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バイオコンピュータ 月刊(ASCII 1988年1月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

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ASCIIのTBNにはこういった先端研究の解説記事があるので面白かった。先端過ぎて実用化されていないものもあったが、アイデアを知ることが有用だった。こんなことを考え付き実験する研究者に憧れがあった。
バイオコンピュータって何?
○シリコン-フォンノイマンの限界
 コンピュータの第一号機と呼ばれるENIACは1946年,約1万8000本の真空管によって作られました。以来コンピュータの性能はめざましい進歩をとげましたが,その仕組み自体の進歩は真空管がLSIに変わり,プログラムが配線とスイッチによる機構化方式から内蔵方式に変わっただけです.つまりフォンノイマン方式(逐次通算方式)という原則はまったく変わらないまま発展し続けてきました.
 シリコンの加工技術は西暦2000年を過ぎる頃には理論的限界に達して,これ以上集積度を上げるとLSIの中のトランジスタが動作しないところまでいってしまいます.またフォンノイマン方式にしても、画像処理やAIという複雑かつ大量のデータを扱う問題に関して,一つ一つの命令を順次実行していたのでは,いくら速いコンピュータを作っても処理しきれなくなってきていて,そのためにフォンノイマン方式の限界-フォンノイマンボトルネックという言葉さえ使われ始めています.つまりこのシリコン-フォンノイマン構造を持つ現行型のコンピュータには、そろそろ行き詰まりが見えて来ているのです.
 そこで現在,この限界を破るためにさまざまな研究が行われています.3進法,4進法で計算を行う多値素子,積層構造にすることで超高密度集積を実現する3次元回路素子,異なる材料を使った複合半導体の物性を利用する超格子素子,複数の演算を同時に行う並列コンピュータ,光素子を使う光コンピュータなどなど.そしてその中でも,生物の持つ高度な情報処理能力をコンピュータに応用しようというのがバイオコンピュータです.
1988年には2000年で理論的限界だと考えられていたのか。こうして2022年を生きていてどんな限界があったのか、素人には気がつかなかった。過去のこのような記事を読むと自分が未来人になったような気持ちになって面白い。
○バイオコンピュータ出現
 バイオコンピュータ,バイオエレクトロニクスという言葉が研究者の間で使われ始めたのは,1980年代に入ってからでした。その研究の歴史は大変に浅く,また明確なバイオコンピュータの定義もまだありません今後どんなバイオコンピュータが出て来るのか分かりませんが,現在のところ大きく分けて以下の3通りのものが考えられてます.
 (1) 生体材料によって構成されているコンピュータ(バイオマテリアル-コンピュータ)
 (2) 生物の持つ情報処理機構をアーキテクチヤに取り入れたコンピュータ(バイオミメテイック-コンピュータ)
 (3) (1)と(2)の両方を満たすコンピュータ
 バイオコンピュータというと,生体材料のイメージを持ちがちですが,シリコンで出来たこのようなコンピュータでもバイオコンピユータの仲間として研究が進められています.
 まずは,生体材料で作られたバイオチップについて考えてみましょう.
研究が浅かったということはその後の成果について知らないが、社会に影響を及ぼしていない点からこの研究自体が浅かったということでは。すぐに底に達したということか。
○バイオチップ実現へ向けて
 バイオチップの開発には,現在では2つのアプローチが考えられています。一つは生体材料,たとえばタンパク質などで素子を作ろうというものそしてもう一つは生物としての特徴,つまり自己増殖,自己組織などの機能を持たせようというものです.
 バイオエレクトロニクス分野のベンチャー企業である米ジェントロニクス社社長のJ.H.マッカレア博士は最近,タンパク質を利用した分子スイッチと分子素子の構造を提案して世界的な注目を集めました。彼の行ったこれらの提案が,多くの研究者にバイオコンピュータが実現できることを信じさせたと言っても過言ではないでしょう。彼の提案した分子スイッチは、ポルフィリンとポリエン構造を持つ化合物をタンパク質基盤の上に規則正し<配置したものです(図1).その動作原理はポルフィリンを基盤であるタンパク質膜に配列させると,制御電極の信号にエネルギーが孤立波(ソリトン)として集中し,その波がポリエン部を伝わってポルフィリンに達すると,ポルフィリン面の角度が変わって電子が流れスイッチが作用するというものです.
 次にマッカレア博士が提案したのは,「モルトン(Moleton)」と名付けられたバイオチップの構造でした.モルトンはモノクローナル抗体,酵素,ペプチドインターフェイスおよび分子スイッチなどから構成されるデバイスで,生物のように自己増殖,自己複製し,回路設計まで自ら行ってしまう素子とされています。一つの素子の大きさは約100Å(オングストローム,1Å=10-8cm)と高度に集積化できるため、実現すれば単位容積あたりの記憶容量は現在の10億倍ぐらいになると予想されています.しかしモルトンはこのような自己組織化,高密度,熱発生がないという長所の反面,演算速度が遅い(ミリ秒程度のスイミッチング速度),熱や放射線,微生物に弱いという欠点も持っています。
 マッカレア博士は1983年に日本を訪れた際,1985年の筑波科学博にはアイデアを具体化したバイオチップの見本を展示すると語っていましたが,残念ながら実現しませんでした.モルトンの具体化にはタンパク質へのポルフィリン化合物の規則的な導入,配列,配線などまだ技術的に多くの未解決な部分が残されていて,現在では彼の提案は概念としてのバイオチップであり,そのままのアイデアでは実現の可能性は薄いと言われているようです.
 さて他にも多くの研究所でバイオチップの研究が行われていますが,東京工業大学の軽部征夫教授は,味の素と共同で光を当てると水素イオンを移動させる働きをするバクテリオロドプシンという色素タンパク質を用いて,光を電気信号に変える素子の研究を行っています(図2).この素子に光が当たるとバクテリオロドプシンが水素イオンをISFET側に取り込み(プロトポンプ),ISFETの水素イオン濃度が上がることで50ミリボルト程度の電圧変化が得られます。その動作時間は数秒から数分で,約12時間の間安定動作したということです.こうして作られた光によるバイオスイッチもまだまだ動作時間の遅さ,安定動作する時間の短さなどの点で実用化には程遠いものですが,研究段階としては確実に一歩踏み出した素子と言えるでしょう.
おや、この記事を読み進めるとなんだか雲行きが怪しくなってきた。これは、バイオコンピュータってできるかもしれない程度の話ではないか?
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○これから開発される技術
 バイオチップをシリコンチップの次にくるべきデバイスと考えた時,要求される加工技術のレベルはシリコン加工技術の限界を越えた,Åのレベルであることは間違いないことです.そのためには半導体結晶技術だけではなく原子や分子レベルの超微粒子,固体表面の物理,化学の研究は避けて通れません.
 たとえば直径50Åの金の表面を調べると,まるで生きているアメーバのようにたえず変化し,結晶の表面を金の原子が動き回っているのが観察されます.この現象の理論的解明が原子レベルで可能になれば,分子の動作機構を利用した分子素子などのバイオチップの基礎となる超先端技術に対する足がかりとなるはずです.分子素子の研究は始まったばかりで大部分は理論的にしか語られておらず,素子の動作が実証されているものは少ないのですが,バイオチップの理論的基礎として重要な位置を占めています.
 バイオチップのための加工技術は最終的には遺伝子工学により操作されたバクテリアがバイオチップを組み立ててゆくことになるのでしょうが,それはまだ夢の段階です.
 バイオチップ開発の問題点は加工技術だけでなく,バイオチップを動作させるためにどんなエネルギーをどうやって供給するのかも解決されていません.今のところ化学エネルギーのATP(高エネルギーリン酸結合)や電気エネルギーを利用する方法が考えられています.しかし,それらにしてもそのエネルギーを供給するためにはバイオチップとATP生産用チップや分子発電機を同一基盤上に集積化しなければならないという難問が待ち受けているのです。
 ここまで見てきたように,バイオマテリアルコンピュータの実現はまだまだ先の話のようです.そこで次は,より早い実用化が望めそうな,生物の情報処理,脳のアーキテクチヤから研究が行われているバイオミメティックコンピュータを見てみましょう.
夢の話が多くなってきた。バイオコンピュータへの印象がSFになってきた。
○生物の情報処理の研究
 現在のコンピュータは,アルゴリズムさえ分かっている問題なら人間の何千倍という速さで解いてしまいます。ところがパターン認識や連想記憶では,まだまだ生物の敵ではありません。たとえば絵の中の木を見分けたり,手書きの文字を読んだりするという人間にとっては簡単な事柄も,コンピュータにとっては相当な難問題です.これはなぜかというと,「パターン認識の問題は,簡潔には定義できない」からなのです。現在のコンピュータに木を認識させようとするならば,すべての木に通ずる定義と,考えられるすべての木の変形を定義しなければなりません.これをアルゴリズムで表現するのは大変な作業でしょう.
 このようなパターン認識に代表される問題は「ランダム問題」と呼ばれる分野に属しています。生物の脳はこのランダム問題を解くために都合のいいように出来ているのです.そこでエレクトロニクスメーカー各社は、なんとかこの生物の能力を応用できないものかと躍起になって生物の研究を進めています.
 三菱電機中央研究所ではアメフラシの神経をコンピュータに応用しようと研究を進めています.アメフラシは神経細胞が大きくて観察しやすいこと,神経細胞の数が数万個と多すぎず少なすぎず,しかも「えら引込み反射」という学習機能を持ち,神経系の情報処理を研究するのに好都合です.
 日本電気ではC.エレガンスという線虫を対象にして神経系のアルゴリズムやアーキテクチャの研究を行っていますが,いまのところ一つの神経細胞の持つ機能がスーパーミニコン並なのか,PC-9801程度なのか,それさえも分からない状態なのだそうです.
 富士通も線虫やウニの卵の発生を研究して,エレクトロニクスへの応用を試みています.
ああそうか。今のAIの成功はシリコンの微細化が高度に進んだため、脳のパターン認識をシミュレートできるほどになったということか。有機材料を用いなくても脳の働きをシミュレートできるようになったんだ。この当時はコンピュータのシリコンによる記憶容量がM単位だったのが、今はGを超えTにまで達しているから、すなわち100万倍の能力を持つコンピュータならできるがこの当時は100万倍はできるかどうか分からず、できたとしてもそれを運用する技術、ソフトができるかどうか分からなかったのだろう。
○人間の脳からコンピュータを作る
 人間の脳には,約140億個の細胞があります.そのうち約4億~10億個が神経細胞で、残りは栄養などを神経細胞に補給する役目を持つているグリア細胞と呼ばれています。
 神経細胞は脳に入ってきた情報を処理する活動器官で,核となる神経細胞体とそれから出る短い樹状突起,そして長い軸索からできています.また軸索の先はそれぞれ別の神経細胞に接しています(図3).軸索と神経細胞の接触部はシナプスと言い、一つの神経細胞に数百から千個以上も存在しています.
 神経細胞内の情報伝達には毎秒数十メートルから百メートル程度の速さで伝わる電気信号のインパルスが使われていますが,軸索の先端のシナプス部ではインパルスが来ると神経伝達物質と呼ばれる化学物質を放出するようになっています.そこに接している樹状突起には受容器があって,その神経伝達物質を電気信号に変える仕組みを持っています.
 神経細胞は樹状突起からインパルスをいくつも受け取り,その合計の強さがある閾値を越えると自ら興奮してインパルスを発し,軸索を通して次の神経細胞に神経伝達物質を放出して信号を伝えるという働きを持っています.つまり、脳の中での情報のやりとりは神経細胞間の「すべてが無か」言いかえれば「1かりか」というデジタル信号のやりとりによって行われています.神経細胞はコンピュータのトランジスタに対応させることができ,また脳はデジタルコンピュータに対応すると考えることができるのです.
 神経細胞のロジックは1943年にアメリカのW.マッカローとW.ピッツによって最初のモデル化が行われ,その後カイアニエローによって改良されて前に説明したような実際の神経細胞のロジックに近づいてゆきました.
 現在,この神経細胞のモデルをアーキテクチャに取り入れたコンピュータが開発段階に入って話題を集めています.アメリカでは数社がこのタイプのコンピュータの開発に名乗りを上げているほどです.そのコンピュータの名前はニューラルネット(神経細胞)コンピュータ(他にもニューロコンピュータあるいは単にニューラルコンピュータとも呼ばれ,統一された名前はないようです).1987年6月20~24日の5日間,カリフォルニア州サンディエゴではニューラルネットに関する初の国際会議ICNN(IEEE First Annual International Conference on Neural Network)も開催されました.
 脳のロジックの構造をモデルとして設計されたニューラルネットコンピュータは,脳と同様に膨大な数の単純なユニットが複雑に接続された構造をしています。各ユニットの構造は,他のユニットから入力を受け取る部分,入力を一定の規則で変換する部分,結果を出力する部分の3つからなります(図4).他のユニットとの接合部には結合の強さを表すためにそれぞれの重みが与えられていて,伝達される信号の強さは各ユニットの出力と重みの積の値となります.
 各ユニットには,神経細胞と同じように入カの値を合計してゆき,それが一定の値を越えると他のユニットに出力を行うような関数が設定されています.学習可能なニューラルネットワークではこの重みを変えることによって学習や記憶を行っています。すなわち二ューラルネットワークの記憶は素子に依存するのではなく、多くのユニットの結合の中に分散して格納されているのです.そのためあるユニットがエラーを起こした場合でもデータには致命傷を負わせずにすみ,たいがいは結果に影響を与えるまでには至らないわけです.同様に,入力されたデータが不完全な時でもそれを復元して処理できるという優れた構造を持っています。
 ニューラルネットと一口に言ってもその構造や種類は一様ではなく,大きく2種類のタイプに分けることができます(図5).
 パターン連想型は入力パターンを出力パターンに変換するネットワークです。各ユニットは入力層,中間層,出力層に階層化され,結合は前向きにのみ接続,各層内のユニット同士は接続しません。入力ユニットと出力ユニットは独立しています.論理演算のAND,OR,NOTなどを作ることも可能です.
 自動連想型は複数のパターンをネットワークに格納し,入力パターンに最も近いパターンを出力する一種の連想メモリです.たとえば100人の顔を記憶させて,ノイズを含んだある人の顔を入力した時,その人の顔をもとどおりに正しく再現して出力するといった能力があります.
記事のような機能はコンピュータの能力が100万倍以上になると実現できたのだが、繰り返すが1988年当時このまま技術が進歩しても実現できるとは思えなかったのか。
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○バックプロパゲーション
 バックプロパゲーション・アルゴリズムは,1986年にカリフォルニア大学のD. Rumelhartらによって発表されたパターン連想型の学習可能なニューラルネットを学習させるための優れたアルゴリズムで,しかも大変簡単です.まずネットワークに入力を与え,それによる出力を調べ,間違っていれば正しい出力をネットワークに教えます.するとネットワークは正しい出力をするように内部の重みを変えます.これを何度も繰り返してゆくだけです.やがてどんな入力に対しても正しい出力ができるような重みの構造ができた時に学習は終了します.
 ニューラルネットに記憶させられるデータ数には限界があって,N個のユニットの場合N/20~N/4個ビットのデータが適当なデータ記憶量だと報告されています.
 ニューラルネットコンピュータとバックプロパゲーション・アルゴリズムの組み合わせは音声認識,信号処理などに応用され,成果をあげています.
 米のジョンズ・ホプキンス大学ではニューラルネットコンピュータを用いてソナー音の識別システムを開発しました.これはポーンというソナーの反射音を入力し,対象が岩か金属かを識別するシステムです。約2年の訓練を受けた3人の人間のオペレータの認識率は88~93%,ニューラルネットコンピュータは学習時に使ったデータでは99%識別に成功,未学習のデータでも93%識別に成功しました。
 英国のケンブリッジ大学では,英語の母音を認識するニューラルネットコンピュータを開発しています.VAXstationの上に3層のニューラルネットを作成し,バックプロパゲーション・アルゴリズムで2~3時間学習させた結果,6人の話者の11種の田音を99%識別できるようになったそうです.
 一方AT&Tのベル研究所では米国の50州の名前を音声入力で認識できるニューラルネットコンピュータを提案しました.出力層には50の州に対応する50の出力ユニットがあり,Washingtonの入力にはWashingtonユニットの,Newmexicoの入力にはNewmexicoユニットの反応がみられ,また入力が完全に正しくな  このように活気を帯びてきたニューラルネットワークには各種のエミュレータ装置が開発されています.米TRW社はVAX上で動作するニューラルネットのソフトウェアシミュレータMarkI,IIを開発した後,8100個のユニットと21ビットの重みつきで41万7700の接続を持つニューラルネットワークのエミュレータ装置MarkIIIを,1986年4月に5万3000ドルで発売しました.IBMのPalo alto Research Centerでは,連想ネットワークのエミュレータとして動作する拡張ボーードを開発しました(商品化はまだ未定).
 またニューラルネットをLSI上に実現しようという動きもあります.LSIは学習,検証のすんだ完全なモデルを組み込んで実用化するのが適していますが,今はニューロンに似た回路をLSIでどの程度まで実現できるのかを試している段階で,AT&Tベル研究所,ジエット推進研究所,カリフォルニア工科大学などで研究が行われています.b  またカリフォルニア工科大学ではホログラムを利用したニューラルネットの実験が行われています.ホログラムは大量の情報蓄積能力を持ち,接続は光線で行われるため電気的な干渉なしにあらゆる複雑な接続も可能となるので,将来ニューラルネットワークを構築するハードウェアとして期待されています.
ここにきて記事が現実的になってきた。AIはバイオコンピュータでなくても1988年当時の技術の延長線上で実現できた。
○ニューラルネットワークで何ができる
 ニューラルネットコンピュータが何に使え,また既存のフォンノイマン型コンピュータよりどのくらい優れているかは,今のところ判断できません。解ける問題の範囲を数学的に示した研究もまだなく,現在は可能性を追求している段階です.しかしニューラルネットワークはランダム問題を解くコンピュータを作る最良の方法だということは間違いないでしょう。5年後,10年後にフォンノイマン型コンピュータと同じようにニューラルネットコンピュータが私達の机の上に乗り,リアルタイムで音声認識や画像処理をしてくれる可能性は少なくないのではないでしょうか.
そうではない。この予想は外れていた。
○すでに夢物語ではなく
 この原稿を書いている最中に,日本電気が世界で初めて0.2μの線幅のLSIの生産に成功という記事が新聞に載っていました.0.2μという数字は,約10年前にはトランジスタ構造を保てる最小の大きさとされていた理論値0.24μを下回っています.コンピュータの高性能化のために,各メーカー,研究所はまさにしのぎを削っているのだと痛感しました.
 しかし,バイオコンピュータの実現はその力をもってしても遠く険しく、バイオマテリアルコンピュータが今世紀中に成功する可能性は低いとする見方もあります.
 すぐにも実用化できそうな勢いのバイオミメティックコンピュータにしても,当分はフオンノイマン型コンピュータの性能を補うオプションのような形で組み込まれることになりそうで,それ自身独立したシステムとなるにはまだ少し時間がかかりそうです.
 しかしバイオコンピュータは決して夢物語ではなく,いつか必ず開発されるもののリストに名を連ねたことは確かでしょう. (新野)
線幅0.24μが理論的限界だったのか。今では数nmまでに来ている。理論的限界は、前提条件としている理論の限界ということで、前提条件としている理論が変われば限界も変わるということか。
 古い雑誌をスクラップすると未来人になった気分が味わえて楽しい。






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