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米国業界関係(月刊ASCII 1988年2月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS から「米国ハイテク産業の動向」他を抜粋してスクラップする。
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9600bpsモデムの需要が急増している
 80386や68020などを搭載した32bitマシンの登場によって,マシンの処理スピードが速くなるにつれて,通信速度が9600bpsという高速モデムの需要が急増し始めている.米国市場における9600bpsモデムの出荷額は,'87年が4億1000万ドル前後とまだまだ少ないが,今後年率11.5%の伸びが見込まれており,'90年には6億ドルに達する見込みだ。
 通信速度9600bps以上の高速モデムでは,プロトコルの標準化がそれほど進んでいない.CCITTはV.32を提示しているが,実際にはV.32をそのまま採用したTrueV.32と,それを多少修正して採用したpseudoV.32,そのいずれにも属さない第3のグループがあって,事実上,標準化は実現していない.
 True V.32は,AT&T社,Anderson-Jacobson社,Concord Data Systems社などが採用しているが,技術的に複雑でコストもコンピュータ自体より高くなってしまうなど,普及には限界があるとされている.これに対し,Hayes社,MicroCom社,Rascal-Vadic社,U.S.Robotics社などは,V.32のローコスト版にあたるpseudo V.32を採用して,ローエンド市場での普及をねらっている.特に,V-Seriesを発表して高速モデム分野に参入したHayes社は,1200/2400bpsの全2重モデム市場ですでに業界のリーダーとなっており,9600bpsでもその影響力は無視できないものとみられている.
 また,9600bpsモデム市場に最初に参入し,独自路線を歩むTelebit社は,2400bpsモデムの大手メーカーであるVentel社などに技術供与をして標準化を図ろうとしている.一方,True V.32は,Rockwell社やTI社などが専用のチップセットを近く発表する予定だ.これらが発表されれば,これまでTI社のTMS20シリーズなど,汎用DSPチップを使用してTrue V.32モデムを製作してきた各社の製品コストは,大幅に低下する見通しだ。その結果,9600bpsモデムの標準化は,True V.32を中心に進む,と見る向きもある。
■80286/80386マシン用メモリボードがPS/2で動作しない?
注:「PS/2で動作しない」は「OS/2で動作しない」の誤植と考えられる
 IBM社は,'87年12月4日からOS/2Ver.1.0スタンダード版のリリースを始めた(当初の予定では'88年第1四半期).しかし,初期ロットは2万本と少ないため,多くのディーラーがまだ入手していないという現状だ.
 一方,80286や80386マシン用に販売されているいくつかのメモリボードは,OS/2ではうまく動作しないことが最近発見され,IBM社もユーザーに対して警告を発している.1スロットあたり2Mbytes以上のメモリを装備していると,これらのボードは使えないという対象になるボードメーカーには,AST Research社やTecmar社などのビッグネームも含まれている.IBM社は,これらボードメーカーと協力して解決法を探っている最中だ.
 さらに,同OSでは、サードパーティー製の多くのグラフィックボードをサポートできないことが,OS/2の共同開発元であるMicrosoft社によって明らかにされた.同社によれば,'88年早々にリリースされるMicrosoft版OS/2は,IBM版に比べでサポートできるボードがいくつか追加されるというが,基本的には、レジスタレベルで互換性のないボードは動作不能になる場合があるという.もともと,スタンダード版OS/2は,Herculesモードはサポートしていないし,IBM社の8514/A高解像度モード(1024×768ドット)も使えない.
 OS/2は,長期レンジで見るとMS-DOSの後継OSとして不動だとの見方が一般的だが,最初のステップでさっそく難問にぶつかってしまったようだ.
■官庁,軍関連に進出するMacintoshII
 Dataquest社は,MacintoshIIの販売台数を87年度は7万5000台,88年度には20万台という予測数値を発表した.
 これは,これまでMacの売れ筋であった個人ベースのユーザーに加え,官庁,軍などの行政関連分野でもMacが好成績をあげていることに起因している.一般的に,MacはIBM PCに比べて同分野で弱いと言われていたが,確実に巻き返しを図っているようだ.
 NASAの総額2億ドルにのぼるプロジェクトでは,新規に購入される490台のワークステーションのうち,実に40%にあたる196台がMacIIで占められている.
 バージニア州のフォートモンローにある陸軍の施設では,25台以上のMacIIを含む50万ドルの契約をApple社と結んだ.導入されるシステムは,300Mbytesのファイルサーバーと光ディスクなどの大容量記憶装置を,TOPSやPhoneNETで結んだもので,500万件のドキュメントをリトリーブすることができる.また,各所に配置されたビデオディスクやスキャナ,レーザービームプリンタを使って年間約7万枚のスライドが作成できる.ここでは,Macは,おもにDTPやプレゼンテーションの中核として使用される.あるAppleディーラーによると,軍関連との契約は、今後5年間で総額10億ドルにのぼるという.最終的にどのくらいの金額になるかは別にして,軍関連の入札でIBMPCをおさえてMacが採用されるのは画期的なことだ.Apple社は,軍用に不可欠なADAコントローラを'88年早々に発表するという噂もあり,Macが未知の領域である軍関連に今後どれだけ食い込めるか注目される.
 年末になると,必ず話題になる税金申告でも,Macが話題をさらっている(米国ではサラリーマンも自分で税金申告をする).IRS(米国税庁)は,磁気メディアを使った申告は,これまでMS-DOSフォーマットに限定していたが,'88年度からほかのフォーマットも認めるようになった.今までの申告規則では,「磁気メディアによる申告は,IBM PC/XT,PC/AT,3270PCおよびコンパチブルPCによること.IRSでは,ノンコンパチブルディスケットの変換作業は行わない」としていた.それが,「MS-DOSファイルが好ましい.ただし,他の3.5インチディスケットでも可能」と改められた.そして,MacのファイルもIRSが受け付けるリストに含まれることになった.今回の改正では、Apple社のFederal Government Operations Office(連邦政府対策室)が,IRSに対して強力に働きかけたという.
34年前の通信速度は遅かった。文字の通信がほとんどだったが、パソコン通信では受信している文字がリアルタイムで読むことができたほど遅かった。2400bpsMNPを使っていた記憶はあるが、9600bpsのモデムの記憶がない。これは記事にあるような統一化できなかったことが製品の遅れと寿命の短さの原因だったのか?
 もうOSが動作しないパソコンとはなんなのか。日本のエプソンによる98互換機でNECのMS-DOSが動かないなんて可愛い問題だ。IBM PCのような開かれたマシンでは仕方がないことだった。その点Appleは自社でハードとソフトを開発していたから、自由にバージョンアップできた。1社独占というのも悪いことばかりではない。
 MacIIが軍とかNASAに導入とかMacIIは当時そんなに性能が高いマシンだったのかと思ってしまう。

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日本ユニバックとバローズが合併
34年前はまだまだ大型コンピューターの市場は大きかった。

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日本電気、欧米向け超大型電算機の輸出が好調
超大型電算機とは今でいうところのスーパーコンピューターのことだったのか?

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米国の2台LAN専業メーカーが合併
3COMがBridge Communicationsを吸収した。3COMの製品は使ったことがあるというか信頼できるものは3COMしかないだろうという感覚で導入していた。

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メモリの世代交代の3年周期、崩れる
「DRAMの容量は、ほぼ3年サイクルで4Kbit,16Kbit,64Kbitと拡大」34年前はこうだった。

日経クロステックの記事
日本のDRAM、「安すぎる」と非難され、やがて「高すぎて」売れなくなる
によると
>パソコン向けDRAMに汎用コンピュータ向けと同等の信頼性は不要
「となればパソコンに搭載するDRAMも、5年以上の寿命は要らない。こうしてDRAMに要求される信頼性のレベルが、汎用コンピュータ用とパソコン用では違ってくる。その代わり、低価格の要求は、パソコンでは、はるかにきびしい。」
があった。日本が負けたのは安かろう悪かろうでもいい製品分野なんだと。日本人は安かろうという努力は一生懸命するが、悪かろうを容認することはできなった。「コストを無視して高品質を追求する姿勢が日本に醸成される」
「ダンピングと非難された日本の半導体技術者たちの間に、『良いものを安く売ってなにが悪い』といった気分が生じた。『安く作っちゃ、いけねーのかよ』という、うらみも聞かれた。製造コストを下げ、製品を安くする。工業製品を製造するなら当然のこの努力、これを続けることに、日本の技術者たちが徒労感を感じるようになる。」
これには激しく同意する。私は、現在も家電で「安かろう悪かろう」が売られていると感じるが、若い人達は「安かろうこれでも良かろう」と思っているようだ。安かろうで作る家電製品には寿命のばらつきがあり、私と知人は寿命の短いもの複数に当たってしまったから安物を買うのは嫌だが、当たりが良かったものを買った人は安くても良いと評価する。いや、それは運がよかっただけなんだけどな。
5年以上も壊れない機器は「遅れた技術思想」の産物か
「同じパソコンを5年以上使い続ける人は、あまりいない。長寿命の半導体メモリはパソコンには無用である。汎用コンピュータ向けの長寿命品は、パソコンには過剰品質ということになる。これはパソコンと半導体メモリに限った話ではない。」
私はSandy Bridgeおじいさんで(去年末やっとComet Lake)あるが、やっぱり少数派だった。Sandy Bridgeでパソコンを組んだときこのCPUが好きになってずっと使いたいと思ったほどだった。

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