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PC-9801ES/EX/LX/PC-98DO他、VZエディタ(月刊ASCII 1989年7月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集最新機種徹底レポート'89とPROCUCTS SHOWCASEを抜粋してスクラップする。
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PC-9801ES/EX
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PC-9801LX
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まとめ(評価)部分をスクラップする。
 98シリーズは,これまで3.5インチモデルというと,搭載しているCPUのパワーや拡張性からして,「入門者向け」といった傾向があった.ところが,今回のES/EXを見てみると,CPUパワーは5インチモデルと同等,拡張性もスロット数の「-1」以外は同じである.そして,価格は前述のように,5インチモデルを買うのがもったいなくなるくらいの差が付いている.本体で5万円,HDDで3~5万円,メモリで2万円の差がある.5インチモデルをなくすわけではないが,「ぜひ3.5インチモデルをどうぞ」という声が聞こえてきそうだ。さらに,3.5インチモデルならではの省スペース性が強調されれば,魅力が倍増するだろう.
 LXは,やっと出てくれた「手ごろな速度,手ごろな価格,HDD内蔵」マシンである。日本電気のラップトップマシンの中核となるマシンだ。ただこちらもサイズと重さはもう少しなんとかしてほしいところである。ある程度の速度を持ち,さらに小さい「日本語版ウルトラライト」も欲しくなってくる.

確かにこの後3.5インチFDDモデルが多くなり、ユーザも増えてきた。ただ、コピーを盛んにして遊んでいるユーザは5インチモデルを購入していたと思われる。コピーしたいソフトの3.5インチ版を持っている人があまりいないのがその原因。
「LXは,やっと出てくれた「手ごろな速度,手ごろな価格,HDD内蔵」マシンである。」にはもう笑うしかない。パソコンにかける金額について麻痺している。次の表を見るとそれが感じられる。
表1 PC-9801シリーズのラインナップ
ラップトップ デスクトップ
3.5インチ FDD 5インチFDD ハイレゾモデル
80386/SX LS2/5 ES2/5 RA2/5 RL2/5
クロック 16MHz 20/16MHz
V30 8MHz
メモリ 1.6Mbytes
価格 2 62万8000円
5 86万6000円
2 44万8000円
5 63万8000円
2 49万8000円
5 73万6000円
2 73万5000円
5 97万円
ラップトップ デスクトップ
3.5インチ FDD 5インチFDD ハイレゾモデル
80286/SX LX2/4/5 EX2/4 RX2/4 XL1/2/3
クロック 12/10MHz 10/8MHz
V30 8MHz 10/8MHz
メモリ 640Kbytes 1Mbytes
価格 2 42万8000円
4 58万8000円
5 63万8000円
2 34万8000円
4 48万8000円
2 39万8000円
5 56万6000円
1 49万5000円
2 57万5000円
4 83万5000円
ラップトップ デスクトップ
3.5インチ FDD 5インチFDD
V30/SX LV21/22 CV21/UV11 VM11
クロック 10/8MHz
メモリ 640Kbytes
価格 21 34万5000円
22 37万8000円
CV 35万5000円
UV 35万5000円
33万8000円
表を見てつらつら思うことは、昔はよくこんなに無駄遣いともいえる買い物をしたもんだということ。1979年にパソコン(マイコン)を買い始めて、MZ-80C,X1,PC-9801VX2とだいたい3年に1台買っている。本体外にディスプレイ、プリンタ、メモリ、FDD、HDDと買い続けてきた。今は、最新機種のiPhone 14 Proでもたった179,800円(税込)。安くなったものだ。33年前にパソコンにつぎ込んだ金と比較するとiPhoneは2年に1回買い替えてもいい値段だ。

NECの互換性維持の根性が感じられたPC-98DO。ここまでやるかというのが当時の感想。
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まとめ(評価)部分をスクラップする。
 PC-98DOの本体価格は,29万8000円である.これはVM11より3万円安く,サウンドボードを付けたVM11より5万5000円も安い。その上さらに,16万8000円のMA2の主要な機能が入っていることになる。拡張スロットに増設RAMやビデオボードなどの拡張ボードを2枚以上実装したいなら別だが,98/88モードで利用可能な5インチメディアの豊富な流通ソフトウェアの本数を考えれば,かなり魅力的な価格設定だろう.
 ☆  PC-98DOのターゲットは,日本語ワープロや表計算は98モードで使い,ゲームは両方のモードで,と使い分けたいユーザーだろう.それらのユーザーに必要な機能を残し,優先度の低い機能を削除してコストを下げたのがモデルといえる.
 ただ,ホビーユースからみれば,ADPCMやリズム音源などの機能を備えたサウンドボードIIは,オプションとしてでも欲しい機能のひとつである.これがサポートされていないのは,PC-98DOと同価格の16bitAVマシンであるPC-88VA2との差別化を図った結果かもしれない。そういった意味では,このモデルの投入後も,エントリマシンとしてのPC-8801シリーズと,16bitAV系マシンのPC-88VAの2本の柱は崩されないとみられる。理由はどうあれ,PC-98DOはPC-9801シリーズとPC-8801シリーズの今後の方向を示唆するマシンといえる.
 なお,PC-98DOは,今後1年間に5万台の販売を計画しているという.

PC-98DOはどれだけ売れたのだろうか。売れるマシンだと思ったけれど。88のゲームが遊べるのがメインで一太郎とかもできるということがサブだと思う。メインマシンとして本格的にワープロ、表計算と使おうと思ったらV30ではストレスが溜まる。

参考出品されたカラー液晶ラップトップ
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TFTは高かったのでSTN採用のマシンも結構売れていたと思う。私は、最初はDSTNマシンを買った。

エプソンの98互換機ラップトップマシン。PC-386LS。
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まとめ部分(価格評価)をスクラップする。
 価格はSTDで53万8000円,H20で67万3000円,H40で76万3000円となっている.PC-9801LSはFDDモデルのLS2が62万8000円,40MbytesのHDDを内蔵しているLS5は,86万8000円だ.386LSのほうがFDDモデルで9万円,HDDモデルで10万5000円安くなっている.
 この差は,1つにはディスプレイ装置に起因する386LSはおなじみの8階調表示の白液晶だが,9801LSは16階調表示のプラズマディスプレイだ。さらに,9801LSは標準でメモリを1.6Mbytes搭載しており,1Mbytesの差がある.
 本体内でのメモリ拡張は,386LSが拡張スロットに4Mbytesのボードを2枚挿入して8.6Mbytes.9801LSは,メモリ拡張用の専用スロットを使って4.6Mbytesまで内蔵できる.

中略

 サイズや重さ,バッテリを内蔵していないなど,386LSは持ち歩くためのラップトップというわけではなく、あくまで移動が簡単な,省スペース型デスクトップである。通常業務にも使用でき,いざというときに移動できるというメリットは,意外に大きいものだ。
 最近では,プレゼンテーション用のアプリケーションも充実してきており,会議でグラフを表示したり,シミュレーションをその場で行うなど,いろいろと活用できそうである。個人ユーザーにとっても,パソコンのために,机を占有されることなく,必要のないときに机の下に置けるのは便利だ。

持ち運べるマシンの値段が高い。流石にこれはおいそれとは買えなかった。このころは流石に3年も経てば旧式の遅いマシンになることは分かっていたので一体型マシンを買うのは躊躇した。
NECがはじめPC-98LTのようなPC-9801との互換性を持たないのでPC-9801用のソフトを動かない、いわゆる「除くのマシン」と呼ばれていたラップトップしか出していなかったときエプソンがPC-9801と互換性のあるラップトップを出した。ユーザの望むものを知って出したのがエプソンで、ユーザの望むものを出さなかったのがNECだった。NECはユーザの望むものを知らなかったので出さなかったのか、知っていたのに出さなかったのか。とにかく私はNECのこういう姿勢が嫌いだった。

IBMのPS/55シリーズ
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まとめ部分をスクラップする。
 5570Vは,フロアタイプのマシンである.CPUは80386(25MHz),メインメモリにはアクセス速度80nsの高速RAMを4Mbytes搭載し,HDDは314または115Mbytesを内蔵する2機種がある.また,64Kbytesのキャッシュメモリを搭載して,メモリウェイトの低減を図っている。発表では,Vモデルは現行のTモデル(20MHz)と比べて約40%の高速化を実現したとしている。クロックの比は25%アップであるから,残り15%はキャッシュなどの威力ということになる.

 中略

 CPUクロックのみならず,4Mbytes/80nsの大容量/高速RAM,64Kのキャッシュなどを標準装備してきた点は注目される.4Mbytesのメインメモリを標準で持つマシンはPS/2シリーズにもないが,OS/2上で複数のアプリケーションを動作させようとすれば,この程度のメモリが結局必要になってくる。ハードビジネスには遅かれ早かれ要求されてくるスペックを最初から用意した点は評価できる.

4MbytesあればOS/2で複数のアプリケーションソフトが使えるという評価だった。今はその1000倍の4Gでも苦しい。1000倍のメモリが必要とはソフトは一体どうしてそうなったのか。

ソニーのQuaterL
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三洋電機のGerant
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シャープのカラー液晶マシン。
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 なお,QuarterLはディーラーによるセット販売が中心で、個人マーケットは当面狙わないとしている.しかし,80386SXで28万円弱という価格は,AXのみならず他機種と比べても魅力的だ。一般のパソコンのルートでの販売も期待したい.

中略

 シャープでは,本年よりカラー液晶の量産化に入り,この秋からAT用としてまず海外向けに販売を開始し,来年春には国内製品にも応用していくということである.

「買うたれ」と私達が呼んでいたQuaterLは個人マーケット向けではなかった。まあ、当然ではあった。
 シャープのカラー液晶には期待していた。世界のトップランナーだったシャープがまさか身売りすることになるとは思わなかった。シャープの液晶技術は常に先を行き、他の会社特にアジアの企業が追い付くとは全然思わなかった。いったいどうしてああなってしまったのか。

PRODUCT SHOWCASEからVZエディタをスクラップする。
VZエディタは特に気に入ったソフトでPC-9801VX2とで使っていた。常駐モードが特によかった。
常駐も可能な高速・コンパクトな汎用エディタ VZ
 米国製のBriefに対して,VZは純日本製エディタだ。全アセンブラソース入りということで話題を呼んだEZというエディタがあるが,その作者による第2作目がこのVZである.VZも前作と同じく,低価格なうえ全アセンブラソース付きで,究極のカスタマイズであるソースの変更が可能となっている.アセンブラの知識のあるものにとってはありがたい。また,EZで好評だったスムーズスクロールモードや独特の検索も残っている.なお,EZユーザーは、5000円でバージョンアップが可能だ。
 ざっと触った印象はMIFESに似た感じで,ファンクションキーによるプルダウンメニューでひととおりの作業ができ,エディタを使ったことがある人なら,初めてでもそう戸惑うことはないだろう.MIFES同様,複数ファイルのエディットができ,うち2つまでのファイルを,画面を分割して表示・編集することができる(画面3).


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コンフィギュレーション
 キーアサインはWordStar系のものだ。これは,起動時に読み込まれる「.DEFファイル」と呼ばれるコンフィギュレーションファイルに定義されているため,この内容を書き換えるだけで簡単に変更できる.「DEFファイル」の名前は環境変数に設定するようになっているので,多数の人が使うようなシステムの場合,各人用の「DEFファイル」を用意しておけば,環境変数をセットし直すだけで好みのキーアサインを利用できる.アサインできるキーの自由度は高く,GRPHキーやNFERキーさえも使用することができる.
 エディタの環境設定は,キーアサインの他に各部の色やポップアップするメニューの内容も対象にできるという,かなり凝ったものになっている.面白いところでは,挿入モードや上書きモードの際の、「カーソルの形状とブリンクスピードの設定」といった項目がある.ブリンクスピードを通常の2倍のスピードに設定しておけば、どんなに速くスクロールしてもブリンクをしている最中にカーソルを見失うことがなくなる.
ページング
 VZの検索は,EZの独特な体系を踏襲していて,通常のWordStar系のエディタと比べると一風変わっている.まず,検索文字列を登録すると,文字列検索ページングモードと呼ばれるモードになる.このモードになると,Ctrl+R/Cがページ単位のロールアップ/ダウンではなく,前方向/後方向の検索になる。その他の機能は通常のモードと同様に機能するので,文字列の入力も可能である.この他,論理ページングモードというのもあり,ここではCtrl+R/Cが,「行頭に*,/,;,=,^Lがあって直前が空行の場所」にジャンプするようになる。プログラミングのみならず文書作成時の項目ジャンプにも使えるかもしれない。


常駐エディタ
 VZの大きな特徴の1つに常駐モードの存在があげられる.常駐すると,ESCキーを押すだけでVZが起動する.オールアセンブラのコンパクトなVZならではである(VZの本体は実に39Kbytesしかない)。もっとも,ワープロなどのように,アプリケーションがESCキーを検知しているものでは,通常起動しない.VZが常駐した状態では,MS-DOSのコマンドレベルでVZが持っている拡張シェル機能が利用できるようになる.これには,PDSのhistory.comやksh.comでおなじみのコマンドライン編集機能,マルチステートメント機能,エリアス(別名登録)機能,ヒストリ機能の他,ファイラー機能,コマンドの展開再表示機能などが用意されている.
 ファイラー機能は簡単なビジュアルシェルのようなもので,ポップアップするウィンドウ内に表示されたファイルを見ながら,コピー,削除,比較などが実行できる,コマンドの再展開機能は,xscript.comのサブセットという感じでスクロールしてしまった画面出力をスクロールダウンできるなどといった内容である。内容をカットしてDOSのコマンドラインに持ってくることはできないが,エラーメッセージの行番号をタグとして利用すると,エディット&コンパイルの際に強力な武器となる(図3).


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マクロ言語
 VZのマクロは,REX(Reduced EX-pression)と呼ばれる言語で記述する.感触はMIFESのMIL言語に似ている。ただ,システム設定用のマクロや制御構造記述まで記号化されているので,MILと比べると読みにくいソースプログラムになるが,MILがコンパイルを要するのに対して,REXはマクロファイルをそのまま実行することができる.つまり,メモリに格納されたマクロファイルを直接実行しているのだ。このため,マクロのトレース時に実行中のREXを表示したり,エディット中のREXをただちに内部に格納し、実行したりすることができる.変数の数も49個とMILに比べると多く,さらに変数をスタックにプッシュ/ポップできる.また,最大8レベルのネストが可能となっている.
日本語入力にも使える
 VZは,ATOK6,VJE-βVer.2,松茸について自動切り替えをサポートしているなど,日本語入力も意識した設計となっている.また,1行の長さもデフォルトで1Kbytes,最大で8Kbytesとすることができ,また,設定マージン位置で自動的に折り返しをするので,日本語の文章入力を考えた場合でも問題のない設計になっている.
 矩形ブロックがサポートされていない,検索置換に正規表現が利用できない,画面の横幅や行番号の表示などがファイル単位に設定できない,バイナリエディットモードがないなど,いくつかの不満な点もあるが,この低価格でこれだけの性能はやはりお買い得である,autoexec.bat中で常駐させ,エディタ+ファイラー機能付きの拡張シェルとして使用するのが良いのではないだろうか.

日本語入力にも使えるとは変な評価だが昔はEditorといえばプログラム入力ツールだった。私が買ったときはTurbo Cを使っていたのでプログラム入力ツールは必要なく、パソコン通信用のテキスト入力ツールとして使っていた。矩形ブロックがサポートされていないとあるが、確かマクロで実現できたような気がする。私は単なるエディタとしてではなく常駐モードを使い、環境ソフトとしてなくてはならないVZを知った後はVZ無しの環境には戻れないほど使いこんでいた。

ブログの過去記事を再掲する。
ソフトウェアを捨てる(TurboC他)
https://cooblog.blog.ss-blog.jp/2019-04-11

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高機能なのに安かった。コピーする人が多かった時代、周りに是非購入するようにと勧めていた。このソフトが出てありがたかったし使いこなしたと思っている。
以前からの私の主張は
・プロテクトがかかっているからコピーに挑戦する。かかっていなければコピーしない。
・高価だからコピーする。安ければコピーしない。
これに対し、知人は
「そんなことはない。コピーする人間は、ノンプロテクトだろうが安かろうがコピーする。」
と反論してました。
VzEditorは買ってもらえると思って盛んにユーザーを増やそうと努力したのですが、知人の意見が正しいと納得しました。コピーユーザーは良心の呵責がないのです。心に痛みを、負い目を感じてコピー品を使っていた人間しか購入しないものです。

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