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1990年のコンピュータ環境 Windows OS/2(月刊ASCII 1987年7月号7) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

月刊ASCII 1987年7月号のスクラップ記事を飛ばしてしまった。続きをここにアップする。

ASCII1987(07)c01コンピュータ環境扉_W520.jpg
あおり文をスクラップする。
 これまでメインフレームやミニコンの後に続いていたパーソナルコンピュータの進歩も,その処理速度が向上するにつれ,それらと肩を並べ、いまや独自の進歩をしようとしています.
 アメリカではIBMによるPS/2シリーズの発表によりハード,ソフト両面にわたる活性化がみられ,パーソナルコンピュータは新しい時代を迎えようとしています.また,日本ではオープンアーキテクチャであるTRONにおいて,メーカー各社によリ32bitCPUの開発が進められ,ソフトウェア検証のための試作機までもが登場しているといった状況です.
 本特集では,こうした新しい動きをレポートするとともに,新しい時代のパーソナルコンピュータ像を予想します.

予想が当たったか、外れたかではなく、1987年当時どのようにコンピュータ環境を考えていたか、どのようなコンピュータ環境を望んでいたか、期待していたかを知ることが大切だと思うのでここにスクラップする。

まずは
ASCII1987(07)c03コンピュータ環境OS_W520.jpg
「OS/2とWINDOWSに見るオペレーティングシステムの最新動向」のあおり文をスクラップする。
-充実するユーザーインターフェイスとそのパフォーマンス-
 32bitCPUマシンが登場し始めた昨今,そうしたパーソナルコンピュータには、資源を有効利用できるさらに高度なOSとユーザーインターフェイスが必要となってきます。いままで処理速度や周辺装置の価格などの問題によりパーソナルコンピュータは,一般のコンピュータとして当たり前の機能を持っていませんでした.各種の条件が満たされた今,パーソナルコンピュータは従来のコンピュータが持っていた機能を持ち、さらにその上を行く機能を持ちつつあります.
 ウィンドウシステムによりユーザーインターフェイスが改善され,新しいOSの登場により,仮想記憶やマルチタスクといった環境が提供され始めようとしているのです.
 ここでは,そのような動きを中心に最新のOSおよびその周辺状況を語っていきたいと思います。

まだ80286のMS-DOSがメインだった時代でWindows 2.0 や OS/2 を職場で仕事に使うなんて想定外の時代だった。そうした中、ASCIIは先進的な記事を載せ、Windoesとか触れない一般ユーザに知識を与えてくれた。
以下写真をスクラップする。
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Windows 2.0 になってやっとオーバーラップウィンドウがサポートされた。Windows 2.0 とMacの操作感覚はほぼ同じではないだろう。Macが白黒ディスプレイでやっていたことをWindowsがカラーでするにはマシンスペックが悲しいまでに低かった。80286では使い物になるものを作るのは無理だ。

ASCII1987(07)c04コンピュータ環境OS写真3_W333.jpg
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ソフトウェアの画面の紹介だけでは操作感は伝わってこない。「できる」、「可能である」ということと「使える」との間には物凄い壁がある。使えないソフトばかりのWindows 2.0 だったと思う。

次は OS/2 の記事。
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ASCII1987(07)c07コンピュータ環境OS図2_W520.jpg
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まとめの部分の本文をスクラップする。
パーソナルコンピュータOSの進化の方向は?
 現在では,各社とも80286CPUを持つものがメインであり,8086のみのマシンはどちらかというとエントリーマシンといった位置づけです.しかし,今年登場するマシンの主力は多分80386であり,来年には386マシンが主流となるでしょう.この3つのCPUの特性を考えると80286は非常に中途半端な位置にあります.8086つまりリアルモードは世の中の殆どがこのモードのソフトウェアとなっており,その蓄積は膨大なものです。ところが,80286のプロテクトモードは高度なメモリ管理/保護を持っていますが,リアルモードのプログラムで直接I/Oを操作しているものはプロテクトモード下で動かすことができません.
 これに対して80386は仮想8086モードというモードを持っており,仮想記憶/マルチタスクを行いながらその1つのタスクとしてリアルモードのプログラムを直接実行することができます.しかもその中でのI/O操作をエミュレートしてやることでソフトウェアをまったく変更せずにプログラムを実行することも可能なのです.これに加え,80386は80286のプロテクトモードとアッパーコンパチブルなモードがあり,80386ではすべての機能を使わずにOS/2を動かしています(このことから逆にOS/2は80386専用のOSではないともいえます).
 つまり,8086と80386の間はソフトウェア的には非常にスムーズに移行できるわけです.これに対して現在の8086から80286のプロテクトモードへの移行にはソフトウェアの全面的な変更という大きな問題が控えています。
パーソナルコンピュータ用OSの大きな目標
 80286から80386へCPUの世代交代が始まりつつある現在、OS/2にはどんな意味があるのでしょうか?まず,いえることは,現在の動きはIBMとMicrosoftの路線上にあるということです.今後の8086系CPUマシンのOSの動きはとりもなおさずこの両社の路線となることは間違いなさそうです。
 APの形態は,非常に長期的な目でみると,CPUのネイティブモードで動くものが自然であり,仮想記憶やメモリ管理が当たり前のソフトウェア環境となれば,あとはソフトウェアのバイナリレベルでの互換性を保ちつつCPUの能力を上げていくことも可能になります.
 つまり,仮想記憶で動作するといった条件はいずれはすべてのソフトウェアが満たさねばならない条件なのです.ファイルシステムや画面,グラフィックスの互換性/移植性が高まった現在,残されたカベはそれ以外のハードウェア条件,たとえばメモリ容量や動作環境などです。
 仮想記憶などの採用により,これらの条件が満たされなおかついずれ登場するであろうさらに高性能なCPUのことを考えると,こうしたプログラミングのやり方を変更する必要があります.それをいまやってしまおうというのがOS/2の意図なのです.OS/2と同時に発表されたIBMのSAA(System Application Architecture)は,この仕様に従って作られたプログラムがパーソナルコンピュータから大型機までのどのシステムでも動作可能にすることを保証するものです.こうした大型機までをも含むトータルなアーキテクチャのためにはいま,仮想記憶を行うようなアプリケーションに移行する必要があるのです.以上のように考えると今回のOS/2はIBMの戦略が全面に打ち出された製品といえるでしょう.
 しかし,すべてのプログラマ,ソフトウェアハウスがこれに対応できるか,あるいは対応するかどうかはまた別の問題です.さらには,IBMとは違った設計の80386マシンも多数あり,それらがこれですべて終わってしまうわけではありません.つまり,現在のところOS/2+SAAという路線は,まだIBM1社の方針でしかないわけです。5月に発表された日本IBMのパーソナルコンピュータ,PS/55(パーソナルシステム/55)の最上位機種5570を見るならば,そうした方針が顕著に感じられます.この機種は米国IBMの発表したPS/2のモデル80のディスプレイ関係を変更したマシンなのです.しかもOS/2(ただし日本語化されており,アメリカ版とは別バージョン)を採用,この機種を足掛かりとして,いずれ全世界的にパーソナルコンピュータを共通化しようという意図が見えるわけです.
 ユーザーにしてみれば,相変わらずいま使っているようなスプレッドシートやワードプロセッサを使いたいだろうし,すでに持っているソフトウェアを利用したいというのが本音です.こうした欲求とともにマルチタスク化した高度な環境を享受したいというのが現在の最も大きな要求ではないでしょうか?これに対する答えは80386の仮想8086モードです.このモードを使うことで、従来のMS-DOSのAPはほとんどそのままマルチタスク環境に移行できます.つまり,80386の仮想8086モードを使ったOSが一番要求されているのです(図4).
 このように考えると,MS-DOS用のソフトウェアの走るマルチタスクの80386専用OSは今年中にも発売される可能性は高いでしょう.そして当分のあいだOS/2と80386専用OSの共存時代が続き,プロテクトモードのAPが主流を占め、次々世代OSの登場によってこの2つが統合される,というのが今後の動きなのではないでしょうか.これにからんでUNIXやそのウィンドウシステムなどがあり,今年がどうやらパーソナルコンピュータのDOSからOSへの転換の年になりそうです.そしてDOSからOSに転換したあと,OSとしてUNIXやその他のOSとの拮抗が起こるのではないでしょうか.
当時、この記事をきちんと読んでいなかった。自分のパソコン遍歴を振り返り、やはりPC-9801VMのとき買っていれば、80286マシンなんて買うことはなかったのにと深く後悔する。V30は8086じゃないと言い訳して86系に転べば良かったのだ。
 OS/2が80286用のOSで80386用ではなかったことがWindowsに負けた原因だったのだろうか。マイクロソフトが早めにOS/2に見切りをつけたのは80286が中途半端なCPUだと気が付いていたためだろうか。
 それにしてもOS/2はブルーバックスになるほど注目されていたOSだった。80286CPU用として開発されで頑張ったOSだった。下は脇英世氏の「OS/2への招待」である。
ブルーバックスOS/2表紙_W520.jpg
ブルーバックスOS/2見返_W520.jpg
この本によれば
(p.5-6)
「OS/2の基本部分は、マイクロソフト社が中心になって作られているようである。
OS/2はビル・ゲーツの誇りであるらしく、「私のオペレーティング・システム」と言っていると伝えられる。ビジュアルなマッキントッシュ的なオペレーティング・システムを作り出すことは1984年のマッキントッシュ登場以来のビル・ゲーツの夢だったらしい。長く予告されたOS/2は、やっと登場しようとしている。今後のOS/2は、おそらく1990年代へ向けて、UNIXより上位シフトして行くことだろう。」とある。
当時はこう考えられていた。まさか、マイクロソフトがOS/2と決別し、WindowsでOS/2を駆逐するとは。マイクロソフトはXENIXとOS/2を肥やしにしてWindowsで成功したように見える。
なんってたってOS.2は天下のビッグブルーが作ったOSだから。Basicを作っていた新参者のマイクロソフトはそんなに評価されていなかった。だってMS-DOSは自社製のOSではなく、シアトル・コンピュータ・プロダクツから買ったものだったし、しかもそれはCP/Mを8086用に移植して手を加えたような製品だった。OSをまともに作ったことのないマイクロソフトが開発した34年前のWindowsは使いものにならなかった。Macができたことを物真似しても、Windowsはやはり物真似レベルだったから。
しつこいけど、「できる」と「使い物になる」とは全く違うのだ。
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