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ハードウェアの進歩そしてOS環境の充実(月刊ASCII 1987年2月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集「87年のOS環境を占う」の最後の部分をスクラップする。

縦書き部分をスクラップする。
OSを取り巻く状況にはさまざまな側面があります。たとえば、ハードウェアの変化やUNIXの普及、あるいは新しいCPUの登場なのです。ここでは、いくつかの側面にふれながら、87年とその後の展開を考えてみます。

以下本文のスクラップ。
ハードウェアの変遷

 かつては,各メーカーの最高位機種にしか使われていなかった80286CPUも,昨年末の日電のPC-9801VXシリーズの発表などに見られるように,各メーカーの主力機種のほとんどが採用し,今後は8086は主に低価格な下位機種で使われることになっていくと思われます.ほとんどの機種でメインメモリも標準で640kbytes程度となり,1MbitRAMデバイスの普及などにより,いずれメガバイト単位のメモリを持つものが普通になると考えられます。外部記憶もフロッピーデニィスクが2HDタイプでひとまず落着き,ハードディスクも普及しはじめ一般的になったといってもいいでしょう.
 大容量の外部記憶,そして大きなメモり,仮想記憶,マルチタスク機能を持つCPUが今やっとパーソナルコンピュータとして低価格で実現されるようになりました.そして,グラフィックスプロセッサや浮動小数点計算用のコ・プロセッサなど,ソフトウェアの負担を軽くするデバイスの登場で,パーソナルコンピュトータもスーパーミニコンやメインフレームのように本来の意味でのコンピらしくなったのです.
PC-9801VX2が登場してもOSはMS-DOSが主流のままでマルチタスクのサポートなどは何の話だ、メモリだって結局EMSメモリが主流じゃないか。80286では、ワクワクするような状況は生まれなかった。
ソフトウェア技術の進歩

 16bitパーソナルコンピュータが登場して数年がたった現在,ソフトウェア技術はかなり進歩しました.最初不可能だとも言われていたことも実現されつつあり,メモリの壁に阻まれていて従来は実用にならなかった大規模なソフトウェアも実用的なものとして登場しています.
 日本語処理については,現在「文章一括変換」と呼ばれる文法解析を行って変換を行うソフトウェアが登場し,その変換速度も十分実用速度になっています.またウィンドウマネージャを持ち,グラフィックスとテキストを一緒に表示しながら編集可能なソフトウェアも登場しています.これらはかつて,専用マシンでのみ可能だったことでしたが,現在では汎用のパーソナルコンピュータ上で実現されているのです.
 また,その開発期間も短くなっています.それはプログラマの習熟などによる面やマシンの普及によりプログラミングにかかわる人間が増えたことなどが原因です.
 しかし,高度なソフトウェアが比較的短期間で着実に登場している反面,ソフトウェアの寿命が短くなっているといった現象も現れています.
この辺はその通りだった。事務処理パソコンとしてワープロ、表計算ソフトは十分実用的な機能と速度を有し、EMSメモリによりMS-DOSであっても大きなデータを扱えた。
ASCII1987(02)c16OS環境占う_画面_W520.jpg
UNIXの進出

 まず,OS関連ではパーソナルコンピュータ上のUNIXが注目されます.いままでは、サードパーティの製品だったり,あるいは専用のボードが必要だったりなどで,UNIXは手の出しにくいものでした.しかし,80286マシンではメモリとハードディスクさえそろえれば,UNIXを動かせる状況になったのです。現在ではまだ,オプションという性格が強いのですが,こうしたハードウェアの状況を考えるとUNIX専用パーソナルコンピュータの登場も近いのではないでしょうか。
 もちろんUNIXにも解決しなければならない問題があります.たとえばシステム管理者のいない状態での運営方法やあるいは,いままでのMS-DOSベースなど他のOSを使っているパーソナルコンピュータとどうやって一緒に使っていくかといった問題です.
 今年の動きとしてまず考えられるのは,各ハードメーカーによるUNIXのオプションによる提供,そして低価格のUNIX専用パーソナルコンピュータの登場ではないでしょうか.
これはハズレだった。一般ユーザがUNIXを手にするにはLinuxの登場を待たねばならなかった。そのLinuxでも大学生とか仕事でもコンピュータを使っているようなスキルの高いユーザーでなければ使えなかった。一般的な趣味でパソコンを使っているような層にはLinuxはUbuntuが登場するまでは敷居の高いものだった。
68000の動向

 16bitパーソナルコンピュータにおいては,インテル系のCPUが大勢を占めていましたが,仮想記憶やマルチタスクの新しいDOS,UNIXなどが登場すると,ワークステーション分野で多く使われていた68000 CPUがパーソナルコンピュータ用のCPUとして採用されることも考えられます.
 インテル系のCPUが16bitCPUで大勢を占めた理由の1つとしてMS-DOSが登場したことが挙げられますが,もう1つの理由としてソフトウェアの蓄積といったことが挙げられています。つまり8bit系のCPUから移りやすいアーキテクチャにすることで,ソフトウェアの移植やマシンの開発を楽にしたのです.こうしたことが,ここに来て68000についてもいえるようになりました.68000は,高性能なワークステーションなどで使われ,UNIXの移植やその上のアプリケーションなどの蓄積があります.パーソナルコンピュータのワークステーション指向により,そういったソフトウェアが求められているのです.
 16bitパーソナルコンピュータ登場時には,単に小さなOS,手軽なOSが求められており,その期待に応えるものとしてはCP/M-68Kなどしかありませんでした.また,それ以上となるとUNIXなどの大きなOSになってしまうということが問題になっていました。当時はハードディスクもそれほど普及しておらず,メモリも128kbytes程度が標準だったので,パーソナルコンピュータでUNIXを採用できる状態ではありませんでした.しかし今のようにマルチタスク仮想記憶対応のOSが求められるようになると68000もパーソナルコンピュータのメインCPUとして考慮されるようになるわけです。
互換性を重視した86系が16bitの標準CPUとなってしまったせいで、革新的なソフトウエアが登場しなくなった。つまり、互換性を重視した過去のソフトウェアの流れを汲むものばかりであった。革新的なソフトウエアは68000を積んだMacでしか見ることができなかった。互換性を重視するということは新規のものの登場を妨げる壁になるということだった。
新しい周辺装置

 CD-ROMやネットワークインターフェイスなどの新しい周辺装置の登場は,それらをコントロールするソフトウェアを登場させています.
 CD-ROMは,単に大容量であるということだけでも,従来データ容量の壁に阻まれていたソフトウェアを解放します. ほとんどのマシンが日本語処理をサポー-トしている現在,その辞書はフロッピー,あるいはROMとしてシステムに組み込まれます.パーソナルコンピュータの日本語処理では単に漢字変換のための最低限の情報しかありませんが,辞書容量が増えることで,類語の検索や言い回しなどの情報までを持つことが可能でしょう.さらには,文法的な誤りを指摘することも可能になるかもしれません.いまは文法的に間違っていた場合,単に変換できないだけですが,その変換過程の情報を使うことで,文法的誤りを指摘することが原理的には可能です.しかし,かな漢字変換の辞書の大きさは,他のファイルを圧迫するところまできており,フロッピードライブが2台あっても,1台は辞書関係に占有されてしまうというのが現状です
 CD-ROMについては,すぐにも組み-込んだマシンが登場することはないと思います.しかし,音楽用CDの登場からCD-ROM規格の発表,そして現在までの動きをみると,従来のフロッピー,ハードディスクなどには比べ物にならないほどの速度で業界が動いていると言えます.音楽用CDが登場してあっというまに普及したように,CD-ROMの普及はかなり速いかもしれません。
 ネットワークは,その設置範囲により,いわゆるLANと専用回線,公衆回線を使ったものに分けられます。LANについてはすでにソフト/ハードともに各社から発表されており、どれを選ぶかといった段階になっていますが,問題は複数機種間のLANやその上のソフトウェアでしょう。すでにLAN対応のソフトウェアも出てはいますが,すべてのソフトウェアが対応しているわけではありません.しかし設置台数が増えることで徐々にその数も増えてくるでしょう。
 公衆回線を使うようなネットワークに-はBBSシステムがあります。すでにいくつものホスト局が登場していますが,そういったものとLANなどの結合や公衆回線を間にいれてLAN同士を結合することなどは,まだまだ未解決の問題があります。今年はこの辺りが議論の対象になりそうです。
ここもその通りだった。家庭でLANを使うということは、複数台のマシンを使っているということでそんなユーザはほとんどいなかった。コンピュータの専門家がいない職場で素人が複数のパソコンを繋いでデータを共有しようとネットワークの勉強を始めだしたのはやはりWindows95以降であった。
87年は……

 ここまでのことをまとめてみましょう.まず,現在問題になっていることは,
1 ハードウェアとソフトウェアの進歩の速さの違い
2 新しい周辺機器への対応
3 アプリケーションの対応
の3つに集約することができるでしょう.これに対して今考えられる対策としては,
1 マルチタスクや仮想記憶をサポートする高度なOS 2 アプリケーションの寿命を伸ばすようなシステム3ハードウェアに依存しないソフトウェア
などがあります。
 ハードウェアの進歩はある意味でソフ-トウェアの制限を取り除きます。今までのハードウェアの進歩は,ソフトウェアの負担を軽くすることはあっても,制限を取り除くところまではいっていませんでした.今ようやく価格的な問題を含めて,高度なソフトウェアシステムを構築できるようなレベルにハードウェアが到達したといえるでしょう.
 つまり,ここに来て初めてソフトウェアの充実を可能とする状況が整ったわけです。そういう意味で87年は,OSなどの基本ソフトウェアからアプリケーションに至るまでソフトウェアに大きな動きがある年と予測できるのではないでしょうか。
うーん。時代を先取りした記事だった。実際はこのようなOSとソフトウエアの進歩は何年も先でなければ実現しなかった。そういうことで、この記事を読んだときは全く現実味が感じられなかった。
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本格化するグラフィックスプロセッサ(月刊ASCII 1987年2月号8) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集「87年のOS環境を占う」のスクラップの続き。
本格化するグラフィックスプロセッサ

縦書きのあおりを引用する。

パーソナルコンピュータにとってグラフィックスは標準的な機能の一つであるといっても過言ではない。しかし、グラフィックス処理はCPUに負担をかける反面、充実したユーザーインターフェイスや視覚的にデータを把握するためには欠かせない処理であり、その高速化もユーザーの望むところである。ここでは、最新のグラフィックスプロセッサ動向を見ることにする。

以下本文をスクラップする。
描画デバイスの
新しいコンセプト

 パーソナルコンピュータでは,標準的にグラフィックスをサポートしている機種がほとんどですが,グラフィックスには大きなCPUパワーを要求され,高度なユーザーインターフェイスや,ウィンドウマネージャを走らせると,かなり負荷のかかる仕事になってしまいます.そこで登場したのが,描画専用デバイスです.最初に登場したものは,直線や円弧などの描画機能を持ったものでした.
 このデバイスの登場でパーソナルコンピュータのグラフィックスはかなり高速化されました.しかし,リアルタイムのグラフィックス処理や高度なウィンドウ環境の構築になると,クリッピングや図形の拡大,縮小などのグラフィックス操作に加えて,複数のプロセス管理やメモリ管理などの処理があり,CPUの負荷はますます増えてきます.
 そこで登場したのが現在のグラフィックス描画プロセッサです.メインメモリとは別のメモリをグラフィックスバッファとし,外部からは仮想座標の指定で描画を行ったり,表示範囲を指定するだけでクリッピングを行うなどの機能をハードウェアでサポートし,ビットマップで文字表示を行うなどの機能を持ち,いま-までCPUが行っていた画面を管理するという作業をかなり肩代わりするデバイスが登場したのです.
 具体的には,日立のHD63484 ACRTCやインテルの82786,TiのTMS34010GSPなどがこれに当たります.これらは,直線描画を1~3Mピクセル/Secで行う能力をもっています。ここではこのうち最新のデバイスであるTMS34010を中心に最新のグラフィックスプロセッサを見てみましょう.
34年前のグラフィックスプロセッサはPC-9801VX2のEGCしか知らなかった。TMS34010は全く知らなかった。
グラフィックスプロセッサ
のネック

 グラフィックスプロセッサとしてまず問題になるのは,その描画能力もさることながら,ホストCPUとのインターフェイスです。描画スピードが速いものであっても,この部分が脆弱だと,かえってCPUの負担が増えてしまいます.
 さて実際のデバイスを見てみましょう.ACRTや日電のμPD7220では,コマンドをI/Oポートを介し,内部のFIFOに取り込みます.しかし,この方法では常にステータスを監視する必要がある(7220の場合),あるいはFIFOが空になるたびにCPUに割り込みが掛かるなどの理由で負担が大きくなります.これに対して82786の場合には,コマンド列をメインメモリに格納しておき,このアドレスをグラフィックスプロセッサに渡すという方法を取ります.グラフィックスプロセッサがシステムバスを使ってメインメモリ内のコマンド列をアクセスし,そのコマンドを実行するわけです.これにより一連の処理をまとめて実行することができ,CPUの負荷が軽減されるので「す.そして82786のコマンド体系は,グラフィックスデバイスとのインターフェイスを規定したANSIのCGIに近いものとなっており,CGIを実現するのが簡単になっています.
 しかし,こうしたコマンド方式の欠点としてコマンドが汎用なので冗長になる,コマンドの組合せで処理できない場合に直接描画する必要があるなどがあげられます.
PC-9801VX2でEGCを使うときはI/Oポートを叩くのだがデータがEGCに取り込まれるのを待って次のコマンドをI/Oポートに乗せるには80286にWaitをかける必要があったが、80286にはパイプラインがあるので単純なWaitは効かず、次の番地にジャンプしてパイプラインを切断してクロック数を調整していた。
ASCII1987(02)c14OS環境占う_画面_W520.jpg
TMS34010の
アーキテクチャ

 これらに対してTMS34010 GSPは,汎用のCPUにグラフィックス処理機能を付加した構成になっており(図1),その動作は汎用CPUのようにメモリから命令を取り込み実行するようになっています.つまり条件分岐や四則演算などの命令の中にラスタオペレーションや直線を引くなどの命令があるのです.
 GSPのレジスタ構成は、32bitの汎用レジスタが16本(内1つはスタックポインタ)あり,さらにグラフィックス処理命令のための32bitレジスタが16本となっています.また128ワードのキャッシュを持ち,汎用CPUとして見ても十分なアーキテクチャを持っているといえるでしょう.メモリ空間は1Gbit,つまりこのCPUのアドレス指定はビット単位で行えるのです.
 ホストCPUとのインターフェイスは,16bitのインターフェイスバスを使って行いますが,これは固定されたコマンドを送るのではなく,GSP側のプログラムによって,コマンドメッセージあるいはGSPの実行すべきプログラムとさまざまに変化します.つまり2つのCPU間にある双方向ポートと考えればよいでしょう。さらにホスト側のDMAコントローラにより,GSPのローカルメモリにプログラム/データの転送も可能です.
 従来の方式に比べ,こうした方式では,処理内容によってプログラムを変えることで最適な処理が行えるという利点があります.さらに単独のグラフィック・ターミナルやレーザープリンタのドライバとして、ホストCPUを使わずに独立した装置を組み上げることも可能です.
 しかし,命令取り込み実行という過程を経るので,コマンド方式のものに比べ描画速度などが若干劣るという欠点も持っています.つまりハードワイヤードのコントローラとマイクロプロセッサ利用のコントローラという関係と同じです.

ASCII1987(02)c06OS環境占う_図1_W708.jpg
グラフィックスインターフェイス
の標準化

 いままでのパーソナルコンピュータでも描画ルーチンはたいていBIOS内にあり,これを利用することで自社の他機種との互換性を保証しているのですが,速度的に問題があるのが現状です.しかし,描画をこのようなグラフィックスプロセッサが行うようになると、機種依存しないようなコマンド体系を決めておき,それを個々の機種用のコマンドに変換するドライバを用意すれば、機種依存しないソフトウェアを作ることが可能になります.そうした提案としてはANSIのVDIなどがあります.現在ではこうした規格に準拠したソフトウェア(ファームウェア)がいくつか登場しています.
 GSS社のGDISは,インテルの82786とGSPを同時にサポートするソフトウェアです.これはVDIやMS-WINDOWSのGDIなどを基にそれらの主要な機能をサポートするもので,個々の方式による出力とGDISとの間に簡単なドライバを入れるだけで,複数の規格に対応可能なファームウェアなのです.
 いままでは,すべてをソフトウェアで実現していたので,こうした標準化は,アプリケーションの速度を低下させ,ひいてはそのパフォーマンスさえ下げてしまいました.しかし,描画を高速で行えるグラフィックスプロセッサが登場したことで、単にコマンドコードの変換を行うだけの簡単な処理を描画と並行して行うだけとなったのです.つまり,グラフィックスプロセッサの登場により,異機種間でのソフトウェアの互換性を保てるようになったわけです.
 DOSの登場でディスク装置に関する互換性が生まれ,他機種とデータや,いくつかのソフトウェアを共有することができるようになりました.こうしたソフトウェアの登場で今度はグラフィックス処理に互換性が生まれ,さらに共有できる範囲がひろがる可能性が出てきたといえるでしょう。
PC-9801シリーズしか使っていないからこのような新しいグラフィックスプロセッサの恩恵は得られず主に事務処理では文字データの処理ばかり行っていた。趣味ではグラフィックスはマシン語でVRAMを直接叩くようなゴリゴリな描画プログラムを書いてアニメーションもどきのプログラムを書いていた。


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オペレーティングシステムの今後を予想する(月刊ASCII 1987年2月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集「87年のOS環境を占う」のスクラップの続き。
オペレーティング・システムの今後を予想する

縦書きのあおりを引用する。
MS-DOSが16bitOSとしての標準的なものとなったが、現在のハードウェアはMS-DOSの要求仕様以上のものとなっている。ここでは、新しいハードウェアに相応しい新しいOSについて考えてみたい (編集部)

以下本文をスクラップする。
 16bitパーソナルコンピュータにおいては,DOSが定着しDOSでシステムをたちあげることを前提としたDOSマ-シンが当たり前になってきました.
 しかし,ハードウェアを見てみると,CPUは32bitのものが噂され,高速なグラフィックスプロセッサなどの周辺デバイス,メモリの大容量化と価格の低下,そしてハードディスクの普及など,毎日のように進化しています.最初は負担だったOSも,現在ではそれほど問題ではなくなりましたが,逆に資源を有効に使い切れないという問題が生じています.仮想記憶機能やマルチタスクのための機構を持ったCPUでありながらOSがサポートしていないために利用できなかったり,I/Oの待ち時間のためにCPUが遊んでしまったりといった問題があるのです.
 現在の状況を一言でいうならば,ハードウェアの進歩にソフトウェアが追従していない状態といえるでしょう.ここでは新しいCPU,新しいハードウェアに見合うOSを,実際の製品の紹介も交えて解説したいと思います。
いやいや違うでしょう。34年前の認識がそうであったとは自分の思いと全く違う。34年前は何か処理をするたびに待たされていた。そういった現状に仮想記憶?マルチタスク?論外であった。当時思っていたことはシングルマシンでマルチタスクではなくシングルユーザでマルチマシンが望みだった。ただ、趣味のユーザがそんな金をかけれるはずもなく、ただただ、もっと速いパソコンが欲しかった。
THEOS

 THEOS286 Vは,80286のプロテクトモードを使った,リアルタイム,マルチタスク,マルチユーザーのOSです.1975年にZ80CPU用のマルチユーザーOSとして登場したのを最初に,現在では8086,80286,80286仮想記憶バージョンが発表され,現在80386バージョンが開発中となっています.
 THEOS最大の特長は,マルチユー・ザーやマルチタスク,リアルタイム処理を念頭に置いて開発されていることです.たとえば,各ユーザーには特権レベルがあり,このレベルに応じて実行できるコマンド,プログラムを制限することが可能です。単にアプリケーションを使うユーザーから,システムプログラミングを行うユーザーまでが,同一のマシンで仕事できるのです.マルチユーザーの効用は,さまざまな資源の共有をネットワークを構築せずに行えることにあります.しかもTHEOSの場合,IBM PC/ATクラスのマシンで最大32ユーザーまでをサポートできるので、コスト的にも安くシステムを構築できます.
 従来のソフトウェアに関しては、MS-DOSのエミュレータが用意され,通常のソフトウェアはTHEOS内で走らせることができるほか,ハードウェアを直接操作するようなアプリケーション(たとえばLotus1-2-3など)に関しては専用のパッチプログラムを用意し,THEOS上で走らせるようにできます.また,THEOSのファンクションコールはUNIXとコンパチビリティを持ったもので,すでに用意されているANSI準拠のCコンパイラを使い,THEOS上で再コンパイルすることで実行可能です.
 THEOSは,従来のソフトウェア資産を受け継ぐ用意と,基本的にマルチタスク,マルチユーザーそしてリアルタイム性を持ったOSであり,こうしたOSが現在のパーソナルコンピュータのシステム資源を有効に使えるOSといえるでしょう。
滅茶苦茶胡散臭い記事だと思う。開発のスタートがZ80用のマルチユーザOS?まあ作ることは不可能ではないが、使い物にはならないだろう。実験的に開発してというところが妥当ではないか。とにかく記事を読んでそれはないだろうと思った。
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80286CPUから
新しいMS-DOSを予想する

 現在広く使われているMS-DOSは,最初IBMPC用のPC-DOSとして登場しましたが,IBMは次世代のOSとしてどうやら80286のプロテクトモードを使うOS,アドバンストDOS"ADOS"を開発しているようです.ここではそれがどういったものになるのかを,CPUのアーキテクチャから予想してみます.
 前に述べたようにシステム資源の有効利用を考えると80286の仮想記憶機能を使うプロテクトモードでマルチタスク機能持つOSであることは間違いありません.そしてその仮想記憶は,次に登場するであろう80386の仮想記憶方式と互換性を持つような方式となるでしょう.つまり,80286から80386へ移行する際にはアプリケーションの変更がほとんど必要ないような配慮がされるはずです.いままでは,次のCPUがどのようなアーキテクチャになるかがはっきりしていなかったので,本当の意味で次世代を意識したOSが作りにくかったのですが,現在ではすでに80386マシンも登場しており,ADOSはさらに次の80386用のDOSとそのアプリケーションをも考慮したものになるはずです.しかし,後に述べるように仮想8086モードやデマンドページングの有無,セグメントのサイズなど,286と386の違いにより286/386兼用のものになるのではなく,あくまで80386は別のバージョンのDOSで能力を引き出すといった形になるでしょう.
 マルチタスクで走るプログラムでは,そのタスク特有のシステム情報,たとえば,ファイルバッファ,ポインタやそのタスク空間内のメモリの使用状況などの従来のDOSが管理していた部分を,個個のアプリケーションの数だけ持たねばなりません.しかも仮想記憶を行っているのですから,1つのタスクが常に同じアドレスに存在するとは限らず,システム状況によって変化し,さらにはセグメント同士の位置関係も変化することもあります.このためダイナミックにタスクとリンクするアプリケーションとADOSのインターフェイス部分を持つ必要があるでしょう.また,割り込み動作の関係からサービスファンクションの呼び出し方が変わると考えられます.
 さらに現状として,現在のPC-DOS,MS-DOSで動いているアプリケーションをなんらかの方法で動かさねばなりません.まず第1に問題になるのは,リアルモードとプロテクトモードではオブジェクトレベルでの互換性がないことです.つまり,オブジェクトのままでは走らせることができません(80386では仮想8086モードを使うことで仮想記憶空間内で8086のプログラム実行が可能になる).さらに現在のアプリケーションは,直接I/O操作を行っているものが多いのですが,80286のプロテクモードではアプリケーション(レベル4のプログラム)はI/O命令を実行することはできないばかりか,メモリ保護機能によりVRAMのアクセスも行えません.したがって,プロテクトモードからリアルモードに切り換えて走らせる必要が出てくるわけです.
 しかし,80286は一度プロテクトモードに入るとリセットしない限りリアルモードには復帰できません.このためI/スポートを介して自分自身にリセットをかけるハードウェアが必要になります.こういったハードウェアがPC-98XA/XLなどの80286マシンにはすでに組み込んであることを考えるとハードウェアの対応はそれほど不可能ではないでしょう。実際には,メモリの下位番地に従来のMS-DOSの環境を作っておき,そのタスクを実行するときにいったんリアルモードに戻って実行し,I/O処理やタイムスライスが終わった時点でまたプロテクトモードに戻るといった動作を行うことになります。
 現在のところではMS-DOSを基本として,ユーザーインターフェイスはMS-WINDOWS,そしてネットワークはMS-NETWORKSといった切り分けがなされているので,ユーザーインターフェイスに関してはそれらの新しいバージョンで対応といった方向が一番考えられるでしょう.こうして全体像をまとめると,ADOSとはマルチタスク,仮想記憶で従来のMS-DOSのアプリケーションも動作可能といったOS像が浮かんできます.つまり,ミニコンなどのOSと比較していままでパーソナルコンピュータで不足していた基本機能をほとんど実現されたものといってもいいでしょう.
ここは妥当だと思う。つまりは80286は中途半端なCPUで、とどのつまり高速な8086としか使い物にならないということ。PC-9801VX2を買った私は本当にダメな奴だったと未だに後悔している。人生の黒歴史だ。
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MS-WINDWSのメカニズム(月刊ASCII 1987年2月号6)87年のOS環境を占う [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集「87年のOS環境を占う」のスクラップの続き。
MS-WINDOWSのメカニズム

縦書きのあおりを引用する。
マイクロソフト株式会社
福田善康、中島聡

 昨年ようやく我々の手に届く商品として登場したMS-WINDOWSについては、すでに画面写真などを見たかたもいると思う。しかし、そのMS-WINDOWSはどのような構造で、どのように動いているかは、あまり明らかになっていない。ここではMS-WINDOWSの内部構造とWINDOWSアプリケーション作成の際に使われるTOOL KITについて解説する。
 34年前はこの記事を眺めただけで終わった。書かれている概念などは素人ユーザーにとっては分からなかった。実際に触ってみないと分からなかった。私が触ったのはWindows 3.1 からだった。まだまだ先のことだった。
以下本文をスクラップする。
MS-WINDOWS
概要

 MS-WINDOWSは、米国MICROSOFTによって開発された新しいオペレーティング環境です.これは,MS-DOSに代わるものを意味するのではなく,現在のMS-DOSにビジュアル・ユーザー・インターフェイス,グラフィックス表示機能,メモリ管理などの拡張機能を付加するものです.このMS-WINDOWSとDOSの組合せは,来るべきOSの姿を表しているといっても過言ではありません.この新しいオペレーティング環境の出現により,今後のアプリケーション開発は効率化され、新たな方向性がもたらされるでしょう.
 MS-WINDOWSの大きな特長としては,従来のアプリケーション開発のもっとも大きな負担となっていた,メモリ,ディスプレイ,キーボード,マウスなどのシステムリソースの制御をMS-WINDOWSがすべて自動的に行うことが挙げられます.これにより,
1 すべてのアプリケーションにマルチタスク環境を提供する.
2 強力なメモリ・マネジメント機能により,それを意識せずに,効率よくメモリを使用できる.
3 グラフィックス描画やテキスト出力のために,多数のファンクションを持つ“GDI"(グラフィックス・デバイス・インターフェイス)が用意されている.
4 標準のビジュアル・インターフェイスにより,すべてのアプリケーションが同じ操作性を持ち,またアプリケーション設計の省力化が図れる.
5 アプリケーション間のデータ交換は、カット・アンド・ペーストにより,クリップボードを通して簡単に行える.また、複数のアプリケーション間の自動通信手段(後述のDDE)も用意されている。
6 すべてのハードウェアを仮想化しているため,アプリケーションの開発者は、特定のハードウェアを意識する必要がない
 MS-WINDOWSはマシン・インディペンデント(機械独立)の思想に基づいて開発されています。すなわち,MS-WINDOWSの規定に従って開発されたアプリケーション(以下,WINDOWSアプリケ-ションと呼びます)は,MS-WINDOWSさえ動作していれば、どんなマシンの上でもまったく変更なしに走らせることができます。
この概要というか機能というか、これらが使い物になるのはWindows95以降だったと思う。特にDDEはハングアップを経験して怖くて使えなかった。
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MS-WINDOWSの
構成

 MS-WINDOWSは"KERNEL","USER","GDI"と呼ばれる3つの基本モジュールと各デバイスを制御するドライバから構成されています.
 “KERNEL”はMS-WINDOWSの中核となるメモリ・マネージャで,アプリケーションが複雑な設定を行わなくても,マルチタスクやスワッピングなどを自動的に行うモジュールです.
 “USER”とはアプリケーションにグラフィカルなユーザー・インターフェイスを提供しますが,特定のウィンドウ形式を強要するわけではありません.たとえば、アプリケーションはメニューやスクロールバーなどをどのように表示するかをMS-WINDOWSに指示することができ,そのアプリケーションにもっとも適したユーザー・インターフェイスを実現できます.もちろんMS-WINDOWSが基本的な環境を提供しますので,他のアプリケーションとの整合性は約束されます.
 そして“GDI"とは,すべての図形や文字の出力を管理するモジュールで,“GDI"とアプリケーション間のインターフェイスはマシン・インディペンデントになっています.
流石に今読むと分かる。これは体で覚えたことの解説だからだろう。
GDI

 GDI(Graphic Device Interface)は,ANSI(アメリカ規格委員会)のVDI(Virtual Device Interface)に準拠しており,アプリケーションからの出力は,-すべてGDIを通して行われます.GDIには、図形(線や円など)や文字の出力,クリトッピングの制御,カラーや文字フォントなどの属性指定を含んだ約100種類の基本ファンクション(GDIファンクション)が用意されています.GDIファンクションは,この種のどんなグラフィックス・インターフェイスよりも豊富かつ強力です。GDIファンクションを利用することにより,複雑な図形出力のシミュレートコードをアプリケーション内部に抱える必要はなくなり、よりコンパクトでスマートなアプリケーションを作成することができます.
 WINDOWSアプリケーションは、+32767~-32768の論理座標を使用できる上,出力デバイス(ディスプレイ,プリン・タ,プロッタ)の物理座標への変換はGDIが自動的に行い,アプリケーションの負担を最小限に押さえます.
 このようなGDIファンクションにより,MS-WINDOWSはアプリケーションにハシードウェアからの独立性を与え,WINDOWSアプリケーションは、MS-WINDOWSが搭載されているシステムの上なさらばどんなハードウェア構成でも動作す る,というマシン・インディペンデントの思想を実現しています.
いやいや、GDIは理想が先に立ってハードが追い付いていない。Windowsのデモをみると、全く魅力がなく、使う気にならなかった。DOSの専用アプリでなんとか使えるというのが34年前のハードウェア環境だった。
マルチタスクの
メカニズム

 MS-WINDOWSでは,複数のアプリケーションを同時にディスプレイ表示するだけではなく,実際に複数のアプリケーションを同時に実行させるマルチタスク機能を備えています.
 しかし,MS-WINDOWSのマルチタスク機能は,ミニコンや大型機のOSで言われるマルチタスクとはタスク切り換えの行われるタイミングが違っています.
 一般のマルチタスクOSでは,
1 システムコールが発行された時
2 一定時間以上システムコールが発行されない時
がタスクの切り換わるタイミングです。これに対して、MS-WINDOWSでは,1メッセージをキュー(Queue)から取り出す命令が発行された時@Yield(タスクの終了,中止)命令が発行 された時がタスク・スイッチングの行われるタイミングとなります。 この違いは,ユーザーの立場からみると大きく違ってみえます.たとえば,ひとつのアプリケーションに対しユーザーがなんらかの入力を行っている間は,他のアプリケーションの処理が止まってしまいます.ただし,ユーザーが入力の手を一瞬でも休めれば、他のアプリケーションの処理は再開されますから,ユーザーが一人であるかぎりなんら不都合は起こりません。
 ソフトウェア開発者の側からみると,マルチタスクを実現させるためには,適当なタイミングでキューを見にいくという処理を付け加える必要となります.ただし,ほとんどの対話型のアプリケーションでは、この問題を意識する必要はありません。実際の例としては,ユーザーがワードプロセッサとMAILアプリケーション,スケジューラを走らせておき,文書作成中にMAILの送受信,アラーム機能を同時に行わせることができます.
マルチタスクが使いものになるというかよくできてるなと思ったのもやはりWindows95以降からだった。Windows 3.1 のときはなるべく使わないようにした。使うときは片方のアプリで作業しているファイルを保存してから、別のアプリで作業していた。それで調子に乗って使っているとフリーズした。特に、今日は順調だなと思ったら必ずフリーズした記憶がある。
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メモリ管理

 WINDOWSアプリケーションは,その強力なメモリ管理機能を利用することにより、効率的なメモリの活用を行うことができます.特にMS-WINDOWSはマルチタスクをサポートしているため、複数のアプリケーションが同時にメモリ内に存在することになります.そこでメモリ管理が必要になるわけです.
 たとえば,メモリに入りきらないような大きなプログラムが実行されても,KERNELが自動的にセグメントのロード/スワップを行うので,メモリサイズを意識した開発は不要です.また,複数のアプリケーションで共通のルーチンを使用している場合には,メモリ中の1つのルーチンを実行時にリンク(Dynamic Linking)することにより効率的にメモリ空間を使います。

MS-WINDOWSと
MS-DOSのアプリケーション

 従来MS-DOS上で動いていたアプリケーションをMS-WINDOWSではOldアプリケーションと呼びます.これらとWINDOWSアプリケーションとでは,かなり違った構造になっていますが(図1),OldアプリケーションもWINDOWSアプリケーションと同様に実行させることができます.
 MS-WINDOWSでは,Oldアプリケーションを2つの種類に分けています.ひとつはグラフィックVRAMを直接アクセスしているなどのハードウェアに依存した処理を含むものです.これをMS-WINDOWSではBadアプリケーションと呼んでいます.もうひとつはMS-DOSのファンクション・コールのみを使って書かれたアプリケーションで,これはWell-be-havedアプリケーションと呼ばれます。
 Badアプリケーションが起動された場合,当然MS-WINDOWSとハードウェア(システム・リソース)を共有できなくなります.そこでMS-WINDOWSは画面を一時的に退避し,ほとんどのメモリとハードウェアのハンドリングをBadアプリケーションに明け渡します.しかし,Badアプリケーションの実行が終了すれば、すぐに元のMS-WINDOWS環境が復元されます.
 Well-behavedアプリケーションの場合は,WINDOWSアプリケーションとまったく同様に区切られたウィンドウの1つを仮想的なコンソールに見立てて実行します。これはWINOLDAPと呼ばれるモジュールが,ひとつのウィンドウの中で従来のMS-DOSの環境をシミュレートすることで実現しています.
 それぞれのOldアプリケーションがBadアプリケーションなのかWell-behavedアプリケーションなのかという情報は、個々のアプリケーションに対するPIF(Program Information File)と呼ばれるファイルまたは、WIN.INIファイル(MS-WINDOWSの初期設定ファイル)中に記述しておくだけで、既存のプログラムになんら変更はいりません.
 Badアプリケーションの例としては,日本語ワードプロセッサやスプレッドシートなど、画面表示の高速化が必要なために直接画面に描画しているプログラムやグラフィックス・ツールなどが挙げられます.
日本語ワープロ、表計算ソフト、グラフィックツールを使っているユーザーが多い中、それらをBadアプリケーションと言われてもなぁ。
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WINDOWS
アプリケーションの実行

 WINDOWSアプリケーションが実行される時,アプリケーションとMS-WINDOWSの間のやりとりは,通常メッセージ形式(ウィンドウ・メッセージ)で行われます。その際にアプリケーションがしとる手続きは、メイン・プロシージャとウィンドウ・プロシージャの2つです.
メイン・プロシージャはプログラムの実行を制御し,入力を受けつけ,ウィンドウ・プロシージャの実行を指示します.アプリケーションはメイン・プロシージれから送られていた入力を処理し,自分のウィンドウに表示します.これがウィンドウ・プロシージャです。
 ウィンドウ・メッセージはメッセージ識別子とパラメータからなるデータ構造を持ち,キーボードから入力される文字やマウスの動作,メニューの選択などはすべて,このメッセージを通してアプリケーションに送られます.
 WINDOWSアプリケーションは、必要な初期設定から始まり,常にシステムにメッセージを問い合わせ,それを実行するループ構造になっています.
 ウィンドウ・メッセージは、メッセージタイプ(WORD型,16bit),3ワードのメッセージ(WORD/LONG型32bit)からなり,WORDとLONGのパラメータの意味は,メッセージタイプによって異なります。

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DDE:
Dynamic Data Exchange

 MICROSOFTでは前述のウィンドウ・メッセージを発展させ,アプリケーション間の自由なデータ共有のためのガイドラインとしてDDEプロトコルを提唱しています.これはエンド・ユーザーの操作を介さずに,アプリケーション間で独自にデータ交換を行わせるプロトコルです.
 利用例としては,データ更新のための情報交換をリアルタイムで行う時などに利用します。詳しいデータ構造や定義されているメッセージにはここでは触れませんが,簡単な例としてMS-WINDOWS上の株価情報アプリケーションを紹介しましょう.
 DDEでは、共有データを生成し送り出す側のアプリケーションを「サーバー」と呼び,受け取る側を「クライアント」と呼びます.サーバーは,Signalというアプリケーションで,クライアントはスプレッドシートです.スプレッドシートは図2のように設計されています.ここで新しい株価データを入手し,スプレッドシートを更新する場合,従来の方法ではクリップボードを使って,他のアプリケーションからスプレッドシートにユーザーがコピーするしかありません。あるいはユーザーが毎回Signalからスプレッドシートへテキストベースのデータ転送をするかというところです.
 これらのアプリケーションをDDEプロトコルに準拠して開発すれば,このシステムはもっと自動的になり,ユーザーが間に入らなくてもマルチプル・データの更新を行うことができます.また,サーバーとクライアントの間にダイアローグを用意して,キャッチした株価の変更を必要に応じてスプレッドシートに送ることができます.
 簡単なユーザーインターフェイスとして,スプレッドシートに他のアプリケー・ションに必要なデータを差し出してくれるかどうかを尋ねる機能を持っているとします.この機能を使用するための書式例を,
 @EXTERN(Server,Topic,Item)
とすると,スプレッドシートは次のように理解します。
@EXTERN(“SIGNAL”,Topic,Item)
 これはIBMと名付けた範囲が“SIGNAL.EXE"というサーバー・アプリケーションの持つ,“NYSE"という名の外部データと連結することを意味します。
 この結合が行われると,スプレッドシートは常に最新のデータをサーバーから得られることになり,タイムリーな方法でリアルタイムデータを“自動”分析しやすくなります.
 このような株価のリアルタイム処理は実際にMS-WINDOWSでシステムが構築されて使われています。
これこれ、最初に使おうと思ったのは凄い概念だ先進的な機能だと思って使ってみたのだが、期待通りの表示にならなかった。結局動的なDDEは使わず、データを変更したら再度貼り付けるという静的なコピペで対応していた。
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開発ツールについて

 WINDOWSアプリケーションは,C,Pascal,アセンブリ言語で開発することができます(日電からはN88BASICとコンパチブルなWINDOWSBASICも提供されます)。
 標準的な開発ツールとしては“MSWINDOWS TOOL KIT”が提供されており,C言語を中心にWINDOWSアプリケーションの作成方法をサンプルソースを使いながら詳しく解説してあります。このキットの構成は、ライブラリ,開発用ユーティリティ,開発用アプリケーション,サンプル・アプリケーションのソースコード,デバッキングファイルから構成されています。
 ライブラリには、約400種類のファンクションを持つ,MS-Cコンパイラ用のもの,Pascal用のものがあります.これらはMS-WINDOWS開発専用のもので、通常のMS-Cコンパイラに付属するライブラリとは異なるものです.
 開発ユーティリティは,EXEファイルのヘッダ・デコーダ,リンカMake,リソースコンパイラとリンカ,シンボリックデバッガとそのシンボルファイル作成ユーティリティ,ライブラリ作成ユーティリティなどからなるものです.WINDOWSアプリケーションに使用するアイコンやカーソル,ビットマップを作成するICONEDIT,フォントファイルを作成するFONTEDIT,またMS-WINDOWSのメモリ管理の状態を確認することができるHEAPWALK,SHAKERなどもあり,これらユーティリティ自体もWINDOWSアプリケーションとなっています.
 MS-WINDOWSは高度な機能を持ち、大きな可能性を持つシステムですが,TOOL KITには初心者のために6つのMS-C用サンプルプログラムとPascalのサンプルプログラムが1つのソースコードで供給されます.もちろん,すぐにすべてのファンクションを使いこなすことはむずかしいでしょうが,これらのサンプルソースを理解し終わった頃には,MS-WINDOWSを一通り理解しているでしょう。
 冒頭で述べたようにMS-WINDOWSはKERNEL,USER,GDIの3つのメインモジュールから成り立っています.キットにはアプリケーションのデバッグ用にこれらの3つのモジュールの特殊なバージョンとそれぞれのシンボルファイルが含まれます.このデバッグ用モジュール-を使うことで,実行中のMS-WINDOWSとアプリケーションの動作状況をRS-232Cポートに接続したデバッグターミナルで追跡することができ,効率的なデバッグが可能です。

WINDOWS
アプリケーションの作成

 前述のようにMS-DOSのBadアプリケーションは,MS-DOSファンクションコールを使わずに直接ハードウェアにアクセスしているために,アプリケーション内部にマシンに依存する特殊なルーチンを持たねばならず,他機種との互換性,移植性の低いものでした.しかしMSWINDOWSではWINDOWSアプリケーション作成のために,豊富なファンクションをもつライブラリ(MS-C用)を用意しており,すべてをMS-WINDOWSのファンクションで行う限り「完全な異機種間の互換性」を保証しています。
 WINDOWSアプリケーション作成上の第1の特長は,デバイスドライバやメモリマネージャなど,本来のプログラミングに関係のないモジュールの作成が一切不必要だということです.図3のように,従来のアプリケーション開発には、プロ「グラム設計やメインモジュールのコーディング以外に多くの時間を費やす必要がありました。これら下位モジュールの作成は,プログラミングの練習にはなりま-すが,このために中核となるプログラム|がおそろかになったり,製品出荷が遅れ「たり,大きな仕様変更を強いられて,苦い思いをしたプログラマも数多いことでしょう。これらのモジュールはすべてMS-WINDOWSが標準的に装備しているため,WINDOWSアプリケーションの開発者は本来の仕事であるプログラム設計に集中できるわけです.
第2の特長は、リソースファイル(メッセージ,メニュー,コマンド,ダイアローグボックスなどの内容や表示座標を記述したもの)が完全に分離されていることです.コマンドやメッセージに間違いがあったり,ダイアローグボックスを設計しなおす場合には,アプリケーショーンのソースコード自体を修正したり,再・コンパイルする必要がなく、後からリソースファイルだけを修正し,再リンクを行えばよいのです。
たとえばアメリカ製のWINDOWSアプリケーションを日本で販売しようとすれば,2バイト文字のハンドリングとリソースファイルを修正するだけですみます.また日本で作られた2バイト文字のハンドリングが可能なWINDOWSアプリケーションならば,リソースファイルの修正だけで,韓国や中国の2バイト文字圏向けバージョンを作ることが可能です。
MS-Cコンパイラを使ったアプリケーション作成手順は,
1 ソースプログラム作成。
2 MS-Cでコンパイルする。
3 MS-WINDOWS TOOL KITのICONEDIT,FONTEDITなどのユーティリティを使って,アイコンやフォントなどのアプリケーション用リソースを作成する.
4 メニューやメッセージなどのリソースファイルを作成する. 5 RCコンパイラを使ってリソースファイルをコンパイルする.
6 リンカを使ってそれぞれのオブジェクトをリンクする.
といった手順となり,特別な作業を必要としません。
 MICROSOFTCでは,MS-WINDOWSをMS-DOSを拡張する標準的な環境として位置づけています.MS-WINDOWSの環境下で動作するアプリケーションが増-加することにより,ユーザーは種々なアプリケーションをまったく同じ操作で使用でき、簡単にアプリケーション間のデータ交換ができるようになるでしょう.また,開発側の負担も大幅に減少し,より優れたアプリケーションが登場してくるのではないでしょうか.

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読み返してみるとWindowsが魅力的に見える。まあ、しかし、まともに使えるようになるのはWindows95からだったが。なんだか初期のWindowsはユーザをテスターとして利用していたのではないかとも思える。高い金を払ってテストしているのでは割に合わないのではなかったか。
ただマシンもテスターとしてユーザは金をつぎ込んできた。当時知人との会話で「俺たちが金を払ってマイコン産業を支えているんだ」とか言っていた。マシンなら性能が低くてもそれに適応した良いソフト主としてゲームだけどが登場してマシンを使っていた。だから、単純に損をしていたとは思わなかった。
事務処理ではワープロなら一太郎、表計算なら1-2-3でDOSは2.11とか3.1とかで十分だった。マルチタスクはできなくてもアプリ側で2画面用意して複数ファイルを同時に使って作業できた。ただし、複数のアプリを同時には使えなかった。アプリの切り替えを高速にできるようにするためはRAM-diskにアプリを登録していた。だからプロテクトがきついものはRAM-diskに置けなく使い勝手が悪いので購入しなくなった。
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マイクロソフト古川氏インタビュー(月刊ASCII 1987年2月号5)87年のOS環境を占う [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号の特集は「87年のOS環境を占う」だった。
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扉の縦書きあおりを引用する。
各メーカーが主力機種に80286を採用した昨年の動きのあと、今年はどのような変化がパーソナルコンピュータ界に訪れるのだろうか。MS-WINDOWSは新しい世代のソフトウェアを感じさせ、噂の新しいDOSは高度なOS環境を予感させる。基本ソフトウェアの動きはアプリケーションに多大な影響を与え、そうした影響はパーソナルコンピュータ全般に及ぶのである。こうしてソフトウェアの動きを中心に'87年のパーソナルコンピュータ界の動きを考える。
Windowsが盛り上がりを見せたのはWindows95のときだから、そのはるか8年前。一般ユーザは歯牙にもかけていなかった。ゲームもワープロも表計算も使い物になるソフトが無い状態でなぜユーザがWindowsを買うのだろうか。普通の一般ユーザは買わなかった。

次頁はマイクロソフト古川氏のインタビューだった。
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煙草を手にし格好いいではないか。
 PC-9801版MS-WINDOWSなど,OS上の環境を充実させるソフトウェアの登場によって,ようやく操作環境充実の時代がやってきたといえるでしょう.しかし,これは単なるユーザーインターフェイス-だけではなく、ソフトウェア開発の方向や今後のハードウェア,ソフトウェアについて大きな影響を与えるでしょう.ここではMS-DOS,MS-WINDOWSの開発元であるマイクロソフト株の古川社長にOS環境,今後の発展などについて聞いてみることにします.
――最初にMS-WINDOWSについてお話をいただきたいのですが.
 まず最初に言いたいのは、画面を分割してウィンドウを表示するのがMS-WINDOWSではないということです.Macintoshについても同じなんですが,その内側にある思想みたいなものが一番重要なわけです.そしてその思想に従い,規約にのっとってアプリケーションを作れば,ユーザーもソフトウェアを作る側も「楽」ができるのです.
 アプリケーションを作る側からいえば,ユーザーインターフェイスをどうするか,オーバーレイ構造をどうするか,とかマーウスドライバーを作ったり,いくつものプリンタをサポートするドライバを作るなど、アプリケーション本来の機能の部分以外にパワーを割いているという現状があります.本来,アプリケーションの本質的な部分,たとえば計算や言語処理などの部分に十分なパワーをかけるべきなのです.非本質的な部分をやらずにすむということは,単に楽になるだけでなく,たとえば新しい周辺機器が出てきてもドライバを組み込むことで従来のソフトウェアでも対応ができるわけです.
 日本のパーソナルコンピュータの場合には,過去の仕様が現在のマシンの足枷になっているという見方もできます.それは互換性の重視ということでもあるのですが,それゆえにもっとよい環境が提供可能であるのに,それができないのです.そういうことを打ち払うのがMS-WINDOWSの目指すところなのです.
 MS-WINDOWSにこだわるわけではないのですが,これからさきにCPUが変わったときに,すべてのアプリケーションの書き換えが必要になる,あるいはOSが変わったときにも書き換えるといったことを続けていてはだめだと思うのです.操作環境,書き換えなしにプログラムを動かせる動作環境,データの共有といったことをたえず考える必要があります.そういった方法が新しいハードウエアを100%活かす方法だと思うのです.ハードウェアの進歩はこの先も続いていくものです。仮想記憶の場合には、I/Oもアクセスできなければ,VRAMを操作することもできません。つまり,今は次の世代に通用しないような方法でソフトウェアを作っているわけです.
 操作環境の統一性については,これが実現されると1つのアプリケーションで覚えた知識で他のアプリケーションを使うことができるようになるわけです.それに対して,商品としてのアプリケーシヨンが差別化できない,といった反論がありますが,本来プログラムの思想というかユーザーに訴えるポイントがあるとすればそれは本来のプログラムの機能であって,画面の配置やコマンドの構造ではないはずです.こういった表面的な部分でしか個性を主張できないとすれば,エンドユーザーにとって混乱の元ではないでしょうか。
 過去にも,データの互換性をサポートしているソフトウェアはいくつかありました.しかし,プログラム自体は互換性がありません.しかしMS-WINDOWS上のプログラムは,プログラム自体の互換性も保証します.
 さらに,メニューやアイコンなどは,プログラム自体とは別になっているので,たとえば日本以外の国で作られたアプリケーションもリソースファイルを書き換えてリンクしなおすことで日本語のメニューを持ったプログラムにすることが可能です.このことは単に多国語対応ということだけでなく,メニューやその項目名の作成をコーディングと別にできるという利点をもっています.つまりプログラマがやるのではなく,プログラム全体を管理する人やマニュアルを作る人たちがメニューを作ることができ,責任の切りわけを行うこともできるのです.
 こういったところがMS-WINDOWSの大きな利点といえるでしょう.
――MS-WINDOWSを使うことで新しいハードウェアにも対応が可能だといいますが,今後登場する新しい周辺装置についてはどうお考えなのですか。
 あるメーカーがプリンタを作ったとすると,ソフトウェアハウスにお願いしてアプリケーションに対応してもらうとか,あるいは純正品のプリンタとコンパチブルにするしかないわけです.逆にソフトハウスから見れば,アプリケーションの対応できるプリンタは開発時点で利用できるものに限られるわけで,そのソフトの発売以後に発表されたプリンタにはソフトウェアのバージョンアップでしか対応しようがないわけです.
 逆にサードパーティがオプションのハードウェアを作る場合でも,そのハードウェア用のすべてのソフトウェアを用意する必要はなく,単にWINDOWS用のドライバを用意することで,システムに組み込めます.さっきのプリンタでもプリンタケーブルのようにドライバを添付することで,従来のアプリケーションに対応できるようになるわけです.つまり,特定のソフトウェア,マシンの組合せに依存しないハードウェアをすぐに利用できる形で供給できるようになるのです.
――MS-WINDOWSという今後のアプリケーションのありかたを変えるようなシステムが登場したという前提で,今後のパーソナルコンピュータ界の方向性についてお話しいただきたいのですが。
 来年再来年という話でいえば、デスクトップパブリッシングや286,386という話になるのでしょうが,その実態という観点から考えれば,ネットワークスのありかたが実用のレベルに達し,また8086,80286のアーキテクチャが認められて広まっている時代だと思います.
 それからキャラクタベースのアプリケーション――たとえばワードプロセッサやスプレッドシートですが――からグラフィックスベースのソフトウェアへの転換の始まる年だと思います.完全に移行するには,まだまだ時間がかかるでしょうが,今年はそのきっかけをつかむ年になるのではないでしょうか.
 現在の日本の状況を見ているとハードウェアではたしかにアメリカに追いつき,追い越したかなと思いますが,どういう環境でパーソナルコンピュータが使われているかを見てみると,アメリカでCP/M-80の上でWordstarが使われた時代,つまりディスクBASICを使うのではなく,OSの環境上でアプリケーションを動かすのが本来の目的だったと気付いてパーソナルコンピュータが広まり始めた頃に相当するのではないでしょうか.ここで日本の事情を考えてみると,ハードウェアに関しては先に進んでしまったのですが,今になってどういう環境でパーソナルコンピュータが使われるべきかということに気付くレベルにようやく到達したのじゃないでしょうか.
 デスクトップパブリッシングや新しいCPUといった,2歩先,3歩先のことは議論としては面白いのですが,その手前にある,たとえばネットワークスがはやってきたときに,それはどうやって使われるのか,その上で動くアプリケーションといった問題に関して実際に対応するといった時期なのではないでしょうか.
 そういった身近な問題といえば,80286を採用するマシンが当たり前となった今,過去に書かれたアプリケーションがちゃんと動くのでしょうか.80286と8086の細かな違い,たとえばゼロ除算エラーの場合などですが,その対策をあらかじめ組み込んであるかないかで,今になって大きく事情が変わってきます。もし何万本も市場に出回っているとしたら,どうすればいいのでしょうか.このように次の世代に対する備えをもっと幅広くやっておかないと,今後の対応がどんどん難しくなるのです.
 MS-DOSの新しいバージョンといった話は先々の話であって,そういう動向を踏まえながら,現在のものをどうするかということを考える必要がある,今はそういった時期ではないでしょうか.

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古川氏は5年先10年先の話をしているかのようだった。34年前の一般ユーザには共感を得られなかったはずだ。当時は8086,80286という腐れCPUを使っていた。使い物になるプログラムを作るにはアセンブラが必須でクロック数を数えてブラッシュアップしていた。カーソールがオーバーランするような言語道断な市販プログラムもあったほどだ。
IOポートをガンガン叩き、物理アドレスでメモリにアクセスしていた時代古川氏の言っているようなコードを書いたプログラムが実用レベルには到底達していなかった。ユーザは5秒経ったらリセットボタンに指が伸び、10秒待たされたらリセットボタンを押していた時代だった。8bitから使っていたユーザからは16bitのくせになんでこんなクズプログラムがあるんだと怒っていた(多分私の周辺の少数ユーザだけだろうが)






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コンピュータ業界・社会その他(月刊ASCII 1987年2月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からコンピュータ業界・社会その他の記事をスクラップする。

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「トップの座を勝ち取ろう 新生・三洋電機がスタート」
34年前の三洋電機は「資本金850億円、従業員3万5000人、年間売上高1兆1500万円とわが国でも有数の家電メーカーとなる」どうしてこの会社が無くなったかのかな?「技術が同社の経営の柱であることを強調」と言っていたのにな。

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「ハイテク外国企業のトップは松下」
米国におけるハイテク外国企業売のトップは松下電器(売上高65億2000万ドル)だった。
以下、ソニー、日本電気、東芝、三洋電機、キヤノン、三菱電機
やはり三洋電機は上位につけている企業だったんだ。しかし、富士通とかシャープがないな。

ASCII1987(02)b02_富士通シンガポールで半導体生産_W520.jpg
「富士通、シンガポールで半導体生産へ」
34年前まえから半導体のサプライチェーンがあったのか。
富士通以外にはApple、松下電子工業、日本電気、日立製作所も進出していた。円高対応策の一環であるとのこと。プラザ合意(1985年)で1ドル235円から1987年には150円台にまで円高が進んでいた。

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「韓国・金星半導体、256Kbit SRAMを輸出へ」
34年前は韓国もメモリ産業に食い込んできていた。金星半導体はその後LGになった。

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「住友金属がソフト開発会社を設立」
まあ、猫も杓子もソフト開発ということか。

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「明治乳業がパソコン通信の運営会社を設立」
これは、猫も杓子もパソコン通信の運営にかかわったということか。

ASCII1987(02)b04_パソコン通信PLAZANET_FENICS開始_W520.jpg
パソコン通信「PLAZANET/FENICS」が開始
これも猫も杓子もパソコン通信。サービス料金は30円/分。従量制だった。

ASCII1987(02)b11_ICOTが第5世代_W520.jpg
ICOTが第5世代コンピュータの研究者を受け入れ
通産省のやることだもの予算を使うことが主眼だったのではと思ってしまう。

ASCII1987(02)b02_マイコン中級試験_W520.jpg
マイコン中級試験実施へ
日本情報処理開発協会が通産省と郵政省の共管団体というところが34年前だ。

ASCII1987(02)b09_モナリザはダビンチの自画像?_W520.jpg
モナリザはダ・ビンチの自画像?
クエスチョンマーク付きの胡散臭い記事もASCIIIには載っていた。

ASCII1987(02)b04_コピー著作権料徴収機関設立へ_W520.jpg
コピーの著作権料徴収機関設立へ
プログラムのコピーかと思ったら、紙の複写機の話だった。JASRACのような物を作ろうとしたのか。

ASCII1987(02)b07_文化庁ソフト情報センターを著作権_W520.jpg
文化庁、ソフト情報センターを著作権登録機関に
プログラムの著作権は文化庁の縄張りとしたいと思っていたようだ。

ASCII1987(02)b04_エレクトロニック・ライブラリー設立総会_W520.jpg
エレクトロニック・ライブラリーが設立総会
新聞、通信、出版社が共同で記事データベースを作るということ。これ生き残ったのか?

ASCII1987(02)b01_コンピュータシステムの不正防止対策は不十分_W520.jpg
コンピュータシステムの不正防止対策は不十分 警察庁が電算機不正使用調査を発表
34年経っても不正防止対策は不十分であります。これはどうしようもないことなのだろう。

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派出所に携帯用パソコン導入
これは警視庁の独自の施策で東京だけの話。こういう事業は各都道府県の予算でするもの。警察庁が全国都道府県に整備したりするものについては警察法に定められているものしかできない。

ASCII1987(02)b01_広がるテクノストレス_W520.jpg
広がるテクノストレス IC工場で半数の労働者が神経障害を訴える
これマジ?クリーンルームで働く人はこうなるんだってさ。
あと、「コンピュータや身分証代わりのIDカードによる圧迫感」を訴える人が多いって34年後そんなことが問題となっている話を聞いたことはない。気のせいではないか?





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ワープロ、その他のハード(月刊ASCII 1987年2月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からワープロ、その他のハードの記事をスクラップする。

ASCII1987(02)b08_PC-98LT記者用ワープロ_W520.jpg
「日電がPC-98LTをベースにした記者用ワープロを発売」
NEWS・WRITER で 378,000円。3年間で5,000台の販売を見込んでいた。
記者用の辞書があったり、通信できるとかなかなかいいと思うが、どの位売れたのだろうか。
今では記者が会見場などでキーボードをたたいているが、34年前はそうではなかったはずだ。カセットレコーダーとメモのはずだ。

ASCII1987(02)b07_ブラザーワープロ_W520.jpg
プラザーのピコワード4100が69,800円と低価格で発売。40文字×5行の液晶ディスプレイだった。なんか売れそうに思うのだがどうだったか。

ASCII1987(02)b08_毛筆Panaword游_W520.jpg
松下の Panaword遊 FW-15 価格118,000円。月産3,000台を計画。毛筆印字ができるのが売りだが、年賀状のことを考えると11月には発売しておかねばならなかっただろう。

ASCII1987(02)b04_シャープCASLポケコン_W520.jpg
シャープはMZ、X1、X68000のパソコンだけではなくポケコンにも製品を展開していた。34年前は勢いのある先進的な企業だった。
PC-1445は情報処理技術者試験のCASLを使えるポケコンだった。既に目の付け所がシャープだった。価格は17,800円

ASCII1987(02)b04_シャープ漢字通信ポケコン_W520.jpg
PC-1605Kは漢字が使えて、RS-232Cが使えるポケコン。絶えず進化を続けていた。

ASCII1987(02)b07_シャープ電子手帳_W520.jpg
電子手帳PA7000は19,800円。電子手帳でやっと漢字表示ができるようになった。まだまだ実用レベルとは言えない。

ASCII1987(02)b07_カシオ液晶カラーテレビ_W520.jpg
カシオ計算機の液晶カラーテレビ TV-300が発売された。19,800円と激安だが、72×114×22.4mmとかなり小さい。用途は何で、ターゲットはどんなユーザだったのか。

ASCII1987(02)b12_カシオ電子スチールカメラ_W520.jpg
カシオはカメラも出していた。電子スチールカメラという。34年前はデジタルカメラではなかった。
画素数は約28万画素。外観はカメラというよりビデオカメラというものだった。

ASCII1987(02)b06_90で多色表示フレームバッファ_W520.jpg
PC-9801シリーズはPC-9801VX2でも640×400ドットで4096色中16色しか表示できないためフレームバッファが登場した。どれも使ったことも使っている機械を見たこともなかった。一般ユーザにとっては多色表示への欲求はそんなに高くはなかった。高い金を払っても表示する対象がなく、自分で作らねばならない。

ASCII1987(02)b06_ADG98_W520.jpg
(株)アルファ・ベータのADG98は320×200で4096色表示。価格は128,000円

ASCII1987(02)b06_PERSONAL_LINKS_W520.jpg
(株)トーヨーリンクスの PFB-1 は640×480ドットで1677万色。価格は30万円。

ASCII1987(02)b06_SUPER_FRAME_W520.jpg
(株)サピエンスのSUPER FRAMEは640×400ドットで1677万色。価格は158,000円。
上記3社とも知らない会社だ。

ASCII1987(02)b04_キヤノンがバブルジェットプリンタ_W520.jpg
キヤノンのバブルジェットプリンタ BJC-480 が発売されたが価格は480万円ととんでもない価格のきかいだった。どこ向けの製品だったのだろうか。

ASCII1987(02)b09_DAT国内で早期発売_W520.jpg
DATは著作権問題で技術開発は終わったが発売に待ったがかかった機械だった。「87年前半にも発売する方向で検討を開始した」とあるが、この表現では無理だったのではないかと予想している。今後のスクラップ作業で答え合わせをしよう。

ASCII1987(02)b12_日電μPD72120_W520.jpg
日電が新たなGDC(μPD72120)のサンプル出荷を開始したという記事。このGCDはどのPC-98シリーズに使われたのだろうか。

ASCII1987(02)b02_ソニー1MbitSRAMを開発_W520.jpg
「ソニー、1Mbit SRAMを開発」34年前の日本はLSIの製造技術で最先端を走っていた。

ASCII1987(02)b07_日本鋼管半導体用シリコン_W520.jpg
「日本鋼管、半導体用シリコン本格生産へ」この辺34年前の日本企業は凄かったと思う。
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MZ-2520、米国業界(月刊ASCII 1987年2月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からパソコン、米国業界関係の記事をスクラップする。

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シャープのMZ-2520は約9万語の辞書ROMが売りの機械だった。

ASCII1987(02)b11_松下MSX2ワープロパソコン_W520.jpg
松下がMSX2ワープロパソコンを発売。MSX2に一体型のプリンタを付けたマシンで価格は138,000円。多分ワープロが主でMSX2が従の機械だったのだろう。

ASCII1987(02)b05_NTT16ビットマシン_W520.jpg
NTTもパソコンを販売していた。Simple Station 2 はモデル1が316,000円、モデル2が346,000円、モデル3が505,000円だった。1年間で1万台の販売をみこんでいる。少なすぎないかこれ。

ASCII1987(02)b10_日本DEC_VAXmate_W520.jpg
日本DECのIBM PC/AT コンパチマシン VAXmate は 823,000円とお高いパソコンだった。

ASCII1987(02)b10_インターフィード_パソコン_W520.jpg
インターフィールド・システムINC という会社は記憶にない。 Limelight 2020 のハードウエアは(株)リコーが行っていた。価格は 415,000円 で月販750セットを見込むということだから年9,000台で先述のNTT のSimple Station 2が年間1万台であることを踏まえると、の程度で採算が取れたのだろう。

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34年前は全く関心がなかったのだが、今読むと記事がなかなか面白いのでスクラップする。
80386マシンが好調な滑り出し
87年前半はラップトップも面白い?

 32bitCPU80386を搭載したIBMPCクローンが売れている.Compaq社が86年9月に発表した「DeskPro386」は、発売から3カ月で1万台以上を出荷し,製造ラインはまだ需要に追いつけない状態だ.販売店によると,386マシンの人気は高まる一方で,そのせいか80286CPUを搭載したPCクローンの売れ行きにも陰りが出ているという.
 わずかに健闘しているのは,東芝のT3100などに代表される重装備のラップトップ・クローンである.86年後半から顕著になってきたPC/ATのラップトップ化が,T3100の発表で火が付いた感じだ.IBM社もPC Convertibleの80286バージョン(20MbytesのHDDはオプション)を今春にも発表するといわれ,87年前半はラップトップが市場を席巻するのでは,と予測する業界アナリストもいるほどだ.ちょうどIBM社がPC/XTやATを発表した後に,ラップトップのPCクローンが爆発的に売れた状況と似ている.CPUが一つ上になるたびに,従来のデスクトップマシンをラップトップ化したマシンのブームが到来している.今年の後半には,IBM社が80386マシンを発表するというのが“定説”のようになっているが,そうした観測にしっかりと乗って,一早く従来機種のラップトップ化に走るクローンメーカーが増えそうだ。
 80386マシンといえば,PC/XT286(写真)の販売実績が同時期に発表されたDesk Pro386に足を引っ張られて伸び悩んでいるという.もともと売れ筋の主流を担うようなマシンではなかったわけで,例えば内蔵ハードディスクのアクセスタイムが平均385ミリ秒とATのそれの2倍以上遅いことなど,登場早々にして評判は良くなかったのだ。ちなみに米国人は,こうしたドライブのアクセスタイムやCPUのクロック周波数に無頓着と思われがちだが,洋の東西を問わずうるさい人間はいる.XT286は,近いうちに発表される8086ベースのNewPCと同時に多少のスペックアップが行われる,と予測する業界アナリストもいる.

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日本が80286マシンがやっと販売されだしたころ、米国は80386マシンの売れ行きが好調だったとは。日本は遅れていたのか。34年前はそんな感じは持たなかった。
笑えないユーザー心理

 冒頭にDesk Pro386が売れていると書いたが,ユーザーは必ずしもこの製品に満足しているわけではないようだ.販売店によると,Desk Pro386を購入するユーザーは,必ず最新バージョンのDOSも同時に買うという、最新バージョンのDOSといっても,当然80386に対応したMS-DOS(PC-DOS)があるわけではない.
 “少しでも新しいDOSなら…"という単純なユーザー心理ということだが,これは笑えない心理だ.いくら処理速度が向上したといっても、対応する専用DOSがないようでは真の80386マシンとはいえない,と嘆くユーザーの声にクローンメーカーが応える術はない。
 Microsoft社のADOS(Advanced DOS,従来のバージョンを継承するとMS-DOSバージョン5.0)の動向が,にわかに注目を集めているのはこうした背景にもよる.MS-DOSバージョン4.0は,英国のAprico社が「ZEN」というマシンにすでに採用して販売しているが,これはコンカレシンーなDOSで,事実上はバージョン5.0に相当するものだ。しかし,バージョン4.0は80386ベースのDOSではない.見方としては8086対応のコンカレンシ-DOSというのが妥当だADOSは、IBM社の80386マシン登場と時を同じくして発表されるだろうが,その時にIBM社の80386マシンがDesk Pro386などの先行クローンマシンとは異なるスペックを持つCPUを搭載していることも考えられる.当分の間,80386マシンユーザーの専用DOSを求める声は虚しく響きそうだ.
80386マシンのOSの話。もうWindowsではないかと思ったらMS-DOS 5 だった。当時米国のユーザは何を求めていたのか。
WINDOWS EXCELのβバージョン

 Microsoft社は、Macintoshのベストセラー統合型スプレッドシートソフト「EXCEL」を,MS-WINDOWS上で走る「WINDOWS EXCEL」として移植を進めている.ベータバージョンが,本誌の発売前に発表されているかもしれない.WINDOWS EXCELは,処理スピードの問題でPC/ATとそのクローン以上のスペックを持つマシン上でなければ十分な機能を発揮できないらしい.また,ADOSにも対応しているといわれているが,詳細は不明である.ただ,Lotus1-2-3とデータレベルで互換性を持たせているのは確かなようだ.
IBM PCの表計算ソフトはLotus 1-2-3が市場を制覇していた。EXCELが取って代わるにはOSがWindowsになってからだった。

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「ロータスのシンフォニーに対する疑い晴れる」
フロリダ州の建設会社ジェームズ・A・カミングス社がロータスのシンフォニーにバグがあったから損こいたと訴えたが、その訴訟を取り下げたとのこと。結局ユーザのミスだったのだろう。

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「IBM退職希望者、1万人強に」
ビッグブルーと呼ばれていたIBMの退潮がこのころすでに表れていた。
まさか天下のIBMがパソコン部門を中国企業に身売りするとは、34年前にそんなことを予言しても誰も信じなかっただろう。
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パソコン広告(月刊ASCII 1987年2月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

もう一度読み返し、スクラップする。

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裏表紙は前号に引き続き、FM77AV40ひょうーげん族だった。

2月号の広告から、まず表紙見返し。
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PC-98XLもPC-9801シリーズとの互換性が不完全でしかも価格が高い。ハイレゾモードもそのモードでなければならない必然性がないというか、ハイレゾモードでなければ使い物にならないソフトが少ないので買ってもらえない。

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PC-8801シリーズ(PC-8801MH、PC-8801FH)は久々のアイドル起用広告で斉藤由貴だったが、前号と比べ物凄く小さくなった。製品に自信があってアイドルの力はそんなにいらないということか。

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シャープのスーパーMZの新製品MZ-2520はとうとうカセットテープが無くなった。ただMZ-2531はカセットテープが使えた。過去の資産たぶんユーザのデータを使いたい人が一定数いたのだろう。私の知人にもいた。自作プログラムを旧機種で使っており、買い替えるマシンでもそのデータを使いたいのだ。

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X68000の広告は前号の使いまわし。発売予定が2月の先行広告だった。私はX68000が大成功すればいいなと思っていた。しかし、パソコンの歴史は私がこうなって欲しいと思ったことは何一つ実現しなかった。それどころか、こうなって欲しくないなという歴史であった。

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シャープのX1turoZは前号の使いまわし。

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FM77AV40はこの号も前号の使いまわし。

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FM16βはこの号も前号の使いまわし。

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左頁が日立ソフトウェアエンジニアリング(株)のUNIXマシン 50UX。「お待たせしましたついに登場!!」って誰が待っていたのだ?
右頁がアップルコンピュータ国内販売元キヤノン販売株式会社によるMac Plusの広告。アップルは米キヤノンとの契約を総代理店から「ただの代理店」に格下げした。これはその後初めて見るキヤノンのMac広告のような気がする。

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一太郎は毎月見開き広告を掲載している。「圧倒的支持。」と自信満々のあおりがあった。まあ、それはそうであった。

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ジャストシステムの花子の先行広告。私は花子と相性が悪く最後まで使いこなせなかった。私の「こうしたい。ああしたい」が花子の操作と合わずダメだった。知人は花子できちんと資料を作成していた。ソフトウェアにも相性というものがあると思った。
以下、花子の広告あおりをスクラップする。
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右頁がPC-98LT専用のサスケというワープロの広告で前号の使いまわし。一太郎Ver.2と互換性がある。これ一つをみてもPC-98LTというマシンはPC-9801シリーズとは互換性がない別マシンということが分かる。34年前、互換性が売りのNECがどうしてこんなマシンを出したのかとNECを憐れんでいた。

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エプソンのインクジェット漢字プリンタHG-2500。なんと白黒印刷しかできないのに248,000円もした。

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左頁がエプソンのドットインパクト漢字プリンタVP-135Kは 148,000円であった。もちろん白黒。

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左頁上がイメージスキャナGT-3000で 198,000円。
右頁が20メガのHDDで198,000円。
34年前、周辺機器を買いだすとあっというまにパソコンシステム総額が100万円超えとなった。

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裏表紙裏の広告はこの号もサバティーニもといFUJI FILMのフロッピーディスクの広告で前号の使いまわし。

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ログインの広告とべーしっ君。

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新世代への鍵、編集部より(月刊ASCII 1987年1月号10) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号の連載の新世代への鍵はデータ駆動型計算機(リダクション・マシン)は
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何のことか理解できなかったので、最後のコラムをスクラップする。
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独白:
 この連載のFile.8(10月号)の記事について,横浜市の齊藤さんよりいくつかの指摘を受けましたのでお答えしたいと思います。
 齊藤さんの指摘の第1点は,「VAXの複合命令は,必ずしもFORTRANのDOループの高速化のために作られたとは言えないのではないか?」というものでした。つまり,複合命令はC言語のforループなどにも利用できるではないかということです。
 御指摘のとおり,例えばUNIXのCコンパイラではforループに同じ複合命令を利用しています.しかし,ここで注意していただきたいのは,設計の目的とその結果から起きる副次的な効果とは違うということです.つまり,VAXの複合命令がC言語のforループにも利用できたとしても,あくまでもVAXの設計の目的はFORTRANの高速化にあったということです。
 もう1つ付け加えるならば,FORTRANのDOループが終了条件の判定をループの終わりで行っているのに対して,Cのforループでは終了条件の判定はループの最初に行われるという違いがあります。そのためUNIXのコンパイラで比較すると,Cではループに5命令を費やしているのに対し,FORTRANでは3命令ですんでしまっています.
 もう1つの御指摘は,「RISC-IがVAXの2倍の処理速度になったというが,VAXにはいろいろな種類があるので,どのVAXの2倍なのか」ということでした.これは,全く私の不注意でした。比較に利用したのはVAX-||780です.我々の会話では、普通VAXと比較するというと暗黙のうちに780を指していたため,このようなことになってしまいました(最近は8600になりつつありますが).
 ただ,齊藤さんも指摘されているように,モトローラとインテルがそれぞれMC68000とi80286を相手より速いと言っているのを見てもわかるように,ベンチマークというものは非常に難しいものです.したがって,このRISC-Iの報告にも賛否両論があることをここに付け加えておきます.
 大型計算機が研究室等で使われていたころFORTRANのDOループを高速化するために、その命令に特化したベクトル演算を装置化したりしていたので解説に納得した。それと「モトローラとインテルがそれぞれMC68000とi80286を相手より速いと言っている」という記事は読んでいなかったので知らなかった。そうだったのか。

最後の「FROM THE EDITORIAL OFFICE」が面白かったので、スクラップしておく。
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ワードプロセッサの普及
 友人の勤める会社に,「社内での論文は万年筆で書かなくてはいけない」という決まりがあると聞いて,少し驚いている.その会社はいわゆるメーカーで,彼はそこで,測定機に組み込むプログラムを開発している.自宅にはパソコンがあり,ワープロソフトも利用している.そんな彼が,レポート用紙十数枚にもわたる論文を鉛筆で下書きし,日曜日一日かかって万年筆で清書したのだという.
 なぜワープロではいけないのか?日頃からワープロで原稿を書いている自分としては,当然の疑問である.その結果分かったのだが,彼の職場には10人に1台程度の割合でしかワープロが設置されていない.パソコンもあるのだが,プログラム開発にしか利用していない。そのうえ社内のワープロはルーチンワークで使用しているので,論文書きに利用するわけにはいかないとのことであった.ここで驚いたのは、ワープロの普及率が僕自身の感覚と比べてずっと低いということである.そういえば,ビジネスショー来場者へのアンケートでも,ワープロの所有率は30パーセントに満たないという結果が出たそうだ。
 長い間手書きでドキュメントを作成してきた人にとって,ワープロへの移行がかなり面倒なのは理解できる.しかし、慣れてしまえばメリットは大きいはずだ単に効率が上がるだけでなく,ドキュメントの品質も確実にアップする。
 パーソナルコンピュータの最大の魅力は,さまざまな可能性を秘めている点にある.そのなかで,ワープロは一つの可能性でしかない.とはいえワープロが市民権を獲得することは、パソコンユーザーへも直接、間接にメリットをもたらすものと確信している.ワープロのさらなる普及に期待したい. 土田米一
 これも良く分かる。34年前はワープロで印刷した報告書を否定的に言う人が結構いた。曰く「ワープロは作成に時間がかかるので手書きで早くよこせ」ということだった。私は手書きだと誤記等の書き損じがあり、まともな報告書を作るのに時間がかかった。ワープロソフトで作成する方が早かった。文節を移動したり、単語を変えたり、推敲したものを提出しなければ報告書と言えるものにならなかった。だから、ワープロで印刷したものをみてボールペンで罫紙に書き写したものを提出したこともあった。
 ワープロソフトで作成する利点は毎年同じ時期に必要となる文書の場合顕著であった。前年の文書に上書きして提出するのだ。手直してするのが趣味の上司に修正を指示されてもワープロソフトでならラクチンだった。


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