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新製品記事X68000,PC-88VA2,PC-9801LV21他(月刊ASCII 1988年4月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号のASCII EXPRESSには大きな新製品の記事があった。
まずは、シャープのX6800 ACE-HD
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記事本文をスクラップする。
シャープが20MBytes HDD内蔵のX68000ACE-HDと各種周辺機器を発表
 シャープ(株)は,現行のX68000に20Mbytes HDDを内蔵した上位機種「X68000 ACE-HD(CZ-611C)」,15インチのマルチスキャンディスプレイテレビ「CZ-601D」と「同611D」,およびX68000シリーズとX1/turbo/Zで使用できる26万色対応のカラーイメージスキャナ「CZ-8NS1」を開発,販売を開始した.
 X68000 ACE-HDは,現行のX68000とほぼ同じサイズの筐体に3.5インチの20Mbytes HDDを1台内蔵している.それにともなう主な変更点は,(1) 高解像度ランプをHDDのアクセスランプに割り当てた,(2) 本体後面の強制イジェクトボタンが削除された,(3) 各種コネクタの配置を変更――など.内部は,HDDを内蔵するために周辺回路などをカスタムLSI化して,メインメモリに1Mbit DRAMを採用するなど,部品点数を30%程度削減している.さらに,シールドも強化してVCCの規格をクリアしている.HDDは,平均アクセス時間が80msで,5本の代替トラックが用意されているためフォーマット後でも20Mbytesの記憶領域が確保できる.
 OSのHuman68Kは,Ver.1.01にバージョンアップして,HDDのフォーマットやバックアップのユーティリティプログラム3本と,HDDをインストールするためのバッチファイルが添付されている.X-BASICもVer.2.00にバージョンアップして、17個の命令/関数をサポートしている.また,標準添付となっていたゲーム「グラディウス」と「福袋」は添付していない.
 15インチのマルチスキャンディスプレイテレビ「CZ-601D」はドットピッチが0.39mm,「同611D」は0.31mm.
 カラーイメージスキャナ「CZ-8NS1」の主な特徴は,(1) A4判サイズまで対応,(2) 解像度を20~200dpiまで,1dpi単位で設定可能,(3) 50~200%までの拡大・縮小取り込みが可能,(4) 読み取り速度は最大180ms/ライン,(5) 1走査(線順次)と3走査(画順次)の両方式をサポート――など
 このうち,1走査読み取りでは、RGBの蛍光灯によって3色分を1走査で読み取れるため,色ずれが少ないといった特徴を持つ.X68000用の画像取り込みソフト「スキャナツール」を標準添付している.また,オプションで,X68000用の「CZ-6BN1」とX1/turbo/Z用の「CZ-8BN1」の2種類のパラレルボードを用意している.
 価格は,X68000 ACE-HDが39万9800円,CZ-601Dが11万9800円,CZ-611Dが14万5000円,CZ-8NS1が18万8000円,CZ-6BN1が2万9800円,CZ-8BN1が2万7800円.

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PC-98シリーズと比べても価格はお買い得価格だと思う。もっともっと成功しても良かったのではないかと、買わなかったくせにそう思う。2台も3台も買えなかった。

続いてPC-88VAの新製品
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日本電気がPC-88VAの後継機種,VA2/3を発表
VA3は容量9.3Mbytesの3.5インチFDDを搭載
 (株)日本電気と(株)日本電気ホームエレクトロニクスは,PC-88VAの機能を強化した16bitマシン「PC-88VA2」と,VA2に容量9.3Mbytesの3.5インチFDDを搭載した「PC-88VA3」をそれぞれ開発,販売を開始した.
 PC-88VA2/3で強化されたのは,(1) PCEngineがVer.1.1になって、BGMを演奏するための“PLAY"や,N88PICファイルを画面に表示するための“DISPLAY"など,15種類のコマンドを追加,(2) N88-日本語BASICV3がVer.3.1になって,アニメフレーマーで作成したアニメーション実行機能やプルダウンメニューのサポート,サウンド機能,数値演算プロセッサ(8087)のサポート,描画コマンドのペンスタイル機能のサポートなど33種類のコマンドを追加,(3) 辞書は,現行の4万語から約6万5000語に強化して,最大60文字・40文節の変換が可能,(4) オプションだったサウンドボードII相当の機能を内蔵して,FM音源6和音のステレオ,リズム音源6音のステレオ,SSG3和音,ADPCMのサンプリング(4~16KHz,最大約32秒/16KHz)が標準で発生可能――などこれらのバージョンアップにともなって,メインROMが768Kbytes,辞書ROMが512Kbytes,外字/学習用ROMが16Kbytes,テキストVRAMが256Kbytesに,それぞれ拡張されている。
 ソフトでは,これまで別売だった「アニメフレーマー」,「NETACCESS(V3)」,「POP-UP便利帳」が,標準で添付されている.ただし,NET-ACCESSはサブセット,POP-UP便利帳は電卓機能だけを装備している。
目玉は大容量FDDの採用とアプリケーション「PI」
 PC-88VA3が内蔵している容量9.3Mbytesの3.5インチFDD(VA2はオプション)は,2HDに比べてトラック密度,記録密度がともに3倍になっているため,9.3Mbytes(アンフォーマット時12.5Mbytes)というデータ容量を実現している.現行の3.5インチ2DD/2HDメディアの読み取りは可能だが,書き込みはできない.読み取り速度は,2HDの約2倍と高速.トラック密度が高くなったことから,ヘッドの位置,各トラックごとの位置決め用サ-ボ情報を参照して決めている.HDDなみの大容量FDDの採用によって,大きなデータ量を必要とするイメージデータや音声データの取り扱いが容易になっている.
 この3.5インチFDDに対応するソフトとして,「パーソナルインフォメーションツール(PI)」が別売で用意されている.PIは、テキストやグラフィック,アニメーション,音声などの各種データをカード化して編集し,統合的な環境で管理できるもので,Apple社の「HyperCard」と同じコンセプトに基づいている.同社では,大容量FDDとPIを併用することで,AV分野で統合環境を構築していく考え.価格は,PC-88VA2が29万8000円,PC-88VA3が39万8000円,PIが2万8000円.

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日電の新製品はフロッピーディスクを変えて出すのが伝統芸になっていた。9.3MbytesのFDDって誰が求めていたのか。こういうところが好きではなかった。
笑ってしまうのはROMの大きさ。768Kbytes。RAMの512Kbytesよりも大きい。これはスィッチオンベーシックの伝統があるからだろう。私は「俺にRAMを寄こせ!!」派だったので昔からROMに力を入れていたPC-88系は選択外だった。

次はPC-9800シリーズの新製品
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日本電気が、PC-9800シリーズの新機種を発表
PC-9801UV21互換のラップトップを含む3機種
 日本電気(株)と日本電気ホームエレクトロニクス(株)の両社は,現行のPC-9800シリーズの一環として,省スペース化を図ったV30ベースの16bitマシン3機種を開発,発売した内訳は,バックライト付き8階調液晶を装備したラップトップ型の「PC-9801LV21」,デスクトップ型の「同UV11」,カラーCRT一体型の「同CV21」.
 これらの3機種は,テキスト制御,グラフィック制御,I/O制御用の3種のカスタムVLSIを新たに開発することにより,チップ数を大幅に減らし,小型化を可能としたもの.グラフィック制御用のVLSIには,従来のPC-9800シリーズで使用しているGDCの7220の機能を含んでいる.この結果,現行のUV21と同等のシステムを,同VLSIを使用することで,UV11では約4割のチップ数で実現している.
 3機種とも,CPUにはメモリアクセスが0ウェイトのV30(クロック周波数8/10MHz)を搭載しているが,アプリケーションによっては動作に支障をきたすものがあるため,ディップスイッチによって0/1ウェイトの切り替えが可能になっている.また,フロッピーディスクドライブには1Mbytesタイプの3.5インチドライブを2台搭載しており,UX,PC-98LTと合わせて3.5インチファミリーは一段と強化された.
 共通の仕様としては,(1) RAMは,640Kbytesを標準装備,(2) メモリマップは,現行のPC-9801VM21と同一,(3) インターフェイスは,セントロニクス社の仕様に準拠した14ピンの8ビットパラレルプリンタインターフェイス,RS-232C規格に準拠したシリアルインターフェイス,マウスインターフェイスを装備,(4) キーボードはJIS標準配列に準拠,(5) 逐次変換対応のN88-BASIC(86)Ver.5.0を標準添付――など(詳細は,基本仕様表を参照).
■豊富なアプリケーションを継承したラップトップLV21
 LV21は,'86年秋に発売したPC-98LTの上位に位置付けられる製品で,従来のPC-9800シリーズとの互換性を実現しており,UV21のアプリケーションがそのまま使用できる.サイズは,LTよりひとまわり大きい339(W)×315(D)×85(H)mm.
 ディスプレイには,カラー対応のアプリケーションを利用することが可能な640×400ドットのバックライト付き8階調液晶ディスプレイを採用.ディップスイッチの設定により,白黒の反転表示も可能になっている.同液晶は,同社が'87年秋から米国向けに開発,販売しているラップトップマシン「Powermate Portable」に搭載しているもの.また,アナログRGBインターフェイスを標準装備しており,カラーディスプレイを接続して4096色中16色の表示ができる.このため,液晶ディスプレイの取り外しが可能になっている.
 超薄型の容量1Mbytesの3.5インチFDD2台は,本体右側に内蔵されており,外部ドライブは,拡張バスコネクタあるいはオプションの拡張アダプタ「PC-9801LV-07」を介して増設することができる.5インチFDDを増設すれば,5インチタイプのPC-9800シリーズ用のアプリケーションの使用も可能.b  拡張バスコネクタには,増設ドライブ,PC-9801LV-07のほか,I/O拡張ユニット「PC-9801LV-08」,通信制御アダプタ「PC98LT-03」のうちの1つが接続可能.PC-9801LV-08を使用することでPC-9800シリーズ用ボードも使用できる.b  PC-9801LV-07は,本体と一体接続して持ち運びが可能で,300/1200bpsモデムボード「PC-9801LV-06」,B4670/4670IIインタ-フェイスボード「PC-9801LV-04」,PC-98LT互換ボード「PC9801LV-02」のうち2ボードまで実装可能.
 電源は,AC100Vのほか,Ni-Cdバッテリを内蔵しており,FDD使用率が10%時で約1時間の使用が可能となっている(PC-98LTは約4時間).
 他のオプションとして,テンキーボード「PC-9801LV-01」,キャリングケース「PC-9801LV-05」,CRT置き台「PC-9801LV16」などがある.
 現行のLTは,価格,重量などの面でLV21と差別化が図られているとして,同社では今後も販売していく方針.
■UV21の約半分の容積を実現したUV11
 PC-9801UV11は,UV21の後継機種にあたるもので,カスタムVLSIの使用により,小型,軽量,低消費電力化を図っている.
 UV21に比べて,容積は約45%減少して305(W)×240(D)×87(H)mmとほぼA4サイズ,重量は約35%減少して5.1kg,消費電力は約73%減少して27wをそれぞれ実現している.
 UV21と同様,FM音源3和音を含む6重和音8オクターブのサウンド機能を標準装備している.拡張スロットは,従来のPC-9800シリーズと同じものを2スロット内蔵)ディスプレイには,従来のものが使用可能.
 なお,UV21は生産が中止される.
■カラーディスプレイと本体を一体化したCV21
 PC-9801CV21は,解像度が640×400ドットの10インチアナログRGBディスプレイを本体と一体化したもので,4096色中16色の表示が可能になっている.サイズは280(W)×340(D)×335(H)mm.
 CV21もサウンド機能と,拡張スロット2スロットを標準装備している.また,数値演算コ・プロセッサ「PC-9801CV-01」の使用が可能である.従来の数値演算コ・プロセッサ「PC-980133」は,実装方式が違うため使用不可,他の外付けディスプレイは接続できない.
 今回発表した3機種は,CPUにV30を搭載したPC-9800シリーズの製品強化を図ったもので,ほぼ同じ仕様で筐体デザインを変え,設置スペースや使用目的に応じた選択を可能にしたもの.同社は,低価格・省スペースの3機種を投入することで,PC-9800ユーザーの底辺拡大を狙う.3機種のハードディスク内蔵タイプは現在検討中.
 価格は、LV21が34万5000円,UV11が26万5000円,CV21が35万5000円、出荷時期は、LV21とUV11が'88年3月下旬,CV21が'88年4月下旬(周辺機器の価格と出荷時期は表を参照のこと).
 日本電気では,今後1年間で,LV21を4万台,UV11とCV21を合わせて6万台,LTを1万台販売する予定である.

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日電の新製品がやっとユーザが求めるものを出してきた。これはエプソンの互換機の影響だ。それまでも日電は富士通が新製品を出せばそれに見合う製品を出すというように常に後出しだった。私はこれをユーザ目線に立っていない会社だと日電を嫌っていた。
「日本電気では,今後1年間で,LV21を4万台,UV11とCV21を合わせて6万台,LTを1万台販売する予定である. 」とあったが、この台数ならどうりで私の身の回りに購入した知人がいなかったのもうなずける。

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