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ウイルス,ソフトウェア(月刊ASCII 1988年8月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からウイルスとソフトウェアの記事をスクラップする。
ASCII1988(08)b02ウイルス_W520.jpg
ウイルスの記事はこれがはじめてだった。
記事内容をスクラップする。
フロッピーディスクを媒介にして感染するプログラム破壊プログラム「ウイルス」が欧米で深刻化
=PDSを介してすでに日本上陸か?!=

 欧米では,フロッピーディスク上のアプリケーション・ソフトに何者かが仕掛けたソフトウェア破壊プログラム「ウイルス」が,ユーザーのアプリケーション・ソフトに次々と感染,その内容が破壊されて使いものにならなくなってしまうという問題が各方面で表面化し,深刻な事態になっている.
 「ウイルス」は,データベース上にアップロードされているパブリック・ドメイン・ソフトウェア(PDS)に埋め込まれている場合が多く,これをダウンロードしてマシン上で動作させるとウイルスがメインメモリに常駐する.マシンの電源を切らずに,そのあと別のアプリケーション・ソフトが入ったフロッピーディスクを挿入して使っていると,次から次へと感染して内容が破壊されてしまう.被害にあっているユーザーの多くは,病原菌プログラムがメインメモリに常駐していることを知らずに,数カ月の間に所有しているフロッピーディスクのすべてにウイルスが感染してしまい,ソフトウェア資産が全滅している.ウイルスに感染しているアプリケーション・ソフトをハードディスクに保存していたケースでは,アプリケーション・ソフトやデータをコピーしたフロッピーディスクがすべて使いものにならなくなっている.最近のケースでは、米国のある地方新聞社で使用していたワープロソフトがウイルスに感染し,社内のネットワークを介して大規模感染した結果、数週間分の記事がすべて破壊されたという報告がある.
 ウイルスのタイプには複数あって,感染してから一定の期間はプログラム内に潜伏,ある日突然に“発病”する「AIDS型ウイルス」や,画面に突然『このソフトはウイルスに汚染されている』といったコメントを表示するだけで実害がない「良性ウイルス」(コメントどおりに破壊されてしまう悪性もある),文書ファイルだけを破壊する「T型ウイルス」(Textの頭文字を取っている)など,明らかになっているものだけで十種類以上にのぼる.感染したフロッピーディスクが友人から友人へとコピーされて被害が広がるケースが多いため,ウイルスを製造したのが誰かはまったく分かっていない.また,感染経路の途中で,別のウイルスを故意に仕掛けるユーザーもいるため,症状は重くなる一方だという.
 ウイルスの存在が明らかになってきたのは昨年前半からで,当初は,アプリケーション・ソフトのバグと思われていたが,ユーザーからのバグ報告を受けたソフトウェア・メーカーが検査した結果,故意に仕掛けられた破壊プログラムの形跡を発見,ウイルス禍は一挙に表面化した.
 被害は大企業から個人ユーザーまで広範な層にわたっており,『他人からもらったフロッピーディスクや,コピープロテクトをはずしたアプリケーション・ソフトをコピーして起動したあとは,かならず電源をいったん切ってからコンピュータを使おう』というスローガンを掲げている企業も出てきているという.ウイルスのほとんどが,マシン上のメインメモリに常駐してから感染するためにこうした予防措置が取られるわけだが,ネットワークを介して入り込んでくるような新型ウイルスの場合は,起動していなくても感染してしまうという報告もあるため,『電源をいったん切る』という予防措置にも限界がありそうだ.
ここでやっとウイルスが登場した。媒体に潜むタイプだ。コピーソフトをやり取りしていると被害にあったようだ。私の職場では分析機器の点検にきたメーカーの技術者がウイルスに感染したフロッピーを使ったため感染させられた。もう無防備だったとしかいいようがない。ASCIIだって付録のCD-ROMがウイルスに感染していたことがあった。スクラップしていくとそのうちお詫び記事に出会うだろう。
インターフェロンやT細胞などの“免疫”プログラムも登場
 ウイルスがPDSを介して広がりを見せていることから,シェアウェアを提供しているCompuServeやDelphiなどの大規模データベースには,ウイルスに感染しているフロッピーディスクやアプリケーション・ソフトを検出して警告を発したり,ウイルスを発見すると感染したアプリケーションソフトを自動的に削除してしまう“免疫"プログラムや,“ワクチン”プログラムが登場している.
 代表的なプログラムには,米国Apple社が自ら開発した「VirusRxj,米国Sir-tech Software社のRobert Woodheadが開発した「Interferon」,Larry Nedryが開発した「Ferret」,英国IDC社が開発した「Canarry」などがあり,その総数は20種類以上にのぼる.これらのワクチンの使用方法は,まずワクチン本体を起動してから対象のフロッピーディスクかハードディスクを呼び出してスキャンするといういたって簡単なものから,OSにドライバとして組み込んで,ウイルスがメモリに常駐した瞬間に警告を発するという高度なものまで,さまざまなタイプがある.
 ワクチンは,これまでに報告されたウイルスを防御するために作られているため,『新型ウイルスが発見されたら,メールで報告してほしい』旨の注釈が付いており,そのほとんどが無料で配布されている.
 ウイルスの感染方法は,アプリケーション・ソフトの特定ブロックに自分の分身をコピーしていくというもので、ワクチンのほとんどは,ユーザーから報告を受けたブロック部分をもとにして書き替えがあったかどうかをチェックしているだけだ.従来のコピープロテクト破りを逆手に取ったようなこれらのワクチンは,事前に予防措置を取って新型ウイルスの感染を防ぐというわけにはいかない.困ったことに,これらのワクチン自体がウイルスに感染しているという皮肉なケースもあり,ユーザーの不安は日増しに強まるばかりだという.
 また最近の報告では,ウイルスを培養する「Virus Laboratory」というプログラムが密かに出回って,膨大な数の新型ウイルスが素人(?)の手で製造され始めているという,培養プログラムで新型ウイルスを製造するのは感染経験を持ったユーザーがほとんどで,自分が味わった苦しみを他人にも,ということらしい.製造方法は,まず,感染してからどのくらいで発病するか,どの程度の被害を与えるかといったウイルスのタイプを決めて、埋め込むブロックを指定するというもので,すべての工程を対話形式で進められるという.
 こうした状況に対して,現時点では,どんなウイルスにも効く万能ワクチンはまだ開発されていない.そればかりか,事態はより深刻な方向に進んでいるようだ.
この時代自分のパソコンはウイルス被害にあわなかったが、インターネットの時代になって残念ながら感染してしまった。
出荷前の市販ソフトにも感染?
 米国Aldus社が最近になって発売したグラフィックス・ソフト「Free Hand」は、初期出荷分にバグが発見されたということで即座に次のバージョンが出荷された.初期バージョンを購入した登録ユーザーには無償でバージョンアップが行われた.
 ソフトウェアにはつきもののバグだから驚くに値しないニュースのはずだが,実は,発見されたのはバグではなくウイルスだったというのだ.感染していたのは,ソフトウェアの使用方法を教えるトレーニング・ディスクで,これを発見した同社では感染経路を追求した結果,コピーマシンにウイルスが常駐していたことを突き止めたという.
 当編集部では、出荷開始と同時に入手していたFree Handのトレーニング・ディスクを,Apple社が開発したワクチン「Virus Rx」で検査したところ,『1個以上のウイルスが存在する可能性がある』という証拠をつかんだこれまでのウイルスはPDSとプロテクトをはずされた市販アプリケーションが感染媒体だったが,市販ソフトが感染媒体になってしまうと手の施しようがなくなってしまう.もっとも信頼できる製造元がウイルスに感染していたという事実は,多くのユーザーにこれまでにない不安感を与えているようだ。

いったい誰を信じれば良いのか?
 昨年来,アプリケーション・ソフトのコピープロテクトは減少傾向にある.ソフトウェア・メーカーが,マニュアルの重要性を再認識したり、コストやメモリの軽減を考慮した結果だ.コピーソフトを使っていては,正規の保証やバージョンアップが受けられないというユーザー側の良識も働いていることは無視できない.しかし、コピー・プロテクトがはずされた結果,ユーザー間のフロッピーディスクのコピー率は格段に上昇している.ウイルスは,こうした状況をあざわらうかのように登場してきた欧米の1ユーザー当たりのアプリケーション・ソフト所有本数は平均1.3本だという.この数字は実際に購入したアプリケーション・ソフトに限定した調査結果で,別の調査によれば所有しているアプリケーション・ソフトの本数は平均20本以上だという.他人にコピーしてもらったアンダーグラウンド・ソフトがいかに多いかということだが,日本のユーザーの場合は,実際に購入した市販アプリケーション・ソフトが1人当たり平均0.7本という数値もある.ほとんどのユーザーが,コピーソフトを使っているというわけだ。こうした状況では,ウイルスが簡単に蔓延する可能性があるわけで,AXマシンなどのPC/ATコンパチ機の登場によって感染したフロッピーディスクを入手したユーザーが出現するのも時間の問題と言えそうだ.
 ついに市販アプリケーション・ソフトにまで広がった欧米のウイルス禍は,ユーザーのソフトウェア不信を助長する一方で,『誰を信じたらいいのか分からない』という人間不信にまで拡大する勢いで広がりつつある.

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プログラムを組んでいくと知的好奇心からウイルスを作ってみようと思う層が一定数いると思う。34年前は今のようにビジネスにはならず、自分の作ったウイルスが広まると面白いといった愉快犯だった。この当時、身代金要求ができるとは想像つかなかった。

アンテナハウス、ワープロ文書コンバートソフトを発売
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ミニ書院→PC-9800のMS-DOSテキストファイル変換ソフト「ミニ書院-PCコンバータ V1.0」で価格は3万円。

インターフェイスがOASYSとPC-9800間のテキストコンバータを発売
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OASYS→PC9801のMS-DOSテキストファイル変換ソフト「OASYS-PC」でOASYSのシリーズ別対応版が3万8000円から、31機種対応の統合版が12万8000円。

34年前はワープロの文書をPC-9801に移したいというユーザがいたのでこうしたコンバートソフトが発売されていた。テキストに落として移動するだけなのでバイトでも簡単に作れたと思われる。知人に作ったという人はいなかったが。

東芝、CD-ROMを使用した判例検索システムを発売
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GTのシステムが117万800円、SLのシステムが87万800円、CD-ROMの更新料が1回4万円。




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