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TRON坂村健氏インタビュー(月刊ASCII 1987年6月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号ではTRON開発者の坂村健氏へのインタビュー記事があった。
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目次には坂村健氏の写真があった。
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結局TRONは私たち一般ユーザーの下には降りてこなかった。知人の中に使用した人はいなかった。私たちの中では米国に潰された。マイクロソフトが世界を制覇するために米国政府を使って潰しにかかったと言っていた。今でいう陰謀論をまことしやかに語り合っていた。

このインタビューは貴重な記録なのでスクラップしておく。
急上昇してきたTRONの認知度
――岩波書店からお出しになった「TRONからの発想」という本を,このあいだ書店で見かけてびっくりしたんですが,コンピュータにはあまり縁がありそうにも思えない若いお嬢さんが買っている.朝日新聞の一面にTRONの記事がデカデカと載ったり......
坂村 あの本は,初版が1万部.発行日は2月27日になっているんですが,発売3日目で売り切れました.さっそく再版がかかって,それが3月18日にできましたが,その前にもう3刷目の予定が決まってしまった.岩波の編集者も,最初は「1万部売れないと困るんですよ」と泣きごとをこぼしていたのが,すっかり強気になって,「どんどん行きます」なんて言っていますよ。
――ここにきて,TRONを巡る状況が大きく変わってきた.認知度もたいへん上がってきているわけですが,我々ユーザーとしては,TRONマシン,特に次世代パソコンとして登場するだろうBTRONのイメージを何とか早くつかみたいというわけで,まずBTRONに関してうかがっていきます.
私は「TRONからの発想」を読んでいなかった。そういえば、この当時社会現象と言っては大げさだが、パソコンマニア以外にもTRONは関心を持たれていた。
ピュアBTRONとμBTRON
――-BTRONがパーソナルコンピュータ,あるいはワークステーションのイメージ.それに対して,今の小型専用ワープロに対応するSUBTRONが提唱されている.UBTRONは,3つの対象,ユーザー本人,他人,そして他の機械とのコミュニケーションを実現する道具として規定される.自分自身との対話の道具は、ワープロとお絵書きソフト,他人との対話は通信,そして他の機械との対話のためにμTRONバスと名付けられたインターフェイスを持っている.
 こうした性格をBTRONは与えられているわけですが,坂村 さんとしては,μBTRONには,BTRONよりも先に出て欲しいんですか.
坂村 そう.普通の人はプログラミングなんてしないから,これでいい.これはパソコン通信の端末になるから,アスキーのACSの端末としても使ってください.しかも,これはファクシミリにもつながる.全世界とコミュニケートするために,通信のプロトコルはできる限りほとんどのものをサポートするようにしていますから,かなりいいマシンですよ.
――-BTRONのワードプロセッシングのソフトは作り付けですね.
坂村 ええ,作り付け.
――-このワードプロセッサの機能を,TRONは規定しているんですか.
坂村 いや.機能は規定しないから,各社によって違う.たとえば,ある会社は「文字が無制限に拡大,縮小できますよ」なんてことをいうし,あるところは「大・中・小」の3つしかない.一括変換ができるのもあれば,そうじゃないのもある.そこは、ばらつく.競争がある.けれど、だからこそ面白いんじゃないですか.しかも操作法はみんな同じだから,1つをマスターすればしめたもの.後はいろいろな製品の中から,最も気に入ったものを選んで使えばいい.
 今,そうしたBTRONの操作に関する,機能辞書を作っているんですよ.それも本にして出す.ただ,その機械で実現されていない機能を指示すると,「この機械にはこの機能はありません」と出てきちゃう.ただしこれも,単純にたくさん載せればいいというもんじゃないと思う.たとえば100個機能があったとする.この中からあるメーカーはあるものを20個選びました。他のメーカーは別のものを30一個.もちろん共通のものはあるだろうけれど,その選び方の妙味もあるんじゃないかこれは値段に直結してくるでしょう.100個選べばどうしても100万円になる.それに対し,20個で行けば10万です,ということになれば,10万の方がいいという人は必ずいる.だからフル・パワーで全部入れ込めばいい,というものじゃない.
その当時までOSはマシンをつかうために設計開発されたものだけれどもTRONは先にこんなOSが欲しい。それを使えるマシンを作って欲し。という逆転の発想だった。マシンがあれば後発のOSでも既存のOSではできなかったことができますよ。とかのキャッチフレーズで販売することを考えソフトを開発することができるが、OSが先でマシンが後となると商業的には厳しいものがあるので米国の陰謀とかを持ち出さなくても一般ユーザーのパソコン環境で成功しなかったのも当然だったろう。
BTRONマシンはTRONチップを使うのか?
――現在,日立と富士通が32ビットのTRONチップの共同開発を進めている.さらに,三菱,東芝,松下も開発中ですね.それで最初に出てくるBTRONの場合,TRONチップを使わなくちゃいけないんですか.
坂村 最初は別に,TRONチップである必要はない. ――とすると、最初に出てくるBTRONは,既存の汎用16ビットプロセッサを使う?
坂村 BTRONというより,μBTRONね.
――今,BTRONではなくて,μBTRONと断られたのは,ピュアなBTRONに求められる機能は、16ビットのプロセッサではこなせないという意味ですか?
坂村 おそらくね.ただ,どうやって機能を実現するか,その方法は規定していないと言っている以上,何でなきゃいけないとは言えない.もっとも,パフォーマンスは出てくれないと困るから,そこを言っているわけです.
――とすると,マシン間でのソフトウェアの互換性の問題はどうなるんですか.
坂村 μBTRON,BTRON,ITRONみんなそうなんですけれど,まずデータ互換性に関しては完全にあります.それからソフトに関しては,システムコールの互換性がありますから,高級言語で書いたソフトウェアは完全互換,ただ,機械語で書いたものはだめ,チップが同じじゃないんだから、当たり前の話です。
――μBTRON,BTRONともにフロッピーディスクドライブは3.5インチ2HDで,どこに持って行ってどの機械にさしても,読めるわけですね。
坂村 読めます。
80386や68020とかが出始めたときに32bitといってもそんなに性能は凄くないのにどうなのかなと思えるのは34年後の未来から眺めているからで、これだけでもスクラップしたかいがある。
実身/仮身モデルとは何か
――BTRONでは,実身/仮身モデルというファイル構造を提起されていますね。たとえば実身/仮身モデルを説明している文章を読むとき,仮身とはなんぞや,実身とはなんぞやがそもそも分からないとする.ただし「仮身」と「実身」という言葉には,何本かの短冊を四角でかこったマークのようなものがついている.そして,このマークを選んで「開けごま」とやると,その言葉に関する注釈文がワーッと開いてくる.これ1つの仮身から実身を開いて,その実身の中にもまた仮身をしこめるんですか?
坂村 そう,ピュアBTRONではそうなっている.だけどμBTRONではそうなっていなくて,一重のレベルまで.これを実行するためには,インプリメンテーションがたいへんになって,メモリも食うんですよ.ただピュアBTRONの方は多段に開きますから,非常に面白い.たとえば「注」にしても,注の中にさらに分からない言葉があればつぎつぎと無限に開いていくこともできる.無限のヘルプ機能も可能.実身/仮身モデルにぶち込めば,アドベンチャーゲームがそのままできてしまう.
――なるほど、ある状況があって,次にどう進むかがいくつかの選択肢として示されている.これが仮身で,どれかを選択してそれを開くと次のシチュエーションを示す実身が開き,その中にまた次を選択する仮身が,選択肢として入っているわけですか.
坂村 このファイルの構造はネットワークで,ツリーじゃない.だから複雑なヘルプ機能を実現するときにも,アドベンチャーゲームでも,1つの答えにたどり着くのに,いろいろなパターンがサポートできる.ただしツリー構造ではそうは行かない.いったん階層の下まで開いた後,隣の枝別れした先に行きたいとなったら,根っこまで戻って,もう一度開いていかなくちゃいけない.ネットワーク構造はそうではなく,あるものとあるものが関係あれば,それをダイレクトに結んでおける.
――BTRONで実身/仮身モデルをユーザーに提供するとして,どういう使い方を想定されているんですか.
坂村 いろいろあります。ワープロを使ったときでいえば,今米国で非常に有用視されているアイデア・プロセッサが,これでそのまま実現できる.まず文章の骨組みを作る.第1章はこう,2章はこう,結論はこう.さらにその章の第1節はこう,2節はこう.そういうやりかたで文章を書く.1章を書きながら4章を思い付いたら,途中でそれを書く.そして最後に全部の仮身を開けば,1つの文章になる.
 それと,さらにいいことは,ウィンドウの中に文章の骨組みを示す仮身がずらりと並んでいる場合,たとえば構成上,2章として考えていたものを4章の後にしたほうがよい,と思ったとする.その時は,電子ペンで2章としていた仮身を4章の仮身の後に持っていく。すると中身の実身も,それだけで全部4章の後に動く.ワープロでいう,全移動になる.このBTRONの実身/仮身モデルというのは,この機械を清書機として用いるのではなく,考えるためのマシンとして使って欲しいための構造なんですよ.

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実身/仮身モデルについては色々解説を読んだがいまいち必要性が理解できなかった。
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2バイトコードを実現するTRONの国際性
――TRONの持つ世界性の問題についてうかがいます.アルファベットと数字だけを扱うのなら,1バイトコードで大丈夫、ところが仮名に加えて膨大な数の漢字を持つ日本語を取り扱うには,2バイトコードが必要というわけで,このBTRONは、初めて2バイトコードの使用を前提としたマシンになる.
坂村 今まで2バイトコード系のものはない.TRONが初めてです.
――世界的な展開として,こうした2バイトコードのマシンが受け入れられる先として,一番期待されるのはどこですか?中国かな?
坂村 いや.アメリカでも,そうしたマシンに対する期待が高まっていますよ、アメリカの文化の中には世界各国の言葉が入り込んでいるし、自然言語翻訳なんて課題に取り組んでいると,翻訳する対象としてアメリカ人が日本語を取り扱う機会も多くなってくる.
――世界全体がますます「国際化」していくとすれば,コンピュータもそれにつれて国際化する.そのためには、2バイトコードが不可欠ということかな.
坂村 そういうことです.特に数値データではなく、文字データを扱うマシンでは,絶対そうなると思いますね.
34年後の今はUnicodeが使われており2バイトどころか4バイトのUTF-32まで規定されている。UTF-8は変態的で1バイトから4バイトまで使える。まあ顔図形まで使えるUTF-32はやりすぎではないかと思っているけど。
TRONキーボードへの期待と不安
――坂村さんはよく,TRONの説明に車を引合に出される.車種が変わっても、車ではアクセルやブレーキの基本的な位置関係が変わることはないのに,コンピュータではそうは行かない.まったく操作の基本が決まっていない.確かにそうした傾向はあると思うけれど、なかで唯一,かなりがっしりと固まっているのが,現在のキーボードじゃないでしょうか.ユーザーとして私自身,TRONを使いたいと思うけれど、1つだけ抵抗があるのはTRONキーボードです.
坂村 確かにTRONのアルファベットの標準配列は,ドヴォラクだけれどクワーティにしたければ,ソフトウェアでなりますよ.
――ああ,TRONの英語の配列はドヴォラクなんですか.JISキーボードでも採用しているアルファベットの配列,いわゆるクワーティは、タイプライター時代の機械的な制約で決まった.それに対し,人間工学的な配慮に基づいて並べ変えたのが,ドヴォラク.
坂村 そう,ドヴォラク.英語に関してはTRONはかなりフリーだから「初めてやるんだったらドヴォラクの方がいいですよ」と言っている.どうせ始めるんなら,ドヴォラクを標準サポートしていますよ,とねだからもうクワーティを覚えちゃってクワーティでなきゃいやだって言うんだったら,クワーティだっていい.そうするのは非常に簡単だから,やりたいんならそうすればいいでしょう.
――ユーザー自身が?それともユーザーからの声がメーカーに届いて? 坂村 メーカーもクワーティくらいはオプションに入れておくでしょう.スイッチをオンにするとクワーティになります,というくらいのことはやってくれるんじゃないのかな.
 そういうことをやるために、ICカードを差し込むようにしているんですよ.最終的に仕様を詰めている段階で,まだ決まっていないんだけれど、そこにパーソナル情報を入れておくだからよそに行って,人の家のBTRONにこれを差し込めば、自分がイニシャライズしといたマシンになります。標準品としてのTRONが満たす要素は規定するけれど,それをパーソナル化することには、一切文句は言っていませんから.
 それとTRONのキーボードは,人間の手の大きさを実際に測ってそれに合わせて作ってあるから,触ってみると気持ちいいですよ.さらにもう1ついいところは,英語にした時も,仮名モードにした時も,記号のキーはすべて同じ位置だということ.普通のキーボードはそうなっていないでしょう。だからこキーボードで困ることは,たぶんないと思う.特にローマ字で打ちたいなんて人はね.
――抵抗あるのは,富士通の親指シフトをやっている人だけかな.
坂村 ううーん.富士通の親指シフトは、同時シフトにこだわっていて,シフトキーを押しながらキーを打つ,一般的なシフト操作では受けつけられない.TRONでは,同時シフトでも普通のシフト操作でも受けつけるようにして,打ちやすくしている.
 こういう話をコンピュータを知らない人にすると,「これまでそういうふうにはなっていなかったんですか」と言う.「当たり前のことのように思うけれど」と言ってね.そのコンピュータを知らない人にとっての当たり前,「常識」にTRONはチャレンジしている.みんながそうなっていればいいな,と思うようなことが実現されている.どんな操作に関しても,アン・ドゥがきくとかね.
――アン・ドゥ,言ってみれば将棋の「待った」.何か操作して,それが間違いだった場合,取り消して操作前の状態に戻る機能ですね.これが,どういうところでもきくんですか.すべてのオペレーションに対して......
坂村 全部アン・ドゥをきかせろと言っているんです.そういうことをやると,やっぱり作るのに時間がかかる.シーケンスも複雑になって面倒になる.けれど,使いやすさからいえばよくなる。もう1つ,富士通の親指シフトは同じ手の親指シフトが多いが,その操作は手首を水平よりも内側にひねる内転運動が多いことを意味している.ところが,このような内転運動は、筋肉に負担をかけていて,労働医学上好ましくない.TRONキーボードでは,同じ手の親指シフトが少なくなるように配列を工夫している.さらに,キーボードを左右に傾斜させることにより内転の角度が大きくならないようにし,疲労が起こりにくいように改善しているんです.
キーボードについては坂村健氏は見込み違いをしていました。人間をなめるなということ。というのも不便なものでも人はそれを使いこなすということ。ポケベルの数字送信が始まったとき簡単なものでは「194」が「いくよ」とか数字で連絡を取っていた。文字が送れるようになってとき数字二桁を日本語に変換して送っていた。ガラケーになってトグル入力、スマホになってフリック入力。キーボードが無くても使いこなすのが人というか若者。いやジジババでもトグル入力は使っている。結局入力を仕事とする人以外には人間工学的にデザインされた優れたキーボード、一般ユーザーからみると奇妙なキーボードは要らないのだ。
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BTRONはいついくらで手に入るのか
――さてそうした性格を持ったμBTRON,ピュアBTRONがいくらくらいの価格で,いつごろの時期に出てくるのか。どうしても興味はそこに行く.
坂村 メーカーがいつ出すなんてことは,私と関係ないところでビジネスとして進んでいる.メーカーはもし売り出しで失敗すれば損をするわけだし,慎重にならざるを得ない。そうしたデリケートな問題に関し,僕は喋れない
――坂村さんとしては,プロジェクト全体がうまく運ぶことが最終的な目的でしょうしね.
坂村 そう.そのためには,どこにも迷惑をかけるようなことは言いたくない.ただユーザーにとっていつごろ,いくらくらいで手に入るかというのが,最大の関心事であるというのは,よく分かります。けれどしょうがない.まぁ,もう少し待っていれば,出してきますよ,いろいろと.シンポジウムを見てもらえば分かるけど,皆さん累積で言えばずいぶん多額の研究費をかけてやっているのに,商品化しないなんてことはない.BTRONは1つも出ませんでした,なんて馬鹿なことには絶対になりませんから,安心して......
――安心して,今はコンピュータを買うな?
坂村 そうじゃない,そうじゃない.今のものを買うななんて僕は言ってない.ただ,BTRONを買いたいと思っている人の期待には,いずれこたえられると言っているだけ。
――メーカーがどう商品化するかは分からないでしょうから,坂村さんの期待を聞きますが,BTRONの価格帯はどのくらいを期待されているんですか.
坂村 安いものから高いものまで.ファミコンくらいのものから......そう,1万円くらいのものから,1億円の機械まで.それが僕の期待.
―1億円のBTRON?
坂村 だって,3000ドット×3000ドットの解像度を持つ超高性能カラーディスプレイを付けたら1億円くらいになるよ.4000ドットでもいいですよ,とにかく手に入る最高のディスプレイを付けたら,1億円だと思う.だけど家庭のテレビに付けるBTRONだって,作ろうと思えば作れる.TRONで統一を目指しているのは,「作法」なんだから、だから1万円から,1億円と言っている.ただし,操作方法はみんな同じ家庭では安いのを使って,会社に行けば素晴らしい解像力のディスプレイを持ったやつがある.そのすべてに関して,データの互換性がある.こういう楽しい世界になるんじゃないですか.けれどそうは言っても,現実的に一番焦点化してくるのは,今のパソコンと呼ばれているマシンの価格帯でしょうね.専用ワープロの10万円くらいあたりから,いわゆるパソコンと呼ばれている商品の価格帯. ――次に,いつまで待てばいいか.
坂村 TRONというのは,普通の人が思っているよりは進んでいますよ. ――ちょっと念仏を唱えますから,聞いていてください.今年の秋くらいには,最初のBTRONマシンが出るんじゃないか。おそらくμBTRONになるんじゃないか.
坂村 うん,μTRONじゃないですかね.
――ただピュアBTRONに関して先行しているメーカーもその直後には出してくるんじゃないでしょうか。
坂村 出せるとは思う.ただ出せると思うのと,出すというのは別.たとえばDATだってそうでしょう。技術的には出せたって,いろいろな問題があって,なかなか出せなかったでしょう.だから今のメーカーの行き方がいいと思うの.今,練りに練っている.そうやって後になって出てきたものほど,いいものになると思いますよ.そんなに焦って,試作品みたいなものをぽんぽん出されちゃ,たまんないでしょう.そういう意味で言えば,きわめて良心的な製品がたくさん出てくると思っているわけです。
店頭でTRONを見た記憶がないのだが、発売されていたのだろうか?スクラップしていけば分かるだろうが、記憶とはこんなもの。未来から来た人のことを連想した。未来人が現在に来てもすべてが分かるわけではないので例えば私が34年前にタイムトラベルして「TRONはいつ頃売っていましたか?」と尋ねられても「分かりません」としか答えようがなく、それを聞いた34年前の人が「未来から来たなんて嘘だ。お前は嘘つきだ。」と言われるのだろうなと思った。
BTRONISMS-DOS,UNIXを喰うか?
――研究室に,Macがおいてありましたね?あれは何に使っているんですか.MacにTRONのキーボードをくっつけて,TRON作法でマックを使おうということですか?
坂村 そういうことも,やろうと思っています.MS-DOSの周りにTRON作法を入れてみようとか.UNIXの上にTRONをかぶせるとかね.というのは,TRONというのはかなり上位で,UNIXもMS-DOSも決めていないようなものを規定している.だから試しに、コアのところはUNIXとかMS-DOSにしておいて,周りのマンマシンインターフェイスはTRONにしてみよう,なんてことができる.それだけの話ですよ.
――それだけって言っても,研究というのは普通,目的意識を持ってやりますね.UNIX,MS-DOSあるいは,MacDOS.こうしたものを核で使いながら,マンマシンインターフェイスをTRONに合わせる.この狙いはなんですか.
坂村 まあそれは,TRONが階層構造をもって定義されていることを実証するためですよ.
――もしそれが実証されれば,いろいろなOS上で開発されているソフトウェア資産が,TRON作法を通じて活かせますね.
坂村 うまく行けば,MS-DOSの資産が活かせるかもしれない。ただこれは,研究段階の話ですから、それに,TRONプロジェクトの大きな流れの中では,ピュアBTRONが伸びていくことを期待していますよ。だけど,今まであるものとどう関係するか,といった研究も,十分やっている.無理に肩肘張って,「関係ない」なんていう必要はないんじゃないですか。
――なるほど.では商品化されたBTRONと出会える日を,首を長くして待っております.
34年後に残っているのはMacOS,Windows,UNIXなので最古参のUNIXというのはやはり強いのだと思った。Windowsでcmdを呼び出せるけどUNIXのコンソールとは触り心地が違う。MS-DOSを使っていたのだがWindowsのcmdよりUNIXのコンソールの方が似ている気がする。
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NTT披露宴中継、マイクロソフトロゴ変更他(月刊ASCII 1987年6月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSからNTT披露宴中継、マイクロソフトロゴ変更他の記事をスクラップする。

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NTTが披露宴を中継するテレホンサービス
なんだこれはと記事を読むと披露宴会場の音が電話で聞けるというサービス。
いまではインターネットを利用してスマホから動画で観ることができる。コンピュータ通信により時代は劇的に変化した。

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マイクロソフトがロゴマークを変更
感想は、そうだったのかのみ。

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東京地裁がソフトの無断レンタルを禁止
34年前ソフトにはプロテクトがかかっており、それを解除するコピーツールが売れていた。もちろんコピーツールをコピーすることもあり、雑誌にはコピーツール同士コピーできるかどうかを戦わせる企画があった。

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コンピュータ用紙のミシン目切り離し器発売
34年前LP用紙を使っていたので綺麗にファイリングするにはミシン目を切り離していた。だからこのような製品が登場した。

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エレクトロニクス技能労働者,16万人不足
プログラマ等は今も昔も足りなかった。

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太平洋ケーブル敷設でAT&TとKDDが合意
第4太平洋ケーブルだそうだ。ところで、日本以外のアジアの国々もこうして海底ケーブルを敷設しているのだろうか。

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絶対温度90度付近まで動作可能なジョセフソン接合素子の開発に成功
日本電気の仕事だった。
このジョセフソン接合素子を利用したコンピュータはいつどこで実用機として完成したのだろうか。それを知るためにもスクラップを続ける。

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米ベル研が高温超電導物質の原子配列を確認

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IBMが68度Kで反応する超電導体を開発

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化学的手法で超電導体薄膜を合成

こうして超電導技術が進歩してたわけだが、これを利用した民生用のコンピュータはいつどこで発売されたのか。これもスクラップして分かるかもしれない。

ASCII1987(06)b04東芝窒化アルミニウム多ピンパッケージ_W503.jpg
東芝,窒化アルミニウムの多ピンパッケージ実現

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日電,OEIC実用化を促進する基板技術開発

こうして電子立国日本の技術者は努力していた。これをスポイルしたのは誰だ?経営者?官僚?私は文系の上級国民だと思っている。

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ワープロ、自作HDDキット、ビデオ遠隔操作機他(月刊ASCII 1987年6月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSからワープロ、自作HDDキット、ビデオ遠隔操作機等のハードウェア関係の記事をスクラップする。
ASCII1987(06)b06エプソン高速印字ワープロ発売_W499.jpg
エプソンが高速印字ワープロを発売
ワードバンク-GT 価格は24万8000円
34年前の高速とは80字/1秒であった。

ASCII1987(06)b08松下毛筆印字ワープロ_W504.jpg
松下が毛筆印字のできるワープロを発売
FW-160の価格は11万8000円
34年前毛筆印字ができるのは凄いことだった。

ASCII1987(06)b10キヤノン文字数最大ワープロ_W505.jpg
キヤノンが画面内の文字数が最大のWP
キヤノワードα100の価格は18万8000円
50字×20行が34年前の最大だった。でもまあ今日でもこの文字数なら文句はないところだ。

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ヤノ電器がHDD自作キットを発売
20Mbytesが11万5000円、40Mbytesが19万円
34年前HDDブームは、一般的な素人までに降りてきた。やっと、HDDに複数のソフトをインストールして使うことが素人の家庭パソコンにまで広まってきた。

ASCII1987(06)b08アイシーエム高速HDD_W504.jpg
アイシーエムが高速HDDを発売
価格は20MbytesのHD-4020が23万円、同じく20MbytesのHD-4020Sが28万円、40MbytesのHD-4040Sが39万円、40MbytesのHD-4040HSが45万円

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キャラベルがPC-98VM用FDDなどを発売
40Mbytes HDDの540EXが価格48万8000円
34年後の今では4Tbytesなら1万円を切る。100万分の1以下の値段になった。

ASCII1987(06)b08テックメイト多用途キーボード_W500.jpg
テックメイトが多用途キーボードを発売
「格言」という商品名で恐らく短文登録機能を持った製品なのだろう。価格は9万8000円。応用例を見ても必要性が認められない。

ASCII1987(06)b07シャープビデオ遠隔操作機発売_W504.jpg
シャープがビデオの遠隔操作機発売
商品名がVR10TCで価格が2万4800円
プッシュホンで操作するものでスマホがない時代でもやろうとすればできるという例だ。ただ、必要性についてはいまいち疑問があるが。

ASCII1987(06)b07シチズン高画質化液晶カラーTV_W504.jpg
シチズン,高画質化液晶カラーTV発売へ
2.5インチで5万3000画素。
こうして徐々に高画質化してきた日本企業の技術力が34年後失われたのが残念だ。

ASCII1987(06)b07ヤマハフルコンパチ機発売_W509.jpg
ヤマハ,フルコンパチ機を繰り上げ発売へ
フルコンパチとはCD-V,LD,CDの3種が再生できる機械だ。こういったことができるのもLDの良いところ。VHDが負けるのも当然だと思う。

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パソコンやOA機器などのグラフィック機能を向上させる256Kbitのトリプルポート・グラフィックバッファ
日本電気のμPD42232CPで月産30万個を計画していた。この石はどの程度使われていたのだろうか。







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米国ハイテク産業の動向 PS/2発表 他(月刊ASCII 1987年6月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

米国ハイテク産業の動向他の記事をスクラップする。
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■IBMユーザーはPS/2に不満?
 米国IBMが新しいパーソナルコンピュータシリーズ「PS/2」を発表して、2週間がすぎた(4月22日時点).発表当初の情報の混乱(?)も今はおさまり,コンピュータショップでも,XTより一回り小さくなったモデル30が展示されている.新製品に対する期待が大きすぎたせいか,発表と同時にIBM社の株価が急落するなど、否定的な雰囲気が大半を占めた.その後,PS/2の詳細が明らかになるにつれて,多少好意的な意見も出てきているが,全体的には,(1)革新的な技術が見られない,(2)32bit専用OSが間に合わなかった――などの不満を表明する意見が多い.それに呼応して,シリコンバレーの有力紙は,4月12日付の紙面で「IBMユーザーはPS/2に不満」という記事を掲載した.その要旨は,「IBM社が発表したのは,高速版のXT/ATにすぎない.PS/2を買うならCOMPAQ社のDeskpro386を買った方がまだましだ」というもの.高速版にすぎないと断定するのは時期尚早だが,期待外れだったことは間違いない.
 来年第1四半期に出荷予定のOS/2は,他の80286/80386マシン用にMicrosoft社が「MS OS/2」という名前で同時期に発売する予定だ.「むしろクローンメーカー用のOS/2が早い時期に使用可能になるだろう」という予想が,クローン有利という読みに拍車をかけている.事実,Microsoft社は,最終テスト段階のOS/2(Windows,MS-C,MASM付き)を,3000ドルでシステム開発者向けに販売開始している.となれば,今までのMS-DOS,PC-DOS対応のソフトウェアはもちろんのこと,これから開発されるOS/2対応のソフトウェアも,すべてのクローンマシン上で動かすことが可能になるだろう.また,COMPAQ社,Zenith社,Phoenix社をはじめとする多くのクローンメーカー,チップメーカー,ソフトメーカーは、そろって「3カ月から半年以内にクローンを作ることが可能」と豪語している.PS/2の登場は,多くのクローンメーカーを逆に景気づける結果になった,と指摘するアナリストもいるほどだ。

■PS/2,OS/2対応のソフトが続々発表
 しかし,ゲームソフトメーカーのElectronic Arts社のDavid Maynardが指摘するように,「我々はIBM社を無視するわけにはいかない.確かにマシンとしてはそこそこだが,グラフィックなど改善されているところもあることだし......」という冷静な意見もある.
 「IBM社がどんな製品を出そうが,結局はIBM主導の市場構造が続くことに変わりはない」というのが大方の見方だ。こうした点を反映してか,最近続々とPS/2あるいはOS/2対応のアプリケーションが発表されている.
 Ashton-Tate社,Borland社,Lotus社など主なソフトウェアメーカーは、すでに既存パッケージのOS/2への移植を開始している.また,Novell社と3Com社は,PS/2を既存のPCネットワークにつなぐための新バージョンのパッケージを,それぞれ発表した.ハードウェアのスタンダードとしてPS/2,ソフトウェアのスタンダードとしてOS/2という構造が,急速に形成されつつある.

■80386にバグ
 ところで,最近になって80386にバクが発見された.このバグは,32bitの乗算中に発生するらしいのだが,Intel社によると「すべての80386チップで発生するわけではない.16bit DOSの環境下で発生するバグかどうかは現在調査中」として明言を避けている.しかし,このバグが16bit DOSの環境下で発生しないとしても,PS/2のモデル80やDeskpro386などの386マシン,アクセラレータ製品(IBMPC用の386CPUボードなど)に対しては大きな問題になる.Intel社もInboard386/ATと呼ばれるAT用アクセラレータボードを販売しているが,チップの交換を含めた対応策の検討をはじめたようだ。
バグが事実だとすると,8月頃までは80386チップの供給不足が続くことになりそうだ.

■デスクトップパブリッシングの行方
 機能的には不満が残るPS/2だが,今回の発表で唯一注目されているのが,IBM社のデスクトップパブリッシング(DTP)への対応である.
 同社は,PS/2と同時に数多くの周辺装置,ソフトウェアパッケ-ジ群を発表したが,その中にSolution Pacと呼ばれるパッケージシリーズがある.この中のPersonal Publishing Systemと呼ばれるパッケージは,PS/2モデル30,レーザープリンタ,Microsoft社のWindows,Aldus社のPage Makerのシステム構成で,約8500ドルという低価格のDTPシステムである.
 ページ記述言語にPost Scriptを採用したこのシステムは,「まるでMacみたいだ」と言わせるほどApple社を意識した内容になっている.PS/2に対して否定的な見解を持っているアナリストも,このシステムに関しては肯定的である.この1年間,IBMPCユーザーは,DTP市場を席巻したApple社の動向を苦々しい思いで見守ってきた.その劣勢を一気に挽回しようというこのパッケージに,今,熱い視線が集中している.
(ザイロンコーポレーション代表脇山弘敏)

OS/2の記憶は無い。使ったことはなく、知人が使っているのも見たこともない。一体どこで使われていたのだろうか。米国では盛り上がっていたようだが、スクラップを続けていくと何か分かるかもしれない。
それに80836の乗算バグ?これは知らなった。本当にあったのか?Pentiumの除算バグは有名だったから記憶に残っているが80386のバグは知らなかった。
とにかくこの記事は違和感を感じるものだった。日本では姿かたちもなかったOS/2が米国では本当に出回っていたのか?

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IBMが約23%の減益
まあ、ビッグブルー(IBM)はパソコンの会社ではなく、大型コンピューターの会社だからパソコン関係の業績の良し悪しとは関係なかったのか。それにつけてもあのビッグブルーが34年後にこうなっているとは想像できなかった。

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米大手半導体メーカーの決算が改善
半導体特許紛争での和解により日本から1億800万ドルのロイヤリティー支払いを受けたことが黒字転換の原動力になったそうだ。

ASCII1987(06)b06インテル業績急回復_W504.jpg
インテル,第1四半期の業績が急回復
このときは80286の販売が好調だったそうだ。80286にはいいイメージがなかったが販売は好調だったのか。PC-9801VX2を買った後悔だけではなく、80286はCPU一つ作るのになんでこんなに面倒なというか複雑なものを作らなければならなかったのかと思っていた。だから8086の互換性を維持しようとするからこんなクソを作らなければならなかったのだとCPUを呪いながらPC-9801VX2を使っていた。

ASCII1987(06)b06ロータス増益_W502.jpg
ロータス,87年第1四半期も安定した増益
MS-DOSの表計算ソフトの雄ロータス1-2-3だったが、OSがWindowsになってからはExcelに取って代わられ消えてしまった。本当に1-2-3にはお世話になった。マクロはかなり助かった。しかし同じマクロなのに1-2-3のマクロも勿論好きではなかったが、WindowsになってからのExcelのVBAは本当に嫌いだった。マクロを作っていると情けない気分になり「なんで俺はこんなくそったれた仕様のものでマクロプログラムを作らなければならないんだ」と愚痴をこぼしながら作業していた。

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エプソンのPC-98互換機 日電V70 他(月刊ASCII 1987年6月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS から国内のパソコン関係の記事をスクラップする

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まずは、ASCII EXPRESSの扉でも写真が掲載されていたエプソンのPC-98互換機の著作権侵害問題にかかるPC-286 MODEL 0の発売関係。
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ASCII1987(06)b03エプソンPC-9801互換機_会見写真_W395.jpg
ASCII1987(06)b03エプソンPC-9801互換機_本体写真_W461.jpg
 セイコーエプソン(機は,日本電気のPC-9800シリーズと互換性を持つ「PC-286 MODEL 0」を新たに開発,発売するとともに,日電と係争中のPC-286シリーズ4機種については,「別個の新BASICが開発途中なので,発売までにまだ若干の日時を要する」(セイコーエプソン相沢専務)として,事実上,発売を中止したことを明らかにした.
 これは、去る4月7日に日電が,「PC-9800シリーズの(BIOS部分の)プログラム著作権を,PC-286シリーズ(のBIOS部分)が侵害している」として,同シリーズ4機種の製造・販売の差し止めを求める仮処分申請を東京地裁に対して行い,審理が開始された直後にセイコーエプソンが発表した対応策.
 発売したMODEL 0は,係争中のBIOS(旧BIOS)と並行開発していた別のBIOS(新BIOS)を搭載したマシンで,ハードウェアのスペックは,発売中止したMODEL 1と同じもの(オプションのHDDの立ち上げ時間は短縮されている).PC-9800シリーズとの互換性は,「旧BIOSと同程度」(同氏)としている.また,「新BIOSに対応するROM-BASICはまだ開発中」(同氏)であるため,ROMソケットをオープンにした状態で出荷するという異例の発売になった.
 これによって,仮処分申請をめぐる日電との民事訴訟は,当該マシンの発売のめどが立たないため,新たな局面を迎えることになった.日電側は,「著作権の侵害自体に対する判断の問題が未解決」として,今後も法廷闘争を継続する構えをみせており,MODEL 0についても,プログラム著作権を侵害しているかどうかBIOSを解析した上で,製造・販売を差し止める仮処分の申請をする予定.
 対するセイコーエプソン側は,「審理過程で日電側が提出した類似部分のソースリストは,全BIOSの1.6%(バイト数換算)と極端に少なく,その部分も問題にならない程度のもの」(相沢専務)ということから,日電の訴えを真っ向から受けて立つ構えだ。同社のよりどころは、米国IBM社が松下電器のPCクローンマシンに対して示した判断.「IBMが示したのは、30%以下の類似度はシロ,30~80%はグレー,80%以上はクロという判断だ.それに従えば,1.6%という数字は類似度という範囲で語るレベルではない」(同氏)と,今後の訴訟審理に向けて強気の発言.それでも,あえて新BIOSを搭載したのは,「お客さまや販売店に無用の心配をかけないため、日本では裁判で訴えられた製品を買うユーザーはいない.新BIOSの類似度はもっと低い」(同氏)と,MODEL 0が,汚れかけたPC-286シリーズのイメージ立て直し機種であることを強調した。
 新BIOSに対応するBASICは,早ければ今夏にも供給される予定で,それまでに購入したユーザーには、有償でROMチップが供給される予定だ.MODEL 0は,標準タイプが1Mbytes FDD×2台を内蔵しており,オプションで20/40Mbytes HDDや20Mbytesカセットストリーマがサポートされるため,販売中止になった4機種とまったく同じ構成でアップグレードが可能となっている.
 価格は,ROM-BASICを搭載していないため,MODEL 1に比べて2万1000円安い35万7000円になっている.同社では,「(4機種は)販売中止であって,新BASICができればすぐにも発売したい」(同氏)としているが,MODEL 0の生産台数が1年間で1万台と,PC-286シリーズ4機種の当初の生産台数と同じことからみても,4機種は販売されない可能性が強い.
 今後の焦点は,発売されたMODEL 0に対する日電側の対応だが,訴訟対象のBIOSとそれを搭載したマシンが変わっただけとみる向きもあり,BIOSをめぐる訴訟は,今後も継続されて行くだろう.
著作権侵害問題の決着はどうだったか覚えていないが、結局のところエプソンのPC98互換機は販売続けられてきた。知人はこのとき自分が使っていたPC-9801VMを息子に譲り、PC-286を買った。どの程度の互換性があるか興味津々で知人らと触りまくった。結局「PC-286は使えるね。」と我々の中では評価が高かった。PC-9801VX2というハズレマシンを買ってしまった私は、このとき既に1回目の激しい後悔に見舞われた。だから、34年後の私は、CPUを呪わば穴二つだと34年前の私に小一時間説教したい。

ASCII1987(06)b09マイクロプロセッサV70サンプル出荷_W520.jpg
32bitマイクロプロセッサ「V70」サンプル出荷開始
結局日の目を見なかった可哀相なV60,V70だった。残念なことである。
ASCII1987(06)b11_日本データゼネラル日本語対応ラップトップ_W520.jpg
ASCII1987(06)b11_日本データゼネラル日本語対応ラップトップ写真_W520.jpg
ASCII1987(06)b11_日本データゼネラル日本語対応ラップトップ基本仕様_W520.jpg
日本・データゼネラルが日本語対応のラップトップ DATA GENERAL/One Model 2Jを発表
価格は、FDD2タイプが39万8000円
FDDと10M HDDタイプが57万8000円
とまあまあの機体だった。どの位売れたかは分からない。

ASCII1987(06)b10_シャープポケコン_W497.jpg
シャープが20桁の演算機能装備のポケコン発売
PC-1285はオープン価格。





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パソコン広告(月刊ASCII 1987年6月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

もう一度読み返し、スクラップする。

ASCII1987(06)表裏_W520.jpg
裏表紙は前号の使いまわし。

6月号の広告から、まず表紙見返し。
ASCII1987(06)見開_W520.jpg
この号もPC-98LTだ。

ASCII1987(06)a01PC88VA_W520.jpg
PC-88VAとPC-8801MH,PC-8810FH

ASCII1987(06)a02MZ-2861_W520.jpg
シャープのMZ-2861は前号の使いまわし。

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シャープのX68000は前号の使いまわし。

ASCII1987(06)a04X1turboZ_W520.jpg
シャープのX1turoZはこの号も前号の使いまわし。

ASCII1987(06)a05FM77AV40_W520.jpg
FM77AV40は前号の使いまわし。

ASCII1987(06)a06FMR-60_W520.jpg
富士通のFMRシリーズは前号の使いまわし。

ASCII1987(06)a07Vectra-D_W520.jpg
右頁は横河ヒューレットパッカードのVerctra-D

ASCII1987(06)a08Mac_W520.jpg
Mac Plus, Mac II, Mac SE

ASCII1987(06)a09NEWS_W520.jpg
SONYのNEWSはこの号も前号の使いまわし

ASCII1987(06)a10PC-286_W520.jpg
エプソンのうPC-9801の互換機PC-286。ほぼ前号の使いまわし。この号ではまだMODEL 0は登場していない。

ASCII1987(06)a11一太郎_W520.jpg
ASCII1987(06)a12一太郎_W520.jpg
一太郎は見開き広告4ページ。

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花子は毎月違う作品例を載せている。

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裏表紙裏のFUJI FILMのフロッピーディスクの広告は前号の使いまわし。

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ASCII1987(06)a50べーしっ君_W360.jpg
ログインの広告とべーしっ君。

この号は前号の使いまわしの広告が多かった。
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コンパチブルCPU 特集ローカルBBS(月刊ASCII 1987年5月号8) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

なんでも相談室からコンパチブルCPUの記事をスクラップする。
ASCII1987(05)h01なんでも相談室_W520.jpg
コンパチブルCPUとは?
・ハードウェアまでコンパチ
 日立のHD63C09Eは、モトローラのMC6809E(69A09E,68B09E)とコンバチブルです。相違点はMC6809EではN-MOSだつた製造プロセスをHD63C09EではC-MOSにして消費電力を少なくしたこと,最高クロック周波数を従来の2MHzから3MHzにしたことです.HD63C09Eは,例えばFM-11の68B09Eと差し替えてそのまま使うことができますが,命令の追加や,1命令の実行に必要なクロック数の低減などは行われていないので、差し替えただけでは実行速度は速くなりません、実行速度を上げたり、命令を増やしたりすることは技術的に十分可能であるのに,このようになったのは、完全コンパチブルを主張するモトローラ社の意向によるものであると噂されています.PC-9801シリーズでお馴染みのNECのV30は,インテルのi8086にほぼ上位コンパチです.規格表を見るとクロック信号の形(デューティ比)が違うので、差し替えても動作は保証されませんが、実際には、何とか動作してくれるようです。この原稿も,1年ほど前に8086をV30に差し替えたPC-9801Eを使って書いていますが,現在までのところ大きな問題は起こっていません。ゲームなど,CPUの性能を極限まで使っているソフトの一部は動かなくなりますが,これはV30の速度が速いため,微妙なタイミングがとれなくなるからのようです。ワープロやコンパイラなどは、問題なく動作しています。
 V30は,8086に比べると,各命令の実行に必要なクロック数が全体に低減されているので、同じソフトを同じクロックで実行しても、動作速度は1.3倍程速くなります.また,可変長ビットフィールド操作命令,パックトBCD演算命令,アレイ・インデックス・チェック命令などが追加されており,これらの命令を上手に利用すれば、実行速度はさらに速くなります。
 逆にいえば、このことは実行速度を速くしたために動かなくなるソフトがあり得ることを意味しています.先ほどのゲームなどのように,ソフトウェアでハードウェアとのタイミングを取るものは,V30が速いためにタイミングがズレて,動作しなくなってしまったわけですまた,V30の追加命令は,8086の未定義命令の部分に割りふってあるので,そこが8086の未定義命令であることを利用したソフトがあつたとすると,それも動かなくなります。  また,V30は8080エミュレーションモードを持っており,この機能を使うと8ビットCPUの8080用につくられたソフトを実行できます.つまり,V30は,8080とソフトウェア・コンパチでもあるのです。(ただし、エミュレーション・モードに切り換える命令などを追加しなければならないので、完全にコンパチブルであるとは言い難い). 
・ソフトウェアがコンパチ
 ザイログ社のZ80は,NECのPC-8801シリーズなど、多くのパーソナルコンピュータに搭載されているCPUです(正確に言うとPC-8801に使われているμPD780は,Z80と完全にコンパチブルな,別のCPUです).Z80は,インテルの8080に対し、ソフトウェアの面で上位コンパチです.しかし、ハードウェアが全く違うため、差し替えることはできません(図1).そして,8080の命令をすべて持っている上,レジスタや命令が,かなり追加されています,最大クロック周波数も、8080の2.5MHzに対し8MHz(Z80H)と大きく向上しています.
 Z80に対し、さらにソフトウェア上位コンバチプルなCPUが,日立のHD64180です(図2(a)).このチップはハードウェア的には,CPUに,MMU(メモリ管理ユニット),DMAコントローラ,タイマ,非同期シリアルインターフェイス,同期式シリアルI/Oポートを内蔵させたものです。ピンの数は64本もあり,Z80と差し替えることはできません。CPUのレジスタの数は変わっていませんが,かけ算命令などが追加されています。命令実行に必要なクロック数は若干減っているので、同一クロックでも実行速度は速くなります。
 ここまでは,比較的古いCPUについての話でしたが,最近次々と発表になっている32ビットクラスのCPUになると,同じソフトウェア上位コンパチでも、少し事情が変わってきます(図2(b)).
 インテルの80286は,8086にソフトウェアの面で上位コンパチブルなCPUです.そして,80386は,それを更に拡張した32ビットCPUです.それぞれ互いに差し替えることはできません.80386は,64テラバイトという広大な仮想アドレス空間や,マルチタスク機能などの特徴を持っています.
 このCPUは,リセットした直後は、「リアルモード」という状態にあります.この状態では80386は8086とほぼ同様に動作します.追加された多くのレジスタや命令は使用できません.しかし,最高動作クロック周波数や,1命令に必要な平均クロック数は大幅に向上しているので,このままでも高速8086として使うことができます.もっとも,随分もったいない使い方です.80286を搭載したPC-9801VXで,N88-BASICやMS-DOSE使っている時も、このリアルモードです。
 ただし,80286や80386を8086として使った場合,スタックポインタの使われ方や、シフト命令の結果など、微妙な部分で違いがあり、このため、まれに動作しないソフトもあります。またV30で新たに追加された命令に対しては,コンパチビリティはありません。PC-9801VXが,80286とV30の切り換え式になっているのはそのためです.
 リアルモードから特別の命令を実行すると、「プロテクトモード」になります。この状態では,80286用に作られたソフトウェアを実行できるほか,拡張されたレジスタや命令を使って、32ビットCPUとしての性能をフルに使うことができます.しかし8086のソフトは動作しません。
 32ビットCPUとしての機能を生かしたまま,8086のソフトを実行するために,さらに「仮想8086モード」が用意されています。このモードに入ると80386は再び8086のソフトを実行できるようになります。しかし、リアルモードと違い、仮想モードでは,ソフトは,80386用に作られたマルチタスクのOSの1つのタスクとして動作します。入出力や割り込みなど、マルチタスクを実行する上で問題となる処理は,80386のOSが処理するため、マルチタスクのことを考慮せずに作られたソフトもそのまま動作させることができるのです.例えば,MS-DOSとCP/M-86を同時に実行したり、複数のMS-DOSと32ビットの機能を生かしたUNIXを同時に実行したりできます。
 さて,これら「上位コンパチブル」のCPUで,もとのCPUのソフトを動作させる場合を考えてみましょう。今までの説明から分かるように、例えば,8086用に作られたソフトは,V30や80286,80386でほぼそのまま動作します(「ほぼ」というのは、先ほどの微妙な問題点に引っかかることがあるからです).  しかし,このままではクロック数やクロック周波数が改善された分速くなるだけです。新しいCPUの本当のパワーを使い切ったことにはなりません。パワーを使い切るには,追加されたレジスタ命令を有効に利用しなければなりません。このため、最近のコンパイラの中には、ターゲット(ブログラムを実際に動作させる)CPUの指定ができるようになったものがあります。例えば、MS-Cコンパイラでは,/GO,/G1,/G2の各オプションをつけることにより、各々8086,80086.80286用に最適化したオブジェクトを生成します.80286でプログラムを動作させる時に/G2を指定することにより,/GO(8086)を指定した時より、実行速度が向上します。ただし、そうしてできたプログラムは,8086では動きません。
 最後の方は、ずいぶんむずかしい話になってしまいました。ひとくちにコンパチブルと言っても、単にまったく同じというわけではなく、コンパチビリティを保ったまま,性能を向上させる様々な工夫がなされていることが分かると思います。
(森田)

 

ASCII1987(05)h02図1ソフトウェアのコンパチビリティ_W360.jpg
ASCII1987(05)h02図2ソフトウェアの上位コンパチブルなCPU_W520.jpg
ただただ読んでいて懐かしくなった。それだけでスクラップしてしまった。この頃のパソコンマニアはこうしたCPUのことを調べることが楽しかった。HD64180と80186のパソコンは使ったことがなかった。どこに需要があったのだろうか。
34年前の市販のソフトウェアはできが悪かった。素人からなんだこの遅さはとか、これで良ければ俺にも作れるとかのレベルが多かった。BASICで作って売っているソフトが多かった。BASICで作ってプロテクトSAVEしてLISTを読めなくしているのもあった。そんなことするくらいならCで書けよと私たちはバカにしていた。BASICのプロテクトSAVEなんてすぐ外せるのに。34年前はインターネットが無かったのでプロテクトを外す情報が手に入れにくくパソコンマニアの誰もプロテクトを外せるわけではなかった。

続いて特集の「ローカルBBSのすすめ」をスクラップする。
ASCII1987(05)d01_ローカルBBSのすすめ_W520.jpg
ASCII1987(05)d02_やっぱり気になる法律の話.jpg
1987年はローカルBBS元年といってもいいだろう。特に地方にとっては市内料金でアクセスできるアクセスポイントが少ないためアマチュアの地元に根付いたBBSは貴重だった。
34年前からネットで知り合い、オフ会で出会ってリアルの友達になることが行われていた。
このころは私も熱くなっていた。
ネットで議論していた人がどんな年齢かもしらず出会ってびっくり。一応性別は知っていたがそれでもオフ会で出会って相手が子供だったりしておじさんはびっくりした。
34年後はとんでもない世界になっているが、34年前はネットのハードルが高いせいで変な人は極めて少なかった。(いたことはいたが)
それにしても34年前電気通信事業法について「この法律を全く知らずにすますことはできません。」とはなんとハードルが高かったことだろうか。
「結論から先に言うと、個人や団体が営利目的ではなくいわゆるBBSを行うときは、第二種事業の届け出は必要ないようです」と解説があった。
以下経費についてスクラップする。繰り返しになるが34年前電話代は高かった。
無視できないお金の話
 最後に,機材に関係したお話をしておきます.さて,平均的な1回線BBSのシステムは,どんな機材で構成されているのでしょう(カッコ内と,価格は目安です)。
 パソコン(中古でも可) 10万円
 ディスプレイ(白黒でも可) 4万円
 20M固定ディスク 15万円
 モデム(自動着信型) 3万円
 電話回線架設費(着信専用) 4万円
 これは,あなたが持っているパソコンをメンテナンス用に、逐次,使っていけることを前提にしていきます。 毎月の経費としては,
 回線使用料(着信専用) 2350円
 電気代(24時間)
 バックアップ用ディスク等
 以上で,最低1万円はかかるとみてください、回線数が増えれば,その経費は回線数に比例して高くなってきます。

 BBSに欠かせないのが電話,1本の電話を通常の使用とBBSとに使い分けることは不可能ではありませんが,その際はBBSの運営時間をキッチリと決めなければなりません,普通,人から電話がかかってくるのは「人の活動している時間帯」なので,BBSの運用は「人の活動しない時間帯」となります。深夜から早朝までがそれで,この時間帯に運営されているBBSも結構多いようです。
 ただし,運営中は外からの電話は受けられず,緊急の連絡などの際には不安が残ります。サービスの点からも,時間の制限は不満材料になります。さらにキャッチホンサービスを利用している場合は,割り込みシグナルがデータ転送を妨害するのでBBSには絶対使えません.
 BBSを長く続けるつもりならば,専用に回線を1本引くべきです.かなりの出費になりますが、電話は一種の財産です。不用になれば売却も可能です。
 新しく電話を引くには,地域の電話局へ新規開設の申請をしなければなりません、電話には発着信ができるものと着信専用のものがあります.これの他に家庭用と業務用の区別もありますが,データ通信とはいっても商売に使うのでなければ,家庭用という判断になるでしょう.
 いずれも1週間前後の期間で架設してもらえますが,その際は別途工事料金が必要です.
 料金は表1を参照してください。着信専用を選べば,最初の負担金額を半分近くに押さえることができます.これは,マシンなどを同時に揃える際にはありがたいでしょう。もちろん経費的に余裕があるなら,両用回線を引いた方が長期的には安くあがります.また,最初は着信回線を引いておいて、余裕が出てきたところで差額を支払って両用回線に変更して回線使用料を下げることも可能です。
 なお,売却の際には,着信回線はかなり安くなりますし、すでにアメリカのFIDOなどで実現されているBBS間のネットワークの始まる日も遠くないと予想されるので,差額を払ってでも両用にしておく方が賢明かもしれません.
 ダイヤル式・プッシュ式はどちらでも構いませんが、モデムによってはダイヤル専用とプッシュ専用というものもあるので,注意してください.

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専用回線を引かないでBBSを立ち上げる人もいた。夜間の時間を区切って運営していた。知人(主婦なのだが)パソコン通信の電話代が高くなり夫に怒られたので私たちに頼み込みBBSを立ち上げた人がいた。この人チャットが好きで、このBBSにアクセスするとシスオペにチャットに引きずり込まれるという恐ろしいネットだった(笑)。まあ、私たちがパソコンを見繕ってあげてパソコン通信に引きずり込んだのだから最後まで面倒を見てあげなければならないという思いがあった。しかし、最初にパソコンも持っていなかった彼女ををパソコン通信に引き込んだ彼はどうやったのだろうか。34年前の私たちはキリスト教の宣教師のように知り合いをパソコンに引きずり込んでいたのだった。

Macintoshの開発環境はどうなっている?
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この号も、実際のプログラム開発の説明となっている。Macのプログラムは知らないが、読むとWindowsのプログラム開発説明みたいになっている。というかWindowsがMacの物まねになっているのだが。
この号のスクラップは省略する
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PC-88VA(月刊ASCII 1987年5月号7)TEST ROOM [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

TEST ROOM はPC-88VAとMacSEとX68000だった。
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まずPC-88VAの写真。
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PC-Enigineと言えばNECとハドソンが共同開発したゲーム機を連想する。PC-88VAのMS-DOSと互換性があるOSだとは記憶になかった。この頃の興味は16bit機だけだったので、知人がPC-8801のような8bitパソコンを買いたいといっても「8bit機?ゲーム機でしょう。ファミコン買った方がいいよ。ワープロもしたい?ワープロ買えばいいでしょう。パソコン買ってもただの箱になるかもしれないよ」と言っていた。
さてそのPC-88VAについて興味深い記事部分をスクラップする。
独自のDOS「PC-Engine」
 PC-Engineは,PC-88VAの機能を生かすべくオリジナル設計されたDOSである.PC-Engineのディスクフォーマットは、これまでのN88-DISK BASICと異なり,PC-9800シリーズを始めとする多くの16ビットパソコンで稼働しているMS-DOSのフォーマットと同じである。そのため,MS-DOSの2D/2DD/2HDディスクに対するリード/ライトが可能である.また,表1のように、バッチファイル用コマンドを含め,コマンドレベルでMSDOSVer2.xxとコンパチビリティを持っている.また,これまでのN88-DISK BASICとの互換性もある.N88-DISK BASICフォーマットのものに関しては2D/2HDの区別なく、すべて読み書きでき,変換プログラムの必要はない、2つのディスクフォーマットの違いはPC-Engineが自動判別してくれるため,ユーザーは操作中のディスクがどちらのフォーマットであるかを意識する必要はない.
知らなかった。周りにPC-88VAを持っている人がいなかったのでしょうがない。私にとってはPC-88VAは無かったことにされている機械だ。
エディタとデバッガ
 PC-Engineには,BASICからも呼び出せるエディタがROMに装備されている.PC-Engineからは,EDIT<ファイル名>,BASICからは,EDITと入力することにより,エディタが起動される.
 BASICから呼び出した時には,メモリ上のBASICプログラムを編集でき、従来からのBASIC上のスクリーンエディタとあわせて効率のよいプログラミングが可能である.
 このエディタは,最大64キロバイトまでのテキストが編集可能であり,オンメモリ編集なので,かなり速い検索と置換を実現している.PC-9800シリーズで動く高機能エディタと比べると,地味ではあるが,必要と思われる機能は,ほとんど装備されており,起動も速く使いやすい表2におもなコマンド一覧を示す.
 しかし、スクロールはおせじにも速いとはいえない.PC-88VAは,日本語処理の機能強化と高速性を実現するため,漢字VRAMを搭載しているが,このエディタにおける漢字の逆スクロールの速度は納得できないウィンドウ処理を行っているならともかく、なぜこんなに遅いのか疑問に感じるほどである.エディタはDOS上のアプリケーションの中で1番使用時間の長いソフトだけに、使い勝手が重要になる.
うわー。言われているわ。スクロールの遅さ。当時のソフトには画面スクロールが遅いソフトが結構あった。「よくこんなソフトで金を取れるな。面の皮が厚いとはお前のことだ。結局8086なんかを使っているからこんなことになるんだ」と8086を呪っていた。当時私は、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いというような状態になっていた。で、その報いは何十万円も払って残念マシンを買ったことに表れた。人を呪わば穴二つだ。人ではなくCPUだけど。
88シリーズ初のスプライト画面
 V3モードでは,PC-8800シリーズとして初めてスプライトが使える.その性能は,同時に30個のスプライトが使用でき,最大サイズは256×256,ドットごとに4096色中16色のパレットから1色を選べるという,かなり強力なものとなっている.
 スプライト画面の解像度は,640×400もしくは640×200だが,スプライトの位置を指定する座標系は,縦横-2048から+2047まで使用できる.また,スプライトをサポートするBASIC命令も豊富である.特に,スプライトマクロが強力で、スプライトの動きを文字列に定義でき,それをバックグランド処理することが可能である.ちょうど,ミュージックマクロのように,マクロのバッファに事前に文字列を送っておけば、他の処理を行っている間でもスプライトを自動的に動かしておけるわけだ。他には,衝突割り込みや境界オーバー割り込みなど,20種類以上の命令が用意されている.
 その他,気になった点としては、テキスト画面の違いである.本来8ドットであるV1・V2BASICにおけるフォントが,高解像度ディスプレイを使うとV3モードと同じ16ドットフォントになる.これ自身は、見た目が美しくなるので問題はないのだが,その表示速度がやたらと遅い(表4参照).この程度の遅さなら、まだ我慢できるのだが,相性の悪いソフト(キャラクタの表示処理をIN/OUT命令で1文字ずつ行っているような場合)になると、テキストの書き換えが目で追えるほど、速度が落ちる.これでは実用に耐えず、実質的な互換性はないといわざるをえない.
BASIC上からテキスト画面を操作しているソフトに関しては,3割ダウン程度の速度差で実行でき,グラフィック画面のみのソフトでは,遅くはならないことを付け加えておく。
散々な評価だった。まあ私の記憶になかったPC-88VAだからこんなものか。
残りのMacSEの記事とX68000のスクラップはMacSEのカラー写真2枚に留める。
ASCII1987(05)e07MacSE写真_W520.jpg
ASCII1987(05)e08MacSE写真2_W520.jpg

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特別企画98互換マシンEPSON PC-286(月刊ASCII 1987年5月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特別企画で98互換機のEPSON PC-286が取り上げられていた。

ASCII1987(05)c01_PC-286_W520.jpg
結局この互換機は販売を取り下げたのだが一応スクラップしておく。
まずは写真から
ASCII1987(05)c02_PC-286写真1_W520.jpg
ASCII1987(05)c02_PC-286写真2_W520.jpg
ASCII1987(05)c02_PC-286写真3-4_W514.jpg
ASCII1987(05)c06_写真5-6-7_W519.jpg
ASCII1987(05)c07_PC-286写真8-9_W515.jpg

互換性について面白い記事があったのでスクラップしておく。
ASCII1987(05)c02_PC-286_互換性_W334.jpg
これによるとNECのPC-9801VMとPC-9801VXの互換性より、PC-286の方が高いとある。
これはPC-9801シリーズの弱点である、スピードが遅い8086を使っているにも関わらず高速、高性能を実現しようと物理アドレスを使うなどしてコードを工夫して、そのマシンでしか動かないようなプログラムが結構あったからである。かくいう私も高速性を口実にPC-9801VXでしか動かないコードを書いて悦に入っていた。凄いなと感じるプログラムは機種依存のことがあった。とにもかくにも8086は低性能だったのでコードを工夫するしかなかった。同じ動作をするコードを書いても考えなしでレジスタの選択をしたため「君はわざと遅くするコードを書いているのかい?」と皮肉を言われることがあった。

著作権関係でコラム記事をスクラップしておく。
互換マシン時代の到来と著作権問題
 アメリカ市場では,1985年にシェア40.5%を占めていたIBM PCが,互換マシンの台頭によって1986年にはシェア29.5%となるといったニュースが伝わっている.
 PC-286を発売したセイコーエプソン,PC-9801シリーズの日電も含めて,日本のメーカーのうち富士通など一部を除くほとんどが,海の向こうでは互換マシンメーカーである.
 そうした事情から,PC-9801シリーズの互換マシンが登場するという噂はかねてからあった。昨年春にはトムキャットコンピュータが98互換マシンを完成したと発表.発売にはいたらなかったが,秋には98互換とIBM PC互換を同時に実現するアーキテクチャを完成し,メーカーにライセンス提供すると発表した。
 また,今回のセイコーエプソンの他にも,シャープをはじめとして数社が98互換マシン発売の準備をすすめているとも言われる.
 また98互換マシンの登場によって,日本のパーソナルコンピュータの状況はどのように変化するであろうか.アメリカ市場においては,シェアの点ではIBM PCは,低価格のPCクローンや互換マシンに喰われた形になっているが,販売台数の点ではIBM PCも数を伸ばしている。互換マシンの登場によって市場が活性化し、ユーザー層が拡大したとの見方が強い。
 また,98互換マシンの登場については、考慮しておかなければならない点がもう1つある.それは,IBM PCの日本語対応が比較的早い時期に実現されるのではないかという観測である。つまり,98を中心とした国産マシンに対するIBM PCの図式もありうるということである.
 さて,今回マシンそのものよりも話題となったのは,BIOS(基本入出力システム)を中心としたファームウェアの著作権の問題だろう.当初3月9日に予定されていたマシンの発表が,日電との接触の結果延期され,13日になって突然発表されるといった経緯もある.
 BIOSの著作権に関しては,ちょうど松下のIBM PC互換マシン,FX-8000がシアトル税関で著作権侵害の摘発を今年1月に受けた事件が話題になったばかりである。
 しかし,アプリケーションソフトウェアと異なり,BIOSのようなファームウェアの著作権については,IBMが厳しい態度をとっているのに対し,法的に明確な解釈があるわけではない.BIOSのような非常に基本的な制御プログラムを実行するものは、誰が書いても類似し,創作性は認められないとする見方もある.
この時期の日本国内のパソコン事情は結構面白い。
2000年代に入って中国の著作権侵害が問題になっているが、この時代を知っている者にとってはクローンパソコンの歴史は繰り返すのだなという感じだ。

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Z280,その他LSI, ED Beta,カミオカンデ(月刊ASCII 1987年5月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からLSIとその基礎技術、周辺技術関係の記事及び残りのその他の記事をスクラップする。

ASCII1987(05)b06_ZilogZ80と上位互換性を持つ16bit_W520.jpg
Zilog,Z80と上位互換性をもつ16bit CPU「Z280マイクロシステム」を発売
ザイログはZ8000が16bit CPUだったはずなのにこれはなんだ。34年前のパソコンは8bitシリーズのブランドが確立していて上位互換性を持つパソコンが発売されていたが、これはZ80CPU自体を16bit化したというもの。なんだこれはちょっと意味不明。

ASCII1987(05)b06日本電気1チップの文字列検索プロセッサ_W520.jpg
日本電気,1チップの文字列検索プロセッサ開発
これもよくわからないが34年前のCPUは力不足のためgrep等の正規表現による文字列検索等をするだけの能力がなく、こうして専用のLSIが必要だったのだろう。いやそれとも商品化をめざしてなく単に技術研究の一環だったのか。

ASCII1987(05)b06東芝世界初の4MbitEPROMを開発_W5520.jpg
東芝,世界初の4Mbit EPROMを開発
34年前の日本は半導体生産技術では世界のトップを走っていた。

ASCII1987(05)b04電総研がLSIの微細回路観察に成功_W507.jpg
電総研がLSIの微細回路観察に成功
走査型トンネル顕微鏡(STM)を使った技術だそうだ。できたことでLSI製造技術はどうなったのかは分からない。

ASCII1987(05)b08_IBMがガリウムひ素で素子_W503.jpg
IBMがガリウムひ素で素子を試作
IBMのワトソン研究所の仕事だそうだ。ASCIIはこのように読者が付いていけそうもない先端技術の記事があった。

ASCII1987(05)b05_高温超電導物質で超強力磁石が製造可能に_W504.jpg
高温超電導物質で超強力磁石が製造可能に
34年前の高温って-230℃位だったか?液体窒素の温度より低かったか?それでも高温なのか。

ASCII1987(05)b08_ソニーが325Mbytesの光磁気ディスク_W501.jpg
ソニーが325Mbytesの光磁気ディスクを出荷
ドライブが約100万円、ディスクが1枚約3万円だった。

ASCII1987(05)b08日本光学がオーバーライト可能な光磁気ディスク_W499.jpg
日本光学がオーバーライト可能な光磁気ディスク
開発に成功だけでもこうして記事になった。

ASCII1987(05)b05_米下院が複製できるDATの販売禁止_W500.jpg
米下院が複製できるDATの販売禁止を可決
本当にDATは風当たりがきつかった。

ASCII1987(05)b08日本楽器もDAT_W504.jpg
日本楽器もDAT,9月発売へ
外国がどうあっても日本企業はDATを発売したのだ。

ASCII1987(05)b08日本楽器がデジタル信号変換機_W496.jpg
日本楽器がデジタル信号変換機を発売
これはなんだ。CDを聞くときアンプの端子との間に挟むと音が良くなるとな。それで価格が6万9000円は34年前どうだったんだ?

ASCII1987(05)b08ソニーが超高画質VTRを開発_W499.jpg
ソニーが超高画質VTRを開発
VHSに負けたSONYのベータ方式だがここで「ED Beta」を出して高画質ビデオ市場で巻き返しを図った。そうか34年前だったか。

ASCII1987(05)b08松下など3社がCDビデオを開発_W505.jpg
松下など3社がCDビデオを開発
3社は松下電器産業、日本楽器製造、フィリップスだった。
確かパソコンで再生した記憶があるがプレイヤーではなかった。記憶違いだったか?これもスクラップを続けると分かるだろう。

ASCII1987(05)b05日本でもニュートリノを観測_W502.jpg
日本でもニュートリノを観測
はいノーベル賞受賞した小柴昌俊先生のところのカミオカンデの仕事でした。
その後スーパーカミオカンデを経てハイパーカミオカンデができるのです。




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