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PC-8801MC,TOWNS,MS-DOS漫画(月刊ASCII 1990年1月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

AV WORKSHOPの記事でCD-ROMを搭載したPC-8801MCとFM TOWNSが取り上げられていたので抜粋してスクラップする。
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ASCII1990(01)e02PC-8801MC写真5_W331.jpg ASCII1990(01)e02PC-8801MC写真6_W513.jpg ASCII1990(01)e02PC-8801MC写真7_W369.jpg PC-8801MCmodel 2
処理速度の高速化
 PC-8801MCでは,メインメモリのアクセス時のウェイトが0になり(ROMのアクセスは1ウェイト),それにともない、V2モードにV2H(高速)モードが追加された。このモード切り替えのスイッチは,メモリスイッチに変更され,PCキーを押しながら表示されるメニュー(写真4)で設定するようになった.
ROM2と共通のCD-ROMドライブ
 PC-8801MC用のCD-ROMドライブ(PC-8801-30,価格は3万300円)は,ゲームマシンのPC Engine用CD-ROMドライブ(ROM2)とは,HEシステムのマークがないだけで,ユニットは同機能のものを使用しており,互いに流用することができる(写真5)ユニットは,コンピュータなどに接続するためのインターフェイスを装備している以外は,一般のCDプレーヤと同様にマニュアル操作も可能である.また,CDプレーヤのソフトを本体内のROMに内蔵しており,キーボードのスペースバーを押しながらリセットすれば,グラフィックで描かれた据置型のCDプレーヤ「CD PLAYER 88」が画面上に表示され(写真6),市販のCDプレーヤと同じように利用することもできるほか、曲名などのメモ機能も利用できる.
 なお,CD-ROMドライブの利用は従来機種でも可能で,CD-ROMインターフェイス(PC-8801-31,3万4800円)を組み込むことで利用できるようになる.ただし,V2モードと拡張スロットが必要となるので,V2モードを持たないPC-8801SRより前の機種や,拡張スロットを持たないPC-8801FEでは利用できない.

CD-ROMドライブコントロール
 CD-ROMをコントロールするためのルーチンは,本体のROM内に用意されているが,N88-BASICのROMの裏バンクにあたるため,BASICのプログラムからは使えないようになっている。機械語のプログラムに処理を渡し,バンクを切り替えれば利用することができるが,メインメモリ容量の制限などから実際にユーザーが実用となるアプリケーションを作成するのは難しいだろう.
(中略)

気になる今後
 AVマシンとして捉えれば,PC-8801MCでは,サウンドボード2相当の音源(FM音源6音SSG音源3音,デジタルサンプリング機能)を内蔵し,16bitマシンと比較しても遜色ない機能を備えている.今回のCD-ROMドライブの採用で,AVマシンに必要なサウンド機能は,すべて揃ったといえる.
 それに対してグラフィックス機能は,PC-8801MCが,512色中8色の表示能力しか持たないため,自然画などを再現することは難しい.少なくとも6万5536色を同時に表示可能なPC-88VAシリーズかあるいはそれ以上のグラフィック表示能力がほしいところだ.CD-ROMドライブを搭載し、最初からマルチメディアを指向したFMTOWNSとは対照的に、現在のCD-ROMを取り巻く状況をもとに,用途を割り切った使い方といえるだろう。
 日電では,CDオーディオを利用したゲームソフト,英語の学習ソフトなど,1989年度末までに10タイトル以上の発売を予定しているという。今後のCD-ROMソフトの拡充などは,特に気になるところだ。

8bit機であるPC-8801MCを32bit機のFM TOWNSと同じコーナーで紹介するのはどうか、甚だ疑問の記事だ。PC-8801MCはなんでも後から追随するNECの苦し紛れの機体だと感じる。富士通がCD-ROMを搭載した32bit機を出したあとに8bit機を出すなんてNECは何を考えていたのだろうと感じる。

FM TOWNSの記事。
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TOWNSの記事のまとめ部分をスクラップする。
アプリケーション
 同時に発表されたアプリケーションでは,まず,「FM-OASYSVer.1.0」が注目される(写真6).日本語入力FPはOAKで、本体内部の辞書ROMを利用する.広辞苑など5種類のCD-ROM辞書に対応しているのが大きな特徴である.印字には、TownsシステムソフトウェアV1.xに含まれる5種類のフォント(明朝体,毛筆体,まる文字など)を利用できる.
 アプリケーションの中で,最も注目されるのが,「富士通Habitat」と呼ばれるビジュアル通信である(写真7).これは,ビジュアル通信用のソフトウェア「富士通HabitatV1.1」を利用し,(株)エヌ・アイ・エフのパソコン通信サービス「NIFTY-Serve」を使って行なわれ,AVマシンのパソコン通信の今後を示唆するものとして期待できる.
 CD-ROMアプリケーションの制作は,まだ完全に立ち上がったとはいえないが,富士通は,ハイパーメディア開発センタ(HMDC),CD-ROMアプリケーションの開発をサポートするなど,力を入れているので期待したいところだ。

富士通のHabitat。アバターを使っていた。ただ時期早々だった。インターネット時代のゲーム機でなければ楽しめなかった。Habitatを使って楽しめたのだろうか。

MS-DOSユーザズ・ワークベンチの漫画をスクラップする。
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「近代プログラマの夕べ」にNHKドラマのタイムトラベラーの記事があったのでスクラップする。
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 放映当時はビデオテープが高価であったため消去され再放送もされなかったということで傑作を消した無能NHKと言われた幻のドラマであった。原作者の筒井康隆のところにファンレターが来てケン・ソゴルを演じていた俳優の情報をくれとあったと筒井康隆が嘆いていたという。
タイムトラベラーの記事をスクラップする。
ラベンダーの謎
 '89年5月号の「近代プログラマの夕」で,“少年ドラマシリーズがビデオ化された”という話を書いた。ちょうどその頃,鉄腕アトムの生みの親であり,日本の少年マンガの父ともいうべき,手塚治虫先生が逝った.
 「タイム・トラベラー」のあのハープシコードによるメランコリックなテーマは,鉄腕アトムのテーマと同じ高井達雄氏による作曲である.小学生もはじめの頃に,「空をこえてー,ラララ,星のかなたー」などと無心で唱ったりしていた私なぞ,「少年ドラマシリーズ」の頃には,少しだけ大人っぽいSFメロドラマ,ほかならぬ「タイム・トラベラー」に惹かれていたのだった. 記事が載った後,しばらくして,意外な電話が編集部に舞い込んだ.そして,私は,この夏,20年ぶりに「タイムトラベラー」の世界に足を踏み入れることができた.
 「タイム・トラベラー」とは,NHKが'69年1月1日からスタートした,短期連続の青少年向けドラマ。後に「NHK少年ドラマシリーズ」と呼ばれる99作品の記念すべき第1作である.
 電話は,千葉県習志野市の高橋知子さんという女性からのものだった。私は,「近代プログラマの夕」の中で,「タイムトラベラー」のビデオテープが残っておらず,現在では,放送はもちろん,ビデオとして発売することもできないといった旨のことを書いた(記事そのものは,NHKエンタープライズから発売された「なぞの転校生」,「つぶやき岩の秘密」,「霧の湖」について紹介したものである)。それを読んだ高橋さんは,「タイム・トラベラー」の“音”をテープレコーダーに録って保存してあるというのだった。
 実際に,「タイムトラベラー」のビデオテープは,当時使われていた2インチテープが高価であり,次々に使い回されていったために残っていないことを,私は,NHKのスタッフの方などに聞いていた.少年ドラマシリーズの初期の作品のほとんどが,残っていない。先頃ビデオとして発売された3作品は,その中では貴重な存在といわなければならない。もっとも,ごく一部の作品は,海外へ輸出する関係やスタッフの方が独自に録ったものがあるという.
 電話で,高橋さんは,茅野の実家に行った時に本誌をお兄さんに見せられたこと,「タイム・トラベラー」のヒロインこと浅野真弓さんにテープをお渡しできないかということ,シナリオ集が見つからないということ,そして,私にもテープを聴かせてくれるといったことを話してくれたのだった。

そして、問題のものが届いた
 夏も盛りにさしかかった頃,編集部に小さな小包が届いた。中身はもちろんテープと分かっていた。そう芳山和子とケン・ソゴル,20年も前に演じられ,私と同年代の多くの人の心を奪ったそれが,音のスクリーンとして目の前に広がるはずだ.
 これよりも少し前,私は,「タイム・トラベラー」と「続・タイム・トラベラー」のシナリオの入った本を,高橋さん宛てに送った。この本をまとめた,当時大和書房にいた青木真次氏とも5年ぶりで電話で話した。彼は,同じように音だけ録音してあるという話は聞いたことがあるが,テープを入手して聴いたりはしていないと言った。私は,直接江戸川橋にある版元の大和書房を訪ねて,高橋さん用と自分用の2冊を購入し,1冊を送ったのだった。この本とテープがあれば,「タイム・トラベラー」の世界は,よりリアルに再現されるはずである.
 高橋さんからの小包には,テープ4本とともに,手紙が添えられていた。ドラマとドラマの持つ世界と,それから個人の持つ時間とが交錯して,まことに奇妙な感覚におそわれる手紙である.その一部を紹介させてもらうことにしよう.
 お待たせしていた「タイム・トラベラー」のダビングができましたので,送ります。この録音テープは,私が中学2年生の時、ブラスバンドの部活が終わるのを,まだかまだかとハラハラしながら待ち,先生の終わりの言葉と同時に必死で楽器を片付け,学校から家まで歩いて15分余りの道のりを,5分で走って帰り、家中の人たちの協力でやっと録音することのできたかけがえのない私の宝物です。
 夜眠る前に,毎日このテープを聞いていましたので,ナレーション,せりふ,効果音まで,すっかり頭の中に入ってしまいました。あれから十数年経ちましたが,記憶は完璧ですよ。シナリオ集,とても楽しく読ませていただきましたが,細かい所は別として、あの本の中でたったひとつ載っているカットの車のナンバーが,練馬51さ5862でなかったのは,ショックでした。このナンバーを時々思い出しては,私の記憶は,まだまだだいじょうぶだな、と自己満足していたものですから,やっぱり,あのカットの数字は,5862であってほしかったですね.
 ところで,テープを聞いていただく前に,お断りしておかなければならない事があります.当時は,テープレコーダの機能がよくなくて,それなりに苦労をしましたが,120分テープを使用して録音したため,途中でテープが終わってしまい,第2回のおわりのほうが,B面に変える間,録音されていません(シナリオ集41ページ深町家の塀の外~温室・・・「ぼくはもう深町じゃない」までの部分)。ダビングテープのほうは,そのあと,すぐ続けて,つづきを入れてあります。この失敗をくり返さないために,次回分のテープが足りなくならないように,終了のテーマ曲と,第3回の最初のナレーションを入れずに録音しました.完全な形でお聞かせできなくて,本当にごめんなさい.
 それから、家の時計は,「ボーンボーン」と鳴るふりこの柱時計で,6時半になると,「カーン」という音が入ります。当時のテープレコーダは,接続コードもあったのですが,それを使うと,まわりの音が入らない代わりに,「ジー」という雑音が終始入ってしまって,とても聞きにくいので,その音を入れないために,コードを使わず,テレビの前にテープレコーダを置いて,内蔵マイクで録音しました.そのために、いろんな音や声が入っています。その1つが時計の音,そのほかに,車の音,母が台所のゴミを集める音,それを気にして「うるさいなあ」と言う兄の声,父のくしゃみ。愛犬ポチのなき声もかなり長い時間入っています。こういう音や声って,私にとっては,とてもなつかしい大切なものなのです.昔住んでいた家のあの部屋,あの時のことが,はっきりと浮かんできて,録音を聞いていると,タイムトラベルして,そこにいるような感じがするのです.お互い,自分で出してしまった音にハッとして,顔を見合わせ目くばせしたり,父がくしゃみをがまんしようとするのだけれど,どうしてもだめで,とうとう“ハクション”してしまった時のことは,忘れられませんね。あの時は、あとで,父や兄に文句を言ったりしたけれど、今ではなつかしい思い出です.
 でもこうして,ほかの方に聞いていただくことになって、はずかしいやら、申し訳ない やら,複雑な気持ちです。音量も変わったりして聞き苦しいところがありますが,許し てくださいね。
 さて,私は,約束どおり浅野真弓さんに送ってあげるために,自分用のバックアップを取らせてもらいながら「タイム・トラベラー」を聴いた.
 ギギーと開くドアの音.城達也のナレーションがはじまる.そして,あのテーマ曲に続いて,さっそく理科室の掃除のシーンである…….翌日の授業前の雪球の事件……,ケン・ソゴルとの出会い……すべてが自分の体験のようにして蘇ってきたのだった。もはや画像などなくてもいいというくらいの気分になる.自分だけ感動しているわけにもいかない.浅野真弓さんにテープを送らなければならない.まず,浅野さんの元マネージャー氏に連絡を取ろうとしたのだが,うまく連絡が取れない.そこで,彼女がかつて所属していた渡辺企画に電話した.
 しかし,浅野さんは主婦業に専念しているとのことで、連絡を取るのは難しいということだった。それでも,テープだけでもお渡ししたいと伝え,渡辺企画さんから浅野さんにテープを送っていただけることになった.高橋さんから送っていただいたテープを,高橋さんの手紙のコピーとともに梱包して,渡辺企画に送った。順調にいけば,とっくに浅野さんの手に届いているはずである.

タイム・エネルギーの謎
 さて,これとは別に「タイム・トラベラー」をはじめ、多くの作品を手掛けたNHKの佐藤和哉さんにお会いした。佐藤さんには,NHK松山支局におられた当時,電話インタビューをさせていただいたことがあった。その時のお礼も作った本も送ってなかったので,お会いしてお礼をいうつもりだった.そして,この人にもテープを聴かせたいという衝動にかられたのだった.
 佐藤さんは,現在は,アスキーからほど近い渋谷のNHKにおられ,衛星放送関係の仕事をされているとのことである.さっそく出かけ,テープをお渡しした.そして,少年ドラマシリーズについて,いろいろな話を聞かせていただいた.一番思い出に残っている作品は,「タイム・トラベラー」と最終作といわれる「芙蓉の人」だという話(「だから青春・泣き虫甲子園」など残りの2作品は厳密には「少年ドラマシリーズ」とは区別される)。初のステレオドラマ「星の牧場」の苦労話などもうかがった。「星の牧場」は,私自身は観てないのだが(同じNHKのラジオドラマは聴いた),カメラのパンとともにマイクも動くなどその後のステレオドラマとは違った試みがなされていたという。西ドイツで行なわれたドラマのコンテストに意気揚々と乗り込んだのだが,会場の機材が不十分でうまく見せられなかったといった話だ。少年ドラマは,開始当初は,存在そのものに意義のあるといった趣だったが,またたく間に,意欲的な試みがなされ,作品性の高いドラマも次々と作られていったのだ.
 高橋さんへ。その後の報告が遅くなってしまって申し訳ありませんでした.「タイム・トラベラー」のテーマは,楽しい時間旅行などではなくて,結局,時間のエネルギーが克服できるものではないということではないでしょうか。テープどうも有難うございました。
(HortenseEndoh)

タイムリープというかタイムループ物は現在では吐いて捨てるほどあり、食傷気味だが、当時ドラマで初めてタイムループ物を見てワクワクした。現在はキャラクターの魅力で見せるものだと感じているが、当時はストーリーの魅力が強かった。もちろん吉山和子役の浅野真弓さんはあっという間にファンになった。

TBNの「なんでも相談室」にFATの記事があった。ASCIIのこういう記事は分かりやすい解説で好きだった。

What is FAT?
Q:フロッピーディスクのデータ読み出しにやけに時間がかかるので,chkdskをかけてみたら、図1のような表示が出てしまいました.特にファイルの読み書きができないということはなく,何のエラーなのだかよく分かりません。どうなっているのでしょうか.
A:chkdskコマンドは,ディスクに記録されているFATのデータが正しい状態にあるかをチェックします。ディスクのFATデータに何らかの異常があるときにそれを発見し,メッセージを表示します。図1の場合はディスクの“FAT1”というデータが物理的に読み取ることができないことを表わしています。

FAT概論
 FATとは,File Allocation Table略です。日本語にするとファイル配置一覧表,つまりファイルがディスクのどの位置に収められているかを記録しているデータのことです.FATは1つの記録媒体(フロッピーデディスクのときはディスク1枚ごと,ハードティスクのときはドライブごと)につき1組ずつ用意されています。
ディスクはフォーマットされるとき,一定の記録量ごとに区切られます。この1つ1つの区切りをセクタといいます.データをディスクに読み書きするときは,セクタを単位にして記録します.しかし,ファイルがディスク上のどこに配置されるかを記録するときはセクタでなくクラスタという単位を使っています。クラスタはセクタをいくつかまとめた形で構成されています。そしてFATには,各ファイルがどのクラスタにあるかが記録されているわけです.
 ファイルの管理をセクタでなくクラスタ単位で行なうのは、大きさの異なるセクタにとらわれずにより統一的にファイルの管理をするためです.セクタはフォーマットのときに自動に行なわれるため,ディスクの容量によって大きさが違ってきます。そのためディスクを取り替えるごとにアクセス方法を変える必要がないように,クラスタを用いて統一を行なっているのです.
 ディスクをアスキー本誌にたとえるならば,セクタはページ,クラスタは記事というように考えてもらえばいいでしょう.そして,その目次にあたるのがFATなのです。
 実際のセクタとクラスタの大きさはDOSのメーカーやバージョンによっても変わりますが日本電気製のMS-DOS Ver.3.3の場合,2HDフロッピーは1セクタ=1クラスタ=1024bytesです。2DDでは1セクタ=512bytesで,やはり1クラスタ=2セクタ=1024bytesになります。
 MS-DOSでは図2のようにディレクトリデータとFATによってファイルを管理しています。ディレクトリデータにはファイルの名前,サイズ,ファイルの始まりのクラスタ等が記録され,FATにはクラスタとクラスタとのつながりの情報が記録されています。MS-DOSがファイルを読み取りにいくときは,まずディレクトリデータを読んでファイルの先頭部分が記録されているクラスタの位置を調べます。次にFATを読んで,先頭のクラスタから順につながっているクラスタを調べていきます.そうすることによって,ファイルがどのクラスタにあるのかが分かるわけです.
 新しくフォーマットされたディスクにファイルが記録されるとき,複数のクラスタにわたるファイルはディスク上の連続したクラスタに書き込まれます.しかし,ディスク上のファイルの消去,書き込みを繰り返すと,空きクラスタがディスク上にバラバラに配置されることになります。FATにクラスタのつながりを記録することによって,そのような空きクラスタにもファイルを配置できるようになるわけです(図3).
 ディスクには通常使用しているFATのほかに予備のFATがもう1つ作られています。ただし,このFATはあくまで予備のもので普段は使われません.MS-DOSでは普段使われているFATをFAT1,予備のFATをFAT2という名で区別しています。FAT2はFAT1が何らかの理由によって破壊されて しまったときにだけ,使用されます。
 FATの破壊には2種類あります。1つ目はFATのデータが狂ってしまうようなデータのエラー,2つ目はFATそのものが読み取れなくなってしまう物理的な破壊です.

もしもFATが壊れたら(データエラー編)
 chkdskのメッセージがよく分からないとのことですので,まずはchkdskの働きから説明していきましょう.chkdskは2つのFATのデータが矛盾している所を発見し、その矛盾点を修復するコマンドです.chkdskコマンドを実行すると,2つのFATの比較を始めます。このとき2つのFATのデータに食い違うところがあると,図4のようなメッセージを表示します.ですから,仮に2つのFATともにデータエラーが発生していると,それに気付かなかったり,異常なエラーメッセージ(ファイルが2~3個しかないはずなのに1000個のファイルが壊れているなど)を出したりすることもあります。
 FATのデータにエラーがあると,クラスタとクラスタとのつながりが間違ったままフアイルを読み取りにいってしまいます.そのため、正しくファイルを読むことができなくなります。本誌にたとえた例だと、目次の誤植のため正しいページが分からない状態です.FATのデータエラーを起こしたディスクの修復は,chkdskコマンドに/fの拡張子を付けることによって行ないます(これは,後で述べる物理的な破壊には役に立ちません)すると,FAT1とFAT2のデータでクラス夕のつながりが食い違う所を切り離して,別のファイルにしてくれます(図5).
 chkdskによって切り離されたファイルを元に戻すには,人手によってファイルを切り貼りしなければなりません.テキストファイルはエディタを使ってファイルの切り貼りをすることができますが,プログラムやデータなどのバイナリファイルのときはFATデータを直接工ディットして切り離されたファイル同士をつなぎ合わせる必要があります。それらの作業には,「エコロジー」(価格,会社名)などのFATデータを直接エディットできる機能を持ったソフトウェアを使うとよいでしょう.ただし,図3のようにファイルが飛び飛びのクラスタに記録されているときは,そのファイルの修復は非常に困難なものになります.

もしもFATが壊れたら(物理的破壊編)
 データエラーとは別に,ディスククラッシユなどが原因でFATが物理的に破壊されて読み取れなくなるということもあります.これは本の目次が破けたりインクがかかってしまうなどして読むことができない状態といえます。予備のFATが大丈夫なときは,MS-DOSはそれを読み取りにいきます。そのためディスクの読み取りには時間がかかりますが,ディスクそのものが読めないということはありません.上島さんのディスクはおそら<この状態だと思われます。
 物理的にFATが破壊されたディスクでは,chkdskを実行すると片方のFATが読めないというメッセージが表示されます(図1).予備のFATが壊れていなければファイルの読み取り書き込みは正常なディスクと同じように行なえるため,FATが読み取れなくなっていることに気が付かないこともあります。

バックアップのススメ
 物理的なFATの破壊は修復することができません。もし両方のFATが物理的に破壊されてしまうと,ディスク内のファイルは完全に失われてしまいます。FATの物理的な破壊に気付いたら,予備のFATも壊してしまう前に正常なディスクにファイルデータをコピーしておくべきです.
 またデータエラーの場合も,その規模が大きいとファイルが細かく分断され修復が非常に困難になります。ですから,修復に失敗したときに備えて,コピーを取ってからFATの修復を行なうほうがよいでしょう.なお,その際にはdiskcopyコマンドを使うと破壊されたFATまで一緒にコピーしてしまうため、copyコマンドを使うなどして,ファイルごとにコピーをしてください。
 こういったトラブルに備えるためにも,日頃からこまめにバックアップを取っておくことをおすすめします。  (加藤)


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フロッピーディスクは良くエラーになった。ハードディスクもエラーを起こした。バックアップは必須の作業だった。バックアップをしているからエコロジーのようなレスキューツールでデータをサルベージする経験はしなかった。

ASCIIなのにモーターショウのレポートがあった。この頃、車にもコンピュータが入り込んできた。
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実用化!ナビゲーションシステム
 前回、前々回ともに各社が力を入れて展示していたナビゲーションシステムは、衛星を使ったものに進化した.これは,マツダが'90年発売予定として参考出品していたユーノスコスモに搭載しており、ついに実用化といったところだ。このシステムは,GPSS(Global Positioning Systemwith Satelite)と名付けられており、従来からの地磁気センサー,車輪速信号,車速信号による現在地測定システム(自立法)に加え、文字通り衛星からの電波をもとに現在地を測定する衛星航法を併使用し、精度を向上させたものだ.ちなみに,GPSSの現在地測定精度は走行距離に関係なく30~100mである。
 ほかの自動車メーカーでも,いすゞの4200R,日産のNEO-Xなどは自立航法によるナビゲーションシステムを搭載していた。しかし、機能説明の展示がなく、詳しいことが分からなかったのは残念である。
 一方、部品メーカーでも富士通テン,パナソニック、パイオニアなどがカーコミュニケーションシステムを展示,これは,カーAV機能に、電話,FAX,ナビゲーションシステムなどを加えたものである。このナビゲーションシステムは,従来からの自立航法システムにCD-ROMによる道路やガソリンスタンド,レストランなどの情報と渋滞などの路車間情報も加え、迂回路などをドライバーに教えるものだ。従来のものに比べ、部品メーカーが展示していたのが印象的であった。
 このほか,マツダのダイナミックドライビングシステム(DDS)が目を引いた。これは,一種のドライビングシミュレータだ。内部は,実車と同じようにシートとハンドルなどの操作系,メーターなどが配置されている。フロントガラスにあたる部分にはスクリーンがありコンピュータグラフィックスの画像による道路などが映し出される仕組みだ。このシステムを使って、クルマの挙動とドライバーの感覚の相関関係を,いろいろなシチュエーションで調べることができるわけだ。
 また,立石電機は、模型のクルマを使ったファジー理論による車間距離調整システムを展示していた。前のクルマが速度を変えても,後ろのクルマが一定の車間距離を保って追走するといったものだ。
 今回のショウは、全体的に未来感に乏しく、各社が未来像を模索しているといった印象を受けた.一方,ナビゲーションシステムを含むカーコミュニケーションシステムは、着実に実用化に向かっているように思えた。
(小林)

カーナビに使われるGPSの精度が30~100mだったとは。この頃のカーナビは使い物になったのだろうか。
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