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OS/2がやってきた(その3)インタビュー(月刊ASCII 1988年2月号8) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

OS/2についてMicrosoft社プロダクツマネージャのインタビュー記事をスクラップする。
この後WindowsでOS/2と決別するのだが、当時からWindowsとOS/2との関係がよくわからなかった。
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インタビュー

Microsofto OS/2基本戦略

Microsoft社プロダクツマネージャ Mark Mackaman

編集部

Q:Microsoftとしては、OS/2をどう位置づけていますか?また,MS-DOSとの関係は?
Mackaman(以下M):当面MS-DOSとOS/2は市場で共存していくでしょう。5年から7年後には、OS/2がDOSにとって代わるかもしれませんが,Microsoftでは,今後も強化したMS-DOSを作っていきますし、同時にOS/2の進化にも力を入れていくつもりです。MS-DOSに対する需要がまったくなくなるとか,それが機能を果たさなくなったという場合は別として、当分は両方の製品が市場で共存するというわけです.
 MS-DOSとOS/2の関係という面ですが,MS-DOSはローエンド向けのものとなるのではないでしょうか?つまり,OS/2にあるようなすべての機能を必要とせず,価格も安いローエンド向けということです.
 場は、家庭や教育分野です.しかしビジネス環境,オフィス環境では,今後3年から5年のうちに,OS/2が優勢を占めてくると我々は考えています。
 ビジネス環境では、OS/2のLAN Manager(注1)と呼ばれる製品で、MS-DOSとOS/2のワークステーションが共に情報を共有するネットワークの能力が提供されます.さらに,これを使うことで、MS-DOSやOS/2,あるいはXENIXベースのファイルサーバが,ネットワーク上で接続可能になります。ネットワークを通じて情報を共有したり,ユーザーやアプリケーション間でデータや情報を共有するというわけです.
注1 LAN Manager
Microsoftが提供するLAN接続のためのOS/2拡張機能,これを使うことで,LANを介してLANでつながれた他のマシン上のプロセスとプロセス間通信が可能になる.
 我々がユーザーに提案する目標や戦略的方向は、MS-DOSのWindows Ver.2.0を採用して、Presentation Manager(注2)と同じユーザーインターフェイスを提供するウィンドウ環境をつくるということです。そうすれば,ユーザーにとって馴染みのあるものになるし、我々がそうできるよう,ユーザーはひとつのシステムから別のシステムへ透過的に移行することができます.MS-DOSというプラットホームでWINDOWSを用いることで,我々は今一日の環境であるMS-DOSの環境から明日の環境であるOS/2への移行が容易になることでしょう。
注2 Presentation Manager
0S/2のグラフィックス制御用の拡張機能、これを使うことにより,それぞれのプロセスにウィンドウを割り当てた,いわゆるマルチウィンドウが可能になる.ユーザーインターフェイスはWindowsVer.2.0互換だが,バイナリレベルの互換性はない。
Q:Windows/386とOS/2は競合しないのですか?
M: Windows/386はWindowsVer.2.0に80386を制御するプログラムを加えたものです.そこれによって、同じマシンでMS-DOSのアプリケーションとWindowsのアプリケーションを容易に動作させることができるようになります.Windowsアプリケーションに加えてMS-DOSのアプリケーションのマルチタスク化が可能になります.しかしプログラミングという面からみると,この製品に新しい機能が加わっているわけではありません.
 この製品では,アプリケーションは依然として640Kbytesに制限されていますが,もう一方(OS/2)はそうではない。それにWindows/386はプロセス間通信といったOS/2にある多くの機能が付加されていません相互が通信可能な多重プログラムを走らせることができるOS/2に対して,ここでは,複数のスタンドアローンなプログラムを走らせることができます。
 しかしこの製品は、ユーザーにとって多くの利点を備えています。Windowsのアプリケトーションに加え,複数のMS-DOSのアプリケーションを走らせることができるからです.OS/2とMS-DOSの間の橋渡しの役目をする重要な製品です。
Q:IBMのOS/2の独自の部分(Database Managerなど)について,Microsoftではクローン・メーカーなどにどのようなサポートをする予定なのですか?
M: すでに,IBMの拡張版(Extended edition)と同じ機能を提供しようとしているISV(Independent Software Vender,サードパーティのソフトハウス)がいくつかあります。拡張版は,Databese Manager(注3)とCommunication Manager(注4)というふた一つのコンポーネントをもっています。いくつかのアプリケーション開発者が,すでにCommunication Managerのクローンを提供すると発表していますし,Database Managerについても,同じものが市場に出回ると思います。
 しかしこのCommunication ManagerとDatabase Managerという2つの機能は,すべての人が必要とするものではありません.一定の環境では,これらはまさに必要な機能ですが,それでもそのどちらかが必要なだけで,両方ともではありません.標準版を提供し,その後,例えばCommunication Managerと同じ機能については,それを購入するのはユーザーが決める,それがMicrosoftの考え方です。IBMと競合するハードウェア・メーカーがIBM版と同等の製品を持つベンダーとライセンス契約を交わし,それを彼らの製品に-バンドリングするのも自由です.しかしMicrosoftとしては拡張版を出すという計画はありません.
 IBMはMicrosoftからLAN Managerの技術に関してライセンス契約を結び,自身のLAN製品に組み込むつもりだと発表しました、IBMは我々のサーバ・ソフトウェアとワークステーション・ソフトウェアのライセンスを使っています。彼らがそうした機能に着目するのは,ネットワークの市場を非常に重視していることのあらわれです。IBMは,Ver.1.1の拡張版製品には、LAN Managerを加えるか,LAN Managerの技術を使おうとしています
Q:OS/2開発時における目的,あるいは目標はどんなものだったのですか?
M: OS/2を開発した目的は,まず第1は,640Kbytesというメモリの制約からアプリケーションを解放することです。第2はマルチタスク化ということです.これは複数のアプリケーションのそれと同時に,単一のアプリケーション内での多重実行ポイントの両方を指しています。
 例えば,スプレッドシート・プログラムでは,ユーザー入力と再計算があります。MS-DOSの環境では,ユーザー入力を行ってから再計算をしなければならないので、プログラムはこの2つを切り替えなければなりません.しかしOS/2ではこうした切り替えなしに、2つのパスをつくってそれぞれを独自に動作させることが可能です.
 3番目はグラフィック・ユーザーインターフェイスです。
 以上,3つの基本的な設計上の目標がありました。その他の目標としては、ひとつのアプリケーションと別のアプリケーションの対話を可能にするということもあります.また,動いているシステムに影響することなくオペレーティングシステムの拡張,修正が可能にするといった点も目標のひとつでした.
 我々はMS-DOSで約8年間の経験をもっています。そして,もはや必要ないと言われるまでには10年の歳月を経ているでしょうこの間,我々はMS-DOSの大きな修正を施さなければなりませんでした.0S/2についても,今後10年の間には変化があると考えています.そのために,変更を加えたり、修正が容易で、製品に大きな修正を施さないでも拡張ができるようOS/2を設計しました.
注3 DatabaseManagerIBMがOS/2拡張版でサポートするデータベース問い合わせのための拡張機能、問い合わせ言語としてSQLが採用されている.
注4 CommunicationManagerIBMの提供するLAN制御用の拡張機能.OS/2拡張版でサポートされる.
インタビューを読んでもほんわかした雰囲気で今後どうなるかはわからかった。特にWinsows/386を「OS/2とMS-DOSの間の橋渡しの役目をする重要な製品です」としていたが、これは嘘だったと思う。

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