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PC-286NOTE executive、MS-DOSユーザズ・ワークベンチ 他(月刊ASCII 1989年11月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

PRODUCTS SHOWCASE から PC-286NOTE executive の記事をスクラップする。
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表1 スペック
PC-286NOTE executive
CPU V30 (クロック周波数10MHz)
キーボード操作により8/5MHzに切り替え可能
ROM BIOS その他 128Kbytes
RAM ユーザーズメモリ 640Kbytes
RAMディスク 512Kbytes バッテリバックアップ
(オプションの拡張RAMDISKを装着することにより最 大1.1Mbytes まで増設可能)
VRAM テキスト用VRAM 12Kbytes
グラフィック用VRAM 256Kbytes
ROM
バンドルソフト
2Mbytes
日本語MS-DOS (Ver.2.11)
統合ソフト「MEMO」
ディスプレイ 反射型 FTN液晶ディスプレイ 640×400ドット
8階調 (2階調に切り替え可)
ICカード 2スロット RAMカード 128/640Kbytes
インターフェイス マウス, プリンタ RS-232C, モジュラージャック
拡張バス (ビデオ信号含む)
電源 ACアダプタまたは内蔵Nicd電池
内蔵 Nicd電池使用時, 最大3時間使用可能
外形寸法 315(W)×235(D)×35(H)mm
重量 2.2kg
消費電力 約7W (ACアダプタ使用時)
価格 45万8000円

特筆すべきはその価格で45万8000円は高すぎる。これでは手が出ない。
以下写真をスクラップする。
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以下、まとめ部分をスクラップする。
 さて,気になる価格は45万8000円である。先に発売されたJ-3100SSの19万8000円に比べると高く感じるが実際はどうなのか,検証してみよう
 まず,CPUの性能を考えると同社の286LEと同等だ.LEのSTDの価格は36万8000円である。これに,512Kbytesの増設RAMとモデムの価格を加える必要がある.増設RAMは,比較する製品がないため価格を決定するのが難しいが2万円とし,モデムも2万円とする.以上でハードの合計が40万8000円となり,LEとの差額は5万円となる.これが付属のMS-DOSとMEMOの価格と考えると,高いマシンではないように感じる。とはいえ,FDDは付いていないので,その価格を引かなければならないが,ブックサイズというメリットにはあまりある値段である.
 ここまで考えると,286NOTEは高価なマシンであるという評価は当たっているとは思えない.しかし,気軽に買える価格でないことも確かである.
 今後,NOTEのラインナップが充実して,低価格の普及機が登場することにも期待したい。

何を言っているのか分からない。PC-286NOTEexecutiveを弁護するためなのか支離滅裂になってしまっている。ダイナブック(J-3100SS)と比べ高いのははっきりしている。だからか、比較対象をPC-286LEにした。これは比較対象で筆者が困ったのではないか。ともあれ、このマシンは売れなかったに違いない。

MS-DOSユーザズ・ワークベンチをスクラップする。
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冒頭に私の愛機だったダイナブックのことが書かれていた部分をスクラップする。
ウォーキングPC DynaBook
 騒いでいるのは業界だけという話もあるし,ぼく自身も大騒ぎしている張本人であったりするのだが,東芝からノートサイズの16bitパソコン,J-3100SS,いわゆるDynaBookが発売された。いま,この原稿を書いている時点で,書店に並んでいるパソコン雑誌(9月号)は,こぞってこのマシンを大々的に取り上げ,蜂の巣をつっついたような騒ぎになっている.
 今年はウォークマンが発売されてから,ちょうど10年目にあたり,その累計出荷台数は5000万台を超えたそうだが,DynaBook登場のインパクトは,なんとなく初代ウォークマンが登場したときのそれに似ている.
 ウォークマンは初代から現行最小モデルまで,体積にして45%,重さにして38%まで軽薄短小化されているが,DynaBookも,これから10年をかけて、同じような道をたどるのだろうかと考えると、なにやらワクワクしてしまうから不思議だ。
 先日も,マイクロソフトの古川社長,ロータスの菊池社長という業界の巨頭的存在のお二人のインタビューに,この小さなパソコンを抱えてでかけ,話の内容をメモしたが,十分に実用になると実感できた.応接室のソファに腰をおろし、まさに膝の上にパソコンを置いてキーを叩く……ラップトップパソコンを本当にラップトップで使って苦にならない日が,こんなに早くやってくるとは思わなかった.
 なにしろ,1時間のインタビューが終わったその瞬間、原稿に使える約10Kbytesのテキストファイルができ上がっているのだから,効率的なことこのうえない.10Kbytesというと,ちょうどこの原稿ほどの長さがある.といえば,その量が分かるだろう.
 ぼくは,DynaBookを使うにあたり,エディタとしてMIFESを常用するようになった。慣れないソフトを使うというのは実にじれったいもので,いつものワープロならサクサクと書ける原稿も,やっぱり生産性が低くなってしまう.MIFESは,キーのアサインを自分で自由に定義できるので,一太郎と同じにしてしまえばいいのだが,それもめんどうくさいので,結局はデフォルトのままで使い始めてしまった。
 新しいエディタを使い始めるときには,行頭,行末,ファイルの先頭,ファイルの末尾に最短キーストロークでカーソルを移動させる方法,ファイルを最短手順でセーブする方法,後方スクロール,前方スクロールの方法,これだけを最初にチェックする。ほとんどのエディタは,ダイヤモンドキーをサポートしているので,1文字単位のカーソル移動は新たに覚える必要はない.そして,これに加えて,移動,削除,複写の方法を覚えれば,何とか使いこなせるようになる。もしかしたら,一太郎より普及しているのではないかと錯覚してしまうほど、誰の家に行ってもMIFESがあるのに,ぼくはそれをうまく使いこなすことができなかった.そんなわけで,他人のマシンのautoexec.batやconfig.sysなどの内容を書き換えさせられたりするときに不自由していたのだが,これでもう大丈夫と,おかしな自信をつけたりした次第である.

実際、私の周囲でダイナブックを買ったのは私を含め2人だけだった。こんなにいい機械なのにと思ったが、持ち運んでまでパソコンを使いたいという趣味のユーザが少なかったためだろう。私が入っていたECC(Enjoy Computer Club)はコンピュータを仕事にしている人が少ない趣味のクラブであったことも原因かもしれない。
以下、すらそうじ氏の漫画をスクラップする。
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sedも使ったけれど、その後にASCIIに載ったjgawkの方をよく使った。

この号の特集は「日本語ワープロ再発見・再入門」だった。
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冒頭の「日本語ワープロ再発見の旅に出る」をスクラップする。
 '64年にIBMが発売したMT/STが,最初のワードプロセッシングだという.まだ,ワードプロセッサという言葉はなく,磁気テープタイプライタと呼ばれた.日本語のワードプロセッサは,ご存じのようにこれよりも10年以上を経過して登場することになる.東芝がJW-10を発売したのが'78年,ほぼ同時期に開発をすすめていたシャープ,富士通,キヤノン,沖,松下通信などからも相次いで商品化され、OAブームの立て役者となったのは記憶に新しい.
 最初の日本語ワープロ専用機が発売されたこの時期は,ちょうどWordMasterやWordStarといったパソコン上のワープロソフトが海外で話題となり始めた時期でもある。日本語ワープロソフトは,これ,よりも少し遅れて登場したが,本格的にビジネス分野で使われ始めるのは,PC-9801など日本語機能を重視した16bitマシンが登場してからである.'83年の松(管理工学研究所)'85年以降は,今日までベストセラーを続ける一太郎(ジャストシステム)ほか多数の日本語ワープロが発売される.海外では,WordStarの16bit版の最初のバージョンなどは,8bit版のソースコードをコンバートして作られたともいわれるが,当然のことながらパワーアップされ,ワープロ専用機を完全に駆逐するまでにいたっている.
 '85年頃は,10万円を切る低価格のパーソナルワープロが,話題を提供した時期でもある.パーソナルワープロや,その後のパーソナルファクシミリなどは,現在では,「新家電」などと呼ばれる.この間に日本語ワープロという概念そのものが,すっかり定着したわけだ。
 ひとりの人間が通常使用する字種は,600~800だという.JIS規格では第1,第2水準合わせて6349におよぶ漢字をコード化している.
 パソコン上の他のアプリケーションが,いずれも海外のアプリケーションの明らかな影響下,もしくはその日本語化バージョンであるのに対して,日本語ワープロソフトは,日本語を使うということのために,日本独特の文化を持って育ってきた。
 ワープロ専用機から受け継がれた日本語入力方式,カナ漢字変換方式の高度化や、文字の装飾,禁則などのテキスト処理,図形の文書への貼り込みなど,日本独特の進化を遂げてきたのである.日本語の入力機能そのものは,VJEやATOKといった日本語入力フロントプロセッサという形で切り離され,表計算やデータベースなど,他のアプリケーションでも日本語ワープロと同様の日本語環境が提供されるようになった.
 しかしながら,日本語ワードプロセッサは,パソコンのアプリケーションとしては,なお特別の存在である.他のアプリケーションがなくても,これさえ効率的に使うことができれば,それだけで十分パソコンを使っている意味があるのが,日本語ワードプロセッサのあるべき姿なのだ。
 なぜなら、日本語ワードプロセッサは,何も書いてない紙のようなメディアである.人間が,紙に文字や式や絵を書いたり,読んだりすることを,もっぱら知的活動の場としてきたことを考えれば,明らかだろう.
 ものを考え,それを表現するためのツールとして,われわれは好ましい日本語ワープロを持っているだろうか?効果的な使い方について十分注意を払っているだろうか?日本語ワープロのファンダメンタルについて考える.

日本語ワープロの歴史が書かれているので資料としてスクラップした。

NeXTはソフトウェアの記事だったのでスクラップを省略する。
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TBNのDMA(Direct Mail Area)に面白い記事があったのでスクラップする。
 9月号の「ATOK7vs.VJE-βVer.2.1」を読むまで,「ATOK」を「あとっく」,「VJE」を「ぶじぇー」と読んでいました.ところで,この「ATOK」とか「VJE」って、一体何の略なんですか.
 変わった読み方をする英語(特に商品名)には,ふりがなをうっていただけないでしょうか.それというのも、最近まで私は「ATOK」を「あと一<」と発音していたからです.こんな間違いをするのは、私だけでしょうか……

 こういった横文字の読み間違いというのは,コンピュータの分野に限らずありがちで、口に出してしまってから他人に指摘されると,とても恥ずかしい思いをしたりします。編集部の関係者でも,“vi"(UNIXで主に使われているエディタで“ぶいあい”と読む)を“うぃー”と読んで笑われた人,“IEEE”(“あいとりぷるいー”と読むのが正しいらしい)を,咽を詰まらせながら“あいいーいーいー”と読んだ人などがいたりして,決して他人事ではありません.
 読み方が決まっていない略語もたくさんあります.たとえば,“TeX”は,“てっくす”,“てっく",“てぶ”など、人によって読み方が違っているようです.
 この他、最近よく見る“GNU(ぐにゅー)”,“Wnn(うんぬ)”,“Mach(まーく,まっは,まっくetc……)”など,特にUNIX関係には難読な略語が多いようです。
 略語の作り方には決まった規則はなく,単語の頭文字をそのまま並べる方法から,先にかっこいい略語を考えておいて、後からフルスペルをこじつけるといった乱暴な方法(1989年8月号DMAで紹介した某ブランドの家具など)まで,さまざまです.読み方も後者の場合なら、すぐに分かるのですが,前者の場合,アルファベットを1つ1つ読むべきか,適当に続けて発音するべきかは,英語のセンスの有無にかかわらず,判断に困るところです.
 結局,分からなければ、その道の通に聞くのが一番ということになります.ただし,その人が過度に業界にかぶれていると,“○たく”の人にしか通じない読み方を教わってしまう危険もあるので要注意でしょう.
 さて,VJE(ぶいじぇいいー)は,“Vacs Japanese Entry system"の略で,これは単純明解です.ATOK(えいとっく)は,ASCII文字を漢字に変換するシステムという意味で“Ascii TO Kanji",または,ジャストシステムの本社がある阿波徳島にちなんで"AwaTOKushima"の略であるなどといわれていますが、実は"Automatic Transfer Of Kanakanji"の略です.しかし,個人的には“Ascii TO Kanji"のほうが,C言語で文字や数値の変換を行なう関数“atoi(ascii to integer)",“ftoi(floating-point to integer)"みたいで、好みに合いますね。
 “~TO~”系の略語で傑作なのは,MS-DOS付属のユーティリティである“EXE2BIN(exe to bin:えぐぜつうびん)”です.これは,MS-DOSのEXE形式ファイルを,ただのバイナリファイルに変換するというものです.“2(TWO)”を“TO”に引っかけるあたりが,合理的というか,遊びが過ぎているというか,さりげなく馬鹿にされているような,自虐的快感をもたらしてくれます(注:“2”が“TO”のままでも,ファイル名は8文字以内なので支障はないのですが).
 雑誌は活字中心のメディアであるという性質上,本誌でも文字の読み方にまでは神経がいきとどきにくい面があります.しかし,人と人とが面と向かってコミュニケーションする時には,文字づらだけでなくその発音がどうしても伴ってくるわけですから,難読な略語などには、できるかぎり読み方を明記するべきかもしれませんね。
(IEEEで咽が詰まったのは私です zen-t)

MS-DOSのファイル名の制限のためtoを2,forを4にするのはよく使った。

なんでも相談室をスクラップする。
Q:米国のパソコン通信サービスにPDSとしてアップロードされているものに,拡張子が“.GIF"となっているものがありました.これはいったいどういうファイルなのでしようか.グラフィックデータだとは聞きましたが……
A:GIFとはGraphics Interchange Formatの略で,グラフィックデータの標準ファイルフォーマットの一種です。米国のパソコン通信サービス“CompuServe”で考案されたもので,GIFの名称はCompuServeの登録商標になっています.ちなみにGIFは,ジフ(jif)と発音するそうです.
 GIFは,異機種間でグラフィックイメージを共有することを目的として考え出されたものです。現在では,IBM PC(同PS/2),Macintosh,AtariST,AmigaなどでGIFファイルを作成・表示するためのユーティリティ(encoder,decoder)が用意されています.また,国産機種向けのGIFユーティリティも,NIFTY-Serveをはじめとして大手のパソコン通信ホストなどにいくつかアップロードされています。
 そうしたGIFユーティリティは,GIFファイルを読み込んで単にグラフィックイメージを表示するだけのものから本格的なペイントソフトの形態をとるものまで,さまざまなものがあります.また,米国製の商用のグラフイックツールでは,GIFファイルを直接読み書きできるものも見られます。
 GIFは異機種間でグラフィックイメージを共有することを目的としていますが,実際にGIFファイルからデータを読み込んでイメージを表示する場合にはそれぞれのハードウェアによってディスプレイの解像度や色数も当然異なります。機種やユーティリティによって、イメージの再現方法がまったく異なる場合もあります(図1)これを逆に見れば,データの形式さえ分かっていればそれぞれハードウェアの能力に合わせてイメージを取り出すことができるわけです.つまり,あくまでGIFはファイルのフォーマットレベルでの標準化であって,まったく同じイメージを異なる機種で再現することを目的とした標準化ではないということです.
 GIFファイルのフォーマットは図2のような形式になっていて,グラフィックイメージはLZW(Lempel-Ziv and Welch)法で圧縮したラスタ型のデータとして保持されます。ラスタ型のデータとは,CRTの走査線のように,画面の左上端から右下端に向かって,左から右へ,上から下へとスキャンした形で収められるデータのことです(図3).取り扱えるイメージの大きさには,特に制限がありません。カラーは,RGBの各色に対して最大256階調を利用することができますが,ひとつのGIFファイルの中で使用する色数は2,4,8,16,32,64,128,256のうちから選択しなければならないという制限があります。もちろんグレースケールも,カラーと同様に取り扱うことができます.
 GIFについての詳しいドキュメントは,前出のCompuServeの“CompuServeGraphics"で入手することができます。またGIFフォーマットのグラフィックデータも、多種多様なものが非常に数多くアップロードされています。  (樋田)


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GIFでアニメが作れるのが面白かった。PC-9801時代、パソコン通信の時代は16色でことたりるのでGIFは便利だった。

液晶ディスプレイの解説記事をスクラップする。
Q:コンピュータ用の液晶ディスプレイは,なんであんなに遅いのでしょうか.同じ液晶ディスプレイでもテレビ用やゲーム用のほうが速度が速いのは納得できないのですが.
A:ディスプレイ等の表示デバイスに求められる性能には,高解像であること,高コントラストであること,応答速度が速いことなどがあります。しかし、現在のコンピュータ用液晶ディスプレイは高解像,高コントラストは達成していますが,応答速度はとても満足できる状態ではありません。コンピュータに使用されているSTN液晶ディスプレイの応答速度はさまざまな改良により100~150ms程になっていますが,動画表示が無理なくできるには応答速度50msが必要といわれています。
 STN液晶ディスプレイの応答速度がなぜ遅いのかの前に,まず液晶素材の特性について少し説明しましょう.

液晶の特性入門

 大半の物質は,一定の温度で固体から液体に変化します.しかし,中には固体と液体の間にゼリー状になる温度帯を持つた物質もあります。液晶はこの固体と液体の中間の状態の一形態です。そのため固体と液体の両方の特徴を持っています。液晶は液体と同じく流動性を持ちながらも,固体(結晶)と同じように分子配列に一定の方向性を持っています。液晶に電圧や磁力をかけると、電場や磁場の影響で分子配列の方向が容易に変化します.液晶ディスプレイはこの分子配列の変化を利用し,光をさえぎることによって画面表示をしています(詳しいことは8月号の液晶ディスプレイレポートを参照してください).
 以後ここで液晶といったときは,特に指定がない限りは電圧によって分子配列が変化するタイプの,コンピュータ用に使われているネマティック液晶を指すこととします。液晶に電圧をかけたときの分子配列の変化は、液晶にかかる電圧がある一定の大きさになると始まります.また,液晶の分子配列変化が始まってから完全に分子配列が変化しきるまでには,多少の電位差があります.分子配列の変化が始まる電圧と終わる電圧との中間の電圧を液晶にかけた時は,分子配列変化が中途半端のままになります(図5)。
 液晶は液体のように流動性があるといっても、液体よりも粘性が高くどろりとしています。液晶はこの粘性のために分子配列を一定に保つことができるのです.しかしその一方で,この粘性が電圧をかけたときの分子配列の変化を妨げています。液晶ディスプレイの応答速度,つまり分子配列が変化するのに要する時間は液晶の粘性と液晶パネルの厚さに比例し,液晶にかける電圧に反比例します。また電圧を落とした時に分子配列が元に戻るには,分子配列が変化する時の1.5~2倍の時間がかかります。
 以上のことから液晶ディスプレイの応答速度を速くするには、より粘性の低い液晶を使う、液晶パネルを薄くする,液晶にかける電圧を高くする,という方法が考えられます。しかしパネルを薄くするには技術的な限界がありますし,ラップトップコンピュータやポータブルテレビ等で使用するには低電力駆動が前提になります.そのため,応答速度を上げるには液晶を低粘性にすることが一番効果的な方法といえるでしょう。

わけなく遅いわけじゃなし

 さて、ご質問のコンピュータ用STN液晶ディスプレイが他の液晶ディスプレイよりも応答速度が遅い理由ですが,これは液晶の粘性の違いによるものです.コンピュータディスプレイに使用される液晶は他のディスプレイに使用される液晶よりも粘性が高いのです.わざわざ高粘性の液晶を使用するのはディスプレイに求められる能力に起因します。
 コンピュータディスプレイに必要な能力としては第1に高解像であることがあげられます。機種によっても異なりますが,コンピュータディスプレイとしては640×400ピクセル程度の解像度を必要とします.それだけの高解像度を液晶ディスプレイに持たせるためには,液晶が高粘性になってしまうのが不可避なのです.
 液晶ディスプレイに限らずフラットパネルディスプレイはマトリクス構造をしています。これはご存じのとおり電極を格子状に配列して1枚の画面を構成しています(図6).この構造は,走査電極数を増やせば増やすほど解像度を高くできます.しかし,走査電極数が増えると液晶にかけられる電圧に大きな制約が生じます.1枚の画面を表示するのにかかる時間を一定にしながら走査線を増やすと,電極にかけられる電圧の余裕が少なくなるのです。この電圧の余裕度は図7の計算式で求められます。この式より,計算上は走査線数が50本の時は電極にかけられる電圧の余裕はもともと電極にかかっている電圧の約15%まであります.しかし,走査線数が400本台にな ると電圧の余裕度は約5%までに下がってしまいます。
 つまり,走査線の多いディスプレイには,分子配列変化が起きる電圧の幅がなるべく狭い液晶が不可欠です.
 液晶の分子配列変化が起きる電圧の幅を狭くするには,液晶の弾性率を上げる必要があります。弾性率とは、その名のとおり液晶の弾力を数値に置き換えたものです.弾性率が高いほど,少ない電位差で液晶の分子配列変化が起きます.
 コンピュータディスプレイに使われている液晶は,液晶のねじれ角を大きくとることによって弾性率を上げています.電卓に使われている7セグメント表示のディスプレイの液晶はねじれ角が90度ですが,コンピュータ用の液晶ではねじれ角を200~270度にとっています。こうすることによって,走査線数が数百本という高解像のディスプレイを実現しているわけです.
 しかし,液晶のねじれ角を上げると液晶の粘性も上がってしまいます。これは液晶のねじれ角が大きくなるために分子配列が変化するときに分子が移動する距離が大きくなるためです。まったく同じ液晶でも,ねじれ角が異なると電圧をかけたときに分子が移動する距離が違ってしまい,結果的に分子配列変化にかかる粘性が変わってくるのです.
 コンピュータ用のSTN液晶ディスプレイは走査線数400本台が必要なため,ねじれ角を大きくとることが必要です.したがって,液晶の粘性がどうしても強くなってしまいます。
 一方,テレビ用TN液晶ディスプレイでは走査線数を100本程度にすることによって,ねじれ角が狭い粘性の弱い液晶を使って動画表示を可能としています.  (加藤)


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トラブル・シューティングの記事をスクラップする。
Q ATOK7はたいへんよくできた日本語入力FPだと思いますが,EMSと併用するとMS-DOS上での画面の表示速度がかなり低下してしまいます.また,エコーモードで使用すると,文字入力中はMS-DOS本来のカーソルとATOK7のカーソルが表示され,画面が見づらくなります。このあたりを改善する方法は何かないでしょうか.メガソフトのMEMORY-PRO386を使った場合も,同様に画面表示速度が低下してしまうのでしょうか.
A 一太郎のVer.4は,バグ騒ぎがあったり,ハードディスクとEMSがないと使い物にならないとかで,まだまだ問題があるようですが,ATOK7は確かにこれまでのATOK6に比べてだいぶ改良されました.辞書がどのディレクトリにも置けるようになりましたし,品詞分類も他の日本語入力FP並みに増え,変換効率もだいぶ上がったようです.
 さて、ご質問についてですが,安藤さんは,PC-9801VM2を使われているようですね。そうすると,VM2にメルコあるいはIOデータ,ジャストシステムのハードウェアEMSボードを挿入してEMS環境を実現しているのでしょうか。あるいは従来の増設RAMボードにEMSドライバを併用してEMS環境にしているのでしょうか。
 いずれにしても,EMS上に日本語入力FPを置いた場合,画面表示速度が遅くなってしまうのはよくあることです。というのは,EMSはメモリ上の「窓」を通じてページを切り替え,実質的なユーザーメモリ領域を増やそうというものなのですから,その分時間がかかるようになります(図3)。
 また,拡張スロットにある増設メモリでEMSを設定しているというのも、画面表示速度が遅くなる原因の1つであるかもしれません。というのは,拡張スロットにいく信号にはウェイトが入っているため、どうしても本体ボード上で直接CPUやメモリと信号をやりとりする時に比べて,時間がかかってしまうのです.
 これは,PC-9801RA/ESのような,32bitCPUを使ったマシンで見ると,はっきりと分かります。起動時のメモリチェックが,32bit幅のバスでつながっている本体ボード上のメモリを調べ終わってから,16bit幅しかない拡張ボード上のメモリチェックに入ると,いきなり速度が落ちてしまいます。
 このような問題を解決するために,32bit幅の拡張スロットが考えられています。具体的にはIBM PS/2のMCA(マイクロ・チャネル・アーキテクチャ)やCompaq社などが提唱しているEISA規格です.日本電気も米国ではEISA陣営に入っているのですが、はたして今後PC-9800シリーズをどうしていくつもりなのでしょうか.私の手元にあるパーソナルコンピュータで日本語入力FPをいくつかテストしてみましたが,それほど極端に画面表示速度が遅くなることはありませんでした。
(中略)
 結果は,やはりわずかですがEMSを使ったほうが遅くなっています(図5)。しかし,VMでは目立った差が出ていませんし,ESでも最大で12パーセント程度遅くなるだけです.これでは,普通にワードプロセッサなどを使っていて気になる差とは思えません。


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業界、その他のハード(月刊ASCII 1989年11月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSをスクラップする。
「米国ハイテク産業の動向」から一部をスクラップする
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■Apple社とMicrosoft社がアウトラインフォントで提携
 DTP業界ではちょっとした騒ぎが起きている.Apple社がついにAdobe社と縁を切り,アウトラインフォントの独自開発に踏み切ったのだ。このため,今回のコンファレンスに先立ってApple社はAdobe社の持ち株を売却、さらにMacOS System7.0を発表した.System7.0では,自社開発のアウトラインフォントを全面的に採用する予定である.
 そしてさらに今回のコンファレンスでは,Apple社はMicrosoft社との技術提携に合意したと正式に発表した.合意の内容は,Apple社内でRoyalというコードネームで呼ばれているアウトラインフォント技術をMicrosoft社に供与するかわりに,Apple社はMicrosoft社が開発するPostScriptクローン技術を受けるというもの。この提携で,Apple社のAdobe社離れは決定的なものとなり,今までどちらかといえば冷たい関係にあったMicrosoft社との関係を逆に深める結果となった.Apple社のJohn Sculley会長は,「(今回の提携は)誰もが得をするもの.Adobe社もAppleのフォントをサポートしてほしい」と強気だ。
 今回の提携は,Apple社よりもむしろMicrosoft社のほうに大きな意味があるかもしれない.Microsoft社はIBM PCにOS/2を提供しているが,今回の技術提携は将来OS/2のPresentation ManagerにApple社のRoyalが搭載されることを意味する。Microsoft社のBill Gates会長は「(Adobe社による独占的な)ゼロオープンから少なくとも2つのオープンフォーマットになる」と提携のメリットを強調した.10社以上のフォントベンダーが、すでにRoyalのサポートを打ち出している.こうしたベンダーにとっては,MacintoshとOS/2の両方を同一製品でサポートできるためその恩恵は大きい.
 Apple-Microsoft Adobe社のJohn Warnockt長は,ショックを隠しきれない。今回の提携を「今までに聞いたことのないようなガラクタの寄せ集めで,たわごとにすぎない」と怒りをあらわにしている.Adobe社にとって,売り上げの約25%を占めるApple社との決別は相当の痛手だ。今回の発表の直後,Adobe社の株価は30%以上下落,そのためAdobe社は1500万ドルにのぼる株の買い支えを行なうと緊急に発表したほどだ。
 Adobe社にとってApple-Microsoft提携が与えた影響は計りしれないが,少なくとも現時点でのDTPの主流がPostScriptであることは間違いない。同社では,1990年の第1四半期にはType1フォーマットを含めたPostScript言語の完全版仕様を発表するとして,あくまで業界のリーダーシップを維持する意気込みだ.ままた、8月に発表された「Adobe Type Manager(ATM)」を会場でデモし,10月から正式に販売を開始すると発表した.ATMは,Macintosh(System6.0以上)で動作し,PostScriptイメージを画面やNon-PostScriptプリンタに出力することができる.そのほか,32bitカラーイラストレーションプログラム「PhotoShop」も近々発表の予定であるなど,戦力の強化を図っている.
 また,Adobe社に対する新しい援助者も出てきている.NeXT社のSteven Jobsだ.NeXTのマシンは,ディスプレイからプリンタまですべてPostScriptで固められた,いわばPostScriptマシン。今回のコンファレンスにNeXT社は100台近くのマシンを投入DTP部門に本格的に参入してきている。Jobsのいう教育マーケットを目指したマシンというのはもはや表向きの話で,最終目標がApple社の持つマーケットであることは疑う余地もない.「Apple社のRoyalは,現在ある(PostScript)環境を捨てる理由にはならない.それは今,右ハンドルの車に移行するようなものだ」とJobsはいう.Apple-Microsoft-IBM-NeXT-AdobeとDTPの先行きには,予断を許さないものがある。
(ザイロンコーポレーション代 表脇山 弘敏)


こんなこともあったのかという印象だ。Apple社とMicrosoft社との技術提携がその後の製品にどう影響したのかスクラップが楽しみだ

日電と米Zilog社との訴訟問題が解決
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日電のV30などはIntelだけではなくZilogとも特許権侵害訴訟で争ってきたが、ようやっと解決したのがこのごろ。もう80386や80486の時代になろうとしている時だった。

米コンピュータ関連企業とソ連が新会社設立で合意
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Phenix がソ連に合弁会社を作ることになった。ベルリンの壁崩壊が1989年11月9日だからその直前に米国のコンピュータメーカーはソ連の信頼できると考えていたとすると慧眼であったと思う。

インテルジャパンが組み込み用32bitMPUをサンプル出荷
ASCII1989(11)b05インテル組み込み用32bitMPU.jpg
i960CAというプロセッサ。知らなかった。この後ASCIIにこのCPUの記事が出てくるのだろうか。

日本電気が25ナノ秒の1MbitSRAMを発売
ASCII1989(11)b05日電24nseqの1MbitSRAM_W520jpg.jpg

日本電気が世界最速の4MbitマスクROMを発売
ASCII1989(11)b05日電世界最高速4MbitマスクROM_W520jpg.jpg
この頃まだこうして日本の技術は世界最高を維持していた。

日立製作所がニューラルネットワークLSIを開発
ASCII1989(11)b05日立ニューラルネットワークLSI_W520.jpg
AIに必要なLSIももうして日本の企業は開発していた。

KDDと日立,重ね書き可能なMOドライブを開発
ASCII1989(11)b06KDD日立書き換え可能MO_W509.jpg
私がMOドライブを買うのはまだまだ先のことだった。

タスクテクノロジージャパンがSCSI対応HDDを発売
ASCII1989(11)b11タスクテクノロジーSCSI対応HDD_W520.jpg
タスクテクノロジーという会社は記憶にない。

アルプス電気,3.5インチ薄型HDDを開発
ASCII1989(11)b14アルプス35インチHDD_W507.jpg
猫も杓子もパソコン周辺機器を作っていた。

ソニー・テク,60インチビデオプロジェクタを発売
ASCII1989(11)b06ソニー60インチビデオプロジェクタ_W502.jpg
なんと価格は650万円。

富士通,16色カラー液晶モジュールを発売
ASCII1989(11)b10富士通16色カラー液晶モジュール_W505.jpg
10インチで35万円。

島津製作所が熱転写フルカラープリンタを発売
ASCII1989(11)b11島津熱転写フルカラープリンタ_W520.jpg
価格は39万8000円。猫も杓子もだ。

日本電気HEがPCEngine用プリントツールを発売
ASCII1989(11)b11日電HEがPCEngine用プリントツール_W520.jpg
ゲーム機としての用途で十分だと思うが、こうしてなんにでも使えるとアピールしていた。
日電HEはPCEnigine以後のゲーム機は作っていなかったように記憶するが、あっていたかどうかスクラップを続けて確かめる。

16bitコンピュータなどをココム規制対象から除外
ASCII1989(11)b14コンピュータ16bitココム規制対象から除外_W501.jpg
16bitパソコンはもはやたいした機械ではなくなったということ。

米コンピュータ業界の役員平均年収は82万1000ドル
ASCII1989(11)b14米コンピュータ役員平均年収_W500.jpg
高額なのかどうか分からない。

フロンガスによるオゾン層破壊説に疑問
ASCII1989(11)b10フロンガスオゾン層破壊説疑問_W497.jpg
こういった逆張りオタクは昔からいたということ。シミュレーションをしたからおかしいとはお前のシミュレーションがおかしいのではないか。パラメータは必要十分だったのか。計算式は正しかったのか。普通、計算と現象が合わなかったら、計算を疑うのではないか。まあ、疑問点が出てきただけだから否定はしてないという言い訳は立つ。

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パソコン、ワープロ、ソフト(月刊ASCII 1989年11月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSをスクラップする。

AppleがMacintoshに新機種を投入
ASCII1989(11)b03Apple合体_W520.jpg
なんかMacらしさが無くなった普通のデザインの機械だった。どうなんだろうか。売れたのだろうか。
以下写真をスクラップする。
ASCII1989(11)b02Apple写真1.jpg
ASCII1989(11)b02Apple写真2.jpg
ASCII1989(11)b03Apple写真3W520.jpg

DRDが液晶ディスプレイを搭載したAXマシンを発売
ASCII1989(11)b09DRD液晶ディスプレイ搭載AX_W520.jpg
データ リソース デザインという会社記憶にない。

エプソンが80386を搭載したデスクトップ型32bitマシンを発売
ASCII1989(11)b09エプソン80386デスクトップ_W520.jpg
FDDモデルのPC-386V-STDが49万8000円。

松下が液晶ディスプレイを搭載したラップトップ型286マシンを発売
ASCII1989(11)b09松下ラップトップ286_W520.jpg
FDDモデルのPanacomM500L CV-M500LFDが34万5000円。

日本NCRが32bitAXマシンを発売
ASCII1989(11)b09日本NCR32bitAX_W520.jpg
PC-AX32の価格が91万円

日本アポロ,低価格版ワークステーションを発売
ASCII1989(11)b10アポロ低価格ワークステーション_W500.jpg
DN2500の価格が75万98000円から。

米ALR,80486搭載のEISA規格マシンを発売
ASCII1989(11)b14ALR80486搭載EISA_W501.jpg
結局メジャーにならなかった規格のEISAバスのマシン。EISAについては「 ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第107回  バスの歴史を振り返る EISA~VL Bus編」が詳しい。

ワープロの新製品がまだ登場していた。なんってたってパソコンを買ってもワープロソフト、ゲームソフトしか使っていない層にはワープロ+ファミコンの方が良かった時代だった。
ソニーがラップトップ型の日本語ワープロを発売
ASCII1989(11)b07ソニーラップトップ日本語ワープロ_W520.jpg
PJ-2000の価格は19万8000円

ミノルタがラップトップ型の日本語ワープロを発売
ASCII1989(11)b07ミノルタラップトップ日本語ワープロ_W520.jpg
MWP75fの価格は17万8000円。

富士通がCD-ROM対応の日本語ワープロを発売
ASCII1989(11)b07富士通CD-ROM対応ワープロ_W520.jpg
OASYS30AXが22万8000円。

能力開発研,速読訓練ソフトを発売
ASCII1989(11)b08能力開発研速読訓練ソフト_W503.jpg
こんなソフトもあった。


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パソコン広告(月刊ASCII 1989年11月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

もう一度読み返し、スクラップする。

ASCII1989(11)表裏_W520.jpg
裏表紙はFM TOWNSだった。やっとカケフ君を止めた。カケフ君の起用は販売促進に役立ったのだろうか。

表紙見返しの広告はこの年もNECが独占した。
ASCII1989(11)見開_W520.jpg
PC-98DOだった。PC-98でPC-88シリーズのゲームができるのは良かった。
斉藤由貴をスクラップする。
ASCII1989(11)a001斉藤由貴_W520.jpg

ASCII1989(11)a01NECラップトップ_W520.jpg
ラップトップだけの広告だった。前号の使いまわし。

ASCII1989(11)a02NEC小沢なつき_W520.jpg
小沢なつきが出ていたのでスクラップする。いつ消えるのだろうか。

ASCII1989(11)a03X68000_W520.jpg
X68000の広告。

ASCII1989(11)a04X68000周辺機器_W520.jpg
X68000の周辺装置の広告。前号の使いまわし。

ASCII1989(11)a05X68000フェア_W520.jpg
X68000フェアの広告。

ASCII1989(11)a06PanacomM_J-3100_W520.jpg
左頁がPanacomM LAPTOPの広告。
右頁がJ-3000の広告。

ASCII1989(11)a07TOWNS_W520.jpg
TOWNSはほぼ前号の使いまわし。

ASCII1989(11)a08TOWNS_W520.jpg
TOWNSは前号の使いまわし。

ASCII1989(11)a09TOWNS電脳ソフト_W520.jpg
TOWNSのソフト募集広告は前号の使いまわし。

ASCII1989(11)a10FMR_W520.jpg
富士通のFMRは前号の使いまわし。

ASCII1989(11)a11FMR_FM77AV40SX_W520.jpg
左頁がFMR。
右頁がFM77AV40SXの広告。

ASCII1989(11)a12PC-386V_W520.jpg
エプソンのPC-386Vの広告。

ASCII1989(11)a13PC-286NOTE_W520.jpg
エプソンのPC-286NOTEの広告。458,000円は高かった。

ASCII1989(11)a14WORDBankNote2_W520.jpg
右頁がエプソンのWORD Bank-note2の広告。

ASCII1989(11)a15NeXT_W520.jpg
キヤノンが販売していたNeXTの広告。

ASCII1989(11)a16LASERSHOT_W520.jpg
キヤノンのレーザーショット。

ASCII1989(11)a17NAVI_W520.jpg
キヤノンのNAVI。

ASCII1989(11)a18Mac_W520.jpg
アップルとキヤノンの共同によるMacの広告は前号の使いまわし。

ASCII1989(11)a19AXi_W520.jpg
キヤノンのAXパソコンにはマイクロソフト(株)代表取締役社長の古川亨氏が出ていた。

ASCII1989(11)a20Bubble-Jet_W520.jpg
キヤノンのバブルジェットプリンタ。

ASCII1989(11)a21LUNA_W520.jpg
左頁がキヤノンのファミリーコピアの広告。キヤノンは広告を多く掲載していた。
右頁がオムロンのUNIXワークステーションLUNAシリーズの広告。

ASCII1989(11)a22SONY_W520.jpg
ASCII1989(11)a22NEWSPOPNEWSQuaterL_W347.jpg
SONYのパソコンはネットワークステーション NEWS、パーソナル・ネットワークステーション POP NEWS、パーソナルコンピュータ QuaterLと展開していた。

ASCII1989(11)a24SANYO_W520.jpg
ASCII1989(11)a24SANYO_MBCシリーズ_W451.jpg
サンヨーのAXパソコンは、ラップトップモデルの MBC-17LTJ、リファレンスモデルの MBC-17J、エクステンドモデルの MBC17WJH40、ハイパフォーマンスモデルの MBC-18Jと展開していた。

ASCII1989(11)a25POKEDY_W520.jpg
左頁が緑電子のPOKEDY。
裸族のお立ち台(クレードルタイプ)
裸族のお立ち台の原型といえるもの。このようなアイデアは34年前からある。

ASCII1989(11)a26MAXLINK_W520.jpg
右頁がMAXLNK。これには大変お世話になった。当時3.5インチFDDを持っているところは数少なく、外出先でデータ交換をするのにダイナブックとともにこれを持って行った。

ASCII1989(11)a27VIRUSGUARD_W520.jpg
右頁がVIRUS GUARDというソフト。
あおり文を読むと、オリジナルのプログラムファイルデータを記録しておき、それが変化していないかをチェックするようだ。ファイルサイズ、タイムスタンプやチェックサム、CRCチェックとかして判定していると思われる。

ASCII1989(11)a28Mutiplan_W520.jpg
Multiplanのユーザは25万人だそうだ。25万本売れたということではないのか。登録してくれた人が25万人だったのか。

ASCII1989(11)a29Excel_W520.jpg
左頁がMutliplan、右頁がExcel。マルチプランのキャッチコピーが「パワフルな即戦力がほしいから、マルチプランを選びます」ということは右ページのエクセルはパワーは足りず、即戦力にもならないプロ野球のドラフト会議に例えるなら高卒の将来性に期待して指名した選手がエクセルということになる。確かに、この当時のエクセルはこんなものだった。正直な広告と言える。

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私と一緒にダイナブックを買った知人は一太郎dashを買って仕事をしていた。

ASCII1989(11)a31一太郎_W520.jpg
一太郎の広告

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花子の広告

ASCII1989(11)a33オーシャノグラフィー_W520.jpg
右頁がオーシャノグラフィーの広告。漫画部分をスクラップする。
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ASCII1989(11)a34ボーランド_W520.jpg
右頁がボーランド社の広告。スチューデントパックが登場した。

ASCII1989(11)a35ツクモ_W520.jpg
ツクモ電機の広告。パソコンショップでASCIIのカラーページに広告を掲載しているのはツクモだけだった。

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裏表紙裏はFUJI FILMの広告。前号の使いまわし。

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ジョブズ,ウォズニアック他(月刊ASCII 1989年10月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

TBNにジョブズの本が紹介されていた。
ASCII1989(10)g01ジョブズ写真_W301.jpg
ちょっと気になる本の話
スティーブ・ジョブズ上・下
パーソナルコンピュータを創った男
Jeffry S. Young著 日暮 雅道訳
JICC出版局 上下各1600円

 昨年1月,サンフランシスコ市内のダウンタウンを歩いていたときのこと.何気なく入った本屋で,リー・ブッチャーの書いたAccidental Millionaireのハードカバーが目に飛び込んできた.「また,ジョブズの本か……」と思いながら20ドル札を出す自分に苦笑したことを覚えている.同時期に出版されていたスカリーのOdysseyは飛ぶように売れていたが,Accidental……の評判は今一つだった.Apple関係の本は,社史のSo Farを加えると,すでに五指に余るほどの数が出版されており,そのたびに買っては軽い失望を味わうのが常だったような気がする(So Farは例外だが).Accidental……も暇を見つけてはボチボチと読んでいたが,半分も読まないうちに本書が出版され,ついでに日本語訳が出てしまった.
 本書は,ジョブズの生い立ちからNeXTマシンの開発までを描いた立志伝という体裁をとっている。ハイライトは,Macintoshの開発秘話とApple社を追われるまでの経緯に触れた部分だろう。マシンのオーナーにとっては,Macintosh誕生の百数十ページは堪えられない興奮を呼び起こすと思う.また,現在でもベールに包まれているジョブズ退任までの経緯についても詳細な記述が与えられている.Odysseyと併読すると,スカリーとジョブズのお互いに対する認識や事実関係が微妙に異なっていることが分かり,結局,真実はベールに包まれていることに思いいたるだろう.わずか数年前の出来事でさえ,当事者の認識にこれほどのズレがあるのだから,歴史の真実などは,結果としての事象にしかないのだと,妙に納得できるという効用も本書にはある.
 全編を通して脈々と流れているのは,自分勝手な1人の男に対する類まれな敬意とピリリとした侮蔑の情である。侮蔑とはいっても、それを支えているのは「仕方のない奴だなぁ」という愛着にも似た感情だ。筆者のヤングは,雑誌MacWorldの創刊時の編集者で,Macintoshの開発段階からApple社に出入りを許された数少ないアウトサイダーの1人だ。彼とジョブズの出会いは,あとがきで語られている。「ある夕方,Macのプログラマーたちが働くバンドリー3の仕事場で取材をしてると,そこへスティーブが現われた。彼は部屋に入ってくるなり,その場に棒立ちとなってまだスティーブとの面識がなかった私を上から下まで眺めまわしたあげくに,こう怒鳴ったのである。『あんた,いったい誰?』」こうした記述の総体が,本書を形成しているといっても過言ではない。彼の言動は,本書の日本語版編集者をして「ジョブズって,何てイヤな奴だろうと思った」といわせるほどに,リアリティ(?)がある.それもそのはず,ヤングは200時間におよぶジョブズへのインタビューテープを基にして本書を著しているからだ。ジョブズに怒鳴られるのを恐れたMac開発チームによって,ソニーの技術者がロッカーの中に隠されたり,エプソン本社を訪れたジョブズがまともな技術を見せろと息巻いたりと,全編を彩るエピソードには事欠かない.困るとすぐに泣くジョブズ,大人ならバカバカしくて相手にしないような権謀術数を使うジョブズ,インドが好きで風呂に入らず,側近から「身体が臭い」といわれるジョブズ,最後にはウォズニアックとスカリーが大嫌いになるジョブズ……いろいろなジョブズが矢継ぎ早に登場する.本書は,コンピュータホビイストに贈る踏絵である.読後にくだんの編集者と同じ感想を持つか,逆にジョブズが大好きになるか,反応は二つに一つしかないように思う.
 どちらにしても,読後には深い満足感が得られるだろう.本書は,1人の男の半生を描いて秀逸である。それも人生の後半ではなく,前半である点が驚異だ。知識も経験もない若者が,フォーチュン500に名を連ねる会社を興し,Macintoshというマイルストーンを創り出し,その会社を追われ,新たな会社を設立して驚くようなマシンを再度世に問うという,まさにアメリカンドリームがそこにある.大人への道を歩むジョブズが克明に記されている本書は,パーソナルコンピュータの成長を記した本でもある。
 ゲラ刷りを読んだ直後に,ジョブズへのインタビューが実現した。会見室に向かう途中,廊下の向こうから彼が歩いてきた。背広を肩にかけて「ハーイ」と手を上げている.誰かに似ていると思った.そうだ,1950年代に50台の幻の名車を作ってこの世を去ったタッカ-ではないか.インタビュー中,その思いは離れなかった.今度会ったら,ぜひ聞いてみたい。「あなたは,タッカーという男を知っていますか?」  (戸島)

ジョブズが人格的に嫌な奴だということは、私達素人も認識していた。またウォズニアックがいなければ成功しなかったくせにでかい顔しやがってという妬み嫉みもあった。決して、尊敬できなかったが、作ったパソコンは素敵だった。ろくでもないやつが書く恋愛小説が素敵なのと似ている。

「近代プログラマの夕ゆうべ」にはウォズニアックの本が紹介されていた。
ウォズニアックの本
 今月はひさしぶりに本の紹介をしたいと思う.スティーブ・ウォズニアックの書いた“The Official Computer Freaks Joke Book"(Bantam Books刊)というペーパーバックだ。タイトルのとおり,コンピュータフリークの(ための)ジョークの本である.
 正確には、この本の著者は,ラリー・ワイルドとスティーブ・ウォズニアックの2人ということになっている。表4(裏表紙)に書かれた2人の紹介文によると,ラリー・ワイルドは,アメリカで最も売れているユーモリストであり、のべ1000万冊のジョーク本が読まれているという.いわば,ジョークのプロフェッショナルだ.一方,スティーブ・ウォズニアックのほうは,Appleの創設者の1人であるとともに,ジョークコレクターとして知られる……とある.
 ウォズニアックといえば,Apple在籍中にUNUSON Corp.なる会社を作り,ロックとカントリーの派手なフェスティバルをプロデュースしたり(最初のソビエトとの同時放送番組とか),1985年2月にジョブズよりも先にAppleを去り(それ以前にもAppleを離れていたこともある),CL9なる家庭用のリモートコントロールシステムの会社を作ったり,いつの間にかAppleに舞い戻っていたかと思うと、学校の先生をやっているという噂があったり,AppleIIGSには,本体前面に彼のサインを入れたモデルが発売されたりと,なかなかよく分からない人物ではあった.しかし,彼がジョークコレクターとして知られていたとは,本誌編集部でも少数派になりつつあるAppleIIユーザ一の私も,つゆぞ知らなんだ.
 アスキーの出版物に「実録天才発明家」(マイクロソフトプレス/ケネス・A・ブラウン著,鶴岡雄二訳)なる本があるのだが,この中に,最初の本格的なパーソナルコンピュータの発明者として,スティーブ・ウォズニアックはあげられている。カラーグラフィックス,パドル,優れた拡張性など,AppleIIのスペックは,他のマシンの数年先を行っていた.Appleにおいては,ウォズニアックが考える人,ジョブズが売る人という役割分担だったのだ。しかし,そこにも,彼がシリコンバレーきってのジョークコレクターであるなどとは書かれていない.
 本誌では,彼がAppleを去った1985年の10月号にインタビューを掲載している.彼は,スティーブ・ジョブズに猛烈な反発を示しており,昨今のNeXTに関するプロパガンタをどのように見ているのか興味深いところだ。彼がAppleを辞めようと思ったきっかけも,ジョブズとマイク・マークラによって強行に推し進められたAppleIIIのプロジェクトに対するものだったようだ。
 さて、ざっとページを開いていくことにしよう。パラパラとめくると,“What's the difference between a computer salesman and a used-car salesman?"などとある。「コンピュータのセールスマンと中古車のセールスマンの違いは?」ということになるのだが,これの答えが"The used-car salesman knows when he's lying.",つまり、「中古車のセールスマンは彼が嘘を言っているとき自覚している」というようなことになる.これは,かなり古典的なジョークのパターンではなかろうか。まあ,はっきり言って,この程度のジョークがかなりのボリュームを占めている.
 "What do they use in computers in Idaho?”なんてのもある。この答えは“Potato Chips"となる.これは単なる語呂合わせの駄洒落である.もっとひどいのは“What do you call a robot ape?"とあって,答えが“A chipanzee”なんてのもある。これは,かなり苦しい.
 "How can you tell a Macintosh user from an IBM user?”というのがあって,“The Macintosh user is smiling!"なんてのもある。「あっ、そう」としか言いようがないけれど.
 頻繁に登場するネタとしては,computer dating service"(コンピュータによる結婚相談所?),ロボットの話なんて のが,結構目立つ,そして,もちろんプログラマに関する話も少なくない.あるプログラマが,女の子を口説こうとしているのだが,"You eat nothing but junk food,your clothes are a mess,you haven't shaved or showered in a week,and all you ever think about is computers."と言われてしまう。1ジャンクフードしか食べず,2髭も剃らなければ,3シャワーも浴びない,4結局コンピュータのことしか考えていないという,確かに,この世界ならしばしば見かけられるタイプの人間のようだ。これに対するプログラマの答えが,“Well, nobody's perfect.”というのだ。この淡白な反応が,いかにもプログラマらしくていい.完全なものなんてこの世には存在しない.それは,彼が普段書いているソフトウェアや使っているハードウェアで,身に染みて体験していることとも言えないこともない。

天才はウォズニアックのイメージは他人か理解できなくても仕方がないほどの完璧で無駄のないハードウェアとソフトウエア。彼と一緒に仕事をする人は苦労しただろう。

OS/2の記事から一部をスクラップする。
ASCII1989(10)f01OS/2_W520.jpg
 唐突な話で恐縮だが,読者のみなさんはコンピュータの「タイプライタ・シンドローム」というのをご存じだろうか.今でも,コンピュータ関連の仕事をする人々の間ではまことしやかに語られている。今をときめくMS-DOSも,つい最近まで,その後遺症に悩まされていたという話である。
 何でも、長い間,コンピュータの入出力装置(コンソール)には,キーボードではなくタイプライタ(テレタイプ)が使用されていた時代があったというのだ。筆者も,その昔,キーをタイプすると,タイプライタの後ろ側にセットされた用紙(プリンタの連続用紙)に,パチパチと文字がエコーバック印字されていた大型コンピュータを見たことがある.そのマシンでは,アプリケーションプログラムが出力するメッセージも,やはり同じタイプライタに,パタパタと大きな音を立てて印字されていた。その文字を打つローラーの動きには,何ともいえぬ愛嬌があったことを思い出したりする.もう10年以上も前の話だ。
 そんな機械をコンソール装置とするアプリケーションの入力は,すべて1行単位の英数字のみ,カタカナの入力がやっとだった。カナ漢字変換なんて、とうてい考えられない。今日では,すっかり定着したメニュー選択方式のユーザーインターフェイスも,出力の遅いタイプライタが相手では実用的ではなかった.アプリケーションプログラムの1行の問いかけに対して,必ず1行ずつタイプして応答しなければならなかったのである.出力されるメッセージは可能な限り簡素化され,コマンドもすべて略語で可能な限り短くするのが常識だった.
 そんなアプリケーションばかりが動作するシステムだから,誰もが簡単に操作できるというわけにはいかない.出力されるメッセージは,一般の人にとっては,ほとんど理解できなかった。理解できたのは,そのアプリケーションを書いたプログラマと,専門的な学習によってそのシステムの知識を習得し、個々のアプリケーションの起動方法やコマンド文字列,省略された出力メッセージの意味などの山ほどの情報を理解したシステムオペレータという肩書きを持った人達だけだったのである。今のパソコンからは,想像もできない世界があったのだ。
 これが,タイプライタを中心に,コンピュータの操作環境が考えられていた時代のタイプライタ・シンドロームと呼ばれる現象なのである.

別にシンドロームというべきものではないと思う。上記の状態が嫌でなかった。機械を触っている感覚があって楽しかった。趣味でパソコンをしていたからそうなのだろう。

 姉妹製品として,80386の仮想8086モードを利用して,より優れた環境を実現するWindows/386という製品もある. このWindowsによって,MS-DOSユーザーも,やっと標準としてのウィンドウ環境を手にすることができたわけである。MS-DOS上のまったく新しい操作環境として登場して以来,Windowsにはさまざまな改良がほどこされ,最新版であるVer.2では,OS/2のPresentation Managerとまったく同様の操作環境が実現されている.実際,WindowsとPresentation Managerのウィンドウ画面は,一見しただけでは,まったく区別がつかないほど似通っている.そのため,ウィンドウ環境だけについていうなら,Windowsをマスターしてしまえば,将来OS/2を導入しても,改めて、その操作方法を学習し直す必要はまったくない.そこで,本連載でも,いきなりOS/2のPresentation Managerを取り上げる代わりに,今,MS-DOSユーザーにとって,最も身近なGUIであるWindowsを取り上げ,MS-DOSにおける疑似マルチタスク環境の基本操作について見てみることにしよう.
 なお,Windowsでは,マウスは必須の入力装置であり,ここではマウスを使用した操作を基本に説明する.もちろん,キーボードだけでもすべての操作は可能だが,やはりウィンドウ環境を操作するなら,マウスは欠かせない道具の1つなのだ。

Windows/386は使ったことがなかったが、Windows Ver.2は触ったことがあった。使い物にならないとおもった。さてマイクロソフトが言っていたWindows/386で慣れてもらって、OS/2に移行してもらうということが全く理解できない。Windows/386でいいのではないか。OS/2の意義はどこにある。大体OS/2は80286という腐れCPUに合わせて作ったOSではないか。ダメだろう。
 最後に笑ってしまうのは「マウスは欠かせない道具」なんてことを書かなければならないのが34年前のパソコン環境だった。

MS-DOSユーザーズ・ベンチの冒頭が34年前のワープロ、パソコン環境を表していたのでスクラップする。
ASCII1989(10)d01MS-DOS漫画_W520.jpg
あんまりじゃない,ワープロくん
 最近のパーソナルワープロというのはずいぶんだと思う.ワープロなんていうのは名ばかりで,グラフや図形が描けて、その上に画像を取り込めたりする.あげくのはてには表計算までできたりするのだから恐れ入る。それでも飽き足らず、スケジューラがついていたり,通信機能を持っていたりするものさえある。ほとんど,パソコンに統合ソフトを搭載したような仕事をこなすことができる。それでいて,バックライトつきのディスプレイと一体型で,ただでさえ見栄えのいい48ドットとかの高品質印字プリンタを搭載するだけでは飽き足らず、印字文字からギザギザを消してしまうなんてマシンも出てきたりする(注1 東芝のRupoJW95Hなどのようにアウトラインフォントを内蔵しているものもあり,これでは文字を拡大してもギザギザが出ない.また,複数のフォントを使い分けできるものさえある. ).
 もちろん辞書やソフトはすべてROMで内蔵されているために,ソフトウェアをインストールする必要もなければ,フロッピーディスクを入れたり抜いたりしなくても,電源を入れただけですぐにワープロが立ち上がり快適に使うことができる.それでいて価格は20万円前後と,これじゃあ、各種のソフトを買って,そこそこのラインナップを揃えると定価ベースで100万円近い買物になってしまうパソコンなんて勝負にならないじゃないかとつい愚痴をいいたくなる.
 というのも、先だってパソコン入門用のビデオを作るにあたって,教材に使うマシンやソフトを選定し,その価格を勘定して,あらためてびっくりしたからなのだ。
 なにしろ,パソコンは難しそうだという人が,ワープロという名前だけでカンタンそうなイメージを持って買ってしまう.そういう人が少なくないから大量に売れる.売れるから安くできる.安いから,ますます売れるという循環ができあがっているのだ。
 おそらく,100万円かけてPC-9801クラスのパソコンを揃えて5年使うより,毎年20万円クラスの新品パーソナルワープロを買い換えていくほうが気分的にも質的にもいい環境が得られるんじゃないだろうかと思う.
 だが,パーソナルワープロ(パーソナル統合化パソコンとでも呼ぶべきか)ひとつで、身の回りのすべての情報処理をすませてしまうというのは,たとえば一太郎というワープロソフトで,何から何まですべてをさせてしまうのと似ている.一太郎だって,簡単な表計算くらいはこなせるし,図形も取り込める.新しいバージョンのVer.4では電卓やカレンダーなどを同一画面上に表示できる機能がついていたりする.
 パソコンの使いこなしは,自分のやりたいことに合わせてソフトウェアを選び,より効率のいいはずの手順を踏んで仕事を実現していくことに凝縮される.また,それぞれのソフトウェアは極めてパワフルであり,ワープロひとつとっても,スクロールの速度や,扱える文書のサイズ,カーソルの動きなど,パーソナルワープロとは比較にならないパフォーマンスを持っている.そりゃそうだ.ツインカムにインタークーラーターボを搭載したスポーツカーに,軽自動車がかなうわけがない.
 何よりも,小さくても強力な単機能ツールを駆使したり,大きなソフトの中に用意されたさまざまな機能を選択しながら仕事をしたりといった自由度の点では、パソコンの持つパフォーマンスは圧倒的である.
 それでも,小回りのきく軽自動車同様,使う場面さえ間違えなければパーソナルワープロだって十分に役にたつことも事実である。要するに,パーソナルワープロですべてをすまそうとしないことである。これは一太郎ですべてをすまそうとしないことと同じ次元のことである.単なるデータエントリーマシンとして使うには,パーソナルワープロは非常に便利だ。ノート型のパソコンが登場し,いくらラップトップパソコンが軽くなってきたといっても,2kgを超えるのでは,まだまだ手帳代わりに持ち歩くには億劫だが,1.6kg以下ならなんとかガマンできる.ノートパソコンの重さがそこまで到達するまでは,軽量化では2歩も3歩も進んだノートワープロの特性,あるいはプリンタ内蔵型ワープロのハードウェアの特性を極力生かすようにせざるをえないのではないかと思うのだ。もっとも小さくて軽いという点では電子手帳も強力なアイテムではあるが,文字の入力が不自由な点で,いまひとつ積極的にはなれない

全くこのとおりだった。当時私はパソコンをやりたいという人には何をしたいのかを聞いて、ワープロとファミコンを買うことを勧めた。パソコンなんてマニア向けの機械だと説明していた。
すら☆そうじ氏の漫画をスクラップする。
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PC-286LST,Dynabook,光磁気ディスク他(月刊ASCII 1989年10月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

PRODUCTS SHOWCASE をスクラップする。
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 PC-286LSTは,以前から発売されているPC-286LSにティントモードによる疑似カラー表示が可能な液晶ディスプレイを搭載したモデルである.そのため,ディスプレイ以外の仕様は,PC-286LSと同じであり,CPUもクロック周波数12MHzの80C286である.
 ティントモードとは,色調により淡い緑,淡い赤,淡い黄色の3色の表示ができるものである(画面1).見た感じでは,あまりはっきりとした色を表示できないようだ。それでも色によって確定,未確定を表現するような日本語入力フロントプロセッサでは,白黒の8階調モードよりは少しは分かりやすい.
 しかし、通常は白黒の8階調モードにしたほうが見やすいだろう.ただし,PC-286LSと比較した場合、同じ白黒8階調表示であっても,PC-286LSのほうが明るさにむらがなく見やすい.
 発売はSTDモデルのみで,2000台の限定である。価格は,51万8000円で,PC-286LSからは4万円のアップである.購入する場合には、実際の画面を見比べてから決めてほしい.
PC-286LSTは,カラーラップトップ時代の先鞭的商品ではあるが,色があまりはっきりとせず,あまり見やすいとはいえないのが残念である。今後出るはずのカラーモデルに期待したい.


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なんとも中途半端なPC-286LST。値段も高いし、「2000台の限定」とは、どうしてこういうものを販売したのか理解に苦しむ。
 PC-386LSは,デスクトップの代わりとしても十分に使える性能を持っている.LSシリーズは,ラップトップマシンには珍しく,拡張スロットもデスクトップマシンと同じサイズであり,拡張性にとんでいる.しかし,9kg前後の重さというのは,持ち運びにはかなりつらい。
今回のエプソンのマシンは魅力の無いマシンばかりだった。

私が愛用したDynaBookの記事をスクラップする。
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J-3100の機能はそのままに小さく
 J-3100SS(以下SSと略す)は,A4ブックサイズの本体にJ-3100シリーズ(SL)の機能を詰め込み,しかも19万8000円という低価格を実現した意欲的な製品である。重量もノートワープロ程度で,バッテリ駆動が可能だ。これだけ小型化されたにもかかわらず,ソフトウェア,メディアともに上位機との互換性が保たれており,蓄積されたJ-3100シリーズの資産をそのまま活用できる.
 重量は約2.7kgと,重めのノートワープロ並み.厚さは44mmで,既存のラップトップマシン(80~110mm程度)とは一線を画する。この匡体に,ELバックライトの液晶ディスプレイと3.5インチFDDを内蔵する.バッテリは,約4時間の充電で2.5時間の駆動が可能だ。
 CPUはクロック周波数9.54MHzの80C86を採用,メインRAMは標準で1.5Mbytes,拡張RAMカードの利用で最大3.5Mbytesまで増設できる.入出力関係は,外部モニタ端子が省略されたことを除いて上位機と同じで,拡張FDD兼プリンタ端子(ソフトで切り替える),RS-232C,拡張コネクタ(これは独自のもので,上位機との互換性はない)がある.このほか,拡張RAMカードのためのスロットと,内蔵モデム用のスペースがある.

ハードRAMを使えばHDD並みの環境
 SSは,J-3100SLゆずりのレジューム機能を搭載している。これは,メインメモリをバッテリバックアップすることで,再起動したときに電源OFF直前の環境を再現する機能だ。文書を編集中に駅に着いてしまったらそのまま電源を落とし,喫茶店で電源を入れれば作業の続きができる.
 メインメモリ以外のメモリは,EMSメモリまたはハードRAMとして利用できる。ハードRAMというのは,基本的にはRAMディスクだが,バッテリバックアップされているためブートのたびごとにシステムなどを転送する必要がない.超高速のハードディスクに見立てることができる.
 実際,付属のMS-DOS Ver.3.1をブートしてATOK7を組み込むまでに,FDDベースでは24秒を要するが,RAMから立ち上げればわずか8秒となる.レジューム機能と組み合わせれば,ディスクアクセスに起因する待ち時間は無視できるものになる.
 ただし,DRAMの大きなメモリを常にバックアップしているため,バッテリが消耗した状態で約半日放置すると,ハードRAMの内容が消えてしまう。付属のツールなどでこまめなバックアップを心がけたい.

ATOK7の辞書をROMに搭載
 ソフトウェアでは,MS-DOS Ver.3.1のほかに日本語入力FPのATOK7が標準添付される.ATOK7の辞書はROM化され,これだけでDドライブを構成している.変換速度はFDDとは比べものにならない速さだが,高速にタイプすると表示がついてこなくなることがある.ユーザ単語登録や優先順位などの学習内容は別ファイルに保存されるので,辞書がROMだからといって心配する必要はない.なおこの辞書は,容量/内容ともに,PC-9801版の標準サイズの辞書に相当するもののようだ。せっかくのROMならラージ辞書が欲しいところである.
 現在J-3100用に販売されている一太郎はVer.3であるが,これがATOK5を要求するために,システム標準のATOK7は使えない.どうしても使いたければ,ATOK5のシステムと辞書を使うことになる(辞書はRAMに転送するのが現実的だ).ATOK5対応のアプリケーションのために「7TO5」というコマンドも用意されており,ATOK7のインターフェイスをATOK5のAPIに合わせることができるようになっているが,一太郎Ver.3はこれでも動作しない(動作するとした先月号の記述は誤り)。辞書ROMを有効に使うには,発売予定の一太郎Ver.4を待つ形となる.

最速の8086環境を携帯できる
 ところで,ブックコンピュータと言われると、本当にそんなに軽いのかと思ってしまうが,2.7kgという重量は本誌の約3冊分これを持ってしまうとほかに本だの書類だのを持つには少々辛い。長旅となれば2.5時間では足りないので,ACアダプタも携帯しなければならないが,従来のラップトップに比べればかなり小さめとはいえ結構かさばる.ちなみに,航空機内での利用は航空会社の申し入れにより禁じられていると,マニュアルに記載されている.
 恒例のベンチマークテストも行なってみた.CPUが80C86であるために,V30マシンと比べてかけ算が多少遅いほかはほぼ同クロックのV30マシン並みであった。スクロール速度もそこそこだが,J-3100シリーズは漢字VRAMを持たないためか、文字出力は遅めに出ている.しかし,複雑な計算を頻繁に行なうような場合を除き,ソフトウェア使用時のボトルネックとなるのは外部記憶の速度である。その点SSはハードディスクより数段速いハードRAMを搭載することで,FDDへのアクセスを大幅に減らしている.8086マシンとしては究極に近い動作速度が得られるはずだ.
 286,386ベースのデスクトップマシン,特に漢字VRAMによる高速スクロールを見慣れていると,RAMベースでもまだ遅いと思うこともあろう.しかし,パソコンならではのデータ処理機能を持ち歩ける,いつでもMS-DOSテキストとしての日本語を入力できるという利点には抗し難い魅力がある.


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 ハードRAMの注意として「バッテリが消耗した状態で約半日放置すると,ハードRAMの内容が消えてしまう」では困ったことがない。データはFDに保存するし、MS-DOSの起動ディスクにはツール、ユーティリティソフトを入れてあり、autoexec.batでハードRAMにコピーしていた。後は、レジューム機能をフル活用した。
「ATOK7の辞書をROMに搭載」とあるが、すっかり忘れていた。だから、MS-DOSの起動ディスク1枚で事足りたのか。ワープロとかオフィスソフトは使わなかったので全然困らなかった。
 「ところで,ブックコンピュータと言われると」なんて書いてあるが、PC-9801なんてノートコンピュータだった。Dynabookでそんなことを書くなら、98NOTEのときは噴飯ものだと書くべきだ。
 「ちなみに,航空機内での利用は航空会社の申し入れにより禁じられていると,マニュアルに記載されている.」そうだったかな。手荷物検査で電源を入れてくれと言われたことはあったが、持ち込めていたはずだ。

マイクロシステムズのThe Book。価格は25万円。
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TBNの光磁気ディスクに関する解説記事をスクラップする。
光ディスク三つ巴
Q:CD-ROMやMO-DISKなどの光ディスクが話題になっていますが,スピードや記憶容量等でどんな違いがあるのでしょうか?
A:光ディスクにはCD-ROM以外にもハードディスクのように書き込み/消去が自由にできるMO-DISK(Magnet-Optical:光磁気ディスク),1回のみ書き込み可能な追記型光ディスクなどが実用化されています。これらはデータを半導体レーザーで磁気ヘッドより小さな領域に対して読み書きするため、通常のフロッピーディスクなどとくらべ大変に容量が大きいのが特徴です。
 構造的なことでは,CD-ROMが螺旋状のピットの列をトレースしているのに対して,残りの2つはトレースするための螺旋状の溝が付いています(図1).これは溝のない平らなディスクでは,ちょうどフロッピーディスクがフォーマットをしないと使えないように,データを書き込むためのガイドが付けてあるのです.


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 トラック間隔はどれも1.5ミクロン程ですが,レーザービームをより絞り,トラック間隔を狭くして半径方向の記録密度を上げる研究も行なわれています。
 記憶容量については,CD-ROMは5.25インチで片面540Mbytes,追記型光ディスクは5.25インチで片面最大600Mbytes,30cmで片面最大1.3Gbytes,MO-DISKは5.25インチで片面300~400Mbytesです.
 また回転速度は,CD-ROMはCDと同じ規格で線速度一定(CLV:Constant Linear Velocity)になるように200~530rpmで変化します.これはディスクの内周と外周では外周のほうがトラックが長いので,回転数を落とすことで同じ記録周波数でディスクの外側により多くのデータを記録するものです。これにより,ある長さ当たりの記録容量はディスクのどこでも一定になります(図2).これに対し追記型光ディスクとMO-DISKには統一された規格がないため、回転数は各社ばらばらです。一般に2400rpm程度で一定速(CAV:Constant Angular Velocity)になっているものが多いようです(図3).CAVはFDDやHDDと同じように1周当たりの記録容量は内周も外周も同じですが,ランダムアクセスに強いという特徴があります.


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 記録方式としてはこの他に回転数一定で外側ほど記録周波数を上げて線記録密度を一定にする方式(M-CAVModified-CAV)があります。これは外周の容量を増すためCLVが回転数を変えたのに対し,記録周波数を可変にするものです。これにより記録パターンはCLVと同じになります.
 さて使用に際して最も気になるスピードですが,これには大きく分けて2つの要素があります。1つはシークタイムと回転待ち時間です.シークタイムはヘッドが目標トラックに到達するまでの時間で,一般には全トラックの3分の1を移動する時間をいいます。回転待ち時間はヘッドが目標トラックに到達してから実際にデータを読み始めるまでの時間で,一般にはディスクが半周する時間をいいます。アクセスタイムはこのシークタイムと回転待ち時間を合わせたものです.
 もう1つの要素は転送速度です.これはディスクからデータを読み出すスピードですが,実際のスピードはインターフェイスの能力にも左右されるので目安程度に見てください。さてそれぞれの光ディスクのアクセスタイムですが,CD-ROMは500ms,追記型光ディスクとMO-DISKはほとんど同じで100msが標準的です.速いものではアクセスタイムが50msのものがありますが,HDDにはまだまだヘッドの重さなどの関係で及びません.また転送速度はCD-ROMが1.2Mbit/秒,追記型光ディスクとMO-DISKは5Mbit/秒程度から,20Mbit/秒まであります。
 参考までにMO-DISKの例として,ソニーのNEWSとNeXT ComputerのNeXT Computer Systemに採用されているMO-DISKの性能を記しておきましょう.NEWSのものは容量は297Mbytes(片面),回転速度は2400rpm,転送速度は7.4Mbit/秒(ただしSCSIインターフェイス使用時は620Kbytes/秒).NeXTのものはキヤノン製で容量は256Mbytes(片面),3000rpm,転送速度は6.6Mbit/秒というものです.
 以上の平均的な性能をまとめると表1のようになります。これを見るとMO-DISKはアクセスタイムはFDとほとんど同じですが,回転速度が速いため転送速度が10倍程になっていること,またCD-ROMがFDと較べてもあまり速くないことなどが分かります.
(田川)



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NeXTの解説から図をスクラップする。
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こんなことを図で説明しなければならなかったのが34年前のパソコン環境だった。

「現地レポート MACWORLD Expo/Boston」から一部をスクラップする。

Adobe社との蜜月が終わった
Apple社はどこに行くのか

 System Ver.7.0が市場に与えたインパクトは,予想以上に大きい.コンファレンスの2日目に行なわれたVer.7.0をめぐるスペシャルセッションでは,4人のパネリストと聴講者の間で白熱の議論が展開された。特に、既存のMacOSとの互換性や、独自規格のアウトラインフォントとPostScriptとの整合性については,パネリスト同士の見解の相違が明らかになり,ユーザーの不安感は助長されたようだ。翌日には,Ver.7.0の簡単なデモも公開されたが,その詳細については未だに全貌が明らかになっていないだけに、当分は混乱が続きそうだ。
 Adobe社は,会場にNeXTマシンを持ち込んでDisplay Post Scriptのデモを繰り広げていたが,すでに何回となく目にしてきた来場者の関心を引くことはできなかった.Apple社が,画面表示では独自のアウトラインフォントを採用すると発表して以来,Display Post Scriptに対する関心は急速に低下している.一時の興奮状態と比べると隔世の感がある.それとは逆に,出力系の対応はLinotronicやVarityper,Agfaなどを筆頭に,PostScriptプリンタの全盛を迎えている.前述のグラフィックソフトは,ペイント系でさえベジェ曲線を採用するほど,PostScript主導になっている.SystemVer.7.0は,こうした市場の動向に真っ向から対立する基幹路線として発表されたわけで,Macのシステム体系からPostScriptの占める比重を軽減しようという狙いは明らかだ。「Jean-Louis Gassee(Apple社の開発担当副社長)は,SteveJobsが敷いた路線を全面的に否定しなければ気がすまない人間だ」という関係者の見方は,Ver.7.0の発表時からささやかれていた.現在のMacファミリーは,すべてJobsが決めた基本路線に沿って製品化してきたものだ。PostScriptは,その最大の基本路線といっても過言ではない.
 しかし、別の関係者は,「PostScriptの依存体質から脱却しても、結局はQuickDrawというJobsの遺産で勝負せざるを得ない」と見る.本当にJobsの影と決別するにはQuickDrawを捨てなければならないことは確かだ。しかし,それはRISCプロセッサを搭載したMacの発表まで待たなければならない.Macファミリーは,昨年の米国市場でパーソナルコンピュータ販売実績のトップに踊り出た.Macがこの世の春を謳歌している裏で,QuickDrawとPostScriptの確執は着実に進んでいる。





前号のASCII EXPRESSのスクラップを再掲する。
業界の動向,パソコン,ワープロ他(月刊ASCII 1989年9月号2)
米Apple社と米Adobe社の関係が決裂か?
ASCII1989(09)b16AppleとAdobe決裂_W501.jpg



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ワープロ,その他ハード,他(月刊ASCII 1989年10月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSの記事をスクラップする。

ソニーがラップトップ型の日本語ワープロを発売
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40文字×10行表示のPJ-300の価格は12万8000円。

日立がラップトップ型の日本語ワープロなどを発売
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ワードパルLF500の価格は23万8000円。

富士ゼロックスが12インチCRTを搭載した日本語ワープロを発売
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815II JWPの価格は19万8000円。

三洋電機,手のひらサイズのワープロを発売
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電子ノートES-20の価格は5万5000円。電子手帳ではなくワープロということだ。

イーティーシー,PC AT/XT用内蔵HDDを発売
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CARD68は68Mbytesで18万8000円。

エプソンがPC-9800/286用HDDなどを発売
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HDD-40Fは40Mbytesで16万8000円。

ニューテックがPC-9800/286用SCSI対応HDDを発売
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NT100-55は2100Mbytesで5万8000円。

キャラベルデータがSCSI対応のHDDなどを発売
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CA-6016SCは600Mbytesで94万8000円。

システムサコムがSCSI対応HDDを発売
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MB-45Hは45Mbytesで18万円。

日電が光磁気ディスクドライブなどを発売
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PC-OD101が45万円。

アイテック,プリンタ切り替え器を発売
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関西電機,3回路プリンタ切り替え器を発売
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34年前パソコンの台数は増えてきたが、プリンタはそうでもないのでプリンタ切替器というかプリンタから見ればパソコン切替機が必要だった。

ジャストシステム,メモリボード用増設メモリを発売
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2M増設で6万円もかかった。

インテルジャパン,32bitEISAチップセットを発表
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反MCA陣営に加担していたのか?

日立製作所,12インチ白黒液晶モジュールを発売
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サンプル価格で16万円。

データイースト,携帯電話用インターフェイスを発売
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34年前既に携帯電話を使ってパソコン通信をしようとすればできた。

カシオ,電子手帳の最上位機種を発売
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DK-5000は2万8000円。

ソニー,音声記録も可能な電子スチルカメラを発売
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MVC-A10が8万6800円。34年前はデジカメではなく電子スチルカメラと言っていた。

国際コンピュータ囲碁大会第2回日本代表選抜大会が開催
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米国通商部,対ソビエト輸出規制を緩和
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文部省,小・中・高にパソコンを本格導入
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ボイジャー2号,トリトンに氷の火山を発見
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この発見はワクワクした。探査機を送ることは意義あることだ。人間の想像力を超える発見がある。

電波望遠鏡で創世記のガス状星雲発見
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太陽系とかの生成に関する研究が電波望遠鏡により発展した。
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ゲーリー・A・キルドール,業界動向,パソコン他(月刊ASCII 1989年10月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSの記事をスクラップする。
Digtal Research会長のゲーリー・A・キルドール氏のインタビュー。氏はDR DOSのプロモーションに来日した。
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CP/Mを作ったDigital Reaerchのゲーリー・A・キルドール氏のインタビュー記事をスクラップする。
 8bitパーソナルコンピュータの標準OSの位置を確立していたCP/Mの生みの親,ゲーリー・A・キルドール氏が来日した。今回の来日は、MS-DOSと互換性を持つオペレーティングシステム「DR DOS」の日本市場投入に伴うものだ(P.215参照).
――DR DOSの開発の狙いは?
キルドール:我が社は,1984年にマルチユーザー・マルチタスクの互換OS「Concurrent DOS」を発表していますが,ユーザーの間にはシングルユーザー・シングルタスクの互換DOSを望む声が根強くありました.と同時に、我々はROM化可能なOSへの要求も感じとっていたのです.デスクトップマシンはもちろん,ハンドヘルドやラップトップマシンなどの需要が高まるだろうと考え,ROM化が可能なMS-DOS互換OS「DR DOS」を開発しました。Concurrent DOSを開発した経験もありましたので,互換性という点では自信があります.DR DOS上でMS-Windowsはすでに動作していますし,少数のアプリケーションとの相性の不具合いも来年の初めに出荷されるバージョンでは改善されます。
 マイクロソフトがOSをROM化するという話は以前からありますが,実物を見たという話は聞きません.MS-DOSは,Ver.1.xから2.x,3.xへとバージョンアップするにつれて,サイズがどんどん大きくなっています。このままROM化するのは難しいのではないでしょうか。その点,DR DOSは初めからROM化を意識した作りになっていますから,非常に効率が良いのです。

――DR DOSの市場は?
キルドール:ROM化が可能ということで,今までIB MPCとあまり互換性のなかった分野,たとえばFAなどの分野へも進出できるだろうと考えています。また,プロセッサとRAM,ROM,I/Oの組み合わせだけで心臓部はできあがりますから,民生品の分野にまでかなり入っていけるのではないでしょうか。もちろん,これにFDDやHDDを組み合わせればデスクトップコンピュータを作ることもできるわけです.
 日本では,今までソフトウェアにDOSがバンドルされて売られてきましたが,マイクロソフトはこの方針を変更しました。ソフトウェアメーカーと話をして,PC-9800シリーズ用ソフトウェアにDR DOSをバンドルするといったビジネスもしていきたいですね.

――DR DOSを使うメリットは?
キルドール:DR DOSを使うメリットは,まず価格が安いという点。メーカーにとっては,OSもHDDやRAMといったコンポーネントの一部にすぎません。コンピュータの価格が1000ドルを割るようになった現在,OSのコストもばかにはなりませんから.
 MS-DOSは,累計3000万のユーザーがいるといわれています.DR DOSは、この整備された開発環境を有効的に使うことができるのです.MS-DOSマシン上でPOSやFA関係のマシンの開発ができるのはたいへん大きなメリットでしょう.
 ユーザーの立場に立ってみれば,同じことをやるにしても2つの選択肢があるのは良いことでしょう.スタンダードが固定化して競争がなくなってしまった業界は,硬直化し進歩が止まってしまいます。

――今後のOSの行方は?
キルドール:MS-DOSはこれからも生き残るでしょう.MS-DOSユーザーが,すべてOS/2に移行していくとは思えません.ワードプロセッサや表計算などのアプリケーションソフトを使うユーザーはMS-DOSの世界に止まるでしょう。こういったユーザーにOS/2は難しすぎます.
 問題は,80386などの強力なマシンのパワーをフルに活用したいと思っているユーザーですが,MS-DOSは力不足です。マルチユーザー・マルチタスクなどの要求にも応えられません。こういったユーザーはMS-DOSの世界から飛び出していくでしょうが,すべてがOS/2に移行するとも思えません。1つのOSですべての分野をカバーすることは不可能です。
 たとえば,科学技術計算などの分野にはUNIXが適していますが,一般のOA処理には不向きです.OS/2は,MS-DOSの延長線として汎用のOAシステムに使われていくでしょうが,リアルタイム処理に問題があります。今後,ビデオやサウンドを取り込んだマルチメディアシステムが数多く出てくるでしょうが,こういうシステムにはリアルタイム処理が可能な別のOSが使われていくことになるでしょう.
 1つのOSの独壇場となる時代は終わりました。そのマーケットに合ったOSが選ばれる時代になったのです。重要なのは、それら複数のOSがネットワーク上でお互いにコミュニケートできるようにしなければならないということです.

Gary A.Kildall
ワシントン州シアトル生まれ。1972年,ワシントン大学でコンピュータサイエンスのPh.Dを取得.1976年にDigital Research社を設立し,CP/Mを発表.その他,PL/MやPL/I,Logoなどのコンピュータ言語のデザインにも従事した。
(P.215参照).の記事が下。
デジタル・リサーチ・ジャパンがMS-DOS互換OSを発表
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DR DOSは結局MS-DOS互換として広まらなかった。特定のソフトウエアで独占された市場に食い込むことは難しいということだ。

「米国ハイテク産業の動向」をスクラップする。
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Apple社,DVIと競合
 8月にボストンで開かれたMacWorldEXPO(P.217~参照)では,Apple社の一連の技術動向とIntel社のDVIとの関係が一部の間で注目された.
 DVIは本誌でもたびたび報告している通り,ライブビデオデータのコンプレス(圧縮)/デコンプレス(展開)処理を中核としたマルチメディア技術である.ビデオデータを記憶媒体に格納したり,通信を行なう場合には,一般にはデータ量が多すぎてリアルタイムで処理できないことが多い.これは,現時点ではデータを圧縮することによってはじめて可能になる.今回のMacWorldEXPOでは,Apple社がこのDVIに挑戦する形で極めて興味深いデモがなされた.
 Apple社のAdvanced Technology Group(ATG)では,このデモのためにMacintoshIIの約2倍の大きさの銀色に光るグラフィックスコントロールボックスを開発した.この内部には,グラフィックス処理のためのカスタムチップが詰まっているという.DVIが発表された時のプロトタイプボックスを連想させるものだが,ATGのSteve Perlmanは「グラフィックス処理のためにハードウェアの高速化を追求したというよりも,グラフィックスの新しいハンドリング方法を開発した」と説明する.すなわち,応用段階になっても高価なハードウェアを使用しなくてもすむというのだ。
 Perlmanはこのシルバーボックスを用いて,“Pencil Test"と題するフルアニメーションのデモを披露した.MacintoshII上で24bitカラーのアニメーションをリアルタイムで表示するというものだが、新たに開発した圧縮アルゴリズムを用いることで1.6Gbytesあったオリジナルデータを3Mbytesにまで圧縮できたという.
 さらにApple社として,こうしたビデオイメージのコンプレス/デコンプレス技術に特に注目している点,またそのための方法論としてシンメトリーな構造を持つアルゴリズムに興味を持っている点を明らかにした(すなわち,コンプレスとデコンプレスが同じシステムで可能であるということだ。DVIのそれは非シンメトリ構造である)。
 現段階のPerlmanのデモは,アニメーションであってライブビデオイメージではない(圧縮効率が両者間では格段に異なる)。また,リアルタイム圧縮はこのシルバーボックスを用いても不可能である.したがって,今の時点でApple社が開発した技術が直接DVIと競合すると断定することはできないが,Apple社がDVIと同じ方向で(しかも逆の方法論で)動き出した点は注目に値する.将来的には,Apple社の技術がDVIと競合関係になることは十分に予想される.

486レース始まる
 Intel社がi486をアナウンスしてから数カ月が経過し,米国では486レースがますます激化しつつある。最初に製品レベルでのアナウンスを行なったのは,他でもないIBM社.PS/2モデル70対応のアップグレードキットである.このキットは,CPUとROMを載せた“PowerPlatform 486/25"をマザーボード上のCPUと交換するもので、価格は約4000ドルIBM社によると,普通のビジネスアプリケーションで約1.8倍の速度向上が図れるという(数値計算主体だと約3倍だそうだ)。
 IBM社のアナウンスの直後,AST Research社が同社の386マシンから486マシンへの同様のアップグレードを3000ドルで行なうと発表した。同社の"Fastboard 486/25"は64Kbytesの高速RAMキャッシュ付きだ。また,ほぼ同時にCompaq社も今年末までに486搭載製品を出荷すると発表した。もしかしたら,Compaq社の出荷のほうがIBM社の本格的出荷よりも早いかもしれないとの観測も流れている.もちろん,台湾を含めた多くのPCクローン企業も,486搭載マシンを来年初頭までには出荷開始すると見られている.
 こうして,ポスト386マシンをめぐる486レースの幕がいよいよ切って落とされたわけだが,486の潜在ユーザーと見られる現時点での386ユーザーは,PCユーザー全体の10~15%程度といわれている。この市場でどれだけのユーザーが486へ移行するか疑問視するアナリストも多い。
 その最も大きな理由が,486の386に対する機能面での優位性への疑問だ。Intel社が386の発表を行なった時には,8086/80286などの従来CPUに対して機能的に上位に位置することが明白であった。この点が,現在の一種の386信仰を生じさせているわけで,386UNIXの登場とともに386への移行はむしろ必然的となった感がある.ところが,486は386/387に対して新しく追加された6個の新規命令を除いては目新しい機能は何もない。ただ計算速度の向上がなされているだけだというのだ。しかもその速度面についても,ベンチマークテストを行なったほとんどのレポートでは,486は33MHzの386に比べて20~40%の高速性しか得られないと結論づけている。486は内部に8Kbytesのデータ/命令キャッシュを搭載しているので,ごく小さなループなどを多く含むプログラムでは確かに高速化はされるのだが,市場に出回っているプログラムの多くはこうした486アーキテクチャにまだ対応していないのが現実である.
 今年後半から,Intel社は486チップの本格的販売を開始する。それに伴って,上に述べたような486搭載のマシンも数多く出回るようになるだろう.ただ,速度向上が唯一のメリットであるとすれば,来年一杯は(チップの価格が十分に低下するまでは)ユーザーへの浸透は非常にゆっくりとしたものになると見られる.

(ザイロンコーポレーション代表 脇山 弘敏)
今普通に使っている動画データ圧縮技術が登場しだしたと言ってもいいのだろうか。ただ、一般ユーザに普及するまでには年数がかかった。私が最初に使ったのはMotion JPEGだった。静止画データを圧縮しただけだった。その後カノープスのMPEG-2キャプチャボードを使い、地デジ時代にはMPEG-4と動画データ保存は進歩していった。データもMbytesからGbytesへと大きくなっている。それを軽く操作できるようになったCPUとHDDの進歩には年数が必要だった。
 486CPUの予測。結果はWindows 3.1の登場から486CPUが伸びていった。Windows 95には386ではきつかった。最低486だった。「ベンチマークテストを行なったほとんどのレポートでは,486は33MHzの386に比べて20~40%の高速性しか得られないと結論づけている」なんか怪しいが、486DX4とかの内部クロック3倍速タイプが出てから使い物になったのだから、妥当なテスト結果だったのかもしれない。

メーカーなど10社がOS/2 API共通規約を策定
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OS/2は一般ユーザには広まらずダメだったOSだが、日電以外のメーカーはPC-9801独占を切り崩すOSだと期待していた。

流通メーカーなど5社がWindowsコンソシアムを設立
ASCII1989(10)b05Windowsコンソシアム_W520.jpg
「マイクロソフトでは,WindowsにOS/2への橋渡し役を期待しているが」本当かいなと思う。一体いつからマイクロソフトはOS/2を見限りWindowsをもってOS/2を駆逐することを決意したのか。

IBMとCompaq,クロスライセンスを締結
ASCII1989(10)b14IBMとCompaqクロスライセンス_W501.jpg
MCAとEISAバスとの争いに関係してくるニュースだ。
過去のスクラップ記事 MCA vs. EISA(月刊ASCII 1989年5月号6)
の年表では
(4) 1987年
  ISA Busの限界を見越してIBMが投入したのが「MicroChannel」(MCAバス)
  規格がオープンではなく、利用にはIBMにロイヤリティーを支払う必要があるという点が反感を買い、結局ほとんど普及することはなかった。
(5) 1988年
  ISAをベースに拡張した「EISA Bus」
  性能そのものはISAの2倍と、あまり性能改善には役立っていなかった
(6) 1992年
  「VESA Local Bus」(VL Bus)
  「Intel 486」のバスをそのまま引っ張り出して接続する
だから、このクロスライセンス契約は大して影響を与えなかったのだろう。

SunとLotus,協同開発の提携を発表
ASCII1989(10)b14SunとLotus協同開発提携_W504.jpg
ワークステーションを使って1-2-3というのは、いまいちそうかと思えない。MS-DOSのレベルと適合したソフトウエアだと思う。

ソニーがNEWSの新機種などを発売
ASCII1989(10)b07ソニーNEWS新機種_W520.jpg
CPUが68030(25MHz)のNWS-1860が395万円。さすがワークステーションはパソコンより一桁高い。

日立がUNIXワークステーションを発売
ASCII1989(10)b07日立UNIXワークステーション_W520.jpg
CPUが68030(25MHz)の2050/32Eが260万円。

日立製作所,ラップトップワークステーションを発売
ASCII1989(10)b04日立ラップトップワークステーション_W503.jpg
CPUが80286(10MHz)の2020モデルLが69万円。CPUも価格もパソコン並みだ。

沖電気工業,32bitオフィスプロセッサを発売
ASCII1989(10)b04沖32bitオフィスプロセッサ_W511.jpg
オフィスプロセッサとは何かよく分からない。CPUの説明もない。

シャープがAXをベースにしたCAD/CAEシステムを発売
ASCII1989(10)b07シャープAXをベースにした_W520.jpg
AX386ベースのSYSTEM1が165万円。CPUは大したことないがソフトが高価なのだろう。

IIcxとSE/30の投入で,現行Macintoshを値下げ
ASCII1989(10)b10IIcxとSE30Mac値下げ_W500.jpg
売り上げ目標は約700億円

米Zenith,2インチFDD搭載ラップトップを発売
ASCII1989(10)b14Zenith2インチFDDラップトップ_W501.jpg

アンテナハウス,J-3100用データ変換ソフトを発売
ASCII1989(10)b06アンテナハウスJ-3100用データ変換ソフト_W495.jpg
よくあるワープロ文書ディスクを読み込み、MS-DOSファイルに変換するソフト。J-3100用なのはMS-DOSといっても機種ごとに違ったのだろう。昔から思っていたがMS-DOSがこんなに機種ごとに違うソフトを用意しなければならないことが面白くなかった。OSを名乗るな。プログラムローダーだろうと思っていた。

立石ソフトウェア,SunWS用の日本語ワープロを発売
ASCII1989(10)b12立石ソフトウエアSunWS用ワープロ_W503.jpg
UNIXでワープロを使うのか。マシンを2台置けばいいのではないかと思ってしまう。安く収めたければワープロ専用機でいいのではないか。UNIXマシンがもったいない。

米Ashton-Tate,dBASE IV Ver.1.1を発表
ASCII1989(10)b14Ashton-TatedBASEIV_W511.jpg
出荷時期価格未定ではだめではないか。
フィリップ・カーン、CD-ROM、その他(月刊ASCII 1989年6月号4)
でフィリップ・カーンが言っていた。
> 事前発表を行うことで,自分達を窮地に追い込んでいる会社が数多くあります。事前発表された通りのスケジュールで製品を出荷できなかった場合には,その会社は信用を失ってしまい,マーケットシェアも失ってしまうことでしょう.ご存じのように,Lotus社やAshton-Tate社はこれで苦境に立たされています.
上の製品のことではないか。

ソフトウェア・」インターナショナルがNorton UtilitiesをPC-9800用に移植
ASCII1989(10)b15ソフトウエアインターナショナルNortonUtilities_W520.jpg
ノートンはWindowsのときに使ったが、いい思い出はない。どんなトラブルだったかは思い出せない。



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パソコン広告(月刊ASCII 1989年10月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

もう一度読み返し、スクラップする。

ASCII1989(10)表裏_W520.jpg
裏表紙はFM TOWNSだった。前号と同じだった。

表紙見返しの広告はこの年もNECが独占した。
ASCII1989(10)見開_W520.jpg
カラー液晶のPC-9801LX5Cだった。価格は748,000円だった。

ASCII1989(10)a01NECラップトップ_W520.jpg
ラップトップだけの広告だった。前号から2機種増え7機種となった。

ASCII1989(10)a02パーソナルシステム55_W520.jpg
右頁がIBMのパーソナルシステム/55とOS/2の広告。前号の使いまわし。

ASCII1989(10)a03X68000_W520.jpg
X68000は前号の使いまわし。

ASCII1989(10)a04X68000_W520.jpg
X68000の周辺装置の広告。

ASCII1989(10)a05PanacomM_W520.jpg
PanacomMは前号の使いまわし。

ASCII1989(10)a06TOWNS_W520.jpg
TOWNSは前号の使いまわし。

ASCII1989(10)a07TOWNS_W520.jpg
TOWNSは前号の使いまわし。

ASCII1989(10)a08TOWNS_W520.jpg
TOWNSのソフト募集広告は前号の使いまわし。

ASCII1989(10)a08FM77森下桂_W520.jpg
左頁がFM77AV40SX。
右頁が富士通のモデム。
ASCII1989(10)a08森下桂_W520.jpg
森下桂がイメージキャラクター。ググると森下涼子の改名前の芸名。ドラマに出演していた。

ASCII1989(10)a09FMR_W520.jpg
富士通のFMRは前号の使いまわし。
前号でもコメント書いたがOS/2の時代は来なかった。

ASCII1989(10)a10エプソンラップトップ_W520.jpg
エプソンのラップトップは前号の使いまわし。

ASCII1989(10)a11PC-286VF_W520.jpg
エプソンのPC-286VFとラップトップの広告。

ASCII1989(10)a12WORDBankNote2_W520.jpg
右頁がエプソンのWORD Bank-note2の広告。

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ASCII1989(10)a13NeXT求人募集要項_W520.jpg
キヤノンによるNeXTの求人募集広告。

ASCII1989(10)a14LASERSHOT_W520.jpg
LASER SHOT

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NAVIは前号の使いまわし

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アップルとキヤノンの共同によるMacの広告は前号の使いまわし。

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キヤノンのAXマシン。AXiは前号の使いまわし。

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キヤノンのバブルジェットプリンタ

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SONYのQuaterL「買うたれ」の広告は前号の使いまわし。

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SONYのNEWS

ASCII1989(10)a21NEWS_W520.jpg
SONYのNEWS

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左頁が東芝のJ-3100

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左頁がコモドールのAMIGAの広告

ASCII1989(10)a24DynaBook_W520.jpg
東芝のDynaBook。片手で小脇に抱えているのが、軽量化の証。

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一太郎の広告

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花子の広告

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エクセルの広告

ASCII1989(10)a28シャガール_W520.jpg
シャガール(写嬢)の広告。シャガールにはお世話になった。昔、学会発表とかではスライドを作っていた。パソコンの画面をそのままリバーサルフィルムで撮影できるこのシャガールができてからスライド作成が楽になった。

ASCII1989(10)a29エコロジーノストラオーシャノグラフィー_W520.jpg
エコロジー、ノストラダムス、オーシャノグラフィの広告。それぞれをスクラップする。
ASCII1989(10)a29エコロジー_W520.jpg
ASCII1989(10)a29ノストラダムス_W520.jpg
ASCII1989(10)a29オーシャノグラフィー1_W520.jpg
ASCII1989(10)a29オーシャノグラフィー2_W375.jpg
ASCII1989(10)a29オーシャノグラフィー単純_W361.jpg
ASCII1989(10)a29オーシャノグラフィー追加_W368.jpg
ASCII1989(10)a29オーシャノグラフィーデュアル_W410.jpg

ASCII1989(10)a30WALKMAC_W520.jpg
左頁がCOLBYのWALKMACの広告。CPUが68030(16MHz)のパソコン。広告だけでは、よく分からない。

ASCII1989(10)a31花王フロッピー_W520.jpg
花王のフロッピーディスクの広告だが、パソコン通信の記事になっている。パソコン通信会員同士の結婚が写真掲載されていた。当時はパソコン通信で知り合った者同士の結婚は珍しかった。

ASCII1989(10)a32ツクモ_W520.jpg
ツクモ電機の広告。パソコンショップでASCIIのカラーページに広告を掲載しているのはツクモだけだった。

ASCII1989(10)a50FUJIFILM_W260.jpg
裏表紙裏はFUJI FILMの広告。
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プラズマディスプレイ,CPU判別,韓国(月刊ASCII 1989年9月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

TBNのプラズマディスプレイの解説をスクラップする。
プラズマディスプレイの正体は
Q:プラズマディスプレイはどのようにして階調表示をしているのですか。またカラー化が進んでいるそうですが市販化されるめどはたっているのでしょうか.
A:プラズマディスプレイの階調表示を説明する前に、まずプラズマディスプレイの原理を簡単に説明しましょう.
 プラズマディスプレイは不活性ガスを電極間に閉じ込め,高い電圧をかけて放電させることによって発光させています.発光原理そのものは街中にあるネオンサインとほぼ同じです.このようなガス放電は,封入するガスの種類によって発光色が変化します(表1)。実際にはこれらのガスの中で,安全でかつコントラストの高いネオンガスを主にした混合ガスが使われています。


ASCII1989(09)g01プラズマディスプレイ表1_W466.jpg
 ここで放電の原理を簡単に説明しましょう.放電は,絶縁物に強力な電圧をかけることによって絶縁性がなくなり電気が流れる現象です.放電が行なわれているときに電極から直接またはガスの原子がイオン化することによって電子が放出されます。その放出された電子がガスの原子にぶつかるときに発生するエネルギーが,発光となるわけです(図1).

ASCII1989(09)g01プラズマディスプレイ図1_W343.jpg
 ディスプレイの構造としては,細長い電極を格子状に配列することによって1つ1つの画素(ピクセル)を作り出しています(図2)このようなマトリクス構造は液晶ディスプレイにも使われています。

ASCII1989(09)g01プラズマディスプレイ図2_W520.jpg
 表示の際には,CRTや液晶ディスプレイと同じく走査線方式を用います。ただしプラズマディスプレイの場合は1ラインずつ表示する方法です(図3).ちなみにCRTの場合は1ピクセルずつ,液晶ディスプレイはプラズマディスプレイと同様に1ラインずつ表示します.

ASCII1989(09)g02プラズマディスプレイ図3_W520.jpg
 なお1つのラインを表示している時間を1水平走査期間(1H期間),ラインが集まって1画面分を構成する時間を1垂直期間(1V期間)と言います。
 プラズマディスプレイの駆動方式はディスプレイの放電/発光に交流電源を使うAC方式と,直流電源を使うDC方式の2種類に分かれます。両者は基本的な構造に関しては大きな違いはありませんが,電極や駆動回路等の細部はかなり異なります.また,実際の放電現象にもかなりの違いがあります。
 AC型ディスプレイは電極が一種のコンデンサになっています。そのため,放電開始電圧よりわずかに低いパルス波を常時電極にかけておけば,一瞬でも電圧を上げれば放電,以後は発光を維持するという特徴を持っています。これをメモリ機能と言います。放電を止めるときは,電圧を最小放電維持電圧以下に落とすことによって行ないます。このメモリ機能によりAC型ディスプレイは1V期間中,つまり次に同じラインが書き換えられるときまで発光を続けます.
 AC型ディスプレイの発光の仕組みをもうすこし見てみましょう.まず常時電極に流す維持用の電圧(維持パルス)を,最小放電維持電圧よりわずかに低く設定します。点灯をするときは放電開始電圧を超える電圧(書き込みパルス)を流します.すると電極の構造上,電極に電荷(壁電圧)がたまります.次に維持パルスの極性が逆転します。これによって壁電圧の分が維持パルスにプラスされるため、実質上の電位差は放電開始電圧を超えることになります。そして放電を起こし壁電圧がゼロに戻ります。その後また壁電圧がたまり……,の繰り返しで発光が維持されます。消灯するときは、壁電圧がたまらないように電圧(消去パルス)をかけます(図4).


ASCII1989(09)g02プラズマディスプレイ図4_W520.jpg
 このためAC型ディスプレイの発光は点滅することになりますが,そのサイクルが非常に速いため(1秒間に10000回以上)人間の眼には持続した発光に見えます。
 DC型ディスプレイはAC型とは違い,電圧をかけている間だけ持続した発光を行ないます。ただし電圧が十分に上がり実際の放電が起きるまでにはタイムラグがあり,またその間は放電が安定しないため画面にちらつきが起こるなど,なかなか安定した表示が得られません。そのため応答速度を上げ画面を安定させるために,1H期間ごとにパルス波を流すなどをして発光しない程度の放電を常に起こさせています。これを種火放電と言います.種火放電によってガスの絶縁性がほとんどなくなり,電圧をかけるとすぐに安定した放電が起きるのです(図5).


ASCII1989(09)g03プラズマディスプレイ図5_W520.jpg
 さて,ご質問のプラズマディスプレイの階調表示ですが,これは発光を行なう時間を変化させることによって行なっています。この考え方はAC型もDC型も同じです.DC型では1日期間あたり,AC型では1V期間あたりの発光時間を80%,60%と短くしていくことによって,1ピクセルあたりの輝度を変化させて階調表示を行なっています.たとえば4階調表示の場合は,1回の期間を3等分して発光する回数を調整しています(図6)。この方法では原理的には無制限に階調表示が可能で、今までのところ最大16階調まで表現できるディスプレイが製品化されています。

ASCII1989(09)g03プラズマディスプレイ図6_W378.jpg
 現在プラズマディスプレイでは,カラー化の研究が進められています。カラー版のディスプレイはネオンガスの代わりにヘリウムガスなどを使い,放電によって発生する紫外線を用いてRGBの蛍光体を発光させる方式をとっています.この方式では緑の輝度はよいのですが赤と青の輝度がまだ弱く,研究者の頭を悩ませています。最近は各メーカーからカラー版のディスプレイの発表が相ついでいますが,それらの大半はまだ試作品の粋を出ていません。しかし階調表示には優れ,色の再現性そのものもいいため,輝度が向上すれば液晶ディスプレイ,ことによればCRT以上の高画質が期待できます.
(加藤)

協力:松下電子(株),富士通(株)
プラズマディスプレイは液晶ディスプレイに駆逐されてしまったが、スピードが速いということで健闘していた。

「困ったときのプログラミング・トラシュー 第2回 CPUの判別」をスクラップする。
Q:8086とV30をソフトウェア的に識別する方法はありませんか?これができると「8086では走りません」などと表示してプログラムを止めることができるようになるのですが.
システム定義域や8086の未定義命令を使う方法もあるようですが,機種などに依存したくないのです.

 A:8086に対して,80286やV30などのCPUでは,いくつかの命令が強化されています。プログラムの実行効率を上げるために,これらを使用したくなるというのも当然でしょう.特に,ある種のbit操作においては,V30や80386などのCPUのbit操作命令が使用できれば,実行速度を向上させることができます。
 たとえば,パソコン通信で非常によく使用されているishというプログラム(注1)では,その性質上bit操作が大量に必要になります。ですから,ishはCPUがV30の場合には,その拡張命令を使用してより実行効率を上げ,そうでない場合でも,正常に動作するように記述されているそうです.

 注1 バイナリファイルをネットワークに転送可能なテキストファイルに変換したり,変換されたテキストファイルからもとのバイナリファイルを復元するためのコンバータ.回線の雑音などによる伝送エラーに対処するため,エラー復元機能も備えている.
 そのような処理をするには,使われているCPUが何なのか,判別しなくてはなりません.そして,そのCPUに応じて最も高速な命令シーケンスを選択するのです.
 ところで,Intel系のCPUを判別する方法には、かなり標準的なものが存在しています.これは,SYMDEBやCodeViewなどのプログラムも採用しているもので,そういう意味からは信頼性が高いといえます.
 ただし,この判別方法は通常の命令の実行処理結果の差異を利用しているものですから,逆にいえば通常のプログラムでも,これらの判別命令と同様の処理を行なっていると,プログラム自体がCPUによって誤動作する可能性があるといえます。これらの命令はその面でも注意をする必要があるでしょう.
 その判別方法ですが、まず判別の第1段階として,32bit以上のシフト動作が使用されます.80x86CPUでは,CLレジスタに設定した回数だけレジスタまたはメモリ上の値をシフトまたはローテートさせることができます。
 ただし,レジスタをそのbit幅以上シフトさせると,その値は常に0になってしまうので,プログラム上で意識的に使用される可能性はかなり低いといえます。しかも,この値が大きくなると,1命令の実行処理時間がかかることになるので,割り込みなどに対するCPUのレスポンスが悪くなります。
 そこで,8086以外のCPUでは,まずシフトする回数と1FH(31)とのANDをとった回数だけシフトを実行することにしています.
ですから,たとえば,
MOV AX,OFFFFH
MOV CL,32
SHL AX,CL

という一連の命令を実行すると,8086CPUでは,AXレジスタは実際に32回シフトされて0になりますが,それ以外のCPUではまったくシフトされず,OFFFFHのままです。この違いを利用して,まず8086を判別することができます。
 次に,80186の判別ですが,これはPUSH/POP命令の動作の相違によって判別できます.具体的にいうと,80286/80386では,指定されたレジスタ/メモリの値をスタック領域に書き込んでからスタックポインタの値を減算します(ポストデクリメント).しかし,8086/80186ではまず減算を行なってから,指定された値をメモリ領域に書き込むのです(プリデクリメント).そのため,スタックポインタの値をスタックにPUSHした時の値が8086/80186と80286/80386とで異なることになります(図1).


ASCII1989(09)h02CPUの判別図1_W520.jpg
 実際には,
PUSH SP
POP AX

 という命令を実行した後で,AXとSPの値を比較し,同一であれば80286/80386,異なっていれば8086/80186ということになります.
 80286と80386の判別には,GDTRレジスタ(注2)

注2 GDTRレジスタというのは,プロテクトモードでシステムが使用するレジスタ詳しい説明は,80286/80386の解説書などを参照のこと。
 のbit幅が異なることを利用します。80286ではGDTRレジスタは40bit(5bytes),80386では48bit(6bytes)なのです.そこで,特定のアドレスにGDTRレジスタの値を書き込むと(SGDTという専用命令を使います),80286では6byte目の値は変化しませんが,80386では6byte目にも値が書き込まれます.したがって,
GDTW DB 6DUP (OFFH)
  ……
SGDT GDTW

というように,6bytesの領域を確保してあらかじめOFFHで埋めておき,このアドレスに対してSGDT命令を実行し,6byte目の値を調べれば80286と80386を判別できます.GDTRレジスタの上位8bitがOFFHになっていて,6byte目の値が変わらないことは,現在のシステムではほとんど考えられませんが,より慎重を期すには,さらに0で6bytesの領域を埋めて,同じ操作を繰り返せば確実でしょう.
 まとめると,表1のようになります。


ASCII1989(09)h02CPUの判別表1_W520.jpg
 さて,問題のV30の判別ですが,まずV30はシフトに関して8086と同等ですので,8086以外のCPUとの判別は,容易に行なえます.つまり,8086と区別できればいいのですが,残念ながら,明確な形で判別する方法はないようです.
 1つは,やはり未定義の命令を使用する方法です.たとえば,コード0D6Hで表わされる命令は,Intelのマジックコードと呼ばれることもある命令で,V30の著作権争いの時に,V30が8086と異なる動作をすることを示す材料として提出されていたものです.Intel系のCPUでは,これはCYフラグが立っている時にALにOFFHを,立っていない時に0をロードする命令と解釈されるようです.この命令は80386に至っても同様な動作をし,Intelの開発システムで使用されているという話ですから、この範囲なら安定に動作すると考えていいようです。
 V30でどのような動作をするか,ということについては確実なことは分からないのですが,XLAT(コードは0D7H)と同じ動作をするようです.ですから,適当なアドレスをBXとALにセットした上で,CYフラグを立てて0D6Hを実行した後のALの値がOFFHであれば8086,そうでなければV30と見ることができます.
 動作についてより信頼性のおける未定義命令を使用する方法としては,POP CSを使うことができます.POP CS(0FH)は,8086では文字どおりCSレジスタの値が操作されてしまいますが(80286以上では,未定義命令のトラップ),V30では拡張命令の第1byteとして使用されます.ですから,たとえばOFH/10H/OCOHというシーケンスを実行すると, 8086ではCSがPOPされた後,ADC AL,ALが実行され,V30ではTEST1 AL,CLが実行されます。あらかじめALに非0の値を入れ,CSレジスタの値をスタックにPUSHしておけば,ALレジスタの値を調べることで8086/V30の判別ができます。
 既存の命令だけを使って調べる方法としては,命令実行速度の差をもって調べる,という方法が考えられます.8086では,複雑なアドレッシングモードの時に実効アドレス(EA:Effective Address)を計算する時間が随分かかります。
MOV  CS:[BP+SI+1],AL
というような命令を実行するためには,V30の場合に比べて14クロック程度もの余計なクロックが要求されます.その間に続く命令が先読みされるため,同様な命令を連続して実行した場合に,8086の場合は命令キューが満たされた状態になり,V30では満たされていない状態になります。ここで,この境目にある部分の命令を書き換えた場合,8086ではそのアドレスの命令はすでに先読みされているため,書き換える前の命令が実行されますが,V30ではこのアドレスの命令がまだ先読みされていないため,書き換えた後の命令が実行されることになります.ただし,この方法ではキューの大きさが違うV20/8088が使われているシステムでは,正常に判別ができない可能性があります。国内の機械では,これらを使用しているものはまずありませんが,古いIBMPCのコンパチ機の場合は,8bitバスのCPUを使用している場合があります.これらも考慮に入れる場合は,同様な方法でキューの大きさ自体もあらかじめ判別する必要があるでしょう.なお,古いV30チップのマニュアルでは,PUSH時のスタックの処理がポストデクリメントと80286などと同様な記述になっているものがあります。実際には8086と同様なプレデクリメント動作をしていて,マニュアルの誤りだと思われます.マニュアルも,最近のものでは修正されているようです。マニュアル通りの動作をしてくれるなら,はるかに簡単に判別を行なうことができたのですが.以上のような手続きをまとめて,アセンブラのプログラムにしたものをリストページ(略)に示します.

PC-9801VX2とPC-9801VM2かの比較にはEGCのあるなしで判別した記憶がある。コードはどうだった分からない。このCPU判別も使ったはずだが忘れた。

日本の半導体産業は韓国に対して周回遅れと言われるまで落ちぶれたが、一体いつの何が原因だったのか。韓国はいつから躍進したのか34年前の記事をスクラップして手掛かりを探す。
ASCII1989(09)m01韓国_W520.jpg
躍進著しいNIESパソコン事情を探る
松岡 洋

 6月4日に中華人民共和国北京市で起きた民主化要求運動に対する武力鎮圧は,近隣諸国に大きな衝撃を与えた。台湾,韓国、香港そしてシンガポールとNIES諸国はいずれも人,文化,経済のさまざまな面で中国と関係が深い。武力鎮圧のニュースが入ると、香港,韓国の株式は大暴落するなど中国のNIES経済に対する影響は無視できないものがある.そのような状況のなか、本誌は昨年12月号の「台湾・香港編」に続いて古くから日本との関係が深い韓国へ、と取材に赴いた。
 韓国は1950年から3年間の朝鮮戦争で,国土の大部分が戦場となった。朝鮮半島を数度にわたって縦断した戦闘は「破壊のローラー」と呼ばれ、主要工業地帯の生産設備はほとんど破壊された.ゼロからの出発を余儀なくされた韓国経済は,乏しい物資を最大限有効に利用するために特権的大企業に集中させ,経済の立て直しを図った。これらの企業が現在の財閥の核となり,高度経済成長期にも主導的な役割を果たしてきたのだ。
 昨年のソウルオリンピックで近代国家としての自信をつけた韓国は,オリンピックに付随したさまざまな整備事業で一段と近代化している。
 韓国の経済は輸出依存型で、電気製品も輸出が中心だ。パーソナルコンピュータの輸出も好調で、米国のコンピュータ雑誌の広告のあちこちに韓国メーカーの製品が登場している。日本でも時折電子業界誌に広告が掲載されているが,まだその企業規模に比べると知名度は低い。
 パーソナルコンピュータ専業メーカー主体の台湾では核となる半導体素子その「ものも輸入に頼る状況だが、韓国では太型コンピュータこそ生産していないものの、家電製品から半導体素子まで生産すある垂直型の総合電気メーカーが市場を制している。
 毎年世界の大企業売り上げ高500社ランキングが米国の経済誌「フォーチュン」から発表されているが,韓国の財閥系企業も多数ランク入りしている.今年発表された。米国企業をのぞいた500社ランキングでは15位に三星がランクされており,以下韓国企業は大宇,鮮京,双竜,現代自動車,金星と続く。ちなみに日本企業はトヨタ,日立,松下,日産の4社が三星よりも上位にランクされ,東芝ホンダ,NECが下に続いている.
 韓国では日米に対抗するため,これらの大企業間で先端技術の共同研究を行なっている。最近では,三星,金星,大宇が4MDRAMの共同開発に成功しておりサンプルチップの出荷を始めている。
 今回は,ソフトウェア見本市のSEK'89と電子機器関係のトップメーカー三星電子,ハイテク研究者養成機関の韓国科学技術大学,そしてソウル市内の電気街を紹介しよう.

天安門事件はこの年だったのか。


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韓国
 韓国のコンピュータソフトウェアの総合展示会SEK'89(主催・電子時報社)が6月23日から5日間にわたり,ソウル市内の韓国総合展示場KOEXで開催されまた、今年で3年目を迎えたSEK'89は,海外からの参加約20社も含めた約150社が出展した。
 6月26日午後ソウル金浦空港に着いた我々は、オリンピックスタジアムに隣接するKOEXに直行した。空港からソウル市街地までタクシーで約30分、さらにオリンピック大路に入って10分ほど走るとKOEXが見えてくる。すぐとなりには55階建ての貿易タワービルをはじめ国際会議場,ホテル,ショッピングセンタ一等が並び,KOEXも含めた韓国総合貿易センターを形成している。この貿易センターは昨年のソウルオリンピック開催の付帯事業として建設されたもので、SEK'89も今年からKOEXに会場を移し大規模な展示会となった。
 真新しい会場には、夏休みと物珍しさも手伝ってか、学生や会社員が多数詰めかけていた。あちこちのブースでパンフレットを集めて回る様は,どこの国でも同じだ。
 KOEXではホールの展示のほかに,セミナールームで各種の技術セミナーが開かれている。
 ホールには,パーソナルコンピュータやEWS(エンジニアリングワークステーション)が並び,OA,FAおよび通信関係のシステムが展示されている。
 韓国の主要なコンピュータメーカーは,いずれも大財閥に属している.SEK'89の会場にも、三星,現代,ラッキー・金星,大宇,双竜の大財閥系の各コンピュータメーカーが出展している。
 これらの一般展示のほかに、ホールの中央では特別展示としてSEK'89の主催者が募集したソフトウェアコンペティションの入賞作が実演されている.入賞作内訳は,大賞,金賞が各1点,銀賞2点,銅賞3点および奨励賞5点の計12点このうち大賞と奨励賞に入賞した双竜(サンヨン)のブースをのぞいてみた。

フトウェアコンペティション
 大賞に選ばれたのは,パーソナルコンピュータに接続したフライス盤(切削加工機械)をCADで作成したデータに従って制御するシステム奨励賞には、パーソナルコンピュータ上で稼働するオブジェクト指向エキスパートシステムのMORUSが選ばれた。
 主催者側の電子時報社事業部の閔丙縞(ミン・ビュンホ)次長の話では、韓国はコンピュータでどのようなことができるのか,どのような応用分野があるのかを模索する段階にあるという。これらの入賞展示も,それを如実に表わしているといえるだろう.
 MORUSはソウル大自然大学(ソウル大学の自然科学系分校)で研究していたエキスパートシステムをベースに、双竜自然大学産学共同で開発されたものだ。1987年に3人で開発を開始,当初はLispで記述していたが,機能が固まった段階でC言語への書き換えを行なったというGUIやオブジェクト指向プログ・ラミング特有のインヘリタンス(機能継承)機構は,Smalltalkを参考にしたそうだ。
 MORUSの大学側の開発者は卒業後その開発成果と共に双竜に移り、来年の市販を目指していると語った。

ソウルオリンピックが1988年。やはり初めてのオリンピックを開催すると経済が発展するのだろう。


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韓国ワークステーション事情
 一般展示の主力はいずれもIBM PC互換機とそのアプリケーションソフトである。三星などのメーカーのブースを取り巻くように、中小のソフトハウスがCAD,科学計算などのパッケージを展示していた。とはいえ大メーカーや外国系企業のブースでは,EWSも数機種展示されている。
 Sun Microsystems韓国総代理店の現代電子は,SUN3と米国のCADシステムを展示していた。一方金星のブースでは、自社開発のGS8000/32を展示していた.WE(ウェスタンエレクトロニクス)の32ビットCPUのWE32100を使用し、クロック周波数18MHzで処理速度4MIPS.OSにはUNIX System Ver.2.1をハングル(韓国語)化している。1988年6月に発表され、現在はモデル110と130の2機種を販売している。両機種共にキャッシュ32Kバイト,主記憶2Mバイト,ハードディスク86Mバイトを装備。違いは匡体と拡張性,ユーザー数などだ。価格はモデル110が1700万ウォン(日本円換算で約360万円),130が3500万ウォン(同約740万円)同程度の性能のSUN3やNEWSなどと比較すると,ま割高である.
 データゼネラル・コリアはAViiONを参考出品していた.AViiONはCPUにMotorolaのRISCチップ88000を使用処理速度17MIPSを誇る。会場ではXヴィンドウのデモを行なっていたが,まだハングルは扱えないようだ.どうも韓国内でのハングル文字コードが統一されていないため、様子をみているところらしい(コラム参照)。



コラム
ハングル文字とコンピュータコード
 韓国では,ハングル文字と呼ばれる独特の表音文字を国字として用いている。ハングル文字は子音と母音を表わす表音記号で構成され,子音+母音,または子音+母音+子音の組み合わせを取る。母音は複合母音も含めて21種類,子音は双子音を含めて19種類あり,一般的には約4000の組み合わせ(=文字)が使われている.
 ハングル文字をコンピュータで扱えるようにコード化するにはいくつかの方法がある.簡単なのは,子音,母音に各々1バイトを割り当て,2バイトまたは3バイトのバイト列で扱う方法だ。もちろん,英字と区別するため16進数で80以降に子音と母音のコードを配置する。これをかりに1バイトコード体系と呼ぶ.
 一方,子音,母音が各々5ビット(=32種)で表わせることを利用し,子音+母音+子音を5+5+5ビットにパックして2バイトで文字を表わす方法も考えられる.英字との区別は,2バイト=16ビットの残りビットを最上位ビットに配置して英字とハングル文字の区別を行なう.この方式を2バイトコード体系と呼ぶことにする.
 韓国のコンピュータ業界は,2つのコード体系をばらばらに内部コードとして採用してしまった(通信に使使用する外部コードは統一されている).これは非常に大きな問題である.
 もたもたしているうちに、業界が三星,現代をそれぞれ中心にした2グループに分裂してしまった。両グループには主要メーカーがほぼ同数に分かれ、勢力が均衡しているために問題を長期化している.
 昨年公的機関が標準化を諮ったが,両陣営が互いに譲らず失敗に終わった。今後の発展を考えると,早期解決が望ましいが,勢力が均衡しているだけに見通しは立っていない。
 ソフトハウスや一部のメーカーは、仕方なく2つのコード体系をサポートしているというのが現状である.

表示と入力
 ハングル文字の表示には縦14画素を必要とするため,IBM PCで25行を表示するには14×25=350ライン表示可能なEGAビデオカードが必要になる。IBM PC互換機環境でハングルの使用を可能にする通称「ハングルDOS」は,約4000種のハングル文字フォントを内蔵してEGAのグラフィック画面に文字を展開している.この方法では文字の表示速度が遅いため,文字フォントをROM化したKEGAビデオカードも最近開発された.
 文字の入力には子音と母音を逐次入力する方法がとられており,各キーに各々の音を割り当てている。キー配列については早期に業界で統一されたという.

なんとハングル文字のコンピュータ内部表現が統一されず2つの体系があるとは。解決すべき大問題だと思うけど何年に解決したのだろうか。
普及が始まったデータ通信
 韓国でデータ通信を独占するDACOMのブースでは,コンピュータ,テレックス,ファクシミリ間で通信を行なうMHS(メッセージハンドリングシステム)を展示していた。日本から取材に来た旨を告げると、係員がMHSを実演してくれるという。公衆回線に接続した端末から入力した電子メールがDACOMのコンピュータセンターでファクシミリのデータに変換され,約30秒後にとなりに設置されたファクシミリから歓迎のメッセージが出力されてきた。
 DACOMは経済情報のKETELを始め、種々のデータベースサービスも運営している。昨年のオリンピックでは市内の所々に設置された端末で,競技結果速報などを行なった.
 データ通信関係では,韓国富士通がNIFTY-Serveのデモを行なっていた。日本語ワープロの通信機能を使って日本のアクセスポイントに接続し読み出すメッセージも日本語表示のままだが,来場者の興味はちょうど我々が米国のCompuServeやGEnieに抱くものに近いようだ。
 韓国のパーソナルコンピュータ産業は年間約240万台を生産しているが,これまでは輸出が主体。国内ではまだ学生や技術者といった目的のはっきりした層にしか浸透していない。特にビジネス・家庭などはまだ未開の分野だけに,これからの普及が期待されている。




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電子機器のトップメーカー 三星電子
 電子機器最大手の三星電子は、三星物産と共に三星財閥の中核を形成している。昨年三星電子と三星半導体通信が合併し結果、現在の従業員数は3万8000人,1988年の総売り上げは3兆ウォン(約6300億円)を突破した。売り上げの3分の2を輸出に依存する,典型的な輸出型企業である.
 三星電子の営業および企画部門はソウル市内にオフィスを構えているが,会社の本拠地はソウル市から西に約60kmの水原(スウォン)市郊外にある工場群だ。水原では主に電気部品と家電製品、そしIBMPC互換のコンピュータを生産している.水原のほかにも国内に3カ所の工場があり、各々メモリチップ,半導体素子,通信機器を生産している。
 まずはソウル市内の情報機器部門を訪問し、企画課の金炳起(キム・ビュンキ)課長代理に三星電子と韓国コンピュータ産業の現状を説明していただいた。
 韓国のパーソナルコンピュータ市場は、80%以上がSamsung(三星),Hyundai(現代),Deawoo(大字),Goldstar(金星),Trigem(三宝)の財閥系5大メーカーで占められている。また市場の70%はCPUに8088を用いたIBM PC/XT互換機が占めており,AT互換機(CPU80286)が25%,386AT(同80386)が5%程度の比率という。また最近はゲームマシンも普及しているが、やはり韓国でも任天堂に人気が集中し、セガとMSXが後を追っているそうだ。
 三星電子のコンピュータ部門はIBM PC/XT互換機のOEM供給から始まったが,現在ば大部分をオリジナルのSamsungブランドで出荷している。出荷先は今のところ輸出6に対して国内4の割合で,これから企業向けを中心に国内の割合を上げていく方針だ。
 「輸出だと(価格競争で)利益率がとても小さいが,国内企業相手ならばそれほど苦しい商売ではない」(金氏)という。輸出分についても現在は米国と欧州が半々だが,米国が保護貿易の様相を呈してきたので今後は欧州市場に力を注いで「いかなければと力説する。
 日本への進出の予定はないかとたずねてみたが,日本の市場は三星の主力のIBMPC互換機とは市場傾向が異なる。ため、残念ながら考慮していないという.日本ではエプソンがPC-9801の互換機で成功しているという話を持ちかけたが,「開発期間と資金を考えるとあまりおいしい商売とは思えない」(金氏)そうだ。ただし,JEGAボードを組み込んだAX規格機を1990年に発表する計画があるそうなので、それに期待したい。
 日本法人の三星電子ジャパンも情報収集と資材調達の性格が強い.ちなみにコンピュータ部品の自給率はメモリチップを中心に20%,残り80%のほとんどが日本製という.日本企業との競争力を高めるためにも1990年前半までに自給率を50%に引き上げる方針だ。

米国中心の輸出で生き残れたのか。日本は米国への貿易黒字が大きく、日米貿易摩擦でバッシングを受けた。韓国はどうだったか。


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またEWSについても、いくつか計画中という。パーソナルコンピュータからのアプローチとして,クロック周波数20MHzの386ATにハングル版UNIXを搭載したWSを来年発売の予定だ.SunのSPARCstationやMIPSのEWS相当する機種も計画には入っているが,姿を表わすのは少なくとも1991年以降となるだろう。
撮影禁止 禁断の水原工場
 ソウル市のオフィスを後にし、三星電子の水原工場に向かう.ソウル市から水原市まで電車で約80分,さらに駅からタクシーで20分ほど走ると,前方に巨大な工場群が見えてきた。150万平方米の敷地に、三星電子をはじめ三星電管(CRT),三星コーニング(ガラス)等の三星グループの電子機器関連企業が集まっている。
 中央正門前でタクシーを降りると,迎えに出ていた研究所管理部門の李泰藩(イ・テグォン)氏にまず注意を受けた。ここは軍関係の仕事も手がけているので、工場内外は写真撮影禁止なのだ.
 構えていたカメラを慌ててしまい,李さんに従って門をくぐる。案内されたのは正門から一番近いビルで,Samsungのロゴが入った直径数mのパラボラアンテナが3基設置されている。ビル自体は上から見ると曲線を生かした造りになっており、SF映画に出てくる研究所のイメージをそのまま作ってしまったような印象だ。
 入口には海外からの来客を迎える各国の国旗が掲揚されている。今日は,日本,フランス,ベルギー,アメリカの4カ国で,我々と前後してソウル市で開催中の技術交流セミナー「ベルギーハイテク89」来賓のアルバート皇子と,貿易相の一行が到着した。李さんの話では、韓国を訪れる外国元首や閣僚クラス,いわゆあるVIPの公式訪問コースに,三星電子の工場も入っているということだ。
 水原には家電製品とコンピュータの工場のほかに,綜合研究所を併設している.研究開発要員にはこの綜合研究所の400名を始めとして、ほかの3カ所の工場に併設された各研究所で計2700名を擁する。
 1986年のこと,三星電子から4mm幅の磁気テープを用いたビデオカメラが発表された。4mmといえば通常はオーディオカセットテープのことなので,マニアの間で半信半疑ながら話題になったものだ。実はこのビデオカメラは水原の研究所で開発された商品で、今回見学した水原のショールームに実物が展示されている。
 4mm幅の磁気テープの正体は、1981年に発表されたDAT(デジタルオーディオテープ),その記録ヘッドや記録方式はビデオ技術を応用したものだ。日本では欧州の企業からDATプレーヤ発売延期の圧力がかかっていた時期だけに,あっさりと正攻法で商品化する手腕は脱帽ものだ綜合研究所はこのような商品化を前提とした応用研究が主体としている。
 ショールームにはこのほかヘッドフォシステレオからプリント基板実装ロボットまで200種以上にものぼる各種製品が展示されている。パーソナルコンピュー夕関係もラップトップを含めてゲーム機から386AT互換機まで10機種を超える。変わったところではイーサネットインターフェイスを備えたディスクレスのネットワーク専用機PCterminal/286G2がある。企業向けの大量導入をねらったもので、三星電子の国内市場への戦略をうかがわせる。




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天下の英才を集めて教育する KIT
 韓国の教育制度は日本と似ているが,高校への進学率が約90%,大学(短大を含む)へは40%にも達し,高等教育にか.ける情熱は日本以上だ。大学受験は国公立、私立も含めて1大学1学部しか出願できないため、受験戦争は熾烈を極め、「4当5落」どころか「3当4落」といわれている。
 彼らの目指す大学の頂点は,国立のソウル大私立の延世大,高麗大などである。また女子大では,梨花女子大が有名だ。これらの大学の学生は政治に対する関心が高く、学生運動が盛んだ。いずれの大学もソウル市内に位置し、時折日本でも報道されるように,市内でデモを行なっている.
 このような騒々しい大学とは対称的に、世俗を離れて高度技術の研究者を純粋培養する仙人のような大学がある。ソウル市から南へ160kmほど、地理的には韓国この中央に位置する太田(デジョン)市郊外に多数の国公立の研究機関が集まった大徳(デートク)研究団地がある。この研究団地の一角にその仙人の大学,韓国科学技術大学,KITがある。33万平方米の敷地内に6棟の学生寮を持ち,学生数はたったの2100人、前記のソウル市内の大学の学生数がどこも1万人を超えることを考えると,まさに別天地だ。
 ソウル市から太田市までは高速バスで約2時間バスターミナルからはタクシ-でKITを目指す研究団地に入り建設中の研究機関をいくつか通り過ぎると、30分ほどでKITにたどり着く。
 夏休みのためか,学内は閑散としている。案内していいただいた広報課の崔泰雄(チョイ・テウン)課長の話では、夏期講習を行なっているので、これでもほとこんどの学生が大学に残っているそうだ。KITは,1986年に大学院を持たない全寮制の自然科学系大学として開校した。韓国の科学技術の総本山KAIST(韓国科学技術院)ば研究機関であると同時に高度な科学技術の研究者を養成する教育機関でもある。韓国内の自然科学系大学を卒業した学生の内でも特に優秀な者がKAISTの大学院に進学し、修士博士号を取得する。そして、より効率よく一貫した研究者教育を行なうために,KITが創られたのだ。
 KITは自然科学(基礎科学)部機械材料工学部、電子電算学部,応用工学部の4学部からなるが,学科はなく大学院と同じく各学部に4つの専攻がある。定員は50名だが,実際に入学を許可されるのは毎年510~520名,合計で約2100名が在学している。入学者のほとんどは大学院への進学を希望しており,一部は海外留学を望んでいる。そしてそのほとんどが実現するに足る能力を有しているのだ。韓国の自然科学系大学では大学院への進学率が平均1割程度だから、まさにライブトスタッフである。
 この大学ではさまざまな教育実験が行なわれている。通常,韓国の大学は4年間の就学期間を経て卒業するが,KITでは140学点(単位)を取得した段階で卒業できる。特に優秀な学生ならば、2年半から3年で卒業することも可能だ。この夏季講習も,学点を稼ぐために役立っている.開校から3年半経過した今年の夏最初の卒業生が100名ほど出る。ほと・んどはKAISTの大学院に進学するとい現在ソウルにあるKAISTの大学院も来年KITのとなりに移転する計画で、取材時には建物が姿を見せ始めていた。
 韓国では、青年男子には2年半の兵役が義務付けられており、KITの学生も例外ではない。しかし、特例として防衛産業や公的機関に従事する場合,期間短縮等の措置がある。KAIST進学者もこの対象になるという。

伝統が無いだけ合理的なKITという大学、研究機関が作れたと思う。日本ではなかなかできない。各企業がそれぞれ独立して研究するから合理的とは言えない。しかし、ASCII EXPRESSのスクラップでは世界初の技術の記事があったので日本的研究も悪くなかったはずだ。いつから、どうして日本はダメになったのか。

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少数精鋭・英才教育
 KITでは設立から2年間,試験的に入学生に対する創意テストとIQテストを行なった。大学付属の英才教育研究所が,このテストの結果と学業成績との相関関係を資料として,入学後の追跡調査を行なっている。結果はあと2年後に報告され、大学入試や研究者養成に応用する計画だ。ちなみに初年度の入学者の平均IQは140~150で140付近が最も多いという。教員数は教授が約150名に助教授が約60名、学生10名に対して教授1名の割合を目標に補充を行なっている。
 学生にとってこの大学は非常に恵まれた環境といえるだろう。学費は年間54万ウォンで,学生には奨学金として月額平均6万ウォンが支給される.

豊富なコンピュータパワー
 自然科学系の大学では,研究を支援すコンピュータは不可欠の存在だ。コンピュータの支援があるのとないのでは、業績に大きく差が出る」(崔課長)ということで、全学生に研究支援のためのコンピュータ教育(UNIXとC言語)を行なっている。また,計算センターか図書館や学生寮に端末が引かれ,24時間自由に使用できる体制になっている。コンピュータ専攻の学生には,計算機センターのほかにSUN3が4台割り当てられている.後期からは12台に増強されるが,それだけで驚いてはいけない。現在ソウルのKAISTにあるスーパーコ「シピュータCray2を,専用回線で利用できるのだ。さらに,となりにKAISTが移転してきてKITと合流するときにはCray2も移設し,ソウルに残ったKAISTの研究部門には新たにCray3が導入される.KITのコンピュータ専攻の学生は,これらすべてを使用できるのだ。湯水のようにコンピュータパワーを使えるとは何ともうらやましい。
 個人でパーソナルコンピュータを所有する学生はいないのかと質問すると,遊びで使うのならともかくと前置きし、「これだけのコンピュータを24時間利用できるのに、わざわざ自分で大金を払ってまで性能の低いコンピュータを買う必要もないだろう」(Shin,Sung-Youg電子電算学部助教授)とのお答えだった。ごもっとも.
 韓国コンピュータ産業の展望などをインタビューするため,Shin助教授とコンピュータ専攻の4年生3名に集まってもらった。我々の質問に、難しい質問だと困惑しつつも応じてくれた。
 「ある産業が発展するには、いかに優秀な人材をその産業界に数多く引き込むかにかかっている。韓国では今まで造船や自動車などの)機械産業に人気があり、多くの人材を獲れたので成功を収めた。コンピュータ産業も人材の育成が鍵を握っているが,政府がコンピュータの振興政策を打ち出しており、今後加速度的に技術が促進されていくだろう」(4年:朴世衡)とのことだ。
 さらに突っ込んでEWSの将来性についたずねると,面白い話を教えてくれまた.最近,大字がコンピュータに興味を持つ学生を集めて,EWSに対する討論会を開いたそうだ。討論の結果,市場に、EWSが出たとしても,SUN並の応用ソフトが揃わなければビジネスにはならないという結論が出たという.SUNがほかのEWSを引き離してあれほどの成功を収めたのは、質の高い応用ソフトが多数用意されていたことに尽きるからだ。
 いったい誰が応用ソフトを用意するのだろう?EWSビジネスという卵を産む鶏が応用ソフトならば,その鶏はどこからやってくるのだろう、鶏と卵の問題の正解は爬虫類というより原始的な生物からの進化だ。現在の韓国は、あまりに技術成長が速すぎたため、爬虫類に相当する技術を跳び越しているように感じられた。それともこれは私だけの思い過ごしなのだろうか?




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ソウル電気街巡り
世運商街
 ソウル市内には,世運商街(セウンサンガ)と竜山電気商街(ヨンサンチョンジャサンガ)の2つの電気街がある.
 世運商街は比較的古く,ソウルに住んでいれば誰でも一度はお世話になるという。最寄りの交通機関は,地下鉄1号線の鍾路3街(チョングロ・サムガ)駅だ。観光名所の一つ宗廟(ジョンショ)が駅の近くにあり,世運商街は宗廟と鍾路通りを挟んだ反対側にある。
 駅からは200mの距離にあるが,鍾路に面して宗廟市民広場があるので目標にすると分かりやすい.広場の近くまで来ると,反対側に魚の壁画のあるビルが見える.この奇妙なビルが世運商街だ。
 ビルは幅約30m,長さ約200mの6階建てで,1,2階には家電商が入っている。コンピュータショップは4階に集中しているが,最近は電卓等の小物電気製品を扱う3階にまで進出しているそうだ。ビル内は10坪から15坪の区画に仕切られ,フロア当たり100軒以上の小売店が入っている。東京のほうならば、秋葉原のラジオデパートを巨大にしたものといえば、雰囲気が想像できるだろう。
 ショップの大半はIBMPC互換機を扱っており,価格はXT互換機で100万ウォン(日本円換算で約20万円)あたりが多い。大学卒の初任給が約50万ウォン(約10万円)だから月収の2倍。日本での初任給を約16万円とすれば,PC-9801RX程度の感覚かお客のほとんどは大学生が技術者だという話だ。
 一方ソフトについては,なぜか店頭にはパッケージの類が並んでいない。ほかに専門の店があるのかもしれないが,どのようなものが流通していあるのかを知ることはできなかった。
 2間ほどの間口の本屋を見つけたので、中に入ってみる。奥行き2m程の広さで,壁一面に雑誌や単行本が並び、所々に米国や日本のものも見えある。日本で捜して見つからなかったAddison Wesley Programmers Guide to the EGA and VGA Cardsを見つけたので、早速購入する。26.95米ドルの本だが1万1000ウォン(約2200円)だという。日本だと6000円は下らないはずだが,円ドル換算レートよりも安いという不思議。逆に日本の雑誌は単純換算の約4割増しと高めだ。
 続いてMacintoshを置いている店があったので,価格を聞いてみる。MacintoshSEが約240万ウォン(約48万円)というのは日本よりも安いが,韓国では個人購入できる価格ではない。その点をたずねすると,店の主人は「NECがパソコン市場を独占すある日本でもMacintoshはその優秀さで売れているそうじゃないか。韓国でもいいものを欲しがる人はたくさんいるからね」と,どこかの国の輸入代理店と同じような答えを返してきた.ひょっとしたらこのような回答は,ディーラーのマニュアルに書いてあるのだろうか。

竜山電子商街
 竜山電子商街の存在は、三星電子ソウルオフィスの金さんに教えていただいた。こちらは最近できたばかりの電気街で,世運商街を少し小さくしたようなビルに入っている政府が膨らみすぎた世運商街からの移転を奨励して生まれたそうだ。場所は米軍の基地に近く,有名なショッピング街の梨泰院(イテウォン)と,ソウル市内を流れる漢江(ハンガン)に挟まれた地区金さんの話で梨泰院と同じく米軍関係の外国人客をあてこんで梨泰院の近くの竜山に電子商街を誘致したという。ここは地下鉄等の交通機関から離れているので、タクシーで行ってみよう。
 韓国語は日本語と文法が似ているので、行き先をハングルで伝える「竜山電子商街に行ってくだ「さい」は「ヨンサン チョンジャサンガ カジュセヨ」となる.なお,助詞の「に」は省略した。「カジュセヨ」が「行ってください」なので,「セウンサンガ(世運商街)カジュセヨ」などと応用できる。
 さて、タクシーから電子商街の赤いビルが見えてきた,3階建てビルの2階は世運商街同様に家電商が軒を連ね,3階に150軒近いコンピュータショップが入っている.
 こちらも世運商街同様IBMPC互換機が中心だが,コモドールのAmiga2000を置いている店もあある。気になる価格は300万ウォン(約60万円),AmigaCOLTというXT互換機も展示されており,こちらは90万ウォン(約18万円).
 また値段は不明だが,インテルの箱に入った数値演算チップ80287なども置いてある.
 またこちらでもソフトの類は少なく,ハングルDOS(MS-DOSのハングル版)を捜している旨を店員に伝えると,となり近所の店にも声をかけてくれたが,筆者所有のCGAで動くバージョンはついに見つからなかった(コラム参照)。



コラム
番外:ロッテデパート電気製品売場
 ロッテデパートは,観光ガイドには必ず載っているショッピングのメッカ電気製品のフロアにコンピュータがあると聞いたので,寄ってみた。並んでいたのはMSXとXT互換機だ.MSXは大宇のCPC-400で92万ウォン(約18万円),XT互換機は金星のGMC-6510で約110万ウォン(約22万円)。ここではSEK'89で紹介したDECOMのデータベースサービスKETELの株式市況を実演している.韓国では最近株式投資に人気があり,韓国経済新聞の提供する株式市況は一般家庭にデータ通信を売り込む格好の材料となっているようだ。

結局このスクラップでは韓国の躍進について明確な理由は分からなかった。今後のスクラップで分かるかもしれない。
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