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TBNデューティ比等、タイムトラベラー他(月刊ASCII 1989年5月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

TBNのなんでも相談室の話題が面白かった。33年前読み込んだ記事だ。
謎のデューティー比
Q:あるPC-9801用の拡張ボードを買おうとしたら,「あなたの機種ではクロックのデューティー比が違うから使えない」といわれました.デューティー比とは,何のことなのでしようか.
A:コンピュータが一定の周波数で振動するクロックという信号を基準に動作していることは,先月号のこの欄でも説明しました.その際に,同じCPUでもクロック信号の周波数が違うものがあり,場合によっては互換性がなくなるということもお話ししました.ところがPC-9801の一部の拡張ボードでは,クロック周波数は同じでも8086CPUを使ったPC-9801では動作しないものがあります.実は,クロック信号の周波数以外にもハードウェアの互換性に関係する部分があるのです。ご質問の“デューティー比”がそれで,簡単にいえばクロック信号の波形の違いを表しています.
 CPUのクロック信号は,図1のような「方形波」の形をしています。コンピュータ内部の各回路は,各種信号の立ち上がりや立ち下がりを基準としています。ただし,実際にはこのような信号は電圧の変化に時間がかかるため、台形のような波形になります.したがって単純に信号が切り替わる瞬間を捕らえることはできないので,CPUやメモリなどを構成している論理回路の動作電圧(thresh-old level:しきい値)になる瞬間を,信号の基準とみなします(図2).
 デューティー比とはクロック信号の形を表すための数値で,クロック信号1周期の中で,電圧が高い状態(“1”の状態)にある時間の比率を表しています。普通は“50%”のように百分率で表しますが,1の期間と0の期間の長さを"1:1"のような比の形で表す場合もあります(図3)。
 このデューティー比は,CPUの種類によって最適の数値が決まっています。現在使われているCPUは,ほとんどのものが50%(1:1)ですが,8086は33%(12)になっています.PC-9801シリーズにはCPUに8086を使っているものと,それ以外のV30や80286など(いずれもデューティー比は50%)を使っているものがあるため,機種によってクロックのデューティー比が異なる場合があるのです.
 では,デューティー比が違うと,どのような問題が生じるのでしょうか.たとえば8086(PC-9801/E/F/M)とV30(PC-9801UV/VMなど)を例にとって,メモリにデータを書き込む場合を考えてみます。 図4は8086CPUのメモリライトサイクルのタイミングチャートです.メモリやCPUまわりの回路は,図中の各時間の長さが表1の範囲におさまるように設計されています。拡張ボードなども,当然この表に適合するように設計しなければなりません.
 一方,V30CPUのメモリライトサイクルのタイミングチャートも8086のものとほとんど変わりませんが,表1の通り各時間の長さが若干変わっています。これはクロックのデユーティー比の違いではなく,純粋にCPU内部の回路構成の違いからきています。今回問題になっているのは,クロック信号の立ち上がり(信号が“0”から“1”に変わる瞬間)を基準にしている時間が,クロック信号のデューティー比を変えると長くなったり短くなったりする点です。
 たとえば,表中の“t6”はクロック信号の立ち上がりを基準にしています.いま,デューティー比50%のV30でt6の長さを基準値ぎりぎりの10nsになるように設計した回路を,デューティー比33%の8086で使った場合を考えてみると,図5のようにt6の長さが基準値を下回ってしまうことになります。
 実際にはこのような極端な設計はしないのが普通ですが,温度や電源電圧の変化などで回路の特性が変わってしまうことは十分考えられるので、場合によっては問題が生ずることもあるわけです。
 もちろん,このような誤差をなるべく少なくするように設計された回路ならばいずれのタイミングでも問題なく動作するので,あまり気にする必要はないはずです。
 デューティー比の違いは,ハードウェアに密着した問題なので,CPUを取り替えるなどハードウェアの改造を伴わなければ根本的な解決はできません.拡張ボードなどを導入するときは、手持ちの機種に対応しているかどうかをきちんと確認されたほうがよいでしよう.また,CPUのクロック周波数を切り替えられる機種ならば,クロック周波数を低くすることでデューティー比の違いによる影響を減らすこともできます(クロック周波数が低ければ,各種信号のタイミングが少々ずれてもその差を吸収できることがあるからです).
 なおCPUクロックとは直接関係ありませんが,液晶ディスプレイに送る画像信号や、シンセサイザの音など,一般に方形波の波形を表す場合にはデューティー比を使うことがよくあります。いずれの場合もデューティー比は,CPUクロックと同じく信号が“1”の時間と“0”の時間の長さの比率を意味しています.
(竹田)



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PC-9801の場合拡張ボードを選ぶとき8086を使っているかV30を使っているかで動作するかどうかをきちんと調べてから使う必要があったようだ。私たち一般ユーザでもマニアの部類に入る人間はパソコンを買ったらまずカバーを開け内部を観察したもので、拡張ボードを入れることも多かった。

飛び越したほうが速い?
Q:ハードディスクの広告を見ていたら,インターリーブという言葉が出てきました.このインターリーブとは一体何のことなのですか?
A:コンピュータで利用する磁気ディスクには,トラックとセクタという管理の単位があることはよく知られています.トラックは,ディスク上で同心円をなす形に作成されるもので,セクタはそのトラックの内部をいくつかの部屋に分けたものです.セクタには物理的な番号と,論理的な番号が付けられています.物理的な番号は,単純にディスクの回転方向に従って順に付けられているものです.論理的な番号は,実際にディスクにアクセスするとき,その番号に従ってアクセスするためのものです.この物理的な番号と論理的な番号は,必ずしも一致していなくてもかまいません.
 最初に簡単に言ってしまうと,インターリーブとはセクタの論理的な順番の間隔を表すものです。とは言ってもすぐには理解しにくいと思いますので,まずはディスク装置が実際に磁気ディスクからデータを読み取る過程を考えてみましょう.
 複数個のセクタにまたがるデータを読み取るとき,ディスク装置は磁気ヘッドから1つのセクタを読み取っては処理をし,その処理が完了した後に次のセクタを読み込んで処理をするという動作を繰り返します.このとき,処理が完了した時点で次の目的のセクタが読み込める位置までディスクが回転していれば問題はありません.しかし,実際には処理中に目的とするセクタが通過してしまい,もう1回転して読み取れる位置まで戻って来るのを待たなければならないということが起こります。最悪の場合,1トラック中の10個のセクタを読み取るために,10回転を要するということが起こり得ます(図6)この反対に理想的なのは,1回転で1トラック中のすべてのセクタが読み取れることです。
 図7-1を見てください.これは1つのトラックを模式化したもので,8個のセクタがあり,ディスクは反時計まわりに回転するものとします。一番最初のセクタを仮に0番とすると,物理的な読み取り方向に従って隣のセクタ(この場合は右隣)を1番,以降順に7番までの番号が振られています。この0~7までの番号が物理的なセクタ番号です。ここで,1つのセクタを読み取ってから次にセクタを読み取れる状態になるまでに,セクタ2つ分だけディスクが回転するのと同じだけの時間がかかるものとします。この場合,1つのセクタを読み取った時点で次に読み取り可能な位置に来ているのは,先に読み取ったセクタの次のセクタから数えて3つ目のセクタになるということです.
 このディスク装置を使って最も少ない回転数で1トラック中のすべてのセクタを読み取ろうと考えると,論理的なセクタ番号をセク夕2つおきに設定すればよいことになります。物理番号0のセクタはそのまま論理番号0として,物理番号3のセクタが論理番号1のセクタとなり、以降,順に2つおきに論理番号を振っていきます(図7-2).
 このようにセクタn個の間隔をあけてセクタに論理番号を付けていくこと,あるいはその間隔をセクタ・インターリーブと言います.また、同じ意味を「インターリーブ・ファクタ1:x」という形式で表す場合のx+1に当たり,この例では3ということになります.
 さらに図中から,0~7までのセクタを論理番号順にすべて読み取るためには,ディスクを3周しなければならないことが分かると思います。このことから,インターリーブ・フアクタのxは,1トラック中のすべてのセクタを読み取るために必要なディスクの回転数を表すものであると捉えることができます.
 もうお分かりかとは思いますが,前述の最も理想的な論理セクタの配置(1回転ですべてのセクタを読み取れる状態)というのは,セクタの物理的な番号と論理的な番号が一致している場合のことです。つまりセクタインターリーブがなく,インターリーブ・ファクタは1:1ということになります。
 ここでは説明の便宜のためにディスク・アクセスの読み込む動作を例として説明しましたが,書き込む動作の場合も同様です。ただし,ディスクから1セクタ分のデータを読み込んだ場合の処理時間と,1セクタ分のデータを書き込むための処理の時間では若干の違いがあることが普通です.したがって,読み込みが最短時間になるように設定されたインターリーブが,必ずしも書き込み時にも最短になるというものではありません。ですから実際には,読み書き双方の妥協点を取ったセクタ・インターリーブを設定することになります。
 では実際のハードディスクはどうなっているのでしょうか.PC-9801シリーズ用のハードディスクの場合は,ユーザーが自由にセクタ・インターリーブを設定することはできません.サードパーティから発売されているPC-9801用ハードディスク(SASIインターフェイスのもの)は,ほとんどのものがインターリーブ・ファクタ1:2,あるいは1:3に設定されており,特に高速な機種のなかには1:1のものもあります。
 インターリーブファクタ1:1を実現している機種は多くの場合、コントローラ・ユニットにバッファメモリを用意して,処理を待たずに1トラック中のすべてのセクタを読み込むことを可能にしているようです.
 なお,インターリーブの設定は,ハードディスクのコントローラ・ユニットがフォーマハット時に自動的に行います。
 Macintosh用のSCSIハードディスクでは、機種によってフォーマット用のプログラ ムでインターリーブをユーザーが設定できるものもあります。
 インターリーブは,ディスク装置を使用する上で特にユーザーが意識するものではありません.周辺装置のI/Oの速度を高めるための、一つの手段です.この稿では,ディスク装置のインターリーブを説明しましたが,デディスク装置のインターリーブの他に,メモリ・インターリーブなどの技術もあります。メモリ・インターリーブもディスク装置の場合と同様に,アクセス効率(速度)を高めるための技術です.
(樋田)



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パソコンをただワープロやゲームをするだけの機械として使うのならこのような知識は不要だが、趣味でパソコンを使う人間にとって機械がどのように設計されて動いているのかを知ることができるのは楽しかった。33年前は既にTVがどうして動いているのかは理解できなかった。パソコンならこうして理解できたので嬉しかった。

当てるがパッチ?
Q:「パッチを当てる」ということをよく聞きますが,一体何をすることなのですか.
A:パッチ(patch)という単語を英和辞典で引くと,「継ぎ当て」などの意味のほかに,辞書によっては電算機用語として「プログラムを修正すること」などとあります.「プログラムにパッチを当てる」あるいは「パッチする」とはpatchの元の意味から,「プログラムに継ぎ当てをすること」→「プログラムに細かな修正を施すこと」を慣習的に指す言葉となっているようです.
 ただしプログラムの修正とは言っても、プログラムを作成する段階で仕様と異なる不都合や予期しない動作を修正する「バグフィックス」あるいは「バグを取る」という言葉とは,少し趣を異にします。もちろん,「バグフィックスのためにパッチを当てる」というように,「パッチを当てる」という作業がバグ取りの作業に含まれることはあります.しかし,「パッチを当てる」その作業が直接に「バグ取り」と同義であるわけではないようです.
 「パッチを当てる」例としては,1バイトコードの文字しか取り扱えない英語版のMS-DOS上のエディタなどを,その制限を変更して2バイトコードの漢字も取り扱えるようにするといったことがあげられます。もちろこの場合,そのエディタで当該の制限を取り除いても他の部位に不都合が現れないことが条件となります。他の部位に不都合が現れるようなら,その部分にも「パッチ」を当てなければならなくなります.また,場合によってはさらに大きな変更を余儀なくされ,「パッチを当てる」ことで漢字を取り扱えるようにすることそのものが事実上不可能であるということにもなります。
 「パッチを当てる」という表現は多分に慣習的なものですが,たいがいの場合は,先のようなプログラムの修正をメモリレベルで行うことを指すものです。メモリレベルでの変更というのは、言い換えると実行可能なファイルやオブジェクト・ファイルを直接(デバッガなどで)書き換える(上書きしてしまう)ことになります。たいがいの場合と言ったのは,プログラムのバージョンアップなどの際に大きなソースファイルのすべてを書き直すのではなく,該当する一部分を取り出して変更を加えるなどの場合にも「パッチを当てる」ということがあるからです.
 「パッチを当てる」という言葉は,総じて「プログラムに細かな変更を加える作業,そして その作業をメモリレベルで行うことである」と言えるでしょう.
(樋田)


パッチを当てるは今でも使っている。フリーソフトを使うときにパッチを当てるプログラムを配布してくれてありがたい。

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消費税が始まったのはこの年だった。記憶のためにスクラップしておく。

タイムトラベラーの記事があったのでスクラップする。
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少年ドラマシリーズがビデオ化された
さまよえるインド人の秘密
 「時間よ止まれ,キミは美しい」というコピーがどこかにあったと思うが,その元祖はなんといっても,NHKの少年向けドラマ「ふしぎな少年」('61年)である.ふしぎな少年が,いつかは「大奥」の将軍となり,小僧寿しチェーンのフランチャイズの申し込みにいったところ断られ,一念発起,小銭寿しチェーンとして復活逆襲を試みることになるなぞといったことは,誰にも想像できるものではなかった.
 「ふしぎな少年」は、空想科学的な色合いを持ったNHKの少年ドラマの先駆的作品だ。ドラマもスタジオで生放送されるといった時代で、「時間よ止まれ」という少年のかけ声で,他の役者たちが一斉にストップモーションとなるのである.そして,決まりは,秒針まで止まった(?)時計の写真が映るところだった。
 後年,ウルトラマンなどで知られる脚本家の石山透氏にお聞きしたところでは,作る側も相当に大変だったという。原作の手塚治虫氏から簡単なメモのようなものをもらって,これをどうやって,スタジオの生のドラマでこなすかということだ.ドラマと手塚治虫自身のマンガによる「ふしぎな少年」は,微妙に前後して作られたことになる。マンガのほうは,「手塚治虫全集」(講談社刊)に収録されているので,興味のある人は読むことができる.
 いずれにしろ,「ふしぎな少年」が当時の科学少年に刷り込んだものは,それまでの荒唐無稽で勧善懲悪しかいうことのないドラマとは,一線を画するものがあった。時間を止めるなんてナンセンスというなかれ、「ものしり博士」や「四つの目」や「みんなの科学」といった系譜に入れてもおかしくないほどに,好奇心や想像力を刺激するものだったのだ。
 さて,この「ふしぎな少年」から10年の歳月が流れ,おなじように「時間」をテーマにした少年向けのドラマが作られた.年ドラマシリーズ)の記念すべき第1作「タイム・トラベラー」がそれである.「タイム・トラベラー」は,「中三コース」('65年11月号)~「高一コース」('66年5月号)に連載された筒井康隆の「時をかける少女」が原作であり,脚本は,「ふしぎな少年」とおなじ石山透である。'72年1月に放送されたこの「タイム・トラベラー」以降,NHKは,4~6回の短期連続で,次々に少年ドラマの傑作を放送していく。'82年4月の「芙蓉の人」までの10年間に放送された97作品が,いわゆる「NHK少年ドラマシリーズ」と呼ばれるものである.
 このNHK少年ドラマシリーズの特徴の1つは,題材をSFに得たものが少なくないという点である。ざっとあげただけでも「暁はただ銀色」,「気まぐれ指数」,「怪人オヨヨ」,「夕ばえ作戦」,「赤外音楽」,「なぞの転校生」、「明日への追跡」,「11人いる!」,「未来からの挑戦」,「幕末未来人」,「蜃気楼博士」,「その町を消せ!」「七瀬ふたたび」,「ぼくとマリの時間旅行」などがある.
 「タイム・トラベラー」は,'72年1月1日から2月5日までの毎週土曜日の6回連続で,夕方6時5分から35分に放送された。演出は,花房実,黛叶の両氏とともに,NHK少年ドラマシリーズの顔ともいうべき佐藤和哉氏である。「続タイム・トラベラー」のほうは,同年11月4日から12月2日までの5回にわたって放送された,こちらは,ストーリーも石山透氏による書き下ろしである.
 島田淳子(後の浅野真弓)演ずる中学3年生芳山和子は,あるとき理科準備室未来人が調合中だったタイム・トラベル促進剤の臭いをかいでしまう.それ以来,時間を旅することがクセになってしまうというお話だ。最初は,ラベンダーの花の香りをかぐと,しまいにはちょっとしたショックを受けただけで,パッとどこかへ行ってしまうのである.ドラマは,この始末の悪いクセが身についてしまった女子中学生と,700年後の未来人ケン・ソゴルとの接触を軸に展開する.
 オープニングの画面に銀河系(?)が映し出されただけで,何か新しいものが始まることが予見された.幻想的なハープシコードによるテーマ曲,そして,少々マユツバ臭い城達也のナレーションが,センス・オブ・ワンダーの芳香を放つ.そして,スタジオドラマのビデオ作品独特の空気,特殊効果で話は進行するのだ。それは、英会話教室の寸劇の延長のようでもあり、なにやら心許ない画面ではあったが,充分に見入るだけのドラマが展開されていたのだ。
 ところで,この「タイム・トラベラー」は,大和書房からシナリオ集が出ている.スチールも収録されており,当時あのドラマを見た人ならば,鮮明にそのときの状況を思い出すことができるだろう.もっとも,単行本化の際,どうしても当時の台本が見つからなかった回があり,その分については,石山透氏が新たに書いたといわれている.ただ,浅野真弓(現在は柳ジョージの奥さんである)によればすべての回の台本が大切に保存されているとのことであり、是非とも増補改訂版を出してほしいところである。筆者は,そのことを石山透氏にお伝えするつもりでいたが,生来の怠け癖のため2年ほどほうっておいたところ,故人となられてしまい心苦しい思いをしている.

音につかまって空を飛ぶ
 「ふしぎな少年」から10年後に「タイム・トラベラー」が作られたといったが,正確にはこの間にも1作「宇宙人ピピ」という傑作があったことを忘れてはならない。'65年4月から1年間にわたって放送された宇宙人ピピは,やなせたかしによるアニメーションのピピと,実写の人間の合成によるドラマである。宇宙人ピピは,時間をストップしたり,巻戻したりすることができ,たいていは自分が下宿しているアパートの駄目な主人を助けつつも教育(?)するといったプロットで,どこかドラエモンを思わせるお話であった.
 「ふしぎな少年」と「宇宙人ピピ」,そして'67年に放送されたゲイリー・アンダーソンの人形活劇「サンダーバード」が,少年ドラマシリーズにいたるSF系スペクトルだ.
 さて,このほどNHK少年ドラマシリーズから,4本の作品がビデオとして市販されることになった。「タイム・トラベラー」などは,当時高価だった2インチビデオテープを使用していたために,すべてが使い回されてしまい残っていないのだが,比較的後期の作品やフィルム作品は残されているようだ。今回発売されるものは,いずれもテープがあると伝えられていたものであるが,実際に観ることができるようになったのはうれしい.
 今回発売されるのは,「ユタとふしぎな仲間たち」(全1巻),「なぞの転校生」(全3巻),「霧の湖」(全2巻),「つぶやき岩の秘密」(全2巻)の4作品である.これらのうち純然たるSF作品は,「なぞの転校生」だけである.いかにも少年ドラマシリーズらしい雰囲気の作品だ。ただし,6話から最終回の9話あたりまでは,やや話のテンポがもったりしてしまっていたように記憶している。「霧の湖」は,残念ながら観ていない。「なぞの転校生」もよいが,実は,是非見てほしいのが「ユタとふしぎな仲間たち」と「つぶやき岩の秘密」である.
 「ユタとふしぎな仲間たち」は,都会から家の都合で田舎の旅館に越してきた少年と,座敷童(ざしきわらし)の触れ合いを描いた作品だ。今回発売されるのは,'71年に1時間に編集されて放送され,芸術祭優秀作品賞を受賞したバージョンである.また,このドラマは,'77年に劇団四季のレパートリーとして初演されている.一方,新田次郎原作の「つぶやき岩の秘密」は,石川セリ歌うテーマ曲「遠「い海の記憶」があまりにも懐かしい.神奈川県三浦半島の三戸浜海岸を舞台に,父と母を海の事故で失った少年が,その謎にいどむという少年ドラマシリーズ以外ではあり得ない傑作である.
 どちらも,雄大な自然を舞台に少年の成長を描いた作品である。とくに,岩手県金田一村で1年間にわたってロケされたという「ユタとふしぎな仲間たち」は,その自然の美しさもさることながら,少年を元気付けようとする5人の座敷童たちの愉快で奔放なふるまいが,伝説の世界をいきいきとしたファンタジーに蘇らせている.
 音につかまって空を飛ぶという発想がどこかにあったなと思っていたが,思いだした。佐藤蛾次郎と篠山紀信そっくりな顔をした4人の座敷童たちが,お寺の鐘の音に乗って山の頂上まで洗濯を干しに飛んでいくくだりがあるのだ。このとき,少年も一緒に連れていかれるのだ。どこか北風小僧のカンタローを連想させるものがある.
(HortenseEndoh)

初回の「タイムトラベラー」は強く記憶に残っている。タイムループものに触れるのが初めてだったので強烈だった。また、浅野真弓が可愛くて記憶に残っていたのかもしれない。家の時計とかシーンが目に浮かぶ。このビデオが消されていたのは返す返す残念なことだった。2作目の「続タイムトラベラー」はいまいちだった。印象が弱い。原作者の筒井康隆が「ファンレターが届いたが、ケンソゴルの役者さんは誰ですか」のようなストーリーに関係のない手紙が来たと書いていた。結構少女にも人気があった番組だった。
「不思議な少年」も覚えている。時間を止めるはアニメ「スーパージェッター」のタイムストッパーにつながっているのかもしれない。主役の少年が小銭寿司の人だったとは。

編集室からの記事の一部をスクラップする。
 先日,パソコンサンデーというテレビ番組に出させていただいた.東京地区では日曜日の朝にテレビ東京で放送されている番組で,その日のテーマは、「パソコンにできること,できないこと」。これからパソコンを始めようとしている方に,パソコンでできること,できないことを見極めてもらい,有意義なパソコンライフのスタートを切っていただこうという趣旨だ。一緒にお話をした司会の小倉智昭さんはパソコンのユーザーとしてもベテランの域に入る方で,ぼくにとっては,大変に楽しい体験だった.とはいえ,今回のテーマは少々高度で,台本の筋書きどおりに話を進めるのはむずかしかった。
「小倉智昭さんはパソコンのユーザーとしてもベテランの域に入る方で」が意外だった。ベテランというからには8bit機から使っていたのだろうか。

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