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特集ラップトップコンピューター(月刊ASCII 1987年3月号5) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号の特集はラップトップコンピューター(今でいうノートパソコン)だった。登場時その重量のためラップクラッシュと呼ばれるほどだった。
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写真をスクラップしていく。
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DATA GENERAL/One Model 2
重量が5.2kg(液晶タイプ)だった。

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GRiDCASE CompassII
重量は4.5kg

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日電は国内ではPC-98LTを販売していたが、米国ではこのMultispeedというマシンを販売していた。
重量は5.1kgと重いが、「このクラスのラップトップコンピュータとしては比較的コンパクト」と書いてあった。

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COMPAQ PLUS
「重量はかなりある」だけの情報。

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IBM PC Convertible
重量は5.5kg
以上PC AT/XT コンパチ機

米国のパソコン市場は
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シェアは上のとおりで EPSON が 6% もある。

Mac互換機のラップトップは?
ASCII1987(03)c05_Macのラップトップは?_W520.jpg
DYNAMAC
重量は8.2kg
これでは確かに膝にのせて使っていると膝が壊れるだろ。

国産機はPC-98LTとJ-3100
ASCII1987(03)c06_PC-98LT写真_W520.jpg
ASCII1987(03)c07_PC-98LT画面_W520.jpg
PC-9801シリーズとの互換性の問題。
完全な互換性がないが、それはPC-98LT対応のソフトが発売されると解決すると書いてあるが、それではPC-98LTでなくてもつまりNECでなくてもいいではないか。MS-DOSは一応文書ファイルは他機種でも読み書きできるのだから。PC-98LTを買った人は98と名前で選んでしまったのではないか。
あと、注意したいのは「ソフトウェアに新たな出費が必要となるのは頭が痛いことだが」とある。34年前通常はHDDにインストールしないでFDを挿入してプログラムを起動していたから1本買えば複数のマシンで使うということが普通に行われていた。違法コピーをしなければ同時に複数台のマシンで使うことはできなかったので、1本のソフトのFDを持ち運び使用するのは問題なかった。
評価の部分をスクラップする。
 内蔵したバッテリをフルに充電した場合に約4時間使用できる(ディスク使用率10%)となっているが,実際にサスケを連続して使用したところ,2時間ほどしかもたなかった.机の上でAC電源を使用する場合には問題ないのだが,バッテリの消耗を気にしながら使用するというのは骨が折れる.
 ところで,ポータブルな開発環境としてPC-98LTをとらえている方もおられると思うが,スクリーンエディタのMIFES-98Ver.3.0が発売されている.
 PC-9801シリーズのものとほぼ同等の機能が用意されており,違和感なく使用することができた.リラックスした姿勢でプログラミングをしてみたいという人には案外好ましい環境かもしれない.
 その他,従来PC-9801シリーズで動いていたソフトウェアの主要なものが,次々とPC-98LT版として登場してきているのはなんとも心強い.
 ラップトップコンピュータとも,省スペースデスクトップとも徹底していない形状と,少々やぼったいデザインの点,そして,ディスプレイとキーボードでややもの足りないものがあるものの,1Mbytesフロッピーを上手に使いこなせば面白い存在となりそうである.
34年前はこのような観点から評価されていたのだ。ASCIIはNECマシンに対し甘々の評価をする傾向にあったと思っているが、PC-98LTには最後に「1Mbytesフロッピーを上手に使いこなせば面白い存在となりそうである.」と微妙な評価をしている。このようにPC-98LTは微妙だったのだ。

続いて東芝のJ-3100
ASCII1987(03)c08_J-3100写真_W520.jpg
何度も書いたが知人が飯のタネに使っていたマシンであった。
重量は6.7kg
評価部分をスクラップする。
マシンのパフォーマンスは高いか?

 日本語ワードプロセッサの一太郎(ジャストシステム),カード型データベースのTheCARD2(アスキー)をハードディスク内蔵のB12モデルで使用してみた.
年前は  一太郎はATOK5を使用しており,PC-9801シリーズ用とほとんど同じもので辞書,文書とも互換性がある.ただし,PC-98LTのサスケ同様に精細モードしかなく,ハードディスクに辞書を置いていたこともあり変換のレスポンスは早いが,カーソルの移動に関してはサスケよりもかなり遅く感じられる.
 速度といえば、たいした問題ではないが,日本語MS-DOSで,画面の表示速度があまり早くはないようである.80286CPUを搭載しているだけにテキパキした画面の反応をつい期待してしまうが,そうはいかない.
 "type"コマンドで簡単なベンチマークをやってみた結果,日本語MS-DOSではATOKを組み込まなくても,同じファイルを表示するのに,英語MS-DOSの約2倍の時間を要した.しかし,液晶表示の一般的なラップトップに比較すれば,十分に見やすく速い.一太郎のシステム設定画面では,東芝の漢字プリンタの他に日電のPC-PR201H,NM-9950,エプソンのVP-135K,VP-85Kが選べるようになっているので,普及しているこれらのプリンタを使用する場合のプリンタドライバとして,とりあえず使えるのは好都合である.
 さて,IBM PC/AT互換機であることは,さまざまなソフトウェアに触りたいパーソナルコンピュータユーザーにとっては魅力的であるが,日本語モードでも,主たるソフトウェアがそろっているので,一般的な使用には十分だろう.価格はB12モデルが69万8000円,B11モデルが49万8000円と,比較的高価格との印象を受けるが,ディスプレイとハードディスクを含めた価格ということを考えれば,割高なものでもないのだろう.
 アメリカでT-3100が話題となっているだけに,このマシンがどのように市場で展開していくかは、はなはだ興味深いところである.
80286でもカーソルの移動が遅いとあるが、本当に昔の機械は遅かった。カーソルすら満足な速度で動かない機械を何十万円もかけて買っていた私たちユーザはまあまあ無駄遣いをしたもんだ。
話は変わるが、この無駄遣いから見れば、今の子たちがスマホのゲームでガチャを回し何万円も課金するのを馬鹿にしてはいけないと思う。彼らは情報に金を遣っており現実に物を所有するということをしない。昔の私たちは数年後は部屋の中にゴミになってしまうものに高い金を払っていった。最近はそのゴミを処分するのに金がかかる。その点ガチャは場所も取らず、処分に金もかからずいいと思う。

最後に34年前の認識についてスクラップする。
 従来の8bitマシンを中心としたラップトップコンピュータは,携帯して使用することを前提として作られており,A4サイズ程度のコンパクトさと2kg程度の重量,そして頻繁に使用するソフトウェアのROM化,低価格を特徴としていた.
 ハイグレードなラップトップは,高機能であることと引き換えに大きく,また重量は5kg以上,J-3100にいたっては6.7kgであるからとても膝の上に乗せて使うというわけにはいかない代物である.ラップトップとは折りたたみ可能なフラットディスプレイを装備し,収納,持ち運びが可能な10cm以下の薄型のきょう体をもったコンピュータという定義となりそうである.
 したがって,これらのマシンは携帯して歩くというよりもむしろ,目的に応じて移動する程度のものである.もちろん,OSBORN-01やCOMPAQのポータブルのようにオフィスの中での移動や,せいぜい自動車による運搬を容易にしているものとは比較にならないほどの柔軟性を提供するものではある.しかし,トラベリングセールでのセールスレポートの送信や簡単なアプリケーションの実行,あるいはジャーナリストの通信による送稿などといった使い方については,しばらくの間,従来どおりのコンパクトなラップトップコンピュータが使われることになるだろう.
 日本では,ビジネスの形態が欧米とは異なり,キーボードを使用した文書作成の習慣がなかったこともあり,業務用のオプションを付属したハンドヘルドやパーソナルワープロがその役割をはたすことになると考えられる.
 ラップトップコンピュータの特徴をもう1つの角度から挙げると,机の上に置いた場合の占有スペースの小ささと価格が比較的低価格であるという点である.
 価格が低いという点に関しては,過去そのためにハンドヘルドやラップトップがBASICの入門機的に使われていたという経緯があるが,ハイグレードなラップトップに関してはあまりあてはまらないようである.IBMPC互換機を中心とした一連のハイグレードラップトップは,かならずしも,デスクトップマシンより安いとはいいがたい.そういう中ではPC-98LTは,むしろユニークな存在ということができるかも知れない.
 PC-98LTは,オフィスの特定の机の上に何台かあったPC-9801を各個人の机の上に載せるという思想のもとに作られた感がある.そのために奇妙な正方形に近い平面の形状をしており,価格は低く押さえられている.
 占有面積の問題としては、ラップトップコンピュータとともにすでにいくつか登場している通信パソコン的な色合いを持った省スペースデスクトップが,今後更に展開してくることが予想される.この省スペースデスクトップも,電子メールや情報サービスへのアクセスなど通信との関連が深い.もちろん,一般的なワードプロセッサや表計算などのアプリケーションの実行も可能であるが,開発環境的なアプローチは必要としない.
 結果として,現在一般的に使用されているデスクトップマシンの他に,パーソナルコンピュータは,いくつかのバリエーションを持ってくることになりそうである。
 1つは,高度の開発環境を強く打ち出したワークステーション指向の高級機であり,もう1つが省スペースデスクトップ,そしてさらにもう1つがラップトップコンピュータということであろう.・ラップトップコンピュータは,この中でもっともパーソナルな使用を可能とするスタイルではなかろうか.デスクトップマシンが依然パーソナルコンピュータのスタイルの主流であり続けるのは確かだが,その小型化は,ここしばらくの間に少しずつ進むことになるだろう.将来的にはこの形がパーソナルコンピュータの標準的なものとなる可能性すら持っているように思われる。
我々はまた,パーソナルコンピュータという1つの概念の進化の過程を目の当たりにしているわけである.
最後の「我々はまた,パーソナルコンピュータという1つの概念の進化の過程を目の当たりにしているわけである.」が良い。
読んでみて分かったのは話の中にBASICの入門という学習用の用途についても触れられていること。時代を感じる。
ノートパソコンという名前が出るのはいつになるか今後のスクラップ作業の楽しみである。
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