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このブログの続きは【ECC(旧)3】でやってます [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

画像ファイル容量が最大値となりましたので別ブログ【ECC(旧)3】で月刊ASCIIのスクラップを続けています。


月間ASCIIのスクラップ記事の始めはブログECC(旧)のこの記事です。
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PC-8801MC,TOWNS,MS-DOS漫画(月刊ASCII 1990年1月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

AV WORKSHOPの記事でCD-ROMを搭載したPC-8801MCとFM TOWNSが取り上げられていたので抜粋してスクラップする。
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処理速度の高速化
 PC-8801MCでは,メインメモリのアクセス時のウェイトが0になり(ROMのアクセスは1ウェイト),それにともない、V2モードにV2H(高速)モードが追加された。このモード切り替えのスイッチは,メモリスイッチに変更され,PCキーを押しながら表示されるメニュー(写真4)で設定するようになった.
ROM2と共通のCD-ROMドライブ
 PC-8801MC用のCD-ROMドライブ(PC-8801-30,価格は3万300円)は,ゲームマシンのPC Engine用CD-ROMドライブ(ROM2)とは,HEシステムのマークがないだけで,ユニットは同機能のものを使用しており,互いに流用することができる(写真5)ユニットは,コンピュータなどに接続するためのインターフェイスを装備している以外は,一般のCDプレーヤと同様にマニュアル操作も可能である.また,CDプレーヤのソフトを本体内のROMに内蔵しており,キーボードのスペースバーを押しながらリセットすれば,グラフィックで描かれた据置型のCDプレーヤ「CD PLAYER 88」が画面上に表示され(写真6),市販のCDプレーヤと同じように利用することもできるほか、曲名などのメモ機能も利用できる.
 なお,CD-ROMドライブの利用は従来機種でも可能で,CD-ROMインターフェイス(PC-8801-31,3万4800円)を組み込むことで利用できるようになる.ただし,V2モードと拡張スロットが必要となるので,V2モードを持たないPC-8801SRより前の機種や,拡張スロットを持たないPC-8801FEでは利用できない.

CD-ROMドライブコントロール
 CD-ROMをコントロールするためのルーチンは,本体のROM内に用意されているが,N88-BASICのROMの裏バンクにあたるため,BASICのプログラムからは使えないようになっている。機械語のプログラムに処理を渡し,バンクを切り替えれば利用することができるが,メインメモリ容量の制限などから実際にユーザーが実用となるアプリケーションを作成するのは難しいだろう.
(中略)

気になる今後
 AVマシンとして捉えれば,PC-8801MCでは,サウンドボード2相当の音源(FM音源6音SSG音源3音,デジタルサンプリング機能)を内蔵し,16bitマシンと比較しても遜色ない機能を備えている.今回のCD-ROMドライブの採用で,AVマシンに必要なサウンド機能は,すべて揃ったといえる.
 それに対してグラフィックス機能は,PC-8801MCが,512色中8色の表示能力しか持たないため,自然画などを再現することは難しい.少なくとも6万5536色を同時に表示可能なPC-88VAシリーズかあるいはそれ以上のグラフィック表示能力がほしいところだ.CD-ROMドライブを搭載し、最初からマルチメディアを指向したFMTOWNSとは対照的に、現在のCD-ROMを取り巻く状況をもとに,用途を割り切った使い方といえるだろう。
 日電では,CDオーディオを利用したゲームソフト,英語の学習ソフトなど,1989年度末までに10タイトル以上の発売を予定しているという。今後のCD-ROMソフトの拡充などは,特に気になるところだ。

8bit機であるPC-8801MCを32bit機のFM TOWNSと同じコーナーで紹介するのはどうか、甚だ疑問の記事だ。PC-8801MCはなんでも後から追随するNECの苦し紛れの機体だと感じる。富士通がCD-ROMを搭載した32bit機を出したあとに8bit機を出すなんてNECは何を考えていたのだろうと感じる。

FM TOWNSの記事。
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TOWNSの記事のまとめ部分をスクラップする。
アプリケーション
 同時に発表されたアプリケーションでは,まず,「FM-OASYSVer.1.0」が注目される(写真6).日本語入力FPはOAKで、本体内部の辞書ROMを利用する.広辞苑など5種類のCD-ROM辞書に対応しているのが大きな特徴である.印字には、TownsシステムソフトウェアV1.xに含まれる5種類のフォント(明朝体,毛筆体,まる文字など)を利用できる.
 アプリケーションの中で,最も注目されるのが,「富士通Habitat」と呼ばれるビジュアル通信である(写真7).これは,ビジュアル通信用のソフトウェア「富士通HabitatV1.1」を利用し,(株)エヌ・アイ・エフのパソコン通信サービス「NIFTY-Serve」を使って行なわれ,AVマシンのパソコン通信の今後を示唆するものとして期待できる.
 CD-ROMアプリケーションの制作は,まだ完全に立ち上がったとはいえないが,富士通は,ハイパーメディア開発センタ(HMDC),CD-ROMアプリケーションの開発をサポートするなど,力を入れているので期待したいところだ。

富士通のHabitat。アバターを使っていた。ただ時期早々だった。インターネット時代のゲーム機でなければ楽しめなかった。Habitatを使って楽しめたのだろうか。

MS-DOSユーザズ・ワークベンチの漫画をスクラップする。
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ASCII1990(01)d04MS-DOS漫画_W520.jpg
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「近代プログラマの夕べ」にNHKドラマのタイムトラベラーの記事があったのでスクラップする。
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 放映当時はビデオテープが高価であったため消去され再放送もされなかったということで傑作を消した無能NHKと言われた幻のドラマであった。原作者の筒井康隆のところにファンレターが来てケン・ソゴルを演じていた俳優の情報をくれとあったと筒井康隆が嘆いていたという。
タイムトラベラーの記事をスクラップする。
ラベンダーの謎
 '89年5月号の「近代プログラマの夕」で,“少年ドラマシリーズがビデオ化された”という話を書いた。ちょうどその頃,鉄腕アトムの生みの親であり,日本の少年マンガの父ともいうべき,手塚治虫先生が逝った.
 「タイム・トラベラー」のあのハープシコードによるメランコリックなテーマは,鉄腕アトムのテーマと同じ高井達雄氏による作曲である.小学生もはじめの頃に,「空をこえてー,ラララ,星のかなたー」などと無心で唱ったりしていた私なぞ,「少年ドラマシリーズ」の頃には,少しだけ大人っぽいSFメロドラマ,ほかならぬ「タイム・トラベラー」に惹かれていたのだった. 記事が載った後,しばらくして,意外な電話が編集部に舞い込んだ.そして,私は,この夏,20年ぶりに「タイムトラベラー」の世界に足を踏み入れることができた.
 「タイム・トラベラー」とは,NHKが'69年1月1日からスタートした,短期連続の青少年向けドラマ。後に「NHK少年ドラマシリーズ」と呼ばれる99作品の記念すべき第1作である.
 電話は,千葉県習志野市の高橋知子さんという女性からのものだった。私は,「近代プログラマの夕」の中で,「タイムトラベラー」のビデオテープが残っておらず,現在では,放送はもちろん,ビデオとして発売することもできないといった旨のことを書いた(記事そのものは,NHKエンタープライズから発売された「なぞの転校生」,「つぶやき岩の秘密」,「霧の湖」について紹介したものである)。それを読んだ高橋さんは,「タイム・トラベラー」の“音”をテープレコーダーに録って保存してあるというのだった。
 実際に,「タイムトラベラー」のビデオテープは,当時使われていた2インチテープが高価であり,次々に使い回されていったために残っていないことを,私は,NHKのスタッフの方などに聞いていた.少年ドラマシリーズの初期の作品のほとんどが,残っていない。先頃ビデオとして発売された3作品は,その中では貴重な存在といわなければならない。もっとも,ごく一部の作品は,海外へ輸出する関係やスタッフの方が独自に録ったものがあるという.
 電話で,高橋さんは,茅野の実家に行った時に本誌をお兄さんに見せられたこと,「タイム・トラベラー」のヒロインこと浅野真弓さんにテープをお渡しできないかということ,シナリオ集が見つからないということ,そして,私にもテープを聴かせてくれるといったことを話してくれたのだった。

そして、問題のものが届いた
 夏も盛りにさしかかった頃,編集部に小さな小包が届いた。中身はもちろんテープと分かっていた。そう芳山和子とケン・ソゴル,20年も前に演じられ,私と同年代の多くの人の心を奪ったそれが,音のスクリーンとして目の前に広がるはずだ.
 これよりも少し前,私は,「タイム・トラベラー」と「続・タイム・トラベラー」のシナリオの入った本を,高橋さん宛てに送った。この本をまとめた,当時大和書房にいた青木真次氏とも5年ぶりで電話で話した。彼は,同じように音だけ録音してあるという話は聞いたことがあるが,テープを入手して聴いたりはしていないと言った。私は,直接江戸川橋にある版元の大和書房を訪ねて,高橋さん用と自分用の2冊を購入し,1冊を送ったのだった。この本とテープがあれば,「タイム・トラベラー」の世界は,よりリアルに再現されるはずである.
 高橋さんからの小包には,テープ4本とともに,手紙が添えられていた。ドラマとドラマの持つ世界と,それから個人の持つ時間とが交錯して,まことに奇妙な感覚におそわれる手紙である.その一部を紹介させてもらうことにしよう.
 お待たせしていた「タイム・トラベラー」のダビングができましたので,送ります。この録音テープは,私が中学2年生の時、ブラスバンドの部活が終わるのを,まだかまだかとハラハラしながら待ち,先生の終わりの言葉と同時に必死で楽器を片付け,学校から家まで歩いて15分余りの道のりを,5分で走って帰り、家中の人たちの協力でやっと録音することのできたかけがえのない私の宝物です。
 夜眠る前に,毎日このテープを聞いていましたので,ナレーション,せりふ,効果音まで,すっかり頭の中に入ってしまいました。あれから十数年経ちましたが,記憶は完璧ですよ。シナリオ集,とても楽しく読ませていただきましたが,細かい所は別として、あの本の中でたったひとつ載っているカットの車のナンバーが,練馬51さ5862でなかったのは,ショックでした。このナンバーを時々思い出しては,私の記憶は,まだまだだいじょうぶだな、と自己満足していたものですから,やっぱり,あのカットの数字は,5862であってほしかったですね.
 ところで,テープを聞いていただく前に,お断りしておかなければならない事があります.当時は,テープレコーダの機能がよくなくて,それなりに苦労をしましたが,120分テープを使用して録音したため,途中でテープが終わってしまい,第2回のおわりのほうが,B面に変える間,録音されていません(シナリオ集41ページ深町家の塀の外~温室・・・「ぼくはもう深町じゃない」までの部分)。ダビングテープのほうは,そのあと,すぐ続けて,つづきを入れてあります。この失敗をくり返さないために,次回分のテープが足りなくならないように,終了のテーマ曲と,第3回の最初のナレーションを入れずに録音しました.完全な形でお聞かせできなくて,本当にごめんなさい.
 それから、家の時計は,「ボーンボーン」と鳴るふりこの柱時計で,6時半になると,「カーン」という音が入ります。当時のテープレコーダは,接続コードもあったのですが,それを使うと,まわりの音が入らない代わりに,「ジー」という雑音が終始入ってしまって,とても聞きにくいので,その音を入れないために,コードを使わず,テレビの前にテープレコーダを置いて,内蔵マイクで録音しました.そのために、いろんな音や声が入っています。その1つが時計の音,そのほかに,車の音,母が台所のゴミを集める音,それを気にして「うるさいなあ」と言う兄の声,父のくしゃみ。愛犬ポチのなき声もかなり長い時間入っています。こういう音や声って,私にとっては,とてもなつかしい大切なものなのです.昔住んでいた家のあの部屋,あの時のことが,はっきりと浮かんできて,録音を聞いていると,タイムトラベルして,そこにいるような感じがするのです.お互い,自分で出してしまった音にハッとして,顔を見合わせ目くばせしたり,父がくしゃみをがまんしようとするのだけれど,どうしてもだめで,とうとう“ハクション”してしまった時のことは,忘れられませんね。あの時は、あとで,父や兄に文句を言ったりしたけれど、今ではなつかしい思い出です.
 でもこうして,ほかの方に聞いていただくことになって、はずかしいやら、申し訳ない やら,複雑な気持ちです。音量も変わったりして聞き苦しいところがありますが,許し てくださいね。
 さて,私は,約束どおり浅野真弓さんに送ってあげるために,自分用のバックアップを取らせてもらいながら「タイム・トラベラー」を聴いた.
 ギギーと開くドアの音.城達也のナレーションがはじまる.そして,あのテーマ曲に続いて,さっそく理科室の掃除のシーンである…….翌日の授業前の雪球の事件……,ケン・ソゴルとの出会い……すべてが自分の体験のようにして蘇ってきたのだった。もはや画像などなくてもいいというくらいの気分になる.自分だけ感動しているわけにもいかない.浅野真弓さんにテープを送らなければならない.まず,浅野さんの元マネージャー氏に連絡を取ろうとしたのだが,うまく連絡が取れない.そこで,彼女がかつて所属していた渡辺企画に電話した.
 しかし,浅野さんは主婦業に専念しているとのことで、連絡を取るのは難しいということだった。それでも,テープだけでもお渡ししたいと伝え,渡辺企画さんから浅野さんにテープを送っていただけることになった.高橋さんから送っていただいたテープを,高橋さんの手紙のコピーとともに梱包して,渡辺企画に送った。順調にいけば,とっくに浅野さんの手に届いているはずである.

タイム・エネルギーの謎
 さて,これとは別に「タイム・トラベラー」をはじめ、多くの作品を手掛けたNHKの佐藤和哉さんにお会いした。佐藤さんには,NHK松山支局におられた当時,電話インタビューをさせていただいたことがあった。その時のお礼も作った本も送ってなかったので,お会いしてお礼をいうつもりだった.そして,この人にもテープを聴かせたいという衝動にかられたのだった.
 佐藤さんは,現在は,アスキーからほど近い渋谷のNHKにおられ,衛星放送関係の仕事をされているとのことである.さっそく出かけ,テープをお渡しした.そして,少年ドラマシリーズについて,いろいろな話を聞かせていただいた.一番思い出に残っている作品は,「タイム・トラベラー」と最終作といわれる「芙蓉の人」だという話(「だから青春・泣き虫甲子園」など残りの2作品は厳密には「少年ドラマシリーズ」とは区別される)。初のステレオドラマ「星の牧場」の苦労話などもうかがった。「星の牧場」は,私自身は観てないのだが(同じNHKのラジオドラマは聴いた),カメラのパンとともにマイクも動くなどその後のステレオドラマとは違った試みがなされていたという。西ドイツで行なわれたドラマのコンテストに意気揚々と乗り込んだのだが,会場の機材が不十分でうまく見せられなかったといった話だ。少年ドラマは,開始当初は,存在そのものに意義のあるといった趣だったが,またたく間に,意欲的な試みがなされ,作品性の高いドラマも次々と作られていったのだ.
 高橋さんへ。その後の報告が遅くなってしまって申し訳ありませんでした.「タイム・トラベラー」のテーマは,楽しい時間旅行などではなくて,結局,時間のエネルギーが克服できるものではないということではないでしょうか。テープどうも有難うございました。
(HortenseEndoh)

タイムリープというかタイムループ物は現在では吐いて捨てるほどあり、食傷気味だが、当時ドラマで初めてタイムループ物を見てワクワクした。現在はキャラクターの魅力で見せるものだと感じているが、当時はストーリーの魅力が強かった。もちろん吉山和子役の浅野真弓さんはあっという間にファンになった。

TBNの「なんでも相談室」にFATの記事があった。ASCIIのこういう記事は分かりやすい解説で好きだった。

What is FAT?
Q:フロッピーディスクのデータ読み出しにやけに時間がかかるので,chkdskをかけてみたら、図1のような表示が出てしまいました.特にファイルの読み書きができないということはなく,何のエラーなのだかよく分かりません。どうなっているのでしょうか.
A:chkdskコマンドは,ディスクに記録されているFATのデータが正しい状態にあるかをチェックします。ディスクのFATデータに何らかの異常があるときにそれを発見し,メッセージを表示します。図1の場合はディスクの“FAT1”というデータが物理的に読み取ることができないことを表わしています。

FAT概論
 FATとは,File Allocation Table略です。日本語にするとファイル配置一覧表,つまりファイルがディスクのどの位置に収められているかを記録しているデータのことです.FATは1つの記録媒体(フロッピーデディスクのときはディスク1枚ごと,ハードティスクのときはドライブごと)につき1組ずつ用意されています。
ディスクはフォーマットされるとき,一定の記録量ごとに区切られます。この1つ1つの区切りをセクタといいます.データをディスクに読み書きするときは,セクタを単位にして記録します.しかし,ファイルがディスク上のどこに配置されるかを記録するときはセクタでなくクラスタという単位を使っています。クラスタはセクタをいくつかまとめた形で構成されています。そしてFATには,各ファイルがどのクラスタにあるかが記録されているわけです.
 ファイルの管理をセクタでなくクラスタ単位で行なうのは、大きさの異なるセクタにとらわれずにより統一的にファイルの管理をするためです.セクタはフォーマットのときに自動に行なわれるため,ディスクの容量によって大きさが違ってきます。そのためディスクを取り替えるごとにアクセス方法を変える必要がないように,クラスタを用いて統一を行なっているのです.
 ディスクをアスキー本誌にたとえるならば,セクタはページ,クラスタは記事というように考えてもらえばいいでしょう.そして,その目次にあたるのがFATなのです。
 実際のセクタとクラスタの大きさはDOSのメーカーやバージョンによっても変わりますが日本電気製のMS-DOS Ver.3.3の場合,2HDフロッピーは1セクタ=1クラスタ=1024bytesです。2DDでは1セクタ=512bytesで,やはり1クラスタ=2セクタ=1024bytesになります。
 MS-DOSでは図2のようにディレクトリデータとFATによってファイルを管理しています。ディレクトリデータにはファイルの名前,サイズ,ファイルの始まりのクラスタ等が記録され,FATにはクラスタとクラスタとのつながりの情報が記録されています。MS-DOSがファイルを読み取りにいくときは,まずディレクトリデータを読んでファイルの先頭部分が記録されているクラスタの位置を調べます。次にFATを読んで,先頭のクラスタから順につながっているクラスタを調べていきます.そうすることによって,ファイルがどのクラスタにあるのかが分かるわけです.
 新しくフォーマットされたディスクにファイルが記録されるとき,複数のクラスタにわたるファイルはディスク上の連続したクラスタに書き込まれます.しかし,ディスク上のファイルの消去,書き込みを繰り返すと,空きクラスタがディスク上にバラバラに配置されることになります。FATにクラスタのつながりを記録することによって,そのような空きクラスタにもファイルを配置できるようになるわけです(図3).
 ディスクには通常使用しているFATのほかに予備のFATがもう1つ作られています。ただし,このFATはあくまで予備のもので普段は使われません.MS-DOSでは普段使われているFATをFAT1,予備のFATをFAT2という名で区別しています。FAT2はFAT1が何らかの理由によって破壊されて しまったときにだけ,使用されます。
 FATの破壊には2種類あります。1つ目はFATのデータが狂ってしまうようなデータのエラー,2つ目はFATそのものが読み取れなくなってしまう物理的な破壊です.

もしもFATが壊れたら(データエラー編)
 chkdskのメッセージがよく分からないとのことですので,まずはchkdskの働きから説明していきましょう.chkdskは2つのFATのデータが矛盾している所を発見し、その矛盾点を修復するコマンドです.chkdskコマンドを実行すると,2つのFATの比較を始めます。このとき2つのFATのデータに食い違うところがあると,図4のようなメッセージを表示します.ですから,仮に2つのFATともにデータエラーが発生していると,それに気付かなかったり,異常なエラーメッセージ(ファイルが2~3個しかないはずなのに1000個のファイルが壊れているなど)を出したりすることもあります。
 FATのデータにエラーがあると,クラスタとクラスタとのつながりが間違ったままフアイルを読み取りにいってしまいます.そのため、正しくファイルを読むことができなくなります。本誌にたとえた例だと、目次の誤植のため正しいページが分からない状態です.FATのデータエラーを起こしたディスクの修復は,chkdskコマンドに/fの拡張子を付けることによって行ないます(これは,後で述べる物理的な破壊には役に立ちません)すると,FAT1とFAT2のデータでクラス夕のつながりが食い違う所を切り離して,別のファイルにしてくれます(図5).
 chkdskによって切り離されたファイルを元に戻すには,人手によってファイルを切り貼りしなければなりません.テキストファイルはエディタを使ってファイルの切り貼りをすることができますが,プログラムやデータなどのバイナリファイルのときはFATデータを直接工ディットして切り離されたファイル同士をつなぎ合わせる必要があります。それらの作業には,「エコロジー」(価格,会社名)などのFATデータを直接エディットできる機能を持ったソフトウェアを使うとよいでしょう.ただし,図3のようにファイルが飛び飛びのクラスタに記録されているときは,そのファイルの修復は非常に困難なものになります.

もしもFATが壊れたら(物理的破壊編)
 データエラーとは別に,ディスククラッシユなどが原因でFATが物理的に破壊されて読み取れなくなるということもあります.これは本の目次が破けたりインクがかかってしまうなどして読むことができない状態といえます。予備のFATが大丈夫なときは,MS-DOSはそれを読み取りにいきます。そのためディスクの読み取りには時間がかかりますが,ディスクそのものが読めないということはありません.上島さんのディスクはおそら<この状態だと思われます。
 物理的にFATが破壊されたディスクでは,chkdskを実行すると片方のFATが読めないというメッセージが表示されます(図1).予備のFATが壊れていなければファイルの読み取り書き込みは正常なディスクと同じように行なえるため,FATが読み取れなくなっていることに気が付かないこともあります。

バックアップのススメ
 物理的なFATの破壊は修復することができません。もし両方のFATが物理的に破壊されてしまうと,ディスク内のファイルは完全に失われてしまいます。FATの物理的な破壊に気付いたら,予備のFATも壊してしまう前に正常なディスクにファイルデータをコピーしておくべきです.
 またデータエラーの場合も,その規模が大きいとファイルが細かく分断され修復が非常に困難になります。ですから,修復に失敗したときに備えて,コピーを取ってからFATの修復を行なうほうがよいでしょう.なお,その際にはdiskcopyコマンドを使うと破壊されたFATまで一緒にコピーしてしまうため、copyコマンドを使うなどして,ファイルごとにコピーをしてください。
 こういったトラブルに備えるためにも,日頃からこまめにバックアップを取っておくことをおすすめします。  (加藤)


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フロッピーディスクは良くエラーになった。ハードディスクもエラーを起こした。バックアップは必須の作業だった。バックアップをしているからエコロジーのようなレスキューツールでデータをサルベージする経験はしなかった。

ASCIIなのにモーターショウのレポートがあった。この頃、車にもコンピュータが入り込んできた。
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実用化!ナビゲーションシステム
 前回、前々回ともに各社が力を入れて展示していたナビゲーションシステムは、衛星を使ったものに進化した.これは,マツダが'90年発売予定として参考出品していたユーノスコスモに搭載しており、ついに実用化といったところだ。このシステムは,GPSS(Global Positioning Systemwith Satelite)と名付けられており、従来からの地磁気センサー,車輪速信号,車速信号による現在地測定システム(自立法)に加え、文字通り衛星からの電波をもとに現在地を測定する衛星航法を併使用し、精度を向上させたものだ.ちなみに,GPSSの現在地測定精度は走行距離に関係なく30~100mである。
 ほかの自動車メーカーでも,いすゞの4200R,日産のNEO-Xなどは自立航法によるナビゲーションシステムを搭載していた。しかし、機能説明の展示がなく、詳しいことが分からなかったのは残念である。
 一方、部品メーカーでも富士通テン,パナソニック、パイオニアなどがカーコミュニケーションシステムを展示,これは,カーAV機能に、電話,FAX,ナビゲーションシステムなどを加えたものである。このナビゲーションシステムは,従来からの自立航法システムにCD-ROMによる道路やガソリンスタンド,レストランなどの情報と渋滞などの路車間情報も加え、迂回路などをドライバーに教えるものだ。従来のものに比べ、部品メーカーが展示していたのが印象的であった。
 このほか,マツダのダイナミックドライビングシステム(DDS)が目を引いた。これは,一種のドライビングシミュレータだ。内部は,実車と同じようにシートとハンドルなどの操作系,メーターなどが配置されている。フロントガラスにあたる部分にはスクリーンがありコンピュータグラフィックスの画像による道路などが映し出される仕組みだ。このシステムを使って、クルマの挙動とドライバーの感覚の相関関係を,いろいろなシチュエーションで調べることができるわけだ。
 また,立石電機は、模型のクルマを使ったファジー理論による車間距離調整システムを展示していた。前のクルマが速度を変えても,後ろのクルマが一定の車間距離を保って追走するといったものだ。
 今回のショウは、全体的に未来感に乏しく、各社が未来像を模索しているといった印象を受けた.一方,ナビゲーションシステムを含むカーコミュニケーションシステムは、着実に実用化に向かっているように思えた。
(小林)

カーナビに使われるGPSの精度が30~100mだったとは。この頃のカーナビは使い物になったのだろうか。
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スーパーコンピュータの展望(月刊ASCII 1990年1月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集記事「スーパーコンピュータの展望」をスクラップする。
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リードをスクラップする。
 「スーパーコンピュータ」,この言葉を見聞きした時、どのような印象を受けるだろう.「高価」,「高速」,リクルート事件や,東京工業大学で眠り続けるスーパーコンピュータを思い出す人もいるかもしれない.スーパーコンピュータは,技術的な側面だけでなく,日米貿易摩擦問題でもキーワードの1つである.
 こうした話題は,スーパーコンピュータが,ある意味で身近になりつつあることを示唆している.
 軍事関係や官公庁と相場の決まっていたユーザー層は,急速に広がりはじめている.民間企業で自社用に導入することもめずらしいニュースではなくなってきた.気象庁での通常の天気予報や,自動車メーカーの安全テストでのシミュレーションなどをはじめとして,スーパーコンピュータの技術が,われわれの実生活に入り込んできているわけだ.
 本稿では,スーパーコンピュータの全体像をレポートする.
(編集部)

「リクルート事件や,東京工業大学で眠り続けるスーパーコンピュー」なにかあったような気がするが、なんだったか思い出せない。この当時のスパコンを凌駕するマシンを机の上においてこうしてスクラップしているが、当時から見ると宝の持ち腐れなんて言葉では語りつくせないほどの暴挙と言える状態だ。
 マイコンから始まり40年以上もコンピュータを趣味で使い続けこんなところまで来るとは最高のタイミングで生まれたことだと感謝している。
スーパーコンピュータ/その定義
さまざまな意味あいを持つ機械

 古代,いつ日食が起こるかを予測した者は,巨大な富と権力を得ることができた。世の中で何が起こるかを,いち早く知りたいという願望は,情報網の発達した現代になっても絶えることはない.未来の出来事,気象の変化,経済状況の変遷などを、過去の推移から「計算」によって予測する試みは,コンピュータの登場を待つことなく,以前から行なわれてきたのである.
 予言者は経験則で未来を予測しようとし,数学者は計算式で現象を導き出そうとした.数値天気予報の先駆け,L.F.Richardsonは,6万4000人の人間を1カ所に集め,未来の天候を計算した.ひとりひとりに紙とペンを持たせ、各人間を空気の固まりに見立てて,大気の動きを模倣したのである.今から約80年前,1910年5月20日のことだ。それによって,ドイツの一地方の6時間後の天候を予測したのだが,彼の算出した結果は,実際の天気と一致しなかった.しかし,計算によって自然現象がシミュレートできるという可能性は試されたのである.当時でも,歯車や計算尺など,機械的な数値計算機は存在していたのだが,計算結果を導き出すためには膨大な時間がかかっていた.
 計算速度の高速化という要求は,この時点ですでにあった。そして実現するための電子技術も構築されつつあった.後は,実際に計算機を作る経費が問題だったのである.莫大な予算を使える組織は,今も昔も変わってはいない.それは,軍事に関わるものである。たとえば,大砲の弾やミサイルを目標に確実に到達させたいと考えたとする.これには,ニュートン力学の弾道計算が必要なわけだが,1940年代までは,この計算に膨大な時間がかかっていた.いかに速く計算できるかが,軍事戦略にまで波及したのである.要求・技術・費用の条件がそろった米国では,軍事部門からの開発費用を受けて研究が進められ,ついに,真空管を利用した世界初の電子式計算機「ENIAC」が1946年に完成する.真空管1万8800本を接続して動作したENIACは,計算の専門家が7時間かかっていた弾道計算を,わずか3秒で解いたという。真空管の時代から,トランジスタなどの半導体の時代に入り、計算速度はますます高速化する.さらに,ICやLSIなどの集積回路化が進み,高速計算機としてのコンピュータの地位は揺るぎないものとなった。それではスーパーコンピュータは,いつ登場するのであろうか.

ユニークな特徴か?それとも処理能力で分類するのか?
 スーパーコンピュータは,一般に「科学技術計算専用の超高速コンピュータ」である.また,別の言い方をすれば,「同時代の中で抜きん出て高速のコンピュータ」ともいえる.しかし,スーパーコンピュータの名称を一般的に広めたのは,米クレイ・リサーチ(Cray Research)社が1976年に完成させた「CRAY-1」だ.前出の要求通り,CRAY-1の第1号機は米軍関係のロスアラモス国立研究所に納入され,そして2号機は,米国の国立大気研究センターが買い取ったのである。CRAY-1は,計算速度を優先するため,電気配線部分がなるべく短くなるよう円筒形にデザインされていた。その独特の形状と,1秒間に浮動小数点演算を16億回行なえる最高計算速度で,CRAYは,その後も,スーパーコンピュータの代名詞といわれるほどまで普及した.
 米国で誕生したスーパーコンピュータではあるが,それと同等の能力を持つマシンが作れないか?と努力してきたのが日本のメーカーである.米国と同様に,真空管・トランジスタ・集積回路の流れを経て,高速コンピュータの開発が進んだ。1960年代には,米国製マシンと日本製マシンの計算能力の比は4対1になり,1972年には2対1,1978年には日本製マシンの性能は米国製マシンと同等になった。1983年に日立製作所が日本初のスーパーの名を冠するコンピュータ「HITACS-810/20」を発表した.このコンピュータの最高計算能力は678MFLOPSと,当時の世界最高速度を実現。日本のスーパーコンピュータは,クレイ・リサーチ社の独占市場を揺るがし得る存在となったわけである.
 日米貿易戦争がスーパーコンピュータの定義にも影響する従来,スーパーコンピュータと呼べるのは「最高計算速度が100MFLOPS以上のもの」となっていたが,汎用コンピュータの速度向上によって,話は多少ややこしくなっている.米国との経済摩擦問題では,このスーパーコンピュータの定義が,そのまま取り沙汰される場面もあった.
 日本国内で稼働するスーパーコンピュータは,クレイ・リサーチ社製などの米国製が約20台,日本メーカー製が約80台といわれている.日本市場でみた場合,米国製対日本製の比は1対4であり,米国製のマシンはあまり売れていないことになる.しかし,ここで最高計算速度100MFLOPS以上をスーパーコンピュータと呼ぶとすれば,ミニコンピュータや汎用コンピュータなどの上位機種もスーパーの範疇に含まれてしまう.米IBM社の「IBM3090-200S」など,100MFLOPS以上の最高計算速度を実現した米国製マシンは、日本国内でも多数稼働している.そうなると,さきほどの1対4の比率が1対2ぐらいになってしまうわけだ。日本国内で稼働する米国製スーパーコンピュータの比率が上がってしまうと,米国商務省の主張の裏付けが弱くなってしまう.そこで,米国商務省は「最高計算速度160MFLOPS以上の能力を持つマシン」をスーパーコンピュータとしては,と提案した.これは,クレイリサーチ社の言葉を借りるならば「CRAY-1以上の計算能 力を持つマシン」のことだという.

スパコンが日米貿易摩擦に関わってきたとは。当時はスパコンはCRAY-1のイメージしかなくて日本は遅れていると思っていた。
 100MFLOPSというとPentium(300MHz)でも300MFLOPSだから当時のスパコンの能力でよくも軍事、気象予報をしていたものだと感心する。そういえば、天気予報昔は当たらなかった。弁当箱を天気予報のある面の新聞紙でくるんで持っていくというジョークがあった。当たらないから(食あたりしないから)というジョークだった。今は、よく当たる。信頼性が高くなっている。
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スーパーコンピュータ/その用途
得意な分野と不得意な分野がある

 スーパーコンピュータは,科学技術計算用に開発・製造されたものであるため,用途はそれほど広くない.しかし,スーパーコンピュータを汎用コンピュータとして使えないことはない。問題は使用時間にかかる金額である.スーパーコンピュータは,高速動作を要求される場所で利用されなければ,その真価が発揮できない。実際には,どのような使われ方をしているのだろうか.
 スーパーコンピュータは,気象予測の用途から要求され,開発されてきた背景を持っている.いかに速く正確に予報を出すかは,天気予報官の長年の課題であった.しかし,たとえ正確な予測であっても,6時間後の天気を予測するのに,24時間もかかっているようでは意味がない.たとえば,日本の場合では,台風の進路予測にスーパーコンピュータが使われている。海上にあった台風は,わずか数時間のうちに接近上陸し,多大な被害を残して通りすぎる。この進路予測のためには,日本周辺の大気の動きを高速に計算できるスーパーコンピュータが必要なのである.数値天気予報では,気体粒子の集まりである大気を,おおまかに分割して,それらを偏微分方程式で解いて解析している.
 そのため天気予報の他にも,偏微分方程式で定義できる現象は,スーパーコンピュータで解析できるといってもよい。例をあげるならば,海流解析/津波予報/地震波の伝播解析などの自然災害に関するものから、航空機/スペースシャトル/自動車/船舶/橋/ダム/高層ビル/電子回路/半導体素子/音響ホールなどの設計,プラズマ核融合/乱流/核反応/原子核構造/物質拡散/伝熱などの解析まで,自然科学の全般にわたっている.しかし,スーパーコンピュータが苦手とする科学計算もある。たとえば,素粒子物理学/多粒子物理学/統計物理学/生体科学/遺伝子解析/天体科学/資源解析/画像処理/社会科学などの分野である。これらの領域では,偏微分方程式の数値解析とは異なる数値シミュレーションの方法が必要となり,現在のスーパーコンピュータでも能力不足なのが実情だという.

米国製VS.日本製 違いはハードか?それともソフトか?
 また,米国製のスーパーコンピュータと日本製のそれとを,用途面で見ると多少の違いがある.導入企業先で分類すると,CRAYシリーズなどの米国製マシンは自動車メーカーに数多く納入されているが,日本製のマシンは航空機船舶メーカーが使っているという。この違いは何かといえば,使用されるソフトウェアが違うからである.自動車メーカーのように,主に機械の構造や強度を調べる構造解析の場合には,CRAYシリーズのソフトウェアが有効なのだが,航空機や船舶の周囲で空気や液体がどのようにふるまうかを調べる流体解析の場合には,日本製マシンのソフトウェアが最適だという.スーパーコンピュータの性能を,ハードウェア面だけで一概に語るわけにはいかない。また,米国製と日本製では,計算の高速化に対する考え方も違う.日本製では,単一のプロセッサの性能を上げることで高速化を実現しようとし,米国製はプロセッサの能力を上げずに,複数のプロセッサを使うことで高速化しようとしてきた.マルチプロセッサタイプのスーパーコンピュータでは,複数のCPUに均等に仕事を配分しなくてはならない。しかし,この配分作業(離散化という)は,非常に困難で,まだまだ専門のオペレータが少ない。特に,近年スーパーコンピュータ用の計算として新たに解析方法が確立された分子科学の分野では,十分なソフトウェアもなく立ち後れている.このあたりも,日本などの新鋭の企業にって,米国製のスーパーコンピュータを導入しにくくしている原因だという.スーパーコンピュータの技術を,ハードウェア面だけで語ることはできないのだ.
(池田)


スーパーコンピュータの代名詞的存在 CRAYシリーズ
 スーパーコンピュータといえばCRAYというほどに,その代表的役割を果たしてきたのが米クレイ・リサーチ社のCRAYシリーズである。1988年末の統計では,全世界にあるスーパーコンピュータの数は約300台,そのうち64%をクレイ・リサーチ社のCRAYシリーズが占めるという.その最先端の技術や、このジャンルを切り開いてきた実績は,敬意を表すべきものである.
 現在の状況では,むしろ知りたいのは最近の国産メーカーの実力だという向きもあるだろう.これについては次号でレポートする.今回は,スーパーコンピュータの主流であるCRAYシリーズをスケールに,スーパーコンピュータの流れを見ることにしよう.

▼スーパーコンピュータとともに歩んできた
 クレイ・リサーチ社の創始者であるシーモア・R・クレイ(Seymour R Cray)博士はCRAY-1,CRAY-2,CRAY-3の設計開発者だ。もともとクレイ博士はユニバック(Univac)社の技術者であったが,世界最速のコンピュータを開発するため,1957年に他の技術者とともにCDC社(Control Data Corporation)を設立する.
 CDC社は1964年にCDC6000というコンピュータを発表する.最大処理性能は約1MFLOPS程度であったが,高速化のためにパイプライン処理を採用するなど,現在のスーパーコンピュータと同様の仕様を持っていた.
 この後,CDC7000/6600/7600などを開発し,気象予測をはじめとする科学技術計算用コンピュータの市場を徐々に広げていった。
 1974年,最大処理性能100MFLOPSのCDC Star-100(後に改造され,CYBER-203)を開発する.しかし,Star-100では処理速度を上げるために設計思想を一新してしまい、既存のアプリケーションが使用できなくなった.
 このような設計方針の変更に反発したクレイ博士はCDC社を退社。1972年に4人の仲間とともにクレイ・リサーチ社を創設する。これが現在のスーパーコンピュータ市場のトップメーカーであるクレイ・リサーチ社のはじまりである.

クレイ博士の8角柱 CRAY-1
 クレイ・リサーチ社の最初の製品であるCRAY-1は1976年に発表された.
 CRAY-1は,従来のスカラー演算に加えて,複数の計算プロセスをベクトル化することにより高速で演算を行なうベクトル処理機構を備えていた。これは現在でもスーパーコンピュータの多くが採用している高速化の技術だ.CRAY-1は1サイクルが12.5ナノ秒という当時最高のクロック周期を持つ単一プロセッサを使用し,最大処理性能160MFLOPSを実現した.
 CRAY-1は発表後間もなく,ロス・アラモス国立研究所に納入されるなど,公立機関を中心にシェアを伸ばした.これは,当時高いシェアを保っていたCDC6600/7600と互換性を持たないCYBER-203よりも,アーキテクチャを継承したCRAY-1をユーザーが選択したことが大きな理由だ,ユーザー数を増やしたCRAY-1は,しだいにスーパーコンピュータの代表的製品になる.日本でも,センチュリリサーチセンター,三菱総合研究所に1980年に納入している.
 この後CRAY-1は,ネットワーク環境や周辺機器に対応するためI/Oサブシステムを拡張したCRAY-1/S,それまでのECLバイポーラ素子をより安価なMOS素子に置き換えたCRAY-1/Mとバージョンアップする.

民間向けスーパーコンピュータのベストセラーCRAY X-MP
1982年,クレイ・リサーチ社はCRAY-1のアーキテクチャを引き継ぐCRAY X-MPを開発する.X-MPは最大で4台のプロセッサ(クロック周期8.5ナノ秒)が並列稼働する初のマルチプロセッサのスーパーコンピュータである.
 同シリーズは最小構成のX-MP/1SからX-MP/4まで,1個から4個までのプロセッサ構成を選択でき,最大構成ではCRAY-1の約10倍の処理速度を実現している.
 世界のスーパーコンピュータ需要も,価格が比較的安価になるにつれて民間企業への導入も活発になった.膨大な地質データを処理できるスーパーコンピュータが石油探査に応用できることが分かり,大資本の石油企業が購入したのを皮切りに,多くの民間企業が導入を開始した.日本でも1984年にNTTと東芝がX-MPを導入している.
 X-MPはCRAY-1の後継機種であるCRAY-2が発売された後も改良が続けられ,民間向けスーパーコンピュータのべストセラーとなった。現在稼働しているCRAYシリーズの60%以上がX-MPシリーズである.

▼新技術で話題をまいたCRAY-2
 1985年には,CRAYシリーズの純粋な意味での2台目ともいうべきCRAY-2を発表した.
 CRAY-2は2台または4台のプロセッサ(クロック周期4.1ナノ秒)が並列して稼働するシステムであり,最大処理性能で約2GFLOPSを実現していた。複数のプロセッサの使用と同時に、基板全体の集積度を高めたことによる,小型化を実現している.
 高密度な基板集積技術は,配線距離の短縮というスーパーコンピュータの高速化に必要な技術だ.CRAYシリーズは最初から配線距離を短縮するため,その後CRAYシリーズの特徴となる8角柱の一辺を欠いたC型のスタイルを採用している。機器間の距離を最小にしようとすると理想的な配置は球形となるが,それでは内部の配線が不可能なのでCRAYシリーズは上から見ると,円に近い8角形の形状をしている.欠けている1辺は配線とメンテナンス用スペースとなる.
 ところが,基板の密度を上げることにより,各基板が発する熱が大きな問題になる.CRAY-2では8×8×12=768個のICで構成される2.5×10×20cmのモジュールが最大336個使用される.これが直径135cm,高さ114cmの本体に内蔵される。消費電力は300~500Wであるから発熱量も膨大なものになる.
 スーパーコンピュータの多くは,現在のパーソナルコンピュータと同じ空冷システムや,冷却水の通ったパイプが基板に埋め込まれた水冷システムを使用している。これに対し,CRAY-2では基板自体が丸ごとフッ化炭素液に漬けられる独自の冷却装置を採用し、従来では考えられなかった実装密度を実現した.
 この冷却液は完全不活性で,温度に対しても安定した化合物である.CRAY-2では計950リットルの液が毎秒2.5cmでチップ間を流れ,温度の上昇によるチップの不安定化を抑えるとともに,温度変化によるチップの破損を防いでいる.
 CRAY-2は,後にSSD(半導体記憶装置)を装備したCRAY-2/Sとなり,現在に至るまで最強のスーパーコンピュータの1つに数えられている.
 ソフトウェア面から見ると,1986年にはCRAYシリーズ全機種にわたって共通するオペレーティングシステム,UNICOSを搭載することになる.これはUNIX System Vに準拠する会話型OSである.それまではCOS(Cray Operating System)と呼ばれる専用OSで使用していたが,般的なUNIXが搭載されたことにより,ソフトウェア面での充実が図られた。

▼8台のプロセッサが並列稼動する最高機種CRAY Y-MP
 高性能に徹したために非常に高価な機種なってしまったCRAY-2に対し,X-MPの後継機種を望むユーザーも少なくなかった。このためクレイ・コンピュータ社は1988年にX-MPの後継としてY-MPを開発した.
 これは最大8台のプロセッサ(クロック周期6ナノ秒)が並列稼働し,最大処理性能では4GFLOPSとCRAY-2を超える性能を持つ。より集積度の上がった基板実装密度のため,CRAY-2に似たフッ化炭素液による冷却方式を採用している.ただしY-MPでは基板のモジュール化が進み,冷却液に基板が漬けられるのではなく,各モジュールに冷却液をパイプで送り込む構造になった。
 Y-MPはSSD(半導体記憶装置)という補助記憶装置を標準装備している.これは高速なアクセス速度を持つメモリで,スーパーコンピュータにとってボトルネックとなる補助記憶装置へのアクセス時間が短縮できるため,大規模な計算に威力を発揮する.
 Y-MPは1~8台のプロセッサ構成にSSDやI/O機器のバリエーションを加えた19モデルがある.また,X-MPの改良型であるX-MPEA/seの3モデルがこれに加わる.これは1プロセッサ(クロック周期8.5ナノ秒),352MFLOPSのエントリーマシンで,Y-MPと完全互換性を持っている.
 Y-MPシリーズにX-MPEA/se3モデルを加えた全22モデルが,現在のクレイリサーチ社の主力となる製品だ。

▼蓄積されたスーパーコンピュータのノウハウ
 スーパーコンピュータ市場の中で,CRAYシリーズの持つ利点は何だろうか.
 パーソナルコンピュータ市場でPC-9801シリーズが圧倒的なシェアを持つように,CRAYシリーズの利点はソフトウェア資産を新機種が受け継いでいることにあるといわれている.本稿でもスーパーコンピュータの進歩の目安にした最大処理性能だが,実際に最大処理速度で計算できることはまずない.スーパーコンピュータのベクトル処理装置に合わせた計算式ならば理論値に近い性能は出せるだろうが,実際の計算式をベクトルに展開した場合に最適な行列とはならないことが多いからである.一般的な流体シミュレーションなどの解析計算では最大処理性能の4分の1程度の処理速度が限度だといわれている.
 そこで、機種に最適化したベクトル化を行なうことがソフトウェア技術に求められる.たとえば,科学技術計算で多く使用されているFORTRANでは,計算式やループ構造を効率よくベクトル化するため,コンパイラに工夫を凝らしてある.CRAYシリーズは何年も使用されてきただけあって,使用するコンパイラは高いベクトル化効率を持っている.
 アプリケーションプログラムでも似たようなことがいえる.スーパーコンピュータはプログラムをベクトル化することによって高速化を行なうので,スカラー演算で処理されることを前提にした汎用機用プログラムをそのまま使用しても処理速度にあまり反映されない
 長年にわたって企業や研究機関で使用されたCRAYシリーズには,ベクトル演算用のアプリケーションが多数蓄積されている。たとえば構造解析などのスーパーコンピュータ用プログラムの種類は,日本の国産スーパーコンピュータ用のものはCRAYシリーズ用の10分の1以下ともいわれている.

▼次世代のCRAYシリーズ
 1989年,クレイ・リサーチ社は子会社としてクレイ・コンピュータ社を設立した.ここでは主に次世代製品の研究開発が進められている。クレイ・コンピュータ社の設立は,莫大な資金を必要とし,リスクの高いスーパーコンピュータ開発部門を分離することが目的であると一般的に考えられる.
 1989年9月には,クレイ・コンピュータ社はCRAY-2の後継機種であるCRAY-3の開発目標スペックを発表した.CRAY-2の4プロセッサ構成に対し,CRAY-3はクロック周期2ナノ秒のプロセッサを16個つなげ,最大処理速度は4倍の16GFLOPS程度だと見込まれている.CRAY-3は大きな特徴として,ガリウム砒素チップを使用している.これは従来のシリコンチップに比べて処理速度が速く,コンパクトで発熱量も少ないという利点がある.
 ガリウム砒素チップは,シリコンチップに比べ温度により動作が不安定になりやすいが,CRAY-3ではCRAY-2と同様な液冷システムを導入し,この問題をクリアする予定である.
 CRAY-3の形状は,CRAY-1,CRAY-2と同じような8角柱をしており,直径が70cm程度,高さは1mに満たないほどのコンパクトなサイズである.
 クロック周期の2ナノ秒というのは光でさえ60cm程度しか進まない距離であるが,CRAY-3を構成するチップはすべてこの60cm角の範囲内に収まっていると考えられる.実際,CRAY-1やCRAY-2を見ると,それぞれのマシンの1クロックに光が到達する範囲内の大きさに設計されている。いかに速いプロセッサでも,1回の処理サイクル以内でメモリやI/Oシステムに信号が届かなければ,実質的な処理速度が制限されるためだ。このココンセプトはCRAY-3でも生かされている.極限の性能を追及するための,高度な実装技術といえる.
 しかし,最近の発表によるとCRAY-3の開発は難航しているとも聞く.当初では1990年中だった出荷予定も,大幅に遅れると報じられた。原因はガリウム砒素チップの安定性に問題があると聞く.また,正式な発表ではないものの,クレイ氏は1992年か1993年には64プロセッサ,128GFLOPSのCRAY-4を開発すると予告している.クレイ・コンピュータ社は,まさにスーパーコンピュータの最先端を走っている感がある.
 CRAY-3のような次世代のスーパーコンピュータ開発を目指すクレイ・コンピュータ社に対し,より一般的な製品を開発するクレイ・リサーチ社は,X-MP,Y-MPの後継機種を開発中である.これはC-90という開発コード名を持ち,16プロセッサ(クロック周期4ナノ秒)で最大処理性能24GFLOPSを達成すると発表している.C-90はX-MP,Y-MPのアーキテクチャを継承し,ソフトウェアに互換性を持っている.発売時期は発表していないが,Y-MPシリーズの最上機種としてラインナップに加わる見込みが大きい。

▼スーパーコンピュータ開発競争
 1989年4月,日本電気は新型スーパーコンピュータSX-3を発表した.これは最大4個のプロセッサ構成で最大処理性能22GFLOPSを持つ。これに対し,富士通も4プロセッサ構成,最大処理性能16GFLOPSのマシンを開発中と聞く.スーパーコンピュータの能力は,FLOPS単位の最大処理性能だけで比べられるものではないが,「世界最高速の機種」という言葉の影響は大きい。最近になって性能を上げてきている国産スーパーコンピュータも,世界市場で無視できないものになりつつある.
 また,1987年にはCRAYシリーズの開発スタッフの1人であるS・チェン氏が退社.独立してスーパーコンピュータ開発を専門とする会社を設立した。この会社にはスーパーコンピュータ市場への参入を見合わせていたと思われていたIBMが出資している.
 現在は民間企業を中心にスーパーコンピュータの需要が世界的に増加しており,コンピュータメーカー各社もスーパーコンピュータ開発にしのぎを削っている.クレイ博士とCRAYシリーズの歴史は、そのままスーパーコンピュータの歴史ともいえる。マルチプロセッサやガリウム砒素チップなどの新技術を見るように,常に最先端の技術を導入するスーパーコンピュータの先鋒としての存在は大きい。これからの開発競争の中でCRAYシリーズはどのような役割を果たすのだろうか.
(行正)


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スパコンの記事はASCIIの連載されている大原雄介氏の「ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情」に詳しい
スクラップした部分までの解説に関連するリンクを貼っておく。
第271回  スーパーコンピューターの系譜 代表作CRAY-1と地球シミュレータ
第272回  スーパーコンピューターの系譜 スパコンの起源といえるIBM 7030
第273回  スーパーコンピューターの系譜 民間・軍事に幅広く採用されたCDC 1604
第274回  スーパーコンピューターの系譜 ベクトル型の傑作STAR-100
第275回  スーパーコンピューターの系譜 “スパコンの父”が作り上げたCRAY-1
第276回  スーパーコンピューターの系譜 性能を10倍に引き上げたCRAY-2
第277回  スーパーコンピューターの系譜 高性能だが売れなかったCRAY-3
第278回  スーパーコンピューターの系譜 マルチコア化で大ヒットしたCRAY X-MP
第279回  スーパーコンピューターの系譜 CRAY Y-MP以降のベクトル型マシン

スピードをインテルのCPUと比較すると「CRAY-1は1サイクルが12.5ナノ秒」は1クロック80MHzということになる。Pentium以下である。「X-MPは最大で4台のプロセッサ(クロック周期8.5ナノ秒)が並列稼働する初のマルチプロセッサ」は1クロック約118MHzだ。今このスクラップしているマシンが
Core i5-10400 だから6コア12スレッドで 2.90GHzだから有り余る高性能でこんなことをしていて申し訳ない気になる。

コラム記事をスクラップする。
スーパーコンピュータはなぜ速いか?
 スーパーコンピュータの処理速度は,汎用機の数十倍から数百倍といわれている.このような超高速演算は,どのようにして実現されているのだろうか?
(1) 超高速素子と高密度実装
 答の1つは、超高速素子を演算回路に使用して,1つの演算回路の速度を極限まで高めるアプローチである.スーパーコンピュータには最先端の半導体技術が投入されている.これらの半導体を素材として高密度な素子の搭載,最短距離による素子間の配線,効率のよい素子の冷却など高度な実装技術も重要である.
 SX-3シリーズを例にとると,最高70ピコ秒/ゲートという超高速素子が採用されている.1ピコ秒というのは1兆分の1秒のことであ70ピコ秒では光ですらわずか2cm余りしか進めない。しかも1つの微小なチップの上にこのような素子を2万個も載せており,このチップ100個を1つのボードに搭載している.これにより,22.5cm四方のボード1枚になんと200万個もの超高速ゲートを搭載し,物理的な大きさが超高速演算の限界を左右するスーパーコンピュータにおいて,極めて高密度な実装を実現している.

(2) パイプライン演算処理
 答の2つ目は構造上の工夫である.1つの演算器の速度を極限まで高めた上,スーパーコンピュータでは連続的に休みなく計算を続けることで毎秒当たりの計算回数を増やす工夫をしている.演算器の中でデータが滞留すると後続のデータが入力できず計算が遅れるため,特別な仕掛けが必要となる.この仕掛けを持った演算器をパイプライン演算器という。パイプラインとは,石油や流体を連続的に送るために使う輸送パイプのことであるが,連続的に計算を行なう処理との類似性をとってそう呼ばれている.
 たとえばトラックで輸送する場合,トラックが目的地で荷を降ろして戻ってくるまで次の荷は積み出し地点で待たされる.しかし,パイプラインを使えば次々に荷をパイプに送り込むことができるため、単位時間当たりの総輸送量はトラック輸送よりはるかに多い。これと同じことが計算を行なう場合にも当てはまる。演算器の中を多段構成にして,各中間結果を次々と後段に回すことができれば絶え間なく新しいデータを前段に読み込むことができるため,連続的に計算が可能となる.これをスーパーコンピュータでは広く採用されている技術である.日電のSX-3シリーズでは1つのプロセッサに最大16本のパイプライン演算器が実装されており前記のような大量の演算をこなすことができるようになっている.

(3) 並列処理
 計算能力が1台のプロセッサで不足する場合は,プロセッサを横に並べて同時に仕事をさせる方法がある.これを並列処理というが,単に同じ機械を横に並べただけでは十分ではない。相互に関連しない簡単な計算を大量にこなす場合には問題はないが,複雑で時間のかかる計算を分割して実行させることはなかなか難しい。なぜなら,どのように計算を分割し、機械に仕事を割り振るか,終わった計算をどのように組み上げて1つの結果にまとめるかはが計算の内容に大きく依存するからだ.もちろんスーパーコンピュータユーザーの工夫も必要になる.
 このため、(1),(2)で述べた工夫で足りない部分についてのみ、並列処理で補うべきであるといわれている.たとえば,SX-3シリーズでは、1つのプロセッサの性能を最大限に高め、並列プロセッサ台数を最小限に抑えている.これも上記の理由によるものである.
 ただし,素子性能の伸びやパイプラインの数を増やすことにも限界があるため,並列処理の比重が高まる方向にあるといえる。

 竹入 保郎
日本電気情報処理製品計画本部
第一製品部計画室長


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当時スパコンで使われていた技術が今では机上のパソコンで使われている。画期的なアイデアというものは何十年も前(40年前)に既に編み出されていた。その後はそのアイデアをもとに高速化がすすめられてきた。0から1を作り出すことは大変だが、1を10にすることは大変ではないと言われるがコンピュータの世界はそれが当てはまる。

次のコラム記事をスクラップする。
スーパーコンピュータ/ユーザ訪問
スーパーコンピュータは,どのような使われ方をしているのか?実際にスーパーコンピュータを使用しているユーザーを訪問し、現場の状況を紹介しよう。
(株)計算流体力学研究所
 東京・目黒の住宅地のど真ん中にあるこの研究所は,個人の住居を改築して作ったという100%の民間企業である.しかし、それにも関わらず、同研究所内で稼働するスーパーコンピュータは実に4台もあり,気体や液体などの流体解析を行なう単一組織としては,世界有数の設備規模を誇る.同研究所内のスーパーコンピュータを機種別に列記すれば,日立製作所製のS-820/80.富士通製のVP-200,同じく富士通製のVP-400E,日本電気製のSX-2となり,マシン本体の価格合計だけでも、月額で約2億9000万円(発表当時の価格)になる.「趣味がこうじて」という言い方をするにはスケールが大きすぎるのだが,これらのスーパーコンピュータは,会社創設者の「好きな時に好きなだけ,高速のコンピュータを使いたい」という要求がかなえられた結果,装備されたものだという.
 同研究所には,スーパーコンピュータ本体の他にも,専用端末数十台,ワークステーション7台,グラフィックス端末4台,アニメーション作成システム12台,風洞実験設備などがある.これらの設備は、社員以外にも,たとえば,同研究所と契約した自動車メーカーや航空機メーカーなどから,専用回線を使っての遠隔地利用,また,現場に出向社員を派遣しての利用も可能ということだ.
 同研究所では、名称にもある通り、流体の解析を主な業務としている。一口に流体といっても、自動車の走行時の空気の流れをシミュレーションすることもできれば,溶鉱炉の中でドロドロに融け,対流運動を起こす鉄の動向を探ることもできる.また,それらの流体解析用に同研究所で開発されたソフトウェア「NAGARE」の販売,テレビCMやプレゼンテーション向けのCGアニメーションの製作も行なっている。詳しい内容は,企業秘密の部分が多いということで取材できなかったのだが,それも,各部屋の入出がすべてIDカード入力で管理されているのを見ると納得できそうである.
 同研究所では、月1回のメンテナンス時を除いて,一年365日24時間体制でスーパーコンピュータが運用されている.他企業や研究者が,この設備を利用する際の料金を次に記載する.スーパーコンピュータがどのようなものか?コスト面からアプローチするのもよいだろう。
*年間契約
A 年使用料1000万円~(53.4円/秒)
 使用制限CPU時間で年52時間まで
B 年使用料5000万円~(38.6円/秒)
 使用制限CPU時間で年360時間まで
*時間貸し契約 登録料金50万円
(1) TSS処理400円/秒(CPU時間)
(2) バッチ処理100円/秒(CPU時間)


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最新機種レポート98note,PC-9801RA他(月刊ASCII 1990年1月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

写真を主としてスクラップする。一応記事の一部もスクラップする。
PC-9801N
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表を抜粋する。
表1 PC-9801Nの基本仕様
CPU V30:10MHz,0wait
RAM メインメモリ640Kbytes(最大2.6Mbytes):RAMドライブ1.25Mbytes
電源 AC100V:ACアダプタ,ACパック(オプション)
Ni-Cd:約1.5時間使用可能(電源OFFで1.5時間,ONで6時間で充電)
大容量バッテリパックにより約3時間使用可能
消費電力:7W(最大17W)
外寸・重量 316(W)×253(D)×44(H)mm,2.7kg

まとめ部分をスクラップする。
RAMディスクと増設RAMの使い分けをよく考えて
 J-3100SSと同様,98NOTE用の2Mbytesの増設RAMは14万円で発売となる.このPC-9801N-01は,本体左側の手前にある専用スロットに挿入して利用する.ICカードのような形をしているが,バッテリなどは入っておらず,PC-9801-53ボードと同様のスペックを持ち,V30ではEMSメモリとして利用できる.
 同時に発表となった日本語MS-DOSVer.3.3Bでは,これまでと同様のEMSドライバとともに,EMS用のRAMディスクドライバが添付されている.
 EMSメモリを直接利用するアプリケーションを使う場合は,このEMSドライバを組み込めばいい。それ以外のアプリケーションでは,RAMディスクドライバを使って2MbytesのRAMディスクとして利用することになる.ただし,この拡張RAMは,通常のメインメモリと同様の扱いとなるので,バッテリによるバックアップはできない.
 逆にいうと,PC-9801-53(L)ボードに対応している,メルコのMELWARE Ver.4のようなドライバや,RAMディスク,キャッシュ,プリンタスプーラなども利用できる.
 この場合,標準で搭載しているRAMディスクは別に扱われるので,合計で3MbytesのRAMディスクを構築するといったことはできない.
 本体内蔵用RAMボードは2Mbytesで10万9000円で,98NOTE用は1.5倍の値段である。せめてデスクトップと同じ程度の価格にしてほしい.

一番の問題は、価格だった。

PC-9801RA/RS/RX
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評価部分をスクラップする。
3機種ともに予想どおりの速度やはりRAが一番お得?
 まずは、新旧のPC-9801RAを見てみよう.XL2やPC-H98といったハイレゾリューションモード対応機を除いたノーマルモードマシンとしては,最高の速度を持マシンである.
 旧RAのCPUは16MHzの80386であったが,それが20MHzとなり,計算では1.25倍の速度向上が図られているはずである.機械語ベンチマークの結果は,図1のとおりで,add命令の1.33倍をはじめとして,スクロール以外はクロック数と同じ値となっている
 1.02倍とほとんど変わっていないのが,scrl(スクロール)である.これは,旧RAとRX間での速度逆転などで,当時も話題となったが,向上は図られていない.新RA対RXでも,スクロールに関しては,RXの勝利となっている。タイミングの問題だろうと書いたが,依然向上していないようだ。
 CPU,クロック数ともに変化のないRXは,ベンチマークの結果も新旧変わらずである.
 新機種であるRSは,同じCPUを使っている3.5インチモデルPC-9801ESとほぼ同じ結果が出た.ただし,ここでもスクロール速度に関してはESよりRSのほうが遅い結果が出ている.
 新Rシリーズの3機種を比べると,計算では,RX:RS:RAの速度比は1:1.89:2.33ということになる.ただし,scrl(スクロール)strout(文字出力)ではRXと同等か下回る結果となり,合計では1:1.32:1.61となる.RAとRSの速度差は全体で約1.21倍だ。
 ここで,計算ついでに価格の比率を出そう.33万8000円:39万8000円:49万8000円で,1:1.18:1.47となる.これだけを見ても,速度比が価格比を上回っており,上に行くほどコストパフォーマンスが高い.
 ただし,RXとRSはメインメモリが640Kbytes実装であるのに対し,RAは1.6Mbytes搭載だ。増設RAMボードなどの価格から,1Mbytes=5万9000円として加えると,1:1.15:1.25と,さらに価格差は減り,RAの「お買い得度」が増すこととなる.Rシリーズで最初に発表されたのはRAだったが,発売当時からそのコストパフォーマンスには定評があった。現在でも,評価はそのままということができるだろう.

PC-9801ではスクロールで旧機種の方が速いということはPC-9801VM2とPC-9801VX2時代でもあった。PC-9801シリーズの伝統的な現象だった。

NESAについてのコラム記事をスクラップする。
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米国ではMCA(マイクロチャネル)とEISAが出たように日本ではNESAが出た。
32bitの新しいバスアーキテクチャ
NESA

 PC-H98model70に搭載された,PC-9801シリーズの32bitバス「NESA(ネサ)」の概要を紹介する.
 '87~'88年にかけて米国で発表された32bitのバスアーキテクチャは単にバス幅を大きくしただけでなく,'90年代のパーソナルコンピュータが担うべき機能を効果的に利用できる設計になっている。'89年5月号でも解説したように、米国ではIBMが提唱するMCA(Micro Channel Architecture)と,コンパチブルマシンメーカーが提唱するEISA(Enhanced Industrial Standard Architecture)が主導権を争っている.そんな中,日本電気はPC-9801用の32bitバスアーキテクチャ「NESA(New Extended Standard Architecture):ネサ」を発表した。その目的と、中心となる機能は,MCAやEISAと同様である.

'90年代のパーソナルコンピュータ環境を考えた機能
 どんなアーキテクチャを持っているのか、特徴的な機能を見ていこう.
(1) 32bitバスを採用
 これまでの拡張スロットは,アドレスバスが24bit,データバスが16bitであった.NESAではともに32bitとなり,メモリ空間は16Mbytesから4Gbytesとなった。データバス幅も倍となり,高速なデータ転送も可能である.
(2) 互換性を確保
 NESAは,現在の98用拡張コネクタを内包しており,互換性を保持している.つまり,NESAを搭載したマシンで、従来の拡張ボード類を利用することができる.コネクタは2段構造で,従来と同様の100ピンのコネクタが下にあり、これをCバス(Compatibleバス)と呼ぶ。その上に新しい180ピンのコネクタを設置し、これをEバス(Extensionバス)と呼ぶ(表B).両バスには共通の信号が37本ある.たとえば,Cバスのデータバス16本はすべてEバスの下位16bitのデータバスと共通である.
(3) DMAの強化
 チャネル数を従来の4から8に倍増し,32bit転送が可能となった.また,DMA BIOSを搭載し,アプリケーションはハードウェアを直接コントロールするのではでなく,BIOSを利用する.
(4) バスマスタとアービトレーション
 従来のPC-9801シリーズ用拡張ボードでもPC-UXや68000ボードのように,バスを制御する「バスマスタ」となるボードがあったが,同時に利用できるのは1枚までという制限があった.
 NESAでは,複数のバスマスタをサポートしている.バスマスタ間の使用権を調整する機能を「アービトレーション」と呼び、これを行なう回路を「アービタ」という.
 アービタの搭載によって,新しい複数のバスマスタとDMAデバイスが,効率よバスを共有できるようになっている.
(5) 自動セットアップ機能
 従来は,ボードのセットアップやI/0ポートの調整などを,ユーザーが,マニュアルを参照して行なわなければならなかった。
 NESAでは,マシン本体に付属の自動セットアッププログラムによって,簡単に行なうことができる.このセットアップ機能は「NESA-FO(Flexible Option)」と呼び,本体側のセットアップも可能だ。従来の本体側のディップスイッチに代わるものはSSP(System Setup Program),ボードの割り込みやDMAチャネルといった設定はASP(Auto Setup Program)で行なう.この機能によって,ボード上のスイッチ設定が不要となるほか,誤った設定も回避できる.
 SSPはPC-H98model70ではROMで搭載されており,HELP+電源ONで起動する.ASPは本体に同梱されるリファレンスディスクに入っている.

NESAは使ったことがなかったし、使っている人も知らなかった。

セイコーエプソンのPC-286UX/LF PC-386V。
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エプソンのマシンの評価記事をスクラップする。読み返すと当時の状況が思い出させる。
3.5インチFDDのUシリーズをモデルチェンジして,クロック周波数を12MHzにしたPC-286UX
 セイコーエプソンの3.5インチFDDを採用しているデスクトップマシンのUシリーズが,約1年ぶりにモデルチェンジを行なった。このシリーズは,コンパクトなボディに3.5インチディスクを採用していることで,PC-9801のUシリーズの対抗モデルとなっている。今やPC-9801シリーズの3.5インチFDDモデルは,EXがメインの機種となっており,USのモデルチェンジが待たれていたところである。
 今回のモデルチェンジで,大きく変わったところはCPUで,USではクロック周波数10MHzの80286であったが,UXではクロック周波数を12MHzにしている.これによって,同じ3.5インチFDDモデルであるPC-9801EXと性能的に並んだことになる.
 本体はUSからの変更がなく,390(W)×356(D)×88(H)mmとあいかわらずの薄型デザインである(写真1),同社のVシリーズの380(W)×341(D)×150(H)mmと比較すると,容積は約60%であるが,横置き時の設置面積はほとんど変わらず,むしろ大きくなっている。ここらへんで,容積を生かせるデザインに変更してほしいところである.たとえば,高さを少し高くして,そのぶん幅と奥行きを小さく立方体に近いデザインにして,縦置きを可能にするというのはどうだろうか.
 ハードディスクの有無とその容量の20/40Mbytesで,STD,H20/40とあるのは,同社のほかのシリーズと共通である.USではH40モデルがなかったが,UXでやっと追加となった。最近のハードディスクの大容量化に即した追加といえる。また,H20モデルのハードディスクの平均アクセス速度が,今までの69msから40msに向上した.
 拡張スロットは,外部,内部ともに2つ持っている。内部拡張スロットは,ハードディスクとメモリ増設用である.EXが,メモリ専用スロットを持っていながら,外部拡張スロットを3つ持っているのと比較すると,拡張性の点で劣っている感じがする.そのうえ,UXは内部に増設できるメモリの容量が4Mbytesと,EXの3Mbytesよりは多いものの,Vシリーズの12Mbytesに比べるとかなり少ない.
 OS/2などへの対応や外部拡張スロットが少ないことを考えると,Vシリーズなみの拡張がほしい.

価格据え置きで性能は2割増し,一段とコストパフォーマンスが向上
 うれしいことに価格はUSから変更がなく,STDモデルで26万8000円だ.性能的に同クラスのPC-9801EX2は34万8000円だから,かなり安いことになる.ちなみに,追加されたH40モデルは,H20モデルより6万円高い45万3000円となっている.これは,同社のほかのシリーズのH20/40の価格差と同じであり,EX4(20Mbytesハードディスク内蔵モデル)よりも40Mbytesでありながら,まだ安いお買い得モデルである.
 ベンチマークテストの結果を見ても分かるように,USより約22%の速度向上が図られている(グラフ1).この値は,クロック周波数の比にほぼ等しく,順当な結果となった。とはいっても,アプリケーションを使っているぶんには,それほど速くなったという感じがしないPC-9801EXとの比較では5%ほど遅く,特にscrlは25%ほど遅かった.
 それよりも気になったのが,キーボードだ。USからの変更はないのだが,Vシリーズのキーボードと比べると,キーのストロークが重く,短時間の使用でも指がかなり疲れた。慣れもあると思うが,最も頻繁に使用するユーザーインターフフェイスだけに早い時期に仕様変更してほしい
 総合的には,価格が手頃で,性能が平均的なマシンである。使用目的が,ワープロやパソコン通信のみといった人にはお勧めの1台である.

結構好評価だった。
続いてラップトップの評価。
PC-286L発売以来,待望の80286を搭載したバッテリ駆動可能のラップトップマシンPC-286LF
 バッテリ駆動可能のラップトップマシンのLシリーズがモデルチェンジを行ない,PC-286LFとなった.CPUは,Lシリーズ待望の80C286が採用となり,名実ともに286マシンとなったわけである(写真2).CPUのクロック周波数は10MHzであり,PC-9801LXが12MHzであるのと比較すると少々遅い.
 本体は,PC-286LEから変更がなく,FDDモデルのSTD,20/40Mbytesのハードディスク内蔵モデルのH20/40があるのも同じである(写真3)。ハードディスク内蔵モデルは,あいかわらずフロッピーディスクが1ドライブであるが,不便を感じることはなかった.
 重量はLEより,STDモデルが0.3kg,H20モデルが0.1kg軽くなっている.とはいってもSTDモデルでも6kgを超える重さなので,会議などの短距離の移動には便利だが,普段持って歩くには適さない.
 ディスプレイは,NTN型の白液晶で8階調の表示が可能だ。この液晶ディスプレイはLE以降,ムラが少なく,非常に見やすいという定評がある。バックが白のモードで使用したが,確かにCRTよりも目が疲れない気がする.
 LFは,LE同様にバッテリ駆動が可能で,H20/時間はSTDモデルで約70分,40モデルで約40分と,LEからそれぞれ20分,5分短くなっている.打ち合わせなどで,バッテリ駆動にして使っていると,すぐにLowバッテリになってしまう.ブックサイズマシンが2時間程度使えることを考えると,もう少し駆動時間を延ばしてほしかったところだ。

H40モデルは,高速になって2万円安くなった
 価格はLEより,STDモデルで2万円,H20モデルで1万円高くなっているが,H40モデルでは,2万円安くなっている.これは,この1年間でハードディスクの値段が下がったためだが,ハードディスクがあとから内蔵できないこのシリーズで,H40モデルが安くなったのはうれしいかぎりだ。クロック周波数が12MHzだが,同じ80286を搭載しているPC-9801LXは44万8000円である.LXとはクロック周波数が違い,バッテリ駆動ができないなど,同じラップトップとはいえ,いちがいに比較できないものの,LFが6万円安いのはお買い得感がある。
 ベンチマークテストの結果は,グラフを見ても分かるように,LEの約2倍の性能を示している(グラフ1)同じクロック周波数の場合,80286はV30の2倍の性能であるということが裏付けられた結果となった。使っていてもこの違いは明らかで、ワープロソフトのカーソルの移動などが滑らかになったような感じがする.用途にもよると思うが,あとからハードディスクが内蔵できないことを考えると万円安くなったH40モデルを勧めたい.


続いて80386マシン。
Vシリーズ最速,待望の80386マシンPC-386V
 PC-386Vは,Vシリーズ待望の80386を採用したマシンである。マススロットを搭載するXシリーズでは,すでに20MHzの80386マシンのPC-386が発売されていたが,普及機であるVシリーズでは初登場である。マススロットは,ハードディスクや3.5インチFDD,CD-ROMなどを内蔵するための専用スロットだが,ハードディスクを内蔵する以外にあまり使い道がなかった.386Vは,このマススロットがない以外は,PC-386と性能的な違いはなく,クロック周波数も20MHzと同じだ。
 ハードディスクの有無と,容量の20/40MbytesでSTD,H20/40の各モデルがあるのも,同社のほかの機種と同じである.386Vと同時に内蔵用の80Mbytesのハードディスクが発売されたが,これをはじめから内蔵したモデルはないので,STDを購入して後付けするか,H20/40のハードディスクを交換することになる.ハードディスク大容量化の時代に即して、80Mbytes内蔵モデルを新設してほしいところだ。
 本体のデザインには変更がなく,横置き縦置きができる便利なものである(写真4).最近のCRTは回転台が付いており,本体の上にCRTを置くと、かなりの高さになってしまい見にくかった.縦置きがサポートされていることで,安心してCRTと本体を並べて置くことができるのは便利である.PC-9801シリーズにも見習ってもらいたい。
 速度は十分に速く,VFなどの80286マシンではちょっと遅いかなと思うアプリケーションもストレスなく使用できた.さすがにレイトレーシングの計算などでは,まだまだ遅いと感じたが,ワープロなどのテキスト系ソフトだけでは,もったいない感じさえする.

PC-9801RAのモデルチェンジで苦戦が予想される
 価格は,STDモデルで49万8000円と,PC-386より10万円安く,PC-9801RAと同価格である。386Vの発売当初,RAはクロック周波数16MHzと,386Vより劣っていたが,モデルチェンジによって,価格を据え置いてクロック周波数を20MHzとしたため,価格,スペックともに386Vと同等になってしまった。内部拡張メモリに増設できる容量についても,RAが10Mbytes(以前は3Mbytes)まで可能になったため,386Vの12Mbytesとそれほど変わらなくなった.また,増設RAMボード(2Mbytes実装)の価格も,386Vは13万8000円なのに対し,RAは10万9000円とRAのほうが低価格である.増設RAMモジュール(1Mbytes)も,386Vが6万円で,RAが5万円と,RAのほうが安くなっている。これらのことを考えると,386Vは互換機ということもあり,苦しい戦いを強いられそうである.
 ベンチマークテストの結果を見ても分かるように,RA21との速度差はないに等しい(グラフ1)。グラフィックの速度も386VがRAの0.7倍であり,386Vの優位性がなくなってしまったことを証明する結果となってしまった(表1)。
 同社にとっては厳しい状況といえる。

当時エプソンは互換機メーカとして日電より高性能機体を繰り出すことに苦労していたようだ。

アップルコンピュータジャパンのMacintosh IIci
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Macファミリーの最速マシンは次世代Macのスペックを持つ
 アップルジャパンがMacPortableとともに発表した32bitマシン「Macintosh IIci」は,クロック周波数25MHzの68030をCPUに採用した.ファミリーのトップレベルに位置する最速マシンだ。オプションのUNIXをインストールすれば,ワークステーションの激戦区に組み込まれるスペックを持つ。しかし,同社は本気でUNIXをサポートするという計画をまだ打ち出していない。これは,米国本社も同じようなものだ。
 マシンの外形は下位機種のIIcxと同じ.重量まで同一だ.両機種で異なる部分は,IIciが本体後面にモニタ用ポートを装備している点だけ(写真1)。つまり,ビデオボードをNuBusに装着しなくても,本体とモニタをケーブルでダイレクトに接続できるようになった.ほとんど同一の外形に対して,モニタ部分に代表される内部デザインはまったく違う.これまでのIIファミリーに与えていたシステムデザインを,68030以上の32bitアドレスに対応するように根本から見直した。そのキーワードは高速化だ.

68030のバーストアクセスモードに対応する高速メモリとキャッシュコネクタを装備
 メインメモリは従来のアクセス速度120ナノ秒から80ナノ秒のDRAMに替えた.このメモリは,PMMU(ページメモリ管理ユニット)を搭載した68030のバーストアクセスモードに対応する。同モードでは,CPUが通常の約1/2のクロックサイクルで16bytesのデータを一度に読み込める。これによって,約10%の高速化を実現した。4MbitのDRAMチップが出荷されれば,SIMMソケットには最大32Mbytesが装着できる.ちなみに,専用の9bitRAMチップとパリティジェネレータチップを基板に装着すれば,RAMのパリティチェック機能を付加できる.しかし,現行ではオプション設定だ。
 さらに,基板にはRAMキャッシュ用の120ピンコネクタを標準装備した.対応するキャッシュボードの出荷は来年上旬を予定している。同ボードを装着することで,IIcxに比べて最高56%の速度向上が図れるという.ちなみにDay Star Digital社は,25ナノ秒の64KbytesキャッシュボードをIIci用に995ドルで出荷すると発表している。同じような製品を発表するサードパーティが増えてきそうだ.
 CPUやメモリなどが高速化したため,CPUとI/Oサブシステムでクロック信号を分離した。この意味は大きい.今後,33MHzの68030などを搭載した高速マシンの開発に際して,I/Oサブシステムを最初から開発し直す必要がないからだ。

ビデオボードを専用チップ化し,メインメモリをフレームバッファとして使用
 高速化を徹底するために,前述のようにビデオボードの機能を基板上に集積した。現行のIIファミリーは,NuBus対応のビデオボード上のVRAMをアクセスしていたため,表示速度はNuBusの転送速度などに依存していた.
 これに対してIIciは,メインメモリの一部をフレームバッファとして使うCPUがデータをダイレクトに書き込むため,描画速度が格段に向上した.この機能を実現するために,新たにビデオコントローラ(RBV:RAM-Based Video)とメモリコントローラ(DAC:Digital-to-Analog Converter)を開発し,基板にレイアウトした(写真2).
 基本機能は、既存の8bitカラービデオボードと同等だ。つまり,1670万色から最大256色が同時表示できる.ところが,速度が向上した代わりに制約もできた.メインメモリ上にフレームバッファの領域を確保するため,ユーザーエリアが少なくなってしまったのだ。たとえば,標準の13インチカラーモニタ(640×480ドット)の8bitモード(256色表示)を選択すると,300Kbytes以上のメモリが必要になってしまう。1Mbytesの最小メモリ構成では,ユーザーエリアはほとんどない.だから,1Mbytes搭載モデルではモノクロ表示しかできない。しかし日本では最小構成が2Mbytesであるため,こうした制限は設定されていない。ちなみに,このバッファサイズはコントロールパネルのcdevであるMonitersで変更できる.もちろん、既存のビデオボードをNuBusに装着することも可能だ。この場合は,従来と同じようにビデオボード側のVRAMを使う.
 モニタポートに対応するモニタは,同社の13インチカラー,12インチモノクロ,15インチ縦型モノクロの3タイプ.他社製モニタは、アップル純正のビデオボード対応品であれば接続できる.

ROM512Kbytesl拡張し,32bit仕様に移行
 MacファミリーのコアであるROM内ルーチンには大幅に手を加えた.現行のIIファミリーは機器に依存する部分の違いこそあれ、すべて256Kbytesの容量を持つ。これに対してIIciは2倍の512Kbytesになった。拡張した主な部分は,まず,前述のビデオ回路用ドライバ,バーストアクセスモードやRAMキャッシュに対応するルーチンを加えた.
 しかし、最も大きい拡張点は,68030の32bitアドレスに対応したことだ.既存のMacOSは,68000のスペックである24bitアドレスでデータの受け渡しをしている.このため,CPUは32bitだが内部は16bitマシンと変わらないという仕様だった.IIciでは,32bitアドレスに対応するメモリマネージャを新たに付加し,完全な32bitマシンとしてのスペックを実現した.しかし,このままでは現行ソフトが動作しないため,24bitのメモリマネージャもROMに残している.さらに,ディスクベースで供給していた32bitQuickDrawのパッチプログラムなどもROMに内蔵し,システムプログラムのRAM占有率の低減を図っている.
これらの機能をフルに使うには,'90年初めに発表予定のSystem7.0が必要になる.

互換性は保たれているが,Inside Macintosh逸脱したソフトはもちろん動作しない
 68030の諸機能とSystem7.0の環境を前提にしているにもかかわらず,IIciの互換性は意外に高い。ROMのToolBoxルーチンのうち,特定のアドレスを物理的に参照するようなアプリケーションでも動作するものがある。アップル社は,ずいぶんと苦労したことだろう.
 しかし基本的には,Inside Macintoshで規定しているプログラミングマナーに反するアプリケーションは,動作しなくてもともとだと考えたほうがいい。この種のソフトは減少傾向にあるから,ヒット率はそう高くないだろう.

速度はIcxに比べて25%以上の速さ
 ベンチマークは,予想通りに順当な結果が出た.IIcxに比べて20~25%は速い.もちろん,キャッシュメモリを装着すればこの差はさらに広がるだろうが,未装着でも速さは実感できる。一見すると,IIcxのクロック周波数に約9MHzほど上乗せしただけのようなIIciだが,実力はそこそこに現われている.システム全体を見直した数値としては,なんとか合格点を与えられるだろう.
 ウィンドウのオープン描画に代表されるようなマウスの操作感はすこぶる良好だ。いかにも高速マシンを使っているという体感が得られるだろう.GUIベースのマシンとしては,現在のところトップランクに位置すると思う.
 価格は,IIcx(4MbytesRAM+80MbytesHDD)の119万8000円に対して,IIci(同)が149万8000円。速い分だけ高いという公式にピッタリとはまる。ただし,別売のビデオボードが必要なIIcxは,モノクロ表示ボードでも10万円をプラスしなければならない.カラー表示となると,価格差はいきなり20万円以下になってしまう.将来性という点では文句なくIIciだが,実勢価格ではまだまだIIcxの魅力は落ちていない。難しい選択だ。ポイントは,IIcxは現行Macファミリー最後のマシンという位置付けにあることだ.IIciは,次世代ファミリーへの架け橋的な存在と見るのが妥当だろう.最終的には,“今”を取るか,“将来”を取るかという選択になるだろうか.

インテルが32bitの80386と80486を出し、80386マシンが一般市場に現れたときアップルも32bitの68030マシンを市場に投入した。アップルも互換性維持に苦労していたようだ。また32bitマシンなのに既存のMacOSではアドレス24bitでデータの受け渡しをしていたとはなんとも情けないが価格を考えると仕方のないことだったのか。価格が119万8000円とか高価すぎるのも仕方がないことだったのだろう。趣味でこのマシンんを買った知人はいなかった。

日本IBMのハイレゾマシン PS/55Z
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日本IBMのハイレゾマシン PS/55Z
 日本IBMは,PS/2互換日本語PC「PS/55Z 5530Z SX」と,「PS/55モデル5530Z」の上位機「同5530T」を発表した(以下Z SX,30Z,30Tと略す).
 ともに,'89年3月号で紹介した,80286搭載機30Zの32bit版ともいえるスペックを持ち,スタイルもほぼ同じである。というと,単なる上位機種のように聞こえるが,それは30Tのみで,ZSXは大幅な値下げと,サービス体制の強化を行ないパーソナル分野への本格参入マシンとして販売していく(表1).
 東芝のJ-3100SSは,低価格のラップトップ型MS-DOSマシンとしてヒットした.このZSXは,デスクトップ型MS-DOSマシンの世界に,SSと同様の切り込みを行なう製品である。

CPUとメモリを増強した上低価格化を実現
 Z SXは,32bitCPU,MCAなどPS/2の機能と日本語機能,高機能ディスプレイを一体化し,特にFDDモデルでは39万8000円という低価格を実現している.
 まず,CPUには,386SXを採用,クロック周波数は16MHzノーウェイトで,数値演算プロセッサの387SXをオプションで実装できる.
 メインRAMは,標準で2Mbytesを装備。1Mbytesまたは2Mbytesの拡張RAMボードを専用コネクタに付けることによって,合計で内部に最大4Mbytesまで拡張できる.さらに,拡張スロットを利用すれば,最大16Mbytesまで増設は可能だ。
 これらのメモリは,MS-DOSからはHMSやEMSで利用でき,アプリケーションのデータ領域や,RAMディスクとして利用することができる.
 Z SXには,その構成によってS02/S03/S06という3つのモデルがある.SO2はフロッピーモデルで,3.5インチのFDDを2台装備している.S03とS06はハードディスクモデルで,FDDを1台と,30/60MbytesのHDDを標準装備している.
 30Zでは,ドライブが2台までしか内蔵できない構造だったため,FDD2台+HDDを内部に実装することはできなかったが,Z SXでは薄型ドライブを利用することにより,これを可能とした。つまり,フロッピーモデルのSO2に,あとからハードディスクを追加することやハードディスクモデルのS03/06にFDDを1台追加することができる.
 FDDは,従来のPS/2やPS/55シリーズと同様のもので,IBMの3.5インチ2HDと2DDフォーマットのディスクを読み書きできる.2HDはフォーマット時に1.44Mbytesの容量を持ち,PC-9801など,日本のMS-DOSマシンの3.5インチフォーマットと異なるため,おたがいに読み書きはできない。データの交換は2DDフォーマット(9セクタ)で行なうことになる(表3).
 ところが,今回,1.44Mbytesの読み書きに加え,1.2Mbytesの2HDディスクの読み取りができるFDDが開発され,ZSXのオプションとして発売となった。残念ながら,本体に標準実装のドライブは従来どおりだが,S03とS06の増設用ドライブでは,1.2Mbytesの2HDディスクを読み取り可能となるわけだ。書き込みもできれば最高だが,これだけでもPC-9801シリーズなど国産マシンとのデータのやりとりが軽くなる.

ハイレゾリューション文字もグラフィックスも高品質で
 VRAMは512Kbytesを標準実装し,ディスプレイとして12インチの高精細CRTを内蔵している.
 英語モードでは,MCGA/VGAモードに対応し,320×200ドット256色や640×480ドット16色での利用が可能。もちろん,EGAやCGA用のアプリケーションも利用できる.つまり,IBM PCやPS/2用として欧米で販売されているアプリケーションやゲームソフトが,そのまま走るわけである.
 日本語モードでは,24ドットフォントによる漢字を41文字×24行表示可能.英数字は12×24ドットで82文字×24行を表示できる。グラフィックは,1024×768ドット16色の表示が可能。この16色には,26万色中から任意の色を選択して割り当てることができる。
 さらに,内蔵のビデオカードに「表示装置拡張キット」という512KbytesのVRAMボードを増設すれば,1024×768ドットで26万色中256色が利用できる.スーパーVGAと呼ぶそうで,CG用ソフトやCADソフトがより高機能に利用できる.VRAMの搭載されたビデオカードは,MCAスロットの1つに実装されており,ディスプレイ用コネクタは背面に出ている.ここに,CRT側から下がっているケーブルを接続するようになっている。内部で直結されていないため,他社製の大型ディスプレイを接続することも可能だ。
 背面には,このほかに,キーボード,マウス,RS-232C,プリンタの各コネクタが並ぶ。残念ながら,キーボードとマウスは本体価格に含まれていないため,オプションの中から好みのものを選択して購入する必要がある。キーボードは3種類,マウスは2種類から選択できる.RS-232Cコネクタは,従来と同様に本体側がオスの25ピンコネクタなので,一般的なコネクタはそのままでは利用できない。片方がメスのコネクタか変換ソケットを利用する必要がある.
 プリンタは,通常のセントロニクスコネクタではなく,RS-232Cと同様の25ピン型だが,こちらはメスである。同社やプリンタメーカーの専用コネクタが必要だ。

マイクロチャネルのスロットを2個内蔵PS/2用ボードも利用可能
 拡張スロットはPS/2と同じMCA(マイクロチャネル仕様)の16bitスロットを2個実装フルサイズの拡張ボードを装着して利用できる.つまり,ソフトウェアだけでなく,拡張ボードに関しても欧米で発売されているMCAの拡張ボードがそのまま利用できるわけである。
 本体の構造は,30Zより簡素化されており,やはりドライバなしで開くことができる.ただ,開き方は30Zの「ボンネット型」とは異なり,メインユニットを後方に引っ張り出す形である.
 CRTケーブルを外し,黒いネジを指で回してそのまま後ろに引けば,ガバッとユニットが出てくる。システムボードへの電源用コネクタが前方にあるが,引けば抜けるようになっている.
 このユニットには,CPUが実装されているメイン基板が底にあり,FDD,HDDがその上に設置されている。電源はCRTのある本体側だ.
 メイン基板のコネクタからMCAコネクタボードが縦に出ており,そこには3つのスロットが出ている.一番上には前述のビデオボードが実装されており,その下の2つをユーザーが利用できる.写真を見ても分かるとおり,奥行き一杯にスロットがあり,フルサイズの拡張ボードに合わせた奥行きということもできる.
 FDD,HDDともにユニットの端のカードエッジをコネクタに差せば実装できるようになっており,増設時も電源ケーブルや信号用ケーブルを引き回す必要はない。特にHDDには,取り付け,取り外し用の道具が付属しており,より簡単である.

MS-DOSはVer.4.01にそして,ついに登場日本語Windows
 本体には、2枚のディスクと入門マニュアルが付属している。スタートディスケットには,「ようこそ5530Z SX」という入門ソフトウェアが入っており,マシンの各部名称やキーボードの利用方法などが学習できる.
 リファレンスディスケットには,これまでのPS/55シリーズに付属していたものと同じく、装置構成の設定や,MCAの各種設定を行なうセットアッププログラムと,クイックリファレンスが入っている.OSは,同時に発売した「IBM DOS Ver.J4.01」を利用する.HDDモデルでは,DOSをインストールして出荷するSJ3,SJ6というモデルもある。これらを購入すれば,電源を入れてすぐにハードディスク環境でMS-DOSが利用できることになる.
 このMS-DOSは,4.0と同様にEMS方式のメモリ拡張や,DOS Shellと呼ばれるビジュアルシェルを持つ。そして,システムをリブートすることなく,英語モードと日本語モードを切り替えることができる.
 なお,ZSXには必ずVer.J4.01が必要で,J4.00では動作しない.また,標準で単漢字変換のドライバが付属するが,より効率的な日本語入力を行ないたい場合は,単文節または連文節の変換ドライバソフトや,日本語入力FPを内蔵するアプリケーションを購入する必要がある。ちなみに,VJE-βのVer.2.5も発売の予定.日本語のアプリケーションは,PS/55用のものが動作可能で,一太郎Ver.4.3や花子Ver.2も発売となる.
 そして、ついに待ちに待った,日本語モード用のWindows「日本語MS-Windows Ver.2.1」が発売となる.英語版のMS-Windows/286 Ver.2.1に対応するもので,AXマシンと同様,高速な動作が 期待できる.詳細は不明だが、完成し次レポートをお伝えしたい.また,Windows用アプリケーションとして,日本語版のExcelとGuideも日本IBMより発売となる予定である.


(中略)
新潮流の核となれるか
 価格を見ると,FDDモデルの価格が目を引く。ハイレゾリューションの表示機能を別にして考えても,PC-9801でいうと,ES2(44万8000円)400Kbytesのメモリとディスプレイを足した(約10万円)スペックとなる.キーボードとマウスの価格を入れても,標準価格合計で10万円は安く利用環境が揃うことになる.
 386搭載のハイレゾマシンは,PC-9801ではRLとなる(73万5000円),クロックが20MHzと速く,ノーマルモードも搭載しているという点はあるが,ハイレゾ用ディスプレイの価格は20万円近いので,Z SXは合計の半額だ.
 さて,386SX搭載の低価格マシンというと、ソニーのQuarterLが有名だが,FDD2台のモデルはメモリが1Mbytesで34万8000円.1Mbytesのメモリとディスプレイを加えると,53万8000円となる.ただし,本体にはMS-DOSとWindowsが付属するので,価格差は5万円程度になる。もちろんATバス対MCAバスという差や,24ドットフォント,グラフィックスなど,差はあるが,Z SXも,キーボードと基本ソフト込みで,この値段を実現してほしかった気もする.
 それにしても,ZSXは、冒頭で述べたように,デスクトップマシンのブロックバスターとなる可能性が高い。あとは,どれくらい安心して,PC-9801/286の代わりに購入できるかという点で,ユーザーを獲得できるかどうかだ。アプリケーションの拡充と,各種サポートの充実に力を注いでほしい.

ああ確かにIBMのマシンには英語モードと日本語モードに切り替えて使う機能が付いていた。IBMのマシンは分析機器に繋がっていたので英語モードのみで使っていた。日本語が使いたければPC-9801とエプソンの互換機を使っていたので、IBMのマシンで英語日本語を切り替えてまで使う必要はなかった。IBMのマシンを使わなければならない事業所は英語日本語を切り替えて使っていたのかどうかはそういう知人が居なかったので知らない。
 私がハイレゾマシンを使ったのはエプソンのPC-486GRからだったが、ディスプレイに24ドットの明朝フォントが表示される環境を知ってしまうともう16ドットのフォントを表示させて使う気にはならなかった。









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その他ハード、COMDEXレポート(月刊ASCII 1990年1月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSをスクラップする。

富士通,日立,三菱の3社がTRON仕様のマイクロプロセッサGMICRO/3000を開発
ASCII1990(01)b05富士通日立三菱TRONマイクロプロセッサ_W520.jpg
まだTRONは死んでいなかった。

富士通,米社と次世代超LSIで提携
ASCII1990(01)b12富士通次世代超LSI_W501.jpg

東芝,世界最高速のガリウム砒素ICを開発
ASCII1990(01)b14東芝世界最高速ガリウムひ素_W500.jpg

東芝が最大10万ゲートの回路構築が可能なゲートアレイを発売
ASCII1990(01)b05東芝10万ゲート_W520.jpg
日本企業の研究開発部門はまだ世界に遅れをとってなかった。

三菱電機が最大アクセス時間100nsの4MbitEPROMを発売
ASCII1990(01)b05三菱4MEPROM.jpg

富士通,宇宙用機器仕様の16KbitPROMを開発
ASCII1990(01)b14富士通宇宙用16KbitPROM_W500.jpg
H3ロケット2段目着火せずに失敗したわけだが、2段目エンジンは従来品なので信頼性が高いが、それを制御するための電子回路に問題があったと予想している。物凄い振動でエラーを起こしたのかもしれない。プログラムにミスがあった可能性が高いのではないか。日本の半導体技術、回路設計の技術は落ちたものだ。これは、日米半導体協定がすべての元凶だと思っている。33年前は世界の先頭を走っていたのだから。

日立マクセル,8MbytesROM内蔵のメモリカードを開発
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IBM,マルチプロセッサWSの試作品を開発
ASCII1990(01)b12米IBMマルチプロセッサWS試作_W499.jpg

VLSIが80286/80386ベースのPC/AT用チップセットを発売
ASCII1990(01)b05VLSIが80286/80386.jpg

Conner Peripherals,小型HDD4機種を発売
ASCII1990(01)b04Conner小型HDD_W504.jpg
2.5インチと3.5インチのHDDを発売した。

緑電子が90MbytesHDDなどを発売
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Professor S90が19万8000円

アイテックがハードディスク6機種を発売
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IT H-45Rが16万5000円。

日本ビクター,1インチ高の80MB3.5インチHDDを開発
ASCII1990(01)b10日本ビクター80MHDD_W497.jpg
日本ビクターでもHDDを作っていた。

日本システムハウス,2.3Gbytesストリーマを発売
ASCII1990(01)b04日本システムハウス2.3Gストリーマ.jpg

マイクロコア,ファミコン用通信アダプタを開発
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パソコン通信ではなくファミコン通信というわけか。使っている人は知らなかった。

岩崎技研工業,3.5/5/8インチ間メディアコンバータを発売
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52万8000円もするこの機械はどんな機械だったのだろうか。

リコー,マイクロチャネル対応LANボードを発売
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カノープス電子,ビデオ信号取り込みボードを発売
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この製品ではないがカノープスのビデオキャプチャーボードを職場でも家庭でも使っていた。

日電,S-VHS方式のパソコン対応ビデオを発売
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富士フィルム,電動2倍2焦点の電子スチルカメラを発売
ASCII1990(01)b08富士フィルム電子スチルカメラ_W495.jpg
まだデジタルカメラとは言ってなかった。

富士フィルム,カメラ型の複写機を発売
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一見プロジェクターと思わせる形だがカメラであった。

ニコン,フルカラープリンタを開発
ASCII1990(01)b04ニコンフルカラープリンタ_W499.jpg

日電HE,PC Engine関連製品を発売
ASCII1990(01)b06日電PCEngine関連製品_W502.jpg

三洋電機,複数の辞書を内蔵した電子辞書を発売
ASCII1990(01)b08三洋電子辞書_W505.jpg
ハイパー電子辞書(愛称:アンサーマン)の価格は3万4800円。月産1万台を計画。

カシオ,C言語も使えるポケコンを発売
ASCII1990(01)b04カシオC使えるポケコン_W515.jpg
FX-870Pの価格は2万8000円。
電卓に毛の生えた端末でC言語を使うのがわからない。BASICで十分だろう。

三洋電機,世界最高効率の太陽電池を開発
ASCII1990(01)b08三洋太陽電池_W495.jpg

COMDEX Fall'89の速報レポートをスクラップする。

■EISAマシンがいよいよ登場
 '90年代のMS-DOS系マシンを占う上で注目されるものの1つとして,32bitバス規格の行方がある.本家のIBM社は,PS/2シリーズで従来のATバスとはまったく互換性のないMCA(Micro Channel Architecture)を採用した.これに対して,Compaq社を中心としたクローンメーカーは新しいバス規格EISA(Extended Industry Standard Architecture)でIBM社に真っ向から対決する姿勢をとっている.EISAバスは,従来のATバスボードでもなんら変更なく使用できるという特徴がある.今回のショウにはEISA規格のマシンやボード類が多数発表され,MCA対EISAの対立がいよいよ表面化してきた.
 両陣営のリーダーであるIBM社,Compaq社のブースでは,それぞれの規格のボードを一堂に介して展示するなど、かなり相手を意識した内容となった。現時点では,スタートの早かったIBM社のほうが,ボードの数ではEISAの一歩先を行っている感じだが,EISA陣営の追い上げは急だ.今後,どちらの規格が市場を制するかは予断を許さない.

■486マシンが各社から発表される
 現在の米国PC市場の主力マシンは,20~33MHzの386ベースPCだ。486は基本的な機能は386とほぼ同じ。速度は,386に比べて内部キャッシュメモリなどの拡張がなされている分だけ速くなった程度のもの。それでも,より高速な上位コンパチマシンに対する要求は強い.また,'89年10月に発見された486の演算命令のバグは,出荷を多少遅らせた程度で全体的なスケジュールには影響を与えなかったようだ.
 Intel社によると,現在200社以上が486をベースにしたマシンを開発しているという.25MHz版486(前述のバグを取り除いたもの)は884ドルで出荷中.33MHz版は今年末にもサンプル出荷を開始し,'90年第2四半期から正式出荷する.今回発表された486マシンは,いずれも'90年初頭の出荷開始が予定されている.

■米国でもブームのラップトップマシン
 米国でも,ラップトップ型PCはブームになっている.一時期はやりかけた高性能ポータブルよりも,より小型化されたものに人気は移っているようだ。その最右翼に位置するのがPoqet Computer社のThe Poqet PC.単3電池2本で100時間も動作できるとあって注目を集めた.
 ラップトップの元祖的存在の東芝は,DynaBookの米国仕様「T1000SE」を発表した.日本同様に,人気を勝ち取れるかが見ものだ.Zenith社やCompaq社などの米国企業もラップトップを重要戦略製品にあげているが,現時点ではLCDの製造技術などの点で日本企業が優位に立っている

■マルチメディアが新たなるフロンティアに
 米国のソフト市場において,マルチメディアが新しいフロンティアになりそうだ。最近マルチメディア戦略を次々と打ち出しているIBM社は,LinkWayによるアプリケーションのデモや,ウィンドウ内でライブビデオを表示するシステムなどを展示した.マルチメディアに対する本格的なサポート体制を整えつつある.Intel社のDVIグループは,DVIオーサリングツールを発表したこのシステムは,CEIT Systems社が開発したもので,「Authology」と呼ばれるソフト.DVIアプリケーションの開発を容易にするものとして注目される.
 ソニーは,書き込み可能な(リアルタイムプレス)CD-ROM開発ユニットを発表した。ヤマハの現行システムとほぼ同機能のものだが,メディアの価格などの点で優れているといわれる.
(ザイロンコーポレーション代表 脇山 弘敏)


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33年前次世代バス規格争いが注目されていた。技術の進歩が速いため争っている間に次の次世代パス規格へと突入した。
記事では486CPUを低評価していた。ワイヤードロジックにしたことの評価やキャッシュの増加の効果を甘く見ていた。486は内部クロックを倍速にするなどどんどん高速化していった。
マルチメディアの原型はこのときすでにできていた。
この業界日本が遅れをとるなんて33年前は想像できなかった。

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パソコン、ワープロ、ソフト他(月刊ASCII 1990年1月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSをスクラップする。

東芝,ブック型コンピュータを欧米で発売
ASCII1990(01)b12東芝T1000SE欧米で発売_W501.jpg
T1000SEとしてJ-3100SSダイナブックを海外向けで販売した。国内販売が先だった。

リコー,OS/2搭載のMr.マイツールGXを発売
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名前からワープロかと思ったら175万3000円もするワークステーションといってもいい機械だった。

日本DEC,ワークステーションの新機種を発売
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VAXstation3100モデル38/48は238万円からでワークステーションとなるとこの価格だ。

日本ユニシス,RISCプロセッサ搭載のEWSを発売
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価格は196万円から。エンジニアリングワークステーションとはどんなものか分からない。

書き文字入力の可能なコンピュータが発売
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米GRiD Systems社のGRiDPad。今のタブレットだ。33年前に既に商品として存在していた。

カシオが高速印刷プリンタ搭載のワープロ2機種を発売
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カシオワードHW-3000が16万8000円。パソコン+ワープロソフト+プリンタの機能がこの価格でしかも印字は高品位で綺麗な仕上がりを望むのであればワープロ専用機の方がコストパフォーマンスが良かった。
綺麗な印刷物を欲しい人はパソコンを持っていても、高品位印字ができるプリンタを買うよりもワープロ専用機の方が安いので買っていた。

リコーがA4ファイルサイズなどのワープロ2機種を発売
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マイリポートNL-1が17万8000円。

東芝が日本語ワープロRupoシリーズに4機種を追加
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Rupo JW98HDが22万8000円。

富士通がA4ファイルサイズ・2kgのワープロを発売
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OASYS30ADが15万8000円。単三乾電池5本で約3時間の連続使用ができる。

シャープ,ワープロ「ミニ書院」シリーズに2機種を追加
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WD-A900が19万8000円。

リコー,40MbytesHDD搭載のワープロを発売
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リポート54000シリーズ価格は77万8000円~154万8000円

アンテナハウス,ワードバンクとMS-DOSコンバータを発売
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パソコンで作った文書を綺麗に印刷するためにワープロにデータを移すこともあった。

マイクロウェアがOS-9の上位互換を持つOS-9000を発表
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OS-9だがマルチタスクはまだしもマルチユーザーは1人1台だった一般パソコンユーザにはまったく支持されなかった。その上位互換で複数のプロセッサに対応してもOS/2やUNIXには対抗できなかったのではないか。

ライフボートが最大16Mbytesまでメモリ拡張ができるDOS/16Mを発売
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DOSエクステンダー使ったような気がするけど価格が48万8000円なのだから記憶違いだろう。
これで開発したアプリケーションを使ったのかな。

立石電機が社名を変更,新社名はオムロン
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単なるメモ代わりのスクラップ。

ソフトハウスの50%以上が日本語入力FPにVJEを使用
ASCII1990(01)b16ソフトハウス50%以上がVJE_W520.jpg
この記事の意義が分からない。ソフトハウスが何を使っていようが、製品アプリケーションにはATOKが一番多いというグラフを見ると見出しの選択が誤っていると感じられる。

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パソコン広告(月刊ASCII 1990年1月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

もう一度読み返し、スクラップする。

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裏表紙はTOWNSだが、相変わらずパソコンよりアイドルの方が大きい。

ASCII1990(01)見開_W520.jpg
ダイナブックに対抗して出した98note。前号の使いまわし。好調な売れ行きだったと思う。

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PC-8801mc。CD-ROM搭載機。富士通のTOWNSが出たので出したという印象だ。日電は先進という言葉がないのか。

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PC-8801FE2。外付けのCD-ROMを出した。

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ASCII1990(01)a03モデム川越美和_W193.jpg
NECのモデムの広告に川越美和が小さく載っていた。なぜアイドルを起用しながら扱いが小さいのか。NECの周辺機器の広告は良く分からない。

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右頁がPancomM LAPTOPの広告で前号の使いまわし。

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X68000。

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X68000の周辺機器の広告は前号の使いまわし。

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左頁がカシオの電子手帳DK-5000の広告。単純にRS-232C接続じゃなくFA-110というインターフェイスボックス(11,000円)を嚙まさなけれがならなかったようだ。

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ダイナブック。

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右頁がPS/55Z。「3年先が見えますか」だから1993年のことか。80386XS(16MHz)では3年先は見えないと思う。このころのCPUの変遷速度は速かった。

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FMTOWNS。

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FMTOWNS前号の使いまわし。

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FMTOWNS前号の使いまわし。

ASCII1990(01)a13TOWNSFM77AV40SX_W520.jpg
左頁がTOWNS、右頁がFM77AV40SX。前号の使いまわし。

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FMRのラインナップが増えている。

ASCII1990(01)a15PC386SX_W520.jpg
EPSONの PC-386LS他。機種が増えている。

ASCII1990(01)a16PC386V_W520.jpg
EPSONの PC-386V他。前号の使いまわし。

ASCII1990(01)a17PC286note_W520.jpg
左頁がEPSONのPC-286 NOTE executive。前号の使いまわし。

ASCII1990(01)a18WORDBanknote2_W520.jpg
左頁がEPSONのWORD Bank note2。
右頁がエプソンのタッチ&ハートフェア。

ASCII1990(01)a19NeXT_W520.jpg
NeXT。「10年後のコンピュータの姿が見える」残念。10年後NeXTは無かった。

ASCII1990(01)a20NAVI_W520.jpg
キヤノンのNAVI。前号の使いまわし。

ASCII1990(01)a21AXi_W520.jpg
マイクロソフト(株)代表取締役社長の古川亨氏が出ていたキヤノンのAXパソコンの広告は前号の使いまわし、

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アップルとキヤノンの共同によるMacの広告。

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キヤノンのレーザーショット。

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キヤノンのバブルジェットプリンタ。

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横河・ヒューレットパッカードが関数電卓。工学系の知人がYHPの電卓を使っていた。
この頃の電卓のキーはどうだったのだろうか。初期のころは独特のキーで押した感触が良かった。

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ソニーのLAN の広告と言ったらいいのか。

ASCII1990(01)a27QuaterL_W520.jpg
ソニーのQuaterL「ネットワークマシン、クォーターエル。前号の使いまわし。

ASCII1990(01)a28NEWS_W520.jpg
こっちのNEWSは新しい広告

ASCII1990(01)a29キヤノン募集広告_W520.jpg
キヤノンソフトウェアの募集広告をしていた。学卒初任給が16万6000円だった。
募集要項は前号と同じ。

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左頁がAMIGA 500の広告。CPUは68000で129,800円と安価だった。これを持っている人は周りにいなかった。

ASCII1990(01)a31一太郎dash_W520.jpg
一太郎dash。私はDynaBookではワープロ、表計算等の事務用アプリケーションはつかわなかった。デスクトップと比べ性能が劣るノートパソコンで事務処理をするのは考えられなかった。

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花子の広告。

ASCII1990(01)a33Lotus1-2-3_W520.jpg
ロータス1-2-3の広告は前号の使いまわし。

ASCII1990(01)a34LotusFreeLance_W520.jpg
ロータスのFreelanceの広告は前号の使いまわし。

ASCII1990(01)a35TURBOPASCAL_W520.jpg
右頁はボーランドのTURBO PASCALの広告。ボーランドの製品が気に入ってバージョンアップに付き合ってきた。

ASCII1990(01)a36MultiplanExcel_W520.jpg
左頁がMultiplan、右頁がExcel。
キャッチコピーはMultiplanが「マルチプランを奨めてくれたのは営業成績No.1で4切れ者と評判の先輩でした。」だから過去の実績をアピールしていた。Excelは「エクセルを奨めてくれたのは、時代に高感度でスピード昇進の上司でした」だから未来はエクセルになるとアピールした。

ASCII1990(01)a37桐_W520.jpg
管理工学研究所のデータベースソフト桐は前号の使いまわし。

ASCII1990(01)a38桐_W520.jpg
この桐も前号の使いまわし。

ASCII1990(01)a39松_W520.jpg
n松は前号の使いまわし。

ASCII1990(01)a40エコロジーノストラダムス_W520.jpg
エコロジーII、オーシャノグラフィーII、ノストラダムス98の広告。
漫画部分をスクラップする。
ASCII1990(01)a40エコロジーII漫画_W520.jpg
ASCII1990(01)a40オーシャノグラフィーII漫画_W520.jpg
ASCII1990(01)a40ノストラダムス漫画1_W520.jpg
ASCII1990(01)a40ノストラダムス漫画2_W520.jpg

ASCII1990(01)a41三菱募集広告_W520.jpg
三菱もアスキーに募集広告を出していた。
ASCII1990(01)a41三菱募集要項_W520.jpg
学卒で初任給が16万4000円。
初任給ではダイナブック(198,000円)、98note(24万8000円)は買えなかった。

ASCII1990(01)a42ツクモ_W520.jpg
ツクモ電機の広告。パソコンショップでASCIIのカラーページに広告を掲載しているのはツクモだけだった。

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裏表紙裏はFUJI FILMのフロッピーディスクで前号の使いまわし。

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表紙・裏表紙・見返し広告一覧(月刊ASCII 1990年) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

1990年の広告は、前年に引き続き裏表紙を富士通が、表紙見返しをNECが独占した。
裏表紙はすべてTOWNSだった。
ASCII1990(01)表裏_W520.jpg
裏表紙は相変わらずパソコンよりアイドルの方が大きい。

ASCII1990(02)表裏_W520.jpg
裏表紙は前号の使いまわし。

ASCII1990(03)表裏_W520.jpg
この号も裏表紙は前号の使いまわし。

ASCII1990(04)表裏_W520.jpg
この号も裏表紙は前号の使いまわし。

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裏表紙は宮沢りえの全身像。

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この号の裏表紙は前号の使いまわし。

ASCII1990(07)表裏_W520.jpg
裏表紙の宮沢りえのカットが変わった。衣装は同じだったけど。

ASCII1990(08)表裏_W520.jpg
裏表紙の宮沢りえが小さくなった。

ASCII1990(09)表裏_W520.jpg
裏表紙は前号の使いまわし。

ASCII1990(10)表裏_W520.jpg
この号も裏表紙は前号の使いまわし。

ASCII1990(11)表裏_W520.jpg
この号も裏表紙は前号の使いまわし。

ASCII1990(12)表裏_W520.jpg
裏表紙が新しくなったが。宮沢りえが益々大きくなった。
結局
裏表紙ではTOWNSよりも宮沢りえの印象が強かった。

表紙見返しの広告はこの年もNECが独占した。
ASCII1990(01)見開_W520.jpg
98noteだった。好調な売れ行きだったと思う。

ASCII1990(02)見開_W520.jpg
98noteのイメージキャラクターは大江千里だった。

ASCII1990(03)見開_W520.jpg
NESAの正体。なんだったんだか分からない。

ASCII1990(04)見開_W520.jpg
98noteと大江千里。

ASCII1990(05)見開_W520.jpg
PC-9801T。覚えていない。

ASCII1990(06)見開_W520.jpg
前号の使いまわし。

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98noteSX。80286を飛ばして80386マシンだった。448,000円は高くないか。

ASCII1990(08)見開_W520.jpg
前号の使いまわし。

ASCII1990(09)見開_W520.jpg
前号の使いまわし。

ASCII1990(10)見開_W520.jpg
98NOTEと大江千里。

ASCII1990(11)見開_W520.jpg
前号の使いまわし。

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HANDY98。覚えていない。
結局1年間デスクトップの見開き広告はなかった。1990年はノートパソコンが主役となった年としていいか。

裏表紙裏はこの年も全月FUJI FILMのFDだった。
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1月号は前号の使いまわし。

ASCII1990(02)裏裏_W260.jpg
2月号も前号の使いまわし。

ASCII1990(03)裏裏_W260.jpg
3月号も前号の使いまわし。

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4月号からFUJI FILMのFDもイメージキャラクターを使った。
ASCII1990(04)賀来千香子_W520.jpg
賀来千香子だった。

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5月号は前号の使いまわし。

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6月号も前号の使いまわし。

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7月号も前号の使いまわし。

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ASCII1990(08)賀来千香子_W520.jpg
8月号は賀来千香子の別のショットになった。

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ASCII1990(09)賀来千香子_W337.jpg
9月号は賀来千香子が小さくなった。

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10月号は前号の使いまわし。

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11月号も前号の使いまわし。

ASCII1990(12)裏裏_W260.jpg
12月号も前号の使いまわし。

ASCII裏表紙、表紙見返し掲載メーカー・機種


裏表紙表紙見返し
年月会社機種会社機種
1980年1月号NECPC-8001EPSONTP-80E
1980年2月号NECPC-8001EPSONTP-80E
1980年3月号NECPC-8001EPSONTP-80E
1980年9月号NECPC-8001EPSONTP-80E
1981年1月号NECPC-8001EPSONMP-80
1981年8月号NECPC-8001AppleAppleII
1981年9月号NECPC-8001AppleAppleII
1981年10月号NECPC-8001AppleAppleII
1981年11月号NECPC-8801AppleAppleII
1982年1月号NECPC-8801AppleAppleII
1982年2月号富士通MICRO8AppleAppleII
1982年3月号NECPC-8801AppleAppleII
1982年4月号富士通MICRO8AppleAppleII
1982年5月号if800AppleAppleII
1982年6月号富士通MICRO8AppleAppleII
1982年7月号if800AppleAppleII
1982年8月号富士通MICRO8NECN5200
1982年9月号if800NECN5200
1982年10月号富士通MICRO8NECN5200
1982年11月号if800AppleAppleII
1982年12月号富士通FM-7AppleAppleII
1983年1月号if800AppleAppleII
1983年2月号富士通FM-7NECN5200
1983年3月号if800NECPC-8001mkII
1983年4月号富士通FM-7NECPC-8001mkII
1983年5月号if800NECPC-8001mkII
1983年6月号富士通FM-7NECN5200
1983年7月号if800NECN5200
1983年8月号富士通FM-7NECPC-8000mkII
1983年9月号if800NECPC-8200
1983年10月号富士通FM-7NECPC-8801
1983年11月号富士通FM-11NECPC-8001mkII
1983年12月号富士通FM-7NECPC-9801F
1984年1月号富士通FM-XNECPC-8001mkII
1984年2月号富士通FM-XNECN5200
1984年3月号富士通FM-11NECPC-8001mkII
1984年4月号富士通FM-11NECN5200
1984年5月号富士通FM-11NECPC-9801E
1984年6月号富士通FM-77NECPC-9801F
1984年7月号富士通FM-77NECPC-9801F
1984年8月号富士通FM-77NECPC-8801mkII
1984年9月号富士通FM-77NECPC-8801mkII
1984年10月号富士通FM-77NECPC-PR201
1984年11月号富士通FM-77NECPC-9801F3
1984年12月号富士通FM-77NECPC-9801F3
1985年1月号富士通FM-77NECPC-9801M2
1985年2月号富士通FM-77NECPC-9801M2
1985年3月号富士通FM-11AD2+NECPC-9801M2
1985年4月号富士通FM-11AD2+NECPC-9801M2
1985年5月号富士通FM-11AD2+NECPC-9801M3
1985年6月号富士通FM-NEW7NECPC-9801M3
1985年7月号富士通FM-NEW7NECPC-98XA
1985年8月号富士通FM-NEW7NECPC-98XA
1985年9月号富士通FM-NEW7NECPC-9801VM2
1985年10月号富士通FM-NEW7NECPC-9801VM2
1985年11月号富士通FM-NEW7NECPC-9801VM2
1985年12月号富士通FM16πNECPC-9801VM2
1986年1月号富士通FM16πNECPC-9801U2
1986年2月号富士通FM16πNECPC-9801U2
1986年3月号富士通FM16πNECPC-9801VM2
1986年4月号富士通FM16πNECPC-9801VM2
1986年5月号富士通FM16πNECPC-9801VM2
1986年6月号富士通FM77AVNECPC-9801VM2
1986年7月号富士通FM77AVNECPC-9801UV2
1986年8月号富士通FM77AVNECPC-98シリーズ
1986年9月号富士通FM77AVNECPC-98シリーズ
1986年10月号富士通FM77AVNECPC-9801UV2
1986年11月号富士通FM77AVNECPC-9801UV2
1986年12月号富士通FM77AV40NECPC-98シリーズ
1987年1月号富士通FM77AV40NECPC-LT
1987年2月号富士通FM77AV40NECPC-98XL
1987年3月号富士通FMR-30NECPC-98LT
1987年4月号富士通FMR-30NECPC-98LT
1987年5月号富士通FMR-30NECPC-98LT
1987年6月号富士通FMR-30NECPC-98LT
1987年7月号富士通FMR-30NECPC-9801UV21
1987年8月号富士通FMR-30NECPC-9801VX21
1987年9月号富士通FMR-30BXNECPC-9801UV21
1987年10月号富士通FMR-30BXNECPC-98LT
1987年11月号富士通FM77AV40ENECPC-98XL2
1988年1月号富士通FM77AV40EXNECPC-LT
1988年2月号富士通FM77AV40EXNECPC-98XL2
1988年3月号富士通FM77AV40EXNECPC-98XL2
1988年4月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801UX21
1988年5月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801LV21
1988年6月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801LV21
1988年7月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801LV21
1988年8月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801LV21
1988年9月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801RA2
1988年10月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801RA2
1988年11月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801RX2
1988年12月号富士通FM77AV40SXNECPC-9801LS2
1989年1月号富士通FM77AV40SXNECPC-9801RX2
1989年2月号富士通FM77AV40SXNECPC-9801RX2
1989年3月号富士通FM77AV40SXNECPC-9801RL
1989年4月号富士通FM TOWNSNEC全12機種
1989年5月号富士通FM TOWNSNEC全12機種
1989年6月号富士通FM TOWNSNECPC-9801EX2,ES2
1989年7月号富士通FM TOWNSNECPC-98と88
1989年8月号富士通FM TOWNSNEC全14機種
1989年9月号富士通FM TOWNSNEC全5機種
1989年10月号富士通FM TOWNSNECPC-9801LX5C
1989年11月号富士通FM TOWNSNECPC-98DO
1989年12月号富士通FM TOWNSNECNESA
1990年1月号富士通FM TOWNSNEC98note
1990年2月号富士通FM TOWNSNEC98note
1990年3月号富士通FM TOWNSNECNESA
1990年4月号富士通FM TOWNSNEC98note
1990年5月号富士通FM TOWNSNECPC-9801T
1990年6月号富士通FM TOWNSNECPC-9801T
1990年7月号富士通FM TOWNSNEC98noteSX
1990年8月号富士通FM TOWNSNEC98noteSX
1990年9月号富士通FM TOWNSNEC98noteSX
1990年10月号富士通FM TOWNSNEC98noteSX
1990年11月号富士通FM TOWNSNEC98noteSX
1990年12月号富士通FM TOWNSNECHANDY98


機種が複数掲載されているときは、原則1写真付き、2写真の大きさ、3写真の配置が上位と思われるものを代表機種として記載した。
NECの全12機種は、PC98-RL, PC-9801RA2/5, PC-9801RX2/4, PC-9801VM11, PC-9801CV21, PC-9801UV11, PC-9801LS2/5, PC-9801LV22, PC-9801LV21, PC98LT, PC-88VA2/3, PC-8801MA2, PC-8801FE。
NECの全17機種は、PC98-RL, PC-9801RA2/5, PC-9801RX2/4, PC-9801VM11, PC-98DO, PC9801-ES2/5, PC-9801EX2/4, PC-9801UV11, PC-9801CV21, PC-9801LS2/5, PC-9801LX2/4/5 PC-9801LV22, PC-9801LV21, PC98LT, PC-88VA2/3, PC-8801MA2, PC-8801FE。
NECの全5機種は、PC-9801LS2/5, PC-9801LX2/4/5 PC-9801LV22, PC-9801LV21, PC98LT。



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新しい素子技術(月刊ASCII 1989年12月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特別レポート「新しい素子技術 限界を打ち破るための,素子技術開発前線」をスクラップする。
ASCII1989(12)d01新しい素子技術扉_W520.jpg
前書き
 コンピュータテクノロジーの今後を考えるうえで重要なのは、その基礎ともいえる素子集積の技術である.処理系の心臓部であるCPU,データを展開し,転送するメモリ部など,コンピュータの重要部分のほとんどは,半導体で作られた電子素子部品だ.
 最近,それらの中に,新しい開発コンセプトを持ったものが登場している超電導体を用いた素子,電子と光の性質を利用したメモリ,神経細胞の働きを応用したニューラルネットチップ.いずれも,処理の高速化・回路の高集積化などを目的に開発された新世代の素子たちである.
 本項では,今年の春から秋の間に各社から発表された新素子の技術について解説する.

編集部



素子はどこまで小型化できるか
 LSIもメモリも,極端ないい方をすればスイッチ回路の組み合わせである.初期の計算機が大量のリレーで作られていたのと同じように,ミクロンサイズのリレーが大量に集積されている.
 そのリレーの1つ1つが、電流を通す/通さないの処理を行なう.リレー1つに相当するのが集積回路の素子単位であり,このサイズがLSIなどのチップサイズを決定している。たとえば,現在の4MbitRAMでは、約5×5mmのチップ上に約800万個のトランジスタが集積されている.これでトランジスタ単位の大きさは1μmm最近では0.8μmmの素子も作られ始めており,俗にいうハーフミクロン以下,つまり0.5μmmや0.3μmmでの素子集積が考えられている。そうなれば,今のチップと同等のサイズで,2倍から3倍の集積率が実現できるわけだ.
 具体的にいえば,16bitの80286に周辺の回路部分(メモリや各種コントローラなど)を組み込み,ワンチップ化できることになる.
 しかし、この素子サイズの縮小化も.理論的に0.1μmm程度が限界であるといわれている.それ以上小さくすると1素子中当たりの電子の数が減る。また電子の波としての性質が顕著になり(注1),電子を粒子として扱う従来のトランジスタの動作原理では誤差が大きくなってしまうといった障害が起こる.
 また,素子の発熱の問題もある。従来のような電流・電圧駆動型の素子の場合,集積率を上げれば上げるほど放熱の必要も生じる.このため,新しい素子の開発には,電気的なパワーアップに頼らない、何か別の動作原理が必要とされているのが現状だ.
 注1:分子や原子などの微小な物質は,粒子としての性質と,波としての性質を両方持っている.そして,その存在できる空間が狭くなると,波としての性質が顕著になる。これは量子効果と呼ばれる物理現象の一種であり,波の特性が顕著になった電子を電子波という.

なるほど34年前の半導体製造技術は1μm=1000nmだったわけか。それに理論的に0.1μm=100nmが限界とは現在10nm位で製造しているはずだ。限界突破はどうやったのだろうか。

電子の波を超導体で反射させる
 日立製作所が今年の8月に,開発に成功したと発表したのは,超電導体の電極からシリコン半導体中に染み出す電子の波を,対極に置いた超電導体電極で反射させる「超電導電子波素子」である。この素子の動作原理は,電子波の反射量を,中間の半導体部分にかける電圧の変化でコントロールするというものだ(図1).
 今回,実験に成功した素子は以下のような特徴を持っている.
(1) 素子単位に相当するニオブ金属の超電導体の電極は,先端がシリコン半導体に接した,幅約0.07μmmの針状電極で構成されている(図2).
(2) 針状電極からシリコン半導体の中に出る波状の電子は、対面の超電導体で「凹面鏡で反射する光」のようにはね返り,もときた航跡を戻る(図3).このときシリコン半導体中の電子の濃度で,電子波の反射率に変化が生じる.
(3) シリコン半導体中の電子の濃度が高いと電子の反射率も高くなり,素子の電気抵抗が下がる.電子の濃度を,シリコン半導体上に設けたゲート電極にかける電圧で制御することで,スイッチ回路が構成できる(図4).
(4) 超電導体に,臨界温度が摂氏マイナス264度のニオブ合金を使用している.素子動作を保証するためには,素子周囲を液体ヘリウム温度の摂氏マイナス269度に冷却する必要がある.
 同素子では、電子波の発信側の針状電極を,1つのシリコン半導体中に複数個並べれば,電子波の並列処理も可能だという.ニューロデバイスなど,信号を並列処理する素子には好適な機能ともいえるだろう.
 素子の加工サイズは,ますます小さく精密になる。同社が示している素子微細化のビジョンでは,今回の超電導電子波素子が,西暦2002年あたりには,素子単位サイズ0.1μmm以下,ワンチップメモリにして数百Mbit以上の高集積率で一般普及化するだろうとしている.


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「西暦2002年あたりには,素子単位サイズ0.1μmm以下」とあるが、2002年Pentium 4(Northwood)で130nm、2003年Pentium 4(Prescott)で90nmだということだから大体予測通りだった。「 ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第239回 半導体プロセスまるわかり インテルから学ぶプロセスの歴史

処理の高速化についてはどうか?
 さて,デバイスの進化に欠かせない,もう1つの要因,命令や処理の高速化についてはどうだろうか.処理を高速化するためには,素子内部での信号の伝達速度が問題になる.今までの電気で処理を行なっているデバイスでは,処理スピードは導体や半導体中を伝わる電子の速度に依存していた.電導物体中には,いくら少ないといっても必ず抵抗があり,真空中を伝わる光の速度にはとうてい追いつかない.素子の中を光が伝われば,どんなに速くなるだろうか。この要求に応えるように登場したのが,光デバイスである.
 また,伝達信号に光を用いることには,もう1つ利点がある.光の波は混じりあうことがないため,同一の光路で,複数この信号が送れるのだ.


光と電子の性質を持つ粒子が……
 伝達信号に光を用いるには,以上にあげたような利点もあるのだが,光は電気的に中性(注2)なので、今までの電子デバイスのように電気を使っての制御ができない.光のように高速で伝播し、か電気的に制御できる物質はないものだろうか.
 ここに,さきほど紹介した日立製作所の中央研究所が発表した資料がある.そこには,「光と電子の両方の性質を兼ね備えたポラリトン粒子を半導体に閉じ込めた」とあり、なかなか興味深い話である.ポラリトン粒子とは,1960年代に米の物理学者Hopfieldによって提唱された有限の寿命を持つ準安定化粒子である.塩化第二銅,硫化亜鉛,ガリウム砒素などの結晶に光を当てると発生し,一定の時間後に消滅する.ポラリトンは,光が1000兆分の数秒という間隔で,マイナス1価の電子とプラス1価の正孔電子と対になった粒子)に繰り返し連続的に変化するため,光と電子の両方の性質を持つといわれている.
 同研究所が実験に成功したのは,このポラリトンをガリウム砒素半導体の中に閉じ込め、その存在を確認したというものだ(図5)。将来的には,この粒子の進路や速度を自由に制御したいとしている.もし制御に成功すれば,以下のような特性を持った新しい素子の製造も可能になる.

新しい素子の特性
(1) 伝播速度が、通常の電子の移動速度に比べて数桁速い(実験では,真空中の光速度の約1000分の1の速度を確認).
このため,通常の電子デバイスより高速のスイッチング動作が可能(注3). (2) ポラリトンは,光の性質を持っているため,高速性を保ちながら,光導波路という光をガイドする路に沿って自由に進路を設定できる.
(3) 光導波路は半導体の極薄層の中にあるため,半導体素子中の電子のように電界や磁界により進路速度を制御できる.
 光を使ったデバイスには高速性という利点があった,それでは,もう1つの複数信号の同時伝播ということはどうだろうか。単一の素子の中に複数の光信号を通すことについては,光の波が互いに干渉しないという特性を利用すればよい.しかし,信号の受信側の素子が,多数の光信号の中から特定の信号を拾い出すことができるだろうか?
 たとえば,複数信号を光の波長別に強弱信号で送るとしよう。従来の受信デバイスでは,受信器の前に特定波長域を通す光学フィルタを置き,それで信号をより分けていた.しかし,光学フィルタの特性には限界があり,数オングストロームといった極狭の波長変化には対応しきれなかった.そのため,1本の光ケーブルの中に通す信号の回線数などにも限界があった。受信器側の性能で,せっかくの光の信号特性が生かしきれていなかったのだ.
注2:電気的に中性とは,プラスの性質もマイナスの性質も持ってないことをいう.たとえば電子は,マイナス1価の性質を持っている.
注3:ポラリトンを用いた並列演算素子の処理速度は,現在のスーパーコンピュータの演算回路に比べて,約1万倍以上の高速演算が理論的に可能.


ASCII1989(12)d03新しい素子技術図05_W520.jpg

3オングストロームの波長帯が識別できる素子の開発
 三菱電気の中央研究所が発表した開発資料には,「半導体結合量子井戸構造を用いて新しい光電子機能素子を実現」というタイトルが付いている.そして,この素子には「狭い波長帯の光の検知機能」を持つものがあるという.これは文字通り限られた波長の光にしか反応しない素子の実現を意味している.
 今回の実験では,3オングストロームの波長帯にのみ反応する素子ができたとあるが,理論的には,さらに狭い波長帯でも可能だという.
 3オングストロームごとに,違う信号を送ることができたら,どうなるだろうか.たとえば,1本の光ケーブルに可視光域の光を通すとしよう。可視光は約400~700オングストロームの光で,波長範囲にして約300オングストロームの幅を持つ.単純に3で割っても約100回線の信号が送れることになる.さらに,赤外線や紫外線域も含めると,1000回線以上もの信号を1本の光ケーブルで送れることになる.とはいっても,これも受信素子の性能に左右されるわけだ.
 ちょっと,この光電子機能素子についしても記載しておこう(図6)受光窓から特定の波長帯の光を照射したときのみ回路に光電流が流れる.
 このときの波長帯は、回路に与えた電圧によって自由に変化する(図7)1つの素子で,付加する電圧を変えることにより,複数の光信号を受信することも可能だ.


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光を使ったニューロ素子
 それでは,光を伝播信号に用いた素子にはどのようなものがあるのだろうか.その1例として取り上げるのが,三菱電気の中央研究所が開発している「光ニューロチップ(図8)」である.
 ニューロコンピュータとは,生物の脳の情報処理機能を模倣したデバイスの総称であり,脳が持つ学習能力,連想能力,パターン認識能力などの特徴を生かそうとするものだ.
 従来のフォン・ノイマン式のコンピュータが不得意とした,画像/音声入力などの処理を高速に行なうことを目的に,現在さかんに研究開発が進められている.同研究所のニューロチップも,この考えにもとづいた機能を,光を利用してワンチップに集積したものだ.
 一般のニューロコンピュータに共通していえることだが,信号の処理を行なうニューロンの数が多くなるほど,そのニューロン間をつなぐ配線数が膨大になるという欠点がある.ニューロンの集積はたやすいが、ニューロン間の配線が問題になるのである.ニューロン数が4個の場合には配線数が16というように,配線数はニューロン数の2乗になる.
 ニューロコンピュータの実用化の1つの目安であるニューロン数1000個のシステムを実現するには,配線数が100万にもなってしまう.そのため,現在までのLSI技術を使って,ハードウェア的に実現されたニューロデバイスも,この膨大な配線数の問題を受けて,ワンチップに100個以下のニューロンを実現するに留まっていた.しかし、ニューロデバイスのかなめともいえる処理中間の信号伝播に光を用い,アナログ的な処理を行なうことで高集積が可能になる.今回,試作された素子には32個のニューロンしか実装されていないが,技術レベルでは、より高度の集積も十分可能である.
 さて,実際に作られたニューロチップを見てみよう(図9)このチップは,8mm角のガリウム砒素の基版上に,下から順に32個の発光素子,平面上に展開された1024(32×32)個の要素を持つ光学マスク,そして32個の受光素子を立体的に配置したものだ。光学マスク(図10)の中には、あらかじめ連想ニューラルモデルにしたがって「A」,「J」,「E」の3文字のアルファベットの情報が焼き付けられている.今回の素子は,この3文字のパターン情報に類似した信号を入力することで,最も近い文字1つの完全情報を出力するといった機能を持っている(図11).
 ニューロ数の集積度を上げることで,光学マスクも大きくなり,他の文字の情報を焼き込むことも可能になるので,将来的にはアルファベット26文字、数字,さらに進んで手書き漢字の認識などもできるようになるだろう.また,文字だけでなく音声/画像などのパターン認識への応用も可能だという.
 同研究所では、今後の開発予定として,光学マスクを書き換え可能な素子に置き換えた光ニューロチップを考えている.ニューロデバイスでは,多数のニューロンの実装に,もう1つ方法がある。それは,集積するLSI自体を大きくすることである.
 
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シリコンウェハサイズの大規模ニューロデバイス
 数mm角のチップに実装できるニューロンの数に限界があるなら,多数のニューロンを集積するためにはデバイスそのものを大きなものに設定すればいい.
 この考え方に沿って開発されたのが,日立製作所の中央研究所が発表した「ニューラルネットワークLSI(図12)」である.一見簡単そうに思えるこのデバイス製造だが、実際には解決困難な問題が多数あった。
 たとえば,現在のLSI製造法では1枚のシリコンウェハ上に数十個から100個のチップを焼き付け,各々切り離して使用するわけだが、焼き付け時のエラーや切り取り時の精度で,使いものにならないチップが必ず出てくる。最新の技術でもこの不良チップの発生率は10%を切ることはないという.100個作っても,そのうち10個は不良品というわけだ.
 ウェハサイズの集積回路を作るならば,この不良発生をどう回避するかが重要になる.同じ回路をいくつも作っておいて不良箇所を切り離せばよいのだが,ハードウェア的な操作は不可能で,ソフトウェアでの処理しかできない.しかも不良箇所はどこに発生するか分からない.
 この不良箇所回避の問題も、素子間の配線を自由に設定できるニューロデバイスならば,不良箇所のニューロンや配線を使わないようにすることで解決できる.さらに,デジタル処理用のニューロン回路を構成する際の一番のネックであった膨大な配線数の問題も、従来のニューロン100個に対して100万本の配線ではなく,1本の配線を時分割方式で共有することで、ニューロン100個に100本という配線数低減を実現した.
 図12に示した同デバイスは,直径約13cmのシリコンウェハ上に576個のニューロンを集積している.これは約1900万トランジスタに相当する.
 今回の試作品では,従来のフォン・ノイマン式スーパーコンピュータでも数時間かかるような16都市の巡回セールスマン問題(どのように巡回すれば都市間を最短距離最短時間で回れるかという最適化問題)を,わずか53msで解いた(注4).
 このニューロLSIでは,不良箇所で回路を廃棄する部分をよけいに設定しているため,588個のニューロンを実装し,そのうち12個を予備としている.しかし,ニューロン間の配線を時分割バスで結合しているため,この部分に不良箇所が発生すると致命的になる.この問題も,アドレス/データバスをともに3重化し,多数決論理で判断することで解決した.その他の性能は表を参照してほしい。
 将来的な展望としては,現在はゲートアレイ方式で構成されているニューロン(1ニューロン当たり約1000ゲート)を.最適に設計したスタンダードセル方式で構成することを予定しているという.そうなれば,現在のウェハサイズで1000個のニューロン集積ができるという。
 今まで見てきたのは,いずれも商品化のめどがまだ立たない開発研究中のデバイスたちである.しかし,数年後には素子として完成し,普及し始める可能性を秘めている.開発現場の最前線には,まだまだ発表されていない,もっとホットな話題がベールを脱ぐのを待っている.
(池田)

注4:ニューラルネットと逐次処理方式の比較には,最大処理性能3GFLPSのスーパコンピュータで総当たり方式のアルゴリズムを処理させた。結果は,100%のベクトル化を達成して約6時間かかっている.


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とりあえずスクラップしたがよく理解できなかった。スクラップを続けていくと後から役に立つかもしれない。

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55コンパチ、ノートン、写嬢、仮想EMS他(月刊ASCII 1989年12月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

PRODUCTS SHOWCASE をスクラップする。

PC-9801のSCSIインタフェイスの話
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当時のドタバタが思い出される。ユーザはきちんと調べて拡張する必要があった。一部抜粋してスクラップする。
 現在,PC-9801シリーズ用のハードディスク(以下HDと略)インターフェイスには,SASIとSCSIがある.
 PC-9801シリーズのHDインターフェイスボードであるPC-9801-27(以下27ボードと略)ではSASIでHDDをコントロールしている.SASIは周辺機器のコントロールを行なう規格としてANSIで標準化された規格だ。しかし,すでに接続しているHDDに増設する場合。1台目のHDDのコントローラに2台目を接続し2台目のHDDは1台目に内蔵されているコントローラによって制御する形になる。このため,27ボードでは,最大でも40MbytesのHDDを2台までしか増設できず,しかも2台目は増設専用でなければならなかった.
 こういったネックを解消するために,SASIの拡張としてANSIにより規定されたのがSCSIという標準規格だ。SCSIでは,周辺機器はディジーチェーンと呼ばれる接続方法によって,SCSIバスに各機器を直列に接続する。この場合、各周辺機器は0から7までのID番号によって区別される.
 SCSI規格の機器であれば最大7台まで増設が可能だ。さらにSCSI規格ならHDD以外にもMO(光磁気ディスク)やCD-ROMを接続できる.
 SCSIの問題としては,規格内で拡張できるコマンドがあり,コマンドの違いにより接続できない機種があることだ.PC-9801シリーズ用,FMRシリーズ用,Macintosh用とさまざまな機種があるが,同じメーカーのものを除き,それぞれの互換性は保証されていない.
 PC-9801シリーズ用のSCSIインターフェイスボードの純正品としては,日本電気のPC-9801-55ボード(以下55ボードと略)がある。従来の27ボード用HDDを55ボードに接続して使用することはできないが,55ボード専用の周辺機器がいくつか発売されている.HDDではPC-HD20/40/130/300(それぞれ20/40/130/300Mbytes)がある.また,ストリーマのPC-98B55,CD-ROMドライブのPC-CD102,MOドライブのPC-OD101がある.これらは55ボードでないと使用できないが,SCSIならではのディジーチェーンにより,HDDならば4台,最大7台まで接続できる.HDDが最大4台までなのはSCSIや55ボードの制限ではなく,MS-DOSVer.3.30のデバイスドライバが4台までしかサポートしていないためだ。55ボードは27ボードとの併用が可能であり,SASIとSCSIの同時利用が可能だ。ただ,55ボードでSCSIのHDDを使用するためにはMS-DOSVer.3.30が必要だ。また,SCSIのHDDはOS/2でも使用可能だ。
 55ボードの「特殊な」機能日本電気の55ボードはSCSI規格のインターフェイスボードだが,SCSI規格の周辺機器ならばなんでも接続できるというわけではない。
 55ボードは,接続されたHDDのメーカー名を起動時に問い合わせて,そのHDDが「日本電気製である」という意味のコードを返さないと接続しない.
 また,55ボードはパーソナルコンピュータ本体のチェックも行なっていて,PC-9801シリーズ以外だと起動しないエプソンのPC-286/386シリーズで使用できないのはこのためだ。
 このような理由から,HDDメーカーの多くは自前のインターフェイスボードを使用し、独自にSCSIコマンドを拡張している.そのため,SCSI規格であっても,細部が違うために他社のHDDの使用ができないことがある。
 また,55ボードはメーカーIDのチェックなどの特殊なコマンドを除けば,IBM PCなどで使用されているSCSIインターフェイスに準拠しているので,55ボード互換のボードであれば,米国製HDDの接続が可能な場合もある.
 SCSIのHDDは,PC-9801シリーズ用だけでも十数種類にのぼるが,各HDDメーカーが独自のインターフェイスを使用しているため,それぞれの互換性は保証されていないのが現状だ。
 独自に拡張したSCSIのため,互換性の面で問題があるサードパーティ製HDDだが,55ボードと互換性のあるインターフェイスボードがいくつか出てきた.
 これは55ボードとほぼ同じSCSIインターフェイスを使用し,55ボードと変わりなく使用できるボードだ。メーカーIDのチェックなどは行なっていないので,自社のHDDだけでなく日本電気製のHDDも使用できる.また,PC-286/386シリーズでも使用できる。55ボードと同じく、使用するにはMS-DOSVer.3.30が必要だが,OS/2でも使用できる.
 これら55互換ボードの特徴をあげてみよう.
(1) 55ボードと同じく,HDDならば4台,MOなど他の周辺機器と合わせて最大7台までの拡張が可能。
(2) 27ボードで接続されているHDDや,27ボード互換の内蔵HDDを利用している場合でも問題なく使用できる.
(3) 55ボードと違い,PC-286/386シリーズでも使用できる.
 ただ,(3)については問題があるPC-286/386シリーズのMS-DOSは,Ver.3.1までしかなく,SCSIを使用できない。現在では,日本電気製のMS-DOS Ver.3.30をPC-286/386シリーズに付属するソフトウェア・インストレーション・プログラムを使って書き換えて使用するしかない.
 55互換ボード用のHDDも同時に発売されている.これらの特徴を見てみよう.
(1) 55互換ボードに接続することにより,MS-DOS Ver.3.30で純正HDDと同様に使用できる. (2) 純正55ボードでは使用できない.
 また,同様な55互換ボード用の他社のHDD,IBM PCやMacintosh用のHDDが接続できることもある。ただ,必ずしもメーカーが保証しているわけではないので注意が必要だ。
 これらの55互換ボード用HDDは,55互換ボードで日本電気純正HDDとの違いを吸収しているため,パーソナルコンピュータからは純正HDDと変わりなく使用できる.ただし,専用のデバイスドライバなどを使用していないため、使用にはMS-DOS Ver.3.30が必要だ。

結構面倒だった。まあ、基本的には同じ会社の製品を増設して、別会社のHDDをさらに接続することはなかったので影響は小さかったが。

まとめ部分をスクラップする。
 新規や拡張のため,これからHDDを購入しようとするユーザーには,SCSIの互換性の問題は頭の痛いことだ。しかし,容量や拡張など将来性を考えれば,SCSIのHDDを選んで損はないだろう.今回紹介した製品は,いずれも純正のHDDとの混在や併用が可能であり、2台目3台目としても利用できる.
 相互に接続する際には注意が必要だが,サードパーティ製のHDDは価格的にも魅力だ。他社製のHDDを増設用とするのでない限り,互換性の問題は無視してよいだろう.それよりも購入の時に選択の幅が広がるのが嬉しい。
 最近のパーソナルコンピュータのアプリケーションは大きな容量を必要とするものが多くなってきていて,HDDはもはや必需品だ。日本電気もCD-ROM,MOを発売しているので,これらと接続できるかどうかも重要なところだ。
 また、次世代のOSとされるOS/2やPC-UX/Vでも使用できるかどうかなどの,将来的なことも重要なポイントだ。これらへの対応も,日本電気純正のMO,CD-ROMと接続できるかどうかと併せて表1に記載する.
 SCSIのHDDは,現在では27ボードに接続するSASIのHDDと比べると,若干高価なのが難点だ。ドライブ部などはSASIと変わらないのだから、より求めやすい価格になるのを望みたい。
 いずれも,これからSCSIのHDDを購入することを考えている人は,現在使用中のHDDとの互換性を留意し、用途や価格に応じた選択をしてほしい.

業務に使うのではなければSASIタイプで事足りた。SCSIが普通になったのはいつだったか。ターミネーターが余ったことを思い出したので結構ドライブを買ったのだと思う。

以下写真をスクラップする。
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ノートンユーティリティの記事を抜粋してスクラップする。
NUsはNortonUtilitiesの略である。
懇切丁寧な「Unerase」
 削除してしまったファイルを復活させるために,NUsでは2つのプログラムを用意している.QU(QuickUnerase)とNU(NortonUtilityつまり,NUsの中にNUというプログラムがある)だ.QUは比較的幸運な事態(たとえばファイルを消した直後など)に対処するためのもので,全自動でファイルを復旧する(もちろんDOSによって消去されるファイル名の先頭の1文字は,ユーザーが入力する必要があるが)。ただし,これによって復旧されたファイルが正しいとは限らないし、場合によっては復旧できなかったり,そもそも「復旧候補」にすらのぼらなかったりもする.
 これに対し,ディスクの中に残っているのであれば,たとえ一部分でも何とか救出しようという,いわば最終手段をシステム化したのがNUである.
 NUでは,たとえば自動処理ではきちんと復旧できないような場合でも,一旦自動処理を行なわせた後間違っているクラスタを無効にし、代理候補を探すという作業が可能だ。もっともこれは,探す対象がテキストのような,目で見て分かるものでないと苦しい.
 ファイルの復活といえば,Undel(PDS)やエコロジー(マイクロデータ)あたりが有名だが,これらのソフトの「復旧可能ファイル」のリストに目指すファイルがないということもしばしばある.こうなると普通はお手上げだが,NUを使えば可能性はゼロではない.NUは基本的にはディスクエディタだが,データ救出のためのメニューの豊富さと気配りが特徴になっている.
 たとえばNUには「消去エリアのサーチ」機能があるので,失われたファイルの中に含まれている文字列をキーワードにして救出したいファイルの断片を探すことができる.これに成功したら,あとはそこから「最もありそうな次のクラスタ」を検索し,内容を確認し,「当たり」があれば次々に確保していく(画面1).最後にこれらをまとめてファイルにしてセーブすれば救出完了というわけだ。簡単にいうと,「キーを手がかりにクラスタを拾い集める」ことができるのである.感心させられるのは、こうした作業が実際に体験できるようになっていることだ。NUsのディスクには,「不連続な削除ファイル」と「候補にものぼらない削除ファイルの断片」があらかじめ収められていて,マニュアルどおりに操作することでこれらを救出できるようになっている.いかにも複雑で専門的なイメージのメニューが1回チュートリアルを実行するとなんだか分かったような気になるから不思議だ。

「消去されるファイル名の先頭の1文字は,ユーザーが入力する」思い出した。確かにこうだった。del *.* のとき悲惨だった。マーフィーの法則でないけど、こういった時に限ってコマンドを間違えないものだった。複数のファイルを消したとき最初の一文字なんて覚えていない。とくにファイル名が漢字だったとき辛い。英数記号で8文字しか許されないのだから漢字なら4文字だ。漢字のファイル名には苦労した。

HDDの異常に立ち向かう
 誤ってフォーマットしてしまう,という事態への配慮が,NUsのもう1つの特徴である.特に,日本電気のMS-DOSのformatコマンドは,ディスクのデータ領域をすべてE5Hで埋めてしまうため,フォーマットしたが最後、中身を救い出す可能性は永久に失われる。
 NUsではSF(SafeFormat)というフォーマットプログラムを用意している.これは,FAT領域とルートディレクトリだけを消去するので,ファイルの内容はそのまま保存されるうえ,同時にディスク内に「フォーマット復旧データ」を書き込むようになっている。これは,ディスクの空き領域に書かれる(図1).
 一方,FR(FormatRecover)プログラムは,SFがセーブしたデータをもとにFATとディレクトリを復旧することができる。フォーマット直後であれば,FRで完全に復旧できる.フォーマット後にファイルを上書きしている場合には少々厄介だが,FRをかけた後,NUやNDD(NortonDiskDoctor)を駆使すれば,かなりの効果が期待できる.
 マニュアルには,MS-DOSのformatコマンドをSFとリプレースすべきだと書かれている.また,フォーマット復旧データは,ファイルとして随時セーブできるようになっているので,HDDユーザーはautoexec.bat内にこの作業を登録しておくと,その日のブート時までのHDD内容がほぼ保証されることになる.
(中略)  最後に,Wipe系というのがある.WIPEDISKとWIPEFILEである。機密保持のためのツールで,たとえばWIPEDISKを使うと,ディスク全体,あるいはディスクの削除ファイル領域を、指定の方法でぬりつぶしてくれる.「米国政府仕様」を指定すると,そのディスクは再度フォーマットしないと使えないという念の入りようである.
(中略)  プログラムの完成度が高いのに対し,気になるのは時折不自然な日本語が表示されることである。マニュアルの直訳調にもときどき戸惑わされる.
 ツールの機能についてはTOOLSやPDSなどで実現されているものもみられるが,フォーマット対策とデータレスキュー機能は究極に近いものといえる。内容が多面的なので用途を特定しにくいが,HDDユーザーは心が動かされるプログラムが多いだろう.


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よくできたツールだった。WIPEDISKは使ったことがないけど職場でレンタル空けのノートパソコンを返却するときFD起動のツールでHDDをゼロパディングしたことを思い出した。一晩かかった。その後完全消去プログラムはUSB起動でするようになったのだろうか。私はFDD付きのノートパソコンしか使ったことがなかった。FDDよりUSBの方がウイルスが埋め込まれそうなのでこういったセキュリティに万全を期すならはやりFDDの方が良いと思う。FDDを持っている人が少ないため埋め込まれる機会は少ないだろうから。

写嬢にはお世話になった。
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まとめ部分をスクラップする。
 フジクロームで撮影した感じでは,初期値のままで,露出,発色ともよく,四隅もきれいに撮られていた.また,ポラロイドのT339では初期値のままでは少し露出不足であり,ブライトネスを2にしてちょうどよくなった。このように、指定されたフィルムを使えば,初期値前後で露出が合うのでほとんど失敗がない.また,ポラロイドのクオリティでは印刷には不向きであるが,35mmのポジフィルムを使用すれば,十分に印刷に利用できるハードコピーを取ることができる.写嬢は,コストパフォーマンスに優れており出力もきれいである。コンピュータグラフィックスなどのハードコピー用に,ぜひともほしいマシンである.
スライド作りには必須の装置だった。

PC-9801RAなどの80386マシンがでると仮想86モードを利用した製品が登場した。8086の悪口を散々書いてきたが、この仮想86モードは出色の出来だと思う。特にWindows95になってからの仮想86モードによるDOS窓は安定して気持ちよく使えた。Windows3.1の頃はフリーズしないようにと祈りながら使っていた。
80386マシンだけの特権
 EMS対応ソフトを実用的な速度で動作させるには「ハードEMSボード」と呼ばれるRAMボードを利用するのが一般的である.ハードEMSボードは,EMS規格を意識した形でボードが設計されており,ページ切り替え/再配置などの作業を理想的な速度で行なうことができる。同じRAMボードでも,「I・Oバンクメモリ」や「プロテクトメモリ」は,EMS用に使うのは困難だった。
 PC-9801シリーズ,PC-286シリーズで,CPUに80386(または80386SX)を採用するマシンのほとんどは,メインメモリのほかに1Mbytes以上のメモリを標準で搭載している。しかしこのメモリも「プロテクトメモリ」であるため,EMSには不向きで,RAMディスク程度にしか活用できなかった.
 しかし,80386CPUの「仮想86モード」を利用すると,プロテクトメモリをハードEMSボードなみの速度で利用することが可能になる。本誌8月号では「MEMORY-PRO386」(メガソフト)を紹介したが,同様の機能を持つソフトがこのところ立て続けに発売された.いずれも「80386CPUの仮想86モードを使ってプロテクトメモリをEMSなどに利用できる」という点で共通している。以下ではこれらのソフトの違いと,それぞれの特徴を探る形で紹介していく。

仮想86モードとは何か、何ができるか
 仮想86モードとは,80386のネイティブモードの1つのタスクとして,8086のプログラムを動かすモードである.80386固有の「ネイティブモード」では,各タスクに4Kbytes単位でメモリを割り当てることが可能なページング機能や,I/O命令の実行時に特権命令割り込みがかかるといった機能を利用できる.
 今回紹介する仮想86モードを利用するマネージャソフト(以下V86マネージャと略す)は,MS-DOSの起動時にデバイスとして組み込まれる。このときに,いったん80386CPUをネイティブモードに移行させ,仮想86モードのセットアップやI/0命令実行時の特権命令実行割り込みベクトルの設定を行なう。これらの初期設定が終わると,仮想86モードであるMS-DOSへ制御を戻す.
 アプリケーション実行中にEMSドライバが呼ばれると,そこからV86マネージャに制御が移り,EMSのフレーム領域へ割り当ててあるメモリを再配置するなどの処理を行なう。また,バンクメモリ切り替え用のI/Oアクセスが行なわれた場合には,メインメモリのバンク領域の割り当てを変更する(図1).


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V86マネージャでは何ができるのか?
V86マネージャが提供する機能を大まかに分類すると,
(1) EMSエミュレート
(2) I・Oバンクメモリエミュレート
(3) HMAエミュレート
(4) UMBエミュレート
の4つに分類できる.このように,V86マネージャは,EMSやI・Oバンクといったメモリが「あたかも装備されているように見せかける」だけのものだ。EMS対応ソフトを利用するにはV86マネージャがあれば十分だが,RAMディスクやディスクキャッシュなどの機能は,この上でさらに,適当なドライバを動作させて初めて可能になる.
 (3)と(4)については補足しておこう.HMA(High Memory Area)というのは,メモリマップ上で1Mbytesの直後にある約64Kbytesの領域が,80286以上のCPUではリアルモードでもアクセスできることを利用して,メインメモリを64Kbytesほど増やすものである.MS-Windows Ver.2.1などではこれを利用することで動作環境を改善できるようになっている
 UMB(Upper Memory Block)うは,80386の機能を用いてPC-9801の拡張ROM領域(C0000H~DFFFFH)に128KbytesのRAMを出現させるものだ。この領域は,ユーザーがプログラム中から直接アクセスできるほか,そこに常駐ソフトウェアやデバイスドライバを置くこともできる(そのためのユーティリティやドライバは添付されている).ただし,EMSを利用する場合では,ここにページフレームを置く関係上,UMB用には64Kbytesしか確保できない.
 なお,IOバンクやハードEMSボードと併用できるものもある。もちろん,プロテクト領域に増設されたメモリはメーカーの区別なく利用することができる.


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8086を使い続けてきた関係で様々な裏技というべき技法を使ってやりくりしてきた。こういった裏技を編み出し使わなければならなかった8086はダメCPUだと思ってきた。互換性さえ捨てればOSは最初から綺麗なものを作れるし、ソフトだって1回書き直すだけで良かった。CP/Mのソフトを継承しやすくしたって大したソフトはなかったと思う。最初のひと手間を惜しむべきではなかった。最初のひと手間を惜しんだために後からの人間がどれだけ時間を費やすことになったか。

MS-DOS ユーザーズ・ワークベンチから漫画をスクラップする。
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MS-DOS TOOLSはUinxのコマンドをMS-DOSに移植したものだった。Unixはマルチタスクで動くがMS-DOSはシングルタスクで動くのでパイプラインを使うととき使い勝手が違った。当時は何も知らかったが、Linuxを使うとその違いが実感できた。MS-DOSを使っているときはプリンタバッファ以外にはマルチタスクの良さが理解できなかった。

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