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HyperCardコラム記事(月刊ASCII 1987年12月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

HyperCardのコラム記事部分をスクラップする。
HyperCardのアプリケーション

Stack―その応用分野は?―

 Apple社がHyperCardを発表するや,CompuServelt,MAUG(Macintosh Users Group)の中に「HyperCard」の専用PDSライブラリを開設した.このライブラリには,現在,1日平均3~5個のStackがアップロードされている.ライブラリが設置された8月下旬からの累積数は,200個を超える(10月10日現在).
 その中には,先月の本稿でも紹介した「MacTALK」のStack版など、既存のアプリケーションをHyperCardに移植したものから,「SoundCap」,「ThunderScan,「MS-Word」といったアプリケーションのファイル・フォーマットを、HyperCardに対応するメタファイル・フォーマットに変換するユーティリティ,「Star Treck」などのゲーム,子供に英単語の発音を教えるCAI用ツール,各種ビジネス用ツール,HyperCard自体の学習用ツールまで、実に幅広いStackが一一般のユーザーなどによってアップロードされている.もちろん、発売予定のアプリケーションStackも数多くリリースされている.そうしたStackから,いくつかを紹介しよう.
週刊誌の次はテレビ番組MacTVでクイズを楽しむ

 Stack版MacTALKを作ったJerry Danielsが次に手がけたのは、なんとテレビ番組「MacTV」(約911Kbytes,図1を参照)だ.MacTALKがマイクロフフィルムで記事を提供しているのに対して,MacTVは,1~9の各チャンネルを使ってクイズなどの番組を提供する、各チトャンネルは、1フレームが1枚のCardになっており,Card中にはButtonやFieldが隠されている.それらをクリックしたり、次のフレームをクリックすることで番組は進行する番組のバックにはサンプリングした音楽も流れて、全体としての完成度は非常に高い。多様な要素を持つテレビというメディアと,HyperCardの柔軟な構造を結び付けたアイデアは、HyperCardの解説に最適の方法かもしれない。
MacWorldのガイドブック

 HyperCardは,8月11日から3日間に「わたって米国ボストン市で開催された「MacWorld」で、初めて公開された.MacWorldは、Macのハード/ソフト/書籍などを一堂に集めたプライベート・ショウとして有名だが,その会場案内を一手に引き受けたのが,このガイド用Stack「Welcome to MacWorld」(約1440Kbytes,図2を参照)だった.オープニングで表示される地球をクリックすると,画面はズームインしながら、会場になったベイサイド・センターを表示する.各ブースの案内から,出展内容,コンファレンス情報までが,すべてButtonとFieldだけで定義されており,インタラクティブな操作で,来場者には非常に好評だった。
ビジネスマン必携のStack

 Danny Goodmandi,Bantam Computer Books社から先頃出版した「The Complete HyperCard Handbook」は,全700ページを越えるHyperCardの解説書だが,この中でサンプルとして開発したのが,ビジネス用Stack「Business Class」(約1120Kbytes,図3を参照).これは,世界中を駆け回るビジネスマンの出張管理用Stackで,オープニング画面の世界地図から目的の都市をクリックすると,その都市の温度/湿度,時間,ホテルや飛行機/鉄道の予約,旅費の計算からはじまって、金銭/クレジットカードの出納,予定表,電話帳,緊急連絡帳などを一括管理できる.ラップトップ型Macが1台欲しくなるほど秀抜なStackだ.Bantam Software社は,これを単なる解説用Stackとして終わらさずに発売する計画だ。
アニュアル・レポートもStackで

 Apple社が企業の会社案内やアニュアル・レポート用のサンプルとして作った「MegaCorp」(約770Kbytes,図4を参照)は,Mega社という企業の全貌を分かりやすく紹介するためのサンプルStack.会社案内からはじまって,組織図、社歴,部署案内,重役紹介,アニュアル・レポートと続く、中でも、良くできているのがアニュアル・レポート.会計年度の推移や世界各国の支社の状況などを、スライドショウの機能をふんだんに取り入れたデモで見せてくれる.

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私たちがPC-9801シリーズでテキストベースのプログラミングで遊んでいたときMacユーザは10年以上も先のプログラミング環境にいたのか。とりあえず、HyperCardが先進的だったのは分かったが、Windowsでも10年遅れで追いつけるのならHyperCardが別のものにとって代わられても仕方がないか。ウサギとカメだな。

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