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ゲーリー・A・キルドール,業界動向,パソコン他(月刊ASCII 1989年10月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSの記事をスクラップする。
Digtal Research会長のゲーリー・A・キルドール氏のインタビュー。氏はDR DOSのプロモーションに来日した。
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CP/Mを作ったDigital Reaerchのゲーリー・A・キルドール氏のインタビュー記事をスクラップする。
 8bitパーソナルコンピュータの標準OSの位置を確立していたCP/Mの生みの親,ゲーリー・A・キルドール氏が来日した。今回の来日は、MS-DOSと互換性を持つオペレーティングシステム「DR DOS」の日本市場投入に伴うものだ(P.215参照).
――DR DOSの開発の狙いは?
キルドール:我が社は,1984年にマルチユーザー・マルチタスクの互換OS「Concurrent DOS」を発表していますが,ユーザーの間にはシングルユーザー・シングルタスクの互換DOSを望む声が根強くありました.と同時に、我々はROM化可能なOSへの要求も感じとっていたのです.デスクトップマシンはもちろん,ハンドヘルドやラップトップマシンなどの需要が高まるだろうと考え,ROM化が可能なMS-DOS互換OS「DR DOS」を開発しました。Concurrent DOSを開発した経験もありましたので,互換性という点では自信があります.DR DOS上でMS-Windowsはすでに動作していますし,少数のアプリケーションとの相性の不具合いも来年の初めに出荷されるバージョンでは改善されます。
 マイクロソフトがOSをROM化するという話は以前からありますが,実物を見たという話は聞きません.MS-DOSは,Ver.1.xから2.x,3.xへとバージョンアップするにつれて,サイズがどんどん大きくなっています。このままROM化するのは難しいのではないでしょうか。その点,DR DOSは初めからROM化を意識した作りになっていますから,非常に効率が良いのです。

――DR DOSの市場は?
キルドール:ROM化が可能ということで,今までIB MPCとあまり互換性のなかった分野,たとえばFAなどの分野へも進出できるだろうと考えています。また,プロセッサとRAM,ROM,I/Oの組み合わせだけで心臓部はできあがりますから,民生品の分野にまでかなり入っていけるのではないでしょうか。もちろん,これにFDDやHDDを組み合わせればデスクトップコンピュータを作ることもできるわけです.
 日本では,今までソフトウェアにDOSがバンドルされて売られてきましたが,マイクロソフトはこの方針を変更しました。ソフトウェアメーカーと話をして,PC-9800シリーズ用ソフトウェアにDR DOSをバンドルするといったビジネスもしていきたいですね.

――DR DOSを使うメリットは?
キルドール:DR DOSを使うメリットは,まず価格が安いという点。メーカーにとっては,OSもHDDやRAMといったコンポーネントの一部にすぎません。コンピュータの価格が1000ドルを割るようになった現在,OSのコストもばかにはなりませんから.
 MS-DOSは,累計3000万のユーザーがいるといわれています.DR DOSは、この整備された開発環境を有効的に使うことができるのです.MS-DOSマシン上でPOSやFA関係のマシンの開発ができるのはたいへん大きなメリットでしょう.
 ユーザーの立場に立ってみれば,同じことをやるにしても2つの選択肢があるのは良いことでしょう.スタンダードが固定化して競争がなくなってしまった業界は,硬直化し進歩が止まってしまいます。

――今後のOSの行方は?
キルドール:MS-DOSはこれからも生き残るでしょう.MS-DOSユーザーが,すべてOS/2に移行していくとは思えません.ワードプロセッサや表計算などのアプリケーションソフトを使うユーザーはMS-DOSの世界に止まるでしょう。こういったユーザーにOS/2は難しすぎます.
 問題は,80386などの強力なマシンのパワーをフルに活用したいと思っているユーザーですが,MS-DOSは力不足です。マルチユーザー・マルチタスクなどの要求にも応えられません。こういったユーザーはMS-DOSの世界から飛び出していくでしょうが,すべてがOS/2に移行するとも思えません。1つのOSですべての分野をカバーすることは不可能です。
 たとえば,科学技術計算などの分野にはUNIXが適していますが,一般のOA処理には不向きです.OS/2は,MS-DOSの延長線として汎用のOAシステムに使われていくでしょうが,リアルタイム処理に問題があります。今後,ビデオやサウンドを取り込んだマルチメディアシステムが数多く出てくるでしょうが,こういうシステムにはリアルタイム処理が可能な別のOSが使われていくことになるでしょう.
 1つのOSの独壇場となる時代は終わりました。そのマーケットに合ったOSが選ばれる時代になったのです。重要なのは、それら複数のOSがネットワーク上でお互いにコミュニケートできるようにしなければならないということです.

Gary A.Kildall
ワシントン州シアトル生まれ。1972年,ワシントン大学でコンピュータサイエンスのPh.Dを取得.1976年にDigital Research社を設立し,CP/Mを発表.その他,PL/MやPL/I,Logoなどのコンピュータ言語のデザインにも従事した。
(P.215参照).の記事が下。
デジタル・リサーチ・ジャパンがMS-DOS互換OSを発表
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DR DOSは結局MS-DOS互換として広まらなかった。特定のソフトウエアで独占された市場に食い込むことは難しいということだ。

「米国ハイテク産業の動向」をスクラップする。
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Apple社,DVIと競合
 8月にボストンで開かれたMacWorldEXPO(P.217~参照)では,Apple社の一連の技術動向とIntel社のDVIとの関係が一部の間で注目された.
 DVIは本誌でもたびたび報告している通り,ライブビデオデータのコンプレス(圧縮)/デコンプレス(展開)処理を中核としたマルチメディア技術である.ビデオデータを記憶媒体に格納したり,通信を行なう場合には,一般にはデータ量が多すぎてリアルタイムで処理できないことが多い.これは,現時点ではデータを圧縮することによってはじめて可能になる.今回のMacWorldEXPOでは,Apple社がこのDVIに挑戦する形で極めて興味深いデモがなされた.
 Apple社のAdvanced Technology Group(ATG)では,このデモのためにMacintoshIIの約2倍の大きさの銀色に光るグラフィックスコントロールボックスを開発した.この内部には,グラフィックス処理のためのカスタムチップが詰まっているという.DVIが発表された時のプロトタイプボックスを連想させるものだが,ATGのSteve Perlmanは「グラフィックス処理のためにハードウェアの高速化を追求したというよりも,グラフィックスの新しいハンドリング方法を開発した」と説明する.すなわち,応用段階になっても高価なハードウェアを使用しなくてもすむというのだ。
 Perlmanはこのシルバーボックスを用いて,“Pencil Test"と題するフルアニメーションのデモを披露した.MacintoshII上で24bitカラーのアニメーションをリアルタイムで表示するというものだが、新たに開発した圧縮アルゴリズムを用いることで1.6Gbytesあったオリジナルデータを3Mbytesにまで圧縮できたという.
 さらにApple社として,こうしたビデオイメージのコンプレス/デコンプレス技術に特に注目している点,またそのための方法論としてシンメトリーな構造を持つアルゴリズムに興味を持っている点を明らかにした(すなわち,コンプレスとデコンプレスが同じシステムで可能であるということだ。DVIのそれは非シンメトリ構造である)。
 現段階のPerlmanのデモは,アニメーションであってライブビデオイメージではない(圧縮効率が両者間では格段に異なる)。また,リアルタイム圧縮はこのシルバーボックスを用いても不可能である.したがって,今の時点でApple社が開発した技術が直接DVIと競合すると断定することはできないが,Apple社がDVIと同じ方向で(しかも逆の方法論で)動き出した点は注目に値する.将来的には,Apple社の技術がDVIと競合関係になることは十分に予想される.

486レース始まる
 Intel社がi486をアナウンスしてから数カ月が経過し,米国では486レースがますます激化しつつある。最初に製品レベルでのアナウンスを行なったのは,他でもないIBM社.PS/2モデル70対応のアップグレードキットである.このキットは,CPUとROMを載せた“PowerPlatform 486/25"をマザーボード上のCPUと交換するもので、価格は約4000ドルIBM社によると,普通のビジネスアプリケーションで約1.8倍の速度向上が図れるという(数値計算主体だと約3倍だそうだ)。
 IBM社のアナウンスの直後,AST Research社が同社の386マシンから486マシンへの同様のアップグレードを3000ドルで行なうと発表した。同社の"Fastboard 486/25"は64Kbytesの高速RAMキャッシュ付きだ。また,ほぼ同時にCompaq社も今年末までに486搭載製品を出荷すると発表した。もしかしたら,Compaq社の出荷のほうがIBM社の本格的出荷よりも早いかもしれないとの観測も流れている.もちろん,台湾を含めた多くのPCクローン企業も,486搭載マシンを来年初頭までには出荷開始すると見られている.
 こうして,ポスト386マシンをめぐる486レースの幕がいよいよ切って落とされたわけだが,486の潜在ユーザーと見られる現時点での386ユーザーは,PCユーザー全体の10~15%程度といわれている。この市場でどれだけのユーザーが486へ移行するか疑問視するアナリストも多い。
 その最も大きな理由が,486の386に対する機能面での優位性への疑問だ。Intel社が386の発表を行なった時には,8086/80286などの従来CPUに対して機能的に上位に位置することが明白であった。この点が,現在の一種の386信仰を生じさせているわけで,386UNIXの登場とともに386への移行はむしろ必然的となった感がある.ところが,486は386/387に対して新しく追加された6個の新規命令を除いては目新しい機能は何もない。ただ計算速度の向上がなされているだけだというのだ。しかもその速度面についても,ベンチマークテストを行なったほとんどのレポートでは,486は33MHzの386に比べて20~40%の高速性しか得られないと結論づけている。486は内部に8Kbytesのデータ/命令キャッシュを搭載しているので,ごく小さなループなどを多く含むプログラムでは確かに高速化はされるのだが,市場に出回っているプログラムの多くはこうした486アーキテクチャにまだ対応していないのが現実である.
 今年後半から,Intel社は486チップの本格的販売を開始する。それに伴って,上に述べたような486搭載のマシンも数多く出回るようになるだろう.ただ,速度向上が唯一のメリットであるとすれば,来年一杯は(チップの価格が十分に低下するまでは)ユーザーへの浸透は非常にゆっくりとしたものになると見られる.

(ザイロンコーポレーション代表 脇山 弘敏)
今普通に使っている動画データ圧縮技術が登場しだしたと言ってもいいのだろうか。ただ、一般ユーザに普及するまでには年数がかかった。私が最初に使ったのはMotion JPEGだった。静止画データを圧縮しただけだった。その後カノープスのMPEG-2キャプチャボードを使い、地デジ時代にはMPEG-4と動画データ保存は進歩していった。データもMbytesからGbytesへと大きくなっている。それを軽く操作できるようになったCPUとHDDの進歩には年数が必要だった。
 486CPUの予測。結果はWindows 3.1の登場から486CPUが伸びていった。Windows 95には386ではきつかった。最低486だった。「ベンチマークテストを行なったほとんどのレポートでは,486は33MHzの386に比べて20~40%の高速性しか得られないと結論づけている」なんか怪しいが、486DX4とかの内部クロック3倍速タイプが出てから使い物になったのだから、妥当なテスト結果だったのかもしれない。

メーカーなど10社がOS/2 API共通規約を策定
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OS/2は一般ユーザには広まらずダメだったOSだが、日電以外のメーカーはPC-9801独占を切り崩すOSだと期待していた。

流通メーカーなど5社がWindowsコンソシアムを設立
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「マイクロソフトでは,WindowsにOS/2への橋渡し役を期待しているが」本当かいなと思う。一体いつからマイクロソフトはOS/2を見限りWindowsをもってOS/2を駆逐することを決意したのか。

IBMとCompaq,クロスライセンスを締結
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MCAとEISAバスとの争いに関係してくるニュースだ。
過去のスクラップ記事 MCA vs. EISA(月刊ASCII 1989年5月号6)
の年表では
(4) 1987年
  ISA Busの限界を見越してIBMが投入したのが「MicroChannel」(MCAバス)
  規格がオープンではなく、利用にはIBMにロイヤリティーを支払う必要があるという点が反感を買い、結局ほとんど普及することはなかった。
(5) 1988年
  ISAをベースに拡張した「EISA Bus」
  性能そのものはISAの2倍と、あまり性能改善には役立っていなかった
(6) 1992年
  「VESA Local Bus」(VL Bus)
  「Intel 486」のバスをそのまま引っ張り出して接続する
だから、このクロスライセンス契約は大して影響を与えなかったのだろう。

SunとLotus,協同開発の提携を発表
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ワークステーションを使って1-2-3というのは、いまいちそうかと思えない。MS-DOSのレベルと適合したソフトウエアだと思う。

ソニーがNEWSの新機種などを発売
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CPUが68030(25MHz)のNWS-1860が395万円。さすがワークステーションはパソコンより一桁高い。

日立がUNIXワークステーションを発売
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CPUが68030(25MHz)の2050/32Eが260万円。

日立製作所,ラップトップワークステーションを発売
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CPUが80286(10MHz)の2020モデルLが69万円。CPUも価格もパソコン並みだ。

沖電気工業,32bitオフィスプロセッサを発売
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オフィスプロセッサとは何かよく分からない。CPUの説明もない。

シャープがAXをベースにしたCAD/CAEシステムを発売
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AX386ベースのSYSTEM1が165万円。CPUは大したことないがソフトが高価なのだろう。

IIcxとSE/30の投入で,現行Macintoshを値下げ
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売り上げ目標は約700億円

米Zenith,2インチFDD搭載ラップトップを発売
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アンテナハウス,J-3100用データ変換ソフトを発売
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よくあるワープロ文書ディスクを読み込み、MS-DOSファイルに変換するソフト。J-3100用なのはMS-DOSといっても機種ごとに違ったのだろう。昔から思っていたがMS-DOSがこんなに機種ごとに違うソフトを用意しなければならないことが面白くなかった。OSを名乗るな。プログラムローダーだろうと思っていた。

立石ソフトウェア,SunWS用の日本語ワープロを発売
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UNIXでワープロを使うのか。マシンを2台置けばいいのではないかと思ってしまう。安く収めたければワープロ専用機でいいのではないか。UNIXマシンがもったいない。

米Ashton-Tate,dBASE IV Ver.1.1を発表
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出荷時期価格未定ではだめではないか。
フィリップ・カーン、CD-ROM、その他(月刊ASCII 1989年6月号4)
でフィリップ・カーンが言っていた。
> 事前発表を行うことで,自分達を窮地に追い込んでいる会社が数多くあります。事前発表された通りのスケジュールで製品を出荷できなかった場合には,その会社は信用を失ってしまい,マーケットシェアも失ってしまうことでしょう.ご存じのように,Lotus社やAshton-Tate社はこれで苦境に立たされています.
上の製品のことではないか。

ソフトウェア・」インターナショナルがNorton UtilitiesをPC-9800用に移植
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ノートンはWindowsのときに使ったが、いい思い出はない。どんなトラブルだったかは思い出せない。



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