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米国業界関係(月刊ASCII 1988年1月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からCOMDEXと米国業界関係の記事をスクラップする。

ASCII1988(01)b14_COMDEX87_W520.jpg
以下パソコンの写真をスクラップする。

ASCII1988(01)b14_シャープPC-4521_W369.jpg
シャープのPC-452
CPUにV40を使っているところが面白いか。

ASCII1988(01)b14_三洋MBC-18PLUS_W520.jpg
三洋電機のMBC-18PLUSは80386マシン

ASCII1988(01)b14_中国GW-386E_W520.jpg
中国も出展していた。CCDC(China Computer Development Corporation)のGW-386Eは80386マシン

ASCII1988(01)b14_東芝T5100_W520.jpg
東芝T5100は80386のラップトップマシン。

ASCII1988(01)b15_Amiga500_W387.jpg
Amiga500。詳細は記事にない。

ASCII1988(01)b15_Commodore_Amiga2000_W516.jpg
Amiga2000のCPUは68000。

ASCII1988(01)b15_Amigaレイトレーシングプログラム_W470.jpg
Byte By Byte社のAmigaシリーズ用のレイトレーシングプログラム「Sculpt-Animate3-D」

ASCII1988(01)b15_AST_PREMIUM/386_W518.jpg
AST社のPREMIUM/386

ASCII1988(01)b15_Atari_MEGA4_W520.jpg
AtariのMEGA 74。CPUは記事にない。

ASCII1988(01)b15_AtariのLBP_W348.jpg
AtariのLBPのSLM804

コモドールとかアタリとか8bit時代のメーカーが32bit時代に入っても頑張っていたことがわかる。

COMDEX以外の記事をスクラップする。
ASCII1988(01)b12_三洋米でIBM_W498.jpg
三洋、米でIBM互換マシン生産へ
「米政府が半導体報復措置として100%関税を計測しており」とあるが、35年後は中国にはどのような報復措置をしているのか。

ASCII1988(01)b10_米商務省圧力_W501.jpg
米商務省、日本製電算機輸入商談に不当な圧力
日本のスパコンをMITに納入させなかったとのこと。





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パソコン業界HDD(月刊ASCII 1988年1月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からパソコンとその業界関係の記事をスクラップする。
ASCII1988(01)b01ASCEXP扉_W520.jpg
ASCII1988(01)b01ASCEXP日電エプソン和解_W382.jpg
ASCII1988(01)b04_日電エプソン和解_W502.jpg
日電とセイコーエプソンが互換機の著作権侵害裁判で和解
建前としては、とりあえず和解はしたものの完全和解ではなかった。
記事で気になるのは「独自開発したとは思えないような(PC-9800のBIOSと)同一のコーディング部分が発見されている」というが、8086だからあり得るのではと思う。とにかく8086はレジスタに癖があり、普通にというか高速なプログラムを作ろうとすると同じコーディングになると思う。へたくそというか8086を理解しないで作ると「君のプログラムは遅くなるようにコーディングしているのかね」と注意されたという話を聞いたことがある。

ASCII1988(01)b02_J-3100本文_W520.jpg
ASCII1988(01)b02_J-3100GX_W520.jpg
ASCII1988(01)b02_J-3100SGT_W520.jpg
東芝がJ-3100シリーズに80386モデルなどを投入
OS/2やUNIXなどもオプションでサポート予定
価格はJ-3100SGTが94万8000円
J-3100GXが84万8000円
と高価だった。
「国内のラップトップ市場は、87年度が200億円、88年度が500億円」
大きいのかどうかよく分からない。
「東芝(引用者編集)では、今回発表した2機種を含む4機種6モデルで、同市場の6割のシェアを確保したい考え」
なので当時の東芝の戦略が理解できる。

ASCII1988(01)b12_松下16bitラップトップ_W503.jpg
松下、16bitラップトップマシンを販売へ
松下はFMR互換でパソコン市場に参入していた。

ハードディスクの記事が多かった。
ASCII1988(01)b04_キャラベルHDD_W502.jpg
キャラベル、ハードディスクなどを発売
キャラベルのAvariceシリーズは29万8000円から49万8000円。ディスク容量が書いてない中途半端な記事だ。

ASCII1988(01)b08_アイシーエムHDD_W498.jpg
アイシーエム、PC-9800用HDDを発売
STRIDE MC-20 (20Mbytes)が12万5000円

ASCII1988(01)b10_緑電子HDD_W507.jpg
緑電子、小型大容量HDDを発売
Little B (20Mbytes)が9万4000円

ASCII1988(01)b12_テックパーツHDD_W505.jpg
テックパーツ、PC-9800用低価格HDDを発売
テックパーツという会社は知らなかった。
20Mbytesで9万8000円。この記事には、製品の型番がない。ASCII EXPRESSの記事は、このような不完全はやっつけ仕事が多い。

ASCII1988(01)b12_ランドコンピュータHDD_W501.jpg
ランドコンピュータ、カートリッジHDDを発売
LHDS-42(本体と接続ケーブル)が7万円
LHDC-22A(20Mbytesカートリッジ)が12万8000円
LHDC-42A(40Mbytesカートリッジ)が24万8000円

ASCII1988(01)b13_アイテックHDD_W520.jpg
アイテックが10万円を切る20MbytesHDDを発売
ITH-520N(20Mbytes)が9万9800円

ASCII1988(01)b13_ロジテックHDD_W520.jpg
ロジテックがハードディスクドライブ4機種を発売
LHD-32N(20Mbytes)が15万8000円
LHD-32H(20Mbytes)が22万8000円
LHD-34H(40Mbytes)が32万8000円
LHD-34S(40Mbytes)が39万8000円

HDDは、めっちゃ高かった。
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パソコン広告(月刊ASCII 1988年1月号1) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

もう一度読み返し、スクラップする。
ASCII1988(01)表裏_W520.jpg
裏表紙は南野陽子がメインのFM77AV40EXで前号の使いまわし。

ASCII1988(01)見開ppt_W520.jpg
表紙見返しはPC-98シリーズ全般の広告だった。

ASCII1988(01)a01PC88MA_W520.jpg
PC-88VAの広告のは若干変更しているが前号とほぼ同じ。

ASCII1988(01)a02PCVAN小沢なつき_W520.jpg
NECのモデムの広告は小沢なつきが大部分を占めていて前号の使いまわし。

ASCII1988(01)a03MZ-2861_W520.jpg
シャープのMZ-2861は前号の使いまわし。

ASCII1988(01)a04X68000_W520.jpg
シャープのX68000は前号の使いまわし。

ASCII1988(01)a05X1turboZII_W520.jpg
新製品シャープのX1turboZII。パソコンの名前は X1 → X1turbo → X1turboZ → X1turboZIIとXこうして長くなる。まあ、NECのPC-8801mkIISRと似たようなものだ。

ASCII1988(01)a06X68000_W520.jpg
X68000の周辺機器の広告は前号の使いまわし。

ASCII1988(01)a07J-3100SL_W520.jpg
右頁が東芝のJ-3100SL。

ASCII1988(01)a08M77AV40EX_W520.jpg
南野陽子をイメージキャラクターに起用した富士通のFM77AV40は前号の使いまわし。

ASCII1988(01)a09FMR_W520.jpg
富士通のFMRシリーズはバックの色を変えただけのほぼ前号の使いまわし。

以下日立のB16LXの広告。
ASCII1988(01)a10B16LX_W520.jpg
右頁がB16LX
ASCII1988(01)a11B16LX_W520.jpg
見開きでB16LX
ASCII1988(01)a12B16LX_W520.jpg
左頁がB16LX
なぜ、こんなページ割にした?見開き4ページでは嫌なのか。

ASCII1988(01)a13Macアップル_W520.jpg
これはアップルコンピュータジャパン(株)のMacの広告。

ASCII1988(01)a14Macキヤノン_W520.jpg
こっちはキヤノン販売(株)のMacの広告。
なぜ、2社で分かれて広告する?

ASCII1988(01)a15PC-286_W520.jpg
エプソンの98互換機PC-286は前号の使いまわし。

ASCII1988(01)a16サスケ_W520.jpg
右頁がサスケの広告で前号の使いまわし。

ASCII1988(01)a17一太郎_W520.jpg
一太郎の広告は前号の使いまわし。

ASCII1988(01)a18花子_W520.jpg
花子の広告も前号の使いまわし。ジャストシステム毎号広告を変えるのがあきてきたか。

ASCII1988(01)a19ケントギルバート_W520.jpg
左頁がVP-plannerの広告。
ASCII1988(01)a19ケントギルバート_W312.jpg
ケントギルバートが懐かしかったのでスクラップする。

ASCII1988(01)a30FUJIFILM_W260.jpg
裏表紙裏のFUJI FILMのフロッピーディスクの広告は前号の使いまわし。

ASCII1988(01)a50ログイン通信_W520.jpg
相変わらずつまらないへたくそマンガを載せているログインの広告

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表紙・裏表紙・見返し広告一覧(月刊ASCII 1988年) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

1988年の広告は、前年に引き続き裏表紙を富士通が、表紙見返しをNECが独占した。パソコン市場の趨勢は固定したままだ。

ASCII1988(01)表裏_W520.jpg
裏表紙は前号に引き続き、南野陽子もといFM77AV40EXだった。
ASCII1988(02)表裏_W520.jpg
裏表紙は前号に引き続き、FM77AV40EXだった。
ASCII1988(03)表裏_W520.jpg
裏表紙は前号に引き続き、FM77AV40EXだった。
ASCII1988(04)表裏_W520.jpg
裏表紙はFM77AV40EX/20EXだった。南野陽子のカットが変わった。
ASCII1988(05)表裏_W520.jpg
裏表紙は前号に引き続き、FM77AV40EX/20EXだった。
ASCII1988(06)表裏_W520.jpg
裏表紙は前号に引き続き、FM77AV40EX/20EXだった。
ASCII1988(07)表裏_W520.jpg
裏表紙は前号に引き続き、FM77AV40EX/20EXだった。
ASCII1988(08)表裏_W520.jpg
裏表紙はFM77AV40EX/20EXだった。南野陽子のカットが変わった。
ASCII1988(09)表裏_W520.jpg
裏表紙はFM77AV40EX/20EXだった。
ASCII1988(10)表裏_W520.jpg
裏表紙はFM77AV40EX/20EXだった。南野陽子のカットが変わった。
ASCII1988(11)表裏_W520.jpg
裏表紙はFM77AV40EX/20EXだった。
ASCII1988(12)表裏_W520.jpg
裏表紙はFM77AV40SXだった。南野陽子のカットも変わった。

表紙見返しの広告はこの年もNECが独占した。
ASCII1988(01)見開ppt_W520.jpg
PC-98シリーズ全般の広告だった。
ASCII1988(02)見開ppt_W520.jpg
PC-98XL2がメインだった。NECは表紙見返しにたいして売れない製品を掲載していた。
ASCII1988(03)見開ppt_W520.jpg
この号もたいして売れないPC-98XL2がメインだった。
ASCII1988(04)見開ppt_W520.jpg
3.5インチマシンを押していた。3.5インチはフロッピーディスクが5インチより高かったのでいまいち売れていなかった。
ASCII1988(05)見開ppt_W520.jpg
やっとPC-9801互換のラップトップPC-9801LV21を出した。私たちは、「もっと早く出せよな。エプソンが出さなければ出さなかったろう。ラップトップでなくラップクラッシュだ」と言っていた。
PC-9801UV11は3.5インチでコンパクトな筐体だから人気を博しそうだったけど、そんなには売れなかった。それは、一般ユーザは5インチFDDのPC-9801を持っている人が多く、ソフトをコピーしていた。だから3.5インチFDDのマシンを買ってしまうとメディアコンバートをしなくてはならずコピーには不利だった。ゲームソフトとかプロテクトがきついソフトがあり、それらのコピーはやはり5インチFDDユーザの方が得意だった。
ASCII1988(06)見開ppt_W520.jpg
この号も3.5インチマシンを押していた。
ASCII1988(07)見開ppt_W520.jpg
この号も3.5インチマシンのPC-9801LV21を押していた。もしかするとエプソンの互換機を意識していたのかもしれない。
ASCII1988(08)見開ppt_W520.jpg
この号も3.5インチマシンを押していた。キャッチコピーが「1人1人のニーズに応える3.5インチファミリー新モデル」だった。
ASCII1988(09)見開ppt_W520.jpg
いよいよ売れ筋のPC-9801VXの後継たる80386マシンのPC-9801RAが登場した。こういうマシンが一般ユーザは欲しかった。
ASCII1988(10)見開ppt_W520.jpg
キャッチコピーは「先進機能をフル装備した次世代のマルチタスクオペレーティングシステム日本語MS OS/2(Ver 1.0)」だった。OS/2は分析装置に付いていたものを触ったことがあったが、パソコンとして触ったことはなかった。OS/2でなければならない素人にも触れるソフトウェアがないことが普及しなかった原因だと思う。
ASCII1988(11)見開ppt_W520.jpg
この号の見返しはPC-9801RXの広告。RAは高いから安いRXを出したのだろうが、安いマシンが欲しかったらエプソンを買えばいいじゃないかということで私たち一般ユーザには人気がなかった。
ASCII1988(12)見開ppt_W520.jpg
プラズマディスプレイのラップトップPC-9801LSが出た。東芝のプラズマディスプレイマシンに対抗したのだろう。東芝にできることはNECでもできるという気持ちが感じられた。

ASCII裏表紙、表紙見返し掲載メーカー・機種

裏表紙表紙見返し
年月会社機種会社機種
1980年1月号NECPC-8001EPSONTP-80E
1980年2月号NECPC-8001EPSONTP-80E
1980年3月号NECPC-8001EPSONTP-80E
1980年9月号NECPC-8001EPSONTP-80E
1981年1月号NECPC-8001EPSONMP-80
1981年8月号NECPC-8001AppleAppleII
1981年9月号NECPC-8001AppleAppleII
1981年10月号NECPC-8001AppleAppleII
1981年11月号NECPC-8801AppleAppleII
1982年1月号NECPC-8801AppleAppleII
1982年2月号富士通MICRO8AppleAppleII
1982年3月号NECPC-8801AppleAppleII
1982年4月号富士通MICRO8AppleAppleII
1982年5月号if800AppleAppleII
1982年6月号富士通MICRO8AppleAppleII
1982年7月号if800AppleAppleII
1982年8月号富士通MICRO8NECN5200
1982年9月号if800NECN5200
1982年10月号富士通MICRO8NECN5200
1982年11月号if800AppleAppleII
1982年12月号富士通FM-7AppleAppleII
1983年1月号if800AppleAppleII
1983年2月号富士通FM-7NECN5200
1983年3月号if800NECPC-8001mkII
1983年4月号富士通FM-7NECPC-8001mkII
1983年5月号if800NECPC-8001mkII
1983年6月号富士通FM-7NECN5200
1983年7月号if800NECN5200
1983年8月号富士通FM-7NECPC-8000mkII
1983年9月号if800NECPC-8200
1983年10月号富士通FM-7NECPC-8801
1983年11月号富士通FM-11NECPC-8001mkII
1983年12月号富士通FM-7NECPC-9801F
1984年1月号富士通FM-XNECPC-8001mkII
1984年2月号富士通FM-XNECN5200
1984年3月号富士通FM-11NECPC-8001mkII
1984年4月号富士通FM-11NECN5200
1984年5月号富士通FM-11NECPC-9801E
1984年6月号富士通FM-77NECPC-9801F
1984年7月号富士通FM-77NECPC-9801F
1984年8月号富士通FM-77NECPC-8801mkII
1984年9月号富士通FM-77NECPC-8801mkII
1984年10月号富士通FM-77NECPC-PR201
1984年11月号富士通FM-77NECPC-9801F3
1984年12月号富士通FM-77NECPC-9801F3
1985年1月号富士通FM-77NECPC-9801M2
1985年2月号富士通FM-77NECPC-9801M2
1985年3月号富士通FM-11AD2+NECPC-9801M2
1985年4月号富士通FM-11AD2+NECPC-9801M2
1985年5月号富士通FM-11AD2+NECPC-9801M3
1985年6月号富士通FM-NEW7NECPC-9801M3
1985年7月号富士通FM-NEW7NECPC-98XA
1985年8月号富士通FM-NEW7NECPC-98XA
1985年9月号富士通FM-NEW7NECPC-9801VM2
1985年10月号富士通FM-NEW7NECPC-9801VM2
1985年11月号富士通FM-NEW7NECPC-9801VM2
1985年12月号富士通FM16πNECPC-9801VM2
1986年1月号富士通FM16πNECPC-9801U2
1986年2月号富士通FM16πNECPC-9801U2
1986年3月号富士通FM16πNECPC-9801VM2
1986年4月号富士通FM16πNECPC-9801VM2
1986年5月号富士通FM16πNECPC-9801VM2
1986年6月号富士通FM77AVNECPC-9801VM2
1986年7月号富士通FM77AVNECPC-9801UV2
1986年8月号富士通FM77AVNECPC-98シリーズ
1986年9月号富士通FM77AVNECPC-98シリーズ
1986年10月号富士通FM77AVNECPC-9801UV2
1986年11月号富士通FM77AVNECPC-9801UV2
1986年12月号富士通FM77AV40NECPC-98シリーズ
1987年1月号富士通FM77AV40NECPC-LT
1987年2月号富士通FM77AV40NECPC-98XL
1987年3月号富士通FMR-30NECPC-98LT
1987年4月号富士通FMR-30NECPC-98LT
1987年5月号富士通FMR-30NECPC-98LT
1987年6月号富士通FMR-30NECPC-98LT
1987年7月号富士通FMR-30NECPC-9801UV21
1987年8月号富士通FMR-30NECPC-9801VX21
1987年9月号富士通FMR-30BXNECPC-9801UV21
1987年10月号富士通FMR-30BXNECPC-98LT
1987年11月号富士通FM77AV40ENECPC-98XL2
1988年1月号 富士通FM77AV40EX NECPC-LT
1988年2月号 富士通FM77AV40EX NECPC-98XL2
1988年3月号 富士通FM77AV40EX NECPC-98XL2
1988年4月号 富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801UX21
1988年5月号 富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801LV21
1988年6月号 富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801LV21
1988年7月号 富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801LV21
1988年8月号 富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801LV21
1988年9月号 富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801RA2
1988年10月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801RA2
1988年11月号富士通FM77AV40EX/20EXNECPC-9801RX2
1988年12月号富士通FM77AV40SX NECPC-9801LS2
機種が複数掲載されているときは、1写真付き、2写真の大きさ、3写真の配置が上位と思われるものを代表機種として記載した。

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行ってみてきた中国、編集部から(月刊ASCII 1987年12月号11) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII1987(12)g01中国_W520.jpg
前号に続きTBNには中国の記事があった。35年前の中国実に興味深い。スクラップする。

 9月8日から13日まで,北京において“テレコンプチャイナ'87"が開催されました.このページでは,ASCII取材チームが見てきた中国のパーソナルコンピュータの周辺状況を先月と今月の2回にわたって紹介しています.前回は北京の秋葉原こと“中関村路"のパソコンショップをレポートしましたが,今回は市内の繁華街の様子などを中心にお話ししましょう。

やっぱりでっかい万里の長城

 ショーの取材を一通りおえた我々は,無理を押して万里の長城,八達嶺へと足を伸ばしました.今回の旅程で,一番観光客らしかった行動です.北京市街から郊外へと向かう道路は広く真っすぐで信号も少なく,交通の要衝はロータリーになっています。片側2~3車線の車道を走る車はやはりトラックや人間を満載した二両連結の路線バスが目立ちます.
 車道の外側には,自転車やトラクターなどの軽車両用の車線が街路樹やパイロンによって分離されていて,馬車などがゆっくりとしたペースで走っています.
 郊外になるにつれて建物や,街では目立った看板も少なくなり,ガソリンスタンドさえも,かなり注意して見ていなければ見つかりません.
 目的地へは小1時間で到着.実際に目にする長城は,テレビや写真などの印象をはるかに越えて巨大で,ただただ驚嘆!全長数千kmにもおよぶというのですから……(ただ,近くでみると積まれたレンガは落書きだらけでした).
 観光客気分を満喫した我々は,もう一つの目的である視察(えらそう!)のため、市街へととんぼ返りしました.

王府井大街

 北京随一の繁華街である王府井大街は,東京でいえば銀座とアメ横を足して2で割ったような場所(ガイドブックによると,おのぼりさんの集まる所だとか).約1kmほどの通りの両側には,電器屋,レコード屋から衣料品,食料品,時計や貴金属,書店まで,およそありとあらゆる店が軒をつらねています.また,王府井大街と交差する東安門大街は,日暮には2車線の道路のおよそ半分を屋台と自転車が占有してしまいます。屋台で売られているのは,湯気の立つ碗に入ったおかゆや煮込みのようなもの,何だかわからない熱々の串焼など、それらを買い求めた人はてんでに道端に腰かけて食べたり、立ったまま食事をとるなど,この一帯はたいへんなにぎわいです.我々も大変に食欲をそそられたのですが,言葉と胃袋に不安をもつため,あきらめざるを得ませんでした.
 この一大繁華街を歩いてみたなかで,読者のみなさんが興味を持たれそうな店を,いくつか紹介しましょう.
 最初は,北京で一番大きいという新華書店.石づくりの4階建ての建物は,まるでどこかの大学の古い校舎のよう.1階は児童書や文学作品,社会科学などの一般図書,2階は自然科学,3階は芸術書や地図となっています.ただ,なぜか雑誌の類は見つかりませんでした(後で外に出てみると,近くの露店で映画雑誌や家庭雑誌などが売られていました).書籍の展示方法は日本とあまり変わらず,所狭しと並んだ本棚に,内容別に分類されて並べられています.ショーケースに入った高価な本以外は,直接手にとって選ぶこともできます.本の種類は日本に比べれば少なく,同じ本が数多く並べられています.
 ここでは読者プレゼント用に,UFOと恐龍が登場するSF短編集美原幼万燈己とAppleII微型計算机用戸指南(マニュアル?),山海灸校革,人工知能的故事(ソ連のA.恰基柯著作の翻訳)の4冊を購入(先月号の読者プレゼント)しました。
 新華書店の隣りは北京音像書店,オーディオテープやビデオテープ,楽譜などを扱っていました.オーディオテープ,ビデオテープとも,価格は日本でのものとほとんど変わらないようです.
 9月の北京はかなり暑く,夕方とはいえ外を歩いていると汗びっしょりになります.街頭では露店や自転車などでアイスクリームやシャーベットなどが売られていて,みんな食べながら歩いていました。我々も早速パンダ型のアイスクリームを買い求めて(結構苦労しました)一休みです.
 視察の再開は,並びにある電器屋から、人だかりをみつけて飛び込んでみると,その中心はショーケースの上のステレオラジカセでした.もちろんカラー,モノクロテレビなども展示されていますが,主力商品はラジカセやラジオなのかもしれません.商品の多くは,中国製(または香港製?)のようでした.
 カメラ屋と時計屋は数軒ずつありました.カメラ屋には中国製の一眼レフ,二眼レフにまじって日本製のコンパクトカメラなども並んでいて,マミヤUに約500元(1元=約40円)という値段がついていました.フィルムもフジやコダックなど,おなじみのものばかりです.
 時計屋では,SEIKOなどの日本製のものは,中国製のもののおよそ2倍の価格がついています.めずらしかったのは,腕時計の本体(?)のみでの販売が普通に行われていることでした(ものを大切にするというあらわれでしょうか?).
 通りのほぼ真中にある北京市百貨大楼は,いわゆるデパートです。1階から3階までは地元の人たちのための店で,日用品ならばおよそ何でも手に入りそうです。4階は,外人向けのみやげものなどを中心に扱っています.ところが,なぜか家電製品にまじって抵抗やコンデンサ,コネクタやターミナルなどの電一気,電子部品を扱う店までありました.また,家電製品を扱う売り場では,他ではみかけなかったカラーTVや日本製のVTRなどもならんでいました。ちなみにナショナルのVTRの価格は3500~4000元程度と,価格的には日本国内とそれほどかわらないようです.ただ前回も述べた中国の人の収入を考えると,決して安い値段ではありません.
 見て歩きの最後は,中国ならではということで漢方薬の専門店をのぞいてみました。薄暗い店内には想像もつかない強烈なにおいが立ち込め、奇怪な形をした人参の根や鹿の角,なんだかわからない粉薬や水薬などが数百種類も並んでいます.それらを眺めていると,まるで魔術の類の材料を見ているような気がしてきます.もちろん,りっぱに市民権を得たものなのでしょうが,我々にはその手の知識がまったくなく,早々に退散しました.
 全体としては骨董品や工芸品を扱う店や,一般用の衣料品,雑貨を扱う店が多いのですが,とりあえず今回のテーマにはあわないのでパス.ただ,ここでも取り壊し,建築中,改築中の建物はやたら目につきました.なかでもある靴屋などは,営業しながらカウンターの後ろから建物の解体の槌音が響いてくるのです.
 多くの店は,割合遅くまで営業していました.やはりこれも,2交替,3交替が普通に行われているという環境のためでしょうか,暗くなっても人通りはかなり多いようです.それに応じて,ほとんどの店は夜7時~8時,中には9時頃まで開いている所もあります.

やりのこしたことなどなどなど…

 というわけで、3泊4日の北京見て歩きは終了です。当然ながらこのわずかな期間では,広大な中国のごく一部の北京の,そのまた概要さえも?むことはできませんでした.北京駅も,動物園も,故宮も,たくさんある博物館も,まったく見学できませんでしたし,天安門の広場さえ,車で前を通っただけです.
 また,日程の都合とはいえ移動にはほとんどがタクシーを利用し,立ち寄った場所も観光地やそれに類するところばかりだったため,ほとんど中国の一般の人々の生活を知ることはできませんでした.さらに,事前に社会の仕組みの違いなどを調べておかなかったために,その場では見過ごしてしまったようなことが,日本に帰ってきてから次々と疑問として浮かんでくるのです.たとえば屋台のおじさんは、果たして公務員なのか,表通りから一歩裏道に入ったらどうなっているのか,普通の人はどんな家に住んで,どんな仕事をしているのか,普段は何を食べているのか.わざわざ中国まで行ったのに,そういったことは何もわからないままです.
 でも,実際に中国の空気を吸ったことで,言葉にできない雰囲気は感じとれたのではないかと思います。やはり広大な大地と膨大な人口は,潜在的に強大なパワーを持っているようです.今はまだ,中国は先進国ということはできないかもしれませんが,スポーツの分野と同様に経済や科学技術の分野でもトップクラスの力を持つようになる可能性は十二分にありそうです.
 心残りはまだあります.やたらと目につく理髪店にいけなかったこと,京劇が見られなかったこと.そしてやはり一番大きかったのは,事前に中国について勉強していかなかったことと,中国の人とまともに会話できなかったことです.特に言葉の問題は重要で,コミュニケーションがとれないためにあらゆる行動が制限されてしまいました。もし誰とでも自由に話すことができたら,まったく違った旅行になったかもしれません.
 また,今回はスチルカメラの他にビデオカメラを持っていったのですが,結局どちらも思うように使いこなせませんでした.そのため,(特に今号の分では王府井大街を訪れたのが夕刻だったこともあって)肝心な写真はほとんどとれませんでした.
 街中にある赤ペンキで書かれた各種のスローガンや,内外の企業の大きな看板(トヨタやコニカなど,日本企業のものが目立ちます),人であふれた自由市場なども,写真があれば,ぜひとも紹介したかったところです.
 というわけで,中国はまたいつかゆっくりと(言葉を勉強して)行かなくてはならない国の一つになってしまいました。とりあえずは,編集長の目を盗んで“音楽畑”のLDをみながら“上海”にはげむ毎日です.
(吉田)

35年前は、まだまだ発展途上国の雰囲気だった中国。今では経済、技術でも超大国になってしまった。「経済や科学技術の分野でもトップクラスの力を持つようになる可能性は十二分にありそうです」が当たってしまった。35年前凡夫たる私は中国は全く眼中になかった。私は、未来の予測をできるほどの人間ではなかったということだ。
おまけクイズ

 日本でおなじみのコンピュータ関連用語も,中国語の表記ではまったく違ったものになります.以下の実際に目にした10個の単語に相当する日本語を,官製ハガキに記入して,おまけクイズ係までお送りください.得点の高い順に3名様に,おみやげをプレゼントします.どの単語も本誌読者に関係ありそうなものばかりです.どうか,頭を働かせてみてください.正解の発表は3月号のDMAで.ご応募お待ちしています.

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この号の編集室からのコラムをスクラップする。
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情報の価格を決めるものは

 先日,ソフトウェアのプロテクトに関する取材を受けたときに,「ソフトの値段が高いからコピーされるということも考えられますか」という質問を受けた.取材側はラジオ局,いわゆる一般マスコミであるから,いろいろと取材している間にそうした指摘を受けたのだろう.たしかに,コピーユーザーが多い原因の一つに価格の問題がないとは言えない.
 現実の問題として,友人や会社の同僚から「そのソフトを使ってみたいからコピーしてくれないか」と頼まれたとき,きちんと断るには,それなりの勇気が必要だろう.簡単な作業で済むことで友人関係を悪くしたくないと考える人も多いにちがいない。とはいえ,ソフトウェアの価格が十分リーズナブルであればそうしたことが起こらないのかといえば,これは疑問である.その一方で,ソフトウェアには最低限,開発経費がかかるし、ユーザーサポートの経費も馬鹿にならないという.いくら安くなっても,メディア代と若干の手数料程度にまで下げることはむずかしいのだ。
 では,ソフトウェアの適性価格とは,どのような基準で決められるべきなのか?どこまで参考になるかは分からないが,情報を商品とする他の例を見てみることにしよう.
 書籍では,情報の内容によって本の価格が大きく違うことは少ない。どちらかといえば,その本の判型やページ数,紙質などから,自ずと常識的な価格が決まってくるのである.有益な情報が入っている書籍でも,小さな本で高額な例は少なく,逆に大きい判型で良質の紙を使った厚い本は高額である.レコードでは,同じ大きさなら同じ価格という状況が続いていた.LP盤なら○○円,シングル盤なら××円といった具合である.最近のビデオテープは内容によって価格差がかなりあるようではあるが,それでも一桁違う例は少ないのではないか.これに対して,パソコンソフトの価格は内容によって一桁も二桁も違うのが普通である.ゲームソフトなら数千円,高額ビジネスソフトでは十数万円以上となる.こうして見ると,ソフトウェアとは,随分と画期的な商品なのではないだろうか.
 十数万円程度のワープロ専用機が月々何万台と出荷されている一方で,ワープロソフトの代表格である「一太郎」の累積販売本数がおおよそ十万本程度であるという.この差をそのままコピーユーザーのためと断言する気もないが,パソコンソフトの特殊性が感じられるのは間違いないのである.(土田米一)
このころコピーソフトは巷にあふれていた。いや、8bit機のころからゲームソフトやCP/Mで動くソフトまでコピーはあふれていた。コピーさせてくれと頼むまでなく、コピーさせてやるという押し売りもどきの状態だった。
>「そのソフトを使ってみたいからコピーしてくれないか」と頼まれたとき,きちんと断るには,それなりの勇気が必要だろう.
の逆で「そのソフトをコピーさせてやる」をきちんと断れないような状態だった。だから、フロッピー代がバカにならなかった。プロテクトを破り動くことを確認して満足だった。ゲームをやりこむことなどなかった。
金を払って買ったソフトはもう使い込んだ。好きだから金を払い、好きだから使い込む。
高いからコピーする。安ければコピーしないと私は主張していたが、知人から否定された。「コピーしたい奴は値段にかかわらずコピーする。」私はそれに反対だったが、現実は彼のいうとおりだった。いいソフトだから買うという行動をしない人たちが多かった。
最後に一太郎。一太郎はプロテクトフリーだったのでパソコンのスキルがない人たちの間でもコピー品が広がり、ワープロソフト市場の勝者となった。
大体、35年前の書籍をみるとわかるではないか。ソフトの解説本が沢山あったのはコピーユーザのためだった。
いいソフトなら金を払うということがなかなか定着しなかったのに、現在はYouTubeで投げ銭とかがある。なんだよお前ら金の使い方どうなってんだという気持ちになる。
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一般回線に接続できるテレビ電話(月刊ASCII 1987年12月号10) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特別レポートが「一般回線に接続できるテレビ電話」だった。
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結局テレビ電話は広まらなく、インターネットとスマホが登場してからだった。35年前の状況はどうだったか。当時の技術では難しいのは分かるが、固定電話でテレビ電話はそもそも使いにくくて無理だったのではないだろうか。スクラップして当時の状況を確かめてみる。
まずはあおり文からスクラップする。
 ソニー(株)と三菱電機(株)が、相次いでテレビ電話を発売した.テレビ電話とは言っても、動画像通信を可能にするテレビ付き電話ではない、一般の電話回線に接続して、モノクロの静止画像を1フレームずつ送信できる「静止画テレビ電話」である。当然だが,通信相手も同じ規格に基づいた電話を使わなければ、画像通信はできない.ソニーがNTTと共同開発した「みえてる」(NTTのフランド名は「テレフェース」)は、4万9800円という低価格を実現しているかわりに,電話機能を装備していない別にモジュラーコネクタ付きコンセントに対応した電話機が必要だ。三菱電機の「ルマホン」は、同社とその米国子会社Mitsubishi Electric Sales Americaが共同開発したもので,米国では昨年8月から販売している。価格は19万8000円と高いが,電話機能を装備している。同社では、ソニーと同様に電話機能を分離した低価格機種も開発中だ。しかし,ソニー/NTTと三菱電機とでは,通信方式が異なるため相互に画像通信ができない状態になっている。
 松下電器産業(株)や日本電気(株)が三菱電機と同じ通信方式で,シャープ(株)と三洋電機(株)が独自の通信方式で同様の製品を開発中で,年末商戦までには各社の静止画テレビ電話が出そろう予定だ。
うん。これはダメだ。無理やりすぎる。これでテレビ電話はない。売れるわけもない。規格が統一されていないのが問題ではない。それ以前の問題だ。この段階でスクラップする気が薄れてくるが、ダメになったものいわゆる黒歴史としてテレビ電話の記事をスクラップする。
I ニューメディアの間隙を突く静止画テレビ電話
 2~3年ほど前まで多用された「ニューメディア」という言葉は,現在では死語同然になっているが,静止画テレビ電話は,当時製品化されていれば,まさに次世代を担うニューメディア製品として位置付けられていただろう.1984年9月から,東京の武蔵野・三鷹地域でNTT(当時の電電公社)が開始した統合化デジタル・サ-ビス「INS(Information Network System)」が,CCITTの国際標準仕様である「ISDN*1(Integrated Service Digital Network)」へと名称が変わり,来年3月から,これに基づいた商用サービスが開始されようとしている現在では、アナログ電話回線で使用する静止画テレビ電話は,ニューメディア製品とは言えないのかもしれない.それでは,突如降って湧いたように出現した静止画テレビ電話を,われわれは,どのように受け止めればよいのだろうか.
 本稿では,基本原理や必要とされる技術などを中心に,静止画テレビ電話の全貌をレポートする.
*1 ISDN:来年3月から日本・米国・欧州で商用サービスが開始される統合デジタル網,現行の電話加入者線を前提としたサービスは,伝送速度64kbit/秒の回線(Bチャンネル)2本と,同16kbit/秒の回線(Dチャンネル)「本を,ユーザー端末とデジタル交換機との間で多重伝送させる計画だ。ちなみに,現行のアナログ回線では、モデムを使った場合でも9.6kbit/秒のデータ伝送能力しかない.Bチャンネルは,現在の回線交換サービスとして提供され,Dチャンネルはパケット通信にも利用できるようになっている.さらに,伝送速度が1.544Mbit/秒の「次群サービスが1989年から提供される予定.
ISDN懐かしい。ADSLの前にこれにお世話になった。NTTの人に工事に来てもらい高速のパソコン通信ができるようにしてもらったが、Windows95のときではなかったか。それならこの記事の8年後にやっとISDNを使い始めてということか。通信の高速化はモデム次第だった。
II “静止画”テレビ電話とは?
1 誕生までの背景
 視覚情報などを伝達・処理するサービスは,本来,非電話系サービスと呼ばれる.CAPTAINや文字放送,CATV,VAN(付加価値通信網),テレビ会議システム,ホームバスなどのニューメディア・サービスが,このジャンルに入る.聴覚サービスの電話に対して,文字・画像情報をサービス主体にしているのが,非電話系サービスの特徴だ。
 こうしたサービスは、1981年8月にNTT(当時の電電公社)が発表したINS構想に基づいている.INS構想は,現行のメタリック・ケーブルとアナログ交換機から構成される電話網を,光ファイバー・ケーブルとデジタル交換機に置き換えて,大容量の情報を効率よく伝達しようという次世代サービスの総称である.光ファイバー・ケーブルは,メタリック・ケーブルの約5000~2万3000倍の情報伝送能力を持っている.こうした伝送能力を利用すれば、1本の光ファイバー・ケーブルでも,大容量の情報を有する静止画や動画などを音声に加えて伝達できる.電話線は使っているが,伝達する情報は音声だけではない.それどころか,音声はほんの一部分でしかなくなる.まさに,情報の統合化である.そこで,既存の電話(音声)と区別するために,非電話系サービスという言葉が,INS構想の発表とともに作り出された(その後,INS構想は,武蔵野・三鷹地域での実験を経て,国際的な統一規格であるISDNへと,細部の見直しが図られる.現在では,ISDNという言葉を使うのが一般的である).
 人間が外界から得られる情報は,聴覚からが15~20%,視覚からが60~75%と言われる.統合デジタル・サービスが一般的になる1990年代には,聴覚から得られる情報は,全体の10%にも満たなくなるという予測数値も発表されている。CD-ROMやパーソナルコンピュータ通信の出現を待つまでもなく,視覚主体の情報ニーズが高まりつつあることは、数年前から一般的な共通認識になっている.
 静止画テレビ電話は、INS構想に基づいたサービスではない.INS構想では,後述するテレビ会議システム*2が,これにもっとも近いコンセプトを持っている.しかし,INS構想が,静止画テレビ電話の出現に積極的な役割を果たしたことは,認めざるを得ないだろう.ISDNの商用サービスが開始される直前に,それと近い形態・サービスを現行の電話網で実現しようという試みは,まさに,近い将来のデジタル電話網の普及を想定した“擬似体験”だからである.われわれは,インフラストラクチャー(社会基盤)の1つになっている電話網の根本的な改革を目前にして,その予行演習を行おうとしている.
*2 テレビ会議システム:ISDNなどが提供する伝送速度64~384kbit/秒の専用デジタル回線を使って,高画質のカラー動画像を伝送するシステム動画像は圧縮したうえで,音声とともに双方向通信が可能になっている.現在,各社が関連システムを発表しているが,システム価格が1000万円以上する.
凄いぞ凄いぞと大げさな表現だらけの文だ。35年後から見ると何を言ってんだかという感じになる。当時は技術の未来に希望を持っていたという熱量を感じる文だ。
 
2 静止画テレビ電話の通信方法
 誤解を覚悟の上で言えば,静止画テレビ電話に要求される技術は,それほど高度なものではない、必要とされる技術は,大別すると以下の3点になる.
(1) カメラ部
(2) 小型CRT
(3) 通信部(通信方式)
 静止画テレビ電話は,VTRや小型テレビ,コンピュータ通信,多機能電話などの製品開発で蓄積してきた技術の応用によってクリアされている.静止画像通信の基本原理はいたって簡単だ.
 図1に,静止画テレビ電話の接続形態を示す.まず,双方向の画像通信を行うには,最低限2台の静止画テレビ電話が必要だ両者は,一般の電話回線に接続される.静止画像の送信は,まず,ビジコンやサチコンなどの撮像素子を使ったカメラ部で送信したい画像をモニタする(図2を参照).好みのショットが決まったら,それをフレームメモリに取り込んでCRTで確認する(図3を参照).この時点で、画像は動画像から静止画像になる.静止画テレビ電話のCRTは3~5インチと小型であるため、フレームメモリのサイズは64~256Kbit*3程度とコンパクトだ.これを,受信用と送信用に2面持っている.CRTを小型にしたのは,人物画像の送信を第一に考えたためだ。人間の顔であれば,3~4インチのサイズで十分な情報を得ることができる.
 静止画は、音声データとして送信されるため,画像データはいったん音声データの帯域に変調したあと,送信ボタンを押して相手方に送ることになる.相手方で受信した音声データは,送信時の逆パターンで静止画に復調して,フレームメモリに蓄積したあと,CRTに表示される(図4を参照).
 静止画像の送信は、会話中に割り込みで入るため、画像の送信・受信中は音声が途切れる(この点,ISDNでは,すべての情報をbit化して,音声データと画像データを圧縮・混在させて伝送するため,両者のリアルタイム通信が可能だ).画像の送信時間は製品によって異なるが,だいたい1.5~10秒程度かかる.送信時間に開きがあるのは,採用している画像の通信方式やCRTのサイズが,製品によって異なるからだ。
 特に,通信方式は,メーカー間でまだ規格統一が図られていないため,同じ静止画テレビ電話でも異なるメーカー同士では,通信できないという非互換問題が浮上している(後述).
*3 フレームメモリ・サイズ:三洋電機が開発した静止画テレビ電話は,16階調(4096色)のカラー表示を可能にするため,フレームメモリは送・受信用に各2Kbytesの合計4Kbytesを装備している.また,シャープが開発したシステムは,液晶ディスプレイを使って64階調表示を可能にしている.

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ASCII1987(12)e02TV電話_図4_W317.jpgまあ誤解はしない。大して高度な技術ではなくても静止画なら通信できるだろう。画像通信は35年前は凄い技術のように思われていた。ただ使いものになるには入力機器、出力機器はもちろんだが通信自体の技術革新が必要だった。
3 必要とされる基礎技術
(1) カメラ部
 送信する静止画を生成するには,カメラでモニタした動画が必要になる.動画の撮影に使うカメラの撮像素子には,サイズが2分の1インチのサチコン(ソニー)や,ビジコン(三菱電機)を用いる.
 サチコンやビジコンは、セキュリティー用簡易監視システムのモニタカメラなどで使われているものと同じものだ電荷パターンを光に変換する膜が,セレン・砒素・テルルから組成されるものをサチコン,硫酸化アンチモンを用いるものをビジコンという両者ともに,消費電力が1W以下と低く,一般家庭の照明でも十分な画像が得られるだけ感度を持っているのが特徴だ。また,ホームビデオなどに使われているCCD(Charge Coupled Device)型固体撮像素子を採用しようというメーカーもある.
2 小型CRT
 3~4インチという小型サイズのCRT(図5を参照)は,電池駆動のハンディテレビに用いられているものと同タイプのフラットCRTを用いている.ソニーのフラットCRTは,厚さ20mm以下と非常に薄く、消費電力も2W以下に抑えられている.フラット化を実現できたのは,螢光面と電子銃を平行に配置して,電子銃から出た電子ビームを偏向板で1次偏向し,さらに,それを螢光面と透明電極の間で,ほぼ直角に曲げる2次偏向を採用したためだ(図6を参照).また,三菱電機は、既存の小型CRTを採用している。
 ソニーや三菱電機がモノクロCRTを採用しているのに対して,三洋電機はカラーCRTを搭載した静止画テレビ電話を開発した。同社は,フラットCRTのカラー化に1電子ビーム方式(インデックス方式)を採用している.この方式では,螢光面に青・緑・赤の3原色蛍光体がストライプ状に配置されている。1本の電子ビームがストライプの上を走査する時、例えば,赤色螢光体にビームが当たった場合だけビームを強くして,他の螢光体|にビームが当たった場合はビームを遮断すると,画面は赤色になる。つまり,電子ビームがどの蛍光体の上にあるか常に検出し,再生したい色と明るさに応じて電子ビームを変調してやれば,カラー画像が再生できるわけだ。同社では、ビームの位置を常に知るために,3原色蛍光体の間にインデックス光発生用ストライプを挟んで,ストライプからの光信号を検出する方法を採用している.(図7を参照).
3 通信部
 画像の通信方式は,ソニーと三菱電機とでは互換性がない.つまり,「みえてる」の静止画像を「ルマホン」に送ることはできない.ソニーは,AM(Amplified Modulation)変調方式を,三菱電機は振幅位相変調方式を,それぞれ通信方式として採用しているためだ.変調方式は,画面の画素数やA/D変換で扱う情報量,映像データのDC成分の送り方に拘束される.特に,映像データのDC成分が問題になる.一般の電話回線では,DC成分が送れないからだ。
 AM変調方式を例にとってみよう.一一般の電話回線の周波数は,300Hz~3.4kHzと非常に狭い範囲に限定されている.音楽用オーディオ装置が数10Hz~20kHzという広帯域をカバーすることを考えると,電話回線は必要最小限のスペックしか持っていないことが分かる.一方,テレビの映像信号は,DC~4.5MHz程度の周波数帯域を持っている(図8を参照).
 1枚の静止画像の情報量は,周波数帯域と時間の乗算で決まる.だから,電話回線の周波数帯域(300Hz~3.4kHz)に映像信号の周波数帯域(DC~3kHz)を合わせるには,伝送時間を長くしてやればいいことになる.1枚の画像を伝送するには,1画面の表示に60分の1秒かかるから,DC~3kHzの周波数帯域では25秒で送れることになる.
 しかし,電話回線ではDC成分を送れない.なんらかの方法で変調をかけてやる必要がある.AM変調は,ラジオ・テレビ放送などで一般的な方式だ.AM変調は,伝送する信号の周波数帯域に対して,搬送周波数を高く設定する.ソニーの場合は,伝送信号と搬送波を同期させて,搬送周波数を2kHz*4に固定し,伝送帯域がDC~1kHzを実現している(図9を参照).これで,AM変調された信号帯域は1~3kHzになり,電話回線の伝送可能帯域に収まる。
 伝送時間は,搬送波の1周期で1ドットが送れるから,1秒間には2000ドットが伝送可能になる「みえてる」の1画面は(160ドット×100ドット=)1万6000ドットで構成されるため,伝送には8秒かかる(図10を参照).同じデータを1200bpsモデムを使用して伝送すると,1画面は(160ドット×100ドット×4bit=)16万4000bitのデータ量だから,53.3秒も要することになる.
 受信側は,AM変調された信号を復調してA/D変換しながらフレームメモリに蓄積し,受信が終了したらテレビの信号タイミングに合わせて、今度は,D/A変換したのち,CRTに表示する(図11を参照).
 一方,三菱電機が採用した振幅位相変調方式もAM変調に近い方式だが,変調方法が異なるために互換性がない.
 こうしたアナログ変調とは別に,三洋電機はJUST-PCモデムを用いた独自」の通信方式を開発している。同社によれ-ば,この通信方式は,ソニー,三菱電機の両方式と互換性を持っているという詳細は公開していない.また,シャープも両方式と互換性を持った静止画テレビ電話を開発した.同社は,表示部に液晶ディスプレイ,カメラ部にCCDカメラを採用している。
*4 搬送周波数:ソニーが搬送周波数を2kHzに固定しているのに対し,三菱電機は1.748kHzに固定している.両者を通信可能にする変調アダプタを作るには送られてきたヘッダ+画像データをメモリに取り込んだうえで,受信側の変調方式に再度変換する機構が必要になる。価格は2万円程度になる.

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通信がデジタル化していないときは苦労が多かった。技術者の苦労がしのばれる.。
III さて,実際の製品は…

 ソニーの「みえてる」と,三菱電機の「ルマホン」とでは,同じ静止画テレビ電話でありながら,そのコンセプトがまったく違う.
 「みえてる」が,一般家庭を利用主体にして開発されたのに対し,「ルマホン」は,企業ユーザーを主体にしている.それは、価格や機能などからも分かる.しかし,三菱電機は、「みえてる」と同じ価格帯・機能の新機種を年末にも発売する計画であることから,通信方式の規格統一問題は本格化する様相を呈してきた.
 NTTは,ソニーの「みえてる」を「テレフェース」という自社ブランドで販売開始しており,両社合わせてすでに数千台を出荷している(図12を参照).当初,NTTは両方式の製品を販売する意向だったが,利用者に混乱が起きかねないという配慮から,ソニー方式に限定して扱うことを決めた。しかし,三菱電機もすでに販売しているため,各社の担当者は,電信電話委員会で規格の統一を前提にした話し合いを進めている.結論は来年に持ち越される模様だが,両機種で画像通信を可能にする変調アダプタを別売するという解決策が有力だ。それまでは,両方の通信方式が共存しそうだ.
両規格が併存しているが結局どうでも良かった。テレビ電話は普及しなかったのだから。
1 ソニーの「みえてる」

 「みえてる」は,電話機能を装備していない.国内の3800万世帯にすでに設置されている電話機への接続を前提にしているからだ。
 特徴は,(1) コンポジットビデオ端子を使って,外部のテレビやビデオプリンタに画像を表示・プリントが可能,(2) オーディオIN/OUT端子を使って,カセットテープに送・受信画像の録画・再生が可能――などだ(基本仕様は表を参照).使用している主なICは,4bitCPUが1|個,画像処理用のゲートアレイ1個,フレームメモリ用の64KbitSRAM2個の合計4個.
 本体は縦長で,前面最上部右にカメラ部,その下に,4インチフラットCRT,送・受信用フレームメモリの切り換えスイッチ,送・受信状態をモニタするLED,電源スイッチ,動画像を静止画像に取り込むスイッチ,送信スイッチなどが配置されている.また,後面にはオーディオIN/OUT端子,コンポジットビデオ端子,電話回線端子が,右側面には電話/カセットテープ再生の切り換えスイッチ,カメラの輝度調節つまみが,それぞれ配置されている(図13を参照).
 カメラの焦点深度*5は60cm+15cmで,文字は40級以上の大きさなら識別できる(図14を参照).もともと,人物の顔が判別できる程度の解像度しか持っていないはずだが,図14からも分かるように,画像のクォリティは意外に高い.
 送信時間は,「ルマホン」の1.5~5.5秒に比べて9秒と長いが,使用してみるとさほど気にならず,待ちながらイライラするというほどではない価格を考えると,この程度の画像でもそれなりに満足できるレベルだ。
*5 焦点深度:カメラのレンズが焦点を結べる範囲の距離だいたい1m以内になっているが,解像度が低い静止画テレビ電話では30cm~1m程度の許容範囲を持っている.文字の場合,明朝体よりもゴシック体の方が認識率は高い.今後,静止画テレビ電話で一番問題になりそうなのは、画面の解像度だろう.

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なるほど一般回線を使うとなるとかなり厳しそうだ。
2 三菱電機の「ルマトン」

 三菱電機は,現在出荷している「ルマホンLU-1000J」(図15を参照)のほかに,年末までに「みえてる」と同価格帯の「ルマホンLU-500」(図16を参照)を販売する予定だ。
 LU-1000Jは,電話機能を装備した高級タイプで,企業ユーザーの使用を中心にしている。米国では,すでに数万台の販売実績を持つが,日本では数百台程度しか出荷されていない.同社では年末までに,ソニーと同じように電話機能を分離した普及タイプのLU-500を主力機種にすることにしている.
 LU-1000Jの特徴は,(1) 送信画面のサイズを3段階に変更可能,(2) 電話機能を装備,(3) 2・4・8倍のクローズアップレンズキットをオプションでサポート,(4) 同一画面に送・受信画像が表示可能,(5) 受信用フレームメモリを3面装備――など.1
 LU-500は,LU-10005から電話機能を分離したうえ,送・受信画像の同時表示機能を削除したもので,主な機能はLU1000に準拠している(基本仕様は表を参照).使用している主なICは,8bitCPU(8KbytesROMを内蔵)1個,フレームメモリ用の64KbitDRAMを4個,画像処理用ゲートアレイ1個の合計6個.
 操作パネルは本体前面に集中しており,5インチCRTの右横にカメラ,左下に輝度調節ボタン,受信した静止画像の切り換えボタン,送信ボタンが配置されている.外部I/Oは,ビデオIN/OUTとオーディオIN/OUTの拡張ボードがオプションでサポートされる予定だ。
 カメラの焦点深度は46cm±20cmで,文字は「みえてる」と同じ40級以上の大きさなら識別できる.「ルマホン」は32階調表示を実現しているので、「みえてる」より認識率が多少高い(図17を参照).基本的なオペレーションは「みえてる」と同じだが,送信時に静止画像をモニタする機能がない.送信画像は,動画像からフレームメモリに取り込まれると,すぐに送信される.
 「ルマホン」は,送信状態をモニタする機能は持っていないが,受信した画像を順次画面に表示していくリアルタイム表示を採用している(「みえてる」は,フレームメモリに全データを展開したあとで表示する).
この段階の製品は残念なものだが、多分数年後にはもっといいものを出せると思っていたのだろう。だが、歴史をみるともっといいものを作ってもダメだった。
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3 技術者のジレンマ

 1956年,米国ベル研究所で開発が始まったテレビ電話は,当初から動画像通信を前提にした本格的なシステムを想定していた.その後も,動画像テレビ電話は盛んに研究・開発が進められているが,実用化という点では,システム価格が非常に高くなるという理由から,一般消費者レベルの製品化には至っていない.
 ソニーの開発チームが,4万9800円という価格を第一目標にしてスペック設定を図った背景には,「多少のレベルダウンはあっても、家庭のためのまったく新しい画像システムを作りたかった」(ソニー・ゼネラルオーディオ事業部*6・長窪正寛氏)という意気込みがあった.高画質化するテレビの開発競争下では,「(静止画テレビ電話の)仕様書を見せられれば,どんな技術者でも製品化には反対するはずだ」(同・鈴木敦氏)というほど、スペックは低く設定されている.しかし、「それでも,製品化してみて初めて面白さが分かった」(同・長窪氏)というほど,満足できる画質レベルの見極めは,技術者にとってもむずかしかったわけだ。「こんなレベルでも使える」(同・鈴木氏)と分かった時点で,製品化に弾みがついたことは言うまでもない.
 しかし,「製品化した今でも,何となく納得できない心情が残っている」(三菱電機・電子機器開発部・上野裕氏)というあたりに,高画質を追い求めてきた技術者のジレンマがありそうだ.
*6 ゼネラルオーディオ事業部:ソニーの代名詞となった「Walkman」を生み出した事業部常識にとらわれない発想を尊ぶことで有名.「汚い画面は絶対にダメ」という常識にあえて挑戦した結果が「みえてる」.長窪正寛氏は,テレビ朝日系列の「CNNデイ・ウォッチ」のキャスターとしても有名.
ジレンマか。そうだろうね。低品質でも市場に出さねばならないというのは技術者としては辛いものがあったろう。
IV 静止画テレビ電話に将来はあるか?

 業界関係者の中には,「静止画テレビ電話は、ISDNの本格始動までの“遊び道具”にすぎない」と断定する見方がある.「伝送速度が64kbpsという高速回線が敷設される時代の製品ではない」という意見もある.また,「最初に製品が販売されて,あとから規格統一でケチがつくようなものに,消費者はついてこない」と指摘する向きもある.
 こうした悲観派に対して,「ISDNが商用開始されても,擬似動画テレビ電話がはかかる.手の届く製品があれば,それを使うのが消費者心理」という見方が楽観派の多数意見だ「実際に使ってみると、いろいろな発想が湧いてくる.まず使うことが先決では」と指摘するソニーの長窪氏は,「ウォークマン的な発想で,静止画テレビ電話を生み出した」と述懐する.「現在の製品は、テレビ電話のほんのハシリにすぎない.今後,いろいろなバリエーションが考えられる」(同氏)という。例えば,ラジオ放送で画像データを送り,カセットテープで録音したあと静止画テレビ電話で再生する,といったことも夢ではなくなる.
 どちらにしても,誰でもが持っているような状況にならない限り,静止画テレビ電話の楽しみは理解できない.本当に普及するかどうかは,電信電話委員会が取りまとめに入っている統一規格にかかっている。
歴史は悲観派が正しかった。まあ、歴史は「統一規格にかかっている」というところでもう間違えていたことを示している。

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HyperCardコラム記事(月刊ASCII 1987年12月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

HyperCardのコラム記事部分をスクラップする。
HyperCardのアプリケーション

Stack―その応用分野は?―

 Apple社がHyperCardを発表するや,CompuServelt,MAUG(Macintosh Users Group)の中に「HyperCard」の専用PDSライブラリを開設した.このライブラリには,現在,1日平均3~5個のStackがアップロードされている.ライブラリが設置された8月下旬からの累積数は,200個を超える(10月10日現在).
 その中には,先月の本稿でも紹介した「MacTALK」のStack版など、既存のアプリケーションをHyperCardに移植したものから,「SoundCap」,「ThunderScan,「MS-Word」といったアプリケーションのファイル・フォーマットを、HyperCardに対応するメタファイル・フォーマットに変換するユーティリティ,「Star Treck」などのゲーム,子供に英単語の発音を教えるCAI用ツール,各種ビジネス用ツール,HyperCard自体の学習用ツールまで、実に幅広いStackが一一般のユーザーなどによってアップロードされている.もちろん、発売予定のアプリケーションStackも数多くリリースされている.そうしたStackから,いくつかを紹介しよう.
週刊誌の次はテレビ番組MacTVでクイズを楽しむ

 Stack版MacTALKを作ったJerry Danielsが次に手がけたのは、なんとテレビ番組「MacTV」(約911Kbytes,図1を参照)だ.MacTALKがマイクロフフィルムで記事を提供しているのに対して,MacTVは,1~9の各チャンネルを使ってクイズなどの番組を提供する、各チトャンネルは、1フレームが1枚のCardになっており,Card中にはButtonやFieldが隠されている.それらをクリックしたり、次のフレームをクリックすることで番組は進行する番組のバックにはサンプリングした音楽も流れて、全体としての完成度は非常に高い。多様な要素を持つテレビというメディアと,HyperCardの柔軟な構造を結び付けたアイデアは、HyperCardの解説に最適の方法かもしれない。
MacWorldのガイドブック

 HyperCardは,8月11日から3日間に「わたって米国ボストン市で開催された「MacWorld」で、初めて公開された.MacWorldは、Macのハード/ソフト/書籍などを一堂に集めたプライベート・ショウとして有名だが,その会場案内を一手に引き受けたのが,このガイド用Stack「Welcome to MacWorld」(約1440Kbytes,図2を参照)だった.オープニングで表示される地球をクリックすると,画面はズームインしながら、会場になったベイサイド・センターを表示する.各ブースの案内から,出展内容,コンファレンス情報までが,すべてButtonとFieldだけで定義されており,インタラクティブな操作で,来場者には非常に好評だった。
ビジネスマン必携のStack

 Danny Goodmandi,Bantam Computer Books社から先頃出版した「The Complete HyperCard Handbook」は,全700ページを越えるHyperCardの解説書だが,この中でサンプルとして開発したのが,ビジネス用Stack「Business Class」(約1120Kbytes,図3を参照).これは,世界中を駆け回るビジネスマンの出張管理用Stackで,オープニング画面の世界地図から目的の都市をクリックすると,その都市の温度/湿度,時間,ホテルや飛行機/鉄道の予約,旅費の計算からはじまって、金銭/クレジットカードの出納,予定表,電話帳,緊急連絡帳などを一括管理できる.ラップトップ型Macが1台欲しくなるほど秀抜なStackだ.Bantam Software社は,これを単なる解説用Stackとして終わらさずに発売する計画だ。
アニュアル・レポートもStackで

 Apple社が企業の会社案内やアニュアル・レポート用のサンプルとして作った「MegaCorp」(約770Kbytes,図4を参照)は,Mega社という企業の全貌を分かりやすく紹介するためのサンプルStack.会社案内からはじまって,組織図、社歴,部署案内,重役紹介,アニュアル・レポートと続く、中でも、良くできているのがアニュアル・レポート.会計年度の推移や世界各国の支社の状況などを、スライドショウの機能をふんだんに取り入れたデモで見せてくれる.

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私たちがPC-9801シリーズでテキストベースのプログラミングで遊んでいたときMacユーザは10年以上も先のプログラミング環境にいたのか。とりあえず、HyperCardが先進的だったのは分かったが、Windowsでも10年遅れで追いつけるのならHyperCardが別のものにとって代わられても仕方がないか。ウサギとカメだな。

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HyperCard後編2(月刊ASCII 1987年12月号8) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「HyperCardの全貌 後編」スクラップの続き。
4. HyperTalkのコマンド

 HyperTalkのコマンドを表1に示す.これらすべてについて解説する誌面がないので,特に興味深いものをピックアップして解説しよう.
Answer<質問>with<答え1>or<答え2>or<答え3>
 このコマンドは、画面にダイアログボックスを出して,ユーザーに質問ができる.このとき,ユーザーは最大3つまでの答えの中からどれかを選ぶことができる.ユーザーの選んだ答えは「it」とい|うローカル変数に代入される.例えば,
Answer“Which color do you like?" with“red”or“yellow”or“green”
とMessageboxにダイレクトに入力すると(図9を参照),HyperTalkの画面には図10のようなダイアログが現れる.
Ask<質問>with<デフォルト>
も同様にユーザーに対して質問をするコマンドだが,この場合は,選択肢ではなくデフォルトの答えを与える.
Choose<ツール名>
は,[Tools]メニューから目的のツールが選べる.これにより,例えば「rectangle」ツールを選んでおいて,次のClickやDragコマンドを使用して長方形を自動的に描くようなことも可能だ。
Click at h,v with shift Key optionKey commandKey
h,vで指定したスクリーン座標を,マウスでクリックした場合と同じ効果が得られる.Macのスクリーンは,左上が(0,0)である.例えば,
Click at 100, 200 with commandKey
は、コマンドキーを押しながら(100,200)の点をクリックしたことになる.
Dial<ソース>with modem<モデムパラメータ>
 ソースで与えられた電話番号に対応するプッシュ回線用の音を発生する.また,オートダイヤラー付のモデムを使用する場合は、モデムに対して電話番号を送出する.例えば,カレンダーなどに付いている電話型のButtonのScriptは,図11のようになっている.これによって目的の番号に電話をかけることができる.
DoMenu<メニュー項目名>
メニューの項目を指定して,あたかもユーザーがマウスでメニューを選択したのと同じ効果を得られる.
Drag from h1,v1 to h2,v2 with shiftKey optionKey commandKey
h1,v1で指定した座標からh2,v2で指定した座標までを、マウスでドラッグしたのと同じ効果が得られる.例えばChooseコマンドと組み合わせて,
Choose oval tool
Drag from 100,100 to 350,130
とすれば、スクリーンに楕円を描くことができる。
Get<式>
式の値をローカル変数「it」に代入する.例えば先の電話ボタンの例では,
get the selection
によって選択された文字列を,電話番号とみなしてitに代入している.
open<ドキュメント>with<アプリケーション>
HyperCardを抜けて別のアプリケーションを起動する.このとき,そのアプリケーションのドキュメントを指定することもできる.例えば,
Open field 3
とすれば,そのカードの3番目に書かれた名前のアプリケーションをオープンできる.これを使用すればMini Finderと同程度の機能を持ったCardが簡単に作れる。

 以上に説明したコマンドだけでも,ユーザーが,マウスやキーボードを使って行うオペレーションと等価のことを,ほとんどすべてHyperTalkによってプログラムできることが分かっていただけたと思うここで説明しなかったコマンドの中には,HyperCardがデータベースとして機能するために不可欠なFind,Sortや,ファイルにアクセスするためのRead,Writeなどもある.また,前号で紹介したように,Cardをめくる際に,視覚的効果を指定できるVisual effectもHyperCardならではのコマンドである.

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5. コマンドの拡張

 前述したように,HyperTalkのコマンドは、ユーザーが自由に拡張できる.ここれには2つの方法が考えられる.1つはScriptとして記述する方法,もう1つはコードリソースとしてHyperCard自体に付け加える方法だ。ここでは、誰でも手軽に行える前者の方法を紹介しよう.
 これは非常に簡単で,コマンド,つまりMessageに対応するMessagehandlerを書いてやればよい.例えば,1つ前のカードをオープンするBackというコマンドを作りたかったら
onBack
 go to previous card
end Back
のようなScriptを書くだけだ。ただし,Scriptは,それを書いたオブジェクトに属するものだから、前に述べたMessageの伝達経路を考慮してオブジェクトを選ぶ必要がある.

6. HyperTalkのファンクション

 HyperTalkには、コマンドだけではなく,「ファンクション」と呼ばれるものがある.これは,Pascalなどと同じく値を返すものである.HyperTalkのファンクションとして定義されているものを表2に示す.
 これらの解説は,次号以降に譲るとして,ここではユーザーがファンクションを定義する際の書式を紹介する.これもほとんどがコマンドの定義と同じである。例えば,与えられた数値の自乗を返すsquareの定義は
function square x
 return x * x
end square
のようになる.このファンクションを使うには,例えば,
put 3 * square(5) into card field1
と書く.これによって,5の次乗に3をかけた値が,そのカードの1番目のFieldに記入される。

III 明日のために,その1

―“習うより慣れろ”―

 HyperTalkを使ってみて痛感したことは、言葉で説明すればするほど,もどかしくなるということだつたない解説の言い訳に過ぎないかもしれないが,HyperTalkやHyperCardの解説は、むずかしそうだということくらいは,薄々感じていただけるのではないかと期待している.それは,HyperCardが,今までのアプリケーションとあまりにも異なり,HyperTalkが他に類を見ないようなプログラミング言語だからということももちろんだが,提供される環境が,非常にインタラクティブであることが一番の原因だと思う.つまり,HyperCardは,HyperCardだけでは成り立たないということだ。言い換えれば,ユーザーがHyperCardに向かって操作をし,それに対してHyperCardが応える,そのアクション全体が,HyperCardそのものなのである.したがって,HyperCardを理解するには,操作してみるのが一番だ,としか表現のしょうがない.もう,ほとんど開き直った心境だ.
 賢明な読者であれば,当の昔にお気付きと思うが,HyperCardの全貌は,前・後編の2回連載だけでは,とても紹介しきれない.そこで、番外編として次号以降に,Stackの作り方講座を計画している.しかし,そうしたところで、もどかしさは残りそうだ。
 本稿の結論は,HyperCardに興味を持った人は,1日でも早くディスケットを手に入れること,である.
その通りだ。スクラップして分かったのはHyperTalkはWindowsでマウス操作、入力操作の自動化をするときに使ったVisual Basic Script(VBS)だったということ。仕事でWindowsのソフトウェアを使っていたとき何本かスクリプトを作った。習うより慣れろのとおりだった。35年前全然理解できないものが大したものではなかったことに自分の能力のなさを再認識した。






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HyperCard後編1(月刊ASCII 1987年12月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「HyperCardの全貌 後編」をスクラップする。当時は全く触ったことがなく、Macユーザの知人がいたけどHyperCardについて語ってもらったこともなかった。先進的なものは登場が早すぎると成功しないのか。それとも別要因でHyperCardが消えてしまったのか。スクラップしていくと何かわかるかもしれない。
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 先月号では,米国Apple社がMacintosh(以下,Macと記述)ファミリー用に発表した次世代のソフトウェア環境「HyperCard」の概要を紹介した、既存のカード型データベースとは、似ても似つかぬ概念を持っているだけに,完全に理解することはむずかしい,と感じられた読者も多いことだろう.
 そこで今回は、HyperCardの中核を形成しているプログラミング言語「HyperTalk」の解説を通して,HyperCardのエッセンスに触れてみることにしよう.また,HyperCard上で動作するアプリケーション(Stack)が,パブリックドメインを中心に,数十種類以上も発表されているので,これらStackの紹介を通して,HyperCardの応用分野も検証してみたい.
もうこのあおり文で何かおどろおどろしい感じがしてくる。35年前のMS-DOS使いには全く理解できなかった。でもWindows95以降になればWindowsのプログラミングで否応なしにこの概念が理解できるようになったのだが。
自然言語HyperTalkとは?

 始めに,HyperTalkが,HyperCardという環境の中で果たしている役割や,プログラミング言語としての特徴を見てみよう。
1.ユーザーレベルとHyperTalk

 HyperCardの諸機能は、HyperTalkによって記述され,実現されていることは前回も述べた.しかし,これはHyperCardのすべてのユーザーが、必ずHyperTalkでStackをプログラミングするよう。に義務付けられている,ということではない.それどころか,HyperTalkの存在を知らなくても,HyperCardを自由自在に使いこなすことは可能である.
 HyperCardは,ユーザーのレベルをあらかじめ設定でき,そのレベルに応じた機能を提供するように設計されている.ユーザーレベルは,下位層(初心者)から上位層(上級者)に向かって,(1) Browsing, (2) Typing, (3) Painting, (4) Authoring, (5) Scripting――という5つのレベルから構成される(図1を参照).
 このうち,HyperTalkを使って自由にプログラミングができるのは,最高レベルのScriptingだけである.また,Card内に新たなButtonや,Fieldを設定できるのは,AuthoringとScriptingのレベルだけで,ButtonやFieldに付随するHyperTalkのプログラム,「Script」を直接的にエディットできるのはScriptingレベルに限定されている。つまり,Painting以下のレベルではHyperTalkが使えない構造になっているわけだ.
 しかし,Painting以下のレベルが,HyperTalkにまったく無縁かというと,決してそうではない.HyperTalkを直接見たり、編集したりできるかどうかにかかわらず,どのレベルでもHyperTalkなくしてはHyperCardは存在しえない.どのレベルでも,後述する「Messagebox」にHyperTalkのコマンドをタイプして実行させることができる.したがって,多少オーバーな表現を使えば、HyperTalkについて知ることは、HyperCard自体を知ることにほかならないということになる.
 また,HyperTalkは,既存の「プログラミング言語」という概念に押し込めて、むずかしく考えなければならないような堅物ではない他のどのような言語よりも自然言語(英語)に近く,非常に親しみやすい構文を持っている.

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 2. オブジェクト・オリエンテッドとは?

 プログラミング言語としてのHyperTalkの特徴を1つだけ挙げるとすれば,「オブジェクト・オリエンテッド(オブジェクト指向)」ということになるだろう。しかし、それだけでHyperTalkを語ることはできないし、オブジェクト・オリエンテッドが何であるか知らない人間にとっては,何の説明にもならない.そこで,本稿ではオブジェクト・オリエンテッドにあまりこだわらずに,HyperTalkを見ていくことにする.ただし,参考のために,オブジェクト・オリエンテッドというと必ず登場する「SmallTalk-80」との比較は、可能な限り試みることにする.
 オブジェクト・オリエンテッドな言語では,オブジェクト(対象)に対してメッセージを送ることによってプログラムが進行する.SmallTalk-80では、ほとんどすべてのものが,オブジェクトとして扱われる.例えば,ウィンドウ,メニュあるいはその中の文字までがオブジェクトとして扱われる.これらのオブジェクトには,ある特定のメッセージに対する応答の仕方が決められている.SmallTalk-80におけるプログラムでは,この応答の仕方を記述したものを「メソッド」と呼ぶ.
 HyperTalkで扱うオブジェクトは,(1) Button, (2) Field, (3) Card, (4) Background, (5) Stack――という5種類から構成される.これらのオブジェクトには、Smalltalk-80と同じように,特定のメッセージに対する応答の仕方が記述されている.HyperTalkでは,これを「Message handler」と呼ぶ.そして,Message handlerを集めたものがHyperTalkにおけるプログラム,すなわち「Script」になっている.
実際に作ってみればすぐなじめるものなのになんだろうこの解説は、わざわざ難しくしているような気がする。そうだ、学校の授業だ。各教科とも試験問題を作るためにわざと難しくというか楽しくならないように教えているのに似ていると思う。
3. オブジェクトの正体を探る

 オブジェクトと呼ばれるものは、どれもHyperCardの重要な構成要素になっており,それぞれに情報を含んでいる.例えば,Fieldは、上述のScriptはもちろんのこと,Field本来の情報である「Text」を持っている.さらに,Field自体の大きさ,位置,あるいはスクロール・バーの有無などの情報も持っている.これは,Buttonを例に挙げても同様のことが言える.さらに,CardやStackにいたっては、その中に,さらに別のオブジェクトを含んでいる.このように,プログラムやデ-タなどの様々な情報を一つにまとめたものが,オブジェクトの正体である.
 HyperTalkでは、前述の5つのオブジェクトが階層構造を形成している.例えば,ButtonやFieldは,Cardの下にあり、そのCardはStackの中に埋めこまれている(図2を参照).この階層構造は、メッセージの伝達という点で,相互に密接に関係している(後述).

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4. HyperCard=Message!?

 HyperCardは、様々なオブジェクトから構成されている.そして,これらのオブジェクトには、一般のプログラミング言語で言うところのデータと,それを処理するプログラムが混在している。
 しかし,様々なオブジェクトが寄り集まって、1つのHyperCardを構成していたとしても,そのままでは何も起こらない.オブジェクトが別のオブジェクトと,あるいはユーザーと,またはHyperCard自身やMacintoshの環境と,相互に通信することによって、はじめてHyperCardはHyperCardとして動作する.
 このための通信手段が,「Message」を送る,ということになる.Messageには、マウスボタンがクリックされたとか,あるCardがオープンされたといったものがある.Messageは,図2に示した階層構造を下から上にたどる形で伝達される.例えば,マウスボタンがクリックされたというMessageは,第1に,その時点でマウスポインタが示しているButton,あるいはFieldに対して送られる。もし,これらのオブジェクトのScript中に,このMessageに対応するMessage handlerが存在していれば,Messageはそのオブジェクト(Script)で解釈される.第2に,Message handlerが存在しない時は,1つ上のレベル,すなわち,そのButtonやFieldが含まれているCardに伝達される.そこにもMessage handlerがなければ,そのCardのBackgroundに,そこにもなければ,そのCardを含むStackに,そして最後はHyperCard自身に,というように送られる(図3を参照).
 HyperCard自身は、送られたMessageを,あらかじめ定義されているHyperTalkのコマンドと照らし合わせ,同じ名前のものがあれば,それを実行する.そういう意味では、HyperTalkのコマンドは、Message handlerがあらかじめ定義されているようなMessageだと考えられ|る.また,HyperTalkのコマンドとして定義されていないMessageが送られてきた場合は,Messageと同名のMacのコードリソースがサーチされる.もし,該当するコードリソースが存在すれば,それが即座に実行される.逆にコードリソースが存在しない場合は、はじめて、“Messageは解釈できない”というエラーメッセージが表示される.このことは,コードリソースを用意しておけば,Hyper|Talkが自由に拡張できるということを意味する.例えば,CD-ROMやビデオディスクプレーヤなどをMacに接続した場合に,対応するコードリソースさえ用意しておけば,それらをHyperTalkで制御できるわけである.

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ああ分かった。HyperTalkの内部構造とかを解説しているから分からないのか。こんな解説を理解できなくてもプログラムというかスクリプトは書ける。なんかBasicが分からない人の気持ちに似ているような気がする。仕組みとか理解できなくてもやりたいことができればそれでいいのに、楽しいのに、内部構造とかを理解するというか学校の勉強のように取り組むから理解できないのかな。
II HyperTalkでプログラミング

 理屈っぽい話が続いたので,実際にHyperTalkのプログラミングを見てみよう.ただし,HyperTalkの内容をすべて示すには誌面に限りがあるので,特徴的な部分に的を絞ることにする.
1. Messageboxで小手だめしを

 HyperTalkはインタープリタ型の言語だから,BASICなどと同じように,あるコマンドを抜き出して動作を確かめてみる,といったことが簡単に行える.HyperCardには、こうしたダイレクトコマンドの入力用に,「Message box」が用意されている.Message boxの中に,HyperCardに対するMessageをタイプしてリターンキーを押すと,そのMessageが送信される(図4を参照).これは,Smalltalk80の「Work space」ウィンドウにメッセージ式をタイプして「do it」を実行することに相当する(Smalltalk-80はコンパイラ型の言語でありながら,インタープリタ型の言語としても使えるような工夫がなされている).
 HyperCardでは、例えば、Message boxに「Go Home」とタイプすれば,このMessageはHyperCard自身に送られ,HomeStackがオープンされる.また,「Put the date into card field1」とタイプすれば,その日の日付が,オープンされているCardの1番目のFieldに書き込まれる.この2つのMessageを見ただけでも,HyperTalkが自然言語に近く,親しみやすい構文を持っていることが分かるだろう.
 Message boxは,通常の使用状態では画面に表示されない.これを画面に表示させるには,[Go]メニューから[Message]の項目を選択するか,コマンドキー+Mキーを押す.Message boxを表示させてからMessageをタイプするのは、もちろん普通のやり方だが,Message boxを使わないでMessageをタイプし,送信することもできる.ただし,これが「許されるのは、Scriptingレベルのユーザーに限られる.ユーザーレベルの設定をするのと同じく,HomeStackの「UserPreferences」のカードで「BlindTyping」の項目を選択すれば,この機能は実現される(図5を参照).

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もうすっかり忘れてしまったが、Visual BasicとかVBAとかVB scriptとかWindows環境でのプログラミングもこのような感じで作っていた。名前の効果かHyperTalkとなれば凄いという感じがするがVisual Basicとかになるとダサいと感じる。
2. Scriptを書くには…

 HyperTalkでプログラミングをするということは,ButtonやField,Cardに付随するScriptをエディットするということと同義である.ButtonやFieldのScriptをエディットするには、プルダウンメニューの[Tools]からButtonツールやFieldツールを選んでおいて,目的のButton,Fieldを選択し(図6を参照),[Objects]メニューから[Button Info...]または[Field Info...]の項目を選択する(図7を参照).そして,開かれたダイアログの中の[Script]と書かれたボタンをクリックする.これで目的のスクリプトが開き,編集可能となる(図8を参照).
 HyperTalkのプログラミングを始める場合は、既存のScriptを参考にするのが得策である.例えば,「Button Ideas」のStackから適当なButtonをピックアップし,自分のCard上にコピーする.ButtonやFieldも,カット/コピーーストが可能だ.この場合,コピーるのは、単なるButtonのアイコンだけではなく,オブジェクトとして持っているScriptなどの情報も含まれている.
 あとは、このScriptを見ながら動作を確認して,モディファイしつつプログラミングのコツをつかむのが理解の早道になる。

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3. HyperTalkの制御構造

 HyperTalkのScriptは,通常,いくつ「かのMessage handlerが集合したものになる.Message handlerは,前回も簡単な例を紹介したように「on+メッセージ名」で始まり,「end+メッセージ名」で終わる.そして,このonとendではさまれた部分が,上から下に順番に実行される.HyperTalkにも,一般のプログラミング言語と同様に,この実行順序を変えるための制御構造が用意されている。オブジェクト・オリエンテッド言語の制御構造だからといって、むずかしく考える必要はない.HyperTalkの制御構造は、一般的な手続き型言語のそれと,ほとんど同じように考えてさしつかえない.基本となるキーワードは,ifとrepeatの2つである.この2つと,他のいくつかのキーワードの組み合わせで,何通りもの制御構造を構成することができる.例を挙げて説明しよう. まず,if...then...else...endifの形がある.これは,
if<論理表現>then
  <コマンド>
  ......
else
  <コマンド>
  ......
endif
 のように書く.<論理表現>は,真または偽の値をとる式である.<コマンド>はHyperTalkのコマンドで,これについては後で述べる.この制御の流れについては,他の手続き型言語と変わらない.
 条件判断にともなうコマンドが1つのときは,endifは不用で,次の2通りの書き方ができる.
if<論理表現>then<コマンド>
または
if<論理表現>
then<コマンド>
else<コマンド>
 次に,repeatを使用したものには,
repeat for,repeat until,repeat while,repeat withなどがある.単純に指定回数だけを繰り返すには,
repeat for<繰り返し数>
<コマンド>
  ......
end repeat
と書く.forは書かなくても同じ動作をする。
repeat until<論理表現>
  <コマンド>
end repeat
は論理表現が真となるまで(偽の間),
repeat while<論理表現>
  <コマンド>
  ......
end repeat
は真の間,コマンドを繰り返す.
repeat with<変数>=<初期値>>to<終了値>
  <コマンド>
  ......
end repeat
は,変数に初期値を代入し,それをインクリメントして終了値となるまでループする.
 またこれらのrepeatとend repeatの間にnext repeatを挿入すると,そこからend repeatまでのコマンドをスキップして次の繰り返しサイクルを開始する.あるいは,exit repeatを挿入すると,リピートループを抜ける.さらに,
exit<Message>
を実行すると,そのMessage handlerに含まれる残りのコマンドの実行を,すべてスキップできる.これらのnext,exitは前述のifと組み合わせて使うのが一般的である。
 次に,一般の言語にはちょっと見当たらない制御構造を2つ挙げる.
pass<Message>
これを実行すると,このMessageが,オブジェクトで解釈できなかったかのように,Messageを1つ上のオブジェクトにパスする.これは,下位のオブジェクトで何らかの処理を行った後,さらに一般的な処理を上位のオブジェクトに任せ たいような場合に使う.これによって,オブジェクトの階層構造が生きてくる.これはSmalltalk-80の「インヘリタンス(継承)」の機能に似ている.
send<Message>to<オブジェクト>
は任意のMessageを他の任意のオジェクトに送る面白い使い方として,
send<Message>to me
とすれば,任意のMessageを自分自身に送ることができる.


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