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一太郎Ver.3(月刊ASCII 1987年6月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

一太郎Ver.3の特集があった。
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発売前の特集とは珍しい。製品版がないのに評価するとはどうなんだ。
私が一番長く使ったのが一太郎Ver.3だった。仲間内では三太郎と呼んでいた。
この三太郎はやっと使い物になるワープロソフトと言えるものだった。

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このESCキーで出てくるメニューが固定されているのが良かった。知人から電話で使い方についての質問が来たとき「ESCキーを押して、下カーソルを2回押してリターンキーを押して…」と説明することができた。

三太郎は発売されていない時点での記事の一部をスクラップする。
●期待したいスピードアップ
 今回のバージョンアップの目玉は,スピードアップとのことである.これは当然の措置だ.Ver.2で欠点と感じられた要素の80%はスピードがらみである.ごく一部とはいえ,習熟度や使用頻度の高いユーザーが,MIFES,FINALなどのエディタとフロントプロセッサの組み合わせ,あるいはTheWORDなどへと乗り換えていったのは,Ver.2のスピードが彼らの使用状況では我慢の限界を越えていたことによる.
 現在,スピードの遅さやカーソル移動のぎこちなさについては,あまり苦情が出ていないとも聞く。この理由は,Ver.2以外は利用したことがないというユーザ-が多いためと思われる.作成する文書量がどんなに小さくても,あるいは作成する機会がどんなに少なくても,スピードは速いほうがいい.動きにキレのあるほうがいい.他の条件が同じなら,誰でも速い方を選ぶだろう.時間がたつにつれ,一太郎(Ver.2)離れが広がる可能性がある.この危険を未然に防ぐべく、メーカーは最大限に力を注いだのだろう.
 残念ながら,今回借用してきたバージョンは、まだチューンアップがはかられていないものだった。どの程度の速度になったか,報告できないのは残念である.せめて,最初の一太郎(Ver.1)程度のスピードは実現していただきたい.Ver.2の5割増しのスピードとカーソル移動時のなめらかさが得られれば,十分なのである.
確かに一太郎は遅かった。三太郎の前の新一太郎とか太郎とかは松に比べると遅くて使えないと評価されてもしょうがなかった。しかし、三太郎はそこそこ使えるスピードだった。私が一太郎が使えなくなったのはWindows95のときだった。流石にこれは遅すぎた。止む無くWORDに乗り換えたのだが、日本語の文化である枡目に1文字づつ入れていくというものが、WORDのカーニング処理によりそれができないというか、行頭の空白とかをインデントを使ってとか技が必要だった。
日本語と英語では見栄えの良い文書というのが違うのだが、私たちジジが子供のころから日本語はこうだと慣れ親しんだものが、マイクロソフトにより否定されたような感じになり、WORDに転向したときはマイクロソフト憎しになった。その点一太郎は旧来の日本語文書を作るのには最適だった。
WORDで作ると「○○君の作る文書は文字がうねうねして読みにくいね。なんとかならないのか。」と言われ、メモ帳を経由してプレーンテキストにしてから一太郎にコピペして印刷しなおすことがあった。
最後に
これでやっと一人前?
 一太郎は機能が豊富なだけに,Ver.2ではまだまだ荒削りな部分が目立った.各ユーザーがそれぞれ工夫をして乗り越えていた障害なわけだが,このあたりまで改良が及んでいるかどうか.ウィンドウを開いたらつぎは閉じるしかないのだから,2回目にウィンドウのコマンドにいった際にはC:クローズにカーソルをおいておけばいいのに...といった声もよく聞かれた.このへんがクリアされていることを期待したい.
 こういった微妙な改良点が積み重なれば,松86が一部ユーザーに奇妙なまでに評価されている「吸いつくような手へのなじみ」が生まれてくる可能性がある.もちろんその大前提として,スピードとカーソル,処理の展開のなめらかさが要求される(今回試用したテストバージョンでは,この辺が確認できないのが残念だ).ワープロソフトの値打は,半分以上は,この細かい点への配慮で決まる.
 Ver.1からVer.2への改良は,腕力が増したという印象があった.図形データ(ビットマップイメージ)の取り込みが可能になったこと,ATOK5に自動変換機能を採用したことなど、かなり激しい変化が見られた.いわば少年期から青年期への変化といえるかもしれない.今回は,そのような変化は見られない、広告の印象どおり,どちらかといえば地味なバージョンアップである.だが,実際の使い勝手の向上は今回のほうが数段上だと思われる.ロック機能,インデント,範囲の先指定,ウィンドウその他,自動変換やイメージカッタなどに比べればはるかに実用性が高い。
 その意味で,今回のバージョンアップは,青年期から成年期への成熟に似ている.こまかい気配りをする余裕がでて,激しさだけでなく、人に対する優しさも徐々に出てきた.これが最終的にどの程度なのかが,非常に気になる.今回見たような大きな単位での変化も大切だが,ほんとうに必要なのは,ちょっとした気配りである.ぜひとも「一太郎さんはできた人だ,如才ない人だ」と思われるような変化をとげていてほしい.
 8万の正規ユーザーをもつ一太郎は,ワープロソフトとしてだけでなく、パソコン上の応用ソフトの代表選手である.一太郎を見ることでパソコンとはこんなものか...という感想をもつのが,一般の方である.一太郎を見てパソコン+ワープロソフトとはこの程度かと専用機を買う人もいるだろう.一太郎に魅力を感じて,パソコンの世界の住人になる人もいる.それだけに責任も重い.こまかい要求,過大な期待をする次第である.
最後に笑ってしまうのが「8万の正規ユーザをもつ一太郎」だ。一太郎はプロテクトがかかっていなかったのでコピーが蔓延っていた。職場では正規購入したが、自宅ではコピーを使っていた人がかなりいた。でもそれが成功して一太郎の隆盛があったのだが。WindowsパソコンでWORDとExcelをバンドルして販売していたから一太郎が負けてしまったのが残念。本当にマイクロソフトの野郎はとWindows95の頃は憤りを感じていた。

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