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PC-286 MZ-2861(月刊ASCII 1987年7月号13) TEST ROOM [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号のTEST ROOM からはPC-286とMZ-2861をスクラップする。

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PC-286の写真をスクラップする。
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互換性の部分をスクラップする。
 PC-286で動作するソフトウェアとして,4月末時点で,エプソン販売から発表されているものは,110種類あり,すべてPC-9801シリーズ用である.セイコーエプソン(株),エプソン販売(株)で動作確認を行ったものであり,「PC-286 MODEL 0ソフトウェア・ハードウェアガイド」として,やはり動作確認されたボードなどの周辺装置とともに販売店で配布される.
 過去,雑誌等で販売ランキングに登場したソフトウェアを中心に確認したとのことであり,一太郎Ver2.1,Multiplan Release2.0,Lotus1-2-3,Candy 2,CTERM,MIFES-98など,PC-9801シリーズ用として良く知られているソフトウェアが名前を連ねている.
 Microsoft CやMASMなどの、標準的なプログラム言語やコンパイラの類などが動作するのは言うまでもない.さらには,日本語MS-WINDOWSや日本語コンカレントCP/M R3.10,PC-UX(Rel2.0)など,日本電気から発売されているOSまで含まれている.
 編集部においても,評価用マシンが到着して以来,さまざまなソフトウェアの実行を試みている.ゲームでは,いくつか動作しないものが出てきているものの,ビジネス系のソフトについては,現在までのところ特に問題のあるものは見あたらないようである.
 むしろ,ソフトウェアの互換性で問題となるのは,市販のソフトウェアではなく,ユーザーの自作ソフトではないかと思われる.
 それは,MODEL 0の現バージョンでは,BASIC ROMや,グラフィックLIOのうちの一部の機能(PAINT,CIRCLE)がリリースされていないことによる.雑誌や書籍などで公開されているグラフィックライブラリの中には,グラフィックLIOに依存しているものが少なくないのである.(株)ライフボートから発売されているユーザープログラム用ライブラリである,CTOOL/98のグラフィック機能も正常に動作しない.
 もっとも,グラフィックを多用したビジネスソフトやゲームソフトの多くは,低速なグラフィックLIOにはほとんど依存していないのが現状である.より正確な互換性の確認については,もう少し時間が必要だろう.

■処理速度は,VMの2倍,VXよりも20%高速
 PC-286を語る上で,それがPC-9801シリーズの互換マシンであることだけでなく,現在,最速に属する16bitパーソナルコンピュータであることを忘れてはならない.
 実際に,いくつかのプログラムを動作させた結果を,この後のベンチマークの項で示す.PC-9801VMに対して2倍,VXに対しては20%高速であるとする,セイコーエプソンの発表を,ほぼ裏づける結果となっているようである.
 また,ビジネスの現場向きに考えられた内蔵マスメモリのラインナップや,処理の高速性は,互換マシンという見方を離れた,このマシンのアイデンティティを主張するものであろう.
 特に高速タイプの40MbytesHDDは、データベース処理などでディスクファイル操作の多いユーザーにとっては是が非でも必要であろう.PC-9801シリーズ用の外部ハードディスクとして数種類の40Mbytesハードディスクが発売されているが(本誌87年6月号参照),高速性とともに,コストパフォーマンスの面でも優れた製品と言える.
 80286CPUを10MHz,ノーウェイトで使用するハードウェア上の方式は,IBMのPS/2シリーズの主力として採用されたこともあり,パーソナルコンピュータのジャンルで,当面の主流となることは間違いない.
 しかし,単なるハードウェアのスペックから新製品を評価することはできないであろう.パーソナルコンピュータは,あくまでもソフトウェアを実行するための「ただの箱」であり,ソフトウェアの実績の上でしか語れないジャンルなのである.
 ユーザーは,既存のソフトウェアを快適に実行し,なおかつ少しでも安価なものが欲しい.PC-286は,この課題を満たそうとする姿勢が明白に伝わってくるマシンである.
知人がPC-286 MODEL 0を買って私達も触らせてもらったが使いたいソフトは皆動いたという記憶だ。ゲームを持っている人もいたが、本数が少ないため動いたという記憶しかない。このため、以後パソコンを買いたいという人にはどんなソフトを使いたいかを聞いて問題がなければPC-286を勧めた。
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続いてMZ-2861について
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互換性の部分をスクラップする。
 表3に,エラトステネスのふるいをPC-9801各機種と,MZ-2861のMS-DOS上,MZEXを起動後のそれぞれで実行した結果を示す.VXに比較すると,約1.8倍の時間が掛かっている.I/Oが絡むと,この結果がどう変わるかが分からないが,ソフトウェアエミュレータなので,あまり速度は期待できないだろう.
 現在のところ,シャープ側では数本のPC-9801用ソフトについて動作が確認されている.編集部でも何本かのソフトについてチェックしてみたが,動くものもあれば動かないものもあるといった状況である.起動時のオプションの指定によって動いたり動かなかったりするもの,マウスドライバによって動作が変わるものなど、ユーザーがうまく動作させる方法を見つけるには大変な努力が必要となるだろう.指針となるべきマニュアルも1枚の紙を二つ折りにしただけの簡単なもので,具体的にどのソフトのときにはどうするといったことは、一切記述されていない.このあたりを,シャープ側でどう対応するのかで,今後の行方が決定されるだろう.現段階では各サービスセンターの窓口で,ということになっている。
 また互換機にも通じる問題であるが,あるソフトが動かなかったときその責任はどこが持つのかといったことが明確にされていないと,結局泣きを見るのはユーザーである.今のところシャープ側では「ハードウェアとエミュレータまでは責任を持ちますが,アプリケーションのバグに関してはソフトハウスの方にお願いします」ということである.これはこれでもっともな言い分である.試しに,編集部で,リストアップされているソフトハウスに尋ねてみたところ,「PC-9801シリーズ以外の機種での動作は保証しかねる」という答えであった.これではユーザーは文句の持っていきようがない.やはり,シャープの方でこれこれのソフトはこうすると動作します,という情報をきちんと出すべきだろう.
ユーザー層
   ターゲットユーザーとして考えられるのは,従来MZ-2500を使っていた人で、そろそろ16ビットマシンが欲しいという人達だろう.この人達にとっては,今までのMZ-2500用のプログラムがそのまま使えるというのは大きな魅力である.また,MS-DOSを使えば,強力な言語プロセッサが数多く使えることになるわけで,そういった意味では大変お買い徳な機械である.ただ残念なことに,今日本で作られているソフトは、MS-DOS用といいつつもその実体はPC-9801用になってしまう.したがってビジネスに使おうとした場合は,アプリケーションの少なさに悩まされることになる.これを少しでも解決するために,エミュレータが添付されているのだろう.しかし,現段階ではまだメーカーも手探り状態といったところだもう少し時間をおいて,メーカーの方針が安定してから再度評価してみたい.
知人にMZ-2500で自作プログラムを仕事に使っていた人がいたが、16bitマシンはPC-98にした。自作プログラムはそのままMZ-2500で使い、ビジネスソフトはPC-98で使っていた。何が何でもパソコンは1台しか持たないという人以外にはMZ-2861を買おうとは思わなかっただろう。
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