのだから予想外に早い対応だ.PC-VANのプログラムが発端になったような今回のウイルス禍は,ひょうたんから駒といった急展開を見せている.

34年前はこんなところで議論をしていたのか。つまり、感染したコンピュータから他のコンピュータに感染させられないからコンピュータウイルスではないと。また、起動中のCOMMAND.COMはウイルスに感染していても起動ディスクには感染できない。つまり、フロッピーから起動してフロッピーを入れ替え通信ソフトを立ち上げていたらもちろん感染しようがないが、起動フロッピーが残っていてもHDDからシステムを起動してもディスクにあるCOMMAND.COMには感染できないということか。かなり原始的なソフトだからもうちょっと進化しなけれがウイルスとは呼べないという議論だったのか?
 こんな議論は無駄でとにかく悪意を持って他人のパソコンに侵入し、勝手な動作をするプログラムをみなウイルスと呼んでしまうべきだ。この時点で観察しているプログラムが生物のウイルスの要件を満たしていないからウイルスと呼んではいけないというのは逆で、現在観察しているプログラムをウイルスと呼ぶというようにウイルスという用語の解釈の方を変えるべきだ。だいたいコンピュータ用語とはそんなものの集まりだ。私が最初にコアダンプという用語に接したとき「コアは核でダンプはダンプカーのダンプか?なんのことか?」、「フラグ?旗だよな。どういうことだ?」と訳分からなかった。インスペクター?センチネル?プログラマーではなければわからない、素人には?となる用語が多すぎる。いまさらコンピュータ用語のウイルスが生物学用語と違っても気にするなと言いたい。昔、どれだけ苦労したことか。独学の素人が英和辞典を引いても分からなったものが多すぎる。
 通産省のワクチンは記憶にない。例によって予算だけ取ってやったふりをしたのではないかと疑ってしまう。今後のスクラップで通産省ワクチンの記事が出てくるかどうか。

編集室からの記事をスクラップする。
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編集室からの記事が毎号面白い。
ウイルス騒動
 9月に入り,コンピュータ・ウイルスに関する話題が,新聞・テレビなどの一般マスコミで大きく取り上げられた。そのきっかけとなったのは,日電のPC-VANで98シリーズ用のウイルスによる被害が発生したというニュースだった.9月も末に近い現時点では,今回ウイルスと呼ばれたプログラムに自己増殖機能はなく,いわゆる「トロイの木馬」と呼ばれるタイプであろうということで騒動も治まりつつある.とはいえ,日本を代表する複数の新聞でこのような記事がトップレベルの扱いとなったことに戸惑われた読者も多かったことだろう.
 ところで,今回の騒動では,日頃は取材する側の当編集部も,時ならぬ取材攻勢に襲われた。本誌誌面上では,8月号のEXPRESSで初めて大きく扱ったウイルスであるが,編集部内のAmigaユーザー古谷野やMac担当戸島の間では、もうだいぶ前からちょっとした話題であった.海外で発行されているAmigaやMacの機種別専門誌にウイルスの話題が載り始め,入手したPDSなどからそれらしい動きをするソフトを発見し,被害にも遭ったのは,すでに1年ほど前のことである.とはいえ,この種の話題を提供することは、ややもすると好ましくない結果を招きかねないので,扱いがむずかしかった.
 一般の外電からもウイルスの話題が断続的に入り始め,いずれは扱わざるを得ないだろうと判断し,それまでの報道を整理してみたのが8月号の記事である.先月,今月の2回にわたってスペシャルレポートを組んだのは,8月号の反響が思いのほか大きかったためだが,そのタイミングがPC-VANの事件と重なり,新聞・テレビ・雑誌など,各種マスコミからの取材が相次いだ。こちらが一生懸命説明したことが記事にはほとんど反映されないと嘆くスタッフもいた.98用のウイルスを作ってくれと迫られ戸惑うスタッフもいた.
 一部の報道で見られた,銀行口座のデータがウイルスにより破壊されるかのような解説は論外である.しかし,パソコンによるLANが発達したオフィスなどにこれが忍び込めば,脅威であることに違いはない.現時点で,国産マシンでのウイルスの本格的な被害が発生していないのは幸いである.しかし、システムを構築する側では,単にモラルに頼るだけでなく,セキュリティー面の向上を図る必要が出てきているように思われるのである.
(土田米一)

「98用のウイルスを作ってくれと迫られ戸惑うスタッフもいた.」これこそマスゴミと言われてしまうのが分かるものだ。記者には本当に質の悪い者がいる。
 後編集後記に
■「金」どころか「銅」が取れても大喜びのソウル五輪.東京の淡い記憶を辿っては,少し淋しい思いもするが……「参加することに意義がある」今回の方が,なにか豊かな気分である.(土田)
があったで、ソウルオリンピックが1988年だったのかと、メダルだけではなくこの時点でもう日本は韓国に追いつかれる寸前だった。

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