SSブログ

MS-DOSにプロテクト,編集部から(月刊ASCII 1988年1月号11) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「勝手にMS-DOS」という連載記事の中にコラム記事があった。「PC-9801互換マシンが出たら、MS-DOSにプロテクトがついた!?」
ASCII1988(01)f08勝手にMS-DOS_コラム_W520.jpg
スクラップする。
 先月は,コンパチマシンとMS-DOSのプロテクトの話ができなかったので,少し触れておきたい、日本電気とセイコーエプソンのPC9801互換機問題は,新聞などでも取り上げられているので,ご存じの方も多いだろう.
 MS-DOSは,ハードウェアに依存する部分が多いため,メーカーによって,それぞれのマシンに対応するMS-DOSが存在する.これは,先月も触れた.ところが,今年4月,エプソンが,16ビットマシンのベストセラーになっている日電のPC-9801シリーズと互換性を持つPC-286(MODEL1~4)を開発したのである.となると,PC-9801用のMS-DOSや,MSDOSがバンドリングされているアプリケーションが他機種でも使えるようになってしまう.
 ところが日電は,PC-286の発売前に,「PC-9801のBIOS(基本入出力システム)部分のプログラム著作権を侵害している」と判断し,エプソンを相手に訴訟を起こした.それを受けたエプソンは,「訴えられた製品は、消費者に悪いイメージを与える」という理由で,発売を予定していたPC-286(MODEL1~4)の出荷を中止し,係争中の部分を新たに開発し直したPC-286(MODELO/後のSTD)を発売したのである.その結果,発売しなかったMODEL1~4が法廷で争われ,販売しているMODELOについては,訴訟になっていないという,ちょっと面白い状況になっている.「米国におけるIBM PCの例を見るまでもなく,コンパチマシンは、多くの場合,「安くて,速い」ことがセールスポイントになる.PC-286MODELOも,PC-9801VX2より安くて,処理速度が速かったことから,日電は,6月に対抗機種としてPC-9801VX21を発表した.さらに,その姿勢を明確にしたのが,PC-9801シリーズ用に市販されているMS-DOS(Ver.3.1および2.11)にプロテクトをかけるという戦略だった.これは,ディスクを入れた際に,そのマシンが本当にPC-9801かどうかを判断し,PC-9801であった場合だけMS-DOSが起動するような仕掛けをMS-DOSに組み込んだものだ。
 このプロテクトは,8月頃に何の予告もなしに行われたので、パソコンショップやPC286ユーザーの間で“動かない”と,かなり話題になった。日電がソフトメーカーに供給するバンドリング用のMS-DOSVer.2.11にも,同様の措置がとられたものがあるようだ。もちろん,MS-DOSが起動できなければ,目的のアプリケーションも使えない.日電は,「PC9801用に作られたソフトが,他のマシンで正常に動作しなかった場合,保証はできない」という理由で,MS-DOSにプロテクトをかけたようだが,やはりこれは,PC-286対策と考えられるだろう。
 これに対してエプソンは,どういう反撃に出たか.実は10月に発表したPC-2860/Vに,このプロテクトを外すようなソフトを標準で添付するという対抗策を打ち出したのである。コンパチマシンを正面切って売り出したメーカーだけあって,やるなーという感じがする.
 だが私は,MS-DOSのような基本的ソフトウェアにプロテクトをかけたり,それを外すソフトを供給したり,という状況にはまったく反対である.迷惑なのは、余計な操作が増えて戸惑うユーザーのほうだ.
 PC-980」とPC-286の問題は,現在では和解の方向に向かいつつあるようなので,これ以上プロテクトのイタチごっこにまで発展することはなさそうだ。しかし,まだまだ成熟商品とは言えないパーソナルコンピュータをめぐって,基本的な利用環境でつまずいてしまっては,まともな普及は見込めないぞと思うのだが。
まあ、34年前はこんな状況だったのだ。OSとはなんぞやという思いがあった。まあ、MS-DOSでのプログラミングはMS-DOSをバイパスしてハードウェアを直接使うにはどうするかという解説書が売れていたので当然なのかもしれないが。OSとは名ばかりでアプリプログラムのローダーになり下がっていた。もちろん私も嬉々としてMS-DOSをバイパスして高速プログラムを作っていた。

この号の編集部からの記事をスクラップする。
ASCII1988(01)h01編集室から_W520.jpg
'88年を迎えて

 '87年も暮れ,また新しい年を迎えようとしている.よく言われることではあるが,パソコン界の進歩は早く,この1年にも,大きな変化があった。
 アメリカでは,IBMがオペレーティング・システムとしてOS/2を発表し,'87年の暮れには発売されることとなった.また,新しいPS/2シリーズの最上位機種ではCPUに80386を採用,互換機メーカーによるATコンパチの80386マシンも好調だという.アップル社はMacintoshシリーズを一新し,最上位機種としてMacintoshIIを発売.この秋にはHyperCardも発売して,相変わらずの先進性を示した。国内でも80386マシンの発売が相次いだことは、やはり印象深い.
 とはいえ,新しいことがすべてではない.'87年の国内では、一般ユーザーに関係が深いレベルでの変化も随分と多かった.
 その一つに,80286マシンの普及とハードディスクの低価格化が挙げられる.今から1年半ほど前,'86年の夏頃であれば,80286マシンは最先端のパソコンであった.それが現在では,一般ユーザーでも手の届く範囲の価格で出回っているのである.また,ハードディスクについては,思い出深いエピソードもある.'86年7月号は僕自身が編集長となった最初の号であったが,その号で我々は「失敗しないディスプレイ選び」という特集を組んだ.この時,「ハードディスク選び」にしようという声もあったのだが,まだまだ高価だという理由で断念せざるをえなかったのだ。その後1年でハードディスクの低価格化は進み,'87年6月号にこの企画は実現された。最近ではさらに低価格化しており,来年には,ますます普及することと思われる.
 一方で,16ビットのホビーパソコンが登場したのも'87年の収穫だったろうシャープのX68000と日電のPC-88VAは,8ビットマシンの思想を受け継いだ16ビットマシンとして注目された.アメリカではすでにAmigaをはじめとした16ビットホビーパソコンが一般化しているが,パーソナルコンピュータの新しいジャンルを確立することが期待される.
 あまりにも急激な変化は,ユーザーの戸惑いを招く恐れもある.ソフトウェアの資産も十分に有効利用できなくては困る.とはいえ,やはりパソコンの楽しみは,技術の進化を身をもって体験できるところにあるのではないだろうか.そういった意味で,'88年も楽しい年となることを期待したい。(土田米一)
そうか?「あまりにも急激な変化は,ユーザーの戸惑いを招く恐れもある.」ユーザは今持っているマシンに満足はしてなかった。HDDがないユーザはおそらくゲーム機と化していただろう。HDDがあって、RAMディスクがあって、EMSメモリがあってやっと使い物になる機械だった。パソコン初心者でも使えるようになったのはWindows95からだった。文句ばかり言ってパソコンで仕事をしていた記憶しかない。趣味のプログラミングではとにかく高速化!データの圧縮!を最重点にやっていた。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:パソコン・インターネット

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。