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NeXT, ジャストシステムのAAC(月刊ASCII 1988年12月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

現地取材・緊急速報としてジョブスのNeXTについての特集記事があった。
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表1を抜粋する。
表1 NeXTComputerSystemの基本スペック
CPU MC68030(クロック周波数25MHz)
RAM 標準:8Mbytes
(最大16Mbytesまで拡張可能)
VRAM 256Kbytes
画面表示 17インチモノクロCRT
解像度1120×832ドット
4階調グレイスケール表示
外部記憶 標準:256Mbytes光磁気ディスク×1台
CPUが68030だというのが凄い。反対意見を無視して時代を先取りするのがジョブスだった。成功するためにはハードウエアの進歩が不可欠だった。ジョブスのこういったコンピュータが欲しい、パソコンはこうあるべきだを実現するには当時のハードウエアでは力不足だった。
 価格は6500ドル(当時は1ドル128円前後)でスペックの割には十分安かったが、パソコンとしては高額だった。
スティーブジョブズについてのコラム記事があった。
Steve Jobs:パーソナルコンピュータの生みの親
 コンピュータ関係者でSteve Jobsの名前を知らない人間は皆無に近いだろう.Steve JobsとApple社の歴史は,パーソナルコンピュータの歴史そのものである。
 1976年、彼はもう1人のSteveであるWozniakとともにApple社を設立した。彼らが世に送り出したAppleⅡは,またたく間に世界中に広がり,数年のうちにパーソナルコンピュータ業界(思えば業界そのものを創り出したのが彼ら自身だった)最大の企業に成長した。現在,同社が販売しているAppleⅡGSはCPUが16bit版になったものの,驚くべきことにアウトラインはなんら変わっていない。
 1984年,Apple社はMacintoshを開発,発表した.Macは,その前年に販売を開始したLisaのマイナースペック・マシンであったが,グラフィックスを基本にしたユーザーインターフェイスは,当時としては衝撃的なスペックを実現していた、Macの開発に際してJobsは指導的(独裁者的とも言われる)役割を果たし,周囲の少なからぬ反対を押し切って開発を進めたと言われる.現在では,Macの売り上げは10億ドル,同社全体では20億ドルという売り上げを記録している。
 時代は前後するが,1983年にJobsはペプシコ社からJohn SculleyをApple社に迎え,長引くコンピュータ不況からの脱出を2人で模索する.Apple社がもっとも苦境に立たされていた時期である。2人は同社の再建に尽力する.しかし,この蜜月期間は長く続かなかった。1985年,JobsはSculleyによって同社を追われる.その後,自己資金をもとにJobsはNeXT社を設立,当初から教育市場を・ターゲットにしたマシン開発を進めてきた。彼の栄光と挫折に満ちた記録は,自伝「AccidentalMillionaire」に詳しい.

このコラム記事があることは、1988年の読者にはこういったことを知らない人もいたということを示しているのだろう。
以下写真をスクラップする。
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なんとMOが標準装備だった。

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カラーでなくても良いというこの潔さが良かった。
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ジョブスの製品はひとつひとつがいちいち格好いい。
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で、ジョブスももちろん格好いい。

NeXTについては編集室からでもコメントされていた。スクラップする。
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クリエイターとしての技術者
 本号スペシャルレポートでもお伝えしたように,NeXT社が新型ワークステーションの発表を行った.あのスティーブ・ジョブスが発表したニューマシンは、日本では本誌のような専門雑誌での話題でしかないが,米国では記者発表の模様が3大ネットワークで報道されるなど,大変な話題だったというアップルの創設者の一人で,パーソナルコンピュータを初めて作った男ともいえるジョブスの動向は,コンピュータ業界関係者に限らず,広く米国国民全体の関心を呼んだのである.
 マシンの詳しいスペックは本誌記事に譲るが,たしかに,現在考えられるさまざまな先端技術を統合したその仕様は、注目に値する.
 とはいえ,このように技術者(経営者?)個人の名前がクリエイターとして前面に出るアメリカ社会の体質は,日本人には理解しにくいよくいわれるアメリカン・ドリームの具現者としての評価かもしれないし,クラフトマンシップを尊重する社会的背景によるものかもしれない、単に,パソコンの普及率が高いから注目されていると解釈できなくもないが,やはり,それだけではあるまい.
 いずれにせよ,今回のマシンがジョブスの強い個性の下で作られたのはたしかに、ジョブスの強い意志がなければ,単価6000ドルの光磁気ディスクドライブを組み込んだマシンが6500ドルで発売されることはなかっただろうそうした意味で,クリエイターとしての技術者が注目される米国社会には,新しい何かをもった製品を輩出する土壌がしっかりと存在するように思える.また,そうした土壌を羨ましがる日本の技術者も多いことだろう.
 とはいえ,特出した才能をもつ人間によってコーディネートされた製品のみがクリエイティブだというわけではあるまい。むしろ大切なのは,開発にかかわる技術者一人一人が創意工夫を惜しまず,そのためにユーザーの声にもよく耳を傾けることだと思う.トップダウンも魅力的だが,ボトムアップの蓄積もまた,重要であろう.
 読者の方からのお便りの中に,最近の日本のパソコンは面白くないという意見が散見される.そして,その原因を日本的な土壌に求める声も少なくない.しかし,単にアメリカ的な方法論を真似るのではなく,さまざまな議論の中からクリエイティブな製品を誕生させることも可能であろう。そうした過程で,本誌も何等かの役割を果たせるのではないかと考えている.
(土田米一)

そうなんだよな。同意する。自宅でワープロを使っていて面白いか?結局PC-9801でもゲームだろう。趣味のプログラミングも発表というか誰かに見てもらえないと面白くなかった。だからPC-9801で書いてフロッピーを送付して使って貰ったりとかしていた。


ジャストシステムのAAC構想。
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結局手に触れることのなかったAAC構想とはなんだったのか記事の一部をスクラップする。
操作環境の共通性
 パーソナルコンピュータには一般にデスクトップ型とラップトップ型があり,キーボードの形状など,ハードウェアの仕様が異なる.また,同一シリーズ内のデスクトップ型同士でも,ハードウェアの細部が異なることがある.これに対してAAC対応のソフトウェアは,操作方法を特定のキーボードに依存しないようにするなどの工夫をはじめ、複数機種間でもアプリケーション操作に統一性を持たせるような配慮がなされるという.
 また,AACではマルチスクリーンと呼ばれる機能により,マルチウィンドウおよび疑似マルチタスク環境を実現する(写真1).これにより,アプリケーションの実用レベルでの操作性を向上させるとともに,AAC対応アプリケーションからシェル(仮称)のウィンドウに移ることで,MS-DOSに戻ることなく,コピー,削除,検索などのファイルに対する操作を直接行うことができる.
 これを実現するには,アプリケーションを直接MS-DOSの上で走らせるのではなく,アプリケーションのうちハードウェアを直接操作する部分を分離し,その上に統一的な操作環境を実現するというソフトウェア構造的なアプローチを取っている.この構造は,マイクロソフトのMS-WINDOWSやOS/2のPresentation Managerと同じものである。
 ただし,これらのような,OSの延長,あるいはその機能として提供されるOE(Operation Environment)とは違い,AACの操作環境は自社アプリケーションである「一太郎」や「花子」を中心に設計されたものである.同様の発想を持つアプリケーションは従来からいくつかあり,ダイナウェアのupシリーズなどが代表的である.アプリケーション指向のOEの一般的な利点としては,汎用のものに比べアプリケーションや移植機種を想定できるので,比較的効率がよい点をあげることができるだろう.
 こうしたソフトウェア構造をジャストシステムが採用した理由の一つとして,一太郎などの同社の製品が多機種に移植され始めたということも考えられる.現在一太郎Ver.3は,PC-9801シリーズの他,東芝J-3100シリーズ,日本IBMのPS/55シリーズ,富士通FMRシリーズ,松下Mシリーズなどに移植されている.これらのすべての機種にアプリケーションを移植する場合,その作業量は膨大なものになり、度重なるバージョンアップもむずかしくなる.AACでは,アプリケ-ションから機種依存部分であるI/O処理部分(画面管理やプリンタ制御など)を分離する構造が採用されたため,このような問題も解消しやすくなった。たとえば1回のバージョンアップ作業で,多機種にわたるバージョンアップも可能となるのである.
 とはいえ,実際の商品パッケージは,AACアプリケーション単体とはならず,機種依存部分であるI/O処理部分(後述のマルチスクリーン)が含まれ,機種ごとに別パッケージとなるだろう.また,アプリケーションの一部は,効率を重視して、機種依存する部分を残す可能性もある.このあたりも機種独立性を保証する汎用ウィンドウシステムと違った部分である.つまり,分離されたI/O処理部分がユーザーに提供するのは,あくまでも操作性の統一と一部のデバイスの変更に対応する機能なのである.
 AACに基づくアプリケーションの実行環境は,図1のようなものになる.この図で「マルチスクリーンシステム」となっている部分がAACのOE部分である.この部分は,画面関係の処理を中心に,ウィンドウ管理やプログラム間の連係といった処理を行う.また,画面やプリンタといったデバイスの制御はドライバ形式となっており、新機種や新しいデバイスへの対応はドライバを変更,追加することで行えるのである.
 なお,AACのアプリケーション・インターフェイスは公開される予定である.


ASCII1988(12)d12AAC構想図1_W520.jpg
ASCII1988(12)d11AAC構想写真1_W512.jpg
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米国のようにPC互換機が市場を制覇していればソフトハウスが各機種用にプログラムを開発することはなく、Apple社のように単なるパソコンという機械を製造するメーカーではなくハードとソフトを開発していれば日本のようなことにはならない。たとえるならば日本のパソコンがすべてPC-9801互換になっていればAAC構想なんて必要なかった。私は8086憎し、PC-9801憎しなのにPC-9801VX2を買った軟弱ものだった。米国のようなコンピュータ環境にならなかったのは皆PC-9801が悪いと思っていた。自分の使っているパソコンの悪いところを見つけ、悪口をいうのが憂さ晴らしというゆがんだパソコン人生だった。年収が2倍もあれば何台もパソコンを買って違う人生を歩めたのにと残念だった。

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