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コンピュータ業界関係(月刊ASCII 1987年4月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESS からコンピュータ業界関係の記事をスクラップする。

まずは、「米国ハイテク産業の動向」
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Neural Netは1990年代の
コンピュータ業界の救世主となるか?

 最近の米国コンピュータ業界ははかばかしくない.どの新聞を見ても,「××社,200人のレイオフ」といった暗い記事が多い.また,昨年降って湧いた富士通のフェアチャイルド社買収のニュースは,事前に多少のリークがあったものの,やはり米国の威信を大きく揺るがすニュースだった.いくらかでも明るいニュースといえば,IBM社のニューPCがいつ発表されるかといった推測記事とApple社のMacintoshIIのパワーについての希望的観測記事くらいである.
 しかし,このどちらも馬券の予想屋的感覚は拭えない.例えば,ある業界アナリストいわく「最も信頼すべき筋によると,IBM社のあるサーキットボード工場の隣にあるバーで働く誰々が,その工場が最近作業時間のシフトを変えたらしいと証言したとの情報をその友人が入手した」といったあんばいである.こうした状況の中,人工知能(AI)に関する分野では,まさに米国のアントレプレナー精神を示す動きが静かに始まろうとしている.
 米国のAI研究は,すでに数十年の歴史を持っており,日本のそれのような華々しさはないが,カーネギーメロン大学やスタンフォード大学,あるいは大手企業の研究センターが着実な成果をあげている.特に最近では、エキスパートシステムのカーネル,つまりAIアプリケーションの開発ツールが商業ベースで次々と発表されている.これらのシステムはフォン・ノイマン型のプロセッサを基本にしており,ある程度知的に見える振る舞いができるが,AIのそもそもの目標である“人工知能”とはいえない.例えば,普通の人間が日常的に行っている画像認識や,文章の意味論的解析を行わせるには程遠いという状態にある.ところが最近,まったく新しいコンセプトに基づくプロセッサの開発が話題になっている.それが,「Neural Net Computer」(神経網コンピュータ)である.
 Neural Netは,もともと脳の神経繊維であるニューロンの機能や人間を含む動物の行動を分析・研究することから始まった.もっとも初期の業績は,W.S.McCullochとW.Pittsの線形しきい値関数を用いた理論や,D.Hebbのモデルといった医学的・心理学的立場からのアプローチにその痕跡がみられる.1960年代には,F.RosenblattのパーセプトロンによってNeural Netの原型が考案されたが,当時のハードウェア技術では,大規模なネットワークの検証を行うことは不可能であった.これに類似する日本の研究では,東京大学の中野馨氏のアソシアトロンや甘利俊一氏の神経回路網の研究などが有名である.その後,フォン・ノイマン型のプロセッサ技術が急速に発達したため,AIの研究もそれらを用いた高次シンボリック処理(現在の市場にあるエキスパートシステムが採用)が主流になったが,これらのシステムが持つ潜在的限界が次第に明らかになってきたため、ふたたび脳の中での処理方式を研究・開発する試みがにわかに脚光を浴びてきたのである.
 最近の研究としては,まず現在のコンピュータを用いた神経回路網のシミュレーションが挙げられる.例えば,カリフォルニア工科大学のJohn Hopfieldは,シミュレートされた非同期対称結台型のネットワークを用いて,今まで取り扱いのむずかしかったN-P問題を解くための大域的最適化が達成できることを示した.また,ジョン・ホプキンス大学のTerrence Sejnowskiは,プリンストン大学のC.Rosenbergとの共同研究で,NET-TALKと呼ばれる発声と文章生成を自動的に学習するプログラムを書いた.1975年にブラウン大学の2人の研究者によって設立されたNestor社は,IBM PC/AT上で動作するNeural Netの考えに基づいたソフトウェアを開発している.1985年に設立されたNeural Tech社もまた,同様のエキスパートシステムを開発中である.
 これらのNeural Netシミュレーション技術に対し,ネットワーク自身をシリコンチップ上に実現しようという動きもある.TRW社のRobert Nielsenは,米国防省のプロジェクトにおいてNeural Netを用いた新しいシステムを完成し,その後,TRW社を離れて,1986年にHecht-Nielsen Neurocomputer社(HNC)を設立,IBM PC/ATに接続できるANS(Artificial Neural System)と呼ばれるコ・プロセッサの開発に着手した.HNCには,Neural Netの研究で世界的に知られているS.GrossbergとT.Kohonenも参加している.U.C.IrvineのニューロバイオロジストであるGary Lynchは,1986年にSynaptics社を設立した.同社はその後,Silicon Valleyの伝説的な人物であるFederico Faggin(Zilog社の設立者の1人で,Intel社の最初のマイクロプロセッサをデザイン)が参加するなどして,現在の研究体制になった.また最近では,Caltech社のCarver A.Mead(セミコンダクタのデザイン方法論の第一人者)が同社の新しいチップの設計に関与することになっている.
 このように,次世代のコンピュータ産業の担い手となるようなベンチャー企業が次々と設立され,研究開発を推し進めている.もちろん,Neural Netに対しては否定的な意見も多い.本格的な実用に向けて,今後クリアーしなければならない問題も数多く残されている.しかし,人工知能の実現に向けてNeural Netを取り巻く状況が,現在急速に変化しつつあることは確かである.次号では,Synaptics社の開発担当副社長Federico Fagginにインタビューができたので,その一部を紹介しよう.
(本稿は(株)ザイロン代表脇山引敏氏の寄稿による)

多分34年前のことだから今のAIとは全然違うのだろうが、今のAIの仕組みが私には分からないのでこの記事の評価はできない。スクラップしていていってどこが古いとか使えないものだったとかが分かればうれしい。

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同じ号でMacIIやMac SEのボリュームの多い記事があるなかでひっそりとタイトルを含めわずか4行だけのAppleII GSの記事ががあった。べた記事中のべた記事だ。

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ロータスが86年度決算で増収増益を記録
このときは絶好調のロータス1-2-3だが、Windows95以降衰退し「奢れる人も久からず」だった。

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TI,半導体特許紛争で東芝と和解
34年前はDRAMの技術特許で日米がもめていた。米国から見ると34年前の日本は中国と同じだったのだろう。ただ、日本は平和的な解決に向けて努力した。まあ、日本側が金を払うことで和解したのだが。

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米半導体工業会が日本の協定違反を訴え
特許の問題だけではなく、日本はダンピングしていると訴えられていた。本当にこじれていた。

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日米,スーパーコンピュータ調達で平行線
34年後の今では日本の自国スパコンが世界一となっていたが、34年前は米国は日本にスパコンを買えと圧力をかけていた。

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クレイがスーパーコンピュータに新機種追加
スパコンと言えばクレイ。これは廉価版を出したという記事。

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Sun,低価格ワークステーション発売
ワークステーションと言えばSun。これも廉価版を出したという記事。

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スーパーミニと言えばVAX。これもまた廉価版を出したという記事。
このころは廉価版が流行りだったのか。
34年前はスパコン、ワークステーション、スーパーミニとも廉価版ばやりだったとメモっておく。

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三菱が32bitスーパーミニコンを発売
はい、日本もスーパーミニくらい出せます。

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日本電気がACOSシリーズに3機種追加
はい、大型コンピューターも出します。

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日本NCRが32bitワークステーションの新機種を発売
この号はスパコンからスーパーミニ(ワークステーション)までの新機種発売の記事が多かった。

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