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その他のハード・ソフト(月刊ASCII 1988年10月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からその他のハード・ソフトの記事をスクラップする。

ソニー,新開発の2インチドライブをサンプル出荷
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このドライブはデジカメなどに搭載されたのだったかな。

東芝,白黒表示が可能な液晶ディスプレイを開発
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そういえば、最初のころの液晶は青色文字が表示されていた。白地に黒表示は相当後だったような記憶だった。エプソンのノートパソコンで白地に黒文字を初めて見たんだったか。

東芝がTRON仕様の32bitプロセッサを開発
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試作品はこうしてできたが、実用化はされなかったのだろう。この頃既にTRONは暗雲が漂っていた。

日本電気が高速モデム用のシグナル・プロセッサを開発
ASCII1988(10)b05日電モデム用DSP_W520.jpg
μPD77810を開発。2400bps~9600bps程度のDSPを開発したということがニュースになるほど通信の高速化は難しかったということか。

日本モトローラ,MC68882の33MHzバージョンを発売
ASCII1988(10)b10モトローラMC68882_W499.jpg
浮動小数点演算するためのコプロセッサだが、8万5000円もした。

三菱,350ミル幅のSOJ収納4Mbit DRAMを開発
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メルコがEMS方式のPC-9800用RAMボードを開発
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2Mbytesで7万4800円。こんなに高かったな。高くても1-2-3とかにEMSメモリは必須だったから買ったけど。

ハードディスの記事が3件あった。
キャラベルデータがPC-9800用ストリーマ内蔵HDDを発売
ASCII1988(10)b09キャラベル・データHDD_W520.jpg
H320STが27万6000円。さすがにストリーマは個人用では買えなかった。第一、そんな重要なデータは個人用のパソコンには入っていなかった。

ユーステックがPC-9800シリーズ用40Mbytes HDDを発売
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SNAPPER SP-340 40Mbytesが12万5000円。ハードディスクは高くてもパソコンを使うにはもう必須の周辺機器だった。

緑電子がMac用の30・45Mbytes HDDを発売
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Little-S 30Mbytes で14万5500円。

IBM,バッハ風讃美歌を作成するAIシステムを開発
ASCII1988(10)b06バッハ風AIシステム_W503.jpg
この頃のAIはどんな性能だったのか。これは作ってみただけで使い物にはならなかったのではないか。

アスキー,NAVI用の囲碁ソフトを発売
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8級程度の腕前だそうだ。
関連記事として
国際コンピュータ囲碁大会の日本予選が開催
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記事に「西暦2000年までに、大会の優勝プログラムが台湾のプロ棋士と対局して買った場合には,最高4000万元(約1億8400万円)の賞金が授与される」とあるが、これはどうなったのだろうか。1988年から12年でどこまでAIが進化したのか記憶にない。

インターコム,BASIC言語用通信ソフトライブラリを開発
ASCII1988(10)b10インターコムBASIC通信ライブラリ_W497.jpg
価格は14万円~18万円とは結構な値段する。BASICから呼び出して利用するのだがBASICで書いたライブラリなのかマシン語のライブラリなのかが不明。不思議に思うのだがBASICで通信するのならBASICでサブルーチンを書けばいいのにと思う。それすら書けない人が作ったソフトは大丈夫なのか?

ミワシステムズ,TURBO C対応のC++を発売
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TURBO C++を待てばいいのに、そんなに急いでC++で書かなくともと素人は思ってしまう。

大久保マイコン,生物科学用グラフ作成ソフトを発売
ASCII1988(10)b14大久保マイコン生物科学用グラフ作成ソフト_W500.jpg
グラフ作成ソフトがあると便利だ。1-2-3などのグラフ作成はビジネス向けで科学向けではない。もうちょっとここをこうしてができなかった。
このソフトはいろいろなことができて6万8000円は妥当なところだと思うが、必要なものを自分でBASICで書いた方が早いし、楽だし、満足のいくグラフが作れた。BASICはこういうとき本当にいいソフトだと思った。私はグラフ作成にBASICを重用していた。

あとりえフォンタップ,アウトラインフォントデータを発売
ASCII1988(10)b12あとりえフォンタップ_W499.jpg
「契約金が実用漢字で60万円、JIS第1水準漢字で120万円、JIS第1・2水準漢字で250万円。ロイヤリティが組み込みソフトパッケージの末端価格の3%」データつくりの人件費を考えればまあ妥当かなと思った。

S・DエンジニアリングがMac用に毛筆のベクトルフォントを装備したレイアウトソフトを発売
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価格は2万8000円と安い。事業所でも使えると思うがMacを導入しているところは少ないのではないか。うちらはソフトの代わりに書道というか習字というか毛筆を上手に書ける人がいたので必要はなかった。というか、昔は字の上手い人が身近にいて賞状とか書いてなかったか?
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コンピュータ・ワープロ(月刊ASCII 1988年10月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からパソコン・ワープロの記事をスクラップする。

この号はワークステーションの記事が多かった。
YHP,グラフィックス・ワークステーションを発売
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HP9000モデル319SRX CPUが68020(16.67MHz) 価格463万柄5000円

シャープが68030を搭載したCAD/CAM用EWSを発売
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IX-6 MODEL2 CPUが68030(20MHz)で価格504万円、年産1000台予定。

日本ユニシスが68030を搭載したEWSを発売
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SS-7 でCPUが68030(25MHz) 価格は320万円から、3年間で2000台の販売予定

富士通がSunワークステーションのOEM販売を開発
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Sファミリーエンジニアリングワークステーション
S-4/260 CPUはSPARCチップ(16.67MHz)を搭載 価格は 974万円からをはじめ数機種。3年間で1万5000台の販売見込み
なるほど、富士通はこのころからSPARCプロセッサと関わってきたのか。

兼松江商,CAD用ワークステーションを販売
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PRISMA CPUは68020(16MHz) 価格は約800万円から

ソニーのNEWSの記事が1ページあった。
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ソニーがNEWSに新機種を投入
アイコンとマウスで操作できるユーザーインターフェイスを搭載
 ソニー(株)は、ワークステーションNEWSの新シリーズとして,アイコンとマウスで操作ができる小型・低価格な「popNEWSシリーズ」3機種および周辺機器を開発,11月末から順次販売すると発表した。
 popNEWSシリーズの内訳は,(1)容量91Mbytesのハードディスクドライブを内蔵し,1670万色中256色の同時表示が可能な解像度1024×768ドットの14インチカラーディスプレイをサポートした「PWS-1560」,(2)容量91MbytesのHDDを内蔵し,解像度816×1024ドットのモノクロディスプレイをサポートした「同1550」,(3)容量40MbytesのHDDを内蔵し,同モノクロディスプレイをサポートした「同1520」――の3機種.
 同シリーズは、CPUにクロック周波数25MHzの68030を,浮動小数点演算コ・プロセッサに同25MHzの68881をそれぞれ1個ずつ搭載している.メインメモリは、標準で4Mbytesを標準装備し,最大16Mbytesまで拡張が可能.記憶装置には、HDDに加えてフォーマット時1.44Mbytesの3.5インチフロッピーディスクドライブを内蔵している.インターフェイスには,Ethernet,SCSI,RS-232C×2個,パラレル,拡張FDDを採用している.また,拡張スロット1個を装備しており,4chシリアルインターフェイス・ボードや拡張ネットワークボードなどを内蔵することが可能となっている.本体サイズは,355(W)×340(D)×110(H)mm,重量は約10kg.
 オペレーティングシステムには,アイコンとマウスで操作できる新開発のデスクトップ環境「popDesk」を搭載した「popOS」を採用している.同OSは,4.3BSDのサブセット,XWindow SystemVer.11のサブセットおよびNFS Release 3.2をベースに日本語化を行ったもので,4.3 BSDからは,C,Fortran,Pascalなどの言語と開発環境を省き,コンパクト化を図っている.従来のフルスペックNEWS OSの使用を可能にする「バージョンアップ・キット(仮称)」の販売も計画している.
 また,PWS-1560と同1550は、共通文書ファイルシステム「Media Bank」を内蔵している.同ソフトは,共通文書ファイルフォーマット(CDFF)を核とした異機種間の文書ファイルの互換性を実現するシステム.
 周辺機器は,親指シフトキーボード「NWP-410」,14インチカラーディスプレイ「NWP-515」を同時に発表した.
 価格は,PWS-1560が155万円(来春出荷),同1550が125万円(11月21日出荷),同1520が85万円(12月21日出荷),NWP-410が5万円(11月21日出荷),NWP-515が未定(来春出荷).


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協和商会,PC/AT互換パーソナルコンピュータを発売
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CT9386 CPUが80386(16MHz)で255万円

精工舎,32bit FAコンピュータをOEM供給
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FA386 CPUが80386(16MHz) 価格275万円~

PMC,産業用マイクロコンピュータを発売
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Pfc-1000 CPUはZ80B(4.9MHz)価格は36万8000円
Z80とは懐かしいCPUが出てきた。寿命が長いことだ。

東芝が往復はがき自動給紙装置を装備したワープロを発売
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Rupo JW80FII 価格は本体が12万8000円
個人以外でも必要とする職場はある程度あっただろう。









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パソコン広告(月刊ASCII 1988年10月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

もう一度読み返し、スクラップする。
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裏表紙はFM77AV40EX/20EXだった。南野陽子のカットが変わった。

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表紙見返しはキャッチコピーは「先進機能をフル装備した次世代のマルチタスクオペレーティングシステム日本語MS OS/2(Ver 1.0)」だった。OS/2は分析装置に付いていたものを触ったことがあったが、パソコンとして触ったことはなかった。OS/2でなければならない素人にも触れるソフトウェアがないことが普及しなかった原因だと思う。

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PC-88VAの広告。「第1回NECパソコンアート大賞」というものがあった。特別審査員に石ノ森章太郎という大御所がいた。

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小沢なつきを前面に押し出している日電のモデムとプリンタの広告。前号の使いまわし。

ASCII1988(10)a03ペンタブPC-FAX_W520.jpg
左側の日電のペンタブは前号の使いまわし。

ASCII1988(10)a04AX386_W520.jpg
ワークステーションだと言っているシャープのAX386の広告。前号の使いまわし。

ASCII1988(10)a05X68000_W520.jpg
シャープのX68000は前号の使いまわし。

ASCII1988(10)a06PC-E500_W520.jpg
シャープのポケコン。PC-E 500は28,800円。

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左頁が東芝J-3100SGT101の広告。前号の使いまわし。

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ASCII1988(10)a08FM77AV40南野陽子TRIM_W520.jpg
南野陽子の富士通FM77AV40。夏バージョンから秋バージョンになった。

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富士通FMRシリーズ。FMR-50LTというプラズマディスプレイ搭載のラップトップを出した。この当時はプラズマディスプレイを最上位機種に搭載する流れがあった。

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左頁がCONNERのHDDの広告。CONNERの製品名前に覚えがあるが、どこで知ったのか思い出せない。

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三洋のAXマシン。MBC-17LTJ。

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Panacom M の広告。ソフトがたくさんありますよと中折の部分は前号とほぼ同じだだが、最後はLAPTOPマシンの広告だった。

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アップルジャパンによるHyperCardの広告。

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ASCII1988(10)a14Apple社員募集内容_W520.jpg
これは珍しい。アップルコンピュータジャパンの社員募集の広告。

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SONYのNEWS。

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キヤノンのNAVI。前号の使いまわし。

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キヤノンのレーザーショット。

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キヤノン販売によるMacの広告。

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左頁がEPSONのWORD BANK NOTE2の広告。前号の使いまわし。

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I・Oデータ機器のメモリの広告。随分とおしゃれな広告。

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続いてメルコのメモリの広告。これもおしゃれな広告だ。

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ジャストシステムのAACの広告。ジャストウィンドウとして発売されたもののはず。あおりをスクラップする。
パーソナルコンピュータはいま
さまざまな人たちがさまざまな目的で使用する
パーソナルコンピュータ。その用途によってさまざまな要求もやはり起こり始めているのではないでしょうか。
自分に必要な機能だけを追加できたら。どのハードウェアでも同じように操作できたら、作成中のデータはもちろん、過去のデータを異なるアプリケーションやハードウェアで活用できたら。そのような問題をいかに解決するかが「一人一台の時代」への課題なのです。
AACが提案する環境
 そのような、目の前にある問題を解決することができれば「一人一台の時代」は快適に迎えられるはずです。ジャストシステムのAACは来るべき「一人一台の時代」に最良の“環境”を提供します。
●ひとりひとりにフィットさせるためのAAC
目的が異なれば使う機能も異なってきます。その要求の数だけ機能を増やしたり、要求に応じて製品を分化させたりといった方法ではもう解決できなくなってきています。そこで、AAC対応のソフトウェアは簡単な操作によりお客様自身の手でアプリケーションに必要な機能を付加することができるVAF[Value Added Function]を備えました。多様化し、高度化する要求にこのVAF[Value Added Function]が応えます。 ●使いやすさのためのAAC
オフィスにはデスクトップ型やラップトップ型のパーソナルコンピュータがあり、キーボードも機種によって異なります。AAC対応のソフトウェアは操作方法を特定のキーボードに依存しないために異なるハードウェアでの操作がスムーズにおこなえます。また、マルチスクリーンを標準装備し複数のアプリケーションを同時に使用することができます。異なるアプリケーション間で必要なデータだけを自由にやりとりすることを可能にしました。
●構築したデータを活用するためのAAC

「情報資産を活用する」ということは作成中のデータの中に他のデータを盛り込んだり、蓄積されたデータをもとにして、新たにデータを作成することができてはじめていえることです。AAC対応のソフトウェアはハードウェアおよびアプリケーション間でのデータの互換を実現します。お客様が構築してきた大切な情報資産を無駄にすることなく発展的に活用することができます。
AAC[ADVANCED APPLICATION CONCEPT]
AACは、誰もが望んでいるアプリケーションソフトの環境を実現します。「一人一台の時代」は個人がコンピュータを活用して文書作成から重要な意志決定までをおこなう、そのような時代です。ジャストシステムはAAC構想に基づいた製品を提供することにより、ひとりひとりの方にこの新しい時代を快適に迎えていただきたいのです。
何を言っているのか製品の具体像が見えてこない。

次のページもAAC。
ASCII1988(10)a23AAC_W520.jpg

AACを実現する機能
AACを実現する機能が現在のパソコン環境の問題点を解決します。
●マルチスクリーン
マルチスクリーン上で複数のAAC対応のアプリケーションを同時に立ちあげ、それぞれを瞬時に切り替えられます。アプリケーション間の自由なデータの互換性により、異なるアプリケーションのデータを作成中のデータに組込むといった、いままで手間のかかった煩わしい作業から解放されます。
●VAF[Value Added Function]
お客様が、その必要に応じて機能を付加し、拡張できるようアプリケーションに組込むソフトのことです。使い勝手や用途にあわせて「一太郎」を独自に構築していけます。
AAC対応のジャストシステムの製品群
AAC対応の第一弾としてバージョンアップする「一太郎Ver.4」「花子Ver.2」。それに続くAAC対応DTPシステム、データベースソフト。AAC構想に基づくジャストシステムの製品群がこれからも続々と登場します。
●新しい世界をリードする「一太郎Ver.4」
AAC対応として「一太郎」がバージョンアップします。
使う人の立場で設計された「一太郎Ver.4」が新次元の日本語ワープロの新しい標準になります。

●より高性能になった「花子Ver.2」
AAC対応としてバージョンアップする「花子Ver.2」。
飛躍的に性能がアップする「花子Ver.2」はプロの使用にも耐えます。AAC対応のアプリケーションと瞬時に切り替えられるマルチスクリーンでデータ資産を有効に利用できます。

AAC対応アプリケーションをサポートする周辺機器
ジャストシステムのオリジナルな周辺機器が「一太郎Ver.4」、「花子Ver.2」などAAC対応アプリケーションを強力にサポートします。
●AAC対応拡張メモリボード
新開発のASICによるノーウェイトアクセス、低消費電力を実現した、EMS LIM4.0に対応した拡張メモリボード。複数のAAC対応アプリケーションを同時に使用でき、アプリケーションの機能の拡張に対応します。
●A4フルサイズが読み取れるイメージスキャナ
A4フルサイズのイラストや写真が読込める卓上型・ハンディ型イメージスキャナ。ハーフトーンもクリアに読込み、AAC対応の「一太郎Ver.4」や「花子Ver.2」にワンタッチで組み込むことができます。
なんだか良く分からない。この広告から考えると多分AACに対応したソフトウェアとハードウェアを新たに開発したのでそれを利用するとAACが使えるということのようだ。

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日本語ワープロの新しい基準の確立
日本語ワープロにとって必要な機能とは何か?
快適な操作性とはどういうものなのか?
25万人ユーザの皆様のご意見・ご要望の実現と、未来を先取りした先進の機能を搭載しました。「一太郎Ver.4」は日本語ワープロの新たなる基準を確立します。

高いポテンシャルの実現
無制限に編集できる文書サイズ、ユーザ辞書の自由な拡張、ユーザ自身によるオプション機能の追加、アプリケーション間のリアルタイムのデータ利用など、今まで不可能とされていたさまざまな機能上の制約をなくしました。マルチスクリーン、EMS対応、VAFなどで実現する環境が機能だけでは語り尽くせない高いポテンシャルを実現しました。
創造の道具としての環境を提案
清書するためのワープロとは一線を画したかずかずの先進的な機能を搭載しました。発想を自由に入力し、いくつもの文章をさまざまな角度から分析・分類するという人の思考プロセスをそのままシミュレートできます。
「一太郎Ver.4」は、パーソナルコンピュータを通して創造するための環境を実現します。

ひとりひとりのための一太郎
初めて使う人の「一太郎」、パワーユーザの「一太郎」、ビジネスマンの「一太郎」、先生の「一太郎」、エンジニアの「一太郎」、エディターの「一太郎」があってもいいと思います。「一太郎Ver.4」は、さまざまなレベルのユーザカスタマイズ機能を用意し、すべての皆様にご満足いただけます。
理想的な操作環境を提供するために
AAC構想に基づくマルチスクリーン機能によって、複数のAAC対応アプリケーションをスクリーン上でスムースに切り替えて使用したり、各アプリケーション間でのデータの受け渡しを簡単な手順でおこなうことができます。従来では考えられなかった使う人の立場での操作環境を提供します。
これも内容が良く分からない。とにかく一太郎がAACに対応するバージョンにアップするということだけは分かった。

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要求に応える[一太郎Ver.4]
文章をスムーズに変換する機能、あらゆる書式に対応する機能、そして、表現の手段としての機能。より充実する「一太郎Ver.4」の機能が使う人のニーズに応えます。
●新しい日本語変換システム「ATOK7」
日本語ワープロとして最も重要な機能である日本語変換システム。思ったことを自由に入力し、思ったとおりに変換する。それが日本語変換システムの姿です。より洗練された変換効率と、優れた拡張性の辞書によりその姿に近づいていきます。
●思いどおりの文書を作成するために
定型的な文書、自由な書式の文書、複雑な書式の文書、文書の書式は使う人の数だけあります。
「一太郎Ver.4」の編集機能は、あらゆる書式の文書を最も効率的に作成するために、従来の機能の全てをブラッシュアップし、機能と操作性を全面的に改良いたします。

●表現力豊かな文書を作成するために
文書は、自分の思いを表現する手段です。伝えたい箇所を見やすく、わかりやすく、美しくレイアウトする。
「一太郎Ver.4」は、従来の機能の充実と、新しい発想からの機能が満載されます。

日本語ワープロの枠を超える先進の機能
日本語ワープロを「思考のための道具」として、業務全体の流れを見通す「仕事の道具」として、かずかずの先進的な機能を搭載します。
●思考を助ける新しい機能、マルチビジョン
人は物事を考えるとき、さまざまな角度から検討します。ひとつの内容を多角的にみることができる「一太郎Ver.4」のマルチビジョン機能が、この人間の思考を助けます。
●業務全体をひとめで見渡す画期的な機能
コンピュータがどんなに発達しても、コミュニケーションの手段としての文書は必要です。「一太郎Ver.4」は、関連のあるさまざまな文書ファイルをひとまとめにする機能を新たに備えました。グループで仕事をするような実務レベルに即応した新しい文書ファイル管理機能です。
●アウトラインプロセッシング機能の搭載
文書を作成するときの方法は人によりさまざまです。全体の構成を考えてから文書作成するために必要なアウトラインプロセッシング機能。「一太郎Ver.4」はあらゆる人の文書作成をサポートします。
新しい環境の提案
単に日本語ワープロが提供する環境だけにとどまらず「一太郎Ver.4」はひとりひとりのニーズに応えるべく、使いやすさを考えた新しい環境を提供します。
「一太郎」は一歩一歩人間に近づいていきます。

●新しい操作環境を実現するマルチスクリーン
AAC対応アプリケーションに標準搭載されているマルチスクリーン機能は、これまでにない新しい操作環境を実現します。異なるアプリケーション間のデータをスムースに受渡しでき業務の効率を飛躍的に向上させます。
●世界標準「EMSLIM4.0」に対応
現在の640KBのメモリの制限を取り払い、32MBのメモリ空間で、複数のAAC対応アプリケーションを瞬時に切り替えて使用することができます。また、VAFによる機能の拡張が自由におこなえます。
●ひとりひとりのためのユーザカスタマイズ機能
多様化する要求に応えるために、あらゆるレベルでのユーザカスタマイズ機能を用意しました。操作性を変更する、シェイプアップする、VAFによりもっと機能を加えるなどで、「一太郎」があなただけの「一太郎」になります。
コンセプトだけで空虚だ。スクラップの労力が無駄に思える。

ASCII1988(10)a25花子_W520.jpg
花子Ver.2のあおりもスクラップしておく。
より正確に、より滑らかに
より精密になったデータの最小単位や格段に拡がった座標系の空間で正確な作図がおこなえます。
また、8層まで発展させたプレーン構造、ウィンドウの操作性の向上、ページ単位編集機能など作図作業を能率化するための機能が充実しました。

作業を飛躍的に効率化する専用言語
正確に素早く作図する定型化作業のために専用言語を採用しました。また、数値データを入力するだけのダイレクトな作図作業が可能になります。プログラミング機能の追加で大幅な作図の効率化が実現します。
拡がる活用範囲
マルチスクリーン上で、「一太郎Ver.4」とワンタッチで切り替えて使用できるため、データの相互の組込みが瞬時におこなえます。また、「一太郎Ver.4」のVAFの一部は、「花子Ver.2」でも使用することができ、「一太郎Ver.4」と同じ方向性で機能を強化・拡張することが可能です。もちろん、「花子Ver.2」専用のVAFも用意され、ユーザ自身の手によって必要な機能を簡単に強化・拡張することができます。
VAFによってさらに拡がる可能性
設計、製図、デザインツール、教材作成など、図形プロセッサ「花子」の活用範囲はさらに拡大しています。高度化するニーズに従って最適な機能を「花子」に拡張・追加できるVAF。あらゆる情報に基づいたVAFを研究・開発中です。ご期待下さい。
これなら分かる。どんな機能が加わるのか書いてある。なぜ一太郎Ver.4は花子Ver.2のような具体的な機能について書いていないのか。そのような機能追加がなかったからか。概念だけをバージョンアップしたということか。
思い出せば、一太郎はVer3で完成していたように思う。三太郎と呼んでいたが、足りない部分はユーザが工夫して使って使えるものにしていた。新しい機能で感動した記憶がない。
バージョンアップではマイクロソフトのExcellが酷かった。余計なことしかしてなかった。せっかく使い込んで使いやすくなったところでバージョンアップした。私の使っていたあの機能はどこに行った?メニューの改変で物凄く困り、物凄く腹が立った。とにかくマイクロソフトのソフトは人の神経を逆なでするバージョンアップをしていた。
イルカが表示され「お前を消す方法」の検索ワードとなる冗談がネットにあったが、全くその通り!お前が役に立ったことなど一度もないわ!未だに怒りを覚える。どうしてマイクロソフトはこんな役に立たたいことばかりするのかと怒っていた。

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ジャストシステムのduet。

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ジャストシステムのシルエット。

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帝人のフロッピーディスクの広告。
あおりは
(10年前からフロッピーディスクを作っていました。)
●ご存じでしたか?私たち帝人メモリーメディアは、昭和54年に世界初の完全一貫生産体制によるフロッピーディスクの生産を開始いたしました●以来、その優れた製品は数多くのOEMブランドとして広く親しまれ、すでに全世界への出荷は2億枚を超えるまでの実績を積み重ねてまいりました●フロッピーディスクに関係する全ての素材を自社グループ内で|研究開発し、そして一貫生産するというオーバーオールな思想が、その信頼と実績を支えています●信頼性をお見せできないのが残念ですが、1枚1枚が帝人のクオリティです。
存じ上げませんでした。私は帝人のフロッピーディスクを使ったことがありませんでした。

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続いてMaxellのフロッピーディスクの広告。この号のASCIIはEMSメモリといいこのFDという同業他社の広告を連続して掲載している。不明なるもこれが編集者の意図というものか。
あおりは
同型のパソコンが本社にあるから、あとはフロッピーディスクを持参するだけ…。
そんな互換性をマクセルは重視しました。

仕事に欠かせないコンピュータ。一枚のフロッピーディスクを、本社で使う、支社で使う…という機会も増えています。ここで大切なのが互換性。同じパソコンなら、本社で記録したデータは当然支社でも再生できるはずですが、万一の不安があるのも事実。そこでこの互換性を確実にしたのが、マクセルのフロッピーディスク"RD"シリーズです。その鍵はHE(High Energy)磁性体。高出力を得るため、磁性体の微細な空孔を排除したHE磁性体は、より大きな磁気工ネルギーを獲得して出力10%アップを達成。磁気ヘッド位置が微妙にずれる「オフトラック」時の不安を解消しました。また、データ読み取り時のエラー原一因となるノイズも、磁性体を磁気ディスク上に均一に分散させる独自のNFD(New Fine Dispersion)技術でクリア。高密度記録時の信頼性向上に大きく貢献しています。そして、ここに時代の要求にマッチした"RD"シリーズが完成したのです。

"RD"シリーズには、世界で初めてHDタイプを送り出したマクセルの技術が生きています。
このほかにも“RD"シリーズには磁性体同士を強力に結合した強靭な磁性層で、一挙に2倍(当社比)のサイクル連続走行耐久性を達成したスーパー・クロスリンケージ技術や、チリ、ホコリの影響を最少限に抑えたFAトリートメント、出力変動を減少させたSRO技術やディスククリーニング性に優れた新開発HCライナーなど、独自の技術を投入。そこには高保磁力磁性体の開発とその極薄塗布、表面平滑性の向上など、厳しい条件をクリアして1982年、世界初の高密度記録媒体HDタイプ(5''1.6MB)を送り出したマクセルの高技術力が生かされています。小型・大容量化時代に先駆け、高密度記録媒体のパイオニアとして世界の有力コンピュータメーカー、ソフトメーカーに評価されるマクセル。もちろん、全数全トラック・サーティファイで出荷時はエラーゼ口を保証。今日も出張のバッグの中にある一枚、マクセルのフロッピーディスク"RD"シリーズです。
そういえば、昔フロッピーディスクを他の機械で読めないことがあった。特にノーブランド品はその傾向が強かった。そうだった。コピーしてもらったディスクでそれが顕著だった。Maxellは信頼性が高かった。これよりももっと昔、CP/M時代、仲間を募集する連絡を雑誌かなんかに掲載してもらったときCP/MのコンパイラやMASMとかのコピー品をあげるとかの手紙をもらったことがある。そのときお礼としてMaxellの赤箱が指定された。Maxellの赤箱は貨幣として使えるのかと感心した。Maxellのフロッピーディスク10箱入りが特売品としてショップに出ることがあった。私は万札を握りしめ買いに行った。ということは1枚100円位したのか。

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エコロジーとノストラダムスの広告。エコロジーは使わなかったが、ノストラダムスは使った。

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裏表紙裏はFUJI FILMのフロッピーディスクの広告で前号の使いまわし。

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PC-9801RA,MNP解説,LCD解説(月刊ASCII 1988年9月号13) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

PRODUCTS SHOW CASEにPC-9801RAの記事が7ページにもあった。当時注目度が高かったのがわかる。私も職場で使ったが、速度向上が図られ旧機種とは全然違う使い心地だった。もう80286には戻れないという感じだった。
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キーボードはいただけなかった。旧機種と比べ安っぽいイメージだった。98のキーボードはVM2が一番良いというか一番気に入っていた。
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表1 RAの主な変更点 (括弧内はそれぞれRA5 とVX41)
型番PC-9801RAPC-9801VX
価格2 49万8000円
5 73万6000円
01 35万3000円
21 43万3000円
41 63万円
CPU(クロック)80386 (16MHz)
V30(8MHz)
80286 (10/8MHz)
V30 (10/8MHz)
メインメモリ
標準
最高

1.6Mbytes
12.6Mbytes

640Kbytes
8.6Mbytes
ROM96Kbytes96Kbytes×2
漢字ROM約7600文字約7200文字
キーボード106キー
15ファンクションキー
CAPS, カナをソフト制御
101キー
10ファンクションキー
内蔵HDRA2:40Mbytes内蔵可能
RA5:40Mbytes内蔵
VX01, 21は内蔵不可
VX41:20Mbytes内蔵
マウスインターフェイス本体前面本体背面
CRTインターフェイスD-RGBとモノクロ共用D-RGBとモノクロは独立
サイズ
本体(W×D×H)mm
キーボード

380×335×150
435×180×34

420(470)×345×150 470×195×38
重量
本体(Kg)
キーボード

9.4(10.8)
1.2

11.6(13.6)
1.6
ASCII 1987年8月号の記事を見るとVX21のROM×2は、V30の8MHz,同10MHz,80286の8MHz用のROMと80286の10MHz(EGC利用)の2種類のROMを持っているからとのこと。日電の互換性維持の強い意思が感じられる。
評価記事には赤ペンで書き込みがあり
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よっぽど注目していたのが分かる。
まとめの部分は
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とあるが、80286はないわーと当時思っていた。それほど私は80286CPUをなぜCPU1つこんなに面倒くさいものにしなければならないのかと憎んでいた。
ワープロはともかくゲームは開発当時のマシンの性能に合わせて速度を決めていたのでPC-9801はV30にしても8MHzと遅いモードを用意しなければならなかった。386では速すぎてゲームにならなかった。ゲームに重きを置いているユーザはCVやUV11で良かったかもしれないが、ワープロでも表計算でも画面をスクロールしたりページをめくっていくようなときは速度が大事だった。またお絵かきソフトでも速度が重要だった。市販されているBasicのプログラムは使わなかったが、そういうユーザにもPC-9801RAは良いパソコンだったのではないか。

PRODUCTS SHOW CASEの「MNPモデム最新機種」にMNPの解説があったのでそれをスクラップする。

MNPとはなにか
 ここで紹介する4社5機種のモデムは,すべて2400bps全2重通信の機能を内蔵し,MNPのクラス4または5に対応している.MNPとは,Microcom Networking Protocolの略で,Microcomという米国のモデム会社が提唱している通信プロトコルである.通常の電話回線を使って通信を行う場合に,ノイズによる「エラー」を回避するものだ。すでにパソコン通信を行っている人なら,「文字化け」や「文字落ち」といった現象を1度は体験したことがあるだろう.通信速度が速くなればなるほど,この回線ノイズによる悪影響が出やすくなる.
 現在主流のパソコン通信は,通常の電話回線で300や1200bpsで行う,いわゆる「非(調歩)同期無手順通信」である.通信ソフトなどの設定では,ボーレートとキャラクタコード,ストップビット,パリティビット,X制御の有無といった,数種の約束のみを相手と合わせれば,ひとまず通信ができる.ただし,ノイズの除去はできない.
 非同期通信でもエラー訂正を行うため,XMODEMやKermitといったプロトコルが,パーソナルコンピュータ用として普及している.MNPも同様に,非同期端末同士でのエラー訂正のために出現したもので、モデムに内蔵させるためのものだ.詳しい機能はさておき,MNPモデムの機能を紹介しよう.
●自動エラー訂正機能
 ここで,「自動」というのはモデムが勝手にやってくれるということ.通信する双方のコンピュータ,ソフトウェアはそのままで、MNPモデムに換えるだけで,文字化けのないエラーフリーの通信が行える.
 また,XMODEMなどのプロトコルもそのまま使用することができる.
●自動判別機能
 相手がMNPモデムであるか否かを判別し,自動的に自分のモードを切り替える機能,相手がMNP非対応モデムの場合,通常の非同期無手順でそのままデータを送受してくれる.例えば,大勢のユーザーがいるホスト局がMNPモデムに取り替えても支障はない.
 また,2400bpsのMNPモデムは,通常1200と300bps全2重の通信機能を持ち,かつ相手の速度に自動追従する機能も内蔵している.
●高速化
 MNPモデムの上位クラスでは,同期通信や,パケットの最適化,圧縮機能を持つので,単なる非同期通信に比べて,通信効率が上がる.
 そのため、MNPモデムは,「フロー制御」という機能を内蔵している.これは,丁度,プリンタにおけるバッファ機能のようなものである.MNPモデムは通信効率が高いため,コンピュータとモデム間は通常4800bpsや9600bpsといった高速のボーレートでデータを送受する.そのため,コンピュータとモデムとの間には速度調整用のバッファが必要になるわけだ.

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今の技術が恐ろしい。パソ通を始めたころのボーレートの単位がKbpsですらない300bpsとか1200bpsとかだった時代、会議室の発言をダウウンロードしながら読むことができた。ダウウンロードが終わったらすかさずレスが可能であった。良くパソ通をやってきたものだとしみじみ思う。34年で通信速度は100万倍高速になったのだ。

クラス別の機能
 MNPモデムには,「クラス」というランク分けがあり,数字が大きくなるほど高機能になっている.エラー訂正のためのプロトコルではあるが,上位クラスになるほど効率が良く,実質的に高速通信を実現している.低価格で高速通信を実現するためのプロトコルとさえいうことができるだろう.
●クラス1,2
 クラス1は半2重,2は全2重2400bpsで非同期通信を行う.単純にエラーフリーになるだけで,スタートビット,ストトップビットがそのまま送られるので,効率は2400bpsの70~80%である.
●クラス3
 同期通信機能を持つので,調歩同期用のスタートビット,ストップビットが必要なくなり,110%程度の効率になる.とはいっても、モデム間でそうなるだけで,端末側は通常の非同期通信をしているようにしか見えない、つまり,送り側のモデムが取り除いたこれらの情報を,受け側のモデムが付加してからコンピュータに送るわけだ。
●クラス4
 クラス3の機能に加え,データフェーズ最適化とパケット長最適化機能を持つので,120%程度の効率になる.データフェーズ最適化とは、パケット1つずつに付いている制御情報をなるべく減らす機能だ。
 パケット長最適化とは、回線の状態(エラー率)に合わせて、1つのパケットの長さを調整し,効率を上げるもの.1パケットのサイズが大きければ大きいほど,総パケット数が減り,制御情報が少なくなり効率は上がる.ところが,回線状態が悪いと、パケットの再送が頻繁に起こり,パケットのサイズが大きいほど効率が落ちる.そこで,ちょうどいいパケットのサイズが計算されるわけだ.回線状態が良ければパケットを大きく,悪ければ小さくして最高の効率を上げるように調整してくれる.
●クラス5
 クラス4の機能に加えて,リアルタイムのデータ圧縮機能を付加しており,最高200%の効率が期待できる.圧縮には,連続した同じデータを個数で表すものと,頻繁に送信されるデータを符号化する2重の方法がとられている.
●クラス6
 クラス5までは,最高2400bpsまでのサポートだったが,6では9600bpsを搭載している.さらに上位のクラスも存在しているが,パーソナルコンピュータの速度を考えると,有効なのはレベル5までだろう。また,異なるクラス同士の通信では,ボーレートの自動感知のように,自動的に低クラスに合わせるようになっている.
当時は、こういった知識を得ながらモデムを選び、通信ソフトを選ぶところからパソコン通信の速度向上を図ったものだ。

なんでも相談室から「LCDの階調表示」をスクラップする。

LCDの階調表示
Q:PC-9801LV21などには階調表示のできる液晶ディスプレイが使われていますが,どうやって階調を出しているのでしょうか.
A:液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)は、消費電力が小さく薄くできるという利点をもち,持ち運ぶことができる電卓や時計,ポケコンなどの分野で広く用いられてきました。一方デスクトップ並の性能をもつラップトップコンピュータやワープロが開発されるにつれて,ディスプレイも表現力を上げるためにカラー化や階調表示の必要性が高まってきたわけです.
 液晶とは,見かけ上は液体でありながら固体の結晶のように分子の配列に一定の秩序がある特殊な状態のことです.ある種の物質を液晶の状態にすると,普通の液体や固体には見られない、変わった性質を持たせることができます。1-4-シアノ-4'-n-ペンチルビフェニル(化学の苦手な人は、ただの記号だと思ってください)を代表とするネマティック液晶を特殊な表面処理をしたガラス板にはさむと,図7のように,液晶の分子が90度ねじれたらせん状に並びます(こんな芸当ができるのも,液晶の特徴です).これに特定の振幅方向の光だけを通す偏光フィルタを通したただひとつの振幅方向を持つ光を通すと,光の振幅方向が分子のねじれに沿って回転します。
 ところが,ガラス板の内側に電極をつけて一定以上の電圧をかけると,液晶分子が図8のように同じ方向にきれいに並んでしまいます.こうなると,光の振幅方向を回転させることができなくなります(電圧がかかっていない部分は元のままです).
 この液晶入りガラス板を偏光フィルタで両側からはさみます.すると,電圧をかけた部分では光の振幅方向が変化してしまうために光を通さなくなるので,黒く表示されることになります(図9).これが、電卓や時計などに用いられている,TN型(Twisted Nematic)LCDの原理です.
 このTN型LCDをもとに,液晶の成分を変えたり液晶分子をねじる角度を工夫したりすることでコントラストや応答速度を改善したのが,最近よく耳にするSTN(Super Twisted Nematic)型やNTN(New Twisted Nematic)型などのLCDです.
実は、これらのLCDは液晶にかける電圧をコントロールすることで,図10のように階調を出すことが可能です.ところが,電圧と表示の濃さとの関係は直線的でなく,狭い範囲で急激に変化します.このため、電圧の絶対値をアナログ的に変化させる方法では,電源電圧や温度の変化の影響を受けやすく,表示の濃さにムラが出やすくなります.
 液晶は,電圧をかけてから表示の濃さが最大になるまでにはいくらかの時間がかかります.これを利用して,電圧そのものを変えるのでなく,電圧をかけ続ける時間をドットごとに長くしたり短くしたりすれば、階調を出すことができるようになります(図11).
 電圧をかける時間の調節は電圧そのものを変える場合に比べて簡単にできるため,現在製品化されている階調表示のLCDコントローラは、この方式が主流のようです.・このほかフレーム間引き法といって,数フレーム(映画の“コマ”にあたる)ごとにドットをON/OFFさせ,ONにするフレームの比率をドットごとに変えることで見かけ上の階調を出す方法もあります.この方式を使ったLCDコントローラも,実際に製品化されています.
 さて、ご質問のPC-9801LV21がどの方法で階調表示を実現しているのかですが、日本電気に問い合わせてはみましたが,残念ながら教えていただけませんでした. (竹田)
参考文献 橋本敏彦,「改良が進むSTN液晶表示モジュール,見やすさの次は階調表示に期待」,日経エレクトロニクス1987年11月2日号(no.433)岩柳茂夫,「液晶」(化学One Point 10),共立出版

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初めはここからだった。カラー液晶ディスプレイが出たとき感動したかというと感動しなかった。表示された画像が汚かったからだ。かろうじて色が表示されているというものでこれなら無理にカラーにする必要はないと思ったほどだった。












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特集「VMテクノロジーVM8600S」(月刊ASCII 1988年9月号12) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集記事のスクラップ最後(9回目)は「VMテクノロジーVM8600S」
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CPUもアプリケーション本位に
 VM8600Sは,同社のバーチャルマイクロプロセッサの第1弾として発売された.4Gbytesのリニアなメモリ空間と32個の汎用レジスタ,そして,VMZ32と呼ばれる柔軟性の高い命令セットを持つマイクロプロセッサであるが,同時にオブジェクトレベルで8086との互換性があり,80286のリアルモード,80386のデータ処理命令をもサポートする.
 VM8600Sには,5つの実行モードがあるが,これは,大きくVMZモードと86モードの2つに分けることができる.VMZモードでは,VMZ32命令と8086系CPUの命令を混在して使用できる.アドレス空間は,4Gbytesと8086のセグメント,オフセットによる1Mbytesの両方をサポートする.また,プリデクリメント,ポストインクリメントといったアドレッシングモードもあり,複数のデータスタックが容易に構築できる.一方,86モードでは,8086との互換性を持たせており,8086の命令のみ実行可能となっている.
 命令の実行は,データ転送サイクルの短縮化や4段パイプラインを使用した内部アーキテクチャにより高速化されている.動作クロックは,12MHz,16MHz,20MHzのものがあるが,同一クロックでは,80386の75%の実行速度を実現しているというなお,浮動小数点演算プロセッサ80287とのインターフェイスやMMUとのインターフェイスも内蔵しているほか,パイプライン方式のバスインターフェイスをとることもできるため,比較的アクセス時間の遅いDRAMにも対応できるようにしてある.
 VMテクノロジーによれば,バーチャルマイクロプロセッサの基本的な考え方は,マイクロプロセッサを使った応用システムが,年々,高性能化,高度化するのに応えて,既存のソフトウェアとの互換性を保ちながら,各種の応用システムに最適化された命令体系を使えるようにすることであるという.特定用途向けの周辺ロジックについてのASIC(Application Specific Integrated Circuit)に対して,ASIP(~Processor)という言葉を用いている.ASIPでは、VMZ32命令に加えて既存のマイクロプロセッサの命令群(VM8600Sでは8086命令セット)と特定機能用のマクロ命令形を使用できることになる.

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マイクロコードではなくPLAを使う
 VMテクノロジーは、世界初のマイクロプロセッサである4004や8080,Z80を手掛けた嶋正利氏と三井物産,アスキーの共同出資による会社である.VMテクノロジーという会社名は,このバーチャルマイクロプロセッサに由来するといわれ,マイクロプロセッサを開発した同氏によるマイクロコードに代わるアーキテクチャということになる.
 VM8600Sは,VMZ32の命令,8086の命令のいずれも,命令翻訳ユニットによって共通の内部的な命令に変換し,実行している.命令の翻訳,アドレスの生成,実行は,いずれもPLA(Programmable Logic Array)によって実現されている.PLAは,プログラム可能なAND-ORアレイを内蔵する論理方式のことであり,ASICなどで使われる.マイクロコードを使わないため,著作権の問題も回避できるという.VM8600Sでは,1Mbytes以上のメモリ空間と高速な実行速度が望まれる場合での,8086からの置き換えが中心となると思われるが,特定用途向けの命令セットの追加で応用範囲を広げていくことができる.VMテクノロジーでは,ユーザーの要求に対して,数ヵ月で特定用途向けの命令セットを含んだ設計が可能としている.
 また,これをコアとしてペリフェラルやメモリをも集積したチップも可能となるよう設計されているほか,VM8600Sの16bit版ともいうべきVM860Sの開発も予定されているという.
VMテクノロジーはアスキーがからんだ日本の会社だったのか。商売になると踏んでいたのだろうか。甚だ疑問だ。スクラップを続けるがいつまでもったのか行く末が不安。

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特集「日本電気μPD70136(V33)」(月刊ASCII 1988年9月号11) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集記事のスクラップ8回目は「日本電気μPD70136(V33)」
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V30を高速化してメモリ空間を16Mbytesまで拡張
 8086系の高速なCPUとしては,インテルの80286/80386がある.これらは,高速化と同時にMMUを使ってメモリ空間を拡張している.V33では,後で述べるような,非常に単純なアプローチでメモリ空間を拡張している.80286/80386といった高度なアーキテクチャは必要としないが,高速で大きなメモリ空間が欲しいというニーズが多いことに応えるものである.
 VシリーズのCPUでは,V40/V50が,チップ内に標準のペリフェラルを載せているが,V33ではチップ周囲にユーザーのニーズに応じたICを並べることで,ASIC的な使い方を想定している.こうしたカスタムのシステムでは,ユーザー側の設計による部分との間にマージンがあり,核となるCPUは高速であるにこしたことはない。
 現在,V30は(V20も合わせて),50%がパーソナルコンピュータのCPU,25%がワードプロセッサ,残りがその他に使われているという.これが,V33では,その整備された開発環境のもとで,応用範囲を広げることが可能となるだろう.

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V33のアーキテクチャー
 V30,V20では、用途に合わせて外部データバスのサイズの異なる製品を用意していたが,V33ではCPU内に外部データバスのサイズを切り替える機能(ダイナミックバスサイジング)を組み込み,8/16bitデータバスのどちらかを選択できるようになっている.
 また,V33には,専用の浮動小数点演算チップ(μPD72291)が用意される.ただし,コプロセッサとCPUの間のインタ-フェイスは,8086用のNDP(8087)とは異なっているため,V30には接続できない.
 その他,V30から拡張された機能として,未定義命令のトラップが可能になった.未定義命令が実行されると,CPUは,割り込み番号122に分岐する.そのとき,トラップの原因となった未定義命令の先頭アドレス(セグメント,オフセット)とフラグがスタックに保存されるため,未定義命令の処理後プログラムの実行を続けることができる.
 また,HALT命令の実行によって,スタンバイモードへの切り替えができるため,消費電力も低減されている.
高速化のためのアプローチ
 高速化のために,従来はマイクロコードで行われていた実行アドレスの生成回路,乗算時やシフト命令などで利用されるシフトレジスタなどがハードワイヤードロジックによって構成されている.これによって,命令の実行に必要なバスサイクル数が短縮されると同時に,メモリアクセス時のバスサイクルを2サイクル(2ステート)におさめることが可能になった.バスサイクルの短縮にともなって,命令のプリフェッチキューの大きさは6bytesから8bytesに拡張されている.
 バスサイクルが短縮された場合,問題になるのはCPUの周辺回路やメモリ素子の速度である.V30では端子数の制限と8086との互換性から,アドレスバスの下位16bitとデータバスは同じ端子(AD0~15)に割り当てられ,端子の機能は時分割されていた.そのため,AD端子の信号はCPU外部の回路でアドレスバスとデータバスに分割する必要があり,CPUの動作クロックが高速化するにつれ,オーバーヘッドとなっていた.V33では,端子数を増やし(68ピン)このような多重化を行っていない.バスのコントロールを行う信号の入出力タイミングも最適化されており,CPUの高速化をいかした,高速なシステムの設計が考えられている.
 16MHzクロックのシステムでは,メモリサイクルに1クロック分のウェイトサイクルを置くことにより,アクセスタイム80nsのDRAMで動作させることができる.
拡張アドレスモードの手法
 V33では,独自のアドレス拡張方式(アドレスリロケーション方式)によって,16Mbytesのメモリ空間を実現している.アドレスリロケーション方式とは,16Mbytesの拡張アドレス空間を,1024枚のページ(1ページあたり16Kbytes)に分割し,そのうちの64枚を物理アドレス空間(1Mbytes)に配置するものである.物理アドレス空間に配置するページの指定は,V33に内蔵されているアドレス変換テーブル(10bit長,64エントリ)にページ番号をセットすることによって行う(図1).
 いたって簡単なアドレスの拡張であり,80286/80386のようなメモリ保護機能はない.したがって,リアルモード/プロテクトモードの切り換えなどを行う必要もない.
 通常のアドレスモードと拡張アドレスモードの設定/解除のために,V33独自の命令が2つ追加されている.それは,BRKXA命令(指定された割り込みベクトルにしたがって割り込み処理ルーチンに制御を移し,XAMレジスタ内のXAフラグをリセットする),RETXA命令(指定された割り込みベクトルにしたがって割り込み処理ルーチンに制御を移し,XAMレジスタ内のXAフラグをリセットする)である.
 XAMレジスタは,V33内部のI/O空間,FF80H番地(バイト)に割り当てられている.したがって,IN命令によってこのフラグの状態を読み取ることができる.XAフラグが0のとき通常アドレスモード,1のとき拡張アドレスモードになっている.CPUがリセットされると,XAMレジスタには00Hが書き込まれる.
 アドレス変換テーブルも読み書き可能なV33内部I/O空間(FF00H~FF7EH:ワード)に割り付けられている.このテーブルは、先に述べたように物理アドレス空間に配置するページを指定するために用意されており,10bit長のページレジスタ(PGR1~64)64個から構成されている.
 アドレス変換テーブルを設定し,拡張アドレスモード設定の命令を実行すれば,拡張アドレスをアクセスできるようになり,解除の命令を実行すれば,通常のアドレスモードに戻ることになる.
 アドレス変換テーブルのページレジスタは,CPUリセットの影響を受けず,ソフトウェアによって明示的に書き替えるか,CPUの電源が切られるまで保持される.拡張アドレスモード時にページレジスタを書き替えることも可能ではあるが,避けた方がよいだろう.日電ではこのアドレッシングモードに対応した開発環境を用意している.

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表1 Vシリーズ・マイクロプロセッサの構成
V20/30パーソナルコンピュータ, ワープロなどで使われている, 一般的な16bit マイクロプロセッサ.8080,8086/8088用に開発されたソフトウェアの継承, CMOS化による低消費電力など.PC-9801シリーズやIBM PC互換機で広く使われている.
V40/50V20/30をベースに,DMAコントローラ,割り込みコントローラなどを一体化したマイクロプロセッサ命令も拡張されており,80186に対応した製品と考えることができる.
V25/35V20/30の命令セットを実行可能なシングルチップ・マイクロコンピュータ.DMAコントローラ,割り込みコントローラなどの他, 16KbytesのROM, 256bytesのRAMを内蔵している. モデムやFAXなど高速処理が要求される製品への組み込み用の製品.
V60/70内部32bitのマイクロプロセッサであり,仮想記憶,浮動小数点演算のための機能を内蔵している.V60用のUNIXも用意されており, マルチタスク・オペレーティングシステム下での使用が前提とされている.
昔はV33を使った安価なPC-98が出ないかなと思っていた。80286なんてCPUは必要ないと思っていた。結果80286は高速な8086としての利用価値しかなかったし。それならV30を高速化しただけでいいと思っていた。Windowsなんて出来が悪くこの時使ってられなかった。何回か書いたがなんで使用者が我慢しなければならないのか。ストレスを溜めてパソコンを使わなければならないのかとソフトウェアに対してイライラしていた。できることをしないソフトハウスにイラついていた。Basicで書いたプログラムを売っているソフトハウスを軽蔑していた。またそれを買うお客もどうかと思っていた。
突然思い出した。Basicで書かれたソフトが動かないと相談に来た人がいた。簡単に直せたのだが、その人コピーユーザだった。記憶が定かではないが pオプションを使ってのsaveはしてなかったように思う。プロテクトを破った人からコピーをもらったのかもしれない。皆で調べたら日付を見て動作を止めていた。コピー対策に日付を利用していた。これはいい参考にすべきだなと皆で感心した。使っているのなら買ってやれよとその人に言ったが、彼は絶対金を払わなかったと思う。

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特集「インテル80386,80386SX」(月刊ASCII 1988年9月号10) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集記事のスクラップ7回目は「インテル80386,80386SX」
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80386アーキテクチャの展開
 内部,外部ともフル32bitのアーキテクチャを採用し,1985年に登場した80386は,単に高速な8086として利用されるケースが少なくなかったが,昨年から今年にかけて,その事情は大きく変化しはじめている.
 1つには,80386本来のパワーを十分に引き出すことのできるオペレーティングシステムやソフトウェアが登場してきたことがあげられる.具体的には,MS-WINDOWS/386やUNIX System V/386,あるいは各種のDOS Extenderと呼ばれるソフトがあげられる.もう1つには,80386自身の動作クロックの高速化や82385キャッシュコントローラをはじめとするペリフェラルチップの充実によって,ワステーションやミニコンといった,ハイパフォーマンスを要求する分野のニーズに応えられるようになってきた.
 80386ベースのワークステーションとしては,今年春に発表されたサンマイクロのSun-386iなどがある.サンマイクロは,現在,AT&Tと共同でUNIX System Vの新バージョンを開発中であるが,これは,統合化UNIXともEnhanced UNIXとも呼ばれるもので,AT&TのSystem Vと4.2BSDを継承するSun OS,さらには、MicrosoftのXENIXを包括的に統合していくものという.このUNIXは,ABIといってプロセッサごとにバイナリ形式を規定しているのが特徴の1つとなっているが,サンマイクロとAT&Tでは,Sun-4に採用されたSPARCとともに80386についてのABIをいち早く規定した.
 ABIについては、モトローラとAT&Tの間で,68000ファミリや88000ファミリについての契約がかわされているが,68000ファミリの独壇場ともいえる状況だったワークステーションの世界に,80386が影を落しはじめたという印象を与える.インテルでは,今年の末から来年にかけて,非常にパフォーマンスの高い80386アーキテクチャの製品を発表するとしているなど,さらに高度な応用分野での利用も可能になるとしている.

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PC-9801RAが登場して使ってみるとMS-DOS上のソフトが軽快に動いた。今まで人間を待たせていたソフトが待たせなくなった。最後まで悪いと感じたカーソルの動き、カーソルを動かしていき画面がスクロールしているとき、ダラダラとスクロールするようなことはなくなった。キーを離すと瞬時に停止するようになった。それまでは「コンパイラで書くな。ここはアセンブラで書けよ!」と腹が立っていた。
80386の-パフォーマンス
 32bitプロセッサによって,パーソナル環境においてもマルチタスキングやネットワークを生かしたシステムが容易に実現できるようになってきている.MS-WINDOWS/386,VM/386といった仮想モニタを利用することで,従来のMS-DOSアプリケーションをそのままマルチタスク処理でき,かつリーズナブルなパフォーマンスで使用できる.また,80386をベースにしたUNIX上からは,Merge386,VP/ixといったシステムソフトウェアを介して,MS-DOSを1つのタスクとして起動できる(Sun-386iでは,DOSWindowと呼ぶウィンドウ内でMS-DOSのアプリケーションを実行できるとともに,ATバスも備えている:写真3).
 もっとも,これらのほとんどは80386の持つバーチャル86モードと呼ばれる機能を利用したものである.アプリケーションプログラムの80386CPUへの対応は,まだ,これからという状況である.現状のMS-DOS環境では,8088/8086CPUのコードで書かれたものとならざるをえないわけである.もっとも,米国ではアプリケーションプログラムにも80386を想定したものが登場しはじめている.
 BORLAND INTERNATIONALEのデータベースソフトウェアであるParadox386では,処理によってはParadox Ver.1.0に比較して約5倍ものパフォーマンスを発揮するという.80386の命令セット,レジスタセットを使ってリコンパイルすることで,演算処理を中心に高速化が期待できる.とくに,もっとも実用的な数値データを扱うlongの整数が,16bitの場合とは比較にならないほど効率化するという.
 80386の需要は急速に伸びており、なかなか入手しにくいという声も聞く.インテルでは,現在2つある工場に加えニュ-メキシコとオレゴンでも生産を開始し,市場の要求に応えていくとしている.また,インテルは、今年4月に80386の組み込み型プロセッサ80376を,6月には外部バスを16bitにした80386SXを発表した.次に80386SXについて紹介する.

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80386はこの頃は高速な8086としての利用しかされていないような状態だが、それだけでも価値があった。速いは正義であった。

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80386の外部バスを16bitにした
 80386SXは,80386のアーキテクチャをベースに,16bitの外部データバスと24bitの外部アドレスバスを装備している.このため,チップそのものが100ピンのPQFP(Plastic Quad Flat Package)で非常にコンパクトなものとなっており,サーフェイスマウント(表面実装)が容易である.また,バスサイズが16bitとなったことで,ボードのスペース効率が大幅に向上するだけでなく,配線,実装のコストも削減できる.16bitのシステムコストで32bitプロセッサを使えるというのが,インテルのうたい文句である.
 80386SXは,8086/80286の膨大なソフトウェア資産をそのまま活用できるというだけでなく,80386用ソフトウェアとの互換性も完全に保たれている.なお,動作クロックは、16MHzとなっている(80386は25MHz版がある).
 そのため,IBM PC,PS/2,PC-9801シリーズをはじめとする,多くのMS-DOS,OS/2ベースのパーソナルコンピュータのCPUとして利用することができる.とくに,CHMOSの採用による低消費電力とパッケージサイズ,および16bitバスによるホームファクタの改善により,ラップトップまたはトランスポータブルマシンでの利用に向いているという.
 インテルでは,1992年にはパーソナルコンピュータ全体の20~25%がラップトトップ型のマシンとなると予想しており,低価格とともに,こうしたニーズをも配慮したものである.
 すでに80386SXを採用したマシンを登場させているCOMPAQ社は,年内にもこれを搭載したラップトップマシンを発表する予定といわれる.また,現在,20社以上のメーカーが,この80386SXの採用を検討中といわれる.
32bitアーキテクチャ標準へのステップ
 内部的に80386とほとんど同じアーキテクチャを持つ80386SXは,外部バスが16bitである点で80286と比較できる.しかし,バスのアドレッシングは,80386に近いものとなっている.この設計は,80286の方式よりもメモリのアクセススピードに対する要求がきびしくない.80386SXは100nsのDRAMを0ウェイトで使用できる.
 また,80386SXは,高速数値演算プロセッサとして80387SX,82706ビデオグラフィックコントローラほかの各種ペリフェラルが用意されている.さらに,インテルでは,80386SXと併用するマイクロチャネルアーキテクチャのペリフェラルも提供するとしている.
 80386SXは,現実的なニーズに対応することで生まれたプロセッサである.インテルは,先にも述べたように今年末から来年にかけて,より高性能なプロセッサを発表するとしているとともに,1992~1993年には,80386と100%の互換性を持つ,まったく新しい製品を準備しているともいう.80386SXは,80386ファミリでもっともローエンドなシステムを担当するという.
 また,80386SXは,今後3~4年の間にチップそのもののコストを低く抑えることができるようになり,80286とリプレ-スされることになることも予想される.そのようになった場合,ビジネス,およびホームコンピュータの標準機は,いずれも32bitプロセッサを積むことになる.

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散々インテルの営業戦略に文句を言ってきたが、今こうしてスクラップしながら思うことはインテルの戦略が妥当だったんだと思えるようになっている。新たなCPUの開発には莫大な金がかかり、後に黒歴史と言われる失敗もするのだから経営的な体力が必要だ。だから、386SXのように開発経費を節約して新製品として売り出し、利益を上げるのは必要だった。



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特集「AMD Am29000ファミリ」(月刊ASCII 1988年9月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集記事のスクラップ6回目は「AMD Am29000ファミリ」
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この頃初めてAMDという名前を目にした。Intelの80286のセカンドソースの会社だったのか。34年も経っているので忘却の彼方にある。「CPU黒歴史」はASCIIのWeb記事だが、Am29000が登場していた。

ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第122回 CPU黒歴史 対Pentiumのために放棄されたAm29000

組み込み分野やワークステーションに 幅広く採用されたAm29000
上の記事を読むとこのAm29000は性能は良かったがAMDの経営戦略のまずさに黒歴史CPUとなったようだ。せっかくアドビシステムズの「PostScript」等に組み込み用途として採用されたほか、ワークステーションなどでも広く採用されていたのにPentiumに対抗するため「直ちにAm29000の部隊は、ほぼ全員がK5の開発に移動させられ、Am29050をベースに「AMD K5」の開発に携わることになった。この結果として、Am29000シリーズは突然に生産中止になってしまったのだ。」これで採用していたメーカーは「結局Am29000を使って製品を開発していたメーカーは、採用製品をすべて廃番とし、別の製品を代替品として提供することを余儀なくされた。」というとんでもないことになった。「国内某社は「絶対にAMD製品を組み込みに使わない」と断言している。」のも当たり前だ。

この号の記事をスクラップする。

高性能と同時にコストを重視
 Am29000ファミリは,マイクロプロセッサであるAm29000のほかに,Am29027 Arithmetic Accelerator,Am29062 Integrated Cache Unit,Am29041 Data Transfer Controllerからなる.
 88000が浮動小数点演算ユニットをCPU内に持っていたのに対して,Am29000ではキャッシュの一部とMMUを1チップ内に持っている.ただし,浮動小数点演算はAm29027と直結して高速化することができる(Am29027とAm29000はオペランドと命令のままインターフェイスする).これは,Am29000が高性能なワークステーションに限らず,コストが重視される組み込み型のコントローラや低価格なマシンをもねらっていることを意味する.また,メモリのアクセスについては,バーストモードと呼ばれる連続領域の読み書きの機能を持っている.これによって,一般にいわれる「RISCチップは高速なキャッシュが必須である」という要件を解消しているといえる点は大きな特徴である.
 高性能なワークステーションでは,Am29000ファミリのすべてのデバイスを使用することで最大限のパフォーマンスを引き出すことができるし,DRAMやVRAMしかない簡単なシステムでも,容易に12~15MIPSの性能を発揮できる.YARK Systems社がMacintoshII用に発売している“McCRAY"というAm29000ボードは、キャッシュを搭載することなく,17MIPSのパフォーマンスを実現しているという.
 AMDによれば,現在の16MHz,20MHz,25MHzのバージョンでは,キャッシュの効果はそれほど大きくはないとのことである.

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キャッシュを付けたのに効果がないとはこれ如何に。

Am29000のアーキテクチャ
 RISCの基本的な手法にAMDが第2世代RISCとするいくつもの機能を追加したものが,Am29000の考え方である.
■大容量のスタックキャッシュ
 レジスタは,他のどのRISCプロセッサよりも多く,192個もある.これらは,64個のグローバルレジスタと128個のローカルレジスタに分けられ,ローカルレジスタはレジスタスタックポインタの間接アドレスで参照される.これらを含むレジスタファイルは,SPARCと同様,2つの読み取りポートと1つの書き込みポートを持つ.また,SPARCのレジスタウィンドウと同様のスタックキャッシュ的な動作により,プロシジャ呼び出しにともなうオーバーヘッドを軽減する(図1).さらには,ローカルレジスタを16個ずつのバンクに分けて,マルチタスク処理でのタスク切り替えにともなう,レジスタのセーブ/リストアが不用となるなどの配慮がなされている.
■ブランチターゲットキャッシュ
 これは,遅延分岐だけでは,分岐命令によるパイプラインの乱れを防げないことに対処するもので,分岐先の4命令を32ケースまで保持する.分岐先の番地がこのキャッシュにヒットすれば,その段階でただちにパイプラインを充填できる.これにより,一般的な演算処理で30%程度のパフォーマンスの向上が見込まれるという.
 また,ノーアドレッシングモードと呼ばれる考え方は,すべての外部アドレスをレジスタ間接で行うというもので,ロード/ストア命令でのアドレス計算による1サイクルを不用にしている.さらに,ロード/ストア命令は,他の命令の実行とオーバーラップすることができる.ロードの結果が,次の命令で必要とされる場合には、レジスタをバイパスして直接実行ユニットにわたされる.これは,演算結果についても行われ,フォワーディングと呼ばれる.
■高速なバスアーキテクチャ
 アドレスバス,命令バス,データバスの3バスチャネルからなっているが,バーストモードと呼ばれるアクセスプロトコルでは,非常に高速な転送が可能である.これは,命令の読み込みのような連続した領域のアクセスについて,最初にアクセスするアドレスを出力したあとは,命令(またはデータ)のリクエストの信号だけを出力するという方式である.
 こうした高速のデータ転送の能力は,通信プロセッサなどの用途にも適しているだろう.異機種間の通信を想定して,ワード内のバイトオーダを1つのコントロールビットで変更できるようになっているなどの点も面白い.
 Am29000は,1.2μCMOSプロセスで,20万8000個ものトランジスタを集積している.これは,MMUを内蔵していることにもよるが,むしろCISCに近い部品数である.シンプルなため容易に新しい半導体技術を導入できるというRISCのメリットの1つは,当てはまらないかもしれない.もっとも,同社では,1998年末頃に40MHz,1990年末頃に50MHz版を提供できるとしており,さらにアーキテクチャを拡張した製品ラインの開発も予定しているという.

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良く分からないがRISCらしくないRISCということか。

コラム記事をスクラップする。
制御機器からワークステーションもねらう
日本AMD(株) 中島 裕
 Am29000は,現在入手可能な32bitMPUとしては最高性能である17MIPSの処理能力を持つ25MHz版が販売されており,さらに20MIPSを発揮する30MHz版のサンプル配布も行われている.AMDでは,このAm29000を次世代の32bitマイクロプロセッサの標準品に育てたいと考え,販売戦略を立てている.
 単に高性能なだけでなく,コストパフォーマンスの点でも他のMPUに比較して,数段よくなっていることが,Am29000の特徴である.これは,高速で高価なメモリを付けることなく,安価なDRAMでも,チップ内のパイプラインにウェイト(アイドルサイクル)が入りにくくなっていることによるところが大きい.
 高性能で,低コストなシステムを作ることができることから,LBP(レーザービームプリンタ),グラフィックコントローラ,高速通信コントローラ,リアルタイム制御装置などの埋め込み式の制御機器に理想的なMPUに仕上がっている.AMDでは,埋め込み式制御機器分野の市場はとくに大きく,今後も需要は急速に伸びていくと見ており,この分野での32bitプロセッサのトップシェアをねらっている.考えている.
 一方,ワークステーションなどの汎用CPUとしての応用は,Am29000にとって,戦略的に重要な分野となる.Am29000ファミリはワークステーションなどに必要な機能はすべてサポートしており,UNIXなどの汎用オペレーティングシステム,ABIをはじめとする標準化など,必要なものをすべて揃える.制御機器に比べて少ない量しか需要がないワークステーション市場だけをねらったRISCプロセッサとは異なり,Am29000では,ワークステーションに応用された場合の宣伝効果やソフトウェア製品の充実を波及効果として期待できる.また,ワークステーションのCPUとしてAm29000を採用した場合,グラフィックス,ネットワーク,I/0などの各部分にも同じAm29000をコントローラとして使えるため,ソフトウェアの互換性,開発ツールの共用化ができるどの効率化も実現できる.
インタビューにあるとおり組み込み用途「LBP(レーザービームプリンタ),グラフィックコントローラ,高速通信コントローラ,リアルタイム制御装置」などなら数も出る。性能が良いと評価されたCPUなのに経営者のせいでダメになったということでは、このような技術的な記事を読んでも想像することはできない。未来予測は困難だということになる。しかしAMDがお客に嫌われるような会社だったとは残念なことだ。

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特集「モトローラ88000ファミリ」(月刊ASCII 1988年9月号8) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集記事のスクラップ5回目は「モトローラ88000ファミリ」

このCPUは
ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情
で黒歴史CPUだと散々こき下ろされている。
業界に痕跡を残して消えたメーカー ミニコン開発に奮闘したData General
「市場の変化への対応が遅れたうえ
MotorolaのCPUを採用する最悪の決断を下す 」
「またUNIX市場に対しては1989年にAViiONというUNIXベースの製品ラインを投入するが、こともあろうにこのAViiONはMotorolaの88000を採用するという最悪の決断をしてしまう。」

インテルのx86に対抗するために 開発されたプロセッサーPowerPC
「その一方でMotorolaが出したMC88000はあまりに「アレ」過ぎた。その後継のMC88100(*1)はだいぶマシになったわけだが、もともとの着手が遅れたうえに、ほとんど新設計に近いくらいに設計のやり直しがあったためにやはり登場が遅れた。 」

残念ながら下記の本は読んでない。
失敗したCPUだけを集めた、世界に類のないCPU本 人気連載「忘れ去られたCPU黒歴史」の書籍が10日に発売!
「書籍限定の書き下ろしとして、次世代Macintoshに採用されなかった幻のモトローラ製CPU「MC88000」シリーズを掲載。今のMacはインテルCPUを採用しているが、それ以前の「Power Macintosh」が誕生する前、MC68000シリーズとPowerPCシリーズの狭間に消えたCPUの話が読めるのは本書だけです!(たぶん)」
以下この号の記事をスクラップする。

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シリコンの中のスーパーミニコン
 今年4月に発表された88000ファミリは,一説にはかなり以前から存在していたというモトローラの戦略的な製品である.
 同社はすでに32bitマイクロプロセッサとして,68020と68030を持っており,1989年には68030の33MHz、および40MHzのものを,1990年には68040の出荷を予定している.88000ファミリは,この68000ファミリと共存させながら,より高速,高機能なプロセッサとして育てていくという.また,88000の特徴は,マルチプロセシングやフォルトトレラントシステムへの対応が容易であるなどの拡張性の高さにある.フォルトトレラントとは,2つ以上のプロセッサのバス出力をマッチングしながら動作させるなどにより,信頼性の向上をねらうものである.これらを生かしたより高度なシステムには88000ファミリ,すでにあるソフトウェア資産との互換性を重視する場合には68000ファミリという位置づけとなるだろう.
 また,現在のものは20MHzであるが,年内には25MHz,1989年半ばには33MHzのものを出荷予定であるほか,Data General社と共同でECL版を開発する.これは,1991年の出荷が予定されており,MMU,キャッシュコントローラなども1チップ内に取り込むもので,実に100MIPSのパ・フォーマンスが期待されるという.
 RISCチップとして見た場合,88000は命令数で51種とSPARCの89種よりも少ないものの,トランジスタ数ではかなり多めの16万5000個を集積している.これは,浮動小数点演算ユニットをチップ内に持っていることもあるが,高速化や高信頼性のためのさまざまな機構が組み込まれていることによるものである.汎用レジスタの数も32個とRISCとしては少なく,むしろ,スーパーミニコンやスーパーコンピュータの手法を取り込んでいる点が特徴のようだ。

88000のアーキテクチャ
 88000の標準的な構成は,MC88100CPUに2つのMC88200CMMUをつなげた3チップ構成である.データバスと命令バスは分離されており,これらが2個のMC88200CMMUに対応する.すなわち,1つがデータ用,もう1つが命令用のキャッシュとなる.これらは,それぞれ最大4つまで接続できるようになっており,合計128Kbytesのキャッシュを用意できることになる.データバスと命令バスを分離した方式は,ハーバードスタイルアーキテクチャと呼ばれるもので,データと命令フェッチでのバスの競合が起きない(図1).
CPU内に4つの実行ユニット
 さらに特徴的なのは、CPU内に4つの実行ユニットがあり,それぞれが並列に動作しうる点である.これは,図2に示すように整数演算,浮動小数点演算,デ-タアクセス,命令アクセスの4つからなる.たとえば,SPARCなどの従来のプロセッサでは、浮動小数点演算については複数サイクルを必要としたが,88000では1サイクルでこれを受け付け,次の命令に移ることができる.4つの実行ユニットの同期と整合性のために,レジスタスコアボードという機構が採用されている.このスコアボードもサイモア・クレイによってCDC7600で最初に採用された方式であり,汎用プロセッサとしては斬新な設計となっている.これとパイプラインの組み合わせにより,88000では,チップ内で最大11個の命令を同時に実行可能である。いうまでもなく,これらのキャパシティを十分に引き出すには,相応の最適化コンパイラが必要となる.
 また,実行ユニットをさらに6個まで追加することも可能である.これは特殊機能ユニットと呼ばれるもので,将来的には,顧客,ニーズごとにAI分野用ユニットや高速演算ユニットなどを追加できるものとしている.
マルチプロセッサ化などに対応
 キャッシュとMMUからなるMC88200CMMUは,一般的な4Kbytesのページのほかに,512Kbytesのブロックによるメモリ管理機能を持つ.アドレス変換とキャッシュアクセスは並行化されており、柔軟で高速なメモリアクセスが可能となっている。
 また,MC88200CMMUには,マルチプロセッサシステムで,他のプロセッサとの間で整合性をとるためのスヌープとよばれる機能が用意されている.スヌープとは,現在キャッシュにある番地が他のプロセッサによって更新されていないか監視し、もし更新されている場合には,正しく更新された後のデータが読み取れるようにするものである.

 88000は,その高速性もあるが,浮動小数点演算ユニットをCPUに内蔵したことと,そして,キャッシュとMMUも同時に用意した点が大きなポイントとなる.これは,そのままこのプロセッサを使ってシステムを作る場合の開発工数に影響してくるはずである.また,完成したシステムのコストと消費電力の低減にも貢献するだろう.
 さらにモトローラでは,88000を搭載したプロセッサボードであるHYPERmoduleの発売をアナウンスしている.これは,特殊な省スペースパッケージを使用したMC88100CPUを最大4個,MC88200CMMUを最大8個まで搭載したもので,各種分野でハイパフォーマンスなマルチプロセシング環境を提供できるという.
 88000がRISC分野において,68000ファミリがそうであるような標準CPUとしての役割を演ずるためには,最適化コンパイラをはじめとするソフトウェア環境が鍵を握りそうである.

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コラム記事をスクラップする。
より高度なアプリケーションに応える汎用プロセッサ
日本モトローラ(株) 新島 淳
 マイクロプロセッサの性格は,その機能,性能,価格などにより方向づけられる.M68000ファミリは、ワークステーションなどのCPUとして以外に,通信制御,画像処理,NC工作機械,娯楽用機器などの広範囲のアプリケーションに使用されているが,この点では,M88000ファミリも,アプリケーションを限定しない汎用プロセッサである.
 M88000ファミリとM68000ファミリの相違は,それらがねらっている性能レンジにある.MC88100,MC88200プロセシングノードは、MC68020に対して,同一動作クロックにおいて約4倍の性能を提供する.また,浮動小数点演算能力は,MC68881の約10倍である.この性能により,M88000ファミリは,従来,ビットスライスデバイスなどによる専用プロセッサを使用せざるをえなかった高速システムに対して,汎用プロセッサの利用を可能にする.
 また,MC88100,MC88200プロセシングノードは,メモリ共有型マルチプロセッサシステムを効率よく構成することを前提に設計されている.たとえば,4CPU構成時の期待性能は,シングルCPU時の約3倍である.マルチプロセッサシステムをコンパクトにサポートできるように,最大4CPU(MC88100×4,MC88200×8)を約22×9cmのプリント基板に実装したHYPERmoduleを来年度から販売する予定である.
 M88000ファミリの標準オペレーティングシステムは,M68000ファミリ同様UNIX System Vであり,リリース3.1を来年初めから供給開始する予定である.M68000ファミリ用のリリース3.1も同時期に供給開始となる予定である.このリリース3.1は,各ファミリ内でのオブジェクトレベルの互換性を保つための,BCS(Binary Compatibility Standard)対応のものとなる.ABIの対応は,1990年,リリース4においてサポートされる予定である.
 M88000ファミリも,M68000ファミリと同様,アーキテクチャの強化とクロック速度の向上によって機能を向上させ続けていくことになる.

この記事ではモトローラの88000が失敗したことについては、読み取れなかった。
未来を予測することはかなり難しいというべきか、雑誌の記事は基本提灯持ちで信頼性に乏しいと評価するべきか。
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特集「サンマイクロSPARC」(月刊ASCII 1988年9月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集記事のスクラップ4回目は「サンマイクロSPARC」

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スクラップの前にググってみると「 ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第368回 」に記事があった。「業界に痕跡を残して消えたメーカー UNIXの覇者Sun Microsystems」、RISCプロセッサー「SPARC」を開発全盛期を迎える
このSPARCは富士通も開発に着手し、技術はスパコンの「京」に引き継がれているとは知らなかった。
富士通のUNIXサーバー、かく戦えり 第1回 UNIXサーバー、プロセッサ事業の歴史と変遷を豊木則行氏に聞く 富士通はSPARC/UNIXサーバーをどう作ってきたか
製品化は1991年だからこの記事の3年後になる。
以下記事をスクラップする。

UNIXのためのマイクロプロセッサ
 1982年に設立されたサンマイクロのハドウェアに対する考え方は,他のコンピュータメーカーのそれとは趣を異にしている.コンピュータの世界の勢力図は,すなわちオペレーティングシステムのそれであるという考えであり,同社は同社のUNIXを市場に出すことを目的としている.ハードウェアはそのための手段ともいうべきものだというのだ.
 UNIXの特徴は,何よりその拡張性と共通オペレーティングシステムならではの操作性の良さや開発環境の充実である.そのため,現在ではパーソナルコンピュータから大型コンピュータまでもUNIXを利用できるようになってきている.
 SPARCは、このUNIXの拡張性に耐えるアーキテクチャとして,サンマイクロが開発したアーキテクチャである.SPARCという名前も“Scalable Processor ARChitecture"(拡張性のあるプロセッサのアーキテクチャ)に由来する.マイクロプロセッサにおいて拡張性に優れるということは,すなわち,高性能を発揮しうるということを意味している.このアーキテクチャによるチップは,サンマイクロと契約を結ぶことで,他のメーーカーも製造販売することができる.
 SPARCは,Sun-4に搭載された動作クロック16.6MHzのものが,オーソドックスなCMOSゲートアレイによるものであるのに対して,1989年にかけてCypress Semiconductor社,BIT(Bipoler Integrated Technology)社が2倍~4倍のパフォーマンスのものを出荷するという.Cypress Semiconductor社のものはCMOSカスタム,BIT社のものはECLという半導体技術によって実現される.また,LSIロジック社がコアセル型のSPARCを開発中という.
 こうした飛躍的な高性能の実現は,回路幅の縮小と,より高速動作可能な素子によるものである.1990年代のはじめには,さらに高速なGaAsの実用化が期待されているが,こうした新技術の採用において,シンプルなRISCアーキテクチャは非常に有利である図1.

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図にあるGaAsはCPUに使われているという記事があった記憶がない。どの程度使われたのかスクラップを続けると ASCII EXPRESS で発見できるだろうか。

SPARCのアーキテクチャ
 SPARCは,単純化を徹底しており,今回紹介する他のプロセッサが,キャッシュメモリや浮動小数点プロセッサなどをチップ上に載せているのに対して,SPARCは基本的な演算ユニットだけからなっている。
 正確にはSPARCは,これに2つの浮動小数点プロセッサとこれを制御するためのコントローラチップを加えた形で構成される(図2).浮動小数点ユニットは,チップメーカーによって異なるものを準備しており,対応するコントローラチップも用意される.
 SPARC(SF9010IU)自身は,4つのユニット,すなわち,レジスタファイル,実行ユニット,命令フェッチユニット,制御ユニットからなる.
■レジスタファイル
 レジスタファイルは,ゲートアレイの4分の1をも占めるという120個のレジスタからなるものである.これは,2つの読み取りポートと1つの書き込みポートを持っており,RISCの演算命令における,2つのソースオペランドと1つの結果オペランドに対応して,1命令,1クロックでの実行を可能にしている(現在の命令オペランドの取りだしと,以前の命令の結果の書きだしが同時に行える).
 レジスタファイルは、高水準言語のプロシジャを意識した構成になっているのが特徴である.120個のレジスタのうち,8個はどのプロシジャからも参照できるグローバルレジスタであり,残りの112個は,24個ずつのプロシジャに対応する7階層のオーバーラップフレーム(レジスタウィンドウ)に分けられる.プロシジャ呼び出しが深くなっていくにしたがって,このレジスタウィンドウが1つずつ消費されていく.レジスタウィンドウは,さらにins, local, outsの各3個ずつに分けられており,呼び出しプロシジャのoutsレジスタは,そのまま被呼び出しプロシジャのinsレジスタとなる(図3).こうすることで,プロシジャ呼び出しの効率化がはかられるわけである.
 なお,レジスタファイルのレジスタ数120は,インプリメントに依存しており,将来的に拡張可能という.
■実行ユニット
 すべての算術,論理演算命令が1サイクルで実行されるように設計されている.より正確には,命令は4段パイプラインによって解釈実行されている.すなわち,1つ1つの命令は,フェッチ,デコード,実行,書き込みの4つのステージを経て完了することになる.
 ところが,これではある命令のソースオペランドが,直前の命令の結果に依存している場合には、直前の命令の書き込みステージの完了を待たないことには,命令を実行できないことになってしまう.SPARCでは,このような事態にそなえて,実行ユニットのデータパスに特別のバイパスを設けてあり、直前の命令の結果を実行ユニット内で直接受け取れるように工夫されている.これにより,1命令の1クロックでの実行が保たれているのである.
■命令フェッチユニット
 パイプラインの4つのステージに対応するプログラムカウンタと,命令/データアドレス生成回路からなる.
■制御ユニット
 プロセッサの中心的な役割をはたす部分であり,各ユニットに対する制御信号のほとんどが,このユニットで生成される.また,キャッシュや浮動小数点制御のインターフェイスなどを受けもっている。

 パイプラインを効率的に利用するために,命令バッファをデュアルで持つとともに,必要に応じて内部命令を発生させている.命令バッファは,1サイクル以上を必要とする命令(マルチサイクル命令)の実行中に命令を先読みしておき,データバスを効率的に利用しようというものである.一方,内部命令は,マルチサイクル命令をシングルサイクル命令の集まりと看做すためのものである.この他,SPARCでは、将来的に並列処理に対応可能とするためのアトミック命令と呼ばれる命令群も用意されている.
 先にも述べたようにSPARCは,基本的な演算ユニットと浮動小数点プロセッサのコントロールチップだけからなっている.サンマイクロでは,キャッシュやMMUは,インプリメントに依存するためとしているが,SPARCチップを開発する場合の工数を最小限にとどめることにも貢献しているだろう.ただし,SPARCのシンプルさは反面,これを使ってシステムを作る場合に,これらの周辺ユニットを別途用意する必要があり、コストを引き上げる要因になるのではないかという見方もあるようだ.ーところで,6カ月以内にもこれを積んだハイエンドなパーソナルコンピュータも登場するという(サンマイクロ社内では,SPARCintoshと呼ばれるものである).

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ストラテジーとしてのSPARC
日本サンマイクロシステムズ(株) 村野 雄一
 SPARCの発表により,市場ではワークステーションメーカーであるサンが半導体ビジネスを行うかのような捉え方を多くされた.
 サンにおけるSPARCテクノロジーは,半導体ビジネスのためでもなく,また,高性能のワークステーションを他社に先駆けて開発するためのものでもない.これは,従来クローズドアーキテクチャを当然としていたコンピュータビジネスについての理解を越えるものであり,サンの設立当初の思想であるオープン思想の延長線上にあるものだ.
 サンは、ワークステーションの世界で数多くの標準化を提唱し,実行してきた.その中心であるUNIXで先進的な役割をはたしてきたわけだが,AT&Tとの提携もその一環であり,SPARCはその中心的なテクノロジーとして開発されたものである.つまり,SPARCは,これとUNIX,ABIで構成されるOAA(オープンアプリケーションアーキテクチャ)思想の中で語られるものであって,単にRISCのCPUを開発したのとは大きく異なる.
 OAAとは,互換性,拡張性の異なるコンピュータの世界で,上下左右のアプリケーションが,異なったメーカー,異なったクラスのマシンで使えることを意味する.パーソナルコンピュータからメインフレームまで、1つのバイナリが使えるということである.また,そのためには,これがインダストリスタンダードとして誰もが利用できることが必須となるだろう.これを実現しうるソフトウェアがUNIXであり,ハードウェアがスケーラビリティを持つSPARCである.
 OAAは,サンのオープン戦略を,UNIXの世界の共通戦略とするため,UNIXの統一化を行い,SPARCを含むすべてのテクノロジーがオープンマーケットで入手できるようにしている.これは,OAAの最大のポイントであるUNIXの世界にさらに一歩すすんだスタンダードを定義し,ユーザー,ソフトハウスに対し,UNIXへの投資を拡大させることで,UNIX市場の安定と拡大をめざすものである.

今後のスクラップ作業でこれが必要になるかもしれないのでとりあえずスクラップした。
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