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新製品レポートPC-98XL2,FMR-70HD,NAVI他(月刊ASCII 1988年2月号10) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

PRODUCTS SHOWCASEの記事からPC-98XL2, FMR-70HD, NAVI, J-3100SGT, PC-286の5機種をスクラップする。

まずPC-98XL2
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本体写真とスペック
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この頃のハイレゾは1120×750ドットだった。本体重量が19.3kgというのも凶悪と言ってもいい。価格が98万8000円で趣味で買うには高すぎる。
以下各部の写真をスクラップする。
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評価の部分をスクラップする。

 今回は,時間の関係で立ち入ったテストができなかったが,編集部にあるソフトウェアを走らせた限り,80286で動作するソフトはだいたい動いた.しかし,その動作速度があまりにも速いので,ゲームなど、動作速度に依存しているものは,プレイ不可能になってしまうものがほとんどである.例えばピンボールゲームなどでは,ボールの動く速度があまりにも速いので打つことが不可能なのである.また,キーを押している間に設定数値を増やしていくような入力でソフトウェアウェイトを利用しているものも,あっというまに数値が増えてしまって,設定が不可能だった.もっとも,昔に作られたソフトに,最新機種で速すぎに使えないというのは酷だが,VSYNC割り込み(CRTの垂直帰線期間の始まりで発生する1/60秒ごとの割り込み)をカウントして使っているソフトウェアは,かなり前のものでも操作が不可能になるということはなかった.要はソフトの作り方次第ということだろう.
 ここで,80386CPUについてちょっとふれておきたい.従来の80286では、リアルモード(MS-DOSの動作するモード)は,8086と多少動作が違っていた.それは,拡張命令,スタックポインタの動作などであったが,80386のリアルモードも80286とほぼ同等である.このため,80286で動作しないソフトウェアはこの80386でも動作しない.なお,80386では,80286の拡張命令に加えてさらに命令が加わっており,これを使ってソフトウェアを作ってしまうと80286,V30では動作しないので注意が必要である.
PC-98XL2は誰のためのマシンか

 PC-98XL2の仕様は,スペック表に挙げたようなものだが,この仕様は,次世代OSであるOS/2を意識したものであることがわかる.このマシンは、標準状態でOS/2を走らせることができるわけだ.編集部ではすでにOS/2の評価を始めているが,8MHzの80286を使ったIBMPC/ATではおせじにも軽快な環境とはいいがたい.その点このPC-98XL2の仕様なら,充分な速度でOS/2を実行でき,なおかつその後登場するPresentation Managerも軽快に走らせることができるのである.80386マシンはまだ登場し始めたばかりで,その普及は今後にかかっているが,この立ち上がり時期にOS/2に焦点をあわせ,OS/2の普及と80386マシンのそれを同期させようという戦略がうかがえる.
速すぎてゲームができないというのはもはや機械のせいではなくて、そんなソフトいわば機種依存のソフトを売ってきたソフトハウスの責だろう。だいたいPC-98XL2でゲームとはお前一体何を考えてバカ高い機械を買ったのだと小一時間説教したい。ゲームはゲーム機でやれよな。
 「OS/2の評価を始めているが,8MHzの80286を使ったIBMPC/ATではおせじにも軽快な環境とはいいがたい」当たり前田のクラッカーだ。34年前、プログラマというかソフトハウスというかパソコンを仕事でああしたい、こうしたい、こうやって使いたいという人間にとって、低性能マシンばかりで使い物にならないものばかりだった。パソコンを使いながら文句ばかり言って、呪いの言葉を吐きながら、「リターンキーを押してから3秒待たせたらリセットボタン押されても仕方がない」なんて暴言を吐いていた。最初に推定処理時間の表示が欲しかった。

富士通のFMR-70HD
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評価の部分をスクラップする。
やっぱり速い386

 以上の結果を見る限り,FMR-70HDは最高で60の約3倍近い速度向上が期待できるマシンであるといえる.アプリケーションレベルでも、最低で2倍は「速く」なるわけだ.VX21と比べると1.5~2倍の「速度」が利用できる.
 価格を考えると,60HDが20Mbytes内蔵で72万5000円で,70HDは40Mbytes内蔵で98万円だ.差額の約25万円のうち15万円をハードディスク代とすると,10万円が「スピード代」ということになる.
 MS-DOSやBASICでは386の真価を問えないかもしれないが,われわれが使っているマシンとどれくらい異なるかはわかる.いずれは,OS/2やXENIXを使ったベンチマークも行いたいものだ.
386が速いと思っていた時代が懐かしい。ただ、やはり386マシンはMS-DOSやBASICで使い物になる機械になったという評価が正しかった。OS/2?XENIX?まだまだ使い物になる機械ではなかったはずだ。

キヤノンのNAVI
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評価の部分をスクラップする。
本格的な統合環境を目指してほしい

 現在の技術レベルから見て,NAVIは,一定の水準をクリアしている.しかし,複数の機能を統合する方法にはまだ問題がありそうだ.親しみやすいマン・マシンインターフェイスやデザイン,機能は装備しているが,ビジネスの現場で使うには改良する余地が残っている.
 こうした企画製品は、年間1~2製品程度しか発表されない.ビジネスマンなら一度は欲しいと思うマシンなのだが,コンセプト作りがむずかしいため,製品化までこぎつけられないケースが多いようだ。そういう意味では,あえて挑戦したキヤノンの今後のシリーズ化戦略に注目したい.
デザイン的にはいいと思う。黒ではなくもっと親しみやすいカラーリングだったらよかったのではないかと考えたが、本体価格が59万8000円では安く見えるカラーリングは無理だったろう。趣味で使うには高すぎるから実務に使える機械ということで職場に置いたりできる色は黒となる。残念ながら普通ではない機械はなかなか浸透しなかった。

東芝のJ-3100SGT
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東芝はラップトップで80386を搭載するとはこの分野にかなり注力していた。
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評価の部分をスクラップする。
 ディスク関連のテストでは,3.5インチドライブの遅さが出てしまったようだ.他の80386マシンでは,すべて5インチドライブなので,単純にドライブの性能差が結果に表れている.
 アプリケーションを使ってみた感じでは,その速度の違いが歴然とする.J-3100シリーズ用の一太郎などでは,スクロール速度も充分速く,使い勝手は,さらに向上しているといえる.
 しかし,このJ-3100SGTの魅力は,OS/2などのマルチタスクOSなども実行できるという点にある.たしかに,ラップトップとして出張先等でも使えるという利点もあるが,それよりも他の80386マシンにひけをとらない機能の方が大きな魅力といえる.コンパクトに必要な周辺装置をまとめ、なおかつ高機能なOSの利用やMS-DOSアプリケーションの高速利用も可能になる,そういった使い方のできるマシンではないだろうか.
正鵠を得た評価だった。35年前はOS/2押しだったが、一般ユーザ、職場でワープロ、表計算を主として使っている層にはOS/2は眼中になかった。
 このスクラップで思い出したのは「3.5インチドライブの遅さ」そういえばそうだった。

エプソンのPC-286SL
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評価の部分をスクラップする。
パソコン使用のバリエーションを広げる

 マシンの実行速度は,V30を10MHz(ノーウェイト)で動作させることからPC286Uと同等程度の演算速度(PC9801UV21より10%程度高速)を実現している。
 PC-286Lは,どうやら普段はデスクトップマシンとして使用し,必要に応じて,場所を移動して使用することも可能なマシン,といった位置付けをもっているようだ.もちろん,事務所などで使う時に,自分の机の上に持ってくるとか,デスクトップマシンとのソフトウェア互換性があるため,セカンドマシンとして使うのもよいだろう.
 STD-Nで1時間,STD-Sで3時間とはいえ,内蔵バッテリによるオペレーションも可能であり,ちょっとした操作なら場所を選ばない.
 高機能ラップトップが,ブームとなってきているが,PC-9801シリーズとの互換性は,豊富なアプリケーションソフトウェアを約束しており,また,徹底してデスクトップマシンと同等の入出力を装備したこと,また,画期的ともいえるハイコントラストのペーパーホワイト液晶を採用した(STD-N,H10-Nモデル)ことから,すでに発売されているPC-286の前3機種以上のインパクトと魅力を持ったマシンといえそうである.
互換機が本家マシンより先進的でユーザの希望に沿ったものであるのは当たりまえだ。この当時NECは殿様商売的なところがあり、ユーザの希望よりもメーカーの販売戦略を優先していてユーザーから見ると不満の残るマシンを売っていた。まあ、私は不満を持って買ったのだからこう思ってしまうのか。
 ラップトップが内蔵バッテリで動くと言っても常用するにはACアダプタで給電しながら使うのは普通だし、ずっとそうだった。内蔵バッテリの出番は少なかった。

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