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PC-9801RA,MNP解説,LCD解説(月刊ASCII 1988年9月号13) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

PRODUCTS SHOW CASEにPC-9801RAの記事が7ページにもあった。当時注目度が高かったのがわかる。私も職場で使ったが、速度向上が図られ旧機種とは全然違う使い心地だった。もう80286には戻れないという感じだった。
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キーボードはいただけなかった。旧機種と比べ安っぽいイメージだった。98のキーボードはVM2が一番良いというか一番気に入っていた。
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表1 RAの主な変更点 (括弧内はそれぞれRA5 とVX41)
型番PC-9801RAPC-9801VX
価格2 49万8000円
5 73万6000円
01 35万3000円
21 43万3000円
41 63万円
CPU(クロック)80386 (16MHz)
V30(8MHz)
80286 (10/8MHz)
V30 (10/8MHz)
メインメモリ
標準
最高

1.6Mbytes
12.6Mbytes

640Kbytes
8.6Mbytes
ROM96Kbytes96Kbytes×2
漢字ROM約7600文字約7200文字
キーボード106キー
15ファンクションキー
CAPS, カナをソフト制御
101キー
10ファンクションキー
内蔵HDRA2:40Mbytes内蔵可能
RA5:40Mbytes内蔵
VX01, 21は内蔵不可
VX41:20Mbytes内蔵
マウスインターフェイス本体前面本体背面
CRTインターフェイスD-RGBとモノクロ共用D-RGBとモノクロは独立
サイズ
本体(W×D×H)mm
キーボード

380×335×150
435×180×34

420(470)×345×150 470×195×38
重量
本体(Kg)
キーボード

9.4(10.8)
1.2

11.6(13.6)
1.6
ASCII 1987年8月号の記事を見るとVX21のROM×2は、V30の8MHz,同10MHz,80286の8MHz用のROMと80286の10MHz(EGC利用)の2種類のROMを持っているからとのこと。日電の互換性維持の強い意思が感じられる。
評価記事には赤ペンで書き込みがあり
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よっぽど注目していたのが分かる。
まとめの部分は
ASCII1988(09)e07PC-9801RA_まとめ_W338.jpg
とあるが、80286はないわーと当時思っていた。それほど私は80286CPUをなぜCPU1つこんなに面倒くさいものにしなければならないのかと憎んでいた。
ワープロはともかくゲームは開発当時のマシンの性能に合わせて速度を決めていたのでPC-9801はV30にしても8MHzと遅いモードを用意しなければならなかった。386では速すぎてゲームにならなかった。ゲームに重きを置いているユーザはCVやUV11で良かったかもしれないが、ワープロでも表計算でも画面をスクロールしたりページをめくっていくようなときは速度が大事だった。またお絵かきソフトでも速度が重要だった。市販されているBasicのプログラムは使わなかったが、そういうユーザにもPC-9801RAは良いパソコンだったのではないか。

PRODUCTS SHOW CASEの「MNPモデム最新機種」にMNPの解説があったのでそれをスクラップする。

MNPとはなにか
 ここで紹介する4社5機種のモデムは,すべて2400bps全2重通信の機能を内蔵し,MNPのクラス4または5に対応している.MNPとは,Microcom Networking Protocolの略で,Microcomという米国のモデム会社が提唱している通信プロトコルである.通常の電話回線を使って通信を行う場合に,ノイズによる「エラー」を回避するものだ。すでにパソコン通信を行っている人なら,「文字化け」や「文字落ち」といった現象を1度は体験したことがあるだろう.通信速度が速くなればなるほど,この回線ノイズによる悪影響が出やすくなる.
 現在主流のパソコン通信は,通常の電話回線で300や1200bpsで行う,いわゆる「非(調歩)同期無手順通信」である.通信ソフトなどの設定では,ボーレートとキャラクタコード,ストップビット,パリティビット,X制御の有無といった,数種の約束のみを相手と合わせれば,ひとまず通信ができる.ただし,ノイズの除去はできない.
 非同期通信でもエラー訂正を行うため,XMODEMやKermitといったプロトコルが,パーソナルコンピュータ用として普及している.MNPも同様に,非同期端末同士でのエラー訂正のために出現したもので、モデムに内蔵させるためのものだ.詳しい機能はさておき,MNPモデムの機能を紹介しよう.
●自動エラー訂正機能
 ここで,「自動」というのはモデムが勝手にやってくれるということ.通信する双方のコンピュータ,ソフトウェアはそのままで、MNPモデムに換えるだけで,文字化けのないエラーフリーの通信が行える.
 また,XMODEMなどのプロトコルもそのまま使用することができる.
●自動判別機能
 相手がMNPモデムであるか否かを判別し,自動的に自分のモードを切り替える機能,相手がMNP非対応モデムの場合,通常の非同期無手順でそのままデータを送受してくれる.例えば,大勢のユーザーがいるホスト局がMNPモデムに取り替えても支障はない.
 また,2400bpsのMNPモデムは,通常1200と300bps全2重の通信機能を持ち,かつ相手の速度に自動追従する機能も内蔵している.
●高速化
 MNPモデムの上位クラスでは,同期通信や,パケットの最適化,圧縮機能を持つので,単なる非同期通信に比べて,通信効率が上がる.
 そのため、MNPモデムは,「フロー制御」という機能を内蔵している.これは,丁度,プリンタにおけるバッファ機能のようなものである.MNPモデムは通信効率が高いため,コンピュータとモデム間は通常4800bpsや9600bpsといった高速のボーレートでデータを送受する.そのため,コンピュータとモデムとの間には速度調整用のバッファが必要になるわけだ.

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今の技術が恐ろしい。パソ通を始めたころのボーレートの単位がKbpsですらない300bpsとか1200bpsとかだった時代、会議室の発言をダウウンロードしながら読むことができた。ダウウンロードが終わったらすかさずレスが可能であった。良くパソ通をやってきたものだとしみじみ思う。34年で通信速度は100万倍高速になったのだ。

クラス別の機能
 MNPモデムには,「クラス」というランク分けがあり,数字が大きくなるほど高機能になっている.エラー訂正のためのプロトコルではあるが,上位クラスになるほど効率が良く,実質的に高速通信を実現している.低価格で高速通信を実現するためのプロトコルとさえいうことができるだろう.
●クラス1,2
 クラス1は半2重,2は全2重2400bpsで非同期通信を行う.単純にエラーフリーになるだけで,スタートビット,ストトップビットがそのまま送られるので,効率は2400bpsの70~80%である.
●クラス3
 同期通信機能を持つので,調歩同期用のスタートビット,ストップビットが必要なくなり,110%程度の効率になる.とはいっても、モデム間でそうなるだけで,端末側は通常の非同期通信をしているようにしか見えない、つまり,送り側のモデムが取り除いたこれらの情報を,受け側のモデムが付加してからコンピュータに送るわけだ。
●クラス4
 クラス3の機能に加え,データフェーズ最適化とパケット長最適化機能を持つので,120%程度の効率になる.データフェーズ最適化とは、パケット1つずつに付いている制御情報をなるべく減らす機能だ。
 パケット長最適化とは、回線の状態(エラー率)に合わせて、1つのパケットの長さを調整し,効率を上げるもの.1パケットのサイズが大きければ大きいほど,総パケット数が減り,制御情報が少なくなり効率は上がる.ところが,回線状態が悪いと、パケットの再送が頻繁に起こり,パケットのサイズが大きいほど効率が落ちる.そこで,ちょうどいいパケットのサイズが計算されるわけだ.回線状態が良ければパケットを大きく,悪ければ小さくして最高の効率を上げるように調整してくれる.
●クラス5
 クラス4の機能に加えて,リアルタイムのデータ圧縮機能を付加しており,最高200%の効率が期待できる.圧縮には,連続した同じデータを個数で表すものと,頻繁に送信されるデータを符号化する2重の方法がとられている.
●クラス6
 クラス5までは,最高2400bpsまでのサポートだったが,6では9600bpsを搭載している.さらに上位のクラスも存在しているが,パーソナルコンピュータの速度を考えると,有効なのはレベル5までだろう。また,異なるクラス同士の通信では,ボーレートの自動感知のように,自動的に低クラスに合わせるようになっている.
当時は、こういった知識を得ながらモデムを選び、通信ソフトを選ぶところからパソコン通信の速度向上を図ったものだ。

なんでも相談室から「LCDの階調表示」をスクラップする。

LCDの階調表示
Q:PC-9801LV21などには階調表示のできる液晶ディスプレイが使われていますが,どうやって階調を出しているのでしょうか.
A:液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)は、消費電力が小さく薄くできるという利点をもち,持ち運ぶことができる電卓や時計,ポケコンなどの分野で広く用いられてきました。一方デスクトップ並の性能をもつラップトップコンピュータやワープロが開発されるにつれて,ディスプレイも表現力を上げるためにカラー化や階調表示の必要性が高まってきたわけです.
 液晶とは,見かけ上は液体でありながら固体の結晶のように分子の配列に一定の秩序がある特殊な状態のことです.ある種の物質を液晶の状態にすると,普通の液体や固体には見られない、変わった性質を持たせることができます。1-4-シアノ-4'-n-ペンチルビフェニル(化学の苦手な人は、ただの記号だと思ってください)を代表とするネマティック液晶を特殊な表面処理をしたガラス板にはさむと,図7のように,液晶の分子が90度ねじれたらせん状に並びます(こんな芸当ができるのも,液晶の特徴です).これに特定の振幅方向の光だけを通す偏光フィルタを通したただひとつの振幅方向を持つ光を通すと,光の振幅方向が分子のねじれに沿って回転します。
 ところが,ガラス板の内側に電極をつけて一定以上の電圧をかけると,液晶分子が図8のように同じ方向にきれいに並んでしまいます.こうなると,光の振幅方向を回転させることができなくなります(電圧がかかっていない部分は元のままです).
 この液晶入りガラス板を偏光フィルタで両側からはさみます.すると,電圧をかけた部分では光の振幅方向が変化してしまうために光を通さなくなるので,黒く表示されることになります(図9).これが、電卓や時計などに用いられている,TN型(Twisted Nematic)LCDの原理です.
 このTN型LCDをもとに,液晶の成分を変えたり液晶分子をねじる角度を工夫したりすることでコントラストや応答速度を改善したのが,最近よく耳にするSTN(Super Twisted Nematic)型やNTN(New Twisted Nematic)型などのLCDです.
実は、これらのLCDは液晶にかける電圧をコントロールすることで,図10のように階調を出すことが可能です.ところが,電圧と表示の濃さとの関係は直線的でなく,狭い範囲で急激に変化します.このため、電圧の絶対値をアナログ的に変化させる方法では,電源電圧や温度の変化の影響を受けやすく,表示の濃さにムラが出やすくなります.
 液晶は,電圧をかけてから表示の濃さが最大になるまでにはいくらかの時間がかかります.これを利用して,電圧そのものを変えるのでなく,電圧をかけ続ける時間をドットごとに長くしたり短くしたりすれば、階調を出すことができるようになります(図11).
 電圧をかける時間の調節は電圧そのものを変える場合に比べて簡単にできるため,現在製品化されている階調表示のLCDコントローラは、この方式が主流のようです.・このほかフレーム間引き法といって,数フレーム(映画の“コマ”にあたる)ごとにドットをON/OFFさせ,ONにするフレームの比率をドットごとに変えることで見かけ上の階調を出す方法もあります.この方式を使ったLCDコントローラも,実際に製品化されています.
 さて、ご質問のPC-9801LV21がどの方法で階調表示を実現しているのかですが、日本電気に問い合わせてはみましたが,残念ながら教えていただけませんでした. (竹田)
参考文献 橋本敏彦,「改良が進むSTN液晶表示モジュール,見やすさの次は階調表示に期待」,日経エレクトロニクス1987年11月2日号(no.433)岩柳茂夫,「液晶」(化学One Point 10),共立出版

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初めはここからだった。カラー液晶ディスプレイが出たとき感動したかというと感動しなかった。表示された画像が汚かったからだ。かろうじて色が表示されているというものでこれなら無理にカラーにする必要はないと思ったほどだった。












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