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MS-DOSユーザーズ・ワークベンチ、シムシティ(月刊ASCII 1989年6月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号の「MS-DOSユーザーズ・ワークベンチ」はconfig.sys,autoexec.batの解説だった。昔は多くのパソコンユーザが作ったものだ。
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まず、すらそうじ氏の漫画をスクラップする。
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普通は、この漫画のように書き換えて使うのではなく最初に大体1回書けば終わりだった。
RAMディスクとかEMSメモリを追加したときに書き換えるくらいだった。

config.sysとautoexec.batのチップスがあった。懐かしい。
もし,filesの値をなにも指定しなかった場合,filesの値は8になる.これは,8ドアのクルマと同じで,これならすべてのドアを同時に開けることができる.

空行だけが入ったファイル,あるいは0バイトのファイルを用意して,autoexec.batという名前にしておけば,command.comは、何もしないでプロンプトを表示するだろう(写真1)。
以下図、写真などをスクラップする。
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この号にはシムシティの紹介があった。Mac版だったが、後から発売されたPC-9801版では長い時間遊ばせてもらった。
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以下写真をスクラップするが、懐かしくてたまらない。
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感想を書く代わりに本文をスクラップする。全く同じ思いだった。
 世の中には、筆舌に尽くし難いとしか形容できないものがある.「SimCity」の面白さなどはさしずめその部類に入るだろう.
 「SimCity」は,なんの前触れもなくいきなり登場したゲームである.一言で言うと都市計画のシミュレーションなのだが,これがその言葉からは想像もできないほどの面白さを持っている。まあ,想像できない面白さを説明しようというのはかなり難しいのだが,とにかくできる範囲でやってみよう。
 ゲームは,先ほども書いたように都市計画のシミュレーションである.と言っても,いわゆるビジネスゲームのような数字とグラフだけのゲームではなく,都市計画という非常に堅い物事を完璧にグラフィック化している.ゲームの最初の段階で,プレイヤーは自分が都市を作ることになる土地と一定額の資金(ゲームの難易度によって額が変わる)を与えられる.この土地はまったく整備されていない荒れ地で,ここに一大都市を築き上げるのがゲームの目的だ.
 都市を作るとはどういうことか?これは要するに,都市に必要となる要素を大地に用意し、そこに人々が集まって来るような環境を整えるということである.このゲームでは,都市の要素はいくつかに分類されている.まず居住区域,そしてそれに付随する商業区域と工業区域。これらに電力を供給する発電施設と送電線.道路と鉄道港と空港警察署消防署公園とスタジアム,これらの要素はそれぞれ建設するのにコストがかかり,維持費がかかるものもある。で、最初与えられた資金でこれらの設備を作り,それ以後は都市に集まってくる人々から税金を徴収し,さらに都市を発展させていくわけである。単純に言ってしまえば,それだけのゲームなのだ.
 プレイヤーは、最初の資金でまっさらの土地を整備し,ここに居住区域と発電施設を作る.すると,当然この居住区域に人が集まってくる。人が住み始めれば彼らに働く場所を与えなければならないし、生活するための場も作らなければならない。そこで商業区域や工業区域が必要となる.働く場所ができれば,また人口が増える.そこでまた居住区域を作る。そのうちにこの区域の間を交通機関で結んでやる必要も出てくる。こうやって都市に活気が出てくれば,また新たな商業区域や工業区域が必要となる.最初のうちはこの繰り返しである.
 だがシミュレーションとうたっているだけあって,「SimCity」はこの程度の簡単な繰り返しでは終わらない都市開発に関係するかなり細かい要素まで考慮され,いろいろと影響を持つようになっている.
 居住区域を例に取ってみよう.居住区域には、その土地の価値の高さや人口密度の具合などにより,スラムやまったく人が住んでいない状態から高級マンションまで,32種類の形態が用意されている.土地の価値は,近くに水があるか(湖や河の近くは環境がよい),交通の便はよいか、商業区域が近くにあるか,都市の中央部に近いか、犯罪の発生率は低いか,公園はあるか,火災は起きにくいか、環境の汚染度は低いかといった要素で評価される.そして,こういった要素により決まってくる土地の価値と,都市全体の人口の割合から人口密度が算出される.
 土地の価値が高ければ,当然そこには高額所得者しか住めないだろう.都市全体の所得層が低ければ,ここに人が集まるのは無理な話である.当然,より価値の低い土地に人口は集まることになる.そして,そういったところが用意されていないと,都市自体から人ロが流出することになる.こういったさまざまな要素が関係して、最終的に都市全体の人ロが定まってくるのである.
 港があれば工業区域が発展する.飛行場を作れば商業区域が盛んになる.スタジアムを作れば都市の収入が増え、公園があると土地の価値が上がる。もちろん治安維持のためには警察がなければならないし,火災を防ぐために消防署も用意しなければならない。プレイヤーはさまざまな状況を考えながら,こういった要素を都市に加えていく。
 ゲームの前半はこれらの要素を配置して都市を大きくしていくだけでよいのだが,ある程度の時点からは都市につきもののさまざまな問題も派生してくる.
 道路があれば交通渋滞が生じる.これに対処するためには,新しい道路を作るか鉄道網を整備しなければならない。工場が増えれば環境は悪くなる。対策としては工場区域を移転させるか公園を増やすかしかない。そして都市の範囲が広がれば,警察の治安維持能力は当然落ちる.これに対しては新しい警察署を作り,さらに警察に回す予算も増やさなければならない。
 長い間には地震やたつまき,洪水が都市を襲うこともある。また,環境汚染が進めば怪獣(!)が都市に上陸することもある.災害対策のためには,事前に消防署を用意しておく必要もある.
 プレイヤーはこういった諸問題に対処しながら,都市の発展のための活動も続けていか なければならない。
 ゲームには特に勝利条件のようなものは用意されていない。無限に続くシミュレーションの世界で、大都市目指して都市計画を続けていくわけだ。この終わりがないというのが,なんといってもこのゲームの凄いところだ.とにかく始めると延々続けてしまう、麻薬的な魅力の原因ともなっている.
 さらにこのゲームでは,一つ一つの要素の発展の具合が,絵の変化で分かるようになっている。最初の頃は居住区域にポツポツと小さな家が建っていくだけなのだが,ゲームの中盤あたりになると豪華なマンションが建ち並ぶことになる.道路を作ればそこに自動車が走り始める。スタジアムを作ればフットボレールの試合が行われる.都市の中心部に商業区域を配置したらあっと言う間に巨大なビルになってしまったり、水辺に作った新興住宅地が即座に高級マンションになったりと,なんだか動く箱庭を見ているようで,これだけでも楽しめてしまう。
 ゲーム自体の操作性は抜群によい。プレイヤーはアイコンで示されている要素をマウスでクリックし,これを好きな位置に配置していくだけでよいのである。ほかにプレイヤーが行うことと言えば、せいぜい税率を決めることや警察、消防に予算を配分するだけである(これもまったく面倒ではない。細かい計算はすべてソフトがやってくれる)都市の状況を把握するためにさまざまな状況をグラフで示してくれるモードもあり,さらに問題点や市民の要求を理解するためのモードも用意されている.まあ、とにかくよくできたソフトなのである.
 最初、なにもない大地に将来の都市を夢見ながら居住区域を配置するときの快感には相当のものがある.この都市をどういう形に発展させるか,それを計画するだけでもうれしくなってしまう。港と工場区域を早めに整備して港湾都市として発展させるか,それとも飛行場を中心とした商業都市を作るか,最初の計画によって同じ土地からまったく違った都市ができあがる.どのあたりに居住区域を集中させるか,工場区域はどこに集中させるか、将来の影響まで考えながら計画するのもまた楽しい。おまけに、これが計画通りうまくいったりすると,さらに快感は倍増する。逆に考えなしに都市を作り始めると,すぐに状況が破綻してしまう。この計画の立て方などは,ゲームの理屈が分かっていなくても常識的に考えればちゃんとその通りになってくれる.
 ゲームの中盤になると,スタジアムを作ってやらなければとか,高級住宅街を整備してやろうとか,なんとなく自分の都市とその住民に愛情さえ感じ始めてしまう。逆に災害で被害を受けたりするとショックも大きい。特に計画通り大きくなってきた区域に火災などが起きると,思わず呪いの言葉を吐きたくなってしまう.
 と、ここまで書いても、やはりこのゲームの麻薬的な魅力は伝え切れていないような気がする.なにしろ,今までに例がないとんでもなく変わったソフトであるから,このすごさは実際に遊んでもらわなければ分かってもらえないかもしれない.
 しかし、このソフトを見て思うのは、アメリカのゲーム界の底力の凄さである.「SimCity」はMAXISという今まで聞いたことがないソフト会社の作品だが,一見ゲームにはならないような題材を取り上げてここまで見事なゲームに仕上げてしまう能力と,さらにそういった革新的なソフトを作らせてみようという冒険心。こういったパワーがある限り,まだまだアメリカのゲーム界からはとんでもないものが生まれてくる可能性がある.
 とにかく、久しぶりに完全に脱帽のソフトである.コンピュータゲームの可能性を切り開いたソフトとして,ぜひ一度は遊んでみてほしい。  (多摩豊)
SimCity(MAXIS,発売:Broderbund)Macintoshplus/SE/II,AMIGA 8000円で購入

もうこのとおりだ。面白くて何日もはまってしまった。交通渋滞がいやで道路のない鉄道だけの都市を作ったこともあった。何回もやり直して楽しんだ。ゴジラは嫌だったので設定で登場しないようにした。その後バージョンアップされグラフィックスは綺麗になり、さらに3D化したグラフィックス版のものも出たが、この初期版が一番面白く中毒になる。リアルになるにつれて中毒性は消えていった。
今はブラウザ版があるようだ
初代シムシティをWindowsで無料で楽しむ
2016年の情報なのでできるかどうかは分からないが一応メモっておく。

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特集HDD(月刊ASCII 1989年6月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集「失敗しない大容量ハードディスク選び'89」を一部抜粋してスクラップする。
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HDDの価格が倍々で下がっている
 かつてHDDといえば,一般ユーザーにとっては高嶺の花であった.それが,図1からも分かるように,ここ2~3年でHDDの記憶容量あたりの単価は1年ごとに約半分になっている.1987年に10Mbytesで10万円したものが,1988年には20Mbytesで10万円,そして今年に入ってからは40Mbytesで10万円を切っている.
 最近では,80~100Mbytes,さらには300MbytesクラスのHDDが一斉に登場している.このクラスになると,記憶容量あたりの単価は2000円/Mbytes以下になっている.
 もちろん,いくらバイト単価が下がったとはいっても、個人ユーザーが使うHDDの容量は限られているし,1台あたりの価格も無視できない。しかし,それらを考えあわせても,周辺機器としてHDDは購入しやすい機器になったといえる。逆に,HDDを持っていなければ,アプリケーションを満足に動作させられないという事態さえ出現している。大げさな表現を使えば,購入に踏み切れずに悩んでいるといった状況ではないのだ。


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33年後はというと6T(6,000,000M)が1万円前後と大体100万分の1程度まで値下がりしている。

80Mbytes以上のHDDが続々と登場
 こうした背景には,MS-DOSマシン上で大容量HDDを使える環境が整ってきたというポイントがある.MS-DOS Ver.2.1では,1ドライブとして扱える容量は20Mbytesまでだった.それ以上の大容量HDDを使う場合は,20Mbytes以下に分割して,たとえば20Mbytes+20Mbytesといった使い方を余儀なくされていたのである.
 それが,MS-DOS Ver.3.1で1ドライブ40MbytesまでOKとなった。さらにVer.3.3ではSCSIバスがサポートされたため,100Mbytesを超えるHDDも接続可能になっている.
 100Mbytes以上のHDDは、ごく最近まで,ミニコンやワークステーション分野のものだった。そのため,外形サイズは大きく,高価格であった.しかし,最近発売されているPC-9801用の100MbytesHDDは,5インチハーフハイトのユニットを使い,コンパクトなサイズを実現している。価格も個人ユーザーが買えるレベルになっている.

今では信じらないけど1台のHDDを分割して使っていた。これが癖となってWindows95以降も分割して使っていた。私はC:ドライブをシステムに、D:ドライブをアプリケーションにE:ドライブをデータにと3分割して使っていた。Windowsを再インストールしなければならないことが度々あり、その都度アプリケーションも再インストールしなければならないことがありD:ドライブにアプリデータが残っていると便利だった。当然E:ドライブのデータはMOとかCDRとかにバックアップしていた。

大容量HDDの価格はどこまで下がるのだろうか
 さて,こうしてHDDの低価格化が進んでくると,行き着くところはどこなのかという点が関心の的になる。待てば待つほど安くなるのではないかと思っていると,いつまでたっでも買えないということになる.そこで,HDDが安価な米国を目安として見てみることにしよう.
 今年3月に米国の通販業者が送ってきた最新のカタログを見てみると,HDDの価格は表1のようになっている.
 もちろん,表に掲げたのは,裸のHDDユニットの価格である。IBM PCは,本体内にHDDを取り付けるスペースがあらかじめ用意されており,電源も本体から供給できる.つまり,HDDとインターフェイスボードを購入してユーザーが本体に組み込むだけでHDDが使えるようになるわけだ。
 一方,日本のHDDは外付け型がまだ一般的だ。つまり,価格にはケースや電源,ケーブルの価格も含まれているし,多くはインターフェイスボードも含んでいる.
 実際に,米国のカタログ価格と秋葉原の実売価格を比較してみると,20~40Mbytesクラスに限ればほとんど同じといってもいい。ということは,このクラスのHDDの価格は,そろそろ底値といっても差し支えないだろう.何につけても米国より3~4倍はする日本製品の中で,これだけ日米の価格が接近しているコンピュータ機器は少ない。


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33年前は1ドル130円程度だったのか。円安が続いている33年後だが、33年前は円高で大変だった。

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HDDについてまわる3つの暗号
 HDDの話をする時に避けて通れない単語がある.「ST-506」と「SCSI」だ.さらに,PC-9801およびX68000ユーザーには「SASI」という用語も重要になる.
 SASIは,Shugart Associates社が開発・公開している,コンピュータとHDDのコントローラ間の通信規格である.読み書きしたいデータの位置の特定には,装置番号とセクタ番号を指定するだけでよいという,マシン側からすれば手間のかからないインテリジェントな構成になっている.現在PC-9801用の大部分のHDDは,この規格を利用している.
 SCSIは,SASIを拡張する形でANSIが標準化したもので,米国などではパーソナルコンピュータの周辺機器への標準的な接続方式になりつつある.
 一方,ST-506はHDDメーカーのSeagate Technology社が設計した規格で,SASIやSCSIとは異なり,HDDのコントローラとドライブ間の転送方式を定めたものである.したがって,ヘッド番号(ドライブには,複数のヘッドがあり、その数は製品によって異なる)など,ドライブのハードウェアに依存した情報を指定する必要がある.また,ST-506はシリアル転送であるため,転送レートもSASIやSCSIの12Mbit/秒に比べ,5Mbit/秒と低い.IBM PCでは古くからST-506規格のドライブが用いられているが,最近では転送速度を倍にしたESDIという規格を採用したドライブも増えている.
 PC-9801用では,標準的なHDDインターフェイスボード「PC-9801-27」(以下27ボードと略す)に搭載されたBIOSがSASI規格の信号を発し,それを受けたコントローラが,ST-506仕様のヘッドやトラックなどの情報を計算してドライブにアクセスするようになっている(図2).


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PC-9801時代はSCSIのHDDを使っていたが、その後はSASIのHDDを使っていた。ESDIとかは知らなかった。なおSCSIはHDDより他の装置をパソコンに繋げるときのインターフェースとして重用していた。
HDDを増設できる台数には限りがある
 HDDを購入しても,中身がいっぱいになってしまったらどうするのだろう,という危惧を感じる方もいるだろう.将来のデータ管理を考えると,HDDの増設に関する制限も確認しておくべきである。PC-9801でこれまで一般的に用いられてきた「27ボード」では,HDDは最大2台までしか接続できない(図3)。また、2台目のドライブは1台目のHDDのコントローラが直接ST-506準拠の信号を送るため,コントローラを必要としない(というより,両方のHDDにコントローラが入っていると,バス競合を起こし動作しない)。したがって,増設用のコネクタがついているSASIのHDDには,「増設用」として販売されている「ドライブだけのユニット」がどれでも接続できることになる.しかし,コントローラやインターフェイスボードに各社が手を加えているケースも多く,必ず接続できるとも言いきれない.一番安心できるのは同じメーカーの増設用ドライブを利用することだ.
 SCSIによる周辺機器の接続は,SCSIバスの上にそれぞれの機器をぶらさげるという方式を取る(図4)。SCSIバスにはSCSI準拠の信号のみが流れ,それを実際にドライブなどのハードウェアに渡すのはコントローラの仕事だ。そのため,SCSIコントローラ装備のHDDであれば,SCSI規格にもとづいて最大7台までを容易に増設できる.実際には,各HDDの装置番号が重ならないように設定する必要があり,またバスの最後には「ターミネータ」(終端抵抗)と呼ばれるものを取りつける。とはいえ,SCSI規格の製品であればHDDに限らず,MO(光学式磁気ディスク,次項参照)だろうとCD-ROMだろうと,簡単に利用できるようになる.将来的な拡張性は高いと言えるだろう.


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思い出した。ターミネーター。HDDを買うと付いていて何台も買うからターミネーターが何個も溜まる。ひょんなことからターミネーターが必要だという機械があってそれに使えて便利だった。またHDDの背面にはディップスイッチだったかロータリースイッチだったかがあって装置番号を選択する必要があった。

SCSIに関するホットな話題
 日本電気は昨年夏,「PC-9801-55」という型番のHDDインターフェイスボード(以下55ボードと略す)を発売した(写真1)。これが,SCSIをサポートしたボードである.SCSI対応HDDを最大4台まで接続できるほか,CD-ROMなどのSCSIデバイスもバスに載せることができる.ただ,SCSIと言っても厳密に細部まで規定されているわけではなく,各メーカーごとに独自の拡張が行われているのが通例である.したがって,MacintoshやIBM PC用として販売されているSCSIの周辺機器は,55ボードでは利用できないことがある.
 HDDが4台までと制限されているのは,55ボードの制約ではなく,DOSのドライバ側がHDDの利用を4台までしか想定していないからである.したがって,CD-ROMなどを含めたSCSIデバイス自体は7台まで利用できるし、ドライバを書き換えるなどすれば,原理的には7台のHDDを接続することも可能だ。
 ところで,今のところ55ボード対応のサードパーティ製HDDというものは販売されていない。
 最大の理由は,55ボードがSCSIコマンドを用いてメーカー名の問い合わせを行っており,「日本電気製である」という意味のメッセージが返ってこないと認識しない仕様になっていることだろう.同社では,他社が対応するHDDを製造することについては相談に応じるとしているが,結果として現在のところは55ボード対応のHDDは発売されていない.
 こうした事情から,自前のSCSIボードを供給するメーカーが増えている。アイテムの大容量シリーズなどでは以前からSCSI規格のインターフェイスを用いていたが,ここへきて80Mbytes以上のドライブが出そろい,27ボードのBIOS書き換えや,IOSYSへのパッチ当てといった手段を嫌ったメーカーが,自由度と将来性のあるSCSIを採用し始めている。これらの製品では,7台までのデイジーチェーンが可能となっているものが多い.
 しかし,各社のSCSIボードに他社製のドライブを自由に増設できるかということになると,不安が残る.SCSIだからとはいえ,細部が異なれば動作しないことも十分にありうるからだ.
 ともあれユーザーとしては,SASIのHDDのように,各社から55ボード対応のHDDが発売されるような状況が望ましい。SCSIのように汎用性の高い規格は,互換性が保たれなければ魅力が半減する.もっとも,どこのボードを使おうが,そのメーカーの製品は少なくとも増設できるから,大容量のHDDが欲しいだけなら割り切ってしまうことだ。将来的にレーザープリンタなどのSCSIデバイスを使うことも考えるのであれば,こうした背景を知った上で選択すべきだろう。なお,SCSIのHDDは,純正品のほか,各社製の大部分が,現行のSASI型HDDと同時利用できるので,今後SCSIが普及してきても,今のドライブが使えなくなることはない.


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日電はどうしてこんなことをするのかなと不満というより日電らしいと思っていた。私は、日電のボードなんて買わないと決めていたから何も困らなかった。まあ、日電としては他社製の製品を繋げて不具合があったときのことを考えてこうしたのだろうが。

使っているMS-DOSのバージョンはいくつですか?
 HDDを利用するには,当然HDDをドライブするソフトウェア(通常はOS.場合によってはデバイスドライバ)が必要だ。使っているOSによっては,HDDのスペック以前の制限が生じてくることがある。ハードを購入する前に,自分のOS環境も理解しておかないと,HDDを買ってきたのに使えないこともあるので注意が必要だ。ここでは,PC-9801用のMS-DOSの各バージョンについて,それぞれの制限を解説していく.

最大40Mbytesしか使えないVer.2.11は卒業しよう
 まず,容量の問題だが,MS-DOSVer.2.11を使っているユーザーでは,SASIの20Mbytesまでのドライブしか認識できない。上で述べたように,SASIのHDDの増設は2台までに限定されているので,最大40Mbytesまでしか利用できないことになる.一部の40MbytesのHDDでは,ハード的に20Mbytes×2として使えるモードを持つものがあるが,これはVer.2.11でも使えるようにするための解決策である.ともあれ,40Mbytes程度の容量は簡単に埋まってしまうものだ。将来的にパーソナルコンピュータを活用するつもりであれば,これを機会に新バージョンのMS-DOSに変えることをお勧めする。
Ver.3.1は80Mbytesまで,拡張フォーマットで分割利用も
 MS-DOS Ver.3.1では,拡張フォーマットと呼ばれるフォーマット方式が利用可能になっており,40Mbytesまでのドライブを1台として認識できるほか,ソフトでHDDを分割できるようになった(図5)。ただ,SCSIは利用できないので,最大容量は40×2で80Mbytesになる.個人使用ならこれくらいあればなんとかなりそうだが,データベースの使用などを考慮される方はこれでも足りない可能性がある.
 HDDの分割というのは、1つのHDDを見かけ上複数のドライブとして利用する領域を作成する機能だが,MS-DOSフォーマット以外の領域も確保できる.したがって,MS-DOS Ver.2.11と3.1を同じHDDに入れておきたいとか,OS/2用でも起動できるように,といった処理が可能になる.

純正のSCSIのほか、一部サードパーティ製SCSIでもVer.3.3が必須
 SCSIドライブを利用する場合には,MS-DOS Ver.3.3が必要になる。もっともこれは,日本電気の55ボードを利用する場合で,サードパーティ各社が提供しているSCSIインターフェイスボードでは,バージョンが3.1でも動作するものがある.方式としてはIO.SYSにパッチを当てるものと,専用のデバイスドライバを組み込むものとがある。これはメーカーや製品によって異なるので、事前に利用できるDOSのバージョンを確認する必要がある.
 1つの領域として認識できる容量は,日本電気のSCSIで最大128Mbytesまで,サードパーティのものは,製品によって異なる.


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MS-DOS Ver.2.11は一太郎などのアプリのフロッピーにインストールされていた。だから、一太郎のシステムディスクを入れてリセットするとDOSが起動し自動的に一太郎が起動するという具合にDOSを意識しないユーザが結構いた。そういう環境でMS-DOSを買うという意識がない人もいた。MD-DOSをバージョンアップしなければ利用できない装置があるのでバージョンアップをした人は多かったのではないか。

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あせらず、ゆっくりフォーマットをしてみよう
 実際のフォーマットは,MS-DOSのコマンドラインから,
A>FORMAT /H
とタイプすることで起動する。写真1には, MS-DOS Ver.3.3のFORMATコマンドの実行画面を示したが,DOSの種類やバージョンによって表示面や処理時間が異なるので,各々のソフトの指示に従って処理を行ってほしい。標準的なフォーマットの手順は次のようになる.
(1) 初期化
まっさらの磁気媒体にトラックやセクタの区分け情報を刻む.購入してすぐの未フォーマットHDDでは機種や容量にもよるが,10~30分の時間がかかる.
(2) 領域確保
それぞれのOSで使用する場所を設定する.40Mbytesを分割して使うならば,このときに指定する.初期化と同様に時間がかかるので,あせらず待つこと.
(3) アクティブ化
確保した領域をMS-DOSのドライブとして認識するか無視するかを指示する.休止(スリープ)状態であれば,MS-DOSで使用できない.
(4) システム転送
DOSのシステムを転送しておけば、HDDからの立ち上げが可能になる.
(5) スイッチ変更
パーソナルコンピュータ側のディップスイッチやメモリスイッチを,HDDからの立ち上げが可能な状態に設定する.
(6) リセット
スイッチ設定の後,リセットして初めてHDDを認識する.


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HDDを買ってきてこの作業が煩雑だったが楽しかった。物理フォーマットとして論理フォーマットそして領域確保と手間がかかった。いつ頃からだろうか、マザーボードのコネクタからケーブルで繋いですぐ使えるようになったのは。今ではクリックフォーマットしか使ってない。

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アプリケーションにはお世話になった。
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一番使ったのはノストラダムスだったろうか。ファイルの最適化によるスピードアップは効果が体感できた。

光磁気ディスクは容量・転送速度・可搬性と3拍子が揃っている
 光磁気ディスク(Magneto Optical Disk,以下MOディスクと記述)は,温度の上昇に伴い磁性体の保磁力がなくなる性質を利用してデータを記録するメディアである.CD-ROMや追記型光ディスクなどの従来の光学式ディスクと決定的に違うのが、「記録したデータの消去が可能」という点だ.
 直径5.25インチのディスクに両面で250~600Mbytesという大容量のデータの書き込み・消去が可能で,平均アクセス速度はFDDとHDDの中間に位置している.MOディスクは,その大容量と可搬性により,ただ単なるデータのバックアップ装置にとどまらず,FDDやHDDの代替としても期待されている.米NeXT Computer社のワークステーションにキヤノン製MOディスクが記憶メディアとして搭載され,脚光を浴びたことは記憶に新しい。
 しかし,データをオーバーライトする場合,一度ディスク上のデータを消去してから書き込むという2段階の手間がかかるため,書き込みに時間がかかるという欠点がある.また,光学式ヘッドの移動に時間がかかるため,同一ファイルがディスクの外周と内周に分割して記憶されている場合などは,読み込みにも時間がかかってしまう.が,MOディスクをバックアップ用機器として考える場合,このことはさほどのマイナス要因とはならないだろう.
 現在,一般ユーザーが手に入れることのできるMOドライブは,ソニーの「NWP-539」(45万円:写真8)がある.同ドライブは,同社のワークステーションNEWSに接続できるほか,SCSIインターフェイスボード「NWA-032」(4万5000円)を使ってPC-9801シリーズで使用することができる.同ドライブは,ディスク両面で594Mbytesの記憶が可能で、平均アクセス速度は95msを実現している.PC-9801シリーズでは,片面297Mbytesを4つのパーティションに分割し,64Mbytesのディスクドライブ×4台として認識する.
 実際にHDD上のデータをバックアップするには,COPYやXCOPYコマンドを使ってファイル単位でMOディスクに転送することになる.だから,転送速度はHDDのファイル配置状況によっても異なるが,20Mbytesのデータを約20分で転送できる.
 ほかにも,ソニーからOEM供給を受けて数社がPC-9801シリーズ用のMOディスクを販売しているほか,Macintosh,AXなどにも接続できるようになってきている.


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何年かたってからだがMOを買った。ハードディスクのファイル単位のバックアップがフロッピーからMOに変わり管理が楽になった。
XCOPYはよく使った。多分MS-DOS Ver. 3.3から登場した。

コラムに耐震性能テスト記事があった。
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●ハードディスクは大地震に耐えられるか?
――起震シミュレータを使った耐震性能テスト――
 HDDのアクセス動作時には,振動やショックは禁物である.日常生活の中で起こる予測のつかないショックや振動といえば、やはり地震であろうか.HDDが地震の衝撃にどこまで耐えられるか、起震シミュレータを使って耐震性能をテストしてみた(写真a).
*実験条件*

○起震シミュレータ
 一軸方向の振動試験機を使用
 地震加速度 25Gal*~500Gal
 (震度換算 震度3~震度7)
使用した地震波
 一般的に使われる地震実験波(図) ○使用HDD
PC-9801シリーズ用
 20Mbytes純正品
 40Mbytesサードパーティ製品
○HDD動作方法
・アクセス条件
 128Kbytesのテキストファイルをランダムに10回書き込む ・チェック条件
 エコロジーⅡのディスクチェックを使用
○接続コンピュータ
 PC-9801CV21
*結果*

 2台のHDDを実験場に持ち込み、HDDのアクセス中に,震度3から震度7まで,1震度きざみに振動させてみた.
 震度3クラスの振動で壊れてしまうのではないか,という編集部スタッフの予測は意外にも外れ,山くずれ地割れ断層などが生じるという震度7クラスの地震の衝撃にも,HDDは2台とも無事であった.不良クラスタやファイルの配置状態に異常はなく,地震による影響は見られなかった.
 かし、この実験だけで一概にHDDは頑丈であるとの結論を出すわけにはいかない.今回の実験波のような定常的なゆれには強いが,実際には,軽いショックを与えただけでクラッシュしてしまうこともある.  (協力:(株)間組技術研究所)


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ハードディスクは衝撃に弱いので使用中に物がぶつかったときは冷や汗ものだった。そうでなくても度々エラーを起こし、初期化それも物理フォーマットからやり直したことが何回もあった。こういった経験があるから後にハードディスクに保存したデータが壊れたと泣きをみた話が雑誌のコラムなどに出たときは、その筆者をバカにしたものだ。なんというか痛みを感じた者以外には分からないというか、アドバイスをしても大丈夫だと聞く耳を持たない人が結構いた。そんなときは、自分も経験がある。ショックだよねと心がこもっていない返答をしたものだ。

製品紹介が写真付きであった。
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フィリップ・カーン、CD-ROM、その他(月刊ASCII 1989年6月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSのスクラップ。

Borland International社の社長,フィリップ・カーン氏のインタビュー記事をスクラップする。
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 Borland International社の社長,フィリップ・カーン氏が来日した。同社は,Turbo PascalやTurbo Cなどのプログラミング言語シリーズ,ParadoxやQuatoro,Sidekickなどのビジネスアプリケーションソフトで有名なソフトハウス。今回の来日は,(株)ポーランドジャパンの設立に伴ったものである.
――現在のBorland社の規模は?
フィ:従業員数は約550人です。昨年度の売り上げは8200万ドルでした.我々は,25種類の商品をラインナップしていますが,売り上げ中で大きな割合を占めている商品は,Turbo Pascal,Turbo C,Paradox,Quatoro,Sidekickなどです.
 今回,日本にボーランドジャパンを設立したわけですが,すでに100%出資の子会社がフランスとイギリスにあり,現地企業との合弁会社がドイツやオーストラリア、ニュージーランド,マウイにあります。その中で、日本は我々にとって最も重要な市場です.

――新製品を出す予定は?
フィ:我々は,実際の製品を出す前に「事前発表」は行いません.製品を出荷するときに初めて発表するというのが,我が社の方針なのです.たとえばParadoxは,発表した当日に出荷しました.この業界においては非常に特殊な例だと思います。
 事前発表を行うことで,自分達を窮地に追い込んでいる会社が数多くあります。事前発表された通りのスケジュールで製品を出荷できなかった場合には,その会社は信用を失ってしまい,マーケットシェアも失ってしまうことでしょう.ご存じのように,Lotus社やAshton-Tate社はこれで苦境に立たされています.

――現在アメリカでは,MCAとEISAが対立していますが,ソフトウェアメーカーとしてどう思われますか?
フィ:私自身は,基本的にはどちらが業界の標準になろうと関係ないと思っています。将来的には,ATバスとMCAバスの2つが標準になるでしょう.EISAは難しいですね。1年ほど出遅れたという感じです。
 ですが,ソフトハウスは,それほどバスのことを重要視していません。我々はMCAが標準になるだろうと思ってはいますが,それはハードメーカー側の問題ですからね。この先,MCAよりさらにコンパクトなバスも出てくることでしょう.

――ハードの進歩に対してソフトが追いつかないと言われますが?
フィ:ハードウェアの開発は,非常に早いスピードで進められており,ソフトウェアが遅れをとっているのは事実です.しかし,本来ソフトウェアというのはそういうものなのです。新しいチップを使って新しいコンピュータを開発するのは6カ月ほどでできますが,対応するOSを開発するにはそれから約2年かかります。我々がソフトウェアをアップグレードできるのはさらに3~4年後ということになります.それが自然なのです.
 ハードウェアのデザインは,正確に予期できる科学の世界です。しかし,ソフトウェアのデザインは,まだ科学とはいえません.いつも何か予期できないことが起こります。言い換えれば,非常に人間的なものなのです.

――WindowsやOS/2については,どう思いますか?
フィ:ご存じの通り,我が社はOS/2用のビジネスアプリケーションを作った最初の会社です。OS/2には真剣に取り組んでいます.Windowsにはそれほど高い優先順位を置いていません.
 私は,OS/2がMS-DOSに取って代わるとは思っていません.将来,2つのOSは共存していくことでしょう.MS-DOSがインストールされているマシンは全世界で2000万台以上といわれ,これからもほとんどのユーザーがMS-DOSを使っていくことになるのは間違いありません。OS/2はMS-DOSの限界以上のパワーを必要とするマーケットで伸びていくと思います。特に,32bitコンピュータでは,1991年までに業界の主流になると予測しています。MS-DOSはローエンドの環境として生き残るでしょう.

――日本ではIBMPCが主流ではありませんが…
フィ:日電のPC-9800が日本でたいへんな成功を収めていることは知っています。しかし,日電のマシンはIBM PCとそれほどかけ離れたマシンではありません。グラフィック処理の仕方やメモリマップは多少違いますが,大きく考えればそんなに違ってはいません。また,プレゼンテーションマネージャを使えば,アーキテクチャが違う機種でも同じソフトウェアを動かすことができるようになるでしょうから,IBM PCと非互換でも問題はないでしょう.
 我々にとって,標準がなんであっても構わないのです.我々の基本的な考え方は,業界のどの標準でもそれがユーザーにとって使いやすいものであれば支援するということです.ユーザーにどのマシンを買うか決めてもらい,その数が十分になったときソフトウェアを作るのです。ハードウェア戦争に関わることは一切しません。

Philip Kahn:フランス生まれ.フランスにて,数学のPh.Dを取得.1983年に渡米,Borland Internationalを設立した。最初の製品であるTurbo Pascalが大ヒットとなり,現在の同社の基礎を築く。
フィリップ・カーンの予想は外れていた。「将来的には,ATバスとMCAバスの2つが標準になるでしょう」にはならなかったし、「OS/2には真剣に取り組んでいます.Windowsにはそれほど高い優先順位を置いていません.」はOS/2の成功を予想していたからの発言だと思われる。Lotus社やAshton-Tate社は新製品発表で苦境に立たされていたのか。難しいものだ。

第4回CD-ROMコンファレンスの記事をスクラップする。
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 米Microsoft社主催の「第4回CD-ROMコンファレンス」が,3月28日から3日間,南カリフォルニアのアナハイムで開催された.今年で4回目をむかえた同コンファレンスは,「Seeing is Believing(見ることは信じること)」をテーマに,出展社60社,来場者2000人以上が参加した.
■BillGatesが考えるCD-ROMのビジョン
 開会時に講演したMicrosoft社のBillGates会長は,1989年をCD-ROMアプリケーションの開発元年として位置付けたうえで,(1) 高性能なプラットフォームの開発,(2) 細部の規格統一,(3) CD-ROMプレーヤの生産規模の拡大,(4) 業界をリードするような開発会社の出現――が今後の鍵になると語った。そして,多少のリスクを負ってでも,今からCD-ROMに投資しなければ将来の成功はつかめない点を強調。サードパーティのCD-ROM市場参入をうながした.
■IBM社がマルチメディア市場に参入
 今回の最大の目玉は,IBM社がマルチメディア市場へ正式参入すると発表したこと.その内容は,(1) CD-ROMとインタラクティブ・マルチメディア関連のハードウェアとアプリケーション開発を行う,(2) Intel社とDVIを推進していくことで正式合意し,デジタルビデオ技術の開発を積極的に推進していく――という2点。この発表の背景には,IBM社,Intel社,Microsoft社というパーソナルコンピュータ業界の“ビッグ3”が,マルチメディア分野でも覇権を握ろうという狙いがある.
 これまで同社は,教育関連部門でHyperCardライクなマルチメディア・オーサリングツール「Link Way」などを開発・発表しているが,今回の市場参入にともなって,本格的なマルチメディア・システムの開発が期待される.

■ソニー,Philips,MicrosoftがCD-ROM XAを発表
 もう1つの話題は,ソニー,Philips社,Microsoft社の3社が発表した規格「CD-ROM XA」.同規格は,CD-ROM Yellow Book(CD-ROMの規格書)を拡張し,ADPCMオーディオ機能(インターリーブ・フォーマット)を付加したもので,音と画像の同時再生を可能にする.
 ソニーは,同規格に対応するスターターキット「CRD-200K」を発表した。これは,IBM PC/AT用のADPCMボードを中心にしており,同規格に基づいたアプリケーション開発を支援するもの。キットの内訳は、(1) CD-ROMXAインターフェイスボード「XA-1」,(2) ケーブル「CDU-510/520」,(3) CD-ROM XAサンプルディスク,(4) MS-DOS CD-ROM Extentions Ver.2.10とデバイスドライバ――という構成で、価格は3000ドルを予定している.
 Microsoft社は,同規格に対応するCD-ROM Extention Ver.2.10を発表。4月からメーカーを中心にOEM販売を開始する.Ver.2.10は,MS-DOS Ver.4.0とMS-Networksもサポートしている.

■来年にはPS/2用DVIボードが登場
 過去2回のコンファレンスで大きな話題を集めたDVIは,昨年までGE/RCA社の規格製品だったが,今年は,DVI技術を開発部門ごと買収したIntel社が開発状況を発表した。前述のように,IBM社との共同開発に合意した同社は,1990年にPS/2用DVIボードを開発する予定だ.
 DVIは,現在約30社がベータテストとプロトタイプ・アプリケーションの開発を進めている。そのうち,数社のプロトタイプは,同社のブースに展示されていた.しかし,DVIの最大の機能である画像データのリアルタイム圧縮+再生などを生かした機器はなかった.
 IBM社との提携と同時に、同社はDVI開発システム「Pro750」を発表した。従来の7枚組のDVIボードセットをPC/ATクローンにバンドルしたシステムは,7月から2万1500ドルで販売する.
 さらに,7枚組のボードセットは,1990年第2四半期をめどに2枚に圧縮し,1990年後半にはチップセットとして単体でも供給を可能にする計画だ。チップセットの価格は,25~50ドル程度になるという.DVIが開発途上の技術であることは,Intel社の発表中にアニメ画像が動かなくなるというハプニングで証明されたが(?),Microsoft社のBill Gates会長とソニーの土井利忠取締役の評価に微妙な違いがあることも気にかかる.Gates会長は,CD-ROMの動画処理はDVIが本命と決めているが,土井取締役は「動画処理はシンメトリーコーディングを用いた,(DVIより)もっとスッキリしたもの」と定義して,慎重な姿勢を明確にしている。現段階では、DVIが動画処理の最有力候補であることに間違いはなさそうだが,ほかに有力な手法が登場する可能性もある.どちらにしても,Intel社のDVIチップセットが販売される頃には明確な評価が出ているだろう.

■Selling is Believing CD-Iは空中分解か?
 ソニーとPhilips社が,第1回コンファレンスから中心になって進めたきたCD-Iは,事実上の無期延期プロジェクトになった.両社による開発計画の発表もなく,数社のサードパーティが,Philips社が先に発表したCD-Iプロトタイプを展示していただけである。
 CD-Iは,68000CPUとOS-9をベースにしたコンシューマ製品という位置付けにあるが,(1) 各社の利権が入り込みコスト的に無理があった,(2) 仕様が開発者の自由度をあまり認めなかった,(3) CD-Iマシンやツールなどの開発が遅れた――などが無期延期の理由としてあげられる.ただし,ソニーは,あくまでCD-ROM XAをCD-Iへの第1ステップと位置付けて,CD-Iを完全に放棄していない点は興味深い。
 一方,日本電気とハドソンが参考出品したPC-Engineは,米国販売の正式発表こそなかったものの,ゲーム,教育,エンターテインメントの各界から大きな注目を集めた。昨年12月以降,わずか3本のCD-ROMタイトルしか発表されていないにもかかわらず10万台のCD-ROMユニットを販売したという実績は,米国関係者に衝撃的な事実として受け止められている.たとえば,CD-Iタイトルの開発会社として設立されたTigerMedia社は,PC-Engineのタイトル開発に方向転換する可能性を示唆している。また、大手音楽出版会社や子供向けTV番組制作会社が,PC-Engine用CD-ROMタイトルの開発に意欲を見せているという噂もあり,米国への本格進出が各方面から期待されている.
 そのほかの日本メーカーでは,富士通がFM TOWNSを参考出品した。80386CPU(16MHz),CD-ROMドライブ標準搭載,強力なスプライト機能などに注目するCD-ROM開発業者も多い。ただ,同マシンは,IBMPCやそのクローン製品と比較されがちだ.スプライト機能を除くと,実質的な部分では現状のIBMクローンと同等か,それ以下の仕様であるため,今後どこまで競合できるのかを疑問視する意見も多い。

■Apple社はHyperCard環境の整備ツールを発表
 昨年から引き続いて,HyperCard環境を中心にCD-ROMアプリケーション開発をサポートするApple社は,「HyperSource ToolKit」と「HyperCard CD Audio ToolKit」を発表した.両ツールは,MacintoshシリーズのHyperCard用CD-ROMスタックの開発を支援するもので,前者はグラフィックス,後者はサウンドをHyperCardに組み込むツール。これらは同社に買収されたAPDAが販売する


 今年に限らず,CD-ROMコンファレンスには,音楽,映画関係のプロデューサー,グラフィックアーティスト,教育関係者などコンピュータ以外の分野から多種多様な人種が集まる。彼らは,CD-ROMやマルチメディアをパーソナルコンピュータの延長としてよりも、あくまで自分の仕事の延長として,その可能性を探るために来ている。コンピュータグラフィックスの第一人者,Robert Abelもその1人だ。彼は今回,「Giernica Project」を発表した。スペイン動乱を描いたピカソの大作「ゲルニカ」を,その時代背景やピカソ自身のコメントなどをもとにして,ライブビデオとハイパーテキストの手法を駆使してまとめたもので,高い完成度は注目に値する.
 IBM社の市場参入,DVI技術をめぐる提携,CD-ROM XAの発表など,IBM/Intel/Microsoftの3極構造が浮き彫りにされたマルチメディア業界だが,本当の意味でマルチメディア市場をユーザーのものにするのは,Robert Abelのような人間たちなのかもしれない。

(ザイロンコーポレーション代表 脇山 弘敏)
CD-Iについての記述があった。「各社の利権が入り込み」だったのか。過去記事を読むと無くなるべくして無くなったのかと思う。

その他のハードウェア等(月刊ASCII 1987年8月号4) ソニー,フィリップスがCD-Iの機能仕様作成

次世代デスクトップと…(月刊ASCII 1987年8月号7) CD-ROM Syndrome 

Gary Kildallインタビュー(月刊ASCII 1987年11月号13) CD-lは,まだリスキーなビジネス

特集CD MEDIA第1回 その2(月刊ASCII 1988年3月号7) CD MEDIA CD+Computerでひらける世界 「ただし,CDIシステム自体が具体化していない以上,それを発展させた規格という動きはありえないとして,多くのメ-カーは当初,CD-VIに対して冷やかな態度をとっていた.ところが,あまりにも動かないCDIにしびれを切らして,実現の検討を開始するメーカーも現れたというウワサである.」

特集CD MEDIA 第2回 その2(月刊ASCII 1988年4月号8) CDIとそのソフトウェア

「PC-Engineは,米国販売の正式発表こそなかったものの,ゲーム,教育,エンターテインメントの各界から大きな注目を集めた」というのは覚えていなかった。スクラップしていくと忘れていた記憶が呼び覚まされる。

間組,トロン電脳ビルの建築構想を発表
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「構想」、「計画」実現しなかった匂いがする単語がある。

日本語入力コンソーシアムが設立
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ASCIIは色々なところに手を出したというか口を出していたんだということがわかる。

Apple,ウィンドウソフトをめぐる裁判に勝訴
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ウィンドウ表示タイプのソフトはAppleの特許ということか。Microsoftはどう解決したのか。覚えていない。

NIF,パソコン通信からポケットベルへ配信
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私もポケベルを持っていたが、このサービスが使い物になるとは思わなかった。誰が一体送るというのか。

日本IBM,筑波大で1万人のメールシステムを実験
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インターネットが無い時代はこうして実験をしながらメールシステムを発展させていった。

住友と協和,ホームバンキングの試行を開始
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世帯数が50世帯で端末がメガドライブを使うとはなんとチープな実験だろうか。最初はこんなもんだ。

日本通信衛星,JC-SAT1のサービスを開始
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衛星放送の準備はこの頃から始まっていた。

小惑星,地球とニアミス
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危ないことだ。いつ地球に小惑星が衝突しないとも限らないが、今では監視が強力になったので早めに分かるはずだ。だが、どうしたら災害を防げるかは分からない。「核ミサイルによる迎撃は簡単ではない」とわざわざ言及しなければならないことが時代を感じさせる。

コミュニケーションTOKYOというものが開催されていた。
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写真をスクラップする。
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パソコン、ワープロ、その他ハード(月刊ASCII 1989年6月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS をスクラップする。

東芝がJ-3100シリーズに新機種を投入
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CPUは80286(12MHz),HDDは20Mbytes

カシオがAXマシン2機種を発売
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CPUは80286(12MHz)
価格はAX-8000L/M01 が 49万8000円

松下,FM TOWNSのOEM販売を10月から開始
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コモドールジャパン,Amigaの最上位モデルを発売
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CPUはMC68020(14.3MHz)
Amiga2500が62万9800円

米国ソフトメーカーの売上高は平均45%上昇
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米ソフトメーカーのビッグ3はMicrosoft,Lotus,Ashton-Tateだった。

米IBM社,PS/2の一部機種の値下げを発表
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PS/2の販売は順調ではなかった。

日電,端末用ディスクレスEWS2機種を投入
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日本サン・マイクロがSPARCファミリ3機種などを発表
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CPUが68030(20MHz),3MIPSのSun-3/80が122万円から
構成のパソコン程度の価格だった。

日本DGが88000を搭載したワークステーションを発売
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ワークステーションモデルが165万円から

日本ユニシスがデスクトップ型の汎用コンピュータを開発
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990万からで3年間で3000台の販売を計画

東芝,SPARCチップを搭載したWSを発売
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AS3080シリーズが122万円からと高性能パソコン並みの価格。

キヤノンがプリンタを分離したノート型日本語ワープロを発売
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PX-1の価格は6万9800円

シャープが消費税計算ソフトを装備した日本語ワープロを発売
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三洋電機がカード型データベース内蔵の日本語ワープロを発売
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SWP-360の価格は14万8000円


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Intelが120万トランジスタを集積した80486などを発表
=80386の3~4倍の性能を実現=
 インテルジャパン(株)は,80386の上位にあたる32bitマイクロプロセッサ「80486(クロック周波数25/33MHz)」と,クロック周波数33MHzの80386,低消費電力版386SX,およびその周辺チップを開発した.
 80486は,80386アーキテクチャを継承したMPUで,1ミクロンCHMOS Ⅳ技術によって,120万トランジスタをワンチップに集積した.80386と完全な互換性を持つ実行ユニットの他に,80387と完全な互換性を持つ数値演算ユニット,キャッシュ・コントローラ,8Kbytesデータ/命令キャッシュ,ページング/メモリ管理ユニットなどで構成される。80486の命令実行ユニットには,RISC技術とパイプライン技術を導入している。これによって,頻繁に実行される命令をシングルクロックサイクルで実行可能であり,パイプライン構造のそれぞれのステージで1度に5つの個別命令が実行できる.
 新しい機能としては,マルチプロセッサ用の命令とハードウェアを装備しており,マルチプロセッサシステムを容易に構築できるようになっている。
 処理能力は,25MHzの場合で15MIPS,3万7000ドライストーン/秒,6.1ウェットストーン/秒を,33MHzの場合で20MIPS,4万9000ドライストーン/秒,8.2ウェットストーン/秒を達成している.
 80486用に書かれたソフトウェアは,変更なしに80386/386SXで実行が可能である。
 クロック周波数33MHzの80386は,同16MHzのものに比べて約2倍の性能を持つ。33MHzで動作する数値演算コプロセッサ80387とキャッシュコントローラ82385もあわせて提供する.
 低消費電力版386SXは,通常は16MHzのクロック周波数で動作するが,CPUがアイドル状態になるとより低いクロック周波数に切り替えて,消費電力の20~30%軽減を実現している.
(後略)

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私は386CPUをスキップして486CPUのマシンを買った。486はワイヤードロジックにして高速化を図ったはずだ。486になってWindowsを使ってみようという気になった。

米Motorola社,50MHzで動作のCPUを発表
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日立,低消費電力の64KbitECL RAMを発売
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日立,高速アクセス可能な1MbytesDRAMを開発
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最高アクセス時間35ナノ秒。

インテルジャパン,1Mbitフラッシュメモリを発売
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東芝,高速アクセス可能な256KbitSRAMを発売
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最高アクセス時間20ナノ秒

日電,高速アクセス可能な64KbitPROMを発売
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最高アクセス時間25ナノ秒

日本ビクター,OEM供給用小型HDDを開発
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ビクターもHDDを開発していたとは

日立,3.5インチ251MbytesHDDのOEM供給を開始
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米SONY,Apple ComputerにHDDを出荷
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緑電子がドライブ部と電源部を分離した20MbytesHDDを発売
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これ今ある「裸族のお立ち台」と同じタイプだ。33年前のデザインと同じだ。

ニッコーシ,コードレス・マウスを発売
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これは赤外線を利用しているが、今あるワイヤレスマウスだ。価格は1万4800円。今と値段はそんなに変わらない。

関西電機,プリンタ用自動切替器を発売
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KSA-CE411の価格は4万9800円。パソコン2台の切替機は使ったが、4台は使わなかった。

アイシーランド・マツノ,音声認識ソフトを開発
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こういったものは古くからあった。今、目新しいものはあまりない。

ソニー,文字フォント作成ソフトを発売
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価格は25万円ということは文字フォントを販売する事業者向けなのだろうか。

ヴァルソフト,首都圏の電車案内1989年版を発売
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「駅すぱあと」は今は無料で使えるが、33年前は2万7000円で販売していた。
前のバージョンは
ハード・ソフト他(月刊ASCII 1988年9月号3) ヴァルソフト販売,電車網案内ソフトをバージョンアップ
ハード、ソフトその他(月刊ASCII 1988年3月号3) ヴァル研、電車網乗り継ぎ・運賃案内ソフトを発売
のスクラップにある。






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PC-9801LX,PC-286LS,X68000,TOWNS他(月刊ASCII 1989年6月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号は新機種パソコン等の記事が多かった。
まずはASCII EXPRESSから
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PC-9801LX
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PC-9801LXのCPUは80286(12/10MHz),V30(8MHz)と2つのCPUを載せている。
LX2 44万8000円
LX4 58万8000円
LX5 63万8000円

PC-9801EX
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PC-9801EXのCPUは80286(12/10MHz),V30(8MHz)と2つのCPUを載せている。
EX2 34万8000円
EX4 48万8000円

PC+9801ES
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PC-9801ESのCPUは386SX(16MHz)
ES2 44万8000円
ES5 63万8000円

MS-Windows Ver. 2.1
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日本語MS-WindowsVer.2.1が1万9000円~2万円
MS-EXCELが9万8000円

PRODUCTS SHOWCASEをスクラップする。
PC-286LS
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ASCII1989(06)e04PC-286LS写真4_W520.jpg
PC-286LSの記事を抜粋してスクラップする。
 CPUは,80286のCMOS版である80C286を搭載している.クロック周波数は12MHzで,6MHzとの切り替えも可能だ。
中略
 利用環境として286LEと大きく異なるのは,バッテリ駆動ではなくなったことだ。これは拡張スロットとハードディスクの搭載による結果と思われる.つまり,車や電車などで持ち運んで屋外で利用するマシンではなく,省スペース型のデスクトップマシンという性格の方が強い機械ということができる。つまり,移動するとしても,1つのオフィスやビルの中だけということになる.
中略
 当然,ラップトップとはいえ,膝の上に置いて作業が行えるものではない.
中略
 パームレストがないとキーが打ちにくい少し厚めの本でも置いて,キーを打つのがよいだろう.
中略
 2台搭載しているFDDは,従来の左右の位置から,ディスプレイの下に2つ並んだ配置となった.これも,使い勝手が非常に向上した点だろう。とかく狭くなりがちな机の上で,FDDを出し入れするために左右に余地を空けるのはつらい.これなら,資料や原稿を積んでいても,横幅分の余地があれば利用できる.
中略
 価格は,STDモデルで47万8000円,H20モデルで61万3000円,H40モデルで70万3000円となっている.286LEとの価格差は,すべてのモデルで11万円だ。この価格差が,速度と拡張性の値段であるわけだが,逆に286LEにはバッテリ駆動という強みもある.迷うところだ.
 9801LSとの比較では,STDがLS2より15万円安く,H40ではLS5より16万3000円安い。この差は「速度とメモリ1Mbytes分-スロット2つ」となる.
中略
 PC-286LSは,デスクトップパソコンと比較しても遜色のない性能を持っている。速度的にも十分であるが,ラップトップとしては,匡体がかなり大きく重い。可搬型の省スペースデスクトップと考えた方がいいかもしれない.
中略
本家・日本電気もLV22(V30)とLS(386SX)の間を空けたままでいるわけにはいかないだろう.ラップトップマシンも286クラスが中心となるだろうから、今後の両社の戦いが楽しみだ。

33年前のラップトップは大きくデスクに置いたとしても今のノートパソコンのように簡単に動かせるような機械ではない。「可搬型の省スペースデスクトップ」とは言い当て妙であった。この記事ではPC-286LSについて結構注文を付けているがそれは期待できるマシンだということだったと思う。
ASCII EXPRESSに掲載されたPC-9801LXがLV22(V30)とLS(386SX)の間を埋める機械だった。

X68000
写真をスクラップする。
ASCII1989(06)e05X68000写真1_W429.jpg
ASCII1989(06)e05X68000写真2-4_W330.jpg
ASCII1989(06)e06X68000写真5_W440.jpg
ASCII1989(06)e06X68000写真6-8_W439.jpg

キヤノンのDX-20PのCPUは80386(20MHz)
ASCII1989(06)e08DX-20P_W442.jpg
以下写真をスクラップしていく。
ASCII1989(06)e08DX-20P写真1_W337.jpg
ASCII1989(06)e08DX-20P写真2_W335.jpg
ASCII1989(06)e08DX-20P写真3_W395.jpg
ASCII1989(06)e09DX-20P画面1-2_W437.jpg
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まとめ部分をスクラップする。
 現時点では,AXは高価格帯のマシンのほうが多く出ているようだ。先行各社のほか,京セラ,カシオ,沖電気などからも80386(20MHz)のAXマシンが発表されており,高級機が花盛りといった感がある。ビジネス市場を中心に販売を展開する以上,ハードビジネスでの有効性を打ち出す必要があるのは理解できる。しかし,個人ユーザーにとって100万円前後という価格は,たとえそれに見合う機能を伴っているにせよ二の足を踏むものであるのも確かである。各社の下位機種への展開に注目していきたい。
これでは売れないと書いてある。メーカーは売るつもりがあったのか。98には敵わないとフラッグシップモデルを出してAXにお付き合いしたように見える。

ワープロ2機種が紹介されていた。
ソニーのPRODUCE PJ-1000と富士通のOASYS30LX
写真をスクラップする。
ASCII1989(06)e09PJ-1000_W507.jpg
ASCII1989(06)e10PJ-1000写真1_W520.jpg
ASCII1989(06)e10PJ-1000写真2-3_W331.jpg
ASCII1989(06)e11OASYS30LX写真4_W520.jpg
ASCII1989(06)e11OASYS30LX写真5-6_W344.jpg
まとめ部分をスクラップする。
 ここ数年のパーソナルワープロの多機能化には驚かされる.パソコンをアプリケーションソフトでしか使っていない人がいまだに多い一方,パソコンの機能をより低価格で実現するパーソナルワープロの存在は注目に値する.
 出荷台数の差から,なかなか難しいだろうが,ラップトップパソコンの値段も,もっとパーソナルワープロに近づいてほしいものだ.

ワープロがあればパソコンはいらないという人が結構いた。PC-9801を買っても一太郎とゲームしか使わない人たちが結構いた時代だ。ワープロで表計算もできた。ゲームだって上海があった。営業の人がサービスで付けてくれた。パソコンでなければできないことと言えばプログラミングか。マニア以外はパソコンを買う必要はなかった。

TOPSは全然知らなかった。記憶にない。多分記事を読み込んでいなかった。
ASCII1989(06)e12TOPS_W398.jpg
抜粋してスクラップする。
 TOPSは,1986年に米国Central Systems West(CSW)社が開発した分散型(図1)のLANシステムで,米国ではすでに50万本以上を出荷し,小規模LANの事実上の標準となっている。
 今回,(有)データコントロールリミテッドから,日本国内で普及しているパーソナルコンピュータであるPC-9801シリーズ用のTOPSが発売された.これにより今まで遅れがちだった,安価なパーソナルユースのネットワーク環境が,充実のきざしを見せてきたといえる。ここでは主にPC-9801シリーズ用のTOPS(含むインターフェイスボード)について紹介していくことにする.


ASCII1989(06)e12TOPS図1_W520.jpg
知らなかった。当時これを導入すべき状況ではなかった。職場で必要になったのはWindows95以降だったように思う。

TOPSとAppleTalk
 TOPSは,1987年に米Sun Microsystems社(以下Sun社と略)がCSW社を買収したことにより,現在ではSun社の一事業部「TOPS Devision」から販売されている.その後,Sun社はワークステーション用のTOPSも開発し,今では,Macintosh,IBM PC,UNIXワークステーションのネットワーク化が可能である.
 その特徴は,低コストでネットワークの構築を可能にしたことだ。分散型ネットワークのため,接続されたすべてのマシンがサーバとしてもクライアント(注)としても機能でき,集中型ネットに不可欠の高価なサーバ専用マシンが不要となる.さらにツイストペア線をケーブルに採用したことで,Ethernetなどのネットワーク専用ケーブルよりも,メートル単価,工事費用,敷設手続きなどの点で有利となっている。また,種類の違う大規模ネットワークに対しても,ブリッジ機能で接続できるよう対応している.
 TOPSの通信プロトコルはAppleTalkに準拠しているため,Macintosh(以下Macと略)間ではネットワークケーブルとソフトウェアのみでLAN環境を構築することができる.また,異なるコンピュータ機種間でも,TOPSのAppleTalkトランスレータボードを装着することにより,お互いがサーバおよびクライアントとして機能する.
 AppleTalkは米Apple Computer社がMac用に開発したシリアル通信用のプロトコルである.もともと,複数のMacで1台のプリンタを共有できるように開発されたもので,バス型のネットワーク形態をとっている(図2)。データ伝送インターフェイスは,RS-232Cに比べて,伝送速度や伝送距離,耐ノイズ性などの面で勝るRS-422を採用している.AppleTalkの特徴としては、(1) 最大伝送速度は230.4Kbps,(2) ノード間接続距離は最大300m,(3) 最大ノード接続数は32――など.

注)サーバとクライアント:ネットワーク上にファイルやディスク装プリンタなどの資源を提供する側のマシンをサーバ,ネットワーク」提供された資源を利用する側のマシンをクライアントという.

ASCII1989(06)e12TOPS図2_W418.jpg
AppleTalkは便利だった。何も考えないで線を繋いでもプリンタとか共有できた。

TOPSの構成
 TOPSには、大きく分けて2種類の製品がある.MacではAppleTalkの機能を本体に内蔵しているため,トランスレータボードを必要とせず,ソフトウェアとマニュアルのみの構成である.PC-9801シリーズやJ-3100シリーズ用のものは,AppleTalk機能を実現するためのトランスレータ/インターフェイスボード「FlashCard」を本体パッケージ内に含む構成(写真1)となる.このFlashCardは,オリジナルのAppleTalkの約3倍に当たるデータ伝送速度770Kbpsを実現している.
 ソフトウェアは,ドライバ,システム,ユーティリティ,インストーラ,コンフフィギュレータの5つのユニットから構成されており,インストーラを起動することによりハードディスクなどへの組み込みが可能である。
 実際にネットワークを構築するためには,別売の「ネットワークコネクタ」と,電話機の接続に使われているモジュラタイプの4芯ツイストペアケーブルが必要となる(写真2).


ASCII1989(06)e13TOPS写真2_W520.jpg
確かAppleTalkの線は電話線のような感じでアダプタを介して繋いでいたと朧気ながら記憶する。何も苦労しないので記憶に残っていない。
ASCII1989(06)e14TOPS画面1-3_W351.jpg
(前略)
 以上,日本語化されたTOPSについて見てきたが,実際,人のいない机のフロッピードライブなどが,ネット上からアクセスされて動いているのは不思議な感じがする.
 この他にも,いくつかのファイルを異機種間で転送したり、実行したりしてみた。転送中やリモートを使っての印刷中には,自分のマシンのCPUが使われているためか、画面表示など多少ぎこちない動き方になるものの、概して快適に動作した.
(中略)
分散型ネットワークの場合には,ネットを管理するマシンがないために,各々のユーザーに管理責任がかかってくる.セキュリティ機能が重要なのもそのせいで,各ユーザーの意識なしには,ネットワークの管理はむずかしい.もし,1台がダウンすればネット全体が総倒れになってしまう.

最後のところは意見が違う。分散型なので例えばプリンタがつながっている機械が落ちて復旧に時間がかかるのならばプリンタを外して他の機械で使えばいい。総倒れなんてならない。昔からPeer-to-Peerにすべきだと考えやってきた。サーバーアンドクライアントシステムが好きな人がいてそうすべきだと頑固だった人がいた。議論しても始まらないので関与しないようにした。私は基本的にコンピュータを信用しなかった。8bitから使っている人はコンピュータを信用しない人が多いのではないかと思う。自分でプログラムを作ってみると分かるはずだ。コンピュータの出す答えは人間がプログラムを作っている以上信用できない。システムだってそうだ。ハードディスクのデータは度々飛ぶし、パソコンは途中でフリーズするしでこんなものを使ってサーバーアンドクライアントシステムなんてしていたらエラーで業務が止まる。ピアツーピアならダメな部分を切り離してバックアップしていたデータを媒体で運んだり最悪スタンドアローンで仕事ができる。未だに私はピアツーピアが優れていると思う。サーバーアンドクライアントシステムは銀行などでみるようにしばしば止まるだろう。大事なことはパソコンではしないが大切。これは、パソコンで苦労させられた経験則だ。

メモリボードはラムディスクに使ったりして一太郎の辞書を置いたりした。また、表計算とか事務処理をするときはEMSの拡張は必須だった。
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プロテクト領域にもマッピングできる
 EMS関係のモードには,純粋にハードウェアEMSサポートボードとして利用するものと,メモリマップ上はプロテクトモードが利用する領域にマッピングし,ハードウェアEMSと同等のアクセスができる「EMS+プロテクト」がある(図1).後者は,OS/2を利用するときと,MS-DOS上でEMSを利用するときに,いちいちボードのモードを変更する必要がない両者の違いは,メモリマップ上のどこにRAMがマッピングされるかという点だけで,ドライブソフトは共通に利用できる.なお,これまでIOデータからはハードウェアEMSボード用のソフトは発売されていなかったので,このボードと同時に「IOS-10EMS」というデバイスドライバのセットが発売された(表1)。
 EMSメモリは,EMS対応ソフトから利用するほかに,上述のドライバソフトでRAMディスク,ディスクキャッシュ,プリンタスプーラの各機能を利用できる.さらに画期的なことは,「BMSエミュレータ(後述)」が用意されたことだ。これによって、従来EMSメモリでは不可能であ日本語入力FPの退避が可能になった.
BMSエミュレータ
 EMSモード用ドライバでは,「バンクメモリマネージャ(BMS)エミュレータ」が付属している.BMSはI/Oバンクメモリの統一的操作のための基本ドライバだが,これをエミュレートすることによって“BMSを利用してI/Oバンクメモリを操作しているソフト”は,このボードのEMSモード上でも利用できることになる.直接ポートを操作してバンクを切り替えているソフトは動作しない
 実際,日本語入力FPのワークエリアをバンクメモリに退避する「バンクメモリマネージャ」は,BMS上でしか利用できない(ちなみに,メルコも「FPローダ」という同種のドライバを出しているが,これもIOバンク方式のメモリでしか利用できない).BMSエミュレータを利用すると,FP用の領域はバンクメモリに退避したまま,Lotus1-2-3のようなソフトでハードウェアEMSメモリを利用するような芸当も可能になる.見かけ上,1枚のボードの中にハードウェアEMSボードとI/Oバンク方式ボードが入っていることになるわけだ。
 EMSフィーバーは相変わらずだが,IOデータはBMSを強く推進しており,一部ソフトハウスでも導入を検討しているという。本ボードなら,将来同じOS上で,EMSを使用するソフトと,BMSを使用するソフトとを走らせるようなことがあっても,リセットやディップの再設定なしに動作させられるということになる.このエミュレータは,正確にはEMSメモリの一部のページをIOバンクのエミュレート用に充てることで行っている(図2)。割り当てた領域は,リセットしない限り変更できない.


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ASCII1989(06)e16PIO-PC34E図2_W520.jpg
当時苦労した記憶がある。なんでリニアなメモリを寄こさないのだと怒っていた。8086にも対応しようとするからこんな苦労をするんだと8086憎しを拗らせていった。

FM TOWNSの特集記事の写真と図をスクラップする。
ASCII1989(06)f01TOWNS_W520.jpg

TOWNSは画面表示色数が多かった。
ASCII1989(06)f02TOWNS図1_W520.jpg

ゲームをするためにスプライト機能がこの手のパソコンには付いていた。
ASCII1989(06)f03TOWNS図2_W471.jpg

ASCII1989(06)f05TOWNS写真1_W520.jpg
ASCII1989(06)f06TOWNS写真2_W520.jpg
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ハイパーカードに似たGEARというツールがあってプログラムで作る代わりにこれでアプリケーションを作ることができたようだ。
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ASCII1989(06)f08TOWNS画面4_W519.jpg

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パソコン広告(月刊ASCII 1989年6月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

もう一度読み返し、スクラップする。

ASCII1989(06)表裏_W520.jpg
裏表紙はFM TOWNSだった。カットが変わった。

表紙見返しの広告はこの年もNECが独占した。
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PC-9801EX2/4, PC-9801ES2/5, PC-9801LX2/4/5だった。互換機や他社製品に対し全方位迎撃態勢を整えていた。

NECのPC-98の広告が表紙見返しの広告だけになった。またPC-88が消えた。代わりに何があったかというと
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ASCII1989(06)a02PC-PR602R_W520.jpg
プリンタだった。
NECのパソコンを買ったらプリンタもNECにして欲しいということなんだろう。またパソコンは宣伝しなくても売れたということなんだろう。お客はPC-98またはPC-88を指名買いしていた時代だ。
プリンタもNECということで思い出した、職場でPC-9801を導入したときプリンタをEPSONにしたところ「なぜパソコンと同じNEC製でないのか。EPSONでも問題ない、EPSONの方が良いという書類を出せ」といわれたことがあった。

ASCII1989(06)a03IBMパーソナルシステム55_W520.jpg
右頁がIBMパーソナルシステム/55の広告。MCAをアピールしていた。

ASCII1989(06)a04J-3100_W520.jpg
右頁が東芝のJ-3100の広告。鈴木亜久里がイメージキャラクターだった。

ASCII1989(06)a05X68000_W520.jpg
シャープのX68000の新型。マンハッタンシェイプがEXPERTで横置きタイプがPROなのか。

ASCII1989(06)a06X68000_W520.jpg
シャープのX68000の周辺機器の広告。前号の使いまわし。

ASCII1989(06)a07PC-E500_W520.jpg
シャープのポケコン。PC-E 500。前号の使いまわし

ここからFM TOWNSの広告が続く。
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ASCII1989(06)a10TOWNS_W520.jpg
ASCII1989(06)a11TOWNS_W520.jpg
力の入れようが凄い。

ASCII1989(06)a12FM77AV40SX_W520.jpg
南野陽子の富士通FF77AV40SXは前号の使いまわし。

ASCII1989(06)a13FMR_W520.jpg
南野陽子の富士通FMR-50シリーズは前号の使いまわし。

次もTOWNSの広告かと思ったら違ってた。
ASCII1989(06)a14ASKABASE_W520.jpg
ASKA BASEというものの広告。

ASCII1989(06)a15PanacomM_W520.jpg
PanacomMの広告。

ASCII1989(06)a16Mac_W520.jpg
Macの広告。

ASCII1989(06)a17QuaterL_W520.jpg
SONYのQuaterL「クォーターエル」の広告。「買うたれ」と呼ばれることを狙ってるようだ。

ASCII1989(06)a18LASERSHOT_W520.jpg
キヤノンのLASER SHOTの広告。なぜMicrosoft Excelとコラボしているのか良く分からない。
当時綺麗な資料を提出することは褒められたことではなかった。「こんな絵必要ない」と言われた。パソコンを触っていると遊んでいると見られた時代。綺麗な資料は不必要で時間の無駄遣いをしていると評価された。

ASCII1989(06)a19NAVI_W520.jpg
キヤノンのNAVI。ほぼ前号の使いまわし。

ASCII1989(06)a20Mac_W520.jpg
AppleComputer、CanonによるMacの広告。前号の使いまわし。

ASCII1989(06)a21AXi_W520.jpg
キヤノンのAXマシン。AXi。前号の使いまわし。

ASCII1989(06)a22Bubble-Jet_W520.jpg
キヤノンのバブルジェットプリンタの広告。前号の使いまわし。

ASCII1989(06)a23PC-386_W520.jpg
エプソンのPC-386。前号の使いまわし。

ASCII1989(06)a24PC-286LS_W520.jpg
エプソンのPC-286LSの広告。前号の使いまわし。

ASCII1989(06)a25PC-286_W520.jpg
左頁がエプソンのPC-286シリーズの広告。

ASCII1989(06)a26PSクラブNET_W520.jpg
ASCII1989(06)a27PSクラブNET_W520.jpg
IBMはこの号もパソコン通信IBMPSクラブNETの広告を見開き4ページにわたって打っていた。

ASCII1989(06)a28オーシャノグラフィー_W520.jpg
ASCII1989(06)a28オーシャノグラフィーTRIM_W520.jpg
左頁がオーシャノグラフィーⅡの広告。PC-9801VM4を使っていたときHDDがしばしばエラーを起こし、何度もバックアップした経験があったのでこのようなツールは必須だった。大事なデータはパソコンに保存しない。大事なデータはパソコンで処理しない。パソコンで処理していいのは飛んでもいいものだけだと私たちは言っていた。33年前、HDDは壊れるもの、信用できないものという認識だった

ASCII1989(06)a29LIMEMS-IOBMS_W520.jpg
アイ・オー・データ機器の広告。左頁にあるLIM EMSはLOTUS,INTEL,MICROSOFT EXPANDED MEMORY SPECIFICATION略。LOTUSの1-2-3を使い込むためには8086という腐れCPUを作ったINTELが後始末にMS-DOSを作ったMICROSOFTに協力してもらって規格を作りましたということだなと33年ったても暴言を吐いてしまう。バンクメモリとかのメモリの拡張なら8bitCPUでもやってた。CPUが対応していないため特別な方式でのメモリの拡張が必要だということは8086が16bitCPUを名乗る資格なんてなかったんだ。とずっと思っていた。

ASCII1989(06)a30LHDU-40C_W520.jpg
ASCII1989(06)a30LHDU-40Cあおり_W365.jpg
左頁がデータ共有型ハードディスクLHDU-40Cの広告。あおり文をスクラップした。
LANがなかった時代だし、いい製品だと思うのだけれど成功しなかったぽいな。

ASCII1989(06)a31ジャストシステムAAC_W520.jpg
ジャストシステムのAACの広告。AACを私たちは使わなかった。

ASCII1989(06)a32一太郎_W520.jpg
一太郎Ver.4の広告。

ASCII1989(06)a33花子_W520.jpg
花子Ver.2の広告。

ASCII1989(06)a34duetシルエット_W520.jpg
duetとシルエットは見開きページに一つにまとめられていた。

ASCII1989(06)a35JS-SC202-JS-EM201_W520.jpg
ジャストシステムのスキャナJS-SC202とEMSのJS-EM201の広告。

ASCII1989(06)a36PROSET30_W520.jpg
日立のPROSET30の広告。一太郎Ver.4と花子Ver.2がプリインストールされていた。だからか、パソコンとはいわず、パーソナルワークツールと銘打っていた。

ASCII1989(06)a37TURBOC_W520.jpg
左頁がTURBO C 2.0 PROFESSIONALの広告。この当時意味もなくバージョンアップに付き合っていた。バージョンアップしてもプログラミングの腕が上がるわけでもないのにボーランド社に貢ぐことが気持ちよかったのだと思う。昔はなんという金の無駄遣いをしたのだろうか。情けない。

ASCII1989(06)a38Excel_W520.jpg
Excelの広告。Windows 2.xをインストールしなくては使えないソフトに魅力はなかった。だいたい、企業にとって1-2-3で業務がこなせているのにわざわざExcelの使い方を覚えさせるなんて時間の無駄遣いではないか。と33年前は考えていた。Excelが1-2-3に勝つなんて思わなかった。

ASCII1989(06)a39Lotus1-2-3_W520.jpg
Lotus 1-2-3 R2.1Jプラスの広告。平成という元号に対応した製品。

ASCII1989(06)a40ツクモ_W520.jpg
ツクモ電機の広告。パソコンショップでASCIIのカラーページに広告を掲載しているのはツクモだけだった。

ASCII1989(06)a50FUJIFILM_W260.jpg
裏表紙裏はFUJI FILMのフロッピーディスクの広告。前号の使いまわし。


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TBNデューティ比等、タイムトラベラー他(月刊ASCII 1989年5月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

TBNのなんでも相談室の話題が面白かった。33年前読み込んだ記事だ。
謎のデューティー比
Q:あるPC-9801用の拡張ボードを買おうとしたら,「あなたの機種ではクロックのデューティー比が違うから使えない」といわれました.デューティー比とは,何のことなのでしようか.
A:コンピュータが一定の周波数で振動するクロックという信号を基準に動作していることは,先月号のこの欄でも説明しました.その際に,同じCPUでもクロック信号の周波数が違うものがあり,場合によっては互換性がなくなるということもお話ししました.ところがPC-9801の一部の拡張ボードでは,クロック周波数は同じでも8086CPUを使ったPC-9801では動作しないものがあります.実は,クロック信号の周波数以外にもハードウェアの互換性に関係する部分があるのです。ご質問の“デューティー比”がそれで,簡単にいえばクロック信号の波形の違いを表しています.
 CPUのクロック信号は,図1のような「方形波」の形をしています。コンピュータ内部の各回路は,各種信号の立ち上がりや立ち下がりを基準としています。ただし,実際にはこのような信号は電圧の変化に時間がかかるため、台形のような波形になります.したがって単純に信号が切り替わる瞬間を捕らえることはできないので,CPUやメモリなどを構成している論理回路の動作電圧(thresh-old level:しきい値)になる瞬間を,信号の基準とみなします(図2).
 デューティー比とはクロック信号の形を表すための数値で,クロック信号1周期の中で,電圧が高い状態(“1”の状態)にある時間の比率を表しています。普通は“50%”のように百分率で表しますが,1の期間と0の期間の長さを"1:1"のような比の形で表す場合もあります(図3)。
 このデューティー比は,CPUの種類によって最適の数値が決まっています。現在使われているCPUは,ほとんどのものが50%(1:1)ですが,8086は33%(12)になっています.PC-9801シリーズにはCPUに8086を使っているものと,それ以外のV30や80286など(いずれもデューティー比は50%)を使っているものがあるため,機種によってクロックのデューティー比が異なる場合があるのです.
 では,デューティー比が違うと,どのような問題が生じるのでしょうか.たとえば8086(PC-9801/E/F/M)とV30(PC-9801UV/VMなど)を例にとって,メモリにデータを書き込む場合を考えてみます。 図4は8086CPUのメモリライトサイクルのタイミングチャートです.メモリやCPUまわりの回路は,図中の各時間の長さが表1の範囲におさまるように設計されています。拡張ボードなども,当然この表に適合するように設計しなければなりません.
 一方,V30CPUのメモリライトサイクルのタイミングチャートも8086のものとほとんど変わりませんが,表1の通り各時間の長さが若干変わっています。これはクロックのデユーティー比の違いではなく,純粋にCPU内部の回路構成の違いからきています。今回問題になっているのは,クロック信号の立ち上がり(信号が“0”から“1”に変わる瞬間)を基準にしている時間が,クロック信号のデューティー比を変えると長くなったり短くなったりする点です。
 たとえば,表中の“t6”はクロック信号の立ち上がりを基準にしています.いま,デューティー比50%のV30でt6の長さを基準値ぎりぎりの10nsになるように設計した回路を,デューティー比33%の8086で使った場合を考えてみると,図5のようにt6の長さが基準値を下回ってしまうことになります。
 実際にはこのような極端な設計はしないのが普通ですが,温度や電源電圧の変化などで回路の特性が変わってしまうことは十分考えられるので、場合によっては問題が生ずることもあるわけです。
 もちろん,このような誤差をなるべく少なくするように設計された回路ならばいずれのタイミングでも問題なく動作するので,あまり気にする必要はないはずです。
 デューティー比の違いは,ハードウェアに密着した問題なので,CPUを取り替えるなどハードウェアの改造を伴わなければ根本的な解決はできません.拡張ボードなどを導入するときは、手持ちの機種に対応しているかどうかをきちんと確認されたほうがよいでしよう.また,CPUのクロック周波数を切り替えられる機種ならば,クロック周波数を低くすることでデューティー比の違いによる影響を減らすこともできます(クロック周波数が低ければ,各種信号のタイミングが少々ずれてもその差を吸収できることがあるからです).
 なおCPUクロックとは直接関係ありませんが,液晶ディスプレイに送る画像信号や、シンセサイザの音など,一般に方形波の波形を表す場合にはデューティー比を使うことがよくあります。いずれの場合もデューティー比は,CPUクロックと同じく信号が“1”の時間と“0”の時間の長さの比率を意味しています.
(竹田)



ASCII1989(05)g01デューティ比図1表1_W339.jpg
ASCII1989(05)g01デューティ比図2図3_W520.jpg
ASCII1989(05)g02デューティ比図4_W520.jpg
ASCII1989(05)g02デューティ比図5_W520.jpg
PC-9801の場合拡張ボードを選ぶとき8086を使っているかV30を使っているかで動作するかどうかをきちんと調べてから使う必要があったようだ。私たち一般ユーザでもマニアの部類に入る人間はパソコンを買ったらまずカバーを開け内部を観察したもので、拡張ボードを入れることも多かった。

飛び越したほうが速い?
Q:ハードディスクの広告を見ていたら,インターリーブという言葉が出てきました.このインターリーブとは一体何のことなのですか?
A:コンピュータで利用する磁気ディスクには,トラックとセクタという管理の単位があることはよく知られています.トラックは,ディスク上で同心円をなす形に作成されるもので,セクタはそのトラックの内部をいくつかの部屋に分けたものです.セクタには物理的な番号と,論理的な番号が付けられています.物理的な番号は,単純にディスクの回転方向に従って順に付けられているものです.論理的な番号は,実際にディスクにアクセスするとき,その番号に従ってアクセスするためのものです.この物理的な番号と論理的な番号は,必ずしも一致していなくてもかまいません.
 最初に簡単に言ってしまうと,インターリーブとはセクタの論理的な順番の間隔を表すものです。とは言ってもすぐには理解しにくいと思いますので,まずはディスク装置が実際に磁気ディスクからデータを読み取る過程を考えてみましょう.
 複数個のセクタにまたがるデータを読み取るとき,ディスク装置は磁気ヘッドから1つのセクタを読み取っては処理をし,その処理が完了した後に次のセクタを読み込んで処理をするという動作を繰り返します.このとき,処理が完了した時点で次の目的のセクタが読み込める位置までディスクが回転していれば問題はありません.しかし,実際には処理中に目的とするセクタが通過してしまい,もう1回転して読み取れる位置まで戻って来るのを待たなければならないということが起こります。最悪の場合,1トラック中の10個のセクタを読み取るために,10回転を要するということが起こり得ます(図6)この反対に理想的なのは,1回転で1トラック中のすべてのセクタが読み取れることです。
 図7-1を見てください.これは1つのトラックを模式化したもので,8個のセクタがあり,ディスクは反時計まわりに回転するものとします。一番最初のセクタを仮に0番とすると,物理的な読み取り方向に従って隣のセクタ(この場合は右隣)を1番,以降順に7番までの番号が振られています。この0~7までの番号が物理的なセクタ番号です。ここで,1つのセクタを読み取ってから次にセクタを読み取れる状態になるまでに,セクタ2つ分だけディスクが回転するのと同じだけの時間がかかるものとします。この場合,1つのセクタを読み取った時点で次に読み取り可能な位置に来ているのは,先に読み取ったセクタの次のセクタから数えて3つ目のセクタになるということです.
 このディスク装置を使って最も少ない回転数で1トラック中のすべてのセクタを読み取ろうと考えると,論理的なセクタ番号をセク夕2つおきに設定すればよいことになります。物理番号0のセクタはそのまま論理番号0として,物理番号3のセクタが論理番号1のセクタとなり、以降,順に2つおきに論理番号を振っていきます(図7-2).
 このようにセクタn個の間隔をあけてセクタに論理番号を付けていくこと,あるいはその間隔をセクタ・インターリーブと言います.また、同じ意味を「インターリーブ・ファクタ1:x」という形式で表す場合のx+1に当たり,この例では3ということになります.
 さらに図中から,0~7までのセクタを論理番号順にすべて読み取るためには,ディスクを3周しなければならないことが分かると思います。このことから,インターリーブ・フアクタのxは,1トラック中のすべてのセクタを読み取るために必要なディスクの回転数を表すものであると捉えることができます.
 もうお分かりかとは思いますが,前述の最も理想的な論理セクタの配置(1回転ですべてのセクタを読み取れる状態)というのは,セクタの物理的な番号と論理的な番号が一致している場合のことです。つまりセクタインターリーブがなく,インターリーブ・ファクタは1:1ということになります。
 ここでは説明の便宜のためにディスク・アクセスの読み込む動作を例として説明しましたが,書き込む動作の場合も同様です。ただし,ディスクから1セクタ分のデータを読み込んだ場合の処理時間と,1セクタ分のデータを書き込むための処理の時間では若干の違いがあることが普通です.したがって,読み込みが最短時間になるように設定されたインターリーブが,必ずしも書き込み時にも最短になるというものではありません。ですから実際には,読み書き双方の妥協点を取ったセクタ・インターリーブを設定することになります。
 では実際のハードディスクはどうなっているのでしょうか.PC-9801シリーズ用のハードディスクの場合は,ユーザーが自由にセクタ・インターリーブを設定することはできません.サードパーティから発売されているPC-9801用ハードディスク(SASIインターフェイスのもの)は,ほとんどのものがインターリーブ・ファクタ1:2,あるいは1:3に設定されており,特に高速な機種のなかには1:1のものもあります。
 インターリーブファクタ1:1を実現している機種は多くの場合、コントローラ・ユニットにバッファメモリを用意して,処理を待たずに1トラック中のすべてのセクタを読み込むことを可能にしているようです.
 なお,インターリーブの設定は,ハードディスクのコントローラ・ユニットがフォーマハット時に自動的に行います。
 Macintosh用のSCSIハードディスクでは、機種によってフォーマット用のプログラ ムでインターリーブをユーザーが設定できるものもあります。
 インターリーブは,ディスク装置を使用する上で特にユーザーが意識するものではありません.周辺装置のI/Oの速度を高めるための、一つの手段です.この稿では,ディスク装置のインターリーブを説明しましたが,デディスク装置のインターリーブの他に,メモリ・インターリーブなどの技術もあります。メモリ・インターリーブもディスク装置の場合と同様に,アクセス効率(速度)を高めるための技術です.
(樋田)



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パソコンをただワープロやゲームをするだけの機械として使うのならこのような知識は不要だが、趣味でパソコンを使う人間にとって機械がどのように設計されて動いているのかを知ることができるのは楽しかった。33年前は既にTVがどうして動いているのかは理解できなかった。パソコンならこうして理解できたので嬉しかった。

当てるがパッチ?
Q:「パッチを当てる」ということをよく聞きますが,一体何をすることなのですか.
A:パッチ(patch)という単語を英和辞典で引くと,「継ぎ当て」などの意味のほかに,辞書によっては電算機用語として「プログラムを修正すること」などとあります.「プログラムにパッチを当てる」あるいは「パッチする」とはpatchの元の意味から,「プログラムに継ぎ当てをすること」→「プログラムに細かな修正を施すこと」を慣習的に指す言葉となっているようです.
 ただしプログラムの修正とは言っても、プログラムを作成する段階で仕様と異なる不都合や予期しない動作を修正する「バグフィックス」あるいは「バグを取る」という言葉とは,少し趣を異にします。もちろん,「バグフィックスのためにパッチを当てる」というように,「パッチを当てる」という作業がバグ取りの作業に含まれることはあります.しかし,「パッチを当てる」その作業が直接に「バグ取り」と同義であるわけではないようです.
 「パッチを当てる」例としては,1バイトコードの文字しか取り扱えない英語版のMS-DOS上のエディタなどを,その制限を変更して2バイトコードの漢字も取り扱えるようにするといったことがあげられます。もちろこの場合,そのエディタで当該の制限を取り除いても他の部位に不都合が現れないことが条件となります。他の部位に不都合が現れるようなら,その部分にも「パッチ」を当てなければならなくなります.また,場合によってはさらに大きな変更を余儀なくされ,「パッチを当てる」ことで漢字を取り扱えるようにすることそのものが事実上不可能であるということにもなります。
 「パッチを当てる」という表現は多分に慣習的なものですが,たいがいの場合は,先のようなプログラムの修正をメモリレベルで行うことを指すものです。メモリレベルでの変更というのは、言い換えると実行可能なファイルやオブジェクト・ファイルを直接(デバッガなどで)書き換える(上書きしてしまう)ことになります。たいがいの場合と言ったのは,プログラムのバージョンアップなどの際に大きなソースファイルのすべてを書き直すのではなく,該当する一部分を取り出して変更を加えるなどの場合にも「パッチを当てる」ということがあるからです.
 「パッチを当てる」という言葉は,総じて「プログラムに細かな変更を加える作業,そして その作業をメモリレベルで行うことである」と言えるでしょう.
(樋田)


パッチを当てるは今でも使っている。フリーソフトを使うときにパッチを当てるプログラムを配布してくれてありがたい。

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消費税が始まったのはこの年だった。記憶のためにスクラップしておく。

タイムトラベラーの記事があったのでスクラップする。
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少年ドラマシリーズがビデオ化された
さまよえるインド人の秘密
 「時間よ止まれ,キミは美しい」というコピーがどこかにあったと思うが,その元祖はなんといっても,NHKの少年向けドラマ「ふしぎな少年」('61年)である.ふしぎな少年が,いつかは「大奥」の将軍となり,小僧寿しチェーンのフランチャイズの申し込みにいったところ断られ,一念発起,小銭寿しチェーンとして復活逆襲を試みることになるなぞといったことは,誰にも想像できるものではなかった.
 「ふしぎな少年」は、空想科学的な色合いを持ったNHKの少年ドラマの先駆的作品だ。ドラマもスタジオで生放送されるといった時代で、「時間よ止まれ」という少年のかけ声で,他の役者たちが一斉にストップモーションとなるのである.そして,決まりは,秒針まで止まった(?)時計の写真が映るところだった。
 後年,ウルトラマンなどで知られる脚本家の石山透氏にお聞きしたところでは,作る側も相当に大変だったという。原作の手塚治虫氏から簡単なメモのようなものをもらって,これをどうやって,スタジオの生のドラマでこなすかということだ.ドラマと手塚治虫自身のマンガによる「ふしぎな少年」は,微妙に前後して作られたことになる。マンガのほうは,「手塚治虫全集」(講談社刊)に収録されているので,興味のある人は読むことができる.
 いずれにしろ,「ふしぎな少年」が当時の科学少年に刷り込んだものは,それまでの荒唐無稽で勧善懲悪しかいうことのないドラマとは,一線を画するものがあった。時間を止めるなんてナンセンスというなかれ、「ものしり博士」や「四つの目」や「みんなの科学」といった系譜に入れてもおかしくないほどに,好奇心や想像力を刺激するものだったのだ。
 さて,この「ふしぎな少年」から10年の歳月が流れ,おなじように「時間」をテーマにした少年向けのドラマが作られた.年ドラマシリーズ)の記念すべき第1作「タイム・トラベラー」がそれである.「タイム・トラベラー」は,「中三コース」('65年11月号)~「高一コース」('66年5月号)に連載された筒井康隆の「時をかける少女」が原作であり,脚本は,「ふしぎな少年」とおなじ石山透である。'72年1月に放送されたこの「タイム・トラベラー」以降,NHKは,4~6回の短期連続で,次々に少年ドラマの傑作を放送していく。'82年4月の「芙蓉の人」までの10年間に放送された97作品が,いわゆる「NHK少年ドラマシリーズ」と呼ばれるものである.
 このNHK少年ドラマシリーズの特徴の1つは,題材をSFに得たものが少なくないという点である。ざっとあげただけでも「暁はただ銀色」,「気まぐれ指数」,「怪人オヨヨ」,「夕ばえ作戦」,「赤外音楽」,「なぞの転校生」、「明日への追跡」,「11人いる!」,「未来からの挑戦」,「幕末未来人」,「蜃気楼博士」,「その町を消せ!」「七瀬ふたたび」,「ぼくとマリの時間旅行」などがある.
 「タイム・トラベラー」は,'72年1月1日から2月5日までの毎週土曜日の6回連続で,夕方6時5分から35分に放送された。演出は,花房実,黛叶の両氏とともに,NHK少年ドラマシリーズの顔ともいうべき佐藤和哉氏である。「続タイム・トラベラー」のほうは,同年11月4日から12月2日までの5回にわたって放送された,こちらは,ストーリーも石山透氏による書き下ろしである.
 島田淳子(後の浅野真弓)演ずる中学3年生芳山和子は,あるとき理科準備室未来人が調合中だったタイム・トラベル促進剤の臭いをかいでしまう.それ以来,時間を旅することがクセになってしまうというお話だ。最初は,ラベンダーの花の香りをかぐと,しまいにはちょっとしたショックを受けただけで,パッとどこかへ行ってしまうのである.ドラマは,この始末の悪いクセが身についてしまった女子中学生と,700年後の未来人ケン・ソゴルとの接触を軸に展開する.
 オープニングの画面に銀河系(?)が映し出されただけで,何か新しいものが始まることが予見された.幻想的なハープシコードによるテーマ曲,そして,少々マユツバ臭い城達也のナレーションが,センス・オブ・ワンダーの芳香を放つ.そして,スタジオドラマのビデオ作品独特の空気,特殊効果で話は進行するのだ。それは、英会話教室の寸劇の延長のようでもあり、なにやら心許ない画面ではあったが,充分に見入るだけのドラマが展開されていたのだ。
 ところで,この「タイム・トラベラー」は,大和書房からシナリオ集が出ている.スチールも収録されており,当時あのドラマを見た人ならば,鮮明にそのときの状況を思い出すことができるだろう.もっとも,単行本化の際,どうしても当時の台本が見つからなかった回があり,その分については,石山透氏が新たに書いたといわれている.ただ,浅野真弓(現在は柳ジョージの奥さんである)によればすべての回の台本が大切に保存されているとのことであり、是非とも増補改訂版を出してほしいところである。筆者は,そのことを石山透氏にお伝えするつもりでいたが,生来の怠け癖のため2年ほどほうっておいたところ,故人となられてしまい心苦しい思いをしている.

音につかまって空を飛ぶ
 「ふしぎな少年」から10年後に「タイム・トラベラー」が作られたといったが,正確にはこの間にも1作「宇宙人ピピ」という傑作があったことを忘れてはならない。'65年4月から1年間にわたって放送された宇宙人ピピは,やなせたかしによるアニメーションのピピと,実写の人間の合成によるドラマである。宇宙人ピピは,時間をストップしたり,巻戻したりすることができ,たいていは自分が下宿しているアパートの駄目な主人を助けつつも教育(?)するといったプロットで,どこかドラエモンを思わせるお話であった.
 「ふしぎな少年」と「宇宙人ピピ」,そして'67年に放送されたゲイリー・アンダーソンの人形活劇「サンダーバード」が,少年ドラマシリーズにいたるSF系スペクトルだ.
 さて,このほどNHK少年ドラマシリーズから,4本の作品がビデオとして市販されることになった。「タイム・トラベラー」などは,当時高価だった2インチビデオテープを使用していたために,すべてが使い回されてしまい残っていないのだが,比較的後期の作品やフィルム作品は残されているようだ。今回発売されるものは,いずれもテープがあると伝えられていたものであるが,実際に観ることができるようになったのはうれしい.
 今回発売されるのは,「ユタとふしぎな仲間たち」(全1巻),「なぞの転校生」(全3巻),「霧の湖」(全2巻),「つぶやき岩の秘密」(全2巻)の4作品である.これらのうち純然たるSF作品は,「なぞの転校生」だけである.いかにも少年ドラマシリーズらしい雰囲気の作品だ。ただし,6話から最終回の9話あたりまでは,やや話のテンポがもったりしてしまっていたように記憶している。「霧の湖」は,残念ながら観ていない。「なぞの転校生」もよいが,実は,是非見てほしいのが「ユタとふしぎな仲間たち」と「つぶやき岩の秘密」である.
 「ユタとふしぎな仲間たち」は,都会から家の都合で田舎の旅館に越してきた少年と,座敷童(ざしきわらし)の触れ合いを描いた作品だ。今回発売されるのは,'71年に1時間に編集されて放送され,芸術祭優秀作品賞を受賞したバージョンである.また,このドラマは,'77年に劇団四季のレパートリーとして初演されている.一方,新田次郎原作の「つぶやき岩の秘密」は,石川セリ歌うテーマ曲「遠「い海の記憶」があまりにも懐かしい.神奈川県三浦半島の三戸浜海岸を舞台に,父と母を海の事故で失った少年が,その謎にいどむという少年ドラマシリーズ以外ではあり得ない傑作である.
 どちらも,雄大な自然を舞台に少年の成長を描いた作品である。とくに,岩手県金田一村で1年間にわたってロケされたという「ユタとふしぎな仲間たち」は,その自然の美しさもさることながら,少年を元気付けようとする5人の座敷童たちの愉快で奔放なふるまいが,伝説の世界をいきいきとしたファンタジーに蘇らせている.
 音につかまって空を飛ぶという発想がどこかにあったなと思っていたが,思いだした。佐藤蛾次郎と篠山紀信そっくりな顔をした4人の座敷童たちが,お寺の鐘の音に乗って山の頂上まで洗濯を干しに飛んでいくくだりがあるのだ。このとき,少年も一緒に連れていかれるのだ。どこか北風小僧のカンタローを連想させるものがある.
(HortenseEndoh)

初回の「タイムトラベラー」は強く記憶に残っている。タイムループものに触れるのが初めてだったので強烈だった。また、浅野真弓が可愛くて記憶に残っていたのかもしれない。家の時計とかシーンが目に浮かぶ。このビデオが消されていたのは返す返す残念なことだった。2作目の「続タイムトラベラー」はいまいちだった。印象が弱い。原作者の筒井康隆が「ファンレターが届いたが、ケンソゴルの役者さんは誰ですか」のようなストーリーに関係のない手紙が来たと書いていた。結構少女にも人気があった番組だった。
「不思議な少年」も覚えている。時間を止めるはアニメ「スーパージェッター」のタイムストッパーにつながっているのかもしれない。主役の少年が小銭寿司の人だったとは。

編集室からの記事の一部をスクラップする。
 先日,パソコンサンデーというテレビ番組に出させていただいた.東京地区では日曜日の朝にテレビ東京で放送されている番組で,その日のテーマは、「パソコンにできること,できないこと」。これからパソコンを始めようとしている方に,パソコンでできること,できないことを見極めてもらい,有意義なパソコンライフのスタートを切っていただこうという趣旨だ。一緒にお話をした司会の小倉智昭さんはパソコンのユーザーとしてもベテランの域に入る方で,ぼくにとっては,大変に楽しい体験だった.とはいえ,今回のテーマは少々高度で,台本の筋書きどおりに話を進めるのはむずかしかった。
「小倉智昭さんはパソコンのユーザーとしてもベテランの域に入る方で」が意外だった。ベテランというからには8bit機から使っていたのだろうか。

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MCA vs. EISA(月刊ASCII 1989年5月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号の特集記事はバスアーキテクチャのMCAとEISAについての解説があった。
MSAについては過去にスクラップした記事にある。
米国ハイテク産業・その他(月刊ASCII 1988年10月号4)
米国ハイテク産業の動向
■PS/2か?ATか?
 現在,全米で1000万台以上のIBM PCが稼動していると言われている.実際に,IBM PCが導入されていないオフィスを探すのは容易でない.どこにいっても,秘書たちの付け爪とIBM PCのキーボードが発するカチャカチャという音を耳にする.設置されているIBM PCは,その80%以上がワープロや表計算に使われている.こうした状況は,別の見方をすれば,IBM PCは世界でもっとも普及した共通バスであると考えることができる.つまり,世間一般に標準バスといわれるMultiBusやVMEバスなどを,数でははるかに上回るような共通のバス仕様を持つシャーシが,そこらじゅうに転がっているのである.数多くのクローンマシン開発や,旧マシン対応のソフト/ハードの開発が現在でも行われているのは,こうした現実による.したがって,IBM PCのソフト/ハードの資産はますます巨大になり,多くの企業では、IBM社が旧PC(XT,AT)の製造を中止した後も,クローンマシンを購入するといった状況が続くわけだ.
 International Data社の調査は,600万台のIBM PCとクローンマシンが今年度中に販売されると予測しているが,このうちMCA(Micro Channel Architecture)を採用したPS/2システムは,その約4分の1にあたる150万台にすぎない.今年度のPS/2の売上台数は,昨年度のATのそれを下回ることが確実になってきている.最近,一部マスコミが「IBM社はATの生産を再開するのではないか」という観測を流したが,IBM社のスポークスマンは、そうした“憶測”を強く否定した.こうした噂は,ユーザーの根強いAT支持と,現在のPS/2ラインへの不支持を裏付けるものであろう。
 IBM PCクローンの開発・通信販売で急成長を続けるDell Computer社は,MCA対応のPS/2クローンをもっとも早く発表した(今年4月)が,製品出荷は来年に延ばすことにした.MCAマシンとOS/2に対する需要が今一歩盛り上がっていないことから,製品の出荷を先へ見送るという判断が働いたようだ。同社によると,「端的に言ってマイクロチャネルへの需要はない」という.Tandy社は,MCA対応のTandy 5000MCの販売を開始しているが,出荷台数は非常に少ない.同社によると「5000MCのほとんどが一部のシステム開発企業か競争相手に流れており,エンドユーザーへの浸透はこれから」と,伸び悩みを認めている.やはり,MCA製品の伸び率が,当初の予想を下回っていることは間違いないようだ。
 OS/2に対しても,大規模なメモリを必要とするマルチタスクのアプリケーションが,現時点でどれほど需要があるのか疑問視する意見が多い.ワープロや表計算のようなアプリケーションなら,MS-DOS Ver.4.0にWINDOWS386を付加した形で十分,というわけだ。「膨大なメモリを必要とするアプリケーションは、XENIXで対応すればよい」というのは,先頃,マリーナ・デル・レイで開かれたオフィス用システム開発者コンファレンスに出席した技術者の意見だ.Microsoft社もOS/2の普及には3~5年かかると見ているらしいが,OS/2の伸び悩みが,むしろXENIXを見直す風潮を生みつつあることは興味深い.

以下略

米国ハイテク産業・その他のハード・ソフト等(月刊ASCII 1988年11月号3)
米国ハイテク産業の動向
■米国主要メーカーが,IBMに対抗して新規格を発表
 先月号でIBM PS/2とMCA(Micro Channel Architecture:マイクロチャネル・アーキテクチャ)クローンが,当初の思惑どおりに売れていないと報告したが,その後,MCAをめぐって新しい動きが出てきた.Compaq社をはじめとする有力クローンメーーカーが連合して,拡張ATバス仕様を決定し,IBM社のMCAに対して真っ向から対決する姿勢を明らかにしたのだ.
 新しいバス仕様は,もちろん80386対応の32bitバスで,EISA(Extended Industry Standard Architecture)と呼ばれる.EISAは,IBMXT(8bit)やATのバス(16bit)もサポートし,アクセス速度はダイレクトアクセスモードで8Mbytes/s,バーストモードで33Mbytes/sを実現する.これは、MCAの約2倍の速度に相当しており,メモリ空間は16Mbytes以上をサポートする.
 EISAの最大の特徴は,仕様自体がパブリックドメインであることだ.MCAを用いたシステムを開発・販売すると,1ユニットあたり最大5%というロイヤリティをIBM社に支払わなければいけない.さらにIBM社は,MCAの使用契約に先立ち,古い機種のロイヤリティ(IBMXT/ATクローンに対する)の支払いも要求しているといわれる.こうした高いロイヤリティが,サードパーティにMCAの使用を躊躇させる一因になっている.クローンメーカーにとって,EISAがロイヤリティ・フリーという点は大きな魅力になるだろう.別の観点から見ると,EISA仕様の決定によって,IBM社がロイヤリティ戦略を少しでも緩和してくれるのでは,と期待している向きもある.
 この連合は,まとめ役のCompaq社をはじめ,AST Research社,EPSON America社,Hewlett-Packard社,NEC Information Systems社,Olivetti社,Tandy社,Wyse Technologys社,Zenith Data Systems社の9社が中心になっている.これに加えて,ワークステーション・メーカーではDEC社,AT&T社,Unisys社,Sun Microsystems社,チップメーカーではIntel社,Chips&Technology社,ソフトメーカーではMicrosoft社,Lotustt,Borland Internationalit,Phoenix Technology社.など,超有力企業が名前を連ねている.
 現在,Intel社が,バスコントローラの設計を手がけており,Phoenix社がROM-BIOSの開発に着手している.Compaq社によると,早ければ来年にもEISA仕様の80386マシンを発表する予定だという

以下略


’89年のパーソナルコンピュータ市場(月刊ASCII 1989年1月号4)
IBMのシェアは低下の傾向?
 米国IBM社のPS/2シリーズのジリ貧傾向は'89年も続くのだろうか.全米最大のコンピュータディーラーであるComputerland社では、PS/2関連で年間4億ドル以上を販売しているが,Compaq社やApple社の健闘が目立つという.Solomon Brothers社のアナリストによると,IBM社は2年前に40%のシェアを確保していたが,ここにきて10ポイント以上も落ちているという.
 IBM社のエントリーシステムズ事業部のウィリアム・ロウ社長は,「MCA(マイクロ・チャネル・アーキテクチャ)を使っていないモデル30の需要が供給に追い付いていない」と述べて,MCAベースのPS/2の不振を暗に示唆している。
 一方では、MCAに対して新たな業界標準を打ち出したCompaq社やIntel社,ASTResearch社など主要メーカー9社が推進するATバスの32bit拡張仕様「EISA」に基づいたマシンが登場してくる.Del社やTandy社が,MCA互換機路線を一部修正するなど,PC/AT見直し機運も根強い。'89年の米国パーソナルコンピュータ市場は波乱含みで推移しそうだ。


前にバスの歴史についてASCIIの「ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情」を読んで予習しておく。
ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第105回 IBM PC BusからPCI Expressまで PC用拡張バスの歴史
上記から抜粋して流れをみると
(1) 1981年
  IBM PCで採用されたのが、通称「IBM PC Bus」
(2) 1983年
  「IBM PC/XT」
(3) 1984年
  XT Busを拡張する形で登場したのが、「IBM PC/AT」で登場した「ISA Bus」
  IBM PC/ATが登場した当時は、このバスは「AT Bus」と呼ばれていた
  これがISA Busという名称になったのは、後述する「EISA Bus」の登場点
(4) 1987年
  ISA Busの限界を見越してIBMが投入したのが「MicroChannel」(MCAバス)
  規格がオープンではなく、利用にはIBMにロイヤリティーを支払う必要があるという点が反感を買い、結局ほとんど普及することはなかった。
(5) 1988年
  ISAをベースに拡張した「EISA Bus」
  性能そのものはISAの2倍と、あまり性能改善には役立っていなかった
(6) 1992年
  「VESA Local Bus」(VL Bus)
  「Intel 486」のバスをそのまま引っ張り出して接続する
(7) 1993年
  「PCI Bus」
  PCI Bus 2.0がリリースされて、やっと普及が始まるようになった。
  1994年あたりには、VL BusやEISA Busは市場から姿を消している
  ISA Busは低速デバイス向けとして引き続き市場で使われていた
(8) 1997年
  「AGP」(Accelerated Graphics Port)
(9) 2000年
  サーバー向けの規格として、PCIをさらに性能を強化したのが「PCI-X」
(10)2004年
  「PCI Express」

使っていて名前を覚えたものは ISAとPCI だけだった。他は記憶はあるが、使ったことはなかったはずだ。ということは PCI が出てくる 1993年までは ISA で間に合わせていたということか。ISAは2000年以降もあって覚えていないが私も使っていたはずだ。

以下、この号の記事をスクラップする。
ASCII1989(05)f01MCA_EISA_W520.jpg
記事には「1990年代後半のバス・アーキテクチャの本命はどちらなのだろうか?」とあるが、どちらでもなかった。PCIだった。そして低性能なISAが生き残っていた。

「MicroChannelとEISAバスの対立」
米国IBM社がPS/2シリーズに採用したマイクロチャネル・アーキテクチャ(Micro Channel Architecture:MCA)と,これに挑戦するクローンメーカーのEnhanced Industrial Standard Architecture(EISA)が,1990年代後半のパーソナルコンピュータの主導権を握るべく,激しい戦いを開始しようとしている.果たしてどちらが本命として生き残るのだろうか?本稿では、今年後半に予想されるEISAマシンの登場を前に,そのバス・アーキテクチャをめぐる米国の業界動向をPC Computing誌Paul Bonner氏の取材を中心に探る.
編集部

結果が分かっているから当時どんな考えで予想がはずれたのかを知るのが楽しい。

ROUND1
MCAに悲観的な意見を吐露するのと同じ状況が1984年にもあった
 1984年8月,米国IBM社がPC/AT(写真1)を発表したとき,同社の代表たちは,このニューマシンがシングルユーザー用コンピュータとしてはあまりにパワフルだと発言して,主にターミナルをサポートするようなマルチユーザーシステムの中核として使われることになるだろうと断言した.
 そして,著名な専門家や評論家がこの主張を裏書きした。彼らの意見は,「PC/ATのうちの何台かは,ステータスシンボルとしてユーザーのデスクに置かれるだろうが,そんなに大きいコンピューティングパワーを必要とする個人など1人もいないだろう」というものだった.
 しかし、彼らの予想に反して,状況はまったく違うものになってしまった。クロック周波数6MHzの80286CPUと,512Kbytesのメインメモリを搭載したPC/ATは、急速にシングルユーザー用パーソナルコンピュータとして受け入れられていった。そして今,発表から5年もたたないうちに,PC/ATはその寿命を終えようとしている.「十分に使いこなせるユーザーなど1人もいない」と太鼓判を押されたマシンパワーが,もう次世代のOSやソフトウェアを満足に走らせることすらできなくなってしまったのだ。
 これから始まろうとしている32bitマシンのバス・アーキテクチャ戦争について考える際に,こうした過去の経緯を心にとめておいたほうがいいだろう.IBM社の新しいバス・アーキテクチャであるマイクロチャネルと,その対抗馬であるEISAは,主にネットワークとコンピュータ通信のサービス会社によって使われることになるはずで,個人ユーザーのデスクトップコンピュータにはもったいないというようなことが,米国では盛んに言われている。これはPC/ATが発表されたときの数々の発言と似ていないだろうか?全業界規模で繰り広げられる新たなバス・アーキテクチャ戦争において,その行方を占う最大のポイントは,互換性がこの先どうなっていくかという点だろう.


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私が80286(8MHz)のPC-9801VX2を買ったとき「あまりにパワフルだ」とは全く思わなかった。V30とたいして変わりはなかった。TEXT VRAMを持っているPC-9801だから使えた程度のCPUだ。その後もバンクメモリ、EMSメモリと拡張してやっと使える機械だった。米国のパソコンの使われ方は一体どんなものだったのか。レベルが低すぎる。日本語を使うということは相当マシンに負荷がかかるのだろう。ああ、だから8086のような8bitに毛が生えたようなCPUでも米国では使えたわけか。それにつけても著名な専門家や評論家は本当にろくでもない。金を稼いでいる立場でこのはずれ発言だ。私たち一般ユーザ、素人ユーザの意見の方が当たっている。
ROUND2
MCAを評価するポイントは3つあるが,問題はPC/AT用拡張カードと互換性がないことだ
 1987年4月,IBM社がMCA(写真2)を発表したとき,バス・ウォーズは火蓋を切って落とされた.MCAでは,主要なコンポーネント(プロセッサ,メモリ,I/0チャネルなど)の連動の仕方がまったく新しくデザインされている.
 テクノロジーのためのテクノロジーを愛するような人々は,こぞってMCAに高い評価を与えた。彼らの評価点は,
(1) バス・マスターをサポートしていること.バスマスターは,IBM PCのバスをシェアリングするような複合的なプロセッサで,コンポーネント間をつなぐデータ・パスを管理する.
(2) 高速のデータ転送を実現していること.バーストモード,非割り込みモードで最大19Mbytes/秒の転送速度を実現する.
(3) セルフ・コンフィギュレーション機能を装備した拡張アダプタを採用していること。つまり,ディップスイッチなしで拡張ボードのアドレスがセットできる.
という部分に集中していた(詳細は囲み記事を参照)。
 一方,互換性や既存の規格にこだわる人々は,MCAにはPC/AT用の拡張カードと互換性がないことや,サードパーティのサポートが欠けていることなどを指摘していた.
 IBM社のエントリーシステム部門でMCAのチーフエンジニアを務めるChet Heathは,こうした賛否両論の意見を受けて,「MCAのバス・アーキテクチャは,ますます複雑化していくであろう32bitのマシン環境に完全に対応している」と話す。彼は,「80386のような高速でパワフルなマイクロプロセッサが実現するマルチタスキング環境や,ハイエンド通信,バスに負担をかける周辺機器への対応は,PC/ATのアーキテクチャでは十分に処理できなかった」と語る.
 MCAには,PC/ATバスに対応する周辺機器との互換性が欠けているが,この点について彼は,「MCAの性能と信頼性を高めるために,あえて犠牲にせざるをえなかった」と語っている.また,彼は, 「PC/ATについて最初に考えたことは,数多くのI/Oや周辺機器で構成されるマルチプロセッシング環境をPC/ATのバスで実現するのは厳しいが,なんとか解決できるだろうという希望的観測だった.しかし,システムの保証機構がどうにもならなかった.そこで我々は,トラブルをたくさんかかえているPC/ATのアーキテクチャに見切りをつけることにした」と語ってMCA誕生の背景を説明する.


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MCAは80286のときに次世代の80386を見据えたバスだったと言いたかったようだが早い話IBMはパソコンで金を稼ぎたかっただけだ。今のままではクローンメーカーに利益を奪われる。だから、クローンメーカーから金を取りたかった。それがMCAだと思っている。それ以外の理由は建前だ。
ROUND3
MCAに対するクローンメーカーの反応は冷たいが、否定的な意見ばかりではない
 クローンメーカーの大半は,MCAが32bit環境に不可欠なアーキテクチャであるとは考えていない.たとえば,Compaq社の代表取締役社長Rod Canionは,MCAを新しいコカコーラと同様に「ひねくれた,誤ったマーケティングの産物」と決めつけている.
 IBM社では,他のメーカーがしかるべき契約に基づいた使用料金を払わずにクローンマシンを作ったら,決して容赦しないといった主旨の発言を繰り返しているため,MCAに対するクローンメーカーの反感は一層強まっている.
 もっとも,ヒステリックな反感が大半だというわけではない.PC/ATのアーキテクチャに執着するクローンメーカーを非難するメーカーもある。PC/ATバスの限界は急に現れてきたものではないからだますますポピュラーになってきた80386CPUの機能を十分に発揮するためには,32bitのアドレス幅でメモリと周辺機器をアクセスする必要がある.PC/ATバスは,16bitのアドレス幅をサポートするだけだから,各メーカーではそれぞれに拡張仕様を開発しなければならない.そして,これらの拡張仕様は,どれも広く普及していないため,業界のスタンダードとは到底言えないものだ。
 1988年9月,パーソナルコンピュータメーカー9社(AST Research社,Com-paq社,Epson America社,Hewlett-Packardt,NEC Information Sys-tems社,Olivetti社,Tandy社,Wyse Technology,Zenith Data Systems社)と,関連業界から参加したメーカー5社(Intel社,Microsoft社,Digital Communications Associates社,Nov-ell社,3Com社)による協同事業体がEISAのスペックを発表した。これは,PC/ATバスを拡張した32bit仕様の標準規格としては,最も新しいバス・アーキテクチャである.
 これと同じようなPC/ATバスの拡張仕様が少なくとも3つは先行していたが、それらが次々に消滅してしまった状況を受けてEISAは発表された。先行していた3つの規格は,Phoenix Technologies社,AST Research社,Zenith Data Systems社がそれぞれ音頭を取っていた.自然消滅に近かったこれらの拡張仕様とEISAの根本的な相違は,Microsoft社とIntel社が参加企業として名前を連ねていなかったという点だ。
 EISAグループ誕生の背景を,「ニーズがあることは何年も前から分かっていた.ただ,市場からの反応がなければ仕事にかかるわけにいかなかった」とCompaq社の販売・マーケティング担当副社長Mike Swavelyは言う。「1987年4月にIBM社が行動を起こしたとき,当然やるべきこと(PC/ATバスを32bitのアドレス幅に拡張すること)がなおざりにされ,まったく新しいバス・アーキテクチャ開発の方向へ行ってしまった。これが大変な混乱を巻き起こした。問題は,市場がこの新しいバス・アーキテクチャに追随するのかどうかだった。そして1年半たった今,MCAがそのままでは完璧な解決策にならないだろうということが分かってきた」と,彼はMCAを分析する.
 EISAが発表されるまで,MCAは完璧なバス・アーキテクチャ以外の何物でもないとされていた.マーケット・リサーチのInfoCorp社によれば,1987年末の時点で,PC/ATとそのクローンマシン(写真3)のインストールベースは全世界で約400万台に上っていたのに対して,MCAのインストールベースは約75万台と,約19%のシェアを確保している.さらに,MCAマシンは,80386マシンの世界市場で約20%のシェアを握っていた。この数値を高いと見るか,低いと見るかは意見の分かれるところだが,1988年末までに,MCAマシンの販売台数は急速に上昇して現在は200万台に達しようとしている.
 発表以来,IBM社はMCAマシンの販売で2つの問題をかかえてきた.1つは,拡張ボードメーカーの対応が遅れたこと.そのため,MCAマシン用の拡張ボードは価格が高く,しかもなかなか手に入らない状況が続いた。拡張ボードの不足は,MCAマシンの普及に足カセとなった.MCAマシンは,XT/ATクラスのマシンをすでに導入している企業に,最優先で導入される方向で販売が進んでいたか らだ。
 おまけに,MCAマシンの信頼性と性能は,証明するのがなかなか容易ではなかった。この新しいバス・アーキテクチャは,規格書のレベルでは極めてすばらしく見えるのだが,実際にアプリケーションを使ってその理論上の優秀性を試してみようとすると,そのうちのごくわずかな部分しか達成できないといったケースが出てきた.


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そうか80386マシンでの戦いだったのか。PC-9801のCバスは8086,V30,80286,80386,i486と1992年まで続いていた。日本ではMS-DOSで走るアプリだけで使えたし、Windowsは足を引っ張るだけの存在だったから高速なバスは必要なく、互換性が一番大事だった。
ROUND4
挑戦者EISAは立ち上がったが,その詳細はマシンが登場するまで分からない
 EISAのスペックは,MCAが目指したものと同じ問題を解決するために生まれた.すなわち,
(1) より速いI/Oを実現する.
(2) 32bitアドレスのメモリアクセスを可能にする.
(3) 複数のバス・マスターを装備する.
(4) 拡張ボードの信頼性を向上してPC/AT用ボードからの転用を可能にする.
といった点である。
 しかも,「業界のスタンダード」であるPC/ATバスとの互換性を残すことが,最大のポイントになっていることは周知の事実である.
 EISAは,高速メモリのサブシステムとPC/ATバスを32bit幅に拡張して使う80386ベースのパーソナルコンピュータ・スペックで構成されている.関係者によれば,EISAのスペックに基づいて作られた32bitマシンは,MCAベースのPS/2を上回る性能を発揮するだろうという.たとえば,EISAマシンによるバースト・モードのデータ転送速度は,最大で約33Mbytes/秒に達するのに対して,MCAは約19Mbytes/秒にすぎない。
 もちろん,EISAマシンはまだ規格書レベルの存在でしかないし,今年の秋までは形のあるものは何も出てきそうにない.前出のHeathによれば,「EISAがこれをやった,MCAがあれをやったという記事はいっぱい書かれている.しかし,今のところ何かを実際にやったのはマイクロチャネルだけだ。この2つを比べてみるのであれば,1989年末か1990年初めの時点のMCAとEISAを比べなければだめだ」と、至極もっともな意見を述べている.
 しかし,EISAの性能が理論上のものでしかないにしろ,それが支持者たちの熱意に水を差すことはないようだ。たとえば,Compaq社のSwavelyによれば,「EISAを一言で表すなら,IBM社が1987年4月の時点で出すべきマシンだったということだ」と,ベタ誉めである。
 高性能のIBMPC用周辺機器メーカーArnet社の研究担当副社長Terry Neuは,「MCAとEISAは同じ問題への2つのアプローチにすぎない」という微妙な表現で静観の構えをとっている.
 彼の図式は,「古いアーキテクチャと単一のバス(それもあまりタフとはいえない)は,いろんな問題を抱えていて,もっと良いものと取り替える必要があった。やり方は2つある.1つは,新しいバス・アーキテクチャ(MCA)を作って,交換してしまうというもの。もう1つは,マルチプルバスを持つ新しいアーキテクチャ(EISA)を作り,I/Oバスのような古いATバスは残したままで,それをしかるべきスピードで走らせる」というものだ
 Neuは,どちらも「かなりよい解決法だ」という.しかし,「どちらかといえばEISAのほうが優れているような気がする.複数のバスを持つアーキテクチャは,システムに大きな力を与えるからだ」という.
 その他の業界人たちは,EISAがうまくいくかどうかについて,まだ懐疑的な態度を捨てていない.MCAベースの高速マシンを発表したばかりのAdvanced Logic Research社のマーケティング担当副社長Dave Kirkeyは,「EISAの規格発表と同時に対応マシンも発売されて、実際にそのマシンを操作できるのだったらもっとインパクトがあっただろう.来年になるかもしれないEISAマシンを,IBM社が現在販売中のMCAマシンと比べるのはあまりフェアじゃないと思う」と語る.
 一方,IBM社のHeathは「EISAがPC/ATの拡張ボードと互換性を保ちながら,MCAと同レベルの性能と信頼性を発揮できるものかどうか疑わしい」と言っている。「古いカードをサポートしようとすれば,ちょっと不細工なことをしなければならないし,進んだシステムに制限を加えることになるはずだ」と彼は言う。「こうした犠牲は,EISAのシステムの信頼性にかなりのダメージを与えることになるだろう」と彼は警告している.しかし,Compaq社のSwavelyは,この説を否定している。「こうしたケチのつけ方が,技術的な事実に基づいているという証拠はどこにもない。それは工学上の意見ではある.しかし,我々はそれが信頼の置けるものかどうか調べるのにずいぶん苦労した.なぜなら,彼らが見えるといっている問題が,我々にはまったく見つからなかったからだ」.
 「IBMのPC/ATが,そんなに信頼の置けないものだとは知らなかった」とTandy社の副社長Dr.John PattersonはIBM社の信頼性について,皮肉を込めて語っている.

こうしたドタバタ騒ぎを見ていると日本のPC-9801一極支配というものが良かったなと考える。不自由でも楽なパソコンライフを楽しめた。米国のような自由な環境というものの不自由さというものが逆説的で面白い。
ROUND5
17ヵ月以上も先行しているMCAマシンに対して,EISAマシンがスタンダードになる可能性はあるのだろうか?
 技術的な問題はさておいて,一つ気になるのは,EISAがそのライバルより17カ月も遅れて発表されたことだ。それも,EISAマシンが実際に発売できるまでには,まだ1年近くかかるという.はたしてEISAにスタンダードの地位を勝ち取るチャンスはあるのだろうか?
 もし,新しいアーキテクチャのニーズが本当にあるのなら,EISAマシンが発売される頃には,MCAのほうはしっかり地盤を固めてしまっているのではなかろうか?一方では,別の疑問も出てくる.IBM社は,MCAマシンの発売から2年近くもたつのに,まだ市場を制圧できないのだろうか?
 それはたぶん,我々がこれほど高性能なアーキテクチャを必要とするようなシステムやアプリケーションにお目にかかるようになってからまだ日が浅いせいだろう.たとえば,80386システムでは,クロック周波数が25MHzを超えると,I/0バスの転送においてボトルネックが顕著に出てくる.現時点では,クロック周波数25MHz以上の80386マシンはわずかしかないが,近い将来,ほとんどの80386マシンがそのくらい速くなってくるだろう.
 同様に,OS/2のようなマルチタスクOSの普及によって,インテリジェントな周辺機器のニーズが高まってくる。インテリジェントでない機器から発せられる割り込みのリクエストがオーバーヘッドを増加させてしまうからだ。たとえば,OS/2では,1つの割り込みリクエストを処理するために,1500ものCPU命令が必要になる。これがMS-DOSの場合なら、200くらいですむのだ。極端な表現を使うと,同じパラレルポートにつないだ5000字/秒のレーザープリンタを制御するために,OS/2は100万ものCPU命令を消費してしまうことになりかねない.
 「PC/ATの一般的な問題は,バスを選択する余地がほんのわずかしかないために,ほとんどすべてのI/Oをプロセッサに頼っていることだ」と,IBM社のHeathは結論付けている。「我々は“通り道”を多様化して,プロセッサの負担を軽くしてやりかたったのだ」
 OS/2がもっと普及して,高速な周辺機器とCPUが今後も引き続いて増えていくとしたら,高性能なバス・アーキテクチャに対するニーズもこれにつれて高まっていくに違いない。まず,MCAなりEISAなり高速のバス・アーキテクチャを使ったマシンの能力を必要とするのは,ネットワーク・サービス,マルチユーザーのホストマシン,グラフィックス・ワークステーションなどだろう.
 「どれもバスがネックになっていたものだ.PC/XTからPC/ATへの変遷を振り返れば,8bitから16bitに移行した最初の拡張ボードはディスク・コントローラだった。次に,2~3年遅れてネットワーク・コントローラが移行した。ビデオ・コントローラが移行したのはごく最近のことだ」と,Zenith Data Systems社の製品開発マネージャSteve Valentorは言う.
 ハイエンドのMCAマシンやEISAマシンが,どの分野で最初に実用化されるかという点では,大方の業界関係者がValentorの意見に賛成のようだ。しかし,これらのマシンがはたしてハイエンド市場に食い込み、従来のデスクトップマシンに取って代われるかという点になると,意見は分かれる.
 「市場のほとんどの部分では,決して32bitマシンを必要としていない」とTandy社のPattersonは言う,そして,前出のSwavelyは,「16bit(PC/ATバス)の80386マシンはまだまだ生き残るだろう.EISAが一番真価を発揮するのは,非常に多くのユーザーがアクセスするワークグループ・アプリケーションを動作させるケースだ。EISAとこれにつないだ高性能な周辺機器の値打ちは,個人用のアプリケーションを走らせている個人ユーザーには,あと数年は分かってもらえないかもしれない」と予測している.これに対して,Valentorは別の意見を持っている.「EISAマシンは急速なテンポで個人ユーザーのデスクトップマシンとして浸透し,人工知能やエキスパートシステム,CADやドラフティング,高度なグラフィックス・アプリケーションなどに活用されるだろう」と彼は見ている.また、「PC/ATが汎用機の地位を確立できたのは,サードパーティがその余分なプロセッシングパワーを活用して,ユーザーに十分な機能を提供したことと,それによってコストが余計にかかることも正当化できたためだ。デスクトップでは,実に無数のアプリケーションがEISAマシンのために用意できるだろう」と彼は分析する.
 Quadram社の製品マーケティング部長Tim Cutlerは,EISAが伸びるかどうかは80386次第と見る。「80386を搭載したデスクトップ型マシンが一般的になれば,それにつれてEISAバスも伸びていくだろう」それと同じ事情は,MCAマシンにもある.つまり,今秋に最初のEISAマシンが出てきたとき,おもしろい戦いが見られるということだ。どちらが勝つかを論議するのはまだ早すぎるだろう.PC市場で最大の単独シェアを握るIBM社にしても,参加企業のシェア合計でIBM社を凌ぐEISA連合にしても,収穫までにはまだ時間がかかりそうだ.一方,IBM社は昨年の夏,PC/ATバスのバリエーションを使ったPS/2モデル30を発売している.そして去年の秋,EISA連合のメーカー数社が、逆にMCAベースのマシンを開発・販売する計画を発表した。つまり、今度の賭けには,両陣営ともちゃんとヘッジ策が講じられているわけなのだ。業界の大方の見方としては,IBM社のMCAは,同社のメインフレームやミニコンに大きく依存している企業のような,従来からのIBMコンシューマ層は支配できるだろうが,もっと一般的な市場ではEISAに一歩譲ることになるだろうという.「IBM派には,IBM製品ならなんでも買うという人がいる」と,前出のPatter-sonは言う。彼によれば,そのほかの市場では,つかみ取りの争奪戦が繰り広げら れることになるだろうという.
*本稿は,米国PCComputing誌のPaul Bonner氏の記事と,アスキー編集部EX-PRESSチームの取材による.

結局どちらが勝つかという結論は出していない。それは正解だった。どちらも勝たなかった。読み返すと悪くはない記事だった。
MCAとEISAのハードウェアスペックは?
80386/80486時代に必要なバス・アーキテクチャの模索
 CPUの性能向上などに伴い,パーソナルコンピュータは一昔前の大型コンピュータを上回る性能を持つに至った.強力なCPUをサポートするためには,新しいバスが必要となる.これに対するアプローチがMCAとEISAである.
 本稿では,MCAとEISAの基本的なアーキテクチャを解説するとともに,そのスペックを掲載する.

■MCAの基本スペック
 MCAには、3種類のコネクタ・レイアウトが存在する(図1)。その内訳は,以下の3種類である.
(1) 16bitコネクタ
 24bitアドレスと16bitデータの転送が可能なMCAの基本的なコネクタ.
(2) ビデオ出力端子付き16bitコネクタ
 PC/ATなどの従来のIBMマシンでは,EGAなどのグラフィック制御用ボードを拡張スロットに装備していたが,PS/2ではマザーボード上にVGA機能を持たせている.VGAは解像度640×480ドット,26万色中16色同時表示が可能なものであるが,たとえば256色の同時表示などを実現したい場合にこのコネクタを使用する.
(3) 32bitコネクタ
 アドレス,データともに32bitで転送が可能なコネクタ.マッチドメモリサイクルと呼ばれる通常の転送サイクルより速いスピードでメモリボードへのアクセスを行うことができる特別の転送サイクルをサポートしている.32bitコネクタは,PS/2の80386を搭載したマシンに装備されている.
 MCAでは,DMA転送制御の高速化を図るためにアービトレーション(調停)機能を採用した.アービトレーション機能とは,複数の拡張ボードから同時にインターラプトの要求があった場合に,どのボードに優先的にバスの使用権を与えるかを決定する機能だ(図2)。最大DMA転送速度は5Mbytes/秒を実現している(ATバスでは1.6Mbytes/秒).最大データ転送速度は20Mbytes/秒(同8Mbytes/秒)。このアービトレーション機能を持つバスとしては,ワークステーションが採用しているVMEbusやMacintoshIIが採用しているNuBusなどがある.
 アービトレーション機能を採用することで,拡張ボード上に各種プロセッサを搭載して,本体CPUの負荷を軽減することができるようになる.拡張ボード上のデバイスが,本体CPUやDMAコントローラとともにコンカレント処理をすることができるわけだ.このバス・アクセスに必要な信号をバスに供給するデバイスをバス・マスターと呼ぶ.
 すべてのMCA用ボードには,ID(識別番号)が割り当てられる.6万4000個(う3万2000個がサードパーティ用)のIDが用意されており,このIDを使ってボードのコンフィギュレーションを設定することができる.従来,ディップスイッチで初期設定していた各種の設定をボードに付属してくるADF(Adapter Definition File)ディスクを使用して行うもの。読み込まれたADFは,マザーボードの不揮発性RAM内に保存され,システムの立ち上げ時にボードIDとRAM内のIDとを比較,設定を完了する.
 MCA用ボードの大きさは,AT用ボードよりも一回り小さい11.5×3インチ,供給電源は,最大8ワット.
 MCA用ボードは、現在約2000種類がすでに市場に出回っており,今後も順調に増加していくものと見られている.

■EISAの基本スペック
 EISAは,ISAバスとの完全互換性を実現することと,オープンアーキテクチャであることの2つを大きな柱として開発された.
 今年1月末に,最後まで決まっていなかったEISAバスのコネクタ部分の仕様が決定したことで,最終仕様がフィックスした。当初は,現行のATバスコネクタの真横に32bit用の拡張コネクタを付け加えた2列構造にして,ATバスとの互換性を取ると言われていた。しかし最終仕様では,コネクタ部分にノッチを付けることでコネクタを2列並べることなしにAT用ボードとEISA用ボードの双方を装着できる方式を確立している(図3).
 EISAもMCAと同様,アービトレーション機能をサポートしている.従来のAT用ボードが存在していても,アービトレーション機能は有効に働く.最大データ転送速度最大DMA転送速度ともに33Mbytes/秒と,MCAを大幅に上回る数値を実現している.バスマスターもサポートしており,マルチプロセッサシステムの構築が可能。
 オートコンフィギュレーション機能も装備している.EISAでは,従来通りのディップスイッチによる設定も可能で.AT用ボードとの混在使用も可能である.MCAとの違いでは,80386の物理アドレスのすべてをサポートしている点があげられる.8/16/32bit幅のDMAチャンネルをサポートし,4Gbytesのアドレス空間にアクセスできる(MCAは16Mbytesまで).またEISAでは,キャッシュメモリをサポートしており,CPUが同一な場合でもキャッシュを搭載してMCAシステムよりも高速なマシンを開発することが可能だ。
 EISAボードのサイズは,AT用ボードと同じ13.5×4.75インチ,供給電源は最大22.5ワットと,MCAより余裕を持たせている.EISA陣営の今後の予定としては,今年6月までに米Intel社がバスマスターを含む82350チップセットを完成,サンプル出荷を開始し,今年末には各社がEISA仕様のマシンを発売するという。

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3種類のシステムバスの基本仕様表
MCA EISA ISA
アドレス幅
(bit)
32 32 24
データ幅
(bit)
32/24/16 32/16/8 16/8
最大データ転送速度
(Mbytes/秒)
20 33 8
最大DMA転送速度
(Mbytes/秒)
5 33 1.6
DMA空間
(bytes)
16M 4G 16M
アービトレーション
機能の有無
×
自動コンフィギュレーション
機能の有無
×
キャッシュメモリの
サポート
× ×
ボードのサイズ
(インチ)
11.5×3 13.5x4.75 13.5x4.75
最大供給電力
(ワット)
8 22.5

米国は大変だったのだなと思う。日本では日電、富士通、シャープが各社独自のマシンを作っていたが、米国はIBM PCというプラットホームで各社が独自に別のマシンを作れたわけか。
日本では,MCAやEISAという前に整備しなければいけない問題が山積している
マイクロソフト(株) 古川 享氏
 MCAかEISAかという論議は時期尚早だ.特に日本では,MS-DOSが全盛であるにもかかわらずVer.2.11という旧バージョン対応のアプリケーションがまだ多い.OS/2の普及段階に入りつつあるわけだから,こうした遅れ気味のユーザー環境には問題がある。ハードディスクドライブの装着率も欧米に比べるとまだ低い。装着している場合でも、アクセス時間が65msというようなドライブを使っている状況だ。メモリキャシュやディスクキャッシュの搭載率にいたっては数えるほどにしか普及していない.これでは,MCAなりEISAなりの環境を想定することもできない。早い時期に33MHzというようなクロック周波数の80386マシンも登場してくるだろうが,メモリにウェイトをかけてCPUパワーを抑えているようでは,32bitバスの性能を最大限に発揮する状況には程遠い。つまり.I/Oのスループットを向上させるような努力をしないままに,バス・アーキテクチャの規格を論議することは市場にとって混乱を生むだけで,マイナスにしかならないということだ。同じようなことがアプリケーションにも言えるだろう.
 MCAに限って言えば,80386のマルチCPUマシンや,先頃Intel社が発表した860のようなプロセッサにも対応するアーキテクチャなのだから、現在の80386マシンとOS/2という組み合わせではMCAの効用はあまり得られないのではないか。冒頭に,バス・アーキテクチャの論議は時期尚早だと言ったが,真剣に論議できるには2~3年はかかると思う.ただし,前途の周辺環境がほどほどに整備されていなければ,4~5年は遅れると見ている.

流石、古川氏は的確なコメントを寄せている。何度も書いているが33年前Windowsなんて使い物にならなかった。何が悲しくてWindowsの遅く処理が重たいアプリを使わなければならないのか。DOSのワープロ、表計算、お絵かきソフトは十分使い物になっていた。PC-9801のCバスで仕事ができた。

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MS-DOSユーザーズ・ワークベンチ(月刊ASCII 1989年5月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号の「MS-DOSユーザーズ・ワークベンチ」は8086系マシンでメモリが足りないMS-DOSでの苦労が思い出される解説記事だった。
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読み返すと面白かったのでスクラップする。
起動しても何も起こらないプログラム
 MS-DOSでそのまま実行できるプログラムは,“.com",".exe",".bat"のいずれかの拡張子がついたファイルであることは3月号で話した。実は,このほかにもデバイスドライバというプログラムがあって,たいていの人はそのお世話になっているはずだ。デバイスドライバは,config.sysというファイルに登録しておくことで,システムの起動時に,システムに組み込まれたり,adddrv.exeを使うことで,起動後のシステムに常駐させることができる(注1).
 MS-DOSは,基本的にシングルタスクのオペレーティングシステムなので,同時に複数のプログラムを動かすことはできないが,一部のプログラムは,メモリ上に常駐し、あたかも同時に複数のプログラムが動いているかのような状態になる.
 たとえば,ATOKやVJEなどの日本語入力フロントプロセッサが,その代表選手だ.MIFESなどのエディタを使っているときでも,CTRL+XFERで,ただちに起動し,日本語を入力することができる。まるで,MIFESとATOKが同時に動いているような感じがするのが不思議である.
 こうしたことをシングルタスクのオペレーティングシステムで実現するには,割り込みという仕掛けを利用するらしいのだが,詳しいことを知る必要もないし,ぼくも説明できない.
 いずれにしても,そういうプログラムの作り方で,疑似的にマルチタスクをしているような状況を作り出すことができるわけだ。
 デバイスドライバ以外にも,メモリに常駐するプログラムがある.たとえば,neko.comである.カーソルを猫が追いかけるだけという単純なプログラムだが,アッという間に日本中のPC-9801を席捲したことは記憶に新しい。
 このプログラムを起動すると,一匹の猫が画面に表示される.そして,文字を入力したり,ファイルを表示させたりするなどで,カーソルが動くと,それを猫が追いかけていくわけだ(写真1)。単純にそれだけのプログラムであれば,たぶんここまでは流行しなかったろう.neko.comが画期的だったのは,それがTSRと呼ばれるジャンルのプログラムだった点だろう.TSRは,Terminated and Stay Residentの頭文字をとったもので,日本語では常駐終了型プログラムと訳される(図1)。つまり,neko.comは起動後,自分自身をメモリ上に常駐させ,ずっとカーソルの動きを監視し,それにあわせて猫のグラフィックスを表示させるのだ。ということは,猫がいても,dirとか、typeなどのcommand.comの内部コマンドはもちろんのこと,一部のアプリケーションでさえ動かすことができるのだ。
 TSRの形態を持ったプログラムは,4月号の特集で紹介された環境整備ソフトにもいくつかあるようだ。最近では,マウスのドライバが,デバイスドライバとしてではなく,TSRとして提供されることが多くなってきている(注2).また,フリーウェアでは,スクロールアウトした画面を取り戻すxscriptや,ishファイルを受信したとたんにデコードを始めるrishなどがある.おもしろいところでは,Multiplan用に発売されているPop-GRAPH(写真2)などのような,アプリケーションに別な機能を付加する一種のアドイン型ソフトもあるようだ。
 これらのプログラムは,起動しても何も起こらず,すぐに,command.comのプロンプトに戻る,そして,ユーザーが必要なときに,特定のキー操作をしたり,表示文字列などが何らかの条件に合致した場合に,プログラムが提供する機能を呼び出し.それが実現される。
注1) adddrvは、本来config.sysファイルによって起動時に登録しておかなければならなかったデバイスドライバを,システムの起動後に組み込むためのコマンドである..
 adddrv atok.drv
などのように行う.atok.drvには
device=atok6a.sys
device=atok6b.sys
のように書いておくadddr.exeを用いて組み込んだデバイスは,
deldrv.exe
で切り放すことできる.
注2) マウスドライバは,以前は,mouse.sysのようにデバイスドライバの形をとるものが多かったが,最近では,QuickBASICに付属するマウスドライバのようにmouse.comとして,TSRの形式で提供されるようになってきている.これは,ユーザーがconfig.sysを修正することなく,容易にマウスを組み込んだり、外したりできるようにするためと思われる.


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懐かしいことだらけだ。ちょっと感覚が違うのは私は、「まるで,MIFESとATOKが同時に動いているような感じがするのが不思議である.」とも「疑似的にマルチタスクをしているような状況を作り出すことができるわけだ。」とも当時考えなかった。この感覚の差は何だろうか。おそらく割り込みを使ったプログラムを作ったことのあるなしによるものだろう。さらにもっと素人ならマルチタスクという概念すら知らないため筆者である小形克宏氏のような感覚はなかっただろう。
 neko.comも懐かしい。VRAMの空きエリアに常駐していため他のソフトがその物理メモリにアクセスすると誤動作した。これをneko.comはウイルスであると記事に書いたマスコミ関係者がいた。今も昔も半可通のマスコミ関係者は確かめもせず記事にして恥をかいている。

中略

TSRの常駐のさせかたのノウハウ
 TSRは,メモリ上に常駐するため,必ず,ある程度のメモリを占有する.MS-DOSが管理できるメモリ容量は640Kbytesだから,そこからMS-DOS自身,command.com,そして,日本語入力フロントプロセッサをはじめとした,各種デバイスドライバなどの占有するメモリを差し引いた部分が,ユーザーが自由に使えるメモリとなる.ここに,いくつかのTSRを常駐させると,メモリ容量の残りが不足し,一太郎などが起動できないといったことが起こる(注3).
 TSRの起動は,autoexec.batの中に書いて,システムの起動時に続けて起動するのが普通だが,このとき,環境変数の設定前に常駐を行わせるように,autoexec.batの中で書いておくと,ほんの少しではあるが,メモリを節約することができる.環境変数設定後は,それぞれのTSRがすべての環境変数を知っている状態になり,もし,それが必要でない場合は,メモリの無駄になってしまうからである.
 MS-DOSのVer.3.3の場合,環境変数が何も設定されていない状態では,“PATH=”と“COMSPEC=A:\COMMAND.COM"という文字列が自動的に設定されるようだ。これが最低限の環境設定状態である.だから,この時点で,TSRを常駐させるのだ。
 そのためにも,autoexec.batの中では,プログラムをpathに頼らず,フルパス指定して起動させる。たとえば,neko.comが,\usr\binにある場合は,\usr\bin\nekoとして起動するわけだ.
 そして,必要なTSRをすべて常駐させた後に,pathをはじめとしたさまざまな環境変数を設定するわけだ.
 どうして,そこまでしてメモリの節約をしなければならないのかというと,ちょっとしたハッカー気分でchkdskコマンドを実行して,メモリの残りの容量を見てほしい。たぶん,日本語入力フロントプロセッサをはじめとした,各種のデバイスドライバやTSRで,メモリの残り容量は400Kbytesをきっているに違いないだろう.400Kbytesをきると,一太郎はまず起動できないし,通信ソフトのcctなども,起動はできても、できることが限定される.あるいは,makeなどのプログラミング用のツールが,ほかのプログラムを呼び出せなくなるといったことが起こる。かくいうぼくの場合は、メモリの残り容量は,300Kbytesをきっている.だから,一太郎を起動する際には,常駐させたTSRやシェル類を解放し,メモリを空けるといった姑息なことをやっている(図3).
 だが,こうした苦労をするのも,あともう少しの辛抱だ。というのも,MS-DOSの管理できるメモリ容量を拡大するEMS(注4)が普及しつつあり,日本語入力フロントプロセッサなどのシステムは,こちらに追い出される傾向にあるからだ。EMSは,MS-DOSの管理外のメモリを自由にアクセスするための仕掛けで,Expanded Memory Specification文字をとったものだ。たとえば日本語入カフロントプロセッサの場合,一部がMS-DOSに常駐し,残りをEMSの管理下のメモリに持っていく。これだけで,VJEやATOKなら100Kbytes近くが浮くことになるのだから,その効果は絶大だ。EMSは,アメリカでは,Lotus1-2-3などのメモリの容量によって扱えるワークシートの大きさが変化するようなアプリケーションで,自由に使えるメモリの量を拡大するために使われることが多いようだ。しかし,漢字という,メモリをよく食べる文字体系をコンピュータで使っている日本という特殊な国であるからこそ、そのありがたみが特によく分かるというものだ。
 ちなみに,メルコやIOデータ機器等では,すでに日本語入力フロントプロセッサをメインメモリの外に追い出すアプリケーションをリリースしているが,太郎を使う場合にはEMS上のATOKを使うことができないという失礼な状況になってしまう。しかし,一太郎は使わないけれども,日本語入力フロントプロセッサはATOKという人には朗報だろう。また,この春にリリースされるATOK7では,自分自身がEMSをサポートし,メインメモリの占有する領域をできるだけ減らす方向にあるといわれている.
 つまり,128Kbytesや256Kbytesといった少ないメモリの中で,できるだけメモリを消費しないようにがんばってアプリケーションを作っていた時代が,大容量メモリ時代となり,いくらでもメモリを浪費できるような状況が手に入ったと思いきや、結局はそのツケが今ごろまわってきて,苦労しているというわけだ。しかし,悪いのはメモリをふんだんに使えないMS-DOSの仕様であり,メモリを浪費するアプリケーションを作ったプログラマではない.
 いずれにしても,各アプリケーションは,機能の追加を繰り返した結果,メモリを大量に消費するようになってしまい,640Kbytesぐらいのメインメモリでは足りないのが普通といったようなおかしな状況になってきているのだ。
 かつて,PC-9801シリーズに最初から搭載されていたメモリの量は,128Kbytesだった。それがVMあたりで384Kbytesとなり,今は,640Kbytes,フルに実装されているのが普通となった。パソコ ンにやらせたいことが多くなればなるほど,メモリがたくさん必要になるということだ.
 そして,たくさん必要だからといってありすぎても,それを有効に生かすことができないのが,これまでのMS-DOSだったのだ。
 たとえば,従来,RAMボードを購入し本体に増設したところで,それは,キャッシュディスクやRAMディスクとしてしか利用できず,できることといえば,ファイル操作の速度を向上させるだけのことだった。しかも,本体の640Kbytesのメモリのうち,128Kbytesが無駄になるなどデメリットも大きかったのだ(注5).
 これでは,ハードディスクの価格がここまで下がり,スピードも向上してきた現在,RAMボードの存在価値は,非常に小さなものとなってしまう。なにしろ,RAMディスクやキャッシュディスクがあっても,改善されるのはスピードだけで,メモリ不足が解消されるわけではない.逆にいえば,スピードさえガマンすれば,ハードディスクだけでも十分だし,実用上さしつかえない程度の速度は得られる.ところが,EMSでは,メモリ不足によって本来は実現不可能なことができてしまうという点で,得られるものがまったく違ってくる.
 近い将来,OS/2などが主流のオペレーティングシステムとなり,640Kbytes以上のメモリ領域を自由に使えるようになったときにこそ,メモリは多ければ多いほどいいということになるのだろうが,それまでの間は、EMSなどの小手先の技術でお茶を濁すしかない.
 もしも,ハードディスクをつけるか,RAMディスクをつけるかで迷っている方がいるのなら,何も考えずにハードディスクを購入してほしい。その理由はこれ以上しつこくいうこともあるまい。
注3) 何度も子プロセスを起動したり,いくつものTSRを常駐させて,一太郎などの大きなアプリケーションを起動すると、「メモリが足りません」といった表示が出て起動できないといったことが起こる.ただし,一太郎の場合,グラフィックスなどの機能は使えないものの,あある程度メモリの残り容量があれば起動されることもある.
注4) 現在、日本では,I・Oバンク方式のメモリ増設が主流であるが,日本電気は,MS-DOSVer.3.3よりEMSをサポートしている.MS-DOSに付属するEMSドライバは,ソフトウェアによるEMSエミュレータといえる。(株)メルコからは,ハードウェアによるEMSボードが発売されているEMSは,LIM規格と呼ばれる仕様の規格があるため,ソフトウェアのEMSでもハードウェアのEMSでも規格にあっているならば,アプリケーションは問題なく動作するはずである。ただし,アプリケーションがEMSに対応していなければならないのは当然のことである.
注5) I・Oバンク方式のRAM増設では,メインメモリ640Kbytesのうち,上位の128Kbytesを切り放し、その領域を増設RAMがメインメモリとの窓口にして,データのやり取りをする.そのため,メインメモリ上の128Kbytesは使用できなくなる.しかし,PC-9801RA/RXでは,この領域を利用可能にするドライバが,I・Oデータ機器,メルコの両社より提供されている。これを使用することで,メインメモリの128Kbytesが利用できるようになる.

さらっと書かれているけどなんという酷い状態だったと思い返す。当時は、仕方がないことだとあきらめていた。このような環境で諸悪の根源は8086を使ったことだと8086憎し、8086だけは許せないと私は根性が曲がっていった。

以下略

すら☆そうじ氏の漫画をスクラップする。以上の解説を読むと面白く読める。
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TOWNS、MacSE、PC-98RLその他(月刊ASCII 1989年5月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

FM TOWNS、MacintoshSE/30、PC-98RL、DX-20、PROSET 30の記事をスクラップする。

まずはFM TOWNS
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以下写真をスクラップする。
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ハードウェアスペック
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十分だと思う。

TOWNSには先進的なソフトが付いていた。
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カラー版ハイパーカード
TOWNSGEAR

 GEARとは,簡単にアプリケーションを作成するためのツールだ.WINDOWSのGuidや,MacintoshのHyperCard思わせるソフトウェアである.Hyper Cardのスタックに当たるものは「ノート」と呼ばれる.

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何もなくても(サードパーティーのソフトが余りある)売れるPC-9801に対して他社はこうして頑張って先進的なソフトを付けなければ競争にならなかった。それでもPC-9801に勝てなかったのは私たちユーザが悪いからだと思う。

隠されたDOS
TOWNS OS

 80386のネイティブモードを利用しているというOSだが,添付のマニュアルではその構造などについて,一切触れていない.
 ただし,使い始めるとすぐに分かることはいろいろある.まず,CD-ROMには,IO.SYSとCONFIG.SYS,AUTOEXEC.BATといった,見覚えのあるファイルが入っている.また,Cドライブには本体内のROMが割り当てられており,そこには,MSDOS.SYSやCOMMAND.COMが入っている.MENUのディスク初期化を行ったディスクには不可視属性でIO.SYSが入る.
 試しにCD-ROMのルートディレクトリにあるファイルを,上記のフォーマットずみのディスクにコピーすると,ディスクから立ち上がり,MENUが立つ。しかし,通常のMS-DOSのコマンドプロンプト状態には下りることはできない.CONFIG.SYSで「SHELL=COMMAND.COM」としても、ハングする。文字出力のためのコンソールドライバが入っていないようだ。つまり,MENUがシェルのすべてで,コマンドシェルを使いたい場合は,別売のMS-DOSVer.3.1を購入する必要がある.
 TOWNSOS上のアプリケーションはすべてネイティブモードで動作しているという.これらのアプリケーションを起動するためのソフトとして,RUN386.EXEがシステムに入っている.これは,MS-DOSとネイティブモードの橋渡しをするもので,DOS Extenderと呼ばれる.RUN386を使って起動するソフトウェアの拡張子は「.EXE」ではなく「.EXP」となっている。
 OSの詳細な資料や開発キットは,現在のところソフトハウスにしか配布していない.富士通は,一般ユーザー向けのSDK(Software Development Kit)を準備中ということなので,楽しみにして待ちたい。これが発売されれば,MS-DOSともOS/2とも異なる,386ネイティブモードのプログラミング環境を楽しめる.

こういったことができるのも80386の仮想8086モードのできがいいからだと思う。散々8086の悪口を書いてきたが80386は出来物だとおもう。良く作ったものだ。ならば日本のメーカーはTOWNSのように80386をフルに生かしたマシンを出して欲しかったものだ。日電はそんなことはできないから。売れすぎた日電のPC-9801が足を引っ張ることになっていた。

ゲーム
 ここまで出てこなかったが,TOWNSの持つグラフィックスとサウンド,CD演奏機能を駆使したソフトウェアといえば,やはりゲームとなる.
 同時発売のゲームは9本,4月発売予定のものが2本の,合計11本が発表されている.
 「AFTERBURNER」は,ゲームセンターでおなじみのSEGAの体感ゲームの移植版だ.TOWNSのデモに使用されているので,もうプレイした人も多いだろう.BGMはCDで演奏し,キャラクターはスプライト,効果音は内蔵音源という,まさに全機能を駆使したソフトウェアだ。
 「CYBERCITY」と「EVOLUTION」,「R-TYPE」も,同様のシューティングゲームで,この3本があれば当分楽しめるだろう.
 「インビテーション」は,グラフィックスをうまく使った,アドベンチャーゲームだ。主人公の探偵となり,謎の事件に挑戦する推理ものである。じっくり楽しみたい人向きだ.
 思考ゲームでは将棋や囲碁,麻雀の3つが揃っている.シミュレーションゲームでは,パソコンゲーム業界を舞台にした「ソフトでハードな物語」,お金もうけの「アメリカンサクセス」,そして,ウォ・シミュレーションの雄「SUPER大戦略」も用意されている.

パソコンは16bit機でもやはりゲームができなくては売れなかった。PC-9801でもあの貧弱なグラフィックスでもゲームソフトはあった。貧弱な機械をプログラムでカバーすることができた。

最後のまとめ部分をスクラップする。
 今後,出てきそうなソフトウェアとしては,まず,他機種用として発売されている文字データ系のCD-ROMが登場することは大いに考えられる.他の機種では,まだ十数万円はするCD-ROMドライブが内蔵されている強みは大きい.
標準でCD-ROMがあることの利点は大きかった。

MacintoshSE/30

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以下写真をスクラップする。
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Macファミリーの変遷図をスクラップする。
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表1を抜粋する。
表1 MacSE/30の基本仕様
CPU MC68030 (クロック周波数 15.6672MHz)
RAM 1Mbytes (最大8Mbytes まで拡張可能)
CRT 512×342ドット (9インチモノクロ)
日本では発売しないということだった。

PC-98RL
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PC-9801とは名づけられなかったいわゆる除くのマシンのPC-98RLシリーズ。
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表をスクラップする。
表1PC-98XLシリーズのモード一覧表
PC-98XL PC-98XL2 PC-98RL
高解像度 80286 8MHz
80286 10MHz
80386 16MHz 80386 20MHz
80386 16MHz
標準 80286 8MHz
V30 10MHz
V30 8MHz
80386 16MHz
V30 8MHz
80386 20MHz
80386 16MHz
V30 8MHz
どれだけCPUとクロックの選択肢があるのか。ユーザに切り替えて使えというのか。昔は酷いものだった。プログラムを作る側からは糞CPUのせいで速度がでなく普通にコンパイラとかでコーディングしていたらユーザが怒るほど遅いものになっていた。何回か書いたけどカーソルがオーバーランするなんて8bit機かよ。と私は怒っていた。また、5秒黙って待たされたらフリーズしたと思ってリセットボタンを押されても仕方がないぞと思っていた。遅くなるなら予想時間か経過時間位表示しろ。どうせ遅いCPUなんだから、この表示をしても大したロスにならないだろう。とにかくギリギリのタイミングでそのCPUの持てる性能を引き出すようなCPU依存型のコーディングをしていた。ゲームなんか特にそう。遅いとゲームならない。そうしたプログラムを発売しているから機械の速度が速くなると周辺装置とのタイミングがとれないとか速すぎてゲームにならないとかCPUとクロックをユーザの方で調整しなければならなかった。とんでもない時代だった。良くユーザは怒らなかったものだ。それだけメーカーの方が優位だった。そんな環境で買い支えてきたユーザはマゾだと(自分も含め)思った。

表を抜粋する。
表3PC-98RLシリーズの主なスペック
機種名 PC-98RLmodel2 PC-98RLmodel5
CPU 80386(20/16MHz,ノーウェイト),V30(8MHz)
メインRAM 1.5Mbytes(ノーマルモード時は1.6Mbytes)
最大拡張RAM 14.5Mbytes(ノーマルモード時は14.6Mbytes)
最大解像度 1120×750ドット(高解像度モード時)
640×400ドット(ノーマルモード時)
最大表示色数 4096色中16色(各ドット)
価格 73万5000円 97万円□


まとめ部分をスクラップする。
高級機にふさわしい環境が整ってきた
 RLは98シリーズのトップスペックマシンになるわけだが,RAとの約24万円の価格差は,高解像度のメリットを評価する人以外には大きいものがある.XLと比較すれば,14万円差でCPUが80386になりクロックも倍というわけで,かなり魅力的な価格のようにも思えるが,2年前のマシンと価格を比較するのはあまり意味がないだろう.すでにセイコーエプソンはPC-386で20MHzの98互換機を発売しており,20MHzのノーマルモード専用マシンの登場が気になる.
 むしろこれまであまり表面に出てこなかった,PC-UXのようなOS環境が大幅に強化された点に,RLの真のターゲットを見ることができるだろう。このクラスのOSを実用的に動作させるには、最低4Mbytes程度のメモリと,100Mbytes以上のHDDが必須になってくるが,RLがこうした拡張性に配慮されていることは上で述べたとおりだ。ワークステーションスペックのパソコンに対して,環境の方もようやく整ってきたということができる。

辛辣なまとめのようだが、全く同意する。日電はこういう会社だった。ユーザをなめているのかと、どうせPC-98を買うのだろうというような殿様商売が鼻についた。二番煎じというか他社の後追いスペックマシンを出すのが得意だった。最初に意欲的な製品を出せよと思っていた。

キヤノンのDX-20
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表を抜粋する。
DX-20シリーズの主なスペック
機種名 DX-20 DX-30
CPU 80386(20/8MHz)
メインRAM 2Mbytes(最大8Mbytesまで拡張可能)
最大解像度 640×480ドット
最大表示色 64色(DX-20Pは外部モニタ利用時)
価格 110万8000円 109万8000円


まとめ部分をスクラップする。
ソフトウェアをインストールして販売
 DXシリーズは,誰でも買ったその日から利用できることを販売時の指針としており,その一環として,付属ソフトがHDDにインストールされた状態で販売するようになっている.DX-20では,MS-DOS Ver.3.2,MS WINDOWS Ver.2.1,そして日本語入力FPであるVJE-βが、インストールされた状態で販売される.ハードディスクメーカーがソフトをインストールする例もまだ珍しいなか,メーカーがソフトを組み込むというのは斬新な試みで,今後の他社の動きも注目されよう(表2,3).
 HDDのクラッシュなどに備えて,MS-DOSおよびMS WINDOWSのインストールディスクも付属するが,この内容は,ディスクの中身を自動コピーのバッチプログラムで転送するだけのものだ。純正品のMS WINDOWSでは,インストールプログラムを起動すると,内蔵ドライブの種類やグラフィックボードの種類などを入力したうえ,何度かディスクの抜き差しをする必要がある。ところがDX-20に付属のWINDOWSディスクは,DX用の設定でインストールしたHDDの内容をそのままFDDに落としたもので,付属のバッチプログラムでHDDにコピーすればすぐ使えるようになっている.
 ご存知のように,MS WINDOWSには,簡易ワープロ「WRITE」やグラフィックツールの「PAINT」などが付属しているので,本体だけを購入しても簡単な作業ができるとしているが,本格的な利用にはさすがに苦しいだろう.

そうだった。昔はこんな楽なインストールディスクなんてなかった。キヤノンが最初だったのか。しかし、価格が100万円超えではおいそれと買えない。

日立のPROSET 30
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ASCII1989(05)e54PROSET30画面11_W520.jpg
表を抜粋する。
ROSET30の主な仕様
PROSET30D PROSET30S
CPU 80286クロック周波数8MHz
RAM 2.5Mbytes(システム640Kbytes EMS1.9Mbytes)
グラフィック 640×400ドット,表示色:16色中16色
価格 59万3000円 49万8000円

メモリにEMSが標準装備なのに笑ってしまった。80286は高速な8086でしかない中途半端なCPUでMS-DOSはあくまでも8086用のOSだった。この時代のパソコンライフは不満ばかりだった。

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