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1990年のコンピュータ環境 大容量FDD 他(月刊ASCII 1987年7月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集「1990年のコンピュータ環境」から周辺機器の記事をスクラップする。

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34年後から見ると、なんでFDD?と特集記事が的外れと思ってしまう。予測とは難しいということが分かる。

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実用段階に入った大容量FDD 10Mbytesも2~3年以内に製品化
 1957年に,米国IBMが世界で初めて開発したコンピュータ用のディスクドライブは,その後,30年間で記録密度が1万倍以上に達し,その密度は現在も着実に更新されつつあります.
 中でも,IBM規格以外のサイズだった5.25/3.5インチのフロッピーディスクドライブ(FDD)とメディアの隆盛には,目をみはるものがあります.一昨年までは,16bitマシンの5.25インチFDDの容量は,640Kbytesが上限でしたが,現在では,1~1.6MbytesのFDDが,標準で本体に内蔵されるようになってきています.
 3.5インチFDDでは,2Mbytesのものがサンプル出荷の段階を迎えており,これも1~2年以内には標準的なFDDとして位置付けられることになるでしょう.現在,開発中もしくはサンプル出荷中の3Mbytes以上の大容量FDDは,表1に示した各メーカーが,実用/試作段階を迎えていますが,本稿では,特に記憶容量が10Mbytes以上の3.5/5.25インチFDDに焦点を絞って,その製品化の可能性を見てみましょう.
 10Mbytes以上の大容量FDDは,1Mbytes当たりの単価が1万円以下の低価格なハードディスクドライブ(HDD)が出現し始めた頃から,HDDのバックアップ用機器として,見直そうという風潮が顕著になってきました.加えて,OS/2といった新OSが,80286CPUの全アドレス空間をサポートしているため,大規模なアプリケーションが,より身近なレベルで検討されるようになってきたことも無視できません.こうした大容量FDDが要請される背景を,図1に示してみましょう。
 ここで注目されるのは,やはりソフトウェアの提供媒体としてのメリットや,HDDのファイルバックアップ媒体としての有用性でしょう.たとえば,PC-9801用のLotus1-2-3は,現在,1MbytesのFD4枚で1パッケージになっていますが,大容量FDを利用すれば,それを1枚の中に収納できることになります.また,20MbytesのHDD用バックアップ媒体として10Mbytesの大容量FDを使用すれば,2枚のFDにすべてのデータをバックアップできる可能性が出てきます.
 ユーザー側から大容量FDDを見た場合の可能性は,上記のように十分考えられるのですが,その製品化には,まだ時間がかかりそうです.表1の中で量産段階に入っているFDDは,小西六写真工業の「コニカ10MBフロッピーディスクドライブ」(量産開始したのは今年4月,図2)だけで,ほかは開発中ないしは試作段階のものです.しかし,「実際の製品化は2~3年以内に」というのが,各メーカーのスケジュールになっていることは間違いないようです.では,製品化に際して,現在問題になっている技術的な要素には,どのようなものがあるのでしょうか.
「」
「PC-9801用のLotus1-2-3は,現在,1MbytesのFD4枚で1パッケージになっていますが,」4枚なんて生やさしいものではなかった。Windows3.1は14枚(http://wakentoyamatopc.web.fc2.com/pc/04os2_windows3.html)あった。ユーザは何枚ものFDを入れることは普通のことでFDの大容量化は望んでいなかった。そういえば、与太話と(本当かどうか分からない)して聞いたことがあるがおかしな上司がいてFDは信用できないから読めなくなったときの被害を少なくするため640Kbyteの2DDを使えと指示されたそうだ。2DDは速度も遅くて使いたくなかった。別にこの与太話がユーザはFDの大容量を望んでいなかったという根拠にするつもりはないけど。FDは読めなくなることが結構あったから、信用できなかった。必ず、バックアップを複数取っていた。
10MbytesFDDに求められる技術
 図3は,10MbytesFDDに必要な技術的要素を,1.6MbytesFDDと比較して示したものです.特徴的な技術を,いくつかピックアップしてみましょう.
(1) 磁性体はCo-γ-Fe2O3かメタル
 まず,使用するメディアは、既存のCo-γ-Fe2O3を磁性体に使ったものではなく,Baフェライト,あるいはメタルを使ったものが必要になってきます(図4を参照).
 FDの容量を単純に上げるには,最大線記録密度,あるいはトラック密度のどちらかを上げる必要があります.どちらか一方を2倍に上げると,記録容量も2倍になるわけですが,Co-γ-Fe2O3を使うと,最大線記録密度の上限は30000bpiになってしまいます.ところが,ほとんどの10MbytesFDDは,最大線密度が30000bpiを越えるため,Co-γ-Fe2O3を使用できないのです.
 その上,Co-γ-Fe2O3は,保磁力がHc=600~650Oe(エルステッド)という限界があって,高密度記録に適していません(表2の磁性体の比較を参照).その点,Baフェライトやメタルは,保磁力がHc=750~1500Oeというように高く,磁化方向が媒体面に対して垂直方向に配置されているため(既存のCo-γ-Fe2O3では水平方向の長手記録),高密度記録に適しているわけです(図5を参照).Baフェライトやメタルなどの垂直磁気磁性体では,3.5インチFDで換算して,50Mbytesまでの記録が計算上では可能とされています.
 ただし,問題点がないわけではありません.Baフェライトは,保磁力の減衰を遅らせるような処理をすると,耐久力が急激に落ちてしまいます.またメタルは,保磁力がHc=1000~1500Oeと高すぎるため,データを書き込むための磁場反転が容易にできません.
 こうした問題点を解消しない限り,10Mbytesの3.5インチFDDで,Baフェライトやメタルを磁性体として使うことはむずかしいとされています.前出の小西六写真工業の10MbytesFDDのメディアサイズは5.25インチですから,最大線記録密度も18000bpiと低くなっており,従って磁性体もCo-γ-Fe2O3を採用して,上記の問題点を解消しています.
(2) 磁気ヘッドはMn-Znフェライト
 磁気ヘッドは,Ni-Znフェライトを使ったものから,Mn-Znフェライトを使ったものへと移行しつつありますが,実は,前出のメタル磁性体とMn-Znの相性があまり良くないのが欠点になっています.このため,メタル専用のヘッドは,各社が開発中ですが,現在のところ本命視されている材質はないようです.Baフェライトの場合は,Mn-Znフェライトヘッドで対応できます.
(3) ヘッドの位置決めはセクターサーボ
 既存のFDのトラック密度は,だいたい135tpiどまりですが,大容量FDのそれは,ほとんどが300tpiを越えてしまいます.
 トラック密度が200tpiを越えると,FDDのヘッドの位置決めは,ステッピングモ-ターだけでは制御できません.そこでサーボをかけて,セクターごとに書き込んだサーボパターンを検出してやり,それを基にして位置決めを行う必要が出てきます.サーボパターンは、2トラック,あるいは4トラックごとに一定のパターンを繰り返す方式が採用されています.2トラックパターンの場合は,目的のトラックを含む±1トラック以内にヘッドがくると,セクター間ギャップを検出して,ヘッドが次のサーボパターンを確認するようになっています.4トラックの場合は,それが倍の±2トラック以内の範囲で検出します.どちらも実用段階の手前まできていますが,各メーカー間で統一しようという動きは,今のところないようです.
 また,トラック密度が400tpiを越えるような10MbytesFDは,ヘッドの位置決め誤差が,±3.0μm以下という精度を要求されますが,最近では、ソニーが,機械精度±1.0μm以下のリニアステッピングモーターを使って,±2.0μm以下という精度を試作段階で実現しています.
凄い気合の入った技術解説だ。感想としては技術屋が技術を高めていってもそれがお客の要望にあっていないと消える以前に登場することすらできないということなのだ。
10MbytesHDDと変わらない仕様
 以上のような点を踏まえて,あらためてこのクラスのFDDを見ると,平均アクセス時間は,10Mbytes3.5インチHDDの約2~4倍はかかりますが,メディア交換が可能である点,保磁性や動作確度が高い点などが,HDDよりも優れている部分として注目されます.
 また,HDDのデータバックアップ用として使う以外の利用方法も,アプリケーションの大容量化に伴って,検討され始めていることは,冒頭でも述べたとおりです.
 小西六写真工業の5.25インチFDDは,サンプル価格が20万円ですが,量産効果が出れば10万円前後になるでしょう.また,メディアの価格は、1枚3000円程度が見込まれています.ただ,10Mbytes以上の大容量FDDは,ほとんどのメーカーが3.5インチを使って実現する方向で動いているため,本格的な普及という点では疑問が残ります(小西六の場合は,大容量FDD開発の当初から,ターゲットを米国のワークステーション市場においているため,普及というレベルが異なるという点は考慮する必要がありそうですが).国内での大容量FDDの普及サイズは,やはり3.5インチが本命でしょう.
 FDD全般で見ると,今年から来年にかけては,5.25インチFDDの需要がそれほど望めないという予測が出ており,台数ベースでは,900万台程度(本年度予測)の出荷で頭打ちになると考えられています.月産7~8万台でなんとか採算ベースに乗るといわれる5.25インチ市場には,現在十数社が参入していますが,韓国や台湾などの追い上げもあって,今年末には,撤退を表明するメーカーも出てきそうです.
 一方の3.5インチ市場は,本年度320万台の出荷が見込まれており,1~1.6Mbytesクラスを中心に需要はさらに伸びる見込みです.3年後には,5.25インチの生産台数を追い越す,という予測結果も出ています.ちょうどその頃には,10Mbytesの3.5インチFDDも本格的な製品化の時期を迎えているでしょう.
もう台湾、韓国に負け始めていたのか。私も「こうなって欲しい」と思ったことが実現しなかったパソコンの世界だから、記事の筆者の予測が残念だったのは変なことではない。パソコン業界とはそんなものだ。

コラム記事をスクラップする。
「2Mbytesのすぐ後はどうなる?」
 10MbytesFDDは,少なく見積もっても,あと2~3年は製品化に時間がかかりそうですが,それでは3MbytesクラスのFDDはどうなのでしょうか.
 このクラスは、すぐ下位の1.6~2MbytesクラスのFDのデータの読み取り/書き込みができなければ,当初の普及に際しては,支障があります.本来,FDDの大容量化は,既存のデータ資産の継承なくしては考えられないものです.3Mbytesの容量を実現したのに,「MbytesのFDのデータが読めなくなってしまったのでは,せっかくの大容量化の恩恵も半減します.
 下位FDのデータの読み取りは,表1の3MbytesFDDクラスでは実現されているようです.トラック密度を2倍にして,セクターサーボを採用したかわりに,転送速度やFDCを継承したり,最大線記録密度を上げたかわりにトラック密度やサーボ機構を継承したりして,読み取りについてはなんとか保証しています.
 ただ,書き込みの方は,トラック密度を上げているものについては,ヘッドが追従しないために,不可能です.また,トラック密度は同じでも,1Mbytesのメディア自体にバラつきがあるため,条件付きで保証する場合もあるようです.
 大容量になれば,いつかは下位FDのデータを継承できなくなる時期がきます.10MbytesFDDは、1~2Mbytesの読み取りこそできますが,書き込みについては完全に不可能になってしまいます.
 3.5インチFDDの大容量化が進む背景には、5.25インチFDDに比べて3.5インチFDDはそれほど普及していないため、継承する過去の資産もそれほど多くない,という読みもあるようです.

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読みは外れたんだよな。メーカーが大容量FDDを搭載しないと広がらないんだよね。外付けドライブで対応なんてユーザは支持しない、金を出さない。

「43社が統一規格として採用した2インチのFDDが商品化」
 アンフォーマット時でIMbytes(片面記憶)と,容量は小さいのですが,そのかわり,サイズが2インチというFDDシステムをソニーが発表しました.
 これは,内外の電機メーカー43社が参加している電子スチルビデオ懇談会でまとめた「2インチ・データディスクシステム」のデータ信号記録フォーマットに準拠したシステムです。もともとは,電子スチルビデオ用の記録用機器/媒体として登場した統一規格なのですが,強力な誤り検出/訂正符号規格(CDと同等のCIRCを持つ)によって,ポータブルワープロやラップトップコンピュータ,OA機器用の外部記憶装置としての需要が見込まれています.
 記憶容量は,最大で10Mbytes程度まで向上させることができるため,大容量FDDの予備軍といえるでしょう.
 価格は,サンプル出荷にもかかわらずFDDが3万8000円,FDが1050円と低価格になっているのが魅力です.

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ソニーのデジカメ(34年前は電子スチルカメラと言っていたか)マビカに使っていたかどうか分からない。

最後は「マルチウィンドウOSに対応するグラフィックスプロセッサ」のスクラップ。
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コラム記事の「デュアルの上を行くトリプルの出現」
 日本電気とアスキーは,マトリクス形のフレームバッファの構成が容易にできる「トリプル・ポート・グラフィック・バッファμPD42232CU」を共同開発しました.
 μPD42232CUは,256Kbit(32Kワード×8bit)のデュアルRAMポート(ワードアクセスポート,ピクセルアクセスポー-ト),128ワード×8bitのシリアルポートからなるトリプルポートをはじめ,各種レジスタや論理演算回路などを「チップに集積化したフレームバッファ用メモリチップです。
 RAMポートは,×8bit構成のワードアクセスポートと,×8bit構成のピクセルアクセスポートを持っておりμUPD42232CUを複数個分組み合わせることによって,マトリクス状に接続したフレームバッファを構成することができます.
 また,このRAMポートは,フレームバッファのアクセスを容易にする各種レジスタや,256種の論理演算機能を備えているため,コンパクトな画像処理システムを作れます.
 システムの構成としては,解像度640×400ドットのビットマップディスプレイシステムが考えられます.μPD42232CU 1個を「プレーンに割り当てて,24プレーン構成とすると,1670万色の表示が可能になります.

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