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HDD拡張フォーマット、付録FD(月刊ASCII 1989年2月号6) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

TBNからHDDの拡張フォーマットについてスクラップする。(記事に誤りがあった。オレンジ色文字の部分「HDD拡張フォーマット訂正ビートルズとApple訴訟他(月刊ASCII 1989年4月号7)」に訂正記事がある。加筆2022.12.5)
HDDの拡張フォーマット
Q:PC-9801のMS-DOSには、ハードディスクのフォーマットに標準フォーマットと拡張フォーマットの2種類がありますが,この2つはどう違うのですか.
A:フロッピーディスクやハードディスクは、円盤の表面に塗った磁性体に磁気的な変化を与えることでデータを記録しています.ディスクは同心円状の「トラック」に分かれ,各トラックはさらにいくつかの「セクタ」に分かれています(図4).ディスクへの読み書きは,基本的にはこのセクタを最小単位として行いますが,MS-DOSではこのセクタをいくつか集めた「クラスタ」という単位でディスク上のデータを管理しています.クラスタの大きさはディスクの容量やフォーマットの種類によって変わりますが,1つのディスク上ではすべて同じ大きさになっています.
 一方ユーザーの側から見ると,ディスク上のデータは「ファイル」という単位で読み書きを行います.実際の各ファイルはいくつかのクラスタの集まりになっています.ディスクのアクセスは常にシーケンシャルに行われるのではなく,ランダムに行われるため,1つのファイルで使用するクラスタがディスク上で連続しているとは限りません.そこで,ファイルにどのクラスタを割りあてているかを記録するために,ディスク上にFAT(File Allocation Table)というものが用意されています。
 このFATは,ディスク上のクラスタに「FATエントリ」と呼ばれる一連の番号をつけて管理しています.Ver.3.1より前のMS-DOSでは,FATエントリは12ビットの数値になっています.したがって,FATで管理することのできるクラスタの総数は2の12乗=4096個ということになります(実際にはシステムで使用するクラスタや未使用クラスタ,不良クラスタなどを表すFATエントリが11個必要なので,差し引き4085個).
 MS-DOSではこのようにクラスタ単位でファイルの管理をしているので,どんなに小さなファイルであっても最低1クラスタを占有してしまいます.このため1クラスタのサイズが大きくなりすぎると,ディスク全体の利用効率が落ちてしまいます。反対に1クラスタを小さくしすぎると,同じ大きさのファイルを読み書きする際によりたくさんのクラスタを取り扱うことになるため,読み書きにかかる時間(アクセスタイム)は長くなってしまいます.そこで,ディスクの容量やアクセススピードによって,最適なクラスタの大きさが変わってきます.
 PC-9801の2HDタイプのフロッピーディスク(1250304バイト)では1クラスタの大きさは1024バイトなので,1つのディスクが1250304÷1024=1221クラスタに分かれています。
 ところが,20Mバイトのハードディスク(機種によって違いますが,ここでは総容量20217856バイトと考えます)では,同じように1クラスタを1024バイトとすると,ドライブ中のクラスタの数が20217856÷1024=19744個になってしまい,FATエントリが足りなくなってしまいます.そこで1クラスタの大きさを8192バイトに増やして,総クラスタ数が2468個で済むようにしています.
 これが40Mバイトのハードディスクになると、今度は1クラスタの大きさを単純計算で16384バイトにしないとFATエントリの数が足りなくなります。ところがPC-9801のVer.3.01以前のMS-DOSでは、8Kバイトより大きいクラスタを扱うことができません.そのため事実上40Mバイトのハードディスクをそのまま使うことはできず,見かけ上20Mバイトのハードディスクが2つあるかのように分割して使用するしかありませんでした.この12ビットFATエントリを使用するのが,ご質問の「標準フォーマット」です.
 MS-DOSのVer.3.1からは、FATエントリのビット数を16ビットに増やしてFATで管理できるクラスタの最大数を216-11=16373に増やし、より大容量のハードディスクに対応できるようになりました.この16ビットFATエントリを使ったフォーマットを「拡張フォーマット」と呼んでいます.(ここの部分が誤り)
 拡張フォーマットーを使えば,40Mバイトのハードディスクも1つのディスクとして扱うことができます.さらにPC-9801のMS-DOS,Ver.3.3からは、SCSIインターフェイスを通して接続するハードディスクならば130Mバイトまでのハードディスクを扱うことができるようになっています.
 拡張フォーマットと標準フォーマットのもう1つの違いは,1つのハードディスクをいくつかの領域(パーティション)に分けた場合の使用法にあります.拡張フォーマットでは,種類の違うOSを別々の領域に同時に組み込み、起動時にメニューから選択することができるようになっています。標準フォーマットでも,1つのハードディスクを分割して別々のOSでデータ領域として使用することは可能ですが,そのハードディスクから起動することのできるOSはそれらのうちの1つだけに限られています.これは,標準フォーマットではハードディスクからOSを起動するときに一番最初に実行されるプログラム(IPL:Initial Program Loader)を1つしか登録することができないのに対し,拡張フォーマットではディスク中の各領域にそれぞれ持たせることができるためです.(竹田)


ASCII1989(02)h01HDD拡張フォーマット図_W338.jpg
あまりにも懐かしくてスクラップしてしまった。容量の制限のため買ったHDDを分割して複数ドライブにして使うのが普通だった。この癖はWindowsになっても続き、私はWindowsではC:(システム関係),D:(アプリケーション関係),E:(データ用)に分割していた。HDDのためにシステムがおかしくなった時、新OSを入れるとき、容量の大きいHDDを買ったときはこの分割が役に立った。特にC:ドライブが不調になったとき新HDDにOSをインストールしなおしてアプリやデータは旧ディスクからコピーしていた。HDDクローンツールももちろんこの分割ドライブに対応してくれていたので便利だった。今は分割などせず、実際にSD,HDDを複数台積んで使っている。

この号には付録のフロッピーディスクが付いていた。
ASCII1989(02)a00お楽しみディスク_W504.jpg
説明部分をスクラップする。
ASCII1989(02)h02お楽しみディスク本文_W355.jpg
ASCII1989(02)h03お楽しみディスク図2_W520.jpg

この号の付録FDについて書いてある編集室からをスクラップする。
新しい試み
■フロッピーディスクの付録の付いたパソコン雑誌が書店に並んでいれば、「あぁ、そろそろと思っていたらやっぱり出たか……」というのが,大方の読者の感想かもしれない.しかし,実際にここまでこぎ着けるには,雑誌を作りそれを流通させる過程にかかわる多くの方の協力が必要だった.アメリカでは,機種別のパソコン雑誌などで,毎号フロッピーを付けているものがないわけではない。とはいえ,日本では初めての試みだ。
■本誌「月刊アスキー」は、創刊当初,ちょっと変わった付録を付けては,話題を呼んでいた。厚紙で作った16進計算尺やTinyBASICの収められたソノシートなどの付録を覚えている読者もいらっしゃると思う.しかし,最近では,付録という意味では目立つものがなかった.半年ほど前に,編集デスクの一人である遠藤とぼくの間に交わされた,「フロッピーの付録が付いたら面白いね」というちょっとした会話が,結局今月号の特別付録に結び付くのだが,そうした思い付きを実現するには,やはり紆余曲折があった.
■メディアをどれにするのか?ということについても,編集部内でさまざまな議論があった.「3.5インチも付けるべきだ」という強い意見もあったが,金銭的な問題でどうしても無理だった.「せめて希望者にメディアコンバートをできないものか」と検討したが,同様の理由で困難だった.2DDの問題,機種の問題など、議論は尽きなかったのだが,結局5インチ2HDメディアだけという,本誌のような総合誌ではやや乱暴な結論になった.5インチ2HD以外の方には心苦しい面もあるのだが,ご理解いただければ幸いである.
■そもそも雑誌にフロッピーの付録を付けてもいいのか?という問題もあった.これについては、流通関係や,雑誌協会の方々に相談した。形態上は問題がなさそうだが前例がなく,さまざまな検討を加えていただいた。その過程で,印刷会社には,何度となくフロッピーの耐圧テストをお願いした.
■企画協力していただいた花王,マイクロソフト,そして弊社パーソナルソフトウェア本部からは、さまざまな助言,ノウハウの提供をいただいた.これがなければ,今回の付録はとても成立しなかった.
■とにかく,こうして付録は出来上がった.作った以上,多くの読者に喜んでいただきたいと思っている.ご意見,ご感想を寄せていただければ幸いである.(土田米一)

初めてをする人たちは大変苦労する。外野からは問題点が次々と発せられる。初めてのことをやった人間なら分かるだろうが、よくもあれだけ小言のような指摘ができるものだと感心したものだ。お前らはどれだけ初めてのこと嫌がるんだ。ASCIIは良くやったと思う。彼らに敬意を表する。後醍醐天皇は建武の新政の際「朕が新儀は未来の先例たるべし」と言ったそうだが本当に人間というか組織というかは保守的であるのだ。上からの指示に従う組織でも新義には相当抵抗があったのだろう。苦労が偲ばれる。


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